JP2002219555A - 鋳造方法及び鋳造装置 - Google Patents

鋳造方法及び鋳造装置

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JP2002219555A JP2001016858A JP2001016858A JP2002219555A JP 2002219555 A JP2002219555 A JP 2002219555A JP 2001016858 A JP2001016858 A JP 2001016858A JP 2001016858 A JP2001016858 A JP 2001016858A JP 2002219555 A JP2002219555 A JP 2002219555A
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晃一 荻原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形型の押湯部を可及的に小さく形成して
も、押湯部に注湯した溶湯の冷却速度を、キャビティに
充填した溶湯の冷却速度よりも遅い冷却速度差を容易に
付与し得る鋳造方法を提供する。 【解決手段】 アルミニウム又はその合金の溶湯を成形
型12のキャビティ12b内に注湯し、所望形状の成形
品を鋳造する際に、該成形型12のキャビティ12b内
で溶湯と還元性化合物とを接触せしめ、前記溶湯の表面
に形成された酸化皮膜を還元しつつ鋳造すると共に、成
形型12として、前記溶湯を注入する注湯口12aとキ
ャビティ12bとの間に押湯部16が形成され、且つ押
湯部16とキャビティ12との間に、押湯部16に注湯
された溶湯の冷却速度がキャビティ12bに注湯された
溶湯よりも遅くなる冷却速度差が付与されるように、押
湯部をキャビティ12bよりも高断熱性に形成して成る
成形型を使用し、成形型12のキャビティ12bに注湯
された溶湯が凝固して収縮したとき、押湯部16の少な
くとも一部の溶湯がキャビティ12b内に流入して補充
することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は鋳造装置及び鋳造方
法に関し、更に詳細には金属の溶湯を成形型のキャビテ
ィ内に注湯し、所望形状の成形品を鋳造する鋳造方法及
び鋳造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム鋳造方法には、種々の方法
があるが、例えば、重力鋳造法は、鋳造品の質の良さ、
成形型の簡易さ等の多くの利点を有する。かかる成形型
を図8に示す。図8に示す成形型100は、金属製であ
って、下型102aと上型102bとの分割型である。
かかる下型102aと上型102bとによって、所望形
状の成形品が鋳造されるキャビティ104が形成され
る。この上型102bには、アルミニウム又はその合金
の溶湯を注湯する注湯口106とキャビティ104との
間に押湯部108が形成され、キャビティ104に注湯
された際に、キャビティ104内の空気を抜く空気抜き
孔110,110・・も形成されている。ところで、ア
ルミニウム又はその合金の溶湯が凝固する際には、約3
%程度の収縮が発生する。このため、キャビティ104
に充填された溶湯の凝固によって生じる収縮は、得られ
る成形品にヒケ等の欠点として発現する。この点、図8
に示す成形型100では、キャビティ104に充填され
た溶湯の凝固に伴なう収縮に因って押湯部108側に生
じる隙間を、押湯部108に充填された溶湯の一部が流
入して補填し、成形品のヒケ等の発生を防止している。
更に、アルミニウム又はその合金の溶湯は、その表面に
形成された酸化皮膜によって表面張力が高くなるため、
流動性や湯周性等が低下し、成形型100の転写性を阻
害する。このため、図8に示す成形型100の押湯部1
08及びキャビティ104の内壁面には、酸化皮膜が表
面に形成された溶湯の流動性等を向上し得る塗型剤が塗
布される。
【0003】この様な図8に示す成形型100を用いて
アルミニウム鋳造する際には、アルミニウム又はその合
金の溶湯を成形型100の注湯口106に注湯し、空気
抜き孔110,100・・から空気を抜きつつキャビテ
ィ104及び押湯部108に溶湯を充填する。次いで、
溶湯がキャビティ104等に充填された成形型100を
放冷することによって、キャビティ104内の溶湯を凝
固する。かかるキャビティ104内の溶湯の凝固に伴な
う収縮に因って発生する押湯部108側の隙間は、押湯
部108の溶湯の一部がキャビティ104内に流下して
補充される。しかし、図8に示す成形型100を用いた
従来のアルミニウム鋳造方法では、押湯部108及びキ
ャビティ104の内壁面に、酸化皮膜が表面に形成され
た溶湯の流動性等を向上し得る塗型剤を塗布した成形型
(以下、塗型と称することがある)を使用しなければな
らず、塗型剤の塗布箇所や塗膜厚さ等には長年の熟練を
必要とした。しかも、依然として、塗型剤の塗膜厚さを
均一とすることは至難のことであり、得られた成形品
