JP2757141B2 - フィルム包装体の開梱装置 - Google Patents

フィルム包装体の開梱装置

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JP2757141B2
JP2757141B2 JP9759295A JP9759295A JP2757141B2 JP 2757141 B2 JP2757141 B2 JP 2757141B2 JP 9759295 A JP9759295 A JP 9759295A JP 9759295 A JP9759295 A JP 9759295A JP 2757141 B2 JP2757141 B2 JP 2757141B2
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克己 早川
政広 佃
幸義 佐藤
隆司 守中
淳一 立脇
一也 山坂
敦 仁尾
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Oji Seitai Kaisha Ltd
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Oji Seitai Kaisha Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフィルム包装体の開梱装
置に関し、より詳しくは袋状のシュリンクフィルム又は
ストレッチフィルム(特公平5−71445号公報参
照)をパレット上に載置した被包装物の頂部から被せ、
該袋状フィルムの開口端部(下端)をパレットの下面周
縁(特に四隅の下面)に巻込ませて被包装物とパレット
を一体化したフィルム包装体の開梱装置の改良に関す
る。
【0002】
【従来の技術】上記のように袋状のフィルムを被包装物
に被せて被包装物とパレットを一体化したフィルム包装
体(図39及び図40参照)の自動開梱装置としては本
出願人の出願にかかる特願平6−173155号及び特
願平6−335442号各明細書記載の提案がなされて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の装置では下部グリッパーがフィルムの下端を挟持した
後、手前に引いてフィルムをパレット及び被包装物から
引離し、次いで切断ユニットの挟持ローラーが回転し、
フィルムを表裏から挟持して上昇することにより、該切
断ユニットに取付けられているヒートカッターでフィル
ムを包装体の前面中央部で下端から上端に向かって切断
するため、次のような問題があった。すなわち、シュリ
ンク包装体の場合、包装体の四隅ではフィルムがパレッ
トの下面に巻込んでいるものの、その他の部分(パレッ
トの各辺の中央部)ではフィルムが上下方向に収縮し
て、下部グリッパーがフィルムを挟持しようとしても、
その個所にフィルムが存在しなかったり、あるいは、シ
ュリンク包装体、ストレッチ包装体いづれの場合でも、
包装後のフォークリフトによる荷役のため、下部グリッ
パーが挟持しようとする個所のフィルムが切れていたり
して、フィルムを挟持することができず、切断ユニット
でフィルムを切断することができないこともあった。
【0004】本発明はかかる事情に鑑みなされたもの
で、その課題は袋状のフィルムを被包装物に被せ、被包
装物とパレットを一体化したフィルム包装体の前面にお
いて、フィルムを上下方向に確実に切断することのでき
るフィルム包装体の開梱装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明においては、フィ
ルム包装体の頂面前辺に沿って切断されたフィルムの切
口の外側のフィルムを開口装置によって上方に向けて開
き、該切口から切断ユニットの挟持ローラーで表裏から
フィルムを挟持させて、包装体の上端から、下端に向か
ってフィルムを切断することにより前記課題を解決する
ことができた。
【0006】前記課題を解決する本発明のフィルム包装
体の開梱装置は、パレットとその上に積載した被包装物
をフィルムで包装して一体化した包装体を開梱するた
め、前方と後方に位置する2本の支柱と、その支柱の間
に開梱すべき包装体を搬送する手段を有し、前記前方の
支柱には、前記フィルムを表裏から挟持する2対の挟持
ローラー及び前記フィルムを切断するカッターとからな
る切断ユニットを取付け、また、前記後方支柱には該支
柱に沿って昇降するキャリエージを取付け、該キャリエ
ージには、前記包装体の頂面を押圧して固定する押え装
置と、該押え装置の左右対象位置に支点を有し、先端部
に前記包装体上のフィルムの上端を挟持し、前後、上下
に作動する2組の上部グリッパーを備え、切断したフィ
ルムを左右に開扉する一対の揺動アームを取付けたフィ
ルム包装体の開梱装置において、前記押え装置の下面に
少くとも該押え装置の前辺のほぼ全幅と、前辺から後辺
にわたる吸着溝を設け、該吸着溝に沿って熱線ナイフを
取付け、かつ押え装置上に、その前辺で前記熱線ナイフ
で切断したフィルムの切口の外側のフィルムを上方に向
けて開く開口装置を取付け、更に包装体四隅下端に対応
する位置で包装体の下面に巻込んだフィルムを引離す手
段を設けたことを特徴とする。
【0007】なお、前記開口装置は前記切口より外側で
包装体の頂面のフィルムを上方に吸上げるため、上下方
向に作動する吸盤と、該吸盤が吸上げたフィルムを直立
させるため前記吸盤と共に前後に作動する垂直バーとで
構成することができる。
【0008】更に、包装体の後方二隅の下面に巻込んだ
フィルムを引離す手段が、包装体後方二隅の下端部と対
応する位置で前後進する一対の吸盤とすることができ
る。
【0009】又、包装体の前方二隅の下面に巻込んだフ
ィルムを引離す前記手段は包装体前方両側面の下端近傍
で上下、前後に作動する一対の吸盤とすることができ
る。
【0010】これらの手段は又、前記吸盤に加え、該吸
盤と共に前後動し、かつこれら吸盤より前進方向に突出
した位置で上下動する摩擦係数の大きい表面を有する水
平な当接板を備えた構成とすることが好ましい。
【0011】更に、包装体の前方二隅の下面に巻込んだ
フィルムを引離す手段は、前記切断ユニットにより包装
体の前面で上下方向に切断されたフィルムをその包装体
下端近傍の切口から水平方向に向かって挟持し、それぞ
れ包装体の進行方向前方及び後方に、開梱中の包装体の
端縁を超えて水平に移動する2組のグリッパーとするこ
ともできる。
【0012】更に、本発明のフィルム包装体の開梱装置
には除去したフィルムを集束し、ベルト状に圧縮して排
出するため、前記一対の揺動アームの少くとも一方の支
