JP3604375B2 - 還元鋳造方法 - Google Patents

還元鋳造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3604375B2
JP3604375B2 JP2002068213A JP2002068213A JP3604375B2 JP 3604375 B2 JP3604375 B2 JP 3604375B2 JP 2002068213 A JP2002068213 A JP 2002068213A JP 2002068213 A JP2002068213 A JP 2002068213A JP 3604375 B2 JP3604375 B2 JP 3604375B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
cavity
flow rate
magnesium
metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002068213A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003266171A (ja
Inventor
恵介 伴
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissin Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Nissin Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissin Kogyo Co Ltd filed Critical Nissin Kogyo Co Ltd
Priority to JP2002068213A priority Critical patent/JP3604375B2/ja
Priority to US10/384,718 priority patent/US6845808B2/en
Priority to DE60305226T priority patent/DE60305226T2/de
Priority to CNB031205267A priority patent/CN100340362C/zh
Priority to EP03005401A priority patent/EP1344590B1/en
Priority to BR0300557-7A priority patent/BR0300557A/pt
Publication of JP2003266171A publication Critical patent/JP2003266171A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3604375B2 publication Critical patent/JP3604375B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22DCASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
    • B22D21/00Casting non-ferrous metals or metallic compounds so far as their metallurgical properties are of importance for the casting procedure; Selection of compositions therefor
    • B22D21/002Castings of light metals
    • B22D21/007Castings of light metals with low melting point, e.g. Al 659 degrees C, Mg 650 degrees C
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22DCASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
    • B22D17/00Pressure die casting or injection die casting, i.e. casting in which the metal is forced into a mould under high pressure
    • B22D17/14Machines with evacuated die cavity
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22DCASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
    • B22D27/00Treating the metal in the mould while it is molten or ductile ; Pressure or vacuum casting
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22DCASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
    • B22D27/00Treating the metal in the mould while it is molten or ductile ; Pressure or vacuum casting
    • B22D27/18Measures for using chemical processes for influencing the surface composition of castings, e.g. for increasing resistance to acid attack

