JP3603198B2 - 搬送装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、搬送装置に関し、さらに詳しくは、所定の搬送位置をはさんで搬送対象を受け取る受取手段と反対側に配置され、搬送対象を搬送位置に搬入し、受取手段に搬送対象を移載する搬送装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、ホットプレスやコールドプレスにおいては、被プレス材料を熱板や冷却板等のプレス板間に配置し、所定の温度に調整されたプレス板によって加圧することにより、被プレス材料を加圧すると共に、加熱または冷却する。そして、特に、多段プレスにおいては、複数の被プレス材料を一度に容易にプレス板間に搬入し、あるいは、プレス板間から搬出するために、一般に、搬送対象としてプレス材料がそれぞれ載置されたキャリヤプレートを搬送装置によってプレス板に対して搬送することが行われている。この場合、プレス板の表面上の所定の位置が、搬送対象であるキャリヤプレートを搬送する搬送位置となる。
【0003】
ところで、このような多段プレス装置用のローダ・アンローダ(搬送装置)においては、近年、多段プレス装置システムの合理化を図るために、図8に示すように、多段ホットプレスHPや多段コールドプレスCP等の複数台の多段プレス装置に1台の搬送装置6で搬送対象を搬送することが考えられている。図8に示した多段プレス装置システムでは、搬送装置6を支持するレール7が敷設され、このレール7の片側に沿って複数台の多段プレス装置HP,CPが並設されており、レール7上を搬送装置6が自走するよう構成されている。
【0004】
このようなプレス板間にキャリヤプレート(送り板)を搬送するための多段プレス装置用ローダ・アンローダとしては、特公平7−115239号公報や特公平7−115240号公報に開示されたものが知られている。
【0005】
特公平7−115239号公報に開示されたものは、被プレス材料を搭載した送り板を多段プレス装置の熱板若しくはプレス板間に送出入するための多段プレス装置用旋回式ローダ・アンローダであって、自走機能を備えた走行台車と、該走行台車上に載置されて所定の回転手段にて一軸回りに回転作動せしめられる回転盤と、水平方向に一定量移動し得る状態で該回転盤に搭載された中間移動体と、該中間移動体の移動方向と同じ方向に一定量移動し得る状態で該中間移動体に搭載されたアーム支持枠体と、上下方向において前記多段プレス装置の熱板若しくはプレス板の配設間隔に対応した間隔を相互に隔てて該アーム支持枠体から前記中間移動体の移動方向に平行に延び出させられた、前記送り板を搭載、支持するための複数組の支持アームと、前記中間移動体を前記回転盤に対して相対移動させる第一の移動手段と、前記アーム支持枠体を該中間移動体に対して相対移動させる第二の移動手段とを備え、それら第一の移動手段と第2の移動手段による中間移動体とアーム支持体の移動作動に基づいて、前記支持アームに搭載、支持せしめた送り板を前記多段プレス装置の熱板若しくはプレス板間に送出入せしめる枠体移動手段とを含むことを特徴としている。
【0006】
このものにおいては、図8に示したようにレール7の片側に設置された多段プレス装置HP,CPだけでなく、その反対側に設置された多段プレス装置に対してもキャリヤプレートを搬送すること等ができる。
【0007】
一方、特公平7−115240号公報に開示されたものは、被プレス材料を搭載した送り板を多段プレス装置の熱板若しくはプレス板間に送出入するための多段プレス装置用ローダ・アンローダであって、前記送り板の幅方向の両端部を支持して該送り板を搭載するための互いに平行な一対の支持アームの組を、前記多段プレス装置の熱板若しくはプレス板の配置間隔に対応して上下に複数組備えてなる送り板支持装置と、少なくとも、前記支持アームに搭載した送り板を前記多段プレス装置の各対応する熱板若しくはプレス板から所定距離浮上させる浮上位置と、該送り板を各対応する熱板若しくはプレス板上に載置して前記支持アームから離脱させる離脱位置との間で、該送り板支持装置を昇降させる昇降手段と、前記支持アームに搭載した送り板を前記多段プレス装置の熱板若しくはプレス板間のプレス位置に位置せしめる前進位置と、該送り板を多段プレス装置の熱板若しくはプレス板から外れた退避位置に位置せしめる後退位置との間で、前記送り板支持装置を前記支持