JP2003053515A - 還元鋳造方法および還元鋳造装置 - Google Patents

還元鋳造方法および還元鋳造装置

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JP2003053515A
JP2003053515A JP2001252044A JP2001252044A JP2003053515A JP 2003053515 A JP2003053515 A JP 2003053515A JP 2001252044 A JP2001252044 A JP 2001252044A JP 2001252044 A JP2001252044 A JP 2001252044A JP 2003053515 A JP2003053515 A JP 2003053515A
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cavity
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molten metal
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Keisuke Ban
恵介 伴
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Nissin Kogyo Co Ltd
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Nissin Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高品質の鋳造品を歩留まりよく生産できる還
元鋳造方法を提供する。 【解決手段】 金属ガスと反応性ガスとを反応させて成
形型12のキャビティ12a内に還元性化合物を生成さ
せ、成形型12を冷却しておいてキャビティ12a内に
溶湯を注湯し、還元性化合物により溶湯表面の酸化皮膜
を還元して鋳物製品を鋳造する還元鋳造方法において、
成形型12を冷却する媒体として液体窒素を用いること
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は還元鋳造方法および
還元鋳造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウムの鋳造方法には、重力鋳造
法(GDC)、低圧鋳造法(LPDC)、ダイキャスト
(DC)、スクイズ(SC)、チクソモールド等があ
る。これらの鋳造方法は、いずれも成形型のキャビティ
内にアルミニウム溶湯を注湯して鋳造するものである。
一般に、アルミニウム又はその合金は、酸化被膜をつく
り易い性質があるため、アルミニウム鋳造過程では、ア
ルミニウムの溶湯表面に簡単に酸化被膜が生成される。
その結果、アルミニウム溶湯の表面張力が大きくなっ
て、アルミニウム溶湯の流動性が低下し、湯周り不良に
よる湯ジワ、湯境等種々の鋳物欠陥が生じる。そのため
に、成形型の温度を320℃程度の高温に維持すると共
に、キャビティ内面に断熱性を有する塗型剤により塗型
層を形成し、成形型側に急激に熱を奪われないようにし
て、溶湯の流動性を高めるようにしている。このことは
逆に溶湯の凝固速度が遅くなり、特にGDCやLPDC
の場合、指向性凝固、すなわち、断面積の大きな所と小
さな所とで大きな温度差が生じ、凝固速度が一様でなく
なるので、各所に引けを防止するための押し湯を持たせ
るのが一般的であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来のア
ルミニウムの鋳造方法では、上記のような手段を講じて
も、アルミニウムの溶湯表面の酸化被膜に起因して鋳造
品に発生する湯ジワ、湯境、微少な未充填や引けを解消
することは至難のことであった。特に、GDCやLPD
Cの場合には、歩留まりが50%以下となることも稀で
はない。このためまた、アルミニウム鋳造物のうち、表
面応力、切欠等が問題となるアルミニウム製品、特に、
航空機、自動車等に使用されるアルミニウム製の構造物
については、その信頼性にバラツキが存在するため、蛍
光探傷等による全数検査、或いは鋳造して得られたアル
ミニウム鋳造品に表面加工を施して最終製品とすること
が行われており、アルミニウム製品のコストアップを招
いていた。また、厚い断熱層からなる塗型層がすぐにボ
ロボロになるため、この塗型層のメンテナンスが極めて
厄介な作業であり、成形型の寿命が短いだけでなく、多
大の工数を要するという課題があった。そこで、本発明
は、上記課題を解決すべくなされ、その目的とするとこ
ろは、溶湯の流動性、成形型との濡れ性が向上し、湯周
り不良による湯ジワ、湯境等種々の鋳物欠陥が解消し、
高品質の鋳造品を歩留まりよく生産できると共に、成形
型を高温にすることも、断熱性塗型層を設けなくともよ
く、作業性が大幅に向上し、コストの低減化が図れる、
還元鋳造方法および還元鋳造装置を提供するにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明に係る還元鋳造方
法では、金属ガスと反応性ガスとを反応させて成形型の
キャビティ内に還元性化合物を生成させ、成形型を冷却
しておいてキャビティ内に溶湯を注湯し、還元性化合物
により溶湯表面の酸化皮膜を還元して鋳物製品を鋳造す
る還元鋳造方法において、前記成形型を冷却する媒体と
して液体窒素を用いることを特徴とする。また本発明方
法では、金属ガスと反応性ガスとを反応させて成形型の
キャビティ内に還元性化合物を生成させ、成形型を冷却
しておいてキャビティ内に溶湯を注湯し、還元性化合物
により溶湯表面の酸化皮膜を還元して鋳物製品を鋳造す
る還元鋳造方法において、前記成形型を冷却する媒体と
して、前記反応性ガスが冷却されて液体状となったもの
を用い、成形型を冷却後ガス化したガスを前記反応性ガ
スに用いることを特徴とする。この場合に、前記反応性
ガスに窒素ガスを用い、前記金属ガスにマグネシウムガ
スを用いることができる。また本発明方法では、少なく
とも溶湯の金属よりも還元性の強い金属ガスをキャビテ
ィ内に導入し、溶湯表面の酸化皮膜を前記金属ガスによ
り還元して鋳造する還元鋳造方法であって、前記成形型
を冷却する媒体として液体窒素を用いることを特徴とす
る。
【0005】また本発明に係る還元鋳造装置は、金属ガ
スと反応性ガスとを反応させて成形型のキャビティ内に
還元性化合物を生成させ、成形型を冷却しておいてキャ
ビティ内に溶湯を注湯し、還元性化合物により溶湯表面
の酸化皮膜を還元して鋳物製品を鋳造する還元鋳造装置
において、前記成形型に接続され、成形型の冷却媒体と
して液化窒素を供給する冷却装置を具備することを特徴
とする。さらに本発明に係る還元鋳造装置では、金属ガ
スと反応性ガスとを反応させて成形型のキャビティ内に
還元性化合物を生成させ、成形型を冷却しておいてキャ
ビティ内に溶湯を注湯し、還元性化合物により溶湯表面
の酸化皮膜を還元して鋳物製品を鋳造する還元鋳造装置
において、前記成形型に接続され、前記成形型を冷却す
る媒体として、前記反応性ガスが冷却されて液体状とな
ったものを供給する冷却装置と、該成形型を冷却後ガス
化したガスを前記反応性ガスとして供給する供給部とを
具備することを特徴とする。この場合に、前記反応性ガ
スに窒素ガスを用い、前記金属ガスにマグネシウムガス
を用いることができる。また本発明装置では、少なくと
も溶湯の金属よりも還元性の強い金属ガスをキャビティ
内に導入し、溶湯表面の酸化皮膜を前記金属ガスにより
還元して鋳造する還元鋳造装置であって、前記成形型に
接続され、成形型の冷却媒体として液化窒素を供給する
冷却装置を具備することを特徴とする。なお、本発明に
おいて「アルミニウム」と言う場合は、純粋なアルミニ
ウムは勿論のこと、アルミニウムを基材に、例えば、シ
リコン、マグネシウム、銅、ニッケル、錫等を含有する
アルミニウム合金も含む。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を添付図面を参照して詳細に説明する。鋳造装置全体の
一例を図1に示す。図1に示す鋳造装置10に設けられ
た成形型12には、アルミニウム溶湯18が貯められた
注湯槽14に接続され、アルミニウム溶湯18がキャビ
ティ12a内に注湯される溶湯注入孔11が形成されて
いる。この溶湯注入孔11内には、ほぞ16が上下方向
に移動可能に挿入されており、ほぞ16を引き上げるこ
とによって、注湯槽14から所要量のアルミニウム溶湯
18がキャビティ12a内に注湯される。図1に示す成
形型12は、キャビティ12aの内壁面が、成形型12
を形成する金属の金属面が露出して形成されたものであ
る。
【0007】25は、アルゴンガス(マグネシウム粉末
と反応しない気体状物質、キャリアガス)を貯留するア