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Molds, Cores, And Manufacturing Methods Thereof (AREA)
  • Mold Materials And Core Materials (AREA)
  • Manufacture Of Metal Powder And Suspensions Thereof (AREA)
  • Continuous Casting (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は還元鋳造方法に関し、より詳細には還元力を損なうことなく良好な状態にて鋳造が行える還元鋳造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
鋳造方法には、重力鋳造法(GDC)、低圧鋳造法(LPDC)、ダイキャスト(DC)、スクイズ(SC)、チクソモールドなど様々な方法がある。これらはいずれも成形型のキャビティ内に溶湯を注入して所定形状に成形するものである。これらの鋳造方法のうち、溶湯の表面に酸化皮膜が形成されやすいもの、たとえばアルミニウム鋳造などでは、溶湯の表面に形成された酸化皮膜によって表面張力が大きくなり、溶湯の流動性、湯周り性、溶着性が低下し、溶湯の未充填、湯じわ等の鋳造欠陥が生じることが問題となる。
【0003】
これらの問題を解決する方法として、本出願人はアルミニウムの溶湯の表面に形成される酸化皮膜を還元して鋳造する還元鋳造方法を提案した(例えば特開2001−321918号公報)。この還元鋳造方法は、窒素ガスとマグネシウムガスとを用いて強い還元性を有するマグネシウム窒素化合物(Mg)を生成し、このマグネシウム窒素化合物をアルミニウムの溶湯に作用させて鋳造する方法である。マグネシウムガスは加熱炉内で発生させ、このマグネシウムガスをキャビティ内に導入する際は不活性ガス(アルゴンガス)をキャリアガスとして用いている。窒素ガスは別途直接キャビティ内に導入される。
【0004】
この還元鋳造方法によれば、マグネシウム窒素化合物を成形型のキャビティの表面に析出させた状態で溶湯を注入することにより、キャビティの表面に溶湯が接触する際に溶湯の表面の酸化皮膜がマグネシウム窒素化合物の還元作用によって還元され、溶湯の表面が純粋なアルミニウムとなって溶湯の表面張力が低下し、溶湯の流動性が高められる。この結果、湯周り性が良好となり、鋳造欠陥がなく、湯じわ等のないすぐれた外観の鋳造製品を得ることが可能になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記還元鋳造方法には次のような課題がある。
すなわち、上記還元鋳造方法では、マグネシウムガスと窒素ガスとの量をコントロールする必要があるが、マグネシウムガスは加熱炉でマグネシウムを加熱、昇華させて得られ、高温(約800℃)の状態にある。
この高温のマグネシウムガス量を計測することは困難であり、したがって、両ガス量を正確にコントロールできず、マグネシウムガスが不足して、還元力が低下し、鋳造品の品質にバラツキがでるなどの課題が生じた。
そこで本発明は上記課題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、還元力を損なうことなく、良好な状態にて鋳造が行える還元鋳造方法を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するため次の構成を備える。
すなわち、金属を昇華させて発生させた金属ガスと反応性ガスとを成形型のキャビティに導入して、該金属ガスと反応性ガスとを反応させて生成した還元性化合物により溶湯表面の酸化皮膜を還元して鋳物製品を鋳造する還元鋳造方法であって、前記金属ガスをキャビティ内に導入する際に、非反応性ガスをキャリアガスとして用いる還元鋳造方法において、前記金属ガスを、非反応性ガスをキャリアガスとしてキャビティ内に導入することによるキャリアガスの流量と金属ガスの流量とのあらかじめ求められた比例関係に基づいて、計測可能な前記キャリアガスの流量を計測してキャリアガス流量を反応性ガスの流量に対して所要量にコントロールすることによって、キャビティに導入する反応性ガス流量に対する金属ガス流量を間接的にコントロールすることを特徴とする。
また、反応性ガスを窒素ガス、非反応性ガスをアルゴンガス、金属ガスをマグネシウムガスとしたことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る還元鋳造方法を利用して鋳造する鋳造装置10の全体構成を示す説明図である。なお、以下では還元鋳造方法をアルミニウム鋳造に使用する例を示すが、本発明はアルミニウム鋳造に限定されるものではない。
図1で11は成形型であり、12は成形型11の内部に形成したキャビティである。キャビティ12の上部には下方が縮径するテーパ面状に形成された湯口14が設けられ、湯口14にはほぞ15が脱着自在に設けられている。16はほぞ15を上下方向に貫通して設けられたパイプである。
