JP2002316254A - 還元鋳造方法 - Google Patents

還元鋳造方法

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JP2002316254A
JP2002316254A JP2001121930A JP2001121930A JP2002316254A JP 2002316254 A JP2002316254 A JP 2002316254A JP 2001121930 A JP2001121930 A JP 2001121930A JP 2001121930 A JP2001121930 A JP 2001121930A JP 2002316254 A JP2002316254 A JP 2002316254A
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Japan
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cavity
casting
molten metal
gas
casting method
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Application number
JP2001121930A
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Keisuke Ban
恵介 伴
Koichi Ogiwara
晃一 荻原
Akira Haruhara
昭 春原
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Nissin Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Nissin Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダイキャストあるいはスクイズダイキャスト
等の加圧鋳造方法に還元鋳造方法を適用して高品質の加
圧鋳造品を得る。 【解決手段】 金属の溶湯を鋳造部12のキャビティ1
5に注湯し、キャビティ内で溶湯と還元性化合物とを接
触させて溶湯の表面に形成された酸化皮膜を還元しつつ
鋳造する還元鋳造方法をダイキャストあるいはスクイズ
ダイキャスト等の加圧鋳造方法に適用して鋳造する還元
鋳造方法であって、加圧鋳造時にキャビティ15内の溶
湯圧を受けて開閉する開閉バルブ20を制御して金属ガ
スおよび反応性ガスをキャビティ15内に導入し、金属
ガスおよび反応性ガスをキャビティ15内で反応させて
前記還元性化合物をキャビティ15内に生成した後、キ
ャビティ15に注湯して鋳造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は溶湯の表面に形成さ
れた酸化皮膜を還元しつつ鋳造する還元鋳造方法をダイ
キャストあるいはスクイズダイキャスト等の加圧鋳造方
法に適用して鋳造する還元鋳造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋳造方法には、重力鋳造法(GDC)、
低圧鋳造法(LPDC)、ダイキャスト(DC)、スク
イズダイキャスト(SDC)、チクソモールドなど様々
な方法がある。これらはいずれも鋳造部のキャビティ内
に溶湯を注入して所定形状に成形するものである。これ
らの鋳造方法のうち、溶湯の表面に酸化皮膜が形成され
やすいもの、たとえばアルミニウム鋳造などでは、溶湯
の表面に形成された酸化皮膜によって表面張力が大きく
なり、溶湯の流動性、湯周り性、溶着性が低下し、溶湯
の未充填、湯じわ等の鋳造欠陥が生じることが問題とな
っている。
【0003】これらの問題を解決する方法として、本出
願人は溶湯の表面に形成される酸化皮膜を還元して鋳造
する還元鋳造方法を開発した。この還元鋳造方法を適用
した例であるアルミニウムの鋳造では、窒素ガスとマグ
ネシウムガスとを反応させて強い還元性を有するマグネ
シウム窒素化合物(Mg32)を生成し、このマグネシ
ウム窒素化合物をアルミニウムの溶湯に作用させ、溶湯
の表面に形成される酸化皮膜を還元して鋳造する。マグ
ネシウム窒素化合物を鋳造部のキャビティの表面に析出
させた状態で溶湯を注入することによって、溶湯がキャ