点近傍でフィルムの上端を挟持する少くとも1組の(後
方の昇降)グリッパーと、被包装物から除去したフィル
ムを集束するリング状集束ガイドと、該ガイド内にフィ
ルムを押込むプッシャーと、前記集束ガイドの出口で該
集束ガイドに押込まれたフィルムを連続して圧縮排出す
るニップローラーとを設けてもよい。
【0013】又、前記上部グリッパーの各爪はそれぞれ
開閉する手段を備えていることが好ましい。更に前記一
対の揺動アームの各支点近傍に開梱中の被包装物の後方
二隅の上端部からフィルムを引離す手段を設けることが
できる。
【0014】本発明のフィルム包装体の開梱装置では前
記包装体後二隅の上端部及び下面からフィルムを引離す
手段を包装体の両側面後方上下端近傍のフィルムを吸着
して、外側後方に概ね90°旋回する少くとも4個の開
扉補助吸盤としてもよく、又これら開扉補助吸盤に加え
て、前記一対の揺動アームの旋回角度を90°未満に制
限する機構を設けることもできる。
【0015】
【作用】本発明装置では袋状のシュリンクフィルム又は
ストレッチフィルムをパレット上に載置した被包装物の
頂部から被せたフィルム包装体の頂面に押え装置を当接
し、該押え装置の下面に設けた吸着溝でフィルムを吸着
し、該吸着溝に沿って取付けた熱線ナイフで該包装体頂
面のフィルムを少くとも該頂面の前辺全幅と、前辺から
後辺にわたって切断した後、前記頂面の前辺に沿う切口
の外側の部分のフィルムを開口装置で上方に向かって開
き、該切口から切断ユニットの挟持ローラーで表裏から
フィルムを挟持させて、該切断ユニットを下降させて、
包装体の前面上端から下端に向けフィルムを切断するこ
とにより、包装体下端(特にパレットの各辺の中央部)
でフィルムが上方に収縮していたり、あるいはフィルム
が切れていたりしても、該フィルム包装体の前面におい
てフィルムを上下方向に確実に切断するという作用が達
成される。
【0016】更に本発明装置では、上記したように袋体
の頂面と前面で切断された袋状のフィルムは一対の揺動
アームの先端に取付けられている上部グリッパーでその
上端を挟持され、前記揺動アームの旋回によって左右に
開扉されるが、その際包装体後方の二隅でパレットの下
面に巻込まれているフィルムを例えば包装体後面下端両
隅部近傍で前後動する吸盤などの手段で該部分のフィル
ムを吸着して引くとか、あるいは前記吸盤で包装体後面
下端両隅部のフィルムを吸着して引くのと同時に、該吸
盤と共に前後進し、かつ該吸盤より吸盤前進方向に突出
した位置で上下動する摩擦係数の大きい表面を有する水
平な当接板をパレット下面に巻込んだフィルムに下方か
ら水平に当接して(前記吸盤と共に)後退させて、該部
分のフィルムを包装体の外側に引出すことにより、パレ
ット下面から引出すことができる。
【0017】更に包装体前方の二隅でパレット下面に巻
込まれているフィルムについては、例えば、後方二隅の
場合と同じように包装体両側面の前方下端近傍で上下、
前後に作動する一対の吸盤で該部分のフィルムを吸着し
て、それぞれ包装体進行方向前方及び後方に引くとか、
あるいは前記吸盤より吸盤前進方向に突出した位置で上
下動する摩擦係数の大きい表面を有する水平な当接板を
パレット下面に巻込んだフィルムに下面から水平に当接
して(前記吸盤と共に)後退させてパレット下面から引
出すか、あるいは包装体の前面で上下方向に切断されて
いるフィルムを2組のグリッパーで包装体下端近傍の切
口から水平方向に向かって挟持させ、該グリッパーを包
装体の進行方向前方及び後方に開梱中の包装体の端縁を
超えて水平に移動させることにより、パレットの下面か
ら引出し、被包装物を覆っている袋状フィルムを除去す
るという作用が達成される。
【0018】更に、本発明装置のキャリエージ上に、前
記一対の揺動アームの少くとも一方の支点近傍に、昇降
する後方の(昇降)グリッパーと、リング状集束ガイド
と、プッシャーと、前記集束ガイドの出口に一対のニッ
プローラーを設けると、グリッパーで開扉したフィルム
の切れ目が更に破断して垂れ下がらないように、その上
端を挟持して、リング状集束ガイドの前方に保持すると
共に、プッシャーでリング状集束ガイド内に押込んで集
束し、次いでニップローラーで帯状に圧縮して、減容し
て排出するという作用が達成される。
【0019】又、上部グリッパーの各爪にそれぞれ開閉
手段を設けると、開梱したフィルムを上部グリッパーか
ら離しやすくするという作用が達成される。
【0020】また、揺動アームの支点近傍に、実施例に
例示されているような、開梱中の被包装物の後方二隅の
上端部からストレッチ・フィルムを引離す手段を設け、
被包装物の後方二隅上端部で、切断したストレッチ・フ
ィルムを完全に開扉する前に、予じめ被包装物と開扉中
のストレッチ・フィルムを分離することにより、包装体
後方二隅の最上段から空容器等の被包装物が落下するこ
とを確実に防止するという作用が達成される。
【0021】更に包装体の前面で上下方向に切断したフ
ィルムを一対の揺動アームの先端の上部グリッパーで挟
持させ、該アームを旋回させて切断したフィルムを左右
に開扉する際、同時に該包装体の少なくとも両側面後方
上下端近傍の4ケ所において開扉補助吸盤でフィルムを
吸着させ、該吸盤を外側後方に概ね90°旋回させてフ
ィルムを緊張させたまま包装体後方の両コーナーから分
離することにより、フィルムが被包装物の表面に接触し
た状態で収縮して、これら接触している被包装物を移動
させ、セパレートシートから落下させるのを防ぐと共
に、被包装物からフィルムを分離するための揺動アーム
の旋回角度を最小限に押えるという作用が達成される。
【0022】
【実施例】以下、本発明を図面により説明するが、本発
明はこれらに限定されない。図1は本発明装置の全体像
を示す斜視図、図2は側面図である。
【0023】図1及び図2において、1はベースフレー
ム、2a、2bは前方、後方支柱、3はコンベア、4は
フィルム包装体、4aはパレット、4bは被包装物、5
はフィルムである。前方支柱2aには二対の挟持ローラ
ー8a、8b及びヒートカッター9からなる切断ユニッ
ト17が取付けられ、前方支柱2aに沿って昇降する。
また、後方支柱2bには該支柱に沿って昇降するキャリ
エージ19が取付けられ、該キャリエージ19には押え
装置用アーム18とその先端に押え装置6が取付けられ
ている。又押え装置6の前辺には、フィルム包装体の頂
面前辺に沿って切断されたフィルムの切口の外側のフィ
ルムを上方に向けて開く開口装置7が取付けられてい
る。更に前記キャリエージ19上の前記押え装置6の左
右対象位置には、先端に各一対の爪10′aと10′
c、10′bと10′d(図8参照)からなりそれぞれ