【0008】
17は成形型11の上部に配置された注湯槽である。注湯槽17とキャビティ12とは湯口14を介して連通し、湯口14に取り付けられたほぞ15を開閉操作することによって、キャビティ12への注湯が制御される。本実施形態はアルミニウム鋳造に適用した例であり、注湯槽17にはアルミニウムの溶湯が貯溜される。
【0009】
成形型11の材料は特に限定されるものではないが、熱伝導率の良好な素材によって形成するとよい。また、成形型11を強制的に冷却する冷却手段を設ける。本実施形態では成形型11の冷却手段として成形型11の内部に流路13を設けて冷却水を流路13に常時通流させるようにしている。成形型11を熱伝導率の良好な素材によって形成し、常時、強制的に冷却する理由は、鋳造時における成形型11の型温をできるだけ低温に維持できるようにするためである。したがって、鋳造時における成形型11の型温を効果的に低温に維持できる方法であれば、水冷方法に限るものではない。また、いくつかの冷却手段を併用することももちろん可能である。
【0010】
図1において、20は窒素ガスボンベである。窒素ガスボンベ20は、バルブ24が介装された配管22を介して成形型11に接続され、成形型11に設けた窒素ガス導入口11aからキャビティ12内に窒素ガスが導入可能に設けられている。バルブ24を開放し窒素ガス導入口11aからキャビティ12内に窒素ガスを送入することにより、キャビティ12内のエアがパージされ、キャビティ12内が窒素ガス雰囲気となって実質的に非酸素雰囲気となる。11bは成形型11に設けた排気口である。排気口11bに、バルブ25を介装した配管を介して真空装置を接続し、バルブ25を開放した状態で真空装置を作動させることによってキャビティ12内を非酸素雰囲気とすることもできる。
【0011】
21はアルゴンガスボンベである。アルゴンガスボンベ21は配管26を介して金属ガスを発生する発生器としての加熱炉28に接続されており、配管26に設けられたバルブ30を開閉することによって加熱炉28内へのアルゴンガスの注入が制御される。加熱炉28はヒータ32によって加熱されており、本実施形態においては、炉内温度はマグネシウムの沸点温度以下、かつマグネシウムの融点温度以上に設定され、炉内においてマグネシウムは液体状態となっている。
【0012】
アルゴンガスボンベ21はまた、バルブ33が介装された配管34により、マグネシウム金属が収容されているタンク36に接続され、タンク36は配管38により、バルブ30よりも下流側で配管26に接続されている。40は加熱炉28へのマグネシウムの供給量を制御するために配管38に介装したバルブである。タンク36は加熱炉28へ供給するマグネシウム金属を収容するためのものであり、粉末状あるいは顆粒状のマグネシウム金属が収容されている。
【0013】
加熱炉28は、配管42および、ほぞ15に取り付けられたパイプ16を介して成形型11のキャビティ12に接続する。加熱炉28でガス化されたマグネシウムガスあるいはミスト状となったマグネシウムは、配管42に介装されたバルブ45の開閉操作と、バルブ30によるアルゴンガス圧の制御により成形型11のキャビティ12に導入される。
【0014】
図1に示す鋳造装置10によるアルミニウム鋳造は以下のようにしてなされる。
まず、湯口14にほぞ15が嵌合し湯口14が閉止された状態でバルブ24を開放し、窒素ガスボンベ20から配管22を経由して成形型11のキャビティ12に窒素ガスを注入する。これによって、キャビティ12内の空気がパージされ、キャビティ12内が実質的に非酸素雰囲気となる。キャビティ12を非酸素雰囲気とした後、バルブ24を閉じる。
【0015】
成形型11のキャビティ12に窒素ガスを注入している際、もしくは事前に、バルブ30を開放してアルゴンガスボンベ21から加熱炉28にアルゴンガスを注入し、加熱炉28内を無酸素状態とする。次いで、バルブ30を閉じ、バルブ33およびバルブ40を開いてアルゴンガスボンベ21からのアルゴンガス圧によってタンク36内のマグネシウム金属を加熱炉28に送り込む。加熱炉28は、マグネシウム金属が溶融する温度に加熱されているから、加熱炉28に送り込まれたマグネシウム金属は炉内で溶融した状態となる。加熱炉28からは鋳造操作ごとに繰り返してマグネシウムガスを送出するから、タンク36からはこれらの操作に対応できるよう、ある程度の分量のマグネシウム金属を加熱炉28に送り込むようにする。マグネシウム金属を加熱炉28に送り込んだ後、バルブ33およびバルブ40を閉じる。
【0016】
次に、バルブ30およびバルブ45を開いてアルゴンガスの圧力、流量を調節しつつ、アルゴンガスをキャリアガスとして加熱炉28からパイプ16を経由して成形型11のキャビティ12にマグネシウムガスを注入する。なお、マグネシウムガスとともにミスト状のマグネシウムも加熱炉28から送出される。