アームの延出方向に進退移動させる進退手段と、前記送り板支持装置が前記浮上位置に達したことを検出する浮上位置検出手段と、前記送り板支持装置が前記離脱位置に達したことを検出する離脱位置検出手段と、前記送り板支持装置が前記前進位置に達したことを検出する前進位置検出手段と、前記送り板支持装置が前記後退位置に達したことを検出する後退位置検出手段と、それら浮上位置検出手段、離脱位置検出手段、前進位置検出手段、および後退位置検出手段の各検出手段の検出結果に基づいて、前記昇降手段と進退手段とを駆動制御し、前記送り板支持装置の支持アームに搭載した送り板を、前記多段プレス装置の熱板若しくはプレス板の各対応するプレス位置に、それら熱板若しくはプレス板から浮上させた状態で送入して載置させる一方、それら熱板若しくはプレス板のプレス位置に載置された送り板を、前記送り板支持装置の支持アームに搭載して、それら熱板若しくはプレス板から浮上させた状態で該多段プレス装置から取り出させる駆動制御手段とを含むことを特徴としている。
【0008】
このものにおいては、多段プレス装置の熱板若しくはプレス板上のプレス位置に、送り板を、熱板若しくはプレス板から浮上させた状態で送出入させること等ができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
これらの複数の多段プレス装置および搬送装置は、図9に示すように、その順序や設置場所のスペースが制限されることによって、一直線上に配列しなければならない場合がある。この場合においては、ローダとアンローダとを個別に配置し、これらの間に複数の多段プレス装置を一直線上に配列する。
【0010】
しかしながら、上記従来の技術にあっては、1台のローダ・アンローダによって複数の多段プレス装置にキャリヤプレートを送出入させるものであって、個別に配置されたローダからアンローダに搬送対象を移載するような構成を有しておらず、複数の多段プレス装置の両端にローダとアンローダとを個別に一直線上に配置する場合には採用することができなかった。すなわち、従来の技術では、所定の搬送位置をはさんで配置された受取手段に搬送対象を移載することができるものではなく、そのような搬送装置が望まれていた。
【0011】
また、被プレス材料が加圧・加熱と加圧・冷却とを必要とするものであり、複数の多段プレス装置がホットプレスとコールドプレスとを含み、被プレス材料をホットプレスで加圧・加熱した後に、直ちにコールドプレスで加圧・冷却することが望ましい場合がある。しかしながら、上記のように1台のローダ・アンローダにより搬送対象をホットプレスから搬出してコールドプレスに移動させて搬入することは時間がかかることになる。そのために搬送対象である被プレス材料を好ましい状態でプレス加工することができないという問題もあった。
【0012】
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、簡単な構成で、所定の搬送位置をはさんで配置された受取手段に対し、搬入された搬送対象を搬送位置上に引きずることなく、短時間で移載することができる搬送装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、上記目的を達成するため、所定の搬送位置をはさんで搬送対象を受け取る受取手段と反対側に配置され、搬送対象を搬送位置に搬入し、受取手段に搬送対象を移載する搬送装置であって、搬送対象を離脱可能に支持する支持手段と、搬送対象を搬送位置の表面から所定距離浮上させて支持する浮上位置と、搬送位置の表面上に載置して支持状態から離脱される離脱位置との間で、支持手段を昇降移動させる昇降移動手段と、昇降移動手段によって浮上位置に浮上された支持手段を搬送方向に沿って移動させる搬送方向移動手段と、浮上位置で支持手段に支持された搬送対象を搬送方向に押圧して、支持手段から受取手段の浮上位置にある支持手段に移載させる移載手段と、受取手段の支持手段と対応して設けられ搬送対象を支持する支持ローラと、を備えたことを特徴とするものである。
【0014】
請求項1の発明では、搬送装置、搬送位置、受取手段が順にほぼ一直線上に位置するように配置されており、搬送装置は搬送位置をはさんで受取手段と対向するように位置している。したがって、搬送対象が搬送装置から搬送位置に搬入され、搬送位置から受取手段へと搬送される、一方向の搬送方向が形成される。