前後、上下に作動する上部グリッパー10a、10bを
備えた揺動アーム11a、11bが取付けられている。
【0024】また、キャリエージ19には後方の(昇
降)グリッパー25と排出プッシャー12と、リング状
集束ガイド13と、排出ニップローラー14とが設置さ
れている。そして、コンベア3の後方側縁に沿って、パ
レット4a(又は被包装物4b)に向かって前後進する
吸盤26a、26bが取付けられている。更に、コンベ
ア3の前方側縁に沿って開梱位置にあるフィルム包装体
4のパレット4aの前方寄り側面に向かって上下、前後
に作動する一対の吸盤15a、15bが取付けられてい
る。
【0025】図1に示すチェーン・コンベアは開梱時パ
レットの周縁下面に巻き込んだシュリンク・フィルムを
はずして除去できるようにチェーン間隔を狭くすると共
に、開梱中のフィルム包装体4のパレット4aの周縁下
面にチェーン3aが接触しないようにスプロケット3b
を介して迂回させている(図15参照)。また、この搬
送手段は適当な構造のローラー・コンベアでも、自走運
搬車であってもよい。
【0026】図3は、図2の上部に図示された後方支柱
2bに設置された構造物の平面図であり、また図4は図
2の上部に図示された前方支柱2aに設置された構造物
の平面図である。図5は押え装置6の底面図、図6はそ
の平面図、図7は図5のA−A′線に沿った断面図、図
8は上部グリッパー10a、10bの拡大側面図、図9
は後方の昇降グリッパー25の概略側面図、図10は図
9の概略平面図、図11は包装体の頂面前辺に沿ってフ
ィルムを上方に吸上げるため、上下方向に作動する一対
の吸盤7a、7bと、該吸盤が吸上げたフィルムを直立
させるため、前記吸盤と共に上下、前後に作動する垂直
バー7cとよりなる開口装置7の拡大斜視図である。
【0027】図12はコンベア3の後方側縁沿いに取付
けられている吸盤26a、26bの側面図、図13はコ
ンベア3の前方側縁沿いに取付けられていて吸盤15
a、15bの斜視図、図14は挟持ローラー8a、8b
とヒートカッター9からなる切断ユニット17の拡大側
面図、図15はコンベア3の側面図である。
【0028】上記各図面において、同一符号は同じ意味
を有し、16はスライドレール、20はキャリエージ
(19)昇降用モーター、21は切断ユニット(17)
昇降用モーター、22は挟持ローラー(8a、8b)駆
動用モーター、30a、30bは前方の開扉補助吸盤
(15a、15b)を上下動させるエアシリンダー、3
1a、31bは吸盤15a、15bを前後動させるエア
シリンダー、32a、32bは上部グリッパー10a、
10bを上下動させるエアシリンダー、33a、33
b、33c、33dは10a、10bの爪の10′a、
10′b、10′c、10′dを開閉するエアシリンダ
ー、34a、34bは上部グリッパー10a、10bを
前後進させるエアシリンダー、35a、35bは揺動ア
ーム11a、11bを揺動させるための市販の流量比例
電磁弁を取付けたエアシリンダー、36は排出プッシャ
ー(12)を前後動させるエアシリンダー、37aは吸
盤(7a、7b)だけを上下動させるエアシリンダー、
37bは前記吸盤(7a、7b)と垂直バー(7c)を
上下動させるエアシリンダー、37cは前記吸盤(7
a、7b)と垂直バー(7c)を前後動させるエアシリ
ンダーである。
【0029】40は搬入されるフィルム包装体4の先端
を検知して開梱位置に来たときコンベア3を停止させる
ビームスイッチ、41は押え位置6が包装体4の頂面を
押えたことを検知して、キャリエージ19を停止させる
リミットスイッチ、42は切断ユニット(17)をその
ストロークの下死点で停止させるリミットスイッチ、4
4は切断ユニット(17)をその上死点で停止させるた
めのリミットスイッチである。
【0030】52は押え装置6の下面に設けられたZ字
形の吸着溝、53は吸着溝52に沿ってZ字形に配置さ
れた熱線ナイフ、54は吸着溝52から吸気するための
パイプ、55a、55b、55cは吸着溝52とパイプ
54を結ぶ吸気口、56はパイプ54と図示されていな
い減圧源(バキュームポンプ)を結ぶ吸気口、71は熱
線ナイフ53を昇降させるエアシリンダー、60はコン
ベア(3)駆動用モーター、72は後方の(昇降)グリ
ッパー25を昇降させるエアシリンダー、73は前記グ
リッパー25を開閉するエアシリンダー、74a、74
bは吸盤26a、26bをパレット4a(又は被包装物
4b)に向かって前後進させるエアシリンダーである。
また、図中の矢印は各部の動きを示す。
【0031】以下、図16〜図23を参照して、本発明
装置の作動について説明する。図16〜図22は押え装
置6上に取付けられた開口装置7の作動の各段階を示す
概略図で、図16、17、19、20、22は側面図、
図18は斜視図、図21は平面図である。図23は揺動
アーム11a、11bの開扉作動を説明するための概略
平面図で、A〜Eは作動の各段階状態を示す。なお、図
中の各符号は図1〜図15におけるのと同じ意味を有す
る。
【0032】まず、フィルム包装体4はコンベア3によ
って上流より搬入されビームスイッチ40により、該包
装体の進行方向中央が、前方、後方支柱2a、2bの前
に来たとき、自動的に停止する。このとき、前方の開扉
補助吸盤15a、15bは図2に示す位置(すなわち、
コンベア3の上面より下方で、かつパレット4aから離
れて)で待機し、又、図4の挟持ローラー8a、8bと
ヒートカッター9からなる切断ユニット17もその上死
点(リミットスイッチ44と接触した状態)で待機して
いる。また、キャリエージ19の押え装置用アーム18
に取付けられている押え装置6、揺動アーム11a、1
1b及び該揺動アームの先端に取付けられている上部グ
リッパー10a、10bはそれぞれ図2に示す状態で待
機している。
【0033】フィルム包装体4が定位置で停止すると、
押え装置6が下降し、該包装体の頂面を押え、図1に示
すリミット・スイッチ41によって停止する。この状態
を図16に示す。次に、図示されていない減圧源(バキ
ュームポンプ)が作動して、押え装置6の下面にZ字形
に設けられている吸着溝52がフィルム包装体4の頂面
のフィルム5を吸着する(図7参照)。押え装置6はフ
ィルム5を除去するのに必要な適当な距離だけ上昇して
停止する。この停止位置はタイマーなどの適当な手段で
予じめ設定しておくことができる。次にエアシリンダー
71が作動して熱線ナイフ53を吸着されているフィル
ム5に確実に当接される高さまで下降し、通電され、包
装体の頂面をZ字形に切断する。吸気が停止され、熱線
ナイフ53はエアシリンダー71の作動で元の高さまで
上昇する。
