JP3602925B2 - 光干渉法による測定対象物の屈折率と厚さの同時測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、低コヒーレント光干渉法による測定対象物の屈折率と厚さの同時測定装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】
測定対象物(媒質)の屈折率n及び厚さtの非接触(光学)測定は、光学分野において最も基本的な技術の一つである。
【0003】
その代表的なものとしては、エリプソメータ(自動偏光解析装置)〔(1):久保田広他編「光学技術ハンドブック」2,4 偏光解析(pp.256〜264)、朝倉書店発行参照〕がある。
【0004】
これは媒質の表面で光が反射する際の偏光状態を観測することによって、媒質(基板)の屈折率及びその表面に堆積した薄膜の屈折率nと厚さtを測定する方法である。
【0005】
本方法を実施する装置は高精度であるので、表面や薄膜の研究に頻繁に利用されているが、装置自体がかなり高価であり、また平行ビーム照射部分(約10mm径)における平均的な屈折率n及び厚さtが測定できるにすぎない。
【0006】
これ以外に、プリズムによる媒質の屈折率測定、光導波モード励起による薄膜の屈折率n、厚さtの測定などがあるが、これらは測定面が平滑であることが条件である。
【0007】
このような薄膜を中心とした測定法に対して、光学分野では、無機、有機材料を含めて、媒質の屈折率n、厚さt及びそれらの空間分布を精度良く測定したいという要求は多い。特に、媒質の表面状態(平滑度)に左右されることなく、媒質の屈折率n、厚さtの空間分布を測定するには、集光ビームを用いた測定法が優れている。
【0008】
このような状況を踏まえて、ここでは、スーパルミネッセントダイオード(SLD)を光源とする低コヒーレント干渉光学系を基本として、集光ビーム照射による媒質の屈折率nと厚さtとを同時に精密に測定する方法を新たに提案する。
【0009】
SLDを光源とするマイケルソン干渉計は光の伝搬軸に沿って、光源のコヒーレント長Δlc で決まる分解能(〜10μm)で反射面を識別することができ、微小領域における有力な診断法として利用されている。(例えば、光導波路の診断)〔(2):K.Takada,I.Yokohama,K.Chida and J.Noda,“New measurement system for fault location in optical waveguide devices based on an interferometric technique,”Applied Optics,Vol.26,No.9,pp.1603〜1606(1987).(3):R.C.Youngquist,S.Carr and D.E.N.Davies,“Optical coherence−domain reflectometry:a new optical evaluation technique,”Optics Letters,Vol.12,No.3,pp.158〜160(1987).(4):H.H.Gilgen,R.P.Novak,R.P.Salathe,W.Hodel and P.Beaud,“Submillimeter optical reflectometry,”J.Lightwave Technology,Vol.7,No.8,pp.1225−1233(1989)参照〕。
【0010】
最近、生体光診断の分野でも、この低コヒーレント光干渉法が注目されており、網膜下組織の検出・可視化〔(5):D.Huang,E.A.Swanson,C.P.Lin,J.S.Schuman,W.G.Stinson,W.Chang,M.R.Hee,T.Flotte,K.Gregory,C.A.Puliafito,J.G.Fujimoto,“Optical coherency tomography,“Science,Vol.254,pp.1178〜1181,22 Nov.,1991.(6):J.A.Izatt,M.R.Hee,G.M.Owen,E.A.Swanson and J.G.Fujimoto,“Optical coherence microscopy in scattering media,”Optics Letters,Vol.19,No.8,pp.590〜592(1994).〕や眼径(eye length)の測定〔(7):A.F.Fercher,K.Mengedoht and W.Werner,“Eye−length measurement by interferometry with partially coherent Light,”Optics Letters,Vol.13,No.3,pp.186〜188(1988).(8):W.Drexier,C.K.Hitzenberger,H.Sattmann,A.F.Fercher,“Measurement of the thickness of fundus layers by partial coherence tomography,”Optical Enginccring,Vol.34,No.3,pp.701〜710(1995).〕を初め、皮下組織の高精度な検出の基礎実験〔(9):白石、近江、春名、西原、“低コヒーレント光干渉による生体内構造検出の基礎実験I,”平成7年秋季第56回応用物理学会学術講演会 26a−SN−11(1995)。〕が進められている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したSLDを用いた通常の低コヒーレント干渉法では、測定対象物(透明板)に平行あるいは集光ビームを照射し、その前面及び裏面からの反射信号光と参照光との光路差が0となるような参考光ミラーの二つの位置を特定し、これらの間隔から透明板の前面と後面の光路差(屈折率n×厚さt)が測定される。すなわち、この場合に測定量は屈折率n×厚さtのみであるので、屈折率nと厚さtの分離測定はできない。
【0012】
この点について、詳細に説明する。
【0013】
「屈折率」は光に対する媒質特有の物理量であるので、光をプローブとして測定せざるを得ない。さて、屈折率n、厚さtなる媒質を光が通過するのに要する時間τは、真空中の光速をc(=3×108 m/秒)として、
τ=n×t/c