キャビティ12にマグネシウムガスを注入した後、バルブ45を閉じ、次いでバルブ24を開放し、窒素ガス導入口11aからキャビティ12に窒素ガスを注入する。キャビティ12に窒素ガスを注入することにより、先に注入したマグネシウムガスと窒素ガスとがキャビティ12内で反応し、還元性化合物であるマグネシウム窒素化合物(Mg3N2)が生成される。マグネシウム窒素化合物は主にキャビティ12の内壁面に析出する。
【0017】
キャビティ12の内壁面にマグネシウム窒素化合物が生成された状態で、ほぞ15をあけ、湯口14からキャビティ12に溶湯18を注入する。
キャビティ12に注入されたアルミニウムの溶湯18は、キャビティ12の内壁面に生成しているマグネシウム窒素化合物と接触し、マグネシウム窒素化合物が溶湯表面の酸化被膜から酸素を奪うことにより、溶湯の表面が純粋なアルミニウムに還元されて充填されていく(還元鋳造方法)。溶湯の表面の酸化皮膜が還元されて純粋なアルミニウムが表面に露出することによって、溶湯の流動性がきわめて良好となる。
このように湯周り性が極めて良好となることから、従来の断熱系塗型を不要とし、また、成形型を高温に維持する必要もないという利点を有する。
【0018】
また、上記のように還元鋳造方法による場合には、きわめて短時間のうちにキャビティ12に溶湯18が充填されるから、成形型11に充填された溶湯18を冷却して短時間のうちに溶湯18を凝固させるようにすることが有効である。成形型11を熱伝導性の良い材料によって製作した場合、成形型11の型温を成形型11が十分な硬度を有する温度以下、たとえば150℃程度以下に保持しておけば、これらの材料によって製作した成形型を使用する鋳造方法で溶湯とのかじりを防止して鋳造することが可能である。
【0019】
加熱炉28内に供給されるアルゴンガス(不活性ガス)の流量はバルブ30に平成されている流量計によって計測される。またキャビティ12内に供給される窒素ガスの流量はバルブ24に併設されている流量計によって計測される。
マグネシウムガスはキャリアガスとしてのアルゴンガス流に乗ってキャビティ12内に導入されるのであり、観察したところ、導入されるマグネシウムガス流量はアルゴンガスの流量にほぼ比例することがわかった。
【0020】
前記のように、加熱炉28内はマグネシウムの昇華温度である800℃以上に加熱される。この高温のマグネシウムガスの流量を計測するのは困難であるが、上記のように、マグネシウムガス流量はアルゴンガス流量にほぼ比例するので、このアルゴンガスの流量を計測し、コントロールすることで、マグネシウムガス流量を間接的にコントロールすることができるのである。
【0021】
加熱炉28内の温度を上記のようにマグネシウムの昇華温度である800℃以上に加熱し、アルゴンガス流量と窒素ガス流量とを種々に設定し、得られた鋳造品の品質を調べた。
その結果、実施例では、アルゴンガスの流量を窒素ガスの流量の1/6倍〜2倍に設定することで所望の品質を有する鋳造品が得られた。
アルゴンガスの流量が窒素ガスの流量の1/6未満の場合にはマグネシウムガス量が低下し、生成するマグネシウム窒素化合物が減少し、還元力が低下して所要の品質が得られなかった。またアルゴンガスの流量が窒素ガスの流量の2倍よりも多い場合には、マグネシウムガス量が非常に多いことになるが、還元力がそれに応じて増大するわけではなく、マグネシウムが無駄になるだけである。
上下に幅をみて、アルゴンガスの流量を窒素ガスの流量の1/4倍〜1/2倍に設定すると最適であった。
【0022】
次に、溶湯の凝固速度を、600℃/分(成形型11内での溶湯の単位時間当りの温度降下)以上、好ましくは800℃/分以上とするのが好適であった。凝固速度が大きいほど、鋳造品の結晶構造が緻密となり、強度が増大するので好適である。
この凝固速度は、従来のDCに近いものとなっている。しかし、この還元鋳造方法では、DCのようなスプラッシュまたは噴霧状充填による急冷ではなく、層流または一部乱流状態での溶湯の充填が可能で、内部品質も極めて良好で、後記するDASII値も小さく、伸び、強度等の向上が得られる。
【0023】
図2は、アルミニウム鋳造において溶湯の凝固速度を変えた場合に凝固体中の樹枝状結晶(デンドライト)の間隔がどのように変化するかを測定した結果を示す。測定はキャビティ12に充填されて凝固したアルミニウムの一部分を採取してサンプルとし、電子顕微鏡によって樹枝状結晶の間隔を測定することによって行った。図2では、横軸に凝固速度を示し、縦軸に凝固したアルミニウムの樹枝状結晶間隔を「DASII値」として示した。
【0024】
図2から、凝固速度が約600℃/分以上の場合にはキャビティ12に充填されて凝固されたアルミニウムの樹枝状結晶(デンドライト)の間隔は平均で22μm以下となり、凝固速度が約800℃/分以上の場合の樹枝状結晶の間隔は平均で20μm以下となる。
アルミニウムの樹枝状結晶の間隔は凝固体(鋳造品)の緻密性に関わり、樹枝状結晶の間隔が小さくなるほどアルミニウムの結晶構造が緻密となり、得られる鋳造品の機械的強度が向上する。
【0025】