【0034】フィルム包装体4の頂面のフィルムの切断
が完了すると、エアシリンダー37bが作動して、開口
装置7の吸盤7a、7b及び垂直バー7cを下降させ
る。この状態を図17に示す。次いで、エアシリンダー
37aが作動して吸盤7a、7bを下降させ、前記押え
装置6の前辺に沿って切断されたフィルム5の切口Cよ
り、外側のフィルムに当接する。このとき図示されてい
ない減圧源が作動して、吸盤7a、7bはフィルムを吸
着する。この状態を図18に示す。
【0035】次にエアシリンダー37aが前記の逆方向
に作動して、吸盤7a、7bが上昇し、吸着したフィル
ムを持上げる。この状態を図19に示す。次いで、エア
シリンダー37cが作動して、吸盤7a、7b及び垂直
バー7cを共に前進させるが、このとき減圧源は停止
し、吸盤7a、7bは吸着していたフィルムを開放す
る。これによって、フィルムの上端部は図20に示すよ
うにほぼ上方に伸びることになる。
【0036】このとき、揺動アーム11a、11bの先
端に取付けられている上部グリッパー10a、10bは
開口装置7の両側において、それぞれエアシリンダー3
2a、32bの作動でフィルム5を挟持しうる位置まで
下降し、それぞれエアシリンダー33a、33c及び3
3b、33dの作動で閉じてフィルム5の上端縁を挟持
する。この状態を図21に示す。
【0037】上部グリッパー10a、10bはそれぞれ
エアシリンダー34a、34bの作動で前進し、挟持し
ているフィルム5を更に前方に押出す。そして切断ユニ
ット17が下降を開始し、挟持ローラー8a、8bで表
裏からフィルムを挟持しながら、ヒートカッター9によ
って、包装体4の前面で上下方向にフィルム5を切断す
る。この状態を図22に示す。なお切断ユニット17は
リミットスイッチ42に接触して下降を停止する。フィ
ルム5が包装体4の前面で、上下方向に切断されると、
上部グリッパー10a、10bが上昇し、次いで揺動ア
ーム11a、11bが揺動して切断されたフィルム5
を、切断線から左右に開扉する。この開扉工程を図23
A−Eに示す。
【0038】揺動アーム11a、11bが旋回して切断
したフィルムを開扉するに先立って、まず、コンベア3
の前方側縁沿いに取付けられている一対の吸盤15a、
15b(図13参照)が、それぞれエアシリンダー30
a、30bの作動でパレット4aの高さまで上昇し、次
いでそれぞれエアシリンダー31a、31bの作動でパ
レット4aに向かって前進し、パレット4aの表面を覆
うフィルムに当接し、次いで減圧源が作動して該部分で
フィルムを吸着する。揺動アーム11a、11bの旋回
が始まると、エアシリンダー31a、31bが前記と逆
方向に作動して、前記個所でフィルムを吸着したまま後
退し、包装体4の前方二隅でパレット4aの下面に巻込
まれているフィルムをパレット4aの下面から引出す。
【0039】次に吸盤26a、26bが開梱中の被包装
物の後方二隅角部の下端に当接され、該部分でフィルム
5を吸着して後退する。これによって、揺動アーム11
a、11bが切断したフィルム5を開扉し終るとき、被
包装物後方二隅角部でパレット4bの下に巻込んでいる
フィルムが該部分からはずされる。(図12参照)な
お、揺動アーム11a、11bの作動源であるエアシリ
ンダー35a、35bには図示されていない流量比例電
磁弁が取付けられていて、フィルムの開扉をスムースに
するため、揺動アームの揺動速度(すなわち、等速旋回
速度)を自由に選択できるばかりでなく、揺動の途中
で、揺動アームを一時停止させたり、揺動中、その(旋
回)速度を変化させることもできる。
【0040】次いで、図23のEに示すように、被包装
物4bから分離され、上部グリッパー10a、10bに
よって挟持されているフィルム5に向って、図9及び図
10に示す後方の昇降グリッパー25がエアシリンダー
72の作動で下降し、次いでエアシリンダー73の作動
で閉じて開扉したフィルム5の上端を挟持し、リング状
集束ガイド13の高さまで持上げると、上部グリッパー
10a、10bが開いて該フィルムを解放する。次いで
エアシリンダー36が作動して排出プッシャー12が前
進し、リング状集束ガイド13にフィルム5を押込み始
める。排出プッシャー12が更に前進し、フィルム5を
排出ニップローラー14の間に挿入する。排出ニップロ
ーラー14はリング状集束ガイドを通過して集束された
フィルム5を帯状に圧縮、減量して排出する。開梱され
た被包装物4b及びパレット4aは揺動アーム11a、
11bの停止後の適当な時点にコンベア3によって排出
される。
【0041】本実施例の装置では、図8に示すように、
上部グリッパー10a、10bを構成する爪10′aと
10′c、10′bと10′dにそれぞれ1本ずつのエ
アシリンダー33a、33c、33bと33dが取付け
られていて、フィルム5を解放するときは、爪10′a
と10′c、10′bと10′dを互いに反対の方向に
旋回させてグリッパー10a、10bを開くことにより
開梱したフィルムを上部グリッパーから離しやすくして
いる。
【0042】本発明装置において、揺動アーム11a、
11bを揺動させる作動源として図3に示す流量比例電
磁弁を取付けたエアシリンダー35a、35bの代りに
サーボモーターを用いてもよい。図2は本発明装置の別
の実施態様において、後方支柱に接地された構造物の平
面図で、図中の符号は図1〜図19におけるのと同じ意
味を有し、23はサーボモーター、24は減速機であ
る。
【0043】本発明装置では、包装体の前方二隅の下面
に巻込んだフィルムを引離す手段として前記実施例に示
すコンベア3の前方側縁沿いに取付けた(前方の開扉補
助)吸盤15a、15bの代りに、切断ユニット17に
よって包装体4の前面で上下方向に切断されたフィルム
を包装体下端近傍の切口から水平方向に向かって挟持
し、それぞれ包装体4の進行方向前方及び後方に、開梱
中の包装体の端縁を超えて水平に移動する2組の(開扉
補助)グリッパーとすることもできる。
【0044】以下、図25〜図31を参照して、上記
(開扉補助)グリッパーの構造並びにその作動について
詳細に説明する。図25は該2組の(開扉補助)グリッ
パーの内の1組の構造を説明するための平面図、図26
は図25のグリッパーの正面図、図27は図25のA−
A線に沿った側断面図、図28〜図31はこれら2組の
グリッパーの作動を説明するための平面図である。
【0045】図中の符号は図1〜図24におけるのと同
じ意味を有し、58はグリッパー、58aはその可動
爪、58bは固定爪、58cはフィルム抜取りガイド、
59aはスライドレール、59b、59cはストッパ