である。屈折率nの測定においては、基本的にはこの時間τを測定することになる。光速cは既知であるので、一般にはn×t(これを媒質の光路長という)が実測できる。したがって、屈折率nを分離測定するには、何らかの工夫が必要である。例えば、媒質の厚さtを前もって機械的に(接触法で)測定しておき、光学的に測定した光路長n×tの実測値をもとに、屈折率nを求めることができる。
【0014】
しかしながら、同一の媒質の物理量n,tを測定する上で、二つの異なる測定を行なうことは、測定精度の劣化につながり、また、煩雑である。さらに、生体組織のような機械的にその厚さを測定できない媒質も多く、また、接触法による機械的な厚さ測定の限界は約1μmであり、本質的に〜1nm(=0.001μm)の測定精度をもつ光学的測定法には遠く及ばない。
【0015】
このような理由により、光学的に媒質の屈折率n、厚さtを分離測定する手法の確立が不可欠である。
【0016】
媒質の屈折率n、厚さtの光学的同時測定は、レンズを始め光学部品・材料を開発するメーカーにおいては、必須の技術である。特に、レンズは屈折率と同時に精密な厚さ分布の測定を必要とする。最近は、種々の多成分系ガラス以外にポリマー(高分子)や液晶を用いた光学部品も多く、これらの部品開発には屈折率n、厚さtの同時精密測定は不可欠な技術・装置である。また、短波長光源や波長可変レーザ実現に向けて、様々な非線形光学材料の研究開発も盛んであるが、これらの新光学材料の屈折率を測定する上で、簡易な屈折率n、厚さtの同時精密測定装置が要求されている。
【0017】
また、医用分野、例えば、光診断・治療の分野においても、屈折率n、厚さtの同時測定の必要性が高まりつつある。一例を上げると、眼科治療・診断では、眼径や角膜の厚さ等の精密な測定(精度は約10μm)が要求されている。この場合には、非接触測定が条件であり、光プローブを用いることになる。しかしながら、現状では、屈折率nと厚さtの分離測定ができないため、正確に眼径や角膜の厚さを測定できない状態にある。さらに、現在活発に検討が進められている光CT(光による生体断層像)の構築においても、生体内組織構造の微細なサイズを決定する上で、屈折率nと厚さtの同時測定は必要である。
【0018】
本発明は、上記状況に鑑みて、測定対象物の屈折率nと厚さtの分離測定を可能にし、低コヒーレント光干渉法による測定対象物の屈折率と厚さの同時測定を可能にする光干渉法による測定対象物の屈折率と厚さの同時測定装置を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕光干渉法による測定対象物の屈折率と厚さの同時測定装置において、低コヒーレント光を出射する光源と、この光源からの低コヒーレント光を分けるビームスプリッタと、このビームスプリッタにより分けられる一方の光を受ける参照光ミラーと、参照光を位相変調するために前記参照光ミラーを振動させる振動子と、前記参照光ミラーを微小移動させる第1のステージと、前記ビームスプリッタにより分けられる他方の光をレンズにより集光して測定対象物に照射する手段と、前記測定対象物を微小移動させる第2のステージと、前記測定対象物からの反射光と前記参照光ミラーからの参照光を合波・干渉させて検波する受光素子とを備え、前記第2のステージを用いて、前記測定対象物の位置を調整し、前記測定対象物の前面に前記一方の光を集光させて基準とし、この状態で前記第1のステージを調整して最大干渉信号強度が得られる参照光ミラーの位置(x F1 )を特定し、次に、前記第2のステージを用いて前記測定対象物を所定距離(z 1 )だけ前記集光レンズに近づけて前記測定対象物の後面に前記一方の光を集光させ、この状態で、干渉信号強度が再び最大になるように前記第1のステージを調整して参照光ミラーの位置(x R1 )を特定し、前記第1のステージの二つの状態の光路差(ΔL 1 =x R1 −x F1 )と前記所定距離(z 1 )との二つの独立な測定値に基づいて、前記測定対象物の屈折率nと厚さtを同時に求めることを特徴とする。
【0020】
〔2〕光干渉法による測定対象物の屈折率と厚さの同時測定装置において、低コヒーレント光を出射する光源と、この光源からの低コヒーレント光を分けるビームスプリッタと、このビームスプリッタにより分けられる一方の光を受ける参照光ミラーと、参照光を位相変調するために前記参照光ミラーを振動させる振動子と、前記参照光ミラーを微小移動させる第1のステージと、前記ビームスプリッタにより分けられる他方の光をレンズにより集光して測定対象物に照射する手段と、前記レンズを微小移動させる第3のステージと、前記測定対象物からの反射光と前記参照光ミラーからの参照光を合波・干渉させて検波する受光素子とを備え、前記第3のステージを用いて、前記レンズの位置を調整し、前記測定対象物の前面に前記一方の光を集光させて基準とし、この状態で前記第1のステージを調整して最大干渉信号強度が得られる参照光ミラーの位置(x F2 )を特定し、前記レンズを所定距離(z 2 )だけ前記測定対象物に近づけて前記測定対象物の後面に前記一方の光を集光させ、この状態で、干渉信号強度が再び最大になるように、前記第1のステージを調整して参照光ミラーの位置(x R2 )を特定し、前記第1のステージの二つの状態の光路差(ΔL 2 =x R2 −x F2 =nt)と前記所定距離(z 2 )との二つの独立な測定値に基づいて、前記測定対象物の屈折率nと厚さtを同時に求めることを特徴とする。
【0021】
〔3〕上記〔1〕又は〔2〕記載の光干渉法による測定対象物の屈折率と厚さの同時測定装置において、前記光源はスーパルミネッセントダイオードであることを特徴とする。
【0022】
〔4〕上記〔1〕又は〔2〕記載の光干渉法による測定対象物の屈折率と厚さの同時測定装置において、前記受光素子はヘテロダイン検波するフォトダイオードであることを特徴とする。
【0023】
〔5〕上記〔1〕又は〔2〕記載の光干渉法による測定対象物の屈折率と厚さの同時測定装置において、前記測定対象物は厚さ数100μm以上の媒質であることを特徴とする。
【0024】
〔6〕上記〔1〕又は〔2〕記載の光干渉法による測定対象物の屈折率と厚さの同時測定装置において、前記測定対象物は生体組織であることを特徴とする。
【0025】
〔7〕上記〔1〕又は〔2〕記載の光干渉法による測定対象物の屈折率と厚さの同時測定装置において、前記測定対象物の群屈折率差による複屈折測定手段を付加することを特徴とする。
【0026】