機械的強度の点から、DASII値は22μm以下、好ましくは20μm以下がよい。
換言すれば、上記鋳造条件の、「凝固速度が600℃/分以上(好ましくは800℃/分以上)」を、「還元鋳造方法において、DASII値が22μm以
下となる凝固速度(好ましくはDASII値が20μm以下となる凝固速度)」と置き換えてもよい。
【0026】
従来の鋳造方法においては凝固速度が遅く、特にGDC、LPDでの断熱系塗型を有するもので特に遅くなり、偏析、ヒケ等に対する対応が困難で、いかに指向性冷却を行うかの課題があった。その凝固速度は100℃/分程度で、薄肉部であっても、750℃/分程度であり、後記するDASII値でも、35
〜20μmのレベルでしかなかった。
【0027】
次に溶湯の充填時間について検討する。
溶湯の充填時間は、鋳造合金の材料と、上記設定される凝固速度との関係で決まる。
一般にAC2B、AC4B等の鋳造用合金は、その凝固において、注湯からα晶デンドライト結晶構造の完了まではほぼ90℃の温度差(90℃の温度低下)を有する。すなわち、90℃の温度低下によって、凝固するということになる。この間に、キャビティ12内に溶湯充填を完了させる必要がある。
凝固速度を600℃/分〜2000℃/分に設定すれば、溶湯の充填時間は9.0秒〜2.7秒となる。
【0028】
一方、2017、2024、2618等の鍛造用合金は、その凝固において、注湯からα晶デンドライト結晶構造の完了まではほぼ40℃の温度差を有する。凝固速度を600℃/分〜2000℃/分に設定すれば、溶湯の充填時間は4.0秒〜1.2秒となる。
すなわち、鋳造合金の材料により相違はあるが、溶湯のキャビティ12内への充填を、ほぼ1.0〜9.0秒の間に、キャビティ12の全ての部位に完了させないと、キャビティ12内の一部で凝固が開始され、溶湯の未充填部分が生じるおそれがある。
【0029】
現実には、キャビティ12の各部位において、肉厚、肉薄の部位があり、均等ではない。まず肉厚部に溶湯が回り込み、凝固速度の速い薄肉部への湯周りが遅くなることから、薄肉部で充填が完了しないうちから凝固が始まるおそれがある。
したがって、上記所要時間内にキャビティ12の全ての部位に充填が完了するように管理する必要がある。
溶湯が周りにくい薄肉部がある場合などは、手段は問わないが、LPDC法と同様にして、溶湯を加圧し、所要時間内にキャビティ12の全ての部位に溶湯を充填するようにするのが好適である。そのためにまた、湯口の径、形状、位置、数などを工夫することも重要である。
【0030】
上記凝固速度で、所要時間内にキャビティ12の全ての部位に溶湯が充填されるように管理することによって、もともと湯周り性が良好であることから、キャビティ12の微細部分にも確実に溶湯を充填することができ、溶湯の未充填等による鋳造欠陥がなくなる。また、溶湯表面の酸化皮膜が除去されることから、鋳造品の表面に湯じわ等が発生せず、良好な外観の鋳造品が得られる。
【0031】
上記実施の形態では、マグネシウムガス、窒素ガスを直接キャビティ内に導入して、キャビティ内でマグネシウム窒素化合物を生成させたが、成形型の直前に反応チャンバを設け(図示せず)、この反応チャンバ内にアルゴンガスと共にマグネシウムガスと、窒素ガスを導入して、反応チャンバ内で反応させてマグネシウム窒素化合物を生成させ、このマグネシウム窒素化合物をキャビティ内に導入してもよい。
【0032】
また、上記実施の形態では、溶湯の還元性物質として、マグネシウム窒素化合物を例に説明したが、マグネシウム単体や、その他の還元性物質を用いることもできる。
キャリアガスもアルゴンガス以外の不活性ガスや非酸化性ガスを用いてもよい。これらを総称して非反応性ガスとする。
また、本発明では、凝固速度や溶湯の充填時間は上記に限定されない。
さらに、上記実施の形態においては、アルミニウム鋳造方法について説明したが、本発明方法はアルミニウム鋳造に限定されるものではなく、種々のアルミニウム合金、マグネシウム、鉄等の各種金属あるいはこれらの合金を鋳造材料とする鋳造方法に適用することができる。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、上述したように、計測可能なキャリアガス流量を計測して、キャリアガス流量を反応性ガスの流量に対して所要量にコントロールすることによって、間接的に金属ガス流量をコントロールでき、還元力を損なうことなく、良好な状態にて還元鋳造が行えるという著効を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る還元鋳造方法により鋳造する鋳造装置の構成例を示す説明図である。
【図2】アルミニウム材料について、溶湯の凝固速度に対してDASII値が変動する測定結果を示すグラフである。
【符号の説明】
10 鋳造装置
11 成形型
11a 窒素ガス導入口
11b 排気口
12 キャビティ
13 流路
14 湯口
15 ほぞ
16 パイプ
17 注湯槽
18 溶湯
20 窒素ガスボンベ
21 アルゴンガスボンベ
28 加熱炉
36 タンク