ー、75aはグリッパー58全体を前後動させるエアシ
リンダー、75bはグリッパー58の可動爪58aを開
閉するロータリー・アクチュエーター、75cはグリッ
パー58全体をスライドレール59aに沿って移動させ
るマグネット式ロッドレスシリンダー、75dはフィル
ム抜取りガイド58cのみを前後動させるエアシリンダ
ーである。
【0046】図25〜図27に示すように、前方支柱2
a上の、コンベア3上面より適当な距離だけ上方の位置
には包装体4の進行方向のそれぞれ前後方向に伸びるス
ライドレール59aが取付けられ該スライドレール上
に、それぞれグリッパー58が取付けられている。グリ
ッパー58はスライドレール59a上をマグネット式ロ
ッドレス・シリンダー75cの作動でスライドする。グ
リッパー58のストロークは、切断ユニット17が前方
支柱2aに沿って昇降するのに支障とならないようスト
ッパー59bと59cの間に限定される。グリッパー5
8は固定爪58bと、ロータリー・アクチュエーター7
5bによって開閉する可動爪58aとエアシリンダー7
5dで前後動するフィルム抜取りガイド58cとで構成
され、これら全体がエアシリンダー75aで包装体4に
対して前後動する。
【0047】グリッパー58はその作動前、図28に示
す状態にあり、切断ユニット17が包装体4の前面にお
いてフィルムを切断しながら下降し、グリッパー58を
通過し、その下方に達したとき例えば図1及び図2に中
間停止用リミットスイッチ取付位置43として点線で示
す個所に取付けたリミットスイッチなどの検知手段によ
って一旦停止すると、エアシリンダー75aの作動で、
グリッパー58全体がフィルム5の切れ目に向かって前
進する(図29参照)。次にロータリーアクチュエータ
ー75bが作動して可動爪58aが旋回して固定爪58
bとの間でフィルム5を挟持する。
【0048】切断ユニット17は再び下降を開始し、図
1及び図2に示すリミットスイッチ42に接触して停止
すると、マグネット式ロッドレスシリンダー75cが作
動してグリッパー58をスライドレール59aに沿っ
て、それぞれ互いに反対方向に、開梱中の包装体4の端
縁を超えて移動させ、包装体4の前方二隅においてパレ
ット4aの下面に巻込んだフィルム5を引離す。
【0049】次に、ロータリーアクチュエーター75b
が作動して、可動爪58aを固定爪58bから離し、フ
ィルム5を開放し、次いでエアシリンダー75aが作動
してグリッパー58全体を後退させる。続いて、エアシ
リンダー75dが作動してフィルム引抜きガイド59c
を前進しさせ、フィルム5を確実に可動爪58aから分
離させる。エアシリンダー75dが再び作動してフィル
ム引抜きガイド59を後退させ、又、マグネット式ロッ
ドレスシリンダー75cが作動してグリッパー58を原
点に戻す。本発明装置では、一対の揺動アームの各支点
近傍に開梱中のフィルム包装物の後方二隅の上端部から
フィルムを引離す手段を設けることができる。
【0050】図32に示す態様では、開梱位置にあるフ
ィルム包装体4の後方二隅近傍、すなわち揺動アーム1
1a、11bの支点11c近傍には先端に適当なストロ
ークで昇降するピン51a、51bを備え、前記したフ
ィルム包装体4の後方二隅の上端部の外側を少くとも9
0°旋回する開扉補助レバー50a、50bが取付けら
れている。この態様では揺動アーム11a、11bはフ
ィルム5を完全に開扉する前の適当なタイミング(例え
ば図23のCの状態)で一旦停止すると揺動アーム11
a、11bの支点11c近傍にそれぞれ取付けられてい
る開扉補助レバー50a、50bの先端のピン51a、
51bがエアシリンダー38a、38bの作動により下
降し、開扉中のフィルム5と被包装物4b上端部分の間
に挿入され、揺動アーム11a、11bの揺動再開後ロ
ータリーアクチュエーター39a、39bが作動して、
これら開扉補助レバー50a、50bが被包装物4bの
後方二隅の外側を少くとも90°旋回して、これら隅角
部において、被包装物4b上部とフィルム5の間を分離
する(図33参照)。
【0051】なお、開扉補助レバー50a、50bが旋
回するタイミングとしては、先ず開扉補助レバー50
a、50bが包装体4の後方二隅の外側を通過した直
後、揺動アーム11a、11bがフィルム5を完全に開
扉するのが好ましい。揺動アーム11a、11bがフィ
ルム5の開扉を完了すると、開扉補助レバー50a、5
0b、それらの先端のピン51a、51b並びに押え装
置6は原点に復帰する。ストレッチ包装体を開梱する場
合、このように揺動アームの支点近傍に開梱中の包装体
の後方二隅の上端部からストレッチフィルムを引離す手
段を設け、包装体の後方二隅上端部で、切断したストレ
ッチフィルムを完全に開扉する前に、予じめ被包装物と
開扉中のストレッチフィルムを分離することにり、包装
体後方二隅の最上段から空容器等の被包装物が落下する
ことを確実に防止することができる。
【0052】本発明装置は、本出願人の出願にかかる特
願平6−335442号明細書の発明の主題にもとづい
て、揺動アームの旋回角度を制限して、開梱装置の上流
及び下流に生じる無駄なスペースを省くため、開梱され
るフィルム包装体の両側面後方上下端近傍のフィルムを
吸着して、外側後方90°旋回する少くとも4個の開扉
補助吸盤と、揺動アームの旋回角度を90°未満に制限
する機構を設けることができる。
【0053】図34は前記開扉補助吸盤を取付けた本発
明装置の後方支柱側の部分斜視図で図を見易くするた
め、排出プッシャー12、リング状集束ガイド13及び
排出ニップローラー14の図示を省略してある。図35
は、図34において省略した前記3点を含む、図34の
部分の平面図である。
【0054】図中の符号は図1〜図24におけるのと同
じ意味を有し、57a、57b、57c、57dは開扉
補助吸盤、70a、70b、70c、70dはそれぞれ
開扉補助吸盤57a、57b、57c、57dを旋回さ
せるロータリーアクチュエーターである。この態様にお
いては、後方の(昇降)グリッパーはそれぞれ揺動アー
ム11a、11bの支点11c近傍に1組づつ都合2組
(25a、25b(取付けられていて、それぞれエアシ
リンダー72a、72bの作動で昇降し、エアシリンダ
ー73a、73bの作動で開閉する。
【0055】次に図36〜図38を参照して、揺動アー
ム11a、11bの開扉運動とそれに伴なう、開扉補助
吸盤57a、57b、57c、57dの作動について説
明する。図36〜図38はフィルムの開扉工程を説明す
るための概略平面図である。開扉補助吸盤57a、57
b、57c、57dはフィルム5が包装体4の前面にお
いて、上下方向に切断され、揺動アーム11a、11b