このように構成したので、測定対象物として、透明板を例にとると、透明板の屈折率nと厚さtの同時測定を行うには、その透明板の前面と後面の光路差n×t以外に、これと独立なもう一つの測定量を用意する。つまり、実際には、SLD光をレンズで透明板に集光して、その前面及び後面に焦点を合わせ、これら二つの集光状態の光路差と二つの集光状態を得るために必要な測定対象物(又は集光レンズ)の移動距離とを測定する。二つの面の焦点合せには、集光レンズを固定して透明板を移動する「測定サンプル走査法」と、透明板を固定して集光レンズを移動する「レンズ走査法」がある。
【0027】
いずれの場合も、測定量として、「光路差(必ずしも屈折率n×厚さtではない)」以外に、透明板の前面と後面との焦点合せに必要な「透明板あるいはレンズの移動距離」が生ずる。これら二つの測定量から透明板の屈折率nと厚さtを算出することができる。
【0028】
また、0.1μm精度のステージを用いれば、10-3オーダーの複屈折Δng を数%の精度で測定できる。
【0029】
したがって、本発明によれば、
(1)低コヒーレント干渉光学系と微動ステージを融合した、比較的簡単な光学測定系と検出信号処理により、精度の高い測定対象物の屈折率と厚さとを同時に測定することができる。
【0030】
(2)厚さ数100μm以上の媒質の屈折率n及び厚さtを0.1%の高精度で測定できる。
【0031】
(3)集光ビーム照射であるので、媒質の屈折率n及び厚さtの空間分布を測定することができる。
【0032】
(4)また、媒質の測定面は必ずしも鏡面である必要はなく、粗面であっても測定可能であり、生体組織のように極めて散乱が大きい媒質にも適用することができる。(なお、散乱媒質においては、反射直進光を抽出して測定する)。
【0033】
(5)これらの特徴に加え、屈折率が既知の透明板を用いれば、本測定法に基づき、レンズの開口数NAの実測が可能である。
【0034】
(6)なお、低コヒーレント光源は、必ずしもSLDに限るものではなく、閾値以下の注入電流で駆動されるレーザーダイオード(LD)等、可干渉距離が数10μm程度、あるいはそれ以下の光源は全て使用することができる。従って、本測定法において、発振中心波長が相異なる数個のLDを併用することによって、測定対象物の屈折率の波長分散をも測定することができる。
【0035】
(7)また、屈折率と厚さの同時測定の他に、群屈折率差による複屈折測定を行うことができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図を参照しながら説明する。
【0037】
本発明は、SLD低コヒーレント干渉法による測定対象物(媒質)の屈折率nと厚さtの同時測定法について述べる。
【0038】
まず、測定光学系について述べる。
【0039】
図1は本発明の第1実施例を示すSLDを用いた光干渉法による測定対象物の屈折率と厚さの同時測定の基本的なシステム構成図である。
【0040】
この図において、SLD1の発振中心波長λc =834nmで、発振スペクトラムの半値全幅(FWHM)はΔλ=16nmであり、これによって決まる干渉計の可干渉距離はΔlc 〜25μmである。この干渉計において、SLD1から出射された光はビームスプリッタ2(BS)で二等分され、その光の一方は集光レンズ(対物レンズ)3で第2のステージ4上に置かれた測定対象物5に集光される。
【0041】
これに対して、他方の光は第1のステージ7上のPZT(ピエゾトランスデューサ)9に固定された参照光ミラー10に照射される。PZT9には周波数f(=500Hz)の振動が加えられ、参照光ミラー10からの反射光(参照光)を位相変調する。測定対象物5からの反射光(信号光)と参照光ミラー10から参照光を合波・干渉してフォトダイオード(PD)13でヘテロダイン検波する。
【0042】
検出信号はアンプ14、高域通過フィルタ15、アンプ16を通してサンプリングホールド回路17に導き、周波数fなる交流信号振幅の最大値を抽出し、A/Dコンバータ18により、10ビットのディジタル信号に変換してパーソナルコンピュータ(PC)19に記憶する。なお、11はステージコントローラであり、第1のステージ7、第2のステージ4、第3のステージ6をそれぞれ制御する。8はPZT9に接続される交流電圧源、12a,12bはリレーレンズである。
【0043】
一般に、光通信用の半導体レーザダイオード(LD)は、発振波長スペクトラム幅Δλ(<0.1nm)は狭く、良質の単色光源である。これに対してSLDは、発光ダイオード(LED)とLDの中間的なもので、市販のSLDの発振波長スペクトラムは広くΔλ〜15nm程度である。
【0044】
このSLDを光源とする干渉光学系を低コヒーレント光干渉系と呼び、その可干渉距離ΔlC はわずか20μmである。すなわち、SLD干渉光学系では、ビームスプリッタで分けられた二つの光(参照光と信号光)は、これらの伝搬距離(光路長)の差がΔlC /2(〜10μm)以下でなければ、干渉できない。言い換えれば、SLD干渉光学系は〜10μmの分解能で光の伝搬距離(光路長)の差を識別できる。このことから、SLD干渉光学系は、分解能10μmオーダーの光路長測定や微小領域の故障診断に利用できる。
【0045】
そこで、測定対象物(ここでは、板状の透明媒質、つまり透明板)5の屈折率n、厚さtの測定を行なう。
【0046】
まず、「測定サンプル走査法」では、図2(a−1)に示すように、光を透明板5の前面に集光し、参照光と信号光アームの光路差が0となるように、図3(a−1)に示すように、参照光ミラー10の位置を調整する。
【0047】
次に、図2(a−2)に示すように、第2のステージ4を移動して、透明板5を集光レンズ3に近づけ、その透明板5の後面に焦点合わせする。このときの透明板5の移動距離をz1 とする。この状態で干渉計の二つのアームの光路差が再び0となるように、図3(a−2)に示すように、参照光ミラー10をΔL1 だけ移動する。
【0048】
一方、「レンズ走査法」では、図2(b−1)に示すように、光を透明板5の前面に集光し、参照光と信号光アームの光路差が0となるように、図3(b−1)に示すように、参照光ミラー10の位置を調整する。これは、図2(a−1)及び図3(b−1)と同様である。
【0049】
次いで、第3のステージ6(図1参照)を用いて、図2(b−2)に示すように、集光レンズ3を距離z2 移動して透明板5の後面に焦点合せし、かつ、図3(b−2)に示すように、参照光ミラー10をΔL2 移動する。
【0050】