は、その表面が荒れ面となり、良好な外観とは言えない
ものであった。
【0004】かかる従来のアルミニウム鋳造方法に対
し、本発明者の二人は、先に特願2000−10807
8において、塗型を用いることなく良好な外観のアルミ
ニウム成形品を得ることのできる改良されたアルミニウ
ム鋳造方法について提案した。この改良されたアルミニ
ウム鋳造方法では、図9に示す様に、先ず、成形型10
0のキャビティ104に還元性化合物であるマグネシウ
ム窒素化合物(Mg3N2)を導入した後、アルミニウム又
はその合金の溶湯を注湯する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】かかる改良されたアル
ミニウム鋳造方法は、成形型100のキャビティ104
に、予め還元性化合物を存在させておくことによって、
注湯されたアルミニウム又はその合金の溶湯の表面に形
成された酸化皮膜を還元し、溶湯の表面張力を低減する
還元鋳造方法である。このため、溶湯の流動性や湯周性
等を高めることができ、成形型100の転写性を高める
ことができる。ところで、図8及び図9に示す成形型1
08に形成されている押湯部108は、キャビティ10
4に充填された溶湯の凝固に伴なう収縮に因って発生す
る押湯部108側の隙間を補充する溶湯を確保する部分
である。このため、キャビティ104に充填された溶湯
が凝固しても、押湯部108に充填された溶湯の少なく
とも一部が凝固されず流動性を有していることが必要で
ある。この様に、押湯部108に充填された溶湯の凝固
を、キャビティ104に充填された溶湯の凝固よりも遅
くするには、押湯部108に注湯された溶湯の冷却速度
をキャビティ104に充填された溶湯よりも遅くするこ
とを要する。かかる冷却速度差の付与は、通常、押湯部
108が冷却され難い形状、すなわち横断面積の大きな
柱状形状に形成することが行われている。
【0006】しかしながら、押湯部108に充填された
溶湯が凝固した部分は成形品ではないため、成形品から
切り離される部分であり、再度溶融して再利用を図るに
してもエネルギー的に損失となる。したがって、押湯部
108を横断面積の大きな柱状形状に形成することは、
成形品ではない部分の体積が増加し、成形型100に注
湯した溶湯の歩留率の低下を招き、作業的及びエネルギ
ー的な損失を大きくする。そこで、本発明の課題は、成
形型の押湯部を可及的に小さく形成しても、押湯部に注
湯した溶湯の冷却速度を、キャビティに充填した溶湯よ
りも遅くなる冷却速度差を容易に付与し得る鋳造方法及
び鋳造装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は前記課題を
解決すべく検討を行った結果、予め成形型100(図
9)のキャビティ104内に還元性化合物を存在させる
還元鋳造方法によれば、塗型を用いることを要せず、内
壁面が露出したキャビティ104に、表面に酸化皮膜が
形成された溶湯を注湯しても、その流動性は良好であ
り、且つキャビティ104に充填された溶湯の冷却速度
は、塗型を用いた場合よりも速いことを知った。この知
見に基づいて本発明者等は、内壁面が同一材料で形成さ
れた押湯部108とキャビティ104とに断熱差を付与
すべく、押湯部108の内壁面に断熱効果を有する塗型
剤等を塗布し、キャビティ104は内壁面が露出する状
態とすることによって、押湯部108の断熱性をキャビ
ティ104よりも向上した。かかる断熱差を有する成形
型に溶湯を注入したところ、押湯部108に充填された
溶湯の冷却速度をキャビティ104に充填された溶湯の
冷却速度よりも遅くでき、小形化された押湯部に充填さ
れた溶湯とキャビティに充填された溶湯との凝固時間差
を確保できることを見出し、本発明に到達した。
【0008】すなわち、本発明は、アルミニウム又はそ
の合金の溶湯を成形型のキャビティ内に注湯し、所望形
状の成形品を鋳造する際に、該成形型のキャビティ内で
溶湯と還元性化合物とを接触せしめ、前記溶湯の表面に
形成された酸化皮膜を還元しつつ鋳造すると共に、前記
成形型として、前記溶湯を注入する注湯口とキャビティ
との間に押湯部が形成され、且つ前記押湯部とキャビテ
ィとの間に、前記押湯部に注湯された溶湯の冷却速度が
前記キャビティに注湯された溶湯よりも遅くなる冷却速
度差が付与されるように、前記押湯部をキャビティより
も高断熱性に形成されて成る成形型を使用し、前記成形
型のキャビティに注湯された溶湯が凝固して収縮したと
き、前記押湯部の少なくとも一部の溶湯がキャビティ内
に流入して補充することを特徴とする鋳造方法にある。
また、本発明は、アルミニウム又はその合金の溶湯と還
元性化合物とが成形型のキャビティ内で接触し、前記溶
湯の表面に形成された酸化皮膜を還元して鋳造する還元
鋳造に用いられる鋳造装置であって、該成形型の溶湯を
注入する注湯口とキャビティとの間に、前記キャビティ
に注湯された溶湯が凝固して収縮したとき、前記キャビ
ティ内に流入して補充する溶湯を貯留する押湯部が形成
され、且つ前記押湯部とキャビティとの間に、前記押湯