が旋回を開始する直前、それぞれロータリーアクチュエ
ーター70a、70b、70c、70dの作動で図36
に実線で示す位置まで概ね90°旋回し、包装体4の両
側面後方上下端部近傍の位置でフィルム5に接触し、該
部分のフィルムを吸着する。
【0056】揺動アーム11a、11bが旋回を開始す
ると、これに同調して、ロータリーアクチュエーター7
0a、70b、70c、70dが前記と逆方向に作動
し、開扉補助吸盤57a、57b、57c、57dはそ
れぞれフィルム5を吸着したまま、前記と逆方向に90
°旋回し、元の位置に戻る(図37参照)。開扉補助吸
盤57a、57b、57c、57dの原点復帰作動と同
調して、エアシリンダー34a、34bが前記と逆方向
に作動して、上部グリッパー10a、10bを後退させ
る。揺動アーム11a、11bの旋回角度はエアシリン
ダー35a、35bのストロークによって、被包装物4
bからフィルム5を分離するのに必要最小限の角度に限
定される。
【0057】開扉補助吸盤57a、57b、57c、5
7dが概ね90°旋回して原点に戻り、フィルム5を被
包装物4bの後面から分離した時点で、後方のグリッパ
ー25a、25bがそれぞれエアシリンダー72a、7
2bの作動で下降し、次いでエアシリンダー73a、7
3bが作動して、フィルム5の上端をフィルム包装体4
の後面側の2ケ所で挟持すると、開扉補助吸盤57a、
57b、57c、57dは吸引を停止し、エアシリンダ
ー72a、72bが後方のグリッパー25a、25bを
再び上昇させ、フィルム5をリング状集束ガイド13の
高さまで吊上げる。このとき、上部グリッパー10a、
10bが開いてフィルム5を解放し、揺動アーム11
a、11bはエアシリンダー35a、35bの作動で旋
回して原点に戻る(図38参照)。
【0058】次いで、図38のように被包装物4bから
分離され、後方のグリッパー25a、25bによって挟
持されているフィルム5に向って、排出プッシャー12
が前進し、リング状集束ガイド13にフィルム5を押込
め始めるとエアシリンダー73a、73bが作動して後
方のグリッパー25a、25bが開いて、該フィルムの
上端を解放する。排出プッシャー12が更に前進し、ス
トレッチ・フィルム5を排出ニップローラー14の間に
挿入する。排出ニップローラー14はリング状集束ガイ
ド13を通過して集束されたフィルム5を帯状に圧縮・
減量して排出する。
【0059】上記態様において、上部の開扉補助吸盤5
7a、57bは前記した開扉補助レバー50a、50b
と同じ役目をはたし、下部の開扉補助吸盤57c、57
dはコンベア3の後方側縁沿いに取付けられている吸盤
26a、26bと同じ役目をはたすので特にこれらの装
置を設ける必要はない。
【0060】本発明装置ではフィルム包装体の四隅下端
に対応する位置で包装体の下面に巻込んだフィルムを引
離す手段として吸盤を用いる場合、これら吸盤に、該吸
盤と共に前後動し、かつこれら吸盤よりその前進方向に
突出した位置で上下動する摩擦係数の大きい表面を有す
る水平な当接板を取付け、パレットの下面に巻込んだフ
ィルムを確実に引き出すことができる。図39は上述し
た図12とは別の態様の包装体後方二隅の下面に巻込ん
だフィルムを引離す手段(装置)の側面図で、図中の符
号は図12におけるのと同じ意味を有し、27a、27
bは当接板、27cは当接板の表面、76a、76bは
当接板を上下させるエアシリンダーである。この態様で
は、後方の開扉補助吸盤26a、26bを前後進させる
のと同じエアシリンダー74a、74bによって前後進
する当接板27a、27bが、前記吸盤26a、26b
の前方に突出した位置にそれぞれ追設されている。この
当接板27a、27bの表面は摩擦係数の大きい、例え
ばゴムのような素材で構成されている。
【0061】この態様では、図12の装置と同様、揺動
アーム11a、11bが開扉作動を開始後の適当な時点
で、エアシリンダー74a、74bが作動し、吸盤26
a、26b及び当接板27a、27bを図39の破線で
示す位置まで前進させる。次にエアシリンダー76a、
76bが作動して当接板27a、27bを一点破線で示
す位置まで上昇させ、パレット4aの下面に巻込んだフ
ィルム5に当接する。吸盤26a、26bは吸引を開始
し、パレット4aの側面のフィルムを吸着する。揺動ア
ーム11a、11bがフィルムを開扉する間の適当な時
点でエアシリンダー74a、74bが再び作動して、吸
盤26a、26b、当接板27a、27bを後退させる
ことにより、パレット4aの下面に巻込んだフィルムを
確実に引き出す。このような構造の当接板は、図13に
示す吸盤15a、15bに取付けて同様の効果が得られ
る。
【0062】本発明装置においては、押え装置6の下面
に設ける吸着溝52と熱線ナイフ53の形状は必らずし
も前記実施例のようにZ字形には限定されず、少なくと
も被包装物の頂面の前辺全幅と前辺から後辺にわたる線
条を包含する形状であれば、T字形、H字形などとして
もよい。但し、図40に示すようなフィルム包装体の場
合は、切断線が被包装物の頂面上に形成される三角ポケ
ット80の領域を通過しないことが望ましい。
【0063】
【発明の効果】本発明装置では袋状のシュリンクフィル
ム又はストレッチフィルムをパレット上に載置した被包
装物の頂部から被せたフィルム包装体の頂面に押え装置
を当接し、該押え装置の下面に設けた吸着溝でフィルム
を吸着し、該吸着溝に沿って取付けた熱線ナイフで該包
装体頂面のフィルムを少くとも該頂面の前辺全幅と、前
辺から後辺にわたって切断した後、前記頂面の前辺に沿
う切口の外側の部分のフィルムを開口装置で上方に向か
って開き、該切口から切断ユニットの挟持ローラーで表
裏からフィルムを挟持させて、該切断ユニットを下降さ
せて、包装体の前面上端から下端に向けフィルムを切断
することにより、包装体下端(特にパレットの各辺の中
央部)でフィルムが上方に収縮していたり、あるいはフ
ィルムが切れていたりしても、該フィルム包装体の前面
においてフィルムを上下方向に確実に切断することがで
きる。
【0064】更に本発明装置では、上記したように袋体
の頂面と前面で切断された袋状のフィルムは一対の揺動
アームの先端に取付けられている上部グリッパーでその
上端を挟持され、前記揺動アームの旋回によって左右に
開扉されるが、その際包装体後方の二隅でパレットの下
面に巻込まれているフィルムを例えば包装体後面下端両
隅部近傍で前後動する吸盤などの手段で該部分のフィル
ムを吸着して引くとか、あるいは前記吸盤より吸盤前進
方向に突出した位置で上下動する摩擦係数の大きい表面
を有する水平な当接板をパレット下面に巻込んだフィル