このように、透明板(あるいはレンズ)5と参照光ミラー10の移動距離z1 (z2 )及びΔL1 (ΔL2 )が得られれば、次節で示すような簡単な計算から、透明板5の屈折率n及び厚さtを求めることができる。
【0051】
(B)以下、測定原理について説明する。
〔1〕測定サンプル走査法
(1)屈折率n及び厚さtの算出
図4に示すように、まず、光を透明板5の前面に焦点合せした状態(図中の点線)を基準として、透明板5を距離z1 だけレンズに近づけ、その後面に光が集光された場合(図中の実線)を考える。透明板5に対する光の入射角をθ、入射位置をr、屈折角をφとすると、
【0052】
【数1】
である。式(1)より
【0053】
【数2】
となる。
【0054】
ここで、前述の参照光ミラー10の移動距離ΔL1 を求める。ΔL1 は、光を透明板5の前面(z=0面)に焦点合わせした場合(図中の点線)と透明板5を距離z1 だけ移動して後面に焦点合わせした場合(図中の実線)との光路差であり、図4ではz=z1 面を基準として、二つの焦点FとF′との光路差に等しい。集光レンズ3通過後の収束光(または発散光)の位相は、集光レンズ3中心軸を通る光線で代表して考えることができるので、
【0055】
【数3】
である。ここで、透明板5(サンプル)を移動するので、光路差ΔL1 は、移動距離z1 によって変化することに注意する。式(2)、(3)よりtを消去して、
【0056】
【数4】
を得る。上式(4)はレンズの開口数NA(=sinθ)が既知であれば、測定値ΔL1 と移動距離z1 の比から、透明板5の屈折率nが求められることを示している。また、その厚さtは式(3)より得られ、
【0057】
【数5】
である。
【0058】
すなわち、図4において、測定サンプルとしての透明板5を前面に集光し(第2のステージ4の位置z=0;焦点F′)、この状態で最大干渉信号強度が得られる参照光ミラー10の位置(第1のステージ7の位置x=xF1)を特定する。
【0059】
次に、第2のステージ4を用いて透明板5を距離z1 だけ集光レンズ3に近づけ(透明板5後面に集光するz=z1 ;焦点F)、この状態で、干渉信号強度が再び最大になるように第1のステージ7(参照光ミラー10)を調整し、その位置x=xR1を特定する。前面と後面に焦点合わせした二つの状態の光路差はΔL1 =xR1−xF1であり、このΔL1 とz1 となる二つの独立な測定値から透明板5の屈折率nと厚さtが求められる。
【0060】
(2)測定手順とそのポイント
ポイントは、照射ビームを透明板5の前面あるいは後面に焦点合せし、かつ、このとき干渉計の参照光と信号光アームの光路差が0となるような状態を実現し、この状態における参照光ミラー10(第1のステージ7:x軸)と透明板5(第2のステージ4:z軸)の位置を高精度で測定することである。このためには、まず、集光レンズ3焦点近傍に反射面があるときの干渉信号強度がどのように変化するかを把握しておく必要がある。
【0061】
図5に、光源に半導体レーザ(LD)のようなコヒーレンスの高いレーザを用いたときの干渉信号強度パターンを示す。レンズ焦点では、集光ビームは平面波を形成するので反射光強度は最大となる。
【0062】
一方、反射面が焦点の外(あるいは内)に位置する場合には、集光ビームは発散球面波(または収束球面波)となり、反射光強度は著しく減少する。信号強度パターンの半値全幅Δzは、レンズのNAによって決まり、実測値では、NA=0.27でΔz≒17μm、NA=0.20でΔz≒30μmである。
【0063】
この結果から、レンズ焦点位置を1μmあるいはそれ以下の精度で特定できることが分かる。
【0064】
上記の結果を踏まえて、光源にコヒーレント長Δlc なるSLDを用いて、集光ビームが透明板5の前面あるいは後面に焦点合せされる第2のステージ4の位置(z=0及びz=z1 )、そして、これに対応して参照光と信号光アームの光路差を0とする参照光ミラー用第1のステージ7の位置(x=xF1及びx=xR1)を測定する。
【0065】
透明板5の前面を対象とする場合には、まず、前面近傍に集光レンズ3の焦点合せを行い、検出可能な干渉信号強度が得られる状態で、透明板5を搭載した第2のステージ4を走査すると、図6に示すような信号強度パターンが得られる。
【0066】
さらに、第1のステージ7を前後にδx1 (実験ではδx1 =5μm)ずつ移動し、同様に第2のステージ4を走査して信号強度パターンを記録する。これらSLDを光源とする信号強度パターンの包絡線は、図5に示したコヒーレント光の信号強度パターンに一致する。この結果から、SLD信号強度パターンのピークが最大となる第2のステージ4の位置によってz=0が特定でき、これに対応する第1のステージ7の位置がx=xF1である。
【0067】
ここで、x=xF1を光路差の基準として、ΔL1 =0とする。なお、各々のSLD信号強度パターンの半値全幅Δzc1は、一般にSLD自身のコヒーレント長Δlc /2(=12.5μm)に等しい。透明板5の後面においても、全く同様にしてz=z1 及びx=xR1を求めることができる。しかし、透明板5の後面ではレンズのNAは1/n(nは透明板の屈折率)に減少するので、SLD信号強度パターン及び包絡線の半値全幅Δzc1、ΔzR1は透明板5の前面に比べてn倍に拡がる。
【0068】
以上の測定により、所望の量ΔL1 (=xR1−xF1)及びz1 が得られ、式(4)及び(5)をもとに、透明板5の屈折率n及び厚さtが算出できる。現状の測定系に組み入れたステージは、1μm/ステップであるので、測定サンプルの厚さが1mm程度であれば、式(4)から算出される屈折率nの測定精度は、〜0.1%である。
【0069】
〔2〕レンズ走査法
図7にレンズ走査法の原理図を示す。これから直ちに、
【0070】
【数6】
となることが分かる。また、ΔL2 は透明板5の後面と前面の焦点FとF′との光路差であるので、z2 に無関係に一定となり、
【0071】
【数7】
である。このように、ビームスプリッタ(BS)2に対して透明板5の位置が固定されている場合には、その間にある集光レンズ3を移動しても、光路差ΔL2 は変化しないことに注意する必要がある。式(6)、(7)より、屈折率nは、
【0072】
【数8】
で与えられ、また、厚さtは
【0073】
【数9】
である。
【0074】
すなわち、図7において、まず、測定サンプルとしての透明板5の前面に集光し(第3のステージ6の位置z=0;焦点F′)、この状態で最大干渉信号強度が得られる参照光ミラー10の位置(第1のステージ7の位置x=xF2)を特定する。次に、第3のステージ6を用いて集光レンズ3をz2 だけ透明板5に近づけ、透明板5の後面に集光する(z=z2 ;焦点F)。この状態で干渉信号強度が再び最大となるように第1のステージ7(参照光ミラー10)を調整し、その位置x=xR2を特定する。前面と後面に焦点合わせした二つの状態の光路差は、ΔL2 =xR2−xF1であり、このΔL2 とz2 なる二つの独立な測定値から透明板5の屈折率nと厚さtが求められる。
【0075】
測定サンプル走査法と同様に、レンズ走査法における測定上のポイントも、透明板5の前面と後面に焦点合せされるレンズの位置z0 、z2 、及びこれらに応じて干渉計の信号光と参照光アームの光路差を0とするような参照光ミラー10の位置xF2、xR2を精度良く測定することである。
【0076】
まず、集光レンズ3が透明板5の前面に焦点合せされていると考える(レンズ位置はz=0)。この状態で参照光ミラー10を移動すると、図8に示すように、SLD自身の可干渉性を示す干渉信号強度パターンが得られる。このパターンの半値全幅はΔx=Δlc /2(=12.5μm)であり、強度のピーク位置はx=xF2である。そこで参照光ミラー10の位置をx=xF2として集光レンズ3を走査すると、図9に示すような信号強度パターンが得られる。
【0077】
これは、図5のコヒーレントなレーザを光源とする集光レンズ3の反射・干渉信号強度パターンに一致する。何故なら、反射面(透明板5の前面)を固定した場合には、集光レンズ3の位置によって干渉計そのものの参照光と信号光アームとの光路差が変化しないからである。また、このとき信号強度が最大となる集光レンズ3の位置がz=0である。
【0078】
次に、参照光ミラー10の位置をx=xF2+δx2 (δx2 〜Δlc /10=2.5μm)にして、集光レンズ3を走査すると、ピーク強度がわずかに低くなるが、x=xF2の場合と同様な信号強度パターンを得る。このとき、パターンのピーク位置はやはりz=0で変化しないことに注意する必要がある。
【0079】
以上のことを踏まえて、集光レンズ3の位置z=0及びこれに対応する参照光ミラー10の位置x=xF2を特定するには、参照光ミラー10をx=xF2付近に調整し、この近傍で参照光ミラー10をδx2 づつ変化させ、集光レンズ3を反復走査して信号強度パターンを記録すれば良いことが分かる。ピーク強度を与える集光レンズ3の位置からz=0が、そしてピーク強度が最大となる参照光ミラー10の位置からx=xF2が特定できる。
【0080】
また、透明板5の後面の焦点合わせから、全く同様にして、z=z2 及びx=xR2が測定でき、光路差ΔL2 =xR2−xF2(=n×t)である。
【0081】
〔3〕両走査法の比較
z=0及びz=z1 、z2 、そして、これらに対応するx=xF1、xF2及びx=xR1、xR2なる量を測定する上において、ステージに要求される精度は、両走査法共に同程度である。すなわち、厚さt〜1mmの透明板で、nの測定誤差がΔn (=δn/n)=10-3であれば、少なくとも1μm/ステップのステージが必要である(次章参照、但し、紙面の関係上、測定精度に関する詳細な論議は割愛し、測定精度の計算結果の一例を図10に示す)。
【0082】
この要求は、現状のステージが最小<0.05μm/ステップであることを考えれば、むしろ極めて緩やかな制限である。問題は、図6あるいは図9に示すように、z=0及びz=z1 、z2 の位置を特定する上で、いずれの走査法が良いかという点にある。
【0083】
集光レンズのNA>0.15であれば、参照光ミラー位置をパラメータとして得られる各信号強度パターンの半値全幅は、測定サンプル走査法の方が狭いので、この走査法の方が有利であると考えられる。しかし、レンズ走査法では、各信号強度パターンのピーク位置が一致しているので、z=0及びz=z1 、z2 の位置を特定し易いという利点があり、低NA(<0.1)の場合に有利と考えられる。
【0084】
両走査法の優劣は測定対象物によって決まる。測定対象物を微動ステージ上に固定できる場合には、測定サンプル及びレンズ走査法共に有効である。しかし、対象物を固定して測定する場合(例えば、in vivo生体計測の場合)には、レンズ走査法を適用せざるを得ない。
【0085】
次に、レンズの実効NAの評価について説明する。
【0086】
(1)評価の原理
式(4)あるいは(8)で示されているように、本測定法ではレンズのNAが既知であることが条件である。しかしながら、SLDは時間コヒーレンスばかりでなく、その空間コヒーレンスも不完全であり、かつ入射ビームの径や拡がりの具合によって実効的なレンズのNAは変化する。したがって、屈折率n、厚さtの測定に先立って、測定系に用いるレンズの実効NA(NA eff)を評価する必要がある。
【0087】
まず、「測定サンプル走査法」を対象として、式(4)を変形すると、
【0088】
【数10】
となる。屈折率nが既知の透明板を用いて、光路長ΔL1 とサンプル移動距離z1 を測定すれば、(10)式より、集光レンズの実効NAが求められる。
【0089】
(2)実験結果
実験では、屈折率の波長分散が良く知られている厚さ約1mmの溶融石英板(SLDの発振中心波長λc =834nmでn=1.4527)を用い、測定サンプル走査法でレンズの実効NAを評価した。測定系に組み入れたレンズは顕微鏡用×20対物レンズ(口径8mmでNA=0.40)である。また、照射ビーム径を変えるために、SLDをコリメートした直後に可変アパーチャを挿入した。
【0090】
アパーチャ径6mmφの場合に得られた信号強度パターンを図11〜図13に示す。
【0091】
図11は参照光ミラーの位置を5μmづつ変えて得られた石英板の前面からの反射・干渉信号強度パターン群であり、図12はその石英板の後面からの信号強度パターン群である。信号強度パターン群の包絡線の半値全幅は、前面で16μm、後面では屈折率の分だけ拡がり23μmである。これらの前面及び後面の信号強度パターン群(図13参照)の中から、各々最大ピーク値を持つものを選び、その間隔からz1 が、そして、これら二つの信号強度パターンが得られる参照光ミラーの位置からΔL1 が測定できる。
【0092】
測定値ΔL1 ,z1 及び式(10)をもとに評価したレンズの実効NAを表1にまとめてある。
【0093】
【表1】
ここで、石英板の厚さtは、式(3)より得られ、
【0094】
【数11】
である。アパーチャ径6mmφのとき、厚さの測定値とマイクロメータによる実測値(1026μm)は良く一致している。このときの実効NAの測定値はNA eff=0.273であり、ビーム径6mmφに対するレンズの所定の値0.30より低い。これはLDやガスレーザに比べてSLD自身の空間コヒーレンスが劣るためと考えてよい。
【0095】
一方、4mmφのビーム径では、所定値に等しいNA eff=0.199を得た。ビーム径(NA)が小さくなれば、SLDの低空間コヒーレンスの影響は緩和されるので、この結果は必ずしも誤差が大きすぎるとはいえない。しかし、上述のように、4mmφでは光学系のアライメントが不十分でz1 、ΔL1 の測定誤差が大きく、6mmφの場合と比べて、4mmφでNA eff=0.199なる結果は測定精度の点で劣る。
【0096】
したがって、以後の実験では、ビーム径を6mmφとしてNA eff=0.273とし、各種材料の屈折率n、厚さt同時測定を行った。
【0097】
次に、透明板の屈折率n、厚さtの同時測定例について説明する。
【0098】
生体組織においては、屈折率nが1.3から2.5付近まで分布すると考え、測定サンプルとして、スライドガラス、サファイア(Al2 O3 )、タンタル酸リチウム(LiTaO3 )を用いた。一般に高屈折率材料は複屈折性を持つものが多く、Al2 O3 とLiTaO3 も一軸性光学結晶であり、波長λ=834nmで各々Δn=0.008、−0.004なる複屈折率差(常光線と異常光線との屈折率差でΔn=no −ne )を示す。
【0099】
しかし、現状の測定光学系では、これらのΔnはnの測定誤差よりわずかに大きい程度であり、光学的に等方な媒質と見なして差し支えない(注:現状の測定システムでは特に信号処理系におけるノイズが大きく、これが測定誤差の要因になっている)。
【0100】
実際に、測定には×20対物レンズを用い、ビーム径6mmφで、その実効NAを0.273とした。図14〜図16に〜1mm厚のzカットサファイアの測定結果を示す。また、zカットLiTaO3 、スライドガラスを含めて、各サンプルに対するΔL1 とz1 の測定値、及び式(4)、(5)から得られる屈折率及び厚さの測定値nm 、tm を表2にまとめてある。
【0101】
【表2】
さらに、これらの測定値を、セルマイヤー方程式をもとに計算した屈折率ns 、及びマイクロメータで測定した厚さの実測値ts と比較して、それぞれ測定誤差Δn 、Δt を求めた。〜1mm厚のサファイアではΔn =−0.3%、Δt =±0%を得た。そして、厚さ1mmのサンプルでn=1.7〜1.8においては、Δn =0.1%を得るためのz1 の測定許容誤差はδz1 <1μmであるが、サファイアで得られたΔn (=−0.3%)はこれより大きい。
【0102】
この原因は、信号強度パターンに含まれるノイズによって、位置z=0、z1 を特定する精度が劣化するためである。したがって、主としてフィルター、サンプルホールド回路から成る信号処理系の雑音を低減することにより、1μm/ステップのステージを用いて所定の測定誤差Δn =0.1%を実現できると考えている。
【0103】
〜1mm厚のサファイアに対して、〜0.5mm厚のLiTaO3 ではΔL1 及びz1 の測定許容誤差は約1/2となるので、実験で得られた測定誤差はサファイアの2倍となり、Δn =+0.6%、Δt =−0.6%である。また、スライドガラス(ソーダガラス)では、もともと屈折率ns が推定値にすぎないので、Δt で測定精度を判断せざるを得ない。この場合、Δt =+0.1%であり、所望の精度が得られている。
【0104】
以上の基礎実験により、〜1mm厚のサンプルを対象として、≧0.1%の誤差でサンプルの屈折率n、厚さtの同時測定ができることを実証した。
【0105】
次に、本発明の第2実施例について説明する。
【0106】
この実施例では、第1実施例に示した屈折率nと厚さt同時精密測定法を用いて、さらに、媒質の群屈折率の差で与えられる複屈折が精度良く測定できることを提案・実証する。具体的には、光源のスーパルミネッセントダイオード(SLD)が、低コヒーレント、かつ非偏光(ランダム偏光)であるために、媒質のSLD光入射面内において、主軸方向が任意の方向であっても、いかなる偏光制御・回転を必要とせずに、群屈折率差による複屈折を数%あるいはそれ以下の精度で測定できる。
【0107】
この複屈折測定においては、測定サンプル走査法、レンズ走査法のいずれも有効である。また、このような簡便、かつ高精度な複屈折測定は既存の機器/装置では未だ達成されていない。このように、低コヒーレント光干渉に基づく本測定システムでは、屈折率と厚さの同時測定の他に、群屈折率差による複屈折測定の可能性が実証されたことになり、本測定システムの活用範囲は光エレクトロニクス分野でさらに拡大することが期待できる。
【0108】
(1)以下、その複屈折測定について説明する。
【0109】
ニオブ酸リチウム(LiNbO3 )、タンタル酸リチウム(LiTaO3 )、サファイア(Al2 O3 )に代表されるような光学結晶材料は、一般にΔn=4×10-3〜10-1の複屈折を示す。これ以外にも、ガラスのようなアモルファス材料であっても、一方向から応力が加えられた場合には、光学的異方性が発生し、10-3オーダーの複屈折を呈する。特に、スパッタや蒸着等で堆積した膜材料(例えば、光ディスク材料等)はΔn≧10-3の複屈折が生じる。このように、光学分野で使用される材料の大半は複屈折を示すので、精密かつ簡便な複屈折測定機器の開発は不可欠である。
【0110】
複屈折測定に関しては、既存のエリプソメータでも原理的に可能であるが、極めて精密な光学系と繁雑な計算を要するため、汎用の機器には複屈折測定の機能は整備されていないのが現状である。また、既に指摘したとおり、エリプソメータは膜厚数100μm以上の材料に適用できないという欠点がある。
【0111】
これに対して、この第2実施例の群屈折率差による複屈折測定法では、上記第1実施例で示した屈折率nと厚さtの同時精密測定の簡便なシステムをそのまま用いて、数%あるいはそれ以下の精度で複屈折測定が可能である。
【0112】
(2)次に、複屈折測定の基礎について説明する。
【0113】