ビティの表面に接触する際に溶湯の表面の酸化皮膜が還
元され溶湯の表面張力が低減し、溶湯の流動性と濡れ性
が向上して、溶湯の未充填等の鋳造欠陥は湯じわのない
すぐれた外観の鋳造品を製造することが可能になる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この還元鋳造方法によ
れば、還元性化合物を溶湯に作用させることによって溶
湯の表面に形成される酸化皮膜が還元して鋳造できるこ
とから、溶湯の流動性が向上し、重量鋳造方法のような
溶湯の流動性を利用して鋳造する方法等にきわめて有効
に利用することができる。これに対して、ダイキャスト
あるいはスクイズダイキャストのような加圧鋳造法によ
る場合は、溶湯を加圧してキャビティに注入するから、
溶湯をキャビティに注入する際の溶湯の流動性は重力鋳
造法の場合ほど問題にはならない。
【0005】しかしながら、アルミニウムによる鋳造の
ように、溶湯の表面に酸化皮膜が形成されやすい金属を
使用する場合には、鋳造品の表面に湯じわが生じたり、
鋳造品の表面の光沢が良好に仕上がらないといった問題
がある。本発明は、このようなダイキャストあるいはス
クイズダイキャストのような加圧鋳造方法においても上
述した還元鋳造方法を好適に使用することを可能とし、
鋳造品の品質の向上を図ることができるとともに、確実
で歩留まりの良い鋳造を可能とする還元鋳造方法を提供
することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、次の構成を備える。すなわち、金属の溶湯を
鋳造部のキャビティに注湯し、キャビティ内で溶湯と還
元性化合物とを接触させて溶湯の表面に形成された酸化
皮膜を還元しつつ鋳造する還元鋳造方法をダイキャスト
あるいはスクイズダイキャスト等の加圧鋳造方法に適用
して鋳造する還元鋳造方法であって、加圧鋳造時にキャ
ビティ内の溶湯圧を受けて開閉する開閉バルブを制御し
て金属ガスおよび反応性ガスをキャビティ内に導入し、
金属ガスおよび反応性ガスをキャビティ内で反応させて
前記還元性化合物をキャビティ内に生成した後、キャビ
ティに注湯して鋳造することを特徴とする。また、前記
金属の溶湯としてアルミニウムまたはその合金の溶湯を
使用し、金属ガスとしてのマグネシウムガスと反応性ガ
スとしての窒素ガスとをキャビティ内で反応させ、還元
性化合物であるマグネシウム窒素化合物をキャビティ内
に生成して鋳造することを特徴とする。
【0007】また、金属の溶湯を鋳造部のキャビティに
注湯し、キャビティ内で溶湯と還元性化合物とを接触さ
せて溶湯の表面に形成された酸化皮膜を還元しつつ鋳造
する還元鋳造方法をダイキャストあるいはスクイズダイ
キャスト等の加圧鋳造方法に適用して鋳造する還元鋳造
方法であって、加圧鋳造時にキャビティ内の溶湯圧を受
けて開閉する開閉バルブを制御して、キャビティ外で金
属ガスと反応性ガスとを反応させて生成した前記還元性
化合物を前記キャビティ内に導入した後、キャビティに
注湯して鋳造することを特徴とする。また、前記金属の
溶湯としてアルミニウムまたはその合金の溶湯を使用
し、金属ガスとしてのマグネシウムガスと反応性ガスと
しての窒素ガスとを反応させて生成した還元性化合物で
あるマグネシウム窒素化合物をキャビティ内に導入して
鋳造することを特徴とする。また、前記開閉バルブを制
御して金属ガスおよび反応性ガス、あるいは還元性化合
物をキャビティ内に導入する際に、キャビティに連通す
るゲート部を開放してキャビティ内に導入することを特
徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
について、添付図面とともに詳細に説明する。図1は本
発明に係る還元鋳造方法をアルミニウムの鋳造に適用し
た鋳造装置10の全体構成を示す説明図である。同図で
12はダイキャストにより鋳造品を製造する鋳造部の構
造を示す。鋳造部12は、図2に示すように、ベース1
3aに固定された固定型12aと、ベース13aに可動
に支持され型締シリンダ14によって押動される可動型
12bとを備える。図2は固定型12aと可動型12b
とを型締めしてキャビティ15が形成された状態であ
る。
【0009】16は射出プランジャ、17は射出プラン
ジャ16によって押動される加圧プランジャである。ダ
イキャストでは加圧プランジャ17により溶湯に圧力を
加えて湯口18からキャビティ15に溶湯を注入して鋳
造する。20はキャビティ15とキャビティ外との連通
を制御する開閉バルブである。20aはピストン、20
bはピストン20aを駆動するエアシリンダである。一
般的なダイキャストでは、キャビティ15に注湯する際
には開閉バルブ20を開放してキャビティ15内のエア
を外部に排出しあるいはキャビティ内のエアを真空吸引
しながら溶湯を注入し、キャビティ15に溶湯が充填さ
れたところで開閉バルブを閉じて加圧しながら溶湯を充
填加圧して凝固させる。
【0010】本実施形態の還元鋳造方法では、鋳造部1
2に設けた開閉バルブ20を利用して還元鋳造すること
を特徴とする。すなわち、開閉バルブ20を開閉制御し
て、成型型のキャビティ15内に反応性ガスとして窒素
ガスを、金属ガスとしてマグネシウムガスを導入するこ
とにより、キャビティ15内に還元性化合物としてのマ
グネシウム窒素化合物を生成し、その後、アルミニウム
の溶湯をキャビティ15に注入して鋳造する。開閉バル
ブ20に設けた開口部21、22は窒素ガスとマグネシ
ウムガスとを注入する配管に接続され、窒素ガスの供給
機構およびマグネシウムガスの供給機構とキャビティ1
5とが連通可能となる。
【0011】図1において、鋳造部12に設けられた開
閉バルブ20の開口部21は配管23を介して窒素ガス
ボンベ24に接続し、バルブ25を開閉することにより
開口部21からキャビティ15内に窒素ガスが導入され
る。キャビティ15内に窒素ガスを導入することによ
り、キャビティ15内を窒素ガス雰囲気(非酸素雰囲
気)とすることができる。
【0012】26はアルゴンガスボンベである。アルゴ
ンガスボンベ26は配管27によりマグネシウムガスを
発生する発生器としての加熱炉28に接続されており、
配管27に設けたバルブ30を開くことによって加熱炉
28内にアルゴンガスが注入される。この加熱炉28内
は、ヒータ32によって加熱可能に形成されており、炉
内温度は、金属ガスとしてのマグネシウムガスを発生さ
せるため、マグネシウム粉末が昇華する800℃以上に
設定されている。加熱炉28に注入されるアルゴンガス
量はバルブ30によって調整することができる。
【0013】アルゴンガスボンベ26は、バルブ33が
介装された配管34によって、マグネシウム粉末が収容
されているタンク36に接続され、タンク36は配管3
8によって、バルブ30よりも下流側の配管27に接続
されている。配管38には加熱炉28へのマグネシウム
粉末の供給量を制御するバルブ40が介装されている。
加熱炉28は、配管42を介して開閉バルブ20の開口
部22に接続されており、加熱炉28でガス化されたマ
グネシウムガスは開口部22を介してキャビティ15に
導入される。配管42に介装したバルブ45によりキャ
ビティ15に注入する金属ガス量を調節することができ
る。
【0014】本実施形態の鋳造装置10を用いたアルミ
ニウムの鋳造は以下のようにして行う。まず、型締シリ
ンダ14により固定型12aと可動型12bとを型締め
してキャビティ15を形成した後、バルブ25を開放
し、窒素ガスボンベ24から配管23を経由して、開口
部21からキャビティ15に窒素ガスを導入し、キャビ
ティ15内の空気を窒素ガスによって排出する。これに
よってキャビティ15内が実質的に非酸素雰囲気とな
る。なお、キャビティ15内の空気を窒素ガスによって
パージする際に、キャビティ15に連通するゲート部お
よび射出シリンダを開放しておき空気をゲート部側に排
出することによって容易にキャビティ15内の空気を排
出することができる。また、別の方法として、キャビテ
ィ15に通じる空気抜き用の連通穴を設けておき、連通
穴からキャビティ15を真空吸引し、キャビティ15内
を負圧にした状態でキャビティ15に窒素ガスを送入し
てキャビティ15内を非酸素雰囲気とすることも可能で
ある。
【0015】キャビティ15内を窒素ガスによって置換
した後、ゲート部を閉止してキャビティ15を閉止空間
とし、バルブ25を閉じる。なお、キャビティ15内を
非酸素雰囲気とする方法としては、キャビティ15内で
生成させる還元性化合物と反応しない気体、たとえばア
ルゴンガスをキャビティ15に注入してキャビティ15
内の空気をパージさせるといった方法も可能である。キ
ャビティ15内を非酸素雰囲気とするのは、還元鋳造方
法においてはキャビティ15内で溶湯を還元性化合物に
接触させて鋳造するから、キャビティ15内に酸素が存
在していることにより還元性化合物の還元性が喪失され
ないようにするためである。したがって、キャビティ1
5に窒素ガスやアルゴンガス等のパージ気体を通流させ
る方法のかわりに、キャビティ15に通じる空気抜き用
の連通孔からキャビティ15を真空吸引してキャビティ
15内を非酸素雰囲気とすることも可能である。
【0016】一方、キャビティ15内の空気を窒素ガス
によってパージしている間に、バルブ30を開放して加
熱炉28内に、アルゴンガスボンベ26からアルゴンガ
スを注入し、加熱炉28内を無酸素状態とする。次い
で、バルブ30を閉じ、バルブ40を開放し、アルゴン
ガス圧によりタンク36内のマグネシウム粉末をアルゴ
ンガスと共に加熱炉28内に送り込む。加熱炉28は、
マグネシウム粉末が昇華する800℃以上の炉内温度に
加熱されているから、加熱炉28に送り込まれたマグネ
シウム粉末は昇華してマグネシウムガスとなる。
【0017】次に、バルブ40を閉じ、バルブ30およ
びバルブ45を開放し、アルゴンガスの圧力、流量を調
節しつつ開閉バルブ20の開口部22からマグネシウム
ガスをキャビティ15に注入する。開閉バルブ20のピ
ストン20aがエアシリンダ20bにより上位置に移動
することにより開口部22とキャビティ15とが連通す
る状態になる。キャビティ15内にマグネシウムガスを
注入した後、バルブ45を閉じ、バルブ25を開放して
開閉バルブ20の開口部21からキャビティ15に窒素
ガスを注入する。キャビティ15に窒素ガスを注入する
ことによって、マグネシウムガスと窒素ガスとがキャビ
ティ15内で反応しマグネシウム窒素化合物(Mg
32)が生成される。マグネシウム窒素化合物はキャビ
ティ15の内壁面に粉体として析出する。
【0018】窒素ガスをキャビティ15に注入する際に
は、窒素ガスの圧力および流量を適宜調節して行う。窒
素ガスとマグネシウムガスとが反応し易いように窒素ガ
スを予熱して鋳造部の温度が低下しないようにして注入
することもよい。反応時間は5秒〜90秒程度(好まし
くは15秒〜60秒程度)でよい。
【0019】キャビティ15内でマグネシウム窒素化合
物を生成した後、バルブ25を閉じ、加圧プランジャ1
7により湯口18からアルミニウムの溶湯を押し出すよ
うにしてキャビティ15に溶湯を注入する。湯口18か
らキャビティ15に注入される溶湯は、キャビティ15
の内壁面に析出しているマグネシウム窒素化合物と接触
し、マグネシウム窒素化合物の還元作用によって溶湯表
面の酸化皮膜から酸素が奪われ、溶湯の表面が純粋なア
ルミニウムに還元されてキャビティ15に充填されてい
く。なお、キャビティ15内に残存する酸素は、マグネ
シウム窒素化合物と反応し酸化マグネシウムまたは水酸
化マグネシウムとなって溶湯中に取り込まれる。キャビ
ティ15内の残存酸素によって生成される酸化マグネシ
ウム等は少量であり、安定な化合物であるため、アルミ
ニウム鋳造品の品質に悪影響を与えることはない。
【0020】還元鋳造方法は、溶湯の表面の酸化皮膜か
ら酸素を奪いとって溶湯の表面を純粋な金属の表面とし
て鋳造する方法であり、本実施形態の場合にはマグネシ
ウム窒素化合物がアルミニウムの溶湯の表面の酸化皮膜
から酸素を奪いとり、溶湯の表面を純粋なアルミニウム
として鋳造する。溶湯の表面に酸化皮膜を形成させるこ
となくキャビティに溶湯が充填されることにより、キャ
ビティ内を溶湯が流動する際に溶湯の表面張力が酸化皮
膜によって増大せず、これによって溶湯の濡れ性、流動
性、湯周り性を良好にすることができる。その結果、キ
ャビティの内壁面との転写性(平滑性)に優れ、湯ジワ
等が生じない良好な品質の鋳造品を得ることが可能とな
る。
【0021】図3は本発明に係る還元鋳造方法をアルミ
ニウムの鋳造に適用した鋳造装置10の他の実施形態の
構成を示す説明図である。本実施形態においては、金属
ガスとしてのマグネシウムガスと、反応性ガスとしての
窒素ガスとを、鋳造部12の外部であらかじめ反応させ
て生成した還元性化合物としてのマグネシウム窒素化合
物をキャビティ15に注入して還元鋳造することを特徴
とする。24は窒素ガスボンベであり、配管23が開閉
バルブ20の開口部21に接続され、バルブ25を開放
することによりキャビティ15内に窒素ガスが導入さ
れ、キャビティ15内の空気が排出可能となっている。
【0022】また、窒素ガスボンベ24は配管27を通
じて加熱炉28に接続されており、バルブ30を開放す
ることにより加熱炉28内に窒素ガスが導入される。加
熱炉28の炉内温度はマグネシウム粉末が昇華する80
0℃以上に設定されている。窒素ガスボンベ24はま
た、配管34を介して、マグネシウム粉末が収容されて
いるタンク36に接続され、タンク36は配管38によ
り、バルブ30よりも下流側の配管27に接続されてい
る。配管38にはバルブ40が介装されている。加熱炉
28は配管42を介して鋳造部12の開閉バルブ20に
接続する。
【0023】本実施形態では、窒素ガスボンベ24はキ
ャビティ15内の空気をパージしてキャビティ15内を
非酸素雰囲気とする作用と、キャビティ15内にキャビ
ティ15の外部で生成した還元性化合物であるマグネシ
ウム窒素化合物を送入する作用を有する。すなわち、型
締シリンダ14によって固定型12aと可動型12bと
を型締めしてキャビティ15を形成した後、バルブ25
を開き、キャビティ15に窒素ガスを注入してキャビテ
ィ15内の空気を排出する。前述した実施形態と同様
に、このときゲート部側を開放してキャビティ15内を
窒素ガスが通流しやすくすることでキャビティ15内が
効率的に窒素ガスと置換される。キャビティ15内を窒
素ガスによって置換し、非酸素雰囲気とした後、ゲート
部側を閉止し、バルブ25を閉じてキャビティ15を閉
止空間とする。なお、窒素ガスのかわりに還元性化合物
と反応しないアルゴンガス等の気体をキャビティ15に
注入してキャビティ15内の空気をパージしてもよい。
【0024】一方、バルブ30を開放して、窒素ガスボ
ンベ24から加熱炉28内に窒素ガスを導入する。次い
で、バルブ30を閉じ、バルブ40を開放して、窒素ガ
スボンベ24の窒素ガス圧により、タンク36に収容さ
れているマグネシウム粉末を窒素ガスと共に加熱炉28
内に送り込む。加熱炉28はマグネシウム粉末が昇華す
る800℃以上の炉内温度に加熱されているから、マグ
ネシウム粉末は昇華すると共に窒素ガスと反応し、加熱
炉28内で気体状のマグネシウム窒素化合物(Mg
32)が生成される。
【0025】バルブ40を閉じ、バルブ30を開放する
ことによって、加熱炉28内で生成された気体状のマグ
ネシウム窒素化合物を窒素ガスボンベ24の窒素ガス圧
により、配管42を介してキャビティ15に送入する。
このとき、開閉バルブ20のピストン20aは上位置に
あって、キャビティ15と開口部22とは連通する状態
となっている。配管42、開閉バルブ22を経てキャビ
ティ15に送入されたマグネシウム窒素化合物(Mg3
2)はキャビティ15の内面上に粉体として析出す
る。
【0026】キャビティ15の内面にマグネシウム窒素
化合物が析出した状態で、加圧プランジャ17によって
キャビティ15にアルミニウムの溶湯を充填する。前述
した実施形態と同様に、キャビティ15の内面に析出し
たマグネシウム窒素化合物がアルミニウムの溶湯の表面
の酸化皮膜から酸素を奪い、溶湯の表面を純粋なアルミ
ニウムに還元して鋳造される。本実施形態の鋳造方法の
場合も、前述した実施形態と同様に、キャビティ15内
におけるアルミニウムの溶湯の流動性、湯周り性を良好
にし、キャビティ15の内面との転写性にすぐれ、湯ジ
ワ等のない高品質の鋳造品を得ることが可能になる。
【0027】以上説明したように、ダイキャストで使用
する鋳造部には、キャビティに溶湯を注入する際に、キ
ャビティ内のエアを排出して溶湯圧を開放する開閉バル
ブが設けられているから、この開閉バルブを開閉制御す
ることにより、キャビティ内に金属ガスおよび反応性ガ
スを送入してキャビティ内で還元性化合物を生成するこ
とができ、あるいは、キャビティの外部で生成した還元
性化合物をキャビティ内に送入して、キャビティ内で溶
湯と還元性化合物を接触させ所要の還元鋳造を行うこと
ができる。すなわち、従来使用されているダイキャスト
装置を使用して容易に還元鋳造を行うことが可能であ
り、アルミニウム鋳造のように溶湯の表面に酸化皮膜が
形成されやすい場合であっても高品質の鋳造を行うこと
が可能となる。
【0028】なお、上述した方法はダイキャストに限ら
ず、開閉バルブを使用して鋳造するスクイズダイキャス
ト等の加圧鋳造方法に共通に利用することが可能であ
り、アルミニウム鋳造に限らず、一般の金属による加圧
鋳造方法に好適に利用することができる。
【0029】
【発明の効果】本発明に係る還元鋳造方法によれば、上
述したように、キャビティ内で溶湯を還元性化合物に接
触させて鋳造するという還元鋳造方法を、ダイキャスト
あるいはスクイズダイキャスト等の加圧鋳造方法に有効
に利用することが可能となり、これによって高品質の加
圧鋳造品を得ることができる等の著効を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る還元鋳造方法を適用して鋳造する
鋳造装置の構成例を示す説明図である。
【図2】還元鋳造装置に用いる鋳造部の構成を示す説明
図である。
【図3】本発明に係る還元鋳造方法を適用して鋳造する
鋳造装置の他の構成例を示す説明図である。
【符号の説明】
10 鋳造装置 12 鋳造部 12a 固定型 12b 可動型 14 型締シリンダ 15 キャビティ 16 射出プランジャ 17 加圧プランジャ 18 湯口 20 開閉バルブ 20a ピストン 20b エアシリンダ 21、22 開口部 24 窒素ガスボンベ 26 アルゴンガスボンベ 28 加熱炉 36 タンク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 春原 昭 長野県上田市大字国分840番地 日信工業 株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属の溶湯を鋳造部のキャビティに注湯
    し、キャビティ内で溶湯と還元性化合物とを接触させて
    溶湯の表面に形成された酸化皮膜を還元しつつ鋳造する
    還元鋳造方法をダイキャストあるいはスクイズダイキャ
    スト等の加圧鋳造方法に適用して鋳造する還元鋳造方法
    であって、 加圧鋳造時にキャビティ内の溶湯圧を受けて開閉する開
    閉バルブを制御して金属ガスおよび反応性ガスをキャビ
    ティ内に導入し、金属ガスおよび反応性ガスをキャビテ
    ィ内で反応させて前記還元性化合物をキャビティ内に生
    成した後、 キャビティに注湯して鋳造することを特徴とする還元鋳
    造方法。
  2. 【請求項2】 金属の溶湯としてアルミニウムまたはそ
    の合金の溶湯を使用し、金属ガスとしてのマグネシウム
    ガスと反応性ガスとしての窒素ガスとをキャビティ内で
    反応させ、還元性化合物であるマグネシウム窒素化合物
    をキャビティ内に生成して鋳造することを特徴とする請
    求項1記載の還元鋳造方法。
  3. 【請求項3】 金属の溶湯を鋳造部のキャビティに注湯
    し、キャビティ内で溶湯と還元性化合物とを接触させて
    溶湯の表面に形成された酸化皮膜を還元しつつ鋳造する
    還元鋳造方法をダイキャストあるいはスクイズダイキャ
    スト等の加圧鋳造方法に適用して鋳造する還元鋳造方法
    であって、 加圧鋳造時にキャビティ内の溶湯圧を受けて開閉する開
    閉バルブを制御して、キャビティ外で金属ガスと反応性
    ガスとを反応させて生成した前記還元性化合物を前記キ
    ャビティ内に導入した後、 キャビティに注湯して鋳造することを特徴とする還元鋳
    造方法。
  4. 【請求項4】 金属の溶湯としてアルミニウムまたはそ
    の合金の溶湯を使用し、金属ガスとしてのマグネシウム
    ガスと反応性ガスとしての窒素ガスとを反応させて生成
    した還元性化合物であるマグネシウム窒素化合物をキャ
    ビティ内に導入して鋳造することを特徴とする請求項3
    記載の還元鋳造方法。
  5. 【請求項5】 開閉バルブを制御して金属ガスおよび反
    応性ガス、あるいは還元性化合物をキャビティ内に導入
    する際に、キャビティに連通するゲート部を開放してキ
    ャビティ内に導入することを特徴とする請求項1、2、
    3または4記載の還元鋳造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009119471A (ja) * 2007-11-12 2009-06-04 Nissin Kogyo Co Ltd 複合材の鋳造方法及びその鋳造装置

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