ムに下面から水平に当接して(前記吸盤と共に)後退さ
せてパレット下面から引出し、更に包装体前方の二隅で
パレット下面に巻込まれているフィルムを、例えば包装
体両側面の前方下端近傍で上下、前後に作動する一対の
吸盤で該部分のフィルムを吸着して、それぞれ包装体進
行方向前方及び後方に引くとか、あるいは前記吸盤より
吸盤前進方向に突出した位置で上下動する摩擦係数の大
きい表面を有する水平な当接板をパレット下面に巻込ん
だフィルムに下面から水平に当接して(前記吸盤と共
に)後退させることにより、また、包装体の前面で上下
方向に切断されているフィルムを2組のグリッパーで包
装体下端近傍の切口から水平方向に向かって挟持させ、
該グリッパーを包装体の進行方向前方及び後方に開梱中
の包装体の端縁を超えて水平に移動させることにより、
パレットの下面から引出し、被包装物を覆っている袋状
フィルムを除去することができる。
【0065】以上詳述したように、本発明によれば、袋
状のフィルムを被包装物に被せ、被包装物とパレットを
一体化したフィルム包装物の前面において、フィルムを
上下方向に確実に切断することのできるフィルム包装体
の開梱装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の全体像を説明するための斜視図で
ある。
【図2】図1の側面図である。
【図3】後方支柱に設置された構造物の平面図である。
【図4】前方支柱に設置された構造物の平面図である。
【図5】押え装置の底面図である。
【図6】押え装置の平面図である。
【図7】図5のA−A′線に沿った断面図である。
【図8】上部グリッパーの拡大側面図である。
【図9】後方の昇降グリッパーの拡大側面図である。
【図10】図9の概略平面図である。
【図11】開口装置の拡大斜視図である。
【図12】コンベア後方側縁に沿って設けられた吸盤の
側面図である。
【図13】コンベア前方側縁に沿って設けられた吸盤の
斜視図である。
【図14】切断ユニットの拡大側面図である。
【図15】コンベアの側面図である。
【図16】開口装置の作動を説明するための要部側面図
で、包装体の頂面上のフィルムを切断中の状態を示す。
【図17】図16に続く開口装置の作動を説明するため
の要部側面図である。
【図18】図17に続く開口装置の作動を説明するため
の要部斜視図である。
【図19】図18に続く開口装置の作動を説明するため
の要部側面図である。
【図20】図19に続く開口装置の作動を説明するため
の要部側面図である。
【図21】図20に続く開口装置の作動を説明するため
の要部平面図である。
【図22】図21に続く開口装置の作動を説明するため
の要部側面図である。
【図23】揺動アームがフィルムを開扉する工程を説明
するための概略平面図で、(A)〜(E)は揺動アーム
の作動の各段階を示す図である。
【図24】本発明装置の後方支柱に設置された別の態様
の構造物の概略平面図である。
【図25】本発明装置に取付けることのできる開扉補助
グリッパーの部分平面図である。
【図26】図25のグリッパーの部分平面図である。
【図27】図25のA−A線に沿う側断面図である。
【図28】図25の開扉補助グリッパーの作動を説明す
るための概略平面図で、開扉作動開始前の状態を示す図
である。
【図29】図28に続く開扉補助グリッパーの作動を説
明するための概略平面図である。
【図30】図29に続く開扉補助グリッパーの作動を説
明するための概略平面図である。
【図31】図30に続く開扉補助グリッパーの作動を説
明するための概略平面図である。
【図32】開扉補助レバーの拡大斜視図である。
【図33】開扉補助レバーの作動状態を示す拡大斜視図
である。
【図34】後方支柱側に4個の開扉補助吸盤を取付けた
本発明装置の部分斜視図である。
【図35】図34に示す部分の平面図である。
【図36】図34の装置を用いてフィルムを開扉する工
程を説明するための概略平面図である。
【図37】図36に続くフィルム開扉工程を説明するた
めの概略平面図である。
【図38】図37に続くフィルム開扉工程を説明するた
めの概略平面図である。
【図39】本発明装置のコンベア後方側縁に沿って設け
られた図12とは別の態様の(フィルム引離し)装置の
側面図である。
【図40】フィルム包装体の一例を示す斜視図である。
【図41】フィルム包装体の別の例を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1:ベースフレーム、2a:前方支柱、2b:後方支
柱、3:コンベア、3a:チェーン、3b:スプロケッ
ト、4:フィルム包装体、4a:パレット、4b:被包
装物、5:フィルム、6:押え装置、7:開口装置、7
a,7b:吸盤、7c:垂直バー、8a,8b:挟持ロ
ーラー、9:ヒートカッター、10a,10b:上部グ
リッパー、10′a,10′b,10′c,10′d:
爪、11a,11b:揺動アーム、11c:揺動アーム
の支点、12:排出プッシャー、13:リング状集束ガ
イド、14:排出ニップローラー、15a,15b:前
方の開扉補助吸盤、16:スライドレール、17:切断
ユニット、18:押え装置用アーム、19:キャリエー
ジ、20:キャリエージ昇降用モーター、21:切断ユ
ニット昇降用モーター、22:挟持ローラー駆動用モー
ター、23:揺動アーム作動用サーボモーター、24:
減速機、25,25a,25b:後方の昇降グリッパ
ー、26a,26b:後方の開扉補助吸盤、27a,2
7b:当接板、27c:当接板の表面、30a,30
b:前方の開扉補助吸盤の上下動用エアシリンダー、3
1a,31b:前方の開扉補助吸盤の前後動用エアシリ
ンダー、32a,32b:グリッパーを上下動させるエ
アシリンダー、33a,33b,33c,33d:上部
グリッパーを開閉するエアシリンダー、34a,34
b:上部グリッパーを前後させるエアシリンダー、35
a,35b:揺動アームを駆動させるエアシリンダー、
36:排出プッシャーを前後動させるエアシリンダー、
37a:吸盤(7a,7b)を上下動させるエアシリン
ダー、37b:吸盤(7a,7b)と垂直バー(7c)
を上下動させるエアシリンダー、37c:吸盤(7a,
7b)と垂直バー(7c)を前後させるエアシリンダ
ー、38a,38b:ピン(51a,51b)を昇降さ
せるエアシリンダー、39a,39b:開扉補助レバー
(50a,50b)を旋回させるロータリーアクチュエ
ーター、40:ビームスイッチ、41:リミットスイッ
チ、42:リミットスイッチ、43:中間停止用リミッ
トスイッチ取付位置、44:リミットスイッチ、50
a,50b:開扉補助レバー、51a,51b:ピン、