ルゴンガスボンベであり、このアルゴンガスボンベ25
は、配管26によって金属ガス発生装置としての加熱炉
28に接続されており、バルブ30を開放することによ
って加熱炉28内にアルゴンガスを注入できる。この加
熱炉28内は、ヒータ32によって加熱可能に形成され
ており、炉内温度は、後述する気体状のマグネシウム
(金属ガス)を発生させるべく、マグネシウム粉末(金
属粉末)が昇華する800℃以上にされている。
【0008】かかるアルゴンガスボンベ25は、バルブ
33が介装された配管34によって、マグネシウム粉末
(金属粉末)が収容(貯留)されているタンク36に接
続され、タンク36は配管38によって、バルブ30よ
りも下流側の配管26に接続されている。この配管38
にもバルブ40が介装されている。加熱炉28は、配管
42及びほぞ16を貫通して成形型12(成形型)のキ
ャビティ内に通じるパイプ44を介して成形型12のキ
ャビティ12aに接続している。配管42にはバルブ4
5が介装されている。成形型12には、図示しないが、
細孔のベント孔(排気孔)が開口され、アルミニウム溶
湯18をキャビティ12a内に注湯する際に、キャビテ
ィ12内の気体をベント孔を通じて排気することによっ
て、アルミニウム溶湯18の注湯をスムーズに行うこと
ができる。
【0009】47は冷却装置であり、成形型12に接続
されている。図2に冷却装置47と成形型12との関係
の一例を示す。48は、成形型12を冷却する冷却媒体
であると共に、反応ガスとしても使用される液体窒素が
収容されている窒素ボンベである。窒素ボンベ48は、
配管49および流量制御弁50を介して、成形型12に
形成された冷却ジャケット51に接続されている。
【0010】53はベント回路である。54は成形型1
2に形成した空洞からなるベントジャケットである。ベ
ントジャケット54は通路55、56を通じてキャビテ
ィ12a内に通じている。冷却ジャケット51とベント
ジャケット54とは配管57およびバルブ57を介して
接続されている。またベントジャケット54はベント管
60を介して真空吸引ポンプに接続されている。62は
ベント管60に介挿された電磁弁、63は逆止弁であ
る。冷却ジャケット51、配管57、ベントジャケット
54、通路55、56が、反応性ガスの供給部となる。
上記冷却装置47により成形型12を低温に維持するこ
とができる。温度は特に限定されるものではないが、常
温以下の低温に成形型12を維持することができる。
【0011】従来の鋳造法では、成形型のキャビティ1
2a温度を320℃程度の高温に維持するものであっ
た。従来では、オーバーヒート時に冷却水を循環させる
だけの、上限温度制御でよかった。本実施の形態では、
ただ単に冷却液を循環させるだけでは、高温のアルミニ
ウム溶湯により次第に温度が上昇する成形型12を上記
低温に維持するのは困難である。そこで、冷却装置47
としては、強制冷却機能を備えたものを用いる。
【0012】上記の鋳造装置10によってアルミニウム
鋳造を行う際には、先ず、バルブ58、電磁弁62を開
放し、窒素ボンベ48から配管49、冷却ジャケット5
1、配管57、通路55を経て成形型12のキャビティ
12a内に窒素ガスを注入し、また真空吸引ポンプ61
を作動させることにより、キャビティ12a内の空気を
窒素ガスによってパージする。キャビティ12a内を窒
素ガス雰囲気とし、実質的に非酸素雰囲気とすることが
できる。その後、バルブ58、電磁バルブ62を一旦閉
じる。
【0013】成形型12のキャビティ12a内の空気を
パージしている際に、バルブ30を開放して加熱炉28
内に、アルゴンガスボンベ20からアルゴンガスを注入
し、加熱炉28内を無酸素状態とする。次いで、バルブ
30を閉じ、バルブ40を開放し、アルゴンガス圧によ
りタンク36内のマグネシウム粉末を、配管26を通じ
て、アルゴンガスと共に加熱炉28内に送り込む。
【0014】加熱炉28は、ヒータ32によりマグネシ
ウム粉末が昇華する800℃以上の炉内温度になるよう
に加熱されている。このため、加熱炉28に送り込まれ
たマグネシウム粉末は昇華してマグネシウムガスとな
る。
【0015】次に、バルブ40を閉じてバルブ30及び
バルブ45を開放し、アルゴンガス圧力、流量を調節し
つつ配管42及びパイプ44を経てマグネシウムガスを
キャビティ12a内に注入する。キャビティ12a内に
マグネシウムガスを注入した後、バルブ45を閉じ且つ
バルブ58を開放してキャビティ12a内に窒素ガスを
注入する。この様に、成形型12内に窒素ガスを注入す
ることによって、マグネシウムガスと窒素ガスとがキャ
ビティ12a内で反応してマグネシウム窒素化合物(M
32)が生成される。このマグネシウム窒素化合物
は、キャビティ12a内壁面に粉体として析出する。窒
素ガスをキャビティ12a内に注入する際には、流量制
御弁50により窒素ガスの圧力及び流量を適宜調節して
行う。反応時間は5秒〜90秒程度(好ましくは15秒
〜60秒程度)でよい。
【0016】キャビティ12aの内壁面にマグネシウム
窒素化合物が付着した状態で、ほぞ16を引き上げ、注
湯槽14中のアルミニウム溶湯18をキャビティ12a
内に注入する。キャビティ12a内に溶湯を注入する
と、成形型12の温度は上昇するので、溶湯注入とほと
んど同時に、電磁弁62を開き、かつ流量制御弁50を
大きく開いて低温の液体窒素(ガス化する)を冷却ジャ
ケット51に強制的に送り込み、成形型12を急速に冷
却するとよい。その際、真空吸引ポンプ61を作動させ
てもよい。これによりキャビティ12a内が若干負圧に
なり、溶湯の注湯がスムーズに行われる。
【0017】キャビティ12a内に注湯されたアルミニ
ウム溶湯は、キャビティ12aの内壁面に付着している
マグネシウム窒素化合物と接触し、マグネシウム窒素化
合物がアルミニウムの溶湯表面の酸化被膜から酸素を奪
うことによって、アルミニウムの溶湯表面が純粋なアル
ミニウムに還元される。
【0018】また、キャビティ12a内に残存する酸
素、或いはアルミニウム溶湯内に混入されている酸素
は、マグネシウム窒素化合物と反応し酸化マグネシウム
又は水酸化マグネシウムとなって溶湯中に取り込まれ
る。この様にして生成される酸化マグネシウム等は少量
であり、且つ安定な化合物であるため、得られるアルミ
ニウム鋳造品の品質に悪影響は与えない。
【0019】この様に、マグネシウム窒素化合物がアル
ミニウムの溶湯表面の酸化皮膜から酸素を奪いとって純
粋なアルミニウムを形成し、酸化皮膜が消失するため、
鋳造工程中にアルミニウム溶湯の表面張力が酸化皮膜に
よって増大することを防止でき、アルミニウム溶湯の濡
れ性、流動性、湯周り性を良好にできる。その結果、キ
ャビティ12aの内壁面との転写性(平滑性)に優れ、
且つ湯ジワ等が生じない良好なアルミニウム鋳造品を得
ることができる。
【0020】従来は酸化皮膜が形成され、この酸化皮膜
がアルミニウム溶湯の流動性を阻害していた。そのた
め、成形型12の温度を320℃程度の高温にすると共
に、キャビティ12aに塗型層を形成する必要があっ
た。しかし、本実施の形態では、アルミニウムの酸化皮
膜は還元されて消失してしまうので、成形型12の温度
を高温にしたり、塗型層を形成する必要がない。したが
って、成形型の維持管理が極めて容易になった。
【0021】また、成形型温度を低温にできるので、凝
固速度が極めて速くなり、各部の凝固速度差も少なく、
緻密で強度の大きな鋳造品を得ることができ、さらに
は、鋳造のサイクルタイムが短くなり、生産性が向上
し、また成形型の寿命も伸びるなど多くの利点がある。
また、従来はキャビティ12a内の溶湯の凝固速度が遅
いため、溶湯補充用の押湯部(図示せず)も、溶湯が直
ちに凝固しないように大きな容量のものにしなければな
らなかったが、本実施の形態では、キャビティ12a内
の溶湯の凝固速度が極めて大きいので、押湯部の容積は
それほど大きなものにする必要がない点でも有利であ
る。
【0022】また本実施の形態では、成形型12の冷却
に用いた液体窒素(窒素ガス)をそのまま一部、反応性
ガスに用いているので、冷却効率もよい上に、装置の小
形化も図れるメリットもある。
【0023】本実施の形態においては、成形型12のキ
ャビティ12aの表面に付着したマグネシウム窒素化合
物が還元性を有していることが必要である。このため、
図1に示す成形型12のキャビティ12aの内壁面に
は、成形型12を形成する金属材が露出している。通
常、成形型12を形成する金属材は、キャビティ12a
内で生成されるマグネシウム窒素化合物に対し、アルミ
ニウム鋳造工程の温度範囲では非反応性である。
【0024】ここで、キャビティ12aの内壁面に、ア
ルミニウム鋳造の際に、キャビティの内壁面の処理とし
て一般に用いられている酸化物系の断熱剤又は離型剤か
らなる塗型層を、キャビティ12aの内壁面に形成する
と、マグネシウム窒素化合物は断熱剤等の酸素基と反応
して還元機能を喪失する。このため、キャビティ12a
の内壁面を、マグネシウム窒素化合物等の還元性化合物
と非反応性の材料で形成することが必要である。したが
って、成形型12のキャビティ12aの内壁面を被覆す
る場合には、黒鉛等の非酸化物系の材料によって被覆す
ることが好ましい。また、キャビティ12の内壁面に熱
処理(四酸化鉄の形成処理)又は窒化処理等の処理を施
したものであっても使用できる。
【0025】図3は、図1、図2の鋳造装置を用いて還
元鋳造を行う場合のサイクル図である。は窒素ガスに
よるパージ区間、は窒素ガスとマグネシウムガスとの
反応区間、は低冷却区間、は凝固区間、は強制冷
却区間、は鋳造品取りだし後の成形型クリーニング区
間である。凝固時間の短縮により、1サイクル時間が大
幅に短縮された。
【0026】図4は冷却装置47および反応性ガスの供
給部のさらに他の実施の形態を示す説明図である。上記
実施の形態と同一部材は同一符号をもって示す。本実施
の形態では、冷却ジャケット51を、配管64を通じて
キャビティ12aに接続している。65は配管64中に
介挿した流量制御弁である。配管64、流量制御弁65
が反応ガス供給部となる。本実施の形態では、キャビテ
ィ12a内の窒素ガスによるパージの際、キャビティ1
2a内に供給された窒素ガスがそのまま反応性ガスとな
る。パージの際や溶湯注入時の、キャビティ12a内の
ガスの排出は別途ベント孔(図示せず)を通じてなされ
る。成形型12は、窒素ガスによるパージ、窒素ガスの
供給の際冷却される。
【0027】図5は、外部配管64を設けず、冷却ジャ
ケット51とキャビティ12aとを接続する通路66に
より、直接、窒素ガスのパージ、窒素ガスの供給を行う
実施の形態を示す。図6はさらに他の実施の形態を示
す。本実施の形態では、冷却ジャケット51からの配管
67を配管68と配管70に分岐し、配管68はバルブ
69を介してキャビティ12aに接続し、配管70はバ
ルブ71を介して加熱炉28に接続している。キャビテ
ィ12a内の窒素ガスによるパージは、バルブ69を開
き、バルブ71を閉じて配管68を通じて行う。反応性
ガス(窒素ガス)は、バルブ69を閉じ、バルブ71を
開いて配管70を通じて加熱炉28に供給し、加熱炉2
8内でマグネシウムガスと反応させ、還元性化合物であ
るマグネシウム窒素化合物としてパイプ44からキャビ
ティ12a内に供給するのである。本実施の形態でも、
成形型12は液体窒素(窒素ガス)によって冷却され
る。
【0028】また上記各実施の形態では、溶湯表面の酸
化皮膜を還元する物質として、金属ガスと反応性ガスと
を反応させて生成した還元性化合物を用い、キャビティ
内に導入したが、還元性物質として、溶湯の金属よりも
還元性の強い金属ガスをキャビティ内に導入してもよ
い。このような金属ガスとしてはマグネシウムガスが好
適であり、上記と同様にして発生させたマグネシウムガ
スをアルゴンガス等の不活性ガスをキャリアガスとして
キャビティ内に導入する。マグネシウムガスが還元性物
質として作用し、アルミニウムの溶湯表面に形成された
酸化皮膜から酸素を奪い、アルミニウムの溶湯表面が純
粋なアルミニウムとなって鋳造される。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、還元性化合物をキャビ
ティ表面に析出させた状態で溶湯を導入することによ
り、還元性化合物により溶湯表面の酸化皮膜が還元され
て消失する。これにより溶湯の表面張力が低減し、その
流動性、成形型との濡れ性が向上し、湯周り不良による
湯ジワ、湯境等種々の鋳物欠陥が解消し、高品質の鋳造
品を歩留まりよく生産できる。その際、酸化皮膜が消失
して、溶湯の流動性が向上するので、成形型を高温にす
ることも、塗型層を設けなくともよく、作業性が大幅に
向上し、コストの低減化が図れる。成形型温度を低温に
できるので、凝固速度が極めて速くなり、各部の凝固速
度差も少なく、押し湯も大幅に低減できると共に、緻密
で強度の大きな鋳造品を得ることができ、さらには、鋳
造のサイクルタイムが短くなり、生産性が向上し、また
成形型の寿命も伸びる。また、成形型の冷却用に用いた
媒体をそのまま一部反応性ガスとして供給することによ
り、効率よく、成形型の冷却と鋳造工程とを連続して行
うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る鋳造装置の一例を示す概略
図である。
【図2】成形型と冷却装置との構造の一例を示す説明図
である。
【図3】鋳造サイクルの一例を示すサイクル図である。
【図4】成形型と冷却装置との他の構造を示す説明図で
ある。
【図5】成形型と冷却装置とのさらに他の構造を示す説
明図である。
【図6】成形型と冷却装置とのさらにまた他の構造を示
す説明図である。
【符号の説明】
10 鋳造装置 12 成形型 12a キャビティ 14 注湯槽 18 アルミニウム溶湯 25 アルゴンガスボンベ 28 加熱炉(ガス発生装置) 32、32a ヒータ 36 タンク 44 パイプ 47 冷却装置 48 窒素ボンベ 49 配管 50 流量制御弁 51 冷却ジャケット 53 ベント回路 54 ベントジャケット 55、56 通路 57 配管 58 バルブ 60 ベント管 61 真空吸引ポンプ 62 電磁弁 64 配管 65 流量制御弁 66 通路 67、68、70 配管 69、71 バルブ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属ガスと反応性ガスとを反応させて成
    形型のキャビティ内に還元性化合物を生成させ、成形型
    を冷却しておいてキャビティ内に溶湯を注湯し、還元性
    化合物により溶湯表面の酸化皮膜を還元して鋳物製品を
    鋳造する還元鋳造方法において、 前記成形型を冷却する媒体として液体窒素を用いること
    を特徴とする還元鋳造方法。
  2. 【請求項2】 金属ガスと反応性ガスとを反応させて成
    形型のキャビティ内に還元性化合物を生成させ、成形型
    を冷却しておいてキャビティ内に溶湯を注湯し、還元性
    化合物により溶湯表面の酸化皮膜を還元して鋳物製品を
    鋳造する還元鋳造方法において、 前記成形型を冷却する媒体として、前記反応性ガスが冷
    却されて液体状となったものを用い、成形型を冷却後ガ
    ス化したガスを前記反応性ガスに用いることを特徴とす
    る還元鋳造方法。
  3. 【請求項3】 前記反応性ガスに窒素ガスを用い、前記
    金属ガスにマグネシウムガスを用いることを特徴とする
    請求項1または2記載の還元鋳造方法。
  4. 【請求項4】 少なくとも溶湯の金属よりも還元性の強
    い金属ガスをキャビティ内に導入し、溶湯表面の酸化皮
    膜を前記金属ガスにより還元して鋳造する還元鋳造方法
    であって、 前記成形型を冷却する媒体として液体窒素を用いること
    を特徴とする還元鋳造方法。
  5. 【請求項5】 金属ガスと反応性ガスとを反応させて成
    形型のキャビティ内に還元性化合物を生成させ、成形型
    を冷却しておいてキャビティ内に溶湯を注湯し、還元性
    化合物により溶湯表面の酸化皮膜を還元して鋳物製品を
    鋳造する還元鋳造装置において、 前記成形型に接続され、成形型の冷却媒体として液化窒
    素を供給する冷却装置を具備することを特徴とする還元
    鋳造装置。
  6. 【請求項6】 金属ガスと反応性ガスとを反応させて成
    形型のキャビティ内に還元性化合物を生成させ、成形型
    を冷却しておいてキャビティ内に溶湯を注湯し、還元性
    化合物により溶湯表面の酸化皮膜を還元して鋳物製品を
    鋳造する還元鋳造装置において、 前記成形型に接続され、前記成形型を冷却する媒体とし
    て、前記反応性ガスが冷却されて液体状となったものを
    供給する冷却装置と、 該成形型を冷却後ガス化したガスを前記反応性ガスとし
    て供給する供給部とを具備することを特徴とする還元鋳
    造装置。
  7. 【請求項7】 前記反応性ガスが窒素ガスであり、前記
    金属ガスがマグネシウムガスであることを特徴とする請
    求項5または6記載の還元鋳造装置。
  8. 【請求項8】 少なくとも溶湯の金属よりも還元性の強
    い金属ガスをキャビティ内に導入し、溶湯表面の酸化皮
    膜を前記金属ガスにより還元して鋳造する還元鋳造装置
    であって、 前記成形型に接続され、成形型の冷却媒体として液化窒
    素を供給する冷却装置を具備することを特徴とする還元
    鋳造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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