Claims (2)

  1. 金属を昇華させて発生させた金属ガスと反応性ガスとを成形型のキャビティに導入して、該金属ガスと反応性ガスとを反応させて生成した還元性化合物により溶湯表面の酸化皮膜を還元して鋳物製品を鋳造する還元鋳造方法であって、
    前記金属ガスをキャビティ内に導入する際に、非反応性ガスをキャリアガスとして用いる還元鋳造方法において、
    前記金属ガスを、非反応性ガスをキャリアガスとしてキャビティ内に導入することによるキャリアガスの流量と金属ガスの流量とのあらかじめ求められた比例関係に基づいて、計測可能な前記キャリアガスの流量を計測してキャリアガス流量を反応性ガスの流量に対して所要量にコントロールすることによって、キャビティに導入する反応性ガス流量に対する金属ガス流量を間接的にコントロールすることを特徴とする還元鋳造方法。
  2. 前記反応性ガスを窒素ガス、非反応性ガスをアルゴンガス、金属ガスをマグネシウムガスとしたことを特徴とする請求項1記載の還元鋳造方法。
JP2002068213A 2002-03-13 2002-03-13 還元鋳造方法 Expired - Fee Related JP3604375B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002068213A JP3604375B2 (ja) 2002-03-13 2002-03-13 還元鋳造方法
US10/384,718 US6845808B2 (en) 2002-03-13 2003-03-11 Reduction casting method
DE60305226T DE60305226T2 (de) 2002-03-13 2003-03-13 Verfahren zum reduzierenden Giessen
CNB031205267A CN100340362C (zh) 2002-03-13 2003-03-13 还原铸造方法
EP03005401A EP1344590B1 (en) 2002-03-13 2003-03-13 Reduction casting method
BR0300557-7A BR0300557A (pt) 2002-03-13 2003-03-13 Processo de fundição redutora