52:吸着溝、53:熱線ナイフ、54:パイプ、55
a,55b,55c:吸気口、56:吸気口、57a,
57b,57c,57d:後方の開扉補助吸盤、58:
グリッパー、58a:可動爪、58b:固定爪、58
c:フィルム抜取ガイド、59a:スライドレール、5
9b,59c:ストッパー、60:コンベア駆動用モー
ター、70a,70b,70c,70d:開扉補助吸盤
57a,57b,57c,57dを旋回させるロータリ
ーアクチュエーター、71:熱線ナイフ53を昇降させ
るエアシリンダー、72,72a,72b:後方の(昇
降)グリッパーを昇降させるエアシリンダー、73,7
3a,73b:後方の(昇降)グリッパーを開閉させる
エアシリンダー、74a,74b:(後方の)開扉補助
吸盤26a,26bを前後動させるエアシリンダー、7
5a:開扉補助グリッパー58全体を前後動させるエア
シリンダー、75b:可動爪58aを旋回させるロータ
リーアクチュエーター、75c:グリッパー58全体を
スライドレール59a上を移動させるマグネット式ロッ
ドレスシリンダー、75d:フィルム抜取ガイド58c
のみを前後動させるエアシリンダー、76a,76b:
当接板を上下させるエアシリンダー、80:三角ポケッ
ト、81:ヒートシール。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 守中 隆司 大阪府高槻市大塚町1丁目9番3号 王 子製袋株式会社機械工場内 (72)発明者 立脇 淳一 大阪府高槻市大塚町1丁目9番3号 王 子製袋株式会社機械工場内 (72)発明者 山坂 一也 大阪府高槻市大塚町1丁目9番3号 王 子製袋株式会社機械工場内 (72)発明者 仁尾 敦 大阪府高槻市大塚町1丁目9番3号 王 子製袋株式会社機械工場内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B65B 69/00 101

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パレットとその上に積載した被包装物を
    フィルムで包装して一体化した包装体を開梱するため、
    前方と後方に位置する2本の支柱と、その支柱の間に開
    梱すべき包装体を搬送する手段を有し、前記前方の支柱
    には、前記フィルムを表裏から挟持する2対の挟持ロー
    ラー及び前記フィルムを切断するカッターとからなる切
    断ユニットを取付け、また前記後方の支柱には該支柱に
    沿って昇降するキャリエージを取付け、該キャリエージ
    には、前記包装体の頂面を押圧して固定する押え装置
    と、該押え装置の左右対象位置に支点を有し、先端部に
    前記包装体上のフィルムの上端を挟持し、前後、上下に
    作動する2組の上部グリッパーを備え、切断したフィル
    ムを左右に開扉する一対の揺動アームを取付けたフィル
    ム包装体の開梱装置において、前記押え装置の下面に少
    くとも該押え装置の前辺のほぼ全幅と、前辺から後辺に
    わたる吸着溝を設け、該吸着溝に沿って熱線ナイフを取
    付け、かつ押え装置上に、その前辺で前記熱線ナイフで
    切断したフィルムの切口の外側のフィルムを上方に向け
    て開く開口装置を取付け、更に包装体四隅下端に対応す
    る位置で包装体の下面に巻込んだフィルムを引離す手段
    を設けたことを特徴とするフィルム包装体の開梱装置。
  2. 【請求項2】 前記開口装置が前記切口より外側で包装
    体の頂面のフィルムを上方に吸上げるため上、下方向に
    作動する吸盤と、該吸盤が吸上げたフィルムを直立させ
    るため、前記吸盤と共に上下、前後に作動する垂直バー
    とよりなる請求項1記載のフィルム包装体の開梱装置。
  3. 【請求項3】 包装体の後方二隅の下面に巻込んだフィ
    ルムを引離す前記手段が、包装体後方二隅の下端に対応
    する位置で前後進する一対の吸盤である請求項1又は2
    記載のフィルム包装体の開梱装置。
  4. 【請求項4】 包装体の前方二隅の下面に巻込んだフィ
    ルムを引離す前記手段が、包装体前方両側面の下端で上
    下、前後に作動する一対の吸盤である請求項1〜3のい
    ずれか1項に記載のフィルム包装体の開梱装置。
  5. 【請求項5】 前記包装体の前方二隅及び後方二隅の各
    々下面に巻込んだフィルムを引離すための吸盤が、これ
    ら吸盤と共に前後進し、かつこれら吸盤よりその前進方
    向に突出した位置で上下動する、摩擦係数の大きい表面
    を有する水平な当接板を備えた請求項3又は4記載のフ
    ィルム包装体の開梱装置。
  6. 【請求項6】 包装体の前方二隅の下面に巻込んだフィ
    ルムを引離す前記手段が前記切断ユニットにより包装体
    の前面で上下方向に切断されたフィルムをその包装体下
    端近傍の切口から水平方向に向かって挟持し、それぞれ
    包装体の進行方向前方及び後方に、開梱中の包装体の端
    縁を超えて水平に移動する2組のグリッパーである請求
    項1〜3のいづれか1項記載のフィルム包装体の開梱装
    置。
  7. 【請求項7】 前記キャリエージ上に前記一対の揺動ア
    ームの少くとも一方の支点近傍にフィルムの上端を挟持
    するグリッパーと、被包装物から除去したフィルムを集
    束するリング状集束ガイドと、該ガイドにフィルムを押
    込むプッシャーと、前記集束ガイドの出口で該ガイドに
    押込まれたフィルムを連続して圧縮して排出するニップ
    ローラーとを設けた請求項1〜6のいづれか1項記載の
    フィルム包装体の開梱装置。
  8. 【請求項8】 前記上部グリッパーの各爪がそれぞれ開
    閉する手段を備えた請求項1〜6のいづれか1項記載の
    フィルム包装体の開梱装置。
  9. 【請求項9】 前記一対の揺動アームの各支点近傍に開
    梱中の被包装物の後方二隅の上端部からフィルムを引離
    す手段を設けた請求項1〜7のいづれか1項記載のフィ
    ルム包装体の開梱装置。
  10. 【請求項10】 包装体の両側面後方上、下端近傍のフ
    ィルムを吸着して外側後方に概ね90°旋回する少くと
    も4個の開扉補助吸盤と前記揺動アームの旋回角度を9
    0°未満に制限する機構を設けた請求項1,2,4〜7
    のいづれか1項記載のフィルム包装体の開梱装置。
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