部に注湯された溶湯の冷却速度が前記キャビティに注湯
された溶湯よりも遅くなる冷却速度差が付与されるよう
に、前記押湯部がキャビティよりも高断熱性に形成され
ていることを特徴とする鋳造装置でもある。
【0009】かかる本発明において、キャビティに注湯
された溶湯の冷却速度を500℃/分以上とすると共
に、押湯部に注湯された溶湯の冷却速度を500℃/分
未満とすること、或いは金属の溶湯として、アルミニウ
ム又はその合金の溶湯を用い、キャビティに注湯された
溶湯の冷却速度を、凝固されたアルミニウム又はその合
金の樹枝状結晶の間隔が平均で25μm未満となるよう
に調整すると共に、押湯部に注湯された溶湯の冷却速度
を、凝固されたアルミニウム又はその合金の樹枝状結晶
の間隔が平均で25μm以上となるように調整すること
によって、ヒケ等を更に少なくでき、得られた鋳造品の
外観を更に良好にできる。本発明に用いる成形型として
は、押湯部の内壁面に断熱性塗型剤の塗布等の断熱処理
を施し、キャビティの内壁面には前記断熱処理を施さな
かった成形型、或いは押湯部が形成された成形型の部分
が、前記成形型のキャビティ部を形成する材料よりも高
断熱性の材料で形成されて成る成形型を用いることによ
って、押湯部とキャビティとに容易に断熱差を付与でき
る。かかる成形型として、押湯部が形成された成形型の
部分が、前記成形型のキャビティ部と分割可能に組み立
てられて成る成形型を用いることによって、押湯部が形
成された成形型の部分を共通部品として使用できる。ま
た、本発明では、金属の溶湯として、アルミニウム又は
その合金の溶湯を用いたとき、還元性化合物としては、
原料としてのマグネシウムガスと窒素ガスとを反応して
得られるマグネシウム窒素化合物を好適に用いることが
できる。更に、かかる還元性化合物が成形型のキャビテ
ィ内で生成されるように、押湯部が形成された成形型の
部分に、前記押湯部に溶湯を導入する溶湯導入路と、前
記還元性化合物の原料をキャビティ内に導入する導入路
とを形成することによって、キャビティへの導入路の途
中の還元性化合物による閉塞等を防止できる。尚、かか
る本発明で用いる成形型では、押湯部の体積をキャビテ
ィの体積に対して5〜20%とすることが、両者のバラ
ンス上好ましい。
【0010】本発明では、成形型のキャビティ内で溶湯
と還元性化合物とを接触せしめ、溶湯の表面に形成され
た酸化皮膜を還元して溶湯の流動性を保持しつつ鋳造す
るため、キャビティの内壁面を露出した状態で鋳造でき
る。このため、通常の成形型の如く、酸化皮膜が表面に
形成された溶湯の流動性等を向上し得る塗型剤をキャビ
ティの内壁面等に塗布することを要しない。かかる塗型
剤は、通常、断熱性も併せ有するため、この塗型剤が内
壁面に塗布されたキャビティの放熱性は低下する。この
点、本発明では、かかる塗型剤を塗布することなく内壁
面が露出したキャビティに溶湯を充填できるため、通常
の成形型のキャビティよりも放熱性を著しく向上でき
る。したがって、本発明で用いる成形型では、通常の成
形型よりもキャビティの放熱性を極めて良好にし易く、
押湯部の内壁面に断熱性を有する塗型剤等を塗布する等
の断熱処理を施すことによって、押湯部の断熱性をキャ
ビティよりも容易に向上できる。この様に、成形型の押
湯部を可及的に小さく形成しても、押湯部の断熱性をキ
ャビティよりも容易に高めることができ、押湯部に注湯
した溶湯の冷却速度を、キャビティに充填した溶湯より
も容易に遅くできる結果、押湯部に充填された溶湯とキ
ャビティに充填された溶湯との冷却速度差を大きくで
き、凝固時間差を容易に確保できる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に係る鋳造装置の概略を図
1に示す。図1に示す鋳造装置10には、成形型12が
設けられており、この成形型12には、アルミニウム又
はその合金の溶湯が注湯される注湯口12aに接続され
たキャビティ12bが形成されている。かかるキャビテ
ィ12bの内壁面は、金属製の下型14aと上型14b
とを形成する金属の金属面が露出している。成形型12
には、配管22によって窒素ガスボンベ20と接続さ
れ、配管22のバルブ24を開放することにより、窒素
ガス導入口12dからキャビティ12b内に窒素ガスを
注入し、キャビティ12b内を窒素ガス雰囲気として実
質的に非酸素雰囲気とすることができる。また、アルゴ
ンガスボンベ25は、配管26によって金属ガスを発生
する発生器としての加熱炉28に接続されており、配管
26に設けられたバルブ30を開放することによって加
熱炉28内にアルゴンガスを注入できる。この加熱炉2
8内は、ヒータ32によって加熱可能に形成されてお
り、炉内温度は、後述する金属ガスとしてマグネシウム
ガスを発生させるべく、マグネシウム粉末が昇華する8
00℃以上とされている。この配管26のバルブ30と
加熱炉28との間にも、アルゴンガスの流量が所定流量
となるように、バルブ30によって加熱炉28に注入さ
れるアルゴンガス量を調整できる。
【0012】かかるアルゴンガスボンベ25は、バルブ
33が介装された配管34によって、マグネシウム粉末
が収容されているタンク36に接続され、タンク36は
配管38によって、バルブ30よりも下流側の配管26
に接続されている。この配管38にもバルブ40が介装
されている。加熱炉28は、配管42を介して成形型1
2の金属ガス導入口12cに接続されており、加熱炉2
8でガス化された金属ガスは金属ガス導入口12cを介
してキャビティ12b内に導入される。この配管42に
も、バルブ45が介装されている。アルゴンガスボンベ
25から加熱炉28を経由してアルゴンガスを成形型1
2のキャビティ12bに注入する際に、バルブ45によ
ってキャビティ12bに注入されるアルゴンガス量を調
整できる。
【0013】図1に示す鋳造装置に用いられている成形
型12は、図2(a)に示す様に、金属製の下型14
a、上型14b、及び硫酸カルシウムを焼成して形成し
たアダプター18とに分割できる分割型である。かかる
下型14aと上型14bとによって、所望形状の成形品
が鋳造されるキャビティ12bが形成される。このアダ
プター18に形成されたアルミニウム又はその合金の溶
湯を注湯する注湯口12aとキャビティ12bとの間に
は、注湯口12aに注湯された溶湯をキャビティ12b
に案内する湯路21と押湯部16とが形成されている。
押湯部16は、その横断面の面積が湯路21の横断面の
面積積よりも大きく、押湯部16の体積をキャビティ1
2bの体積に対して5〜20%とすることが好ましい。
かかる湯路21には、加熱炉28にガス化された金属ガ
スが導入される金属ガス導入口12cからの金属ガス導
入路23が繋ぎ込まれている。また、アダプター18と
上型14bとには、キャビティ12b内の気体を排気す
る排気孔25,25・・が形成され、下型14aには、
窒素ガス導入口12dから導入された窒素ガスをキャビ
ティ内に導入する導入路27,27・・が形成されてい
る。かかる排気孔25又は導入路27は、図2(b)に
示す様に、横断面形状が円形の孔であって、孔内に横断
面形状が四角形の柱状挿入体31が挿入され、蒲鉾形の
通路29,29・・を通じてキャビティ12b内に通じ
ている。
【0014】図1及び図2示す成形型12では、硫酸カ
ルシウムを焼成して形成したアダプター18に、注湯口
12a、湯路21、金属ガス導入口12c、金属ガス導
入路23、及び排気孔25の一部を形成している。かか
る湯路21等は、キャビティ12bの形状や成形品を押
出す押出ピン(図示せず)等の配置に応じて形成するこ
とを要するが、アダプター18に成形予定の成形品に適
合する湯路21等を形成することによって容易に対応す
ることができる。更に、かかるアダプター18を、下型
14a及び上型14bと同様に、金属製としてもよい
が、硫酸カルシウムを焼成して形成したアダプター18
を用いることによって、湯路21等の形成を容易とする
ことができる。また、図1及び図2に示す成形型12で
は、押湯部16がキャビティ12bよりも高断熱性に形
成されている。すなわち、押湯部16の内壁面には、断
熱性塗型剤の塗布等の断熱処理が施されているが、キャ
ビティ12bの内壁面は、金属製の下型14aと上型1
4b成形型12を形成する金属の金属面が露出している
状態である。ここで、断熱性塗型剤としては、塗型を形
成する際に、キャビティの内壁面等に塗布される塗型剤
であって、高断熱性の塗型剤、例えばセラミックが配合
された塗型剤を使用できる。
【0015】この様に、成形型12の押湯部16をキャ
ビティ12bよりも高断熱性に形成することによって、
図3(a)に示す様に、押湯部16に充填した溶湯の冷
却速度を、キャビティ12bに充填した溶湯よりも容易
に遅くでき、押湯部16とキャビティ12bとの間に大
きな冷却速度差を付与できる。図3(a)において、A
点は成形型12に注湯する溶湯温度であり、B点は溶湯
が完全に凝固する温度である。従って、押湯部16に充
填された溶湯が、キャビティ12bに流入し有功な押湯
効果を奏し得る領域は、図3(a)に示す斜線の領域で
ある。一方、図8に示す従来の成形型100も、押湯部
108及びキャビティ104の内壁面に断熱性塗型剤を
塗布し、その際に、塗膜の厚さを押湯部108の内壁面
をキャビティ104の内壁面よりも厚くした塗型とする
ことによって、図3(b)に示す如く、押湯部108に
充填した溶湯の冷却速度を、キャビティ104に充填さ
れた溶湯の冷却速度よりも遅くできる。しかし、図3
(b)に示す従来の成形型100では、図3(a)に示
す成形型12に比較して、その冷却速度差が小さく、押
湯部108の溶湯がキャビティ104に流入して有功な
押湯効果を奏し得る領域も狭い。これに対し、図3
(a)に示す成形型12では、図3(b)に示す従来の
成形型100に比較して、その冷却速度差が大きく、有
功な押湯効果を奏し得る領域も広いため、押湯部16を
小形化しても、押湯部16に充填された溶湯とキャビテ
ィ12bに充填された溶湯との凝固時間差を確保でき
る。
【0016】図3(a)に示す様に、押湯部16に充填
された溶湯とキャビティ12bに充填された溶湯との凝
固時間差を充分に確保するには、キャビティ12bに注
湯された溶湯の冷却速度を、500℃/分以上(更に好
ましくは700℃/分以上)とすると共に、押湯部16
に注湯された溶湯の冷却速度を、500℃/分未満(更
に好ましくは300℃/分以下)とすることによって達
成できる。特に、両者の冷却速度差を200℃/分以上
とするように調整することが好ましい。ここで、溶湯と
して、アルミニウムの溶湯を用い、キャビティ12bに
注湯された溶湯の冷却速度及び押湯部16に注湯された
溶湯の冷却速度を種々変更することによって、キャビテ
ィ12b及び押湯部16に充填されて凝固されたアルミ
ニウムの一部分を採取し、電子顕微鏡によって樹枝状結
晶(デンドライト)の間隔を測定した。その結果を図4
に示す。図4は、横軸に冷却速度を示し、縦軸に凝固さ
れたアルミニウム又はその合金の樹枝状結晶(デンドラ
イト)の間隔を「DASII値」として示した。000000
000 図4から明きからな様に、冷却速度が500℃/
分以上に調整されたキャビティ12bに充填されて凝固
されたアルミニウムの樹枝状結晶(デンドライト)の間
隔は平均で25μm未満となり、冷却速度が500℃/
分未満に調整された押湯部16に充填されて凝固された
アルミニウムの樹枝状結晶(デンドライト)の間隔は平
均で25μm未満となる。かかるアルミニウムの樹枝状
結晶(デンドライト)の間隔が小さくなることは、アル
ミニウムの結晶構造が緻密となり、得られたアルミニウ
ム鋳物の機械的強度等を向上でき有利である。このた
め、キャビティ12bに充填されて凝固されたアルミニ
ウムの樹枝状結晶(デンドライト)の間隔を23μm以
下、特に20μm以下とすることが好ましい。尚、押湯
部16に充填されて凝固されたアルミニウムの部分は、
その樹枝状結晶(デンドライト)の間隔がキャビティ1
2bに充填されて凝固されたアルミニウムよりも大き
く、機械的強度等も劣るが、キャビティ12bに充填さ
れて凝固された製品となる部分から切り離されるため、
何等問題とならない。
【0017】図1及び図2に示す鋳造装置10を用いて
アルミニウム鋳造する際には、先ず、バルブ24を開放
し、窒素ガスボンベ20から配管22を経て成形型12
のキャビティ12b内に窒素ガスを注入し、キャビティ
12b内の空気を窒素ガスによってパージする。キャビ
ティ12b内の空気は成形型12の排気孔25,25・
・から排出され、キャビティ12b内を窒素ガス雰囲気
とし、実質的に非酸素雰囲気とすることができる。その
後、バルブ24を一端閉じる。成形型12のキャビティ
12b内の空気をパージしている際に、バルブ30を開
放して加熱炉28内に、アルゴンガスボンベ20からア
ルゴンガスを注入し、加熱炉28内を無酸素状態とす
る。次いで、バルブ30を閉じ、バルブ40を開放し、
アルゴンガス圧によりタンク36内のマグネシウム粉末
をアルゴンガスと共に加熱炉28内に送り込む。加熱炉
28は、ヒータ32によりマグネシウム粉末が昇華する
800℃以上の炉内温度になるように加熱されている。
このため、加熱炉28に送り込まれたマグネシウム粉末
は昇華してマグネシウムガスとなる。
【0018】次に、バルブ40を閉じてバルブ30及び
バルブ45を開放し、アルゴンガスの圧力、流量を調節
しつつ、配管42、成形型12の金属ガス導入口12
c、金属ガス導入路23、湯路21及び押湯部16を経
てマグネシウムガスをキャビティ12b内に注入する。
キャビティ12b内にマグネシウムガスを注入した後、
バルブ45を閉じ且つバルブ24を開放し、窒素ガス導
入口12dから導入路27,27・・を経由してキャビ
ティ12b内に窒素ガスを注入する。この様に、成形型
12内に窒素ガスを注入することによって、マグネシウ
ムガスと窒素ガスとをキャビティ12b内で反応させて
マグネシウム窒素化合物(Mg32)を生成する。この
マグネシウム窒素化合物は、キャビティ12b内壁面に
粉体として析出する。窒素ガスをキャビティ12b内に
注入する際には、窒素ガスの圧力及び流量を適宜調節し
て行う。窒素ガスとマグネシウムガスとが反応し易いよ
うに窒素ガスを予熱して成形型12の温度が低下しない
ようにして注入することも好ましい。反応時間は5秒〜
90秒程度(好ましくは15秒〜60秒程度)でよい。
反応時間を90秒よりも長くしても、成形型12の型温
が低下し反応性が低下する傾向にある。
【0019】キャビティ12bの内壁面にマグネシウム
窒素化合物が付着した状態で、注湯口12aからアルミ
ニウムの溶湯を注湯し、湯路21及び押湯部16を経由
してキャビティ12b内に溶湯を注入する。溶湯の注入
は、キャビティ12b、押湯部16及び注湯口12aが
溶湯で充填されるまで続行する。かかる溶湯の注入の際
に、キャビティ12b内に注湯された溶湯は、キャビテ
ィ12bの内壁面に付着しているマグネシウム窒素化合
物と接触し、マグネシウム窒素化合物が溶湯表面の酸化
被膜から酸素を奪うことによって、溶湯表面が純粋なア
ルミニウムに還元される。更に、キャビティ12b内に
残存する酸素は、マグネシウム窒素化合物と反応し酸化
マグネシウム又は水酸化マグネシウムとなって溶湯中に
取り込まれる。この様にして生成される酸化マグネシウ
ム等は少量であり、且つ安定な化合物であるため、得ら
れるアルミニウム鋳造品の品質に悪影響は与えることは
ない。この様に、マグネシウム窒素化合物がアルミニウ
ムの溶湯表面の酸化皮膜から酸素を奪いとって純粋なア
ルミニウムを形成するため、溶湯表面に酸化皮膜を形成
することなく鋳造できる。このため、鋳造工程中に溶湯
の表面張力が酸化皮膜によって増大することを防止で
き、溶湯の濡れ性、流動性、湯周り性を良好にできる。
その結果、キャビティ12bの内壁面との決めの転写性
(平滑性)に優れ、且つ湯ジワ等が生じない良好な鋳造
品を得ることができる。
【0020】ところで、キャビティ12bや押湯部16
等に充填された溶湯は、冷却されて凝固されるが、押湯
部16の内壁面には、断熱性塗型剤が塗布されて断熱処
理が施されている。一方、キャビティ12bの内壁面
は、金属製の下型14aと上型14bとを形成する金属
の金属面が露出している。このため、キャビティ12b
に充填された溶湯の冷却速度は、図3(a)に示す様
に、押湯部16に充填された溶湯よりも速い。従って、
キャビティ12bに充填された溶湯は、押湯部16に充
填された溶湯よりも早く凝固される。かかるキャビティ
12bの溶湯が凝固する際に、溶湯の凝固に伴なう収縮
によってキャビティ12bの押湯部16側に隙間が形成
される。一方、キャビティ12bよりも冷却速度の遅い
押湯部16には依然として溶湯が残留しているため、押
湯部16の残留溶湯がキャビティ12bの押湯部16側
に隙間に流入し、ヒケ等のない良好な成形品を鋳造する
ことができる。更に、キャビティ12bの内壁面には、
酸化皮膜が表面に形成された溶湯の流動性等を向上し得
る塗型剤が塗布されてないため、表面が極めて平滑な成
形品を得ることができる。
【0021】この様に、押湯部16の放冷速度を、その
内壁面に断熱性塗型剤を塗布することによって、内壁面
に断熱性塗型剤が塗布されていないキャビティ12bの
冷却速度よりも遅くでき、押湯部16とキャビティ12
bとに充填された溶湯に充分な凝固時間差を付与できる
ため、押湯部16の体積の減少を図ることができる。こ
のため、成形品から突出して切り離される柱状部を可及
的に小さくできる結果、成形型12に注湯した溶湯の歩
留率を向上でき、作業的及びエネルギー的な損失を可及
的に少なくできる。図1及び図2に示す成形型12で
は、押湯部16の溶湯をキャビティ12b内に重力で流
入させていたが、図2(a)に示す成形型12のアダプ
ター18を上型14bから取り外し可能とし、キャビテ
ィ12bに充填された溶湯が凝固したとき、アダプター
18を取り外して、押湯部16の溶湯をキャビティ12
b側に強制的に押圧することによって、得られる成形品
のヒケ等の発生を更に減少できる。この押湯部16の溶
湯を押圧する時期は、キャビティ12bに充填された溶
湯が実質的に凝固された状態で且つ押湯部16の溶湯が
流動性を有している状態の時期である。かかる押圧の最
適時期は、成形型12によって異なるため、成形型12
ごとに予め実験的に求めておくことが好ましい。また、
押湯部16の溶湯を押圧する押圧手段としては、図5に
示す様に、上下動可能のピストン35を用いることがで
きる。
【0022】図1、図2及び図5に示す成形型12で
は、押湯部16を上型14bに形成しているが、押湯部
16に充填された溶湯が凝固して形成された部分は成形
品から切除される切除部であるため、金属製の上型14
bに形成することは要しない。このため、硫酸カルシウ
ムを焼成して形成したアダプター18と上型14bとに
亘って押湯部16を形成してもよい。この場合、硫酸カ
ルシウムを焼成して形成したアダプター18は、金属製
の下型14a,14bよりも低熱伝導率、すなわち断熱
性が良好であるため、図6に示す様に、アダプター18
内に形成された押湯部16の部分の体積が、上型14b
内に形成された押湯部16の部分の体積よりも大となる
ように、押湯部16を形成することによって、押湯部1
6の内壁面に断熱性塗型剤を塗布しなくても、金属製の
下型14a,14bに形成されたキャビティ12bより
も断熱性を向上できる。
【0023】また、図5に示す様に、押圧手段によって
押湯部16の溶湯を押圧する場合には、図7に示す様
に、アダプター18と上型14bとの間に、金属製の上
型14b及び下型14aよりも低熱伝導率、すなわち断
熱性が良好な挿入板37を挿入し、挿入板37と上型1
4bとに亘って押湯部16を形成してもよい。かかるア
ダプター18と挿入板37とは相互に取り外しが可能で
あり、挿入板37も上型14bから取り外し可能であ
る。このため、キャビティ12bに充填された溶湯が凝
固されたとき、アダプター18を取り外すことによっ
て、図5に示す押圧手段としてのピストン35によって
押湯部16の溶湯を押圧できる。この挿入板37として
は、硫酸カルシウムを焼成して形成した挿入板を用いる
ことができ、挿入板37に形成する押湯部16の部分の
体積が、図7に示す様に、上型14b内に形成した押湯
部16の部分の体積よりも大となるように、押湯部16
を形成することによって、押湯部16の内壁面に断熱性
塗型剤を塗布しなくても、金属製の下型14a,14b
に形成されたキャビティ12bよりも断熱性を向上でき
る。
【0024】図1、図2及び図5〜図7に示す成形型1
2では、アダプター18及び挿入板37を、硫酸カルシ
ウムを焼成して形成しているが、金属製であってもよ
く、セラミック製であってもよい。但し、押湯部16を
実質的に形成するアダプター18又は挿入板37を金属
製とした場合には、押湯部16の内壁面に断熱性塗型剤
を塗布し、押湯部16の断熱性をキャビティ12bより
も向上することを要する。また、図1に示す加熱炉28
を、図7に示す様に、成形型12の金属ガス導入口12
cの直上に設けてもよく、或いは加熱炉28でガス化さ
れた金属ガスとしてのマグネシウムガスと、金属ガスと
反応する反応性ガスとしての窒素ガスとを反応させて還
元性化合物であるマグネシウム窒素化合物(Mg3N2)を
生成する反応槽39を成形型12の金属ガス導入口12
cの直上に設けてもよい。尚、以上の説明では、溶湯と
してアルミニウム又はその合金の溶湯を用いた鋳造方法
について説明してきたが、本発明はマグネシウム又は鉄
等の金属、又はこれらの合金の溶湯を用いた鋳造方法に
も適用できる。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、成形型の押湯部を可及
的に小さく形成しても、押湯部に注湯した溶湯の冷却速
度を、キャビティに充填した溶湯の冷却速度よりも遅い
冷却速度差を付与できる。その結果、成形型に注湯した
溶湯の歩留率を向上でき、作業的及びエネルギー的な損
失を可及的に少なくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る鋳造装置の一例を説明するための
概略図である。
【図2】図1に示す鋳造装置に用いられている成形型の
断面図及び部分断面図である。
【図3】図1に示す鋳造装置に用いられている成形型と
従来の成形型との押湯部及びキャビティの各々に充填さ
れた溶湯の冷却速度を示すグラフである。
【図4】アルミニウムの溶湯の冷却速度と凝固されたア
ルミニウムの樹枝状結晶の間隔との関係を示すグラフで
ある。
【図5】図2に示す成形型の他の例を説明する断面図で
ある。
【図6】図2に示す成形型の他の例を説明する断面図で
ある。
【図7】図2に示す成形型の他の例を説明する断面図で
ある。
【図8】従来の鋳造方法で使用される成形型を説明する
ための断面図である。
【図9】本発明者の二人が、先に提案したアルミニウム
鋳造方法を説明する説明図である。
【符号の説明】
10 鋳造装置 12 成形型 12a 注湯口 12b キャビティ 12c 金属ガス導入口 12d 窒素ガス導入口 16 押湯部 18 アダプター 20 窒素ガスボンベ 21 湯路 23 金属ガス導入路 25 アルゴンガスボンベ 27 導入路 28 加熱炉 36 マグネシウム粉末の収容タンク 37 挿入板 39 マグネシウム窒素化合物(Mg3N2)の生成反応槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B22D 21/04 B22D 21/04 A 27/04 27/04 G 27/18 27/18 B // B22C 3/00 B22C 3/00 B (72)発明者 笹木 泰弘 長野県上田市大字国分840番地 日信工業 株式会社内 (72)発明者 荻原 晃一 長野県上田市大字国分840番地 日信工業 株式会社内 (72)発明者 中谷 朔三 長野県上田市大字国分840番地 日信工業 株式会社内 Fターム(参考) 4E092 DA05 FA10 GA03 4E093 NA03 NB05 NB08 NB10 PA03 PA06

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属の溶湯を成形型のキャビティ内に注
    湯し、所望形状の成形品を鋳造する際に、 該成形型のキャビティ内で溶湯と還元性化合物とを接触
    せしめ、前記溶湯の表面に形成された酸化皮膜を還元し
    つつ鋳造すると共に、 前記成形型として、前記溶湯を注入する注湯口とキャビ
    ティとの間に押湯部が形成され、且つ前記押湯部とキャ
    ビティとの間に、前記押湯部に注湯された溶湯の冷却速
    度がキャビティに注湯された溶湯よりも遅くなる冷却速
    度差が付与されるように、前記押湯部がキャビティより
    も高断熱性に形成されて成る成形型を使用し、 前記成形型のキャビティに注湯された溶湯が凝固して収
    縮したとき、前記押湯部の少なくとも一部の溶湯がキャ
    ビティ内に流入して補充することを特徴とする鋳造方
    法。
  2. 【請求項2】 キャビティに注湯された溶湯の冷却速度
    を、500℃/分以上とすると共に、押湯部に注湯され
    た溶湯の冷却速度を、500℃/分未満とする請求項1
    記載の鋳造方法。
  3. 【請求項3】 金属の溶湯として、アルミニウム又はそ
    の合金の溶湯を用い、キャビティに注湯された溶湯の冷
    却速度を、凝固されたアルミニウム又はその合金の樹枝
    状結晶の間隔が平均で25μm未満となるように調整す
    ると共に、押湯部に注湯された溶湯の冷却速度を、凝固
    されたアルミニウム又はその合金の樹枝状結晶の間隔が
    平均で25μm以上となるように調整する請求項1又は
    請求項2記載の鋳造方法。
  4. 【請求項4】 成形型として、押湯部の内壁面に断熱性
    塗型剤の塗布等の断熱処理を施し、キャビティの内壁面
    には前記断熱処理を施さなかった成形型を用いる請求項
    1〜3のいずれか一項又は請求項2記載の鋳造方法。
  5. 【請求項5】 成形型として、押湯部が形成された成形
    型の部分が、前記成形型のキャビティ部を形成する材料
    よりも高断熱性の材料で形成されて成る成形型を用いる
    請求項1〜3のいずれか一項記載の鋳造方法。
  6. 【請求項6】 成形型として、押湯部が形成された成形
    型の部分が、前記成形型のキャビティ部と分割可能に組
    み立てられて成る成形型を用いる請求項1〜5のいずれ
    か一項記載の鋳造方法。
  7. 【請求項7】 成形型として、押湯部が形成された成形
    型の部分に、前記押湯部に溶湯を導入する溶湯導入路
    と、前記キャビティ内で還元性化合物が生成されるよう
    に、前記還元性化合物の原料をキャビティ内に導入する
    導入路が形成されている請求項1〜6のいずれか一項記
    載の鋳造方法。
  8. 【請求項8】 金属の溶湯として、アルミニウム又はそ
    の合金の溶湯を用い、且つ還元性化合物として、原料と
    してのマグネシウムガスと窒素ガスとを反応して得られ
    るマグネシウム窒素化合物を用いる請求項1〜7のいず
    れか一項記載の鋳造方法。
  9. 【請求項9】 金属の溶湯と還元性化合物とが成形型の
    キャビティ内で接触し、前記溶湯の表面に形成された酸
    化皮膜を還元して鋳造する還元鋳造に用いられる鋳造装
    置であって、 該成形型の溶湯を注入する注湯口とキャビティとの間
    に、前記キャビティに注湯された溶湯が凝固して収縮し
    たとき、前記キャビティ内に流入して補充する溶湯を貯
    留する押湯部が形成され、 且つ前記押湯部に注湯された溶湯の冷却速度がキャビテ
    ィに注湯された溶湯よりも遅くなる冷却速度差が付与さ
    れるように、前記押湯部がキャビティよりも高断熱性に
    形成されていることを特徴とする鋳造装置。
  10. 【請求項10】 押湯部の断熱性が、前記押湯部に注湯
    された溶湯の冷却速度が500℃/分未満となるように
    調整されていると共に、キャビティの断熱性が、前記キ
    ャビティに注湯された溶湯の冷却速度が500℃/分以
    上となるように調整されている請求項9記載の鋳造装
    置。
  11. 【請求項11】 キャビティ及び押湯部の断熱性が、金
    属の溶湯として、アルミニウム又はその合金の溶湯を用
    いたとき、前記キャビティに注入された前記溶湯の冷却
    速度が、凝固されたアルミニウム又はその合金の樹枝状
    結晶の間隔が25μm未満となるように調整されている
    と共に、前記押湯部に注湯された前記溶湯の冷却速度
    が、凝固されたアルミニウム又はその合金の樹枝状結晶
    の間隔が25μm以上となるように調整されているせ請
    求項9又は請求項10記載の鋳造装置。
  12. 【請求項12】 押湯部が、その内壁面に断熱性塗型剤
    の塗布等の断熱処理が施され、キャビティの内壁面に
    は、前記断熱処理が施されていない請求項9〜11のい
    ずれか一項記載の鋳造装置。
  13. 【請求項13】 押湯部が形成された成形型の部分が、
    前記成形型のキャビティ部を形成する材料よりも高断熱
    性の材料で形成されている請求項9〜11のいずれか一
    項記載の鋳造装置。
  14. 【請求項14】 押湯部が形成された成形型の部分が、
    前記成形型のキャビティ部と分割可能に組み立てられて
    いる請求項9〜13のいずれか一項記載の鋳造装置。
  15. 【請求項15】 押湯部が形成された成形型の部分に、
    前記押湯部に溶湯を導入する溶湯導入路と、前記キャビ
    ティ内で還元性化合物が生成されるように、前記還元性
    化合物の原料をキャビティ内に導入する導入路が形成さ
    れている請求項9〜14のいずれか一項記載の鋳造装置
  16. 【請求項16】 押湯部の体積が、キャビティの体積に
    対して5〜20%である請求項10〜15のいずれか一
    項記載の鋳造装置。
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