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002068213A JP3604375B2 (ja) 2002-03-13 2002-03-13 還元鋳造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003266171A JP2003266171A (ja) 2003-09-24
JP3604375B2 true JP3604375B2 (ja) 2004-12-22

Family

ID=27764504

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002068213A Expired - Fee Related JP3604375B2 (ja) 2002-03-13 2002-03-13 還元鋳造方法

Country Status (6)

Country Link
US (1) US6845808B2 (ja)
EP (1) EP1344590B1 (ja)
JP (1) JP3604375B2 (ja)
CN (1) CN100340362C (ja)
BR (1) BR0300557A (ja)
DE (1) DE60305226T2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6725900B2 (en) 2001-03-15 2004-04-27 Nissin Kogyo Co., Ltd. Method of deoxidation casting and deoxidation casting machine
DE102004026082A1 (de) * 2004-05-25 2005-12-15 Bühler AG Verfahren und Anlage zum Druckgiessen
CN103537650B (zh) * 2013-09-30 2015-10-28 深圳市亚美联合压铸设备有限公司 镁合金铸造用衡稳器
CN109865804B (zh) * 2019-03-13 2021-08-03 北京首钢吉泰安新材料有限公司 一种圆珠笔头用易切削不锈钢的铋碲合金化方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000280063A (ja) * 1999-03-31 2000-10-10 Nissin Kogyo Co Ltd アルミニウム鋳造方法
JP3422969B2 (ja) * 2000-04-10 2003-07-07 日信工業株式会社 還元鋳造方法及びこれを用いたアルミニウム鋳造方法
JP3592195B2 (ja) * 2000-05-10 2004-11-24 日信工業株式会社 還元鋳造方法及びこれを用いたアルミニウム鋳造方法
JP3604343B2 (ja) * 2000-05-10 2004-12-22 日信工業株式会社 還元鋳造方法、アルミニウム鋳造方法およびこれに用いる還元鋳造装置、アルミニウム鋳造装置
DE60122420T2 (de) * 2000-05-10 2007-04-19 Nissin Kogyo Co. Ltd., Ueda Verfahren und Vorrichtung zum Giessen
JP3576490B2 (ja) * 2000-05-10 2004-10-13 日信工業株式会社 金属ガス発生装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003266171A (ja) 2003-09-24
US6845808B2 (en) 2005-01-25
DE60305226D1 (de) 2006-06-22
US20030217827A1 (en) 2003-11-27
CN1443616A (zh) 2003-09-24
CN100340362C (zh) 2007-10-03
BR0300557A (pt) 2004-08-10
EP1344590A3 (en) 2004-10-27
EP1344590B1 (en) 2006-05-17
DE60305226T2 (de) 2007-04-19
EP1344590A2 (en) 2003-09-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3604375B2 (ja) 還元鋳造方法
JP3606848B2 (ja) 還元鋳造方法
JP2952523B2 (ja) 部材の鋳造法およびその装置
JP3422969B2 (ja) 還元鋳造方法及びこれを用いたアルミニウム鋳造方法
JP3592251B2 (ja) 還元鋳造方法、還元鋳造装置及びこれに用いる成形型
JP3592260B2 (ja) 還元鋳造方法
JP3592196B2 (ja) 還元鋳造方法
JP3604343B2 (ja) 還元鋳造方法、アルミニウム鋳造方法およびこれに用いる還元鋳造装置、アルミニウム鋳造装置
JP3589614B2 (ja) 還元鋳造用成形型
JP4448630B2 (ja) 鋳造金型によるアルミニウム鋳造方法
JP3592239B2 (ja) 鋳造方法及び鋳造装置
JP2003071557A (ja) 還元鋳造方法
JP3589615B2 (ja) 還元鋳造方法及び還元鋳造用成形型
JP4448629B2 (ja) 鋳造金型によるアルミニウム鋳造方法
JP3887579B2 (ja) 還元鋳造方法における金属ガス発生方法および金属ガス発生装置
JP2002331351A (ja) 還元鋳造方法
JP3600797B2 (ja) 還元鋳造方法およびこれに用いる鋳造装置
JP4448628B2 (ja) 鋳造金型によるアルミニウム鋳造方法
JP3592286B2 (ja) 還元鋳造方法
JP2003053511A (ja) 還元鋳造方法
JP3576498B2 (ja) 還元鋳造方法および還元鋳造装置
JP2003053513A (ja) 鋳造金型によるアルミニウム鋳造方法
JP2003053515A (ja) 還元鋳造方法および還元鋳造装置
JP2003053510A (ja) 還元鋳造装置
JP2003053514A (ja) 還元鋳造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040629

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040824

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040921

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040928

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071008

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081008

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081008

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091008

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091008

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101008

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101008

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111008

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121008

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121008

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131008

Year of fee payment: 9

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees