JP3604185B2 - バックホウ - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、左右一対のクローラ式走行装置を備えた走行車体上に旋回台を全旋回自在に搭載するとともに、この旋回台の前端にバックホウ装置を左右スイング自在に取付けたバックホウに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の小型バックホウでは、旋回台の旋回軌跡が平面視でクローラ式走行装置の横外側端から出ない状態で全旋回するようクローラ式走行装置を配備することで、旋回台が旋回時に他物に衝突しないようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来構成においては、横幅の狭い場所に進入して作業をする場合、旋回台が旋回時に他物に衝突しないとの認識があるために、クローラ式走行装置が進入可能であると旋回台を回しながらの作業が可能であると判断されがちであり、両側に側壁などの障害物が存在し、かつ、クローラ式走行装置がギリギリに進入できる横幅の狭い作業地に乗り入れて作業をする場合、旋回台が旋回時に他物に衝突しないとの認識に基づく作業によってバックホウ装置自体を障害物に衝突させるおそれがあった。
本発明の目的は、可能な限り横幅の狭い場所に進入できながら、旋回に伴うバックホウ装置と障害物の衝突を効果的に防止しながら作業できるようにする点にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の特徴構成は、左右一対のクローラ式走行装置を備えた走行車体上に旋回台を全旋回自在に搭載するとともに、この旋回台の前端にバックホウ装置を左右スイング自在に取付けたバックホウであって、
左右のクローラ式走行装置を横方向へ張出しおよび引込み操作自在に構成し、旋回台の旋回軌跡が平面視で最引込み状態のクローラ式走行装置の横外側端以内でその横外側端付近を通り、かつ、最大折込み状態および最大スイング状態の前記バックホウ装置の旋回台軸心周りの旋回軌跡が平面視で最大張出し状態のクローラ式走行装置の横外側端以内でその横外側端付近を通るように、前記バックホウ装置と前記クローラ式走行装置を相対配置したことにある。
【0005】
【作用】
上記構成によると、両側に障害物が存在する横幅の狭い場所に進入して作業する場合には予めクローラ式走行装置を最大張出状態にして進入するように、かつ、クローラ式走行装置を最大張出し状態にする時には最大折込み状態および最大スイング状態のバックホウ装置が張出したクローラ式走行装置上を通る片側旋回操作するようにマニュアル化でき、そのマニュアルに基づいて正しい運転を確実に実行させて、両側に障害物が存在する横幅の狭い場所におけるバックホウ装置と障害物の衝突を効果的に防止できる。
【0006】
【発明の効果】
その結果、両側に障害物が存在する横幅の狭い場所においても旋回に伴う左右スイング式バックホウ装置と障害物の衝突を効果的に防止できる、狭い場所での作業性能において一段と優れたバックホウを提供できるようになった。
【0007】
【実施例】
図1に示すように、左右一対のクローラ式走行装置1および昇降自在なドーザ2を有する走行車体上に、平面形状が略円形の旋回台3をその円形中心である縦軸芯P回りで駆動旋回自在に搭載し、スイングシリンダCsにより横揺動駆動されるスイングブラケット4を前記旋回台3の前端に取付け、ブームシリンダC1により起伏駆動されるブーム5a、アームシリンダC2 により屈伸駆動されるアーム5b、および、バケットシリンダC3 により駆動されるバケット5cからなるバックホウ装置5を前記スイングブラケット4に取付け、かつ、原動部6および搭乗運転部7などを旋回台3に装備して、小型のドーザ付バックホウを構成してある。
【0008】
図2及び図3に示すように、左右の各クローラ式走行装置1を油圧シリンダC4 により各別に横方向へ張出しおよび引込み操作自在に構成してあり、旋回台3の旋回軌跡Xが平面視で最引込み状態のクローラ式走行装置2の横外側端以内でその横外側端付近を通り、また、ブームシリンダC1 、アームシリンダC2 、および、バケットシリンダC3 をそれぞれ最も伸長させてバックホウ装置5を最も折込むとともに、スイングシリンダCsを最も伸長させて最大にスイングさせた状態のバックホウ装置5の旋回台中心周りの旋回軌跡Yが、平面視で最大張出し状態のクローラ式走行装置2の横外側端以内でその横外側端付近を通るように、バックホウ装置5とクローラ式走行装置1を相対配置してある。
【0009】
従って、例えば図2に示すように、一方のクローラ式走行装置1を最張出し状態にするとともに、他方のクローラ式走行装置1を最引込み状態にして機体がギリギリ進入できる作業現場では、バックホウ装置5を最も折込むとともに、最もスイングさせた状態で旋回台3を機体の横一側で前後に片旋回することができ、機体前部で掘削した土砂を機体後方に持ち出して排出あるいはトラック等に積み込むことができる。
【0010】
また、言うまでもないが、左右のクローラ式走行装置1を共に最張出し状態にして進入できる横幅の作業現場では、バックホウ装置5を最も折込むとともに、最もスイングさせた状態で旋回台3を左右いずれの方向からでも全旋回して作業を行うことができる。
【0011】
尚、ドーザ2の左右両端部2aを油圧シリンダC5 により各別に横外側方に張出しおよび引き込み自在に構成し、各クローラ式走行装置1の張出しおよび引き込み作動と同期して左右同じ側のドーザ端部2aが張出しおよび引き込み作動するように構成し、機体走行幅と同幅の排土作業や均し作業が行えるようにしてある。
【0012】
〔別実施例〕
バックホウ装置5を最も折込んだ状態でのバケット5cの姿勢は、すくい取った土砂をこぼすことなく持ち上げ搬送できる水平姿勢が望ましく、この場合、厳密にはバケットシリンダC3 は最大伸長状態より少し短い状態となり、この状態のバックホウ装置5を最もスイングさせた時の旋回軌跡Yに対応してクローラ式走行装置1の張出し量を設定すればよい。
又、クローラ1の最大張出量が左右で異なる場合には、張出量の少ない方のクローラ1の横外側部付近を、バックホウ装置の旋回軌跡外端部が通るようにすると良い。
【0013】
尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】バックホウの全体側面図
【図2】バックホウ装置を最折込み状態および最大スイング状態にして旋回台を旋回した状態の一部切欠き正面図
【図3】バックホウ装置を最折込み状態および最大スイング状態にして旋回台を旋回した状態の平面図
【符号の説明】
1 クローラ式走行装置
3 旋回台
5 バックホウ装置
X 旋回台の旋回軌跡
Y 最折込み状態および最大スイング状態のバックホウ装置の旋回軌跡

Claims (1)

  1. 左右一対のクローラ式走行装置(1)を備えた走行車体上に旋回台(3)を全旋回自在に搭載するとともに、前記旋回台(3)の前端にバックホウ装置(5)を左右スイング自在に取付けたバックホウであって、
    左右のクローラ式走行装置(1)を横方向へ張出しおよび引込み操作自在に構成し、旋回台(3)の旋回軌跡(X)が平面視で最引込み状態のクローラ式走行装置(1)の横外側端以内でその横外側端付近を通り、かつ、最大折込み状態および最大スイング状態の前記バックホウ装置(5)の旋回台軸心周りの旋回軌跡(Y)が平面視で最大張出し状態のクローラ式走行装置(1)の横外側端以内でその横外側端付近を通るように、前記バックホウ装置(5)と前記クローラ式走行装置(1)を相対配置してあるバックホウ。
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