搬送位置に搬送対象を搬入するときは、搬送装置の支持手段により搬送対象を支持し、昇降移動手段により支持手段を浮上位置に位置させた状態で、搬送方向移動手段によって支持手段を搬送方向に沿って移動させて搬送対象を搬送位置上に移動し、その後、昇降移動手段により支持手段を離脱位置に降下する。搬送対象は、支持手段による支持状態から離脱して搬送位置の表面に載置される。
搬送位置から搬送対象を搬出するときは、搬送位置に載置された搬送対象を搬送装置の支持手段により支持し、昇降移動手段により支持手段を浮上位置に位置させる。このとき、受取手段の支持手段が浮上位置にある状態で、搬送位置の支持手段の浮上位置と近接した位置に待機しており、搬送対象を支持した搬送装置の支持手段は、浮上位置に上昇されることによって、受取手段に搬送対象を直接移載することが可能な状態となる。そして、移載手段により支持手段に支持された搬送対象を受取手段に移動させる。搬送対象は、その搬入された所定の搬送位置上を引きずることなく、浮上位置で支持ローラを介して受取手段に直接移載される。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明に係る搬送装置の実施の一形態を、主に図1〜図7に基づいて詳細に説明する。図において同一符号は同一部分または相当部分とする。なお、この実施の形態においては、所定の搬送位置が多段ホットプレスHPの各プレス板2の表面2aであり、また、搬送対象が被プレス材料(図示は省略する)を載置されるキャリヤプレート3であり、受取手段がアンローダ4である場合により説明する。そして、この実施の形態では、多段ホットプレスHPと、これをはさんで搬送装置1と対向するように配置されるアンローダ4との間には、多段コールドプレスCPが配置されている。すなわち、図9に参照されるように、この実施の形態における各装置の配置は、搬送装置1,多段ホットプレスHP,多段コールドプレスCP,アンローダ4の順で、ほぼ一直線上に配置されている。また、搬送装置1の側方には、図3に示すように、搬送装置1に送られるキャリヤプレート3を収容したストッカSが配置される。受取手段としてのアンローダ4は、図7に参照されるように、搬送方向に沿って進退移動可能に、且つ、浮上位置と離脱位置との間で昇降移動可能に設けられた支持アーム4a(後述する)を有する構造のものを採用することができ、また、支持手段の各アーム(後述する)に対応するように固定して設けられた支持アームまたは棚のようなものを採用することもできる。
【0016】
搬送対象であるキャリヤプレート3は、図4および図5に示されているように、ほぼ矩形の金属板等からなるもので、その対向する側縁には折り曲げることにより幅方向に突出するように形成されたフランジ3aを有している。各キャリヤプレート3の被プレス材料が載置される部分の幅(図5における左右方向の長さ)は、多段ホットブレスHPおよび多段コールドプレスCPの各プレス板2,5(熱板および冷却板)間で被プレス材料を加圧するときに、両フランジ3aがそれぞれプレス板2,5に干渉しないように、各プレス板2,5の幅よりも広く設定されている。
【0017】
多段ホットブレスHPおよび多段コールドプレスCPの各プレス板2,5は被プレス材料に応じた温度に調節されている。キャリヤプレート3上に載置された被プレス材料は、プレス板2,5上の所定の位置に搬入され、ラム(図示は省略する)によってプレス板2を昇降移動することにより上下に隣接する他のプレス板2との間で加圧されると共に、加熱または冷却される。また、特に、多段ホットプレスHPは、被プレス材料が減圧下で加圧・加熱する必要がある場合には、図示は省略するが、プレス板2の周囲を気密に取り囲むと共に、開閉可能なシャッタを有するチャンバ(図示は省略する)が設けられる。
【0018】
本発明に係る搬送装置1は、概略、プレス板2をはさんでキャリヤプレート3を受け取るアンローダ4と反対側に配置され、キャリヤプレート3をプレス板2の表面2aに搬入し、アンローダ4にキャリヤプレート3を移載する搬送装置1であって、キャリヤプレート3を離脱可能に支持する支持手段10と、キャリヤプレート3をプレス板2の表面2aから所定距離浮上させて支持する浮上位置と、プレス板2の表面2a上に載置して支持状態から離脱される離脱位置との間で、支持手段10を昇降移動させる昇降移動手段12と、昇降移動手段12によって浮上位置に浮上されたキャリヤプレート3を支持している支持手段10を搬送方向に沿って移動させる搬送方向移動手段11と、浮上位置で支持手段10に支持されたキャリヤプレート3を搬送方向に押圧して支持手段10からアンローダ4の浮上位置にある支持手段4aに移動させる移載手段13と、アンローダ4の支持手段4aと対応して設けられキャリアプレート3を支持する支持ローラ71と、を備えている。
【0019】
図1および図2に示すように、床面F上に固定された基台20には回転支持手段21が設けられており、この回転支持手段21により回転盤22の中心付近が回転可能に支持されている。また、基台20上の回転盤22の周囲には、上下に一対のガイドローラを備えた複数のローラガイド機構23が周方向にほぼ等間隔で(通常、8個程度)設けられており、回転盤22の外周縁部は、その上下の面がローラガイド機構23の各ローラにより回転可能に支持されている。
【0020】
さらに、基台20上には、図2に示すように、回転盤22を貫通する軸25が回転支持手段21と同心的に配置され固設されており、軸25の上端には比較的大径の傘歯車26が回転不能に設けられている。そして、基台20上には、回転盤22を旋回駆動するためのモータ27が設けられており、このモータ27の回転軸に設けられた比較的小径の傘歯車28が軸25の傘歯車26と噛合されている。
【0021】
旋回駆動用のモータ27を回転駆動すると、軸25の傘歯車26と噛合された傘歯車28が転動して、回転盤22が軸25の回りを回転駆動されることとなる。回転盤22は、この実施の形態では図3に示すように、搬送装置1の側方に配置されたストッカSと多段ホットプレスHPとの間で回転される。回転盤22の回転範囲をストッカSに向かう位置と多段ホットプレスHPに向かう位置との間に規制するために、図示は省略するが、回転盤22の回転位相を検出する回転位相検出手段とこの手段による検出結果に基づいて旋回駆動用のモータ27の駆動を制御する制御手段とを備えた回転制御装置を設けたり、あるいは、回転盤22の回転範囲を規制するストッパを設けることができる。
【0022】
また、回転盤22の上面には、所定長さを有する一対の支持部材30が平行に配設されている。各支持部材30上には、中間移動部材31が支持部材30の長手方向に摺動可能に設けられている。そして、各中間移動部材31上には、支持フレーム32が両中間移動部材31にわたって、中間移動部材31の長手方向に沿って摺動可能に設けられている。
【0023】
中間移動部材31の上下面には、その長手方向に延びるガイドレール31a,31bがそれぞれ形成されており、支持部材30の上面および支持フレーム32の下面には、それぞれガイドレール31a,31bを摺動可能に受けるレールガイド30a,32aが設けられている。また、中間移動部材31の端面には、支持部材30および支持フレーム32に対する移動を規制するストッパプレート31cがそれぞれ設けられている。
【0024】
この実施の形態における上記搬送方向移動手段11は、中間移動部材31を介して支持フレーム32を支持部材30に対して移動させるもので、図1および図2に示すように、回転盤22上の支持部材30の間には一対のラック33が固設されており、支持フレーム32には、各ラック33と噛合されるピニオン34と、両ピニオン34を同期して回転駆動させるギヤ群35と、このギヤ群35を駆動する搬送方向駆動用のモータ36とが設けられている。搬送方向駆動用のモータ36を回転駆動することにより、ギヤ群35を介してピニオン34,34が同期して固設されたラック33に対して転動し、端面に設けられたストッパプレート31cにより移動が規制される中間移動部材31を介して支持フレーム32が支持部材30に対して移動することとなる。そして、支持フレーム32は、図1に実線で示した後退限位置と、各プレス板2の間にアーム45(後述する)が前進する図1に鎖線で示した前進限位置との間で移動される。すなわち、この実施の形態における搬送方向移動手段11は、支持部材30と、中間移動部材31と、支持フレーム32と、支持部材30に対して支持フレーム32を相対的に搬送方向に移動させるための搬送方向駆動機構37とを備えてなる。
【0025】
なお、この搬送方向駆動機構37は、上述した搬送方向駆動用のモータ36と、ギヤ群35と、ピニオン34およびラック33等を備えた構成とした場合によって説明したが、本発明はこれに限定されることなく、例えば、図示は省略するが、支持フレーム32の移動方向(搬送方向)と平行にチェーンが掛け渡されるように、回転盤22上の一方に搬送方向移動用のモータ駆動スプロケットを設けると共に他方に従動スプロケットを設け、このチェーンに支持フレーム32を連結した構成とすることができる。また、流体圧シリンダやボールネジ等、他の直線作動アクチュエータを採用することもできる。
【0026】
支持フレーム32は、各中間移動部材31のガイドレール31bにそれぞれ案内されるレールガイド32aを有する補強プレート40が下端に設けられた一対の垂直脚部41と、両垂直脚部41の上端を連結する水平連結部42とにより構成されている。そして、支持フレーム32には上記支持手段10が上記昇降移動手段12によって昇降可能に支持されている(この構成については、以下に詳しく説明する)。
【0027】
支持手段10は、キャリヤプレート3の両側縁に形成されたフランジ3aをそれぞれ支持する一対からなるアーム45と、アーム45を担持するアーム固定枠体46とを備えている。この実施の形態では、多段ホットプレスHPの各プレス板2にキャリヤプレート3を搬入するために、プレス板2の数および上下方向に隣接するプレス板2のピッチ等に応じて、複数対のアーム45がアーム固定枠体46に設けられている。図5および図6に示した実施の形態では、一対からなるアーム45には、浮上位置にあるときにキャリヤプレート3のフランジ3aを支持し得る支持部45aを有する溝が、アーム45の長手方向に沿って延びるように形成されている。そして、溝は、アーム45が離脱位置にあるときに、キャリヤプレート3のフランジ3aが支持部45aから離れて接触しないような高さを有している。すなわち、この実施の形態でにおけるアーム45は、断面がU字状あるいはコ字状に形成されており、キャリヤプレート3を離脱可能に支持することが可能となっている。そして、各一対からなるアーム45の支持部45aは、この実施の形態における受取手段としてのアンローダ4の支持アーム4a(図7を参照)と対向して整合するように、その幅の間隔、および上下に隣接するアームとのピッチ等が設定されている。このことによって、アーム45からアンローダ4の支持アーム4aに対してキャリヤプレート3を移載することが可能となっている。なお、本発明はこれに限定されることなく、アーム45の断面形状をL字状とすることもできる。
【0028】
図4に示すように、支持フレーム32の垂直脚部41の内側にはその長手方向に沿って延びるガイドレール50が形成されており、アーム固定枠体46にはガイドレール50上を転動するガイドローラ51が設けられている。そして、支持フレーム32の水平連結部42には昇降移動用のモータ52によって軸回りに回転されるボールネジ53が支持されており、アーム固定枠体46の上部横梁46aにはボールネジ53と螺合されるボールネジナット54が設けられている。昇降移動用のモータ52を回転駆動することによってボールネジ53が軸回りに回転され、ボールネジ53と螺合されたボールネジナット54が設けられたアーム固定枠体46はガイドレール50に沿って昇降移動して、アーム固定枠体46に固定されたアーム45が浮上位置と離脱位置との間で移動することとなる。すなわち、この実施の形態における昇降移動手段12は、昇降移動用のモータ52と、ボールネジ53と、アーム固定枠体46に設けられたボールネジナット54とを備えている。なお、この実施の形態においては、アーム45が浮上位置と離脱位置との間で移動するような長さにボールネジ53の長さを設定した場合を図に示したが、本発明はこれに限定されることなく、搬送装置に送られるキャリヤプレート3を収容したストッカSに床面Fから所定の高さを有するキャリヤプレート移載用のコンベアを設け、このコンベアの高さに各アーム45が位置してキャリヤプレート3を受け取ることができるように、ボールネジ53の長さを設定することもできる。
【0029】
この実施の形態における移載手段13は、キャリヤプレート3に当接されて押圧することが可能なプッシャ60と、キャリヤプレート3がアーム45からアンローダ4の支持アーム4aに移動するようにプッシャ60を搬送方向に駆動する駆動手段61とを備えている。
【0030】
アーム固定枠体46に設けられた複数対のアーム45のうち、一部のアーム45(図1においては最上、上から5番目、および最下に位置する3対のアーム45)については搬送方向後方(図1および図4等における左方)に向かって延長されている。そして、これらのアーム45は、キャリヤプレート3のフランジ3aを支持するための支持部45aを含む溝も搬送方向後方に向かって延長されている。
【0031】
一方、各プッシャ60の前端面にはキャリヤプレート3の搬送方向後端面を押圧することができるような大きさのプッシャプレート62が設けられており、図4に前進した状態を鎖線で示すように、前端近傍にはアーム45の溝の支持部45aに載置されてプッシャ60を支持するローラ63と、アーム45の溝に係合されてプッシャ60の搬送方向に対する側方への振れを防止する振れ防止部材64とが設けられている。また、後方に延長されたアーム45と対応するプッシャ60の後端にはそれぞれプッシャ60を支持するローラ65が設けられると共に、これらのプッシャ60を互いに連結する連結部材66が接続されており、これらのプッシャ60以外のプッシャ60の後端が連結部材66に連結されいる。
【0032】
駆動手段61は、この実施の形態においては、ロッドレスシリンダにより構成されている。ロッドレスシリンダ61の作動部61aは連結杆67によって連結部材66に接続されている。ロッドレスシリンダ61の作動部61aが搬送方向に移動することにより、各プッシャ60は同期して搬送方向に前進・後退駆動される。そして、ロッドレスシリンダ61のストロークは、アーム45が搬送方向移動手段11によって前進されたときに、少なくとも、後退限がキャリヤプレート3をプレス板2上に位置させるように押圧することがなく、前進限がキャリヤプレート3を押圧してアンローダ4の支持アーム4aに移載し得るように設定される。なお、駆動手段61は、ロッドレスシリンダに限定されることなく、図示は省略するが、ピストンを有する一般的な流体圧シリンダや、ラックとピニオンを用い、あるいは、進行方向に沿って設けられたスプロケットに掛け渡されたチェーンをプッシャ60に連結して、スプロケットを回転駆動することによってチェンを循環回転させることにより、プッシャ60の前進・後退を駆動するようにしてもよい。
【0033】
さらには、図1に示すように、搬送方向と平行にその後方へと延長されたアーム45の対には、駆動手段61によって前進・後退駆動されるプッシャ60の後方を保護する等の目的から、枠状のガード70がそれぞれ設けられている。また、図4および図6に示すように、多段コールドプレスCPの各プレス板5の多段ホットプレスHPと対向する面の近傍には、多段コールドプレスCPから独立して設けられた支柱71aにより、キャリヤプレート3を支持することが可能な支持ローラ71がプレス板5と対応して回転可能に軸支されている。なお、支持ローラ71は、多段コールドプレスCPの各プレス板5が被プレス材料を載置したキャリヤプレート3の重量に影響されることがない場合には、各プレス板5の多段ホットプレスHPと対向する面等に直接設けることもできる。
【0034】
以上のように構成された搬送装置1の周囲には、支持枠75が、回転盤22の旋回によってアーム45やプッシャ60の端部が干渉しないように、設けられている。そして、アーム45が多段ホットプレスHPのプレス板2に向かう位置とストッカSに向かう位置とにおいては、支持枠75と基台20に光電管76が設けられている。キャリヤプレート3がアーム45に完全に支持されずはみ出ていると、光電管76の光が遮われてそのことが検出される。また、図示は省略するが、アーム45が多段ホットプレスのシャッタ(設けられている場合)から完全に退避した後退限位置と、キャリヤプレート3をプレス板2の表面2a上に位置させる前進限位置との間で移動するように、搬送方向移動手段11の移動を制御するため、支持フレーム32の搬送方向の位置を検出して搬送方向駆動用のモータ36の駆動を制御する制御手段や、昇降移動手段12の昇降移動を少なくとも浮上位置と離脱位置とに制御するため、アーム固定枠体46の昇降位置を検出して昇降移動用モータ52の駆動を制御する制御手段が設けられている。
【0035】
次に、以上のように構成された搬送装置1の作動について説明する。
最初に、搬送装置1の各アーム45の対にはキャリヤプレート3が支持されていない状態となっている。また、支持フレーム32にアーム固定枠体46を介して支持されたアーム45およびプッシャ60は、後退限に位置している。この状態から、搬送装置1は、図3に鎖線で示したように、回転盤旋回駆動用のモータ27の駆動によってアーム45がストッカSに向かう位置に回転盤22が旋回駆動される。そして、キャリヤプレート3がストッカSからアーム45に移載されて、そのフランジ3aが各対のアーム45の支持部45aに支持される。その後、搬送装置1は、図3に実線で示したように、回転盤旋回駆動用のモータ27の駆動によってアーム45が多段ホットプレスHPのプレス板2に向かう位置に、回転盤22が旋回駆動される(図7の(a)を参照)。
【0036】
次いで、図7の(b)に示すように、搬送方向駆動用のモータ36の駆動によってアーム固定枠体46を介して支持フレーム32に支持されたアーム45を前進させる。このとき、アーム固定枠体46は昇降移動用のモータ52の駆動によってそのボールネジナット54を上昇させた状態となるようにボールネジ53が回転駆動されており、アーム固定枠体46に担持されたアーム45は浮上位置にある。したがって、アーム45に支持されたキャリヤプレート3は、多段ホットプレスHPの各プレス板2の表面2aから浮上した状態で、その表面2aに接触することなく、所定の位置の上方に移動されることとなる。その後、アーム固定枠体46が昇降移動用モータ52の駆動によってそのボールネジナット54を下降させるようにボールネジ53が回転駆動され、アーム固定枠体46に担持されたアーム45が離脱位置に位置される。このとき、キャリヤプレート3がプレス板2の表面2aに載置され、さらなる下降によってアーム45の支持部45aがキャリヤプレート3のフランジ3aから離れる、すなわち、キャリヤプレート3がアーム45による支持状態から離脱されることとなる。なお、アーム45の離脱位置は、各アーム45の下面がそれぞれプレス板2の表面2aに接することがないように設定されている。
【0037】
そして、搬送方向駆動用のモータ36の駆動によって支持フレーム32に支持されたアーム45は多段ホットプレスHPの図示しないシャッタ等に干渉することがない位置まで完全に後退される(図7の(a)を参照)。多段ホットプレスHPのシャッタが閉じられてチャンバ内が減圧され、図示しないラムの駆動によって各プレス板2が近接移動されて、キャリヤプレート3に載置された被プレス材料が加圧・加熱されることとなる。なお、被プレス材料を加圧するときに、キャリヤプレート3のフランジは、プレス板2との間から出ており、これと干渉することがない。
【0038】
被プレス材料の加圧・加熱が完了すると、多段ホットプレスHPの図示しないシャッタを開放し、搬送方向駆動用のモータ36の駆動によってアーム固定枠体46を介して支持フレーム32に支持されたアーム45を前進させる。このとき、アーム固定枠体46は昇降移動用のモータ52の駆動によってアーム45の支持部45aがキャリヤプレート3のフランジ3aよりも低く離れた離脱位置にある状態とされている。したがって、アーム45の溝がキャリヤプレート3のフランジ3に対して接触することなく挿入されることとなる。その後、アーム固定枠体46が昇降移動用のモータ52の駆動によってそのボールネジナット54を上昇させるようにボールネジ53が回転駆動され、アーム固定枠体46に担持されたアーム45が浮上位置に位置され、キャリヤプレート3は、そのフランジ3aがアーム45の支持部45aに支持されて、プレス板2の表面2aから浮上する(図7の(b)を参照)。
【0039】
続いて、図7の(c)に示すように、アーム45と同様に浮上位置にあるアンローダ4の支持アーム4aを多段コールドプレスCPのプレス板5間に挿入すると共に、ロッドレスシリンダ61の作動部61aを前進させるように駆動する。各プッシャ60は、連結杆67および連結部材66を介してロッドレスシリンダ61の駆動によって同期して前進される。すると、プッシャ60の前端に設けられたプッシャプレート62がキャリヤプレート3の後端を押圧し、各アーム45の支持部45aに支持されたキャリヤプレート3は、多段コールドプレスCPのプレス板5間に挿入されたアンローダ4の支持アーム4aに移載されることとなる。このとき、アーム45の先端とアンローダ4の支持アーム4aの先端とは離間しているが、キャリヤプレート3は、アーム45から押し出されると、多段コールドプレスCPのプレス板5と対応して設けられた支持ローラ71によって支持されて、安定して確実にアンローダ4の支持アーム4aに移載される。
【0040】
その後、キャリヤプレート3が移載されると、アンローダ4の支持アーム4aは、離脱位置に下降されて、多段コールドプレスCPのプレス板5間から図7の左方へ後退移動されることにより(図7の(a)(b)の位置を参照)、各キャリヤプレート3は、多段コールドプレスCPの各プレス板5の表面5aに載置される。そして、各キャリヤプレート3に載置された被プレス材料の加圧・冷却が完了すると、再びアンローダ4の支持アーム4aを多段コールドプレスCPのプレス板5間に挿入し、浮上位置に上昇させて支持アーム4aにキャリヤプレート3を支持させ、支持アーム4aを後退させてキャリヤプレート3を多段コールドプレスCPのプレス板5間から搬出する。
【0041】
なお、上述した実施の形態では、搬送対象であるキャリヤプレートを多段ホットプレスに搬送しアンローダに移載して多段コールドプレスに搬送し、その後多段コールドプレスから搬出する場合を示したが、本発明はこの実施の形態に限定されることはない。すなわち、本発明は、例えば、多段ホットプレスおよび/または多段コールドプレスである場合に限らず、一対のプレス板を備えたホットプレスおよび/またはコールドプレスに適用することができ、また、ホットプレスまたはコールドプレスの一方のみにキャリヤプレートを搬送する場合にも適用することができ、さらには、他の加工装置等に被加工材料を搬送するような場合にも適用することができる。
また、受取手段は、搬送方向に沿って進退移動可能に、且つ、浮上位置と離脱位置との間で昇降移動可能に設けられた支持アーム4aを有する構造のものに限定されることなく、各アーム45に対応するように固定して設けられた支持アームや棚のようなものである場合にも適用することができる。
【0042】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、搬送対象を離脱可能に支持する支持手段と、搬送対象を搬送位置の表面から所定距離浮上させて支持する浮上位置と、搬送位置の表面上に載置して支持状態から離脱される離脱位置との間で、支持手段を昇降移動させる昇降移動手段と、昇降移動手段によって浮上位置に浮上された支持手段を搬送方向に沿って移動させる搬送方向移動手段と、浮上位置で支持手段に支持された搬送対象を搬送方向に押圧して、支持手段から受取手段の浮上位置にある支持手段に移載させる移載手段と、受取手段の支持手段と対応して設けられ搬送対象を支持する支持ローラと、を備えたことにより、所定の搬送位置をはさんで配置された受取手段に対し、搬入された搬送対象を搬送位置上に引きずることなく短時間で直接移載することができる搬送装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の搬送装置の実施の一形態を示す正面図である。
【図2】図1の側面図である。
【図3】図1の平面図である。
【図4】本発明の搬送装置の要部拡大平面図である。
【図5】本発明の搬送装置の要部拡大側面図である。
【図6】本発明の搬送装置により、キャリヤプレートがアンローダに移載される状態を示す説明図である。
【図7】本発明の搬送装置の作動を示す説明図である。
【図8】従来の技術における配置の概略を示す平面図である。
【図9】本発明における配置の概略を示す平面図である。
【符号の説明】
1 搬送装置
2 プレス板
2a 表面(搬送位置)
3 キャリヤプレート(搬送対象)
4 アンローダ(受取手段)
10 支持手段
11 搬送方向移動手段
12 昇降移動手段
13 移載手段
45 アーム
60 プッシャ

Claims (1)

  1. 所定の搬送位置をはさんで搬送対象を受け取る受取手段と反対側に配置され、搬送対象を搬送位置に搬入し、受取手段に搬送対象を移載する搬送装置であって、
    搬送対象を離脱可能に支持する支持手段と、
    搬送対象を搬送位置の表面から所定距離浮上させて支持する浮上位置と、搬送位置の表面上に載置して支持状態から離脱される離脱位置との間で、支持手段を昇降移動させる昇降移動手段と、
    昇降移動手段によって浮上位置に浮上された支持手段を搬送方向に沿って移動させる搬送方向移動手段と、
    浮上位置で支持手段に支持された搬送対象を搬送方向に押圧して、支持手段から受取手段の浮上位置にある支持手段に移載させる移載手段と、
    受取手段の支持手段と対応して設けられ搬送対象を支持する支持ローラと、
    を備えたことを特徴とする搬送装置。
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