一般に、光学材料においては、直交するX、Y、Z軸(これらを主軸という)が定められ、これらの軸方向に、直線偏光する光が感じる屈折率をnX 、nY 、nZ とする。これら三つの屈折率の中で少なくとも一つが異なる値であれば、その材料は光学的異方性をもち、複屈折を示す。しかしながら、光学材料を使用する場合には、一般に、三つの主軸のいずれかの軸に沿って光を入射する。例えば、X軸方向に沿って光を入射する場合には、複屈折ΔnはnY とnZ の差で与えられ、
【0114】
【数12】
である。したがって、複屈折測定においては、必ずしも、nY とnZ を個々に測定する必要はなく、その差のみをできるだけ精密に測定すればよい。
【0115】
もちろん、この測定システムではnY 、nZ 、tを個々に測定できるので、これからΔnを算出することもできる。しかし、屈折率に比べて、複屈折の絶対値ははるかに小さく、より精密な測定が要求される。
【0116】
(3)複屈折測定の原理
(3.1)測定方法および測定系
上記した第1実施例による屈折率nと厚さtの同時精密測定法を用いて、複屈折測定が可能である。以下に測定原理を説明する。
【0117】
図17に示すように、光源はスーパルミネッセントダイオード(SLD)であり、この出射光は低コヒーレンスで可干渉距離が約12μmと短い上に、さらに非偏光(ランダム偏光)である。複屈折測定においては、このSLD光21の非偏光な点が有利である。
【0118】
さて、非偏光なSLD光21をレンズ22で測定サンプル23の前面または後面に集光する。このとき、光の入射方向はサンプル23の主軸Xに沿うものとし、また、光の入射面内におけるYおよびZ軸の方向は任意でよい。光がサンプル23内に入ると、非偏光なSLD光はサンプル23の主軸YとZの方向に偏光する二つの直線偏光波成分に分離して伝搬する。何故なら、複屈折を示すサンプル内では(屈折率はnY ≠nZ )、Y軸とZ軸に偏光する二つの直線偏光波のみが伝搬可能なためである。
【0119】
したがって、サンプル23後面からの反射光は、屈折率nY とnZ を経験した2種類の光の和となり、これ以外の光は反射光には含まれない。
【0120】
また、複屈折測定における光学系は、基本的にはn、t同時測定のもの(図1参照)と全く同じで良い。この光学系において、前述のサンプル23後面からの反射光を参照光と干渉して、フォトダイオードでヘテロダイン検波し、信号処理する。このとき、反射光に含まれる2種類の光は、サンプル23内でそれぞれ異なる光路長nY ×tおよびnZ ×tを経験しているので(ここで、tはサンプルの厚さ)、測定サンプル走査法、レンズ走査法のいずれにおいても、ステージの異なる二つの位置にサンプル23後面からの反射信号が現れる。
【0121】
図18に測定サンプル走査法で得られる信号強度パターンを示す。
【0122】
後面からの二つの信号強度パターン群の中で各々最大ピークをもつパターンを抽出する。これらの信号強度パターンに対応する参照光ミラーの位置が測定できそれぞれxR1Y (=xR1o )、xR1Z (=xR1e )である。さらに、二つのピークの間隔Δzが測定でき、これらの実測量から、複屈折の光路長差Δn・tは、
【0123】
【数13】
となる。ここで、サンプル厚tは第1実施例で既に述べた方法で測定できるので、このtの測定値を用いて所望の複屈折Δnを得ることができる。
【0124】
このように、SLDが非偏光であるために、偏光子/検光子、波長板あるいは偏光回転器を用いることなく、かつサンプル面内の主軸方向は任意の位置で、複屈折が測定できる。これは実用的な測定装置を構成する上で大きな利点となる。
【0125】
(3.2)群屈折率の導入
複屈折Δnは二つの異なる屈折率の差であり、その値は10-1〜10-3である。したがって、屈折率の小数点以下2〜4桁目の数値に影響を与える要因について検討しておく必要がある。
【0126】
さて、光は波動であり、この速度には、波面が伝搬する速度、すなわち「位相速度vp 」と、光のエネルギーが伝搬する速度、すなわち「群速度vg 」がある。通常のレーザ光のようなほぼ完全な単色光においては、両者は等しいと考えて差し支えない。
【0127】
しかしながら、ここで対象とするSLD光では、その発振波長スペクトルは〜25nmも拡がっており、厳密には、とても単色光として取り扱えない。この場合には、種々の波長の光が寄り集まった光の束(波束)として取り扱う必要がある。この波束は、伝搬速度は群速度vg であり、SLDの中心波長λC で定義される位相速度vp とは異なる。
【0128】
媒質中の光の速度をvとして、その屈折率は、n=c/v(ここでc=3×108 m/秒)で与えられる。したがって、vの大きさによってnの値も異なる。今、位相速度vp に対する「位相屈折率np 」、群速度vg に対する「群屈折率をng 」とする。ここで、np とng は屈折率の波長分散〔dn(λ)/dλ〕で関係付けることができ、
【0129】
【数14】
である。上式の右辺第2項が波長分散による変化量であり、λc はSLDの中心波長である。種々の光学結晶の中でも特に波長分散の大きいLiNbO3 では、λc =850nmの時、異常光屈折率ne でng −np =0.0918である。
【0130】
厳密には、特に、上記(3.1)で述べたようなSLDを用いた複屈折測定では、サンプルの主軸方向の「群屈折率の差」を測定することになる。すなわち、所望の測定量には群速度に関与する添字gを加えて、
【0131】
【数15】
とする必要がある。
【0132】
(3.3)測定精度
上記(3.1)および(3.2)での議論は、サンプルに入射するSLD光の波面が平面波であれば全く問題はない。しかしながら、入射光をレンズで集光するために、サンプルへの光の入射波面は球面波となる(図17参照)。この場合には、nY およびnZ の測定において、光の入射軸方向(X軸)の屈折率nX の影響を受け、これが(Δng ×t)の測定誤差の要因となる。
【0133】
XカットLiNbO3 を例にとって、測定誤差について検討した。レンズの開口数をNA=sinθとして、球面波が感ずる異常光屈折率neg(θ)は良く知られた「屈折率楕円体」を用いて計算できる。neg(θ)と平面波照射の場合のneg(0)(=neg=nZg)との差が測定誤差となる。
【0134】
レンズの開口数NA=sinθに対するnegの測定誤差δneの変化を図19に示す。複屈折率測定に使用するレンズは×20対物レンズでsinθ=0.3である。図19より、sinθ=0.3では誤差は、たかだかδne<0.1%であり、これによる複屈折Δng の測定における誤差は<1%が十分に期待できる。
【0135】
(4)実験結果
上述の測定原理を確かめるために、測定サンプルとして、複屈折(Δng 〜0.09)、波長分散(〜0.09)共に大きなXカットLiNbO3 を用いた。
【0136】
測定サンプル走査法で得られたサンプル後面からの反射信号強度パターンを図20に示す。
【0137】
干渉計の参照光ミラーの位置(xR1)を5μmステップで変えて、サンプルを搭載したステージを繰り返し走査すると、常光線及び異常光線の屈折率(nogおよびneg)を経験した反射信号が、次々に分離して得られる〔図20(a)参照〕。常光線と異常光線に関与する二つの信号強度パターン群の中から、最大ピークを示すものを抽出した〔図20(b)参照〕。
【0138】
これら二つのパターンに対応する参照光ミラーの位置xR1o (=1940μm)、xR1e (1830μm)、および最大ピークの間隔Δz(=15μm)から、上記式(13)を用いて、複屈折によるサンプルの光路長差Δng ×t(=95μm)を得た。
【0139】
測定値と理論値を対比して表3にまとめた。
【0140】
【表3】
Δng ×tに関する測定誤差は、1.1%であり、これは実験で精度1μmのステージを使用したためである。また、表3の括弧内の数値は位相屈折率に関する値である。実測値95μmは明らかに光の位相速度による光路長差Δnp ×tとは異なっている。この事実は、複屈折測定においては、光の群速度を考慮した上記式(15)の妥当性を実証するものである。
【0141】
このように第2実施例によれば、上記第1実施例の屈折率nと厚さtの同時精密測定法をもとに、さらに、媒質の群屈折率の差で与えられる複屈折が精度良く測定できることを提案・実証した。
【0142】
この複屈折測定においては、測定サンプル走査法、レンズ走査法のいずれも有効である。現状では、LiNbO3 で測定精度は〜1%であるが、0.1μm精度のステージを用いれば、10-3オーダーの複屈折Δng を数%の精度で測定できると考えている。
【0143】
このように、低コヒーレント光干渉による測定システムでは、屈折率と厚さの同時測定の他に、群屈折率差による複屈折測定の可能性が実証されたことになり、本測定システムの活用範囲は光エレクトロニクス分野でさらに拡大することが期待できる。
【0144】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0145】
【発明の効果】
以上のように、詳細に説明したように、本発明によれば、次のような効果を奏することができる。
【0146】
(1)低コヒーレント干渉光学系と微動ステージを融合した比較的簡単な光学測定系と検出信号処理により、精度の高い測定対象物の屈折率と厚さとを同時に測定することができる。
【0147】
(2)厚さ数100μm以上の媒質の屈折率n及び厚さtを0.1%の高精度で測定できる。
【0148】
(3)集光ビーム照射であるので、媒質の屈折率n及び厚さtの空間分布を測定することができる。
【0149】
(4)また、媒質の測定面は必ずしも鏡面である必要はなく、粗面であっても測定が可能であり、生体組織のように極めて散乱が大きい媒質にも適用することができる(なお、散乱媒質においては、反射直進光を抽出して測定する)。
【0150】
(5)これらの特徴に加え、屈折率が既知の透明板を用いれば、本測定法に基づき、レンズの開口数NAの実測が可能である。
【0151】
(6)なお、低コヒーレント光源は、必ずしもSLDに限るものではなく、閾値以下の注入電流で駆動されるレーザーダイオード(LD)等、可干渉距離が数10μm程度、あるいはそれ以下の光源は全て使用することができる。従って、本測定法において、発振中心波長が相異なる数個のLDを併用することによって、測定対象物の屈折率の波長分散をも測定することができる。
【0152】
(7)低コヒーレント光干渉による測定システムでは、屈折率と厚さ同時測定の他に、群屈折率差による複屈折測定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示すSLDを用いた光干渉法による測定対象物の屈折率と厚さの同時測定の基本的なシステム構成図である。
【図2】本発明の第1実施例を示す測定サンプル走査法とレンズ走査法の説明図である。
【図3】本発明の第1実施例を示す測定サンプル走査法とレンズ走査法の参照光ミラーの動作を示す図である。
【図4】本発明の第1実施例を示す測定サンプル走査法の原理図である。
【図5】干渉計によって検出されるレンズ焦点近傍におけるコヒーレント反射光強度を示す図である。
【図6】本発明の第1実施例を示す測定サンプル走査法で検出される信号光強度パターン群を示す図である。
【図7】本発明の第1実施例を示すレンズ走査法の原理図である。
【図8】本発明の第1実施例を示す参照光ミラーを移動して得られる干渉信号強度パターン(SLDの可干渉性そのもの)を示す図である。
【図9】本発明の第1実施例を示すレンズ走査法で検出される信号光強度パターン群を示す図である。
【図10】本発明の第1実施例を示す測定サンプルの屈折率の測定誤差Δn =10-3を得るための測定条件を示す図である。
【図11】本発明の第1実施例を示す溶融石英ビーム径6mmφのサンプル前面からの反射信号強度パターン群を示す図である。
【図12】本発明の第1実施例を示す溶融石英ビーム径6mmφのサンプル後面からの反射信号強度パターン群を示す図である。
【図13】本発明の第1実施例を示す溶融石英ビーム径6mmφのサンプル前面及び後面からの反射信号強度パターン群を示す図である。
【図14】本発明の第1実施例を示すサファイアビーム径6mmφのサンプル前面からの反射信号強度パターン群を示す図である。
【図15】本発明の第1実施例を示すサファイアビーム径6mmφのサンプル後面からの反射信号強度パターン群を示す図である。
【図16】本発明の第1実施例を示すサファイアビーム径6mmφのサンプル前面及び後面からの反射信号強度パターン群を示す図である。
【図17】本発明の第2実施例を示す入射光の偏光とサンプルの複屈折の主軸を示す図である。
【図18】本発明の第2実施例を示す測定サンプル走査法で得られる信号強度パターンを示す図である。
【図19】本発明の第2実施例を示すレンズの開口数NA=sinθに対するncgの測定誤差δneの変化を示す図である。
【図20】本発明の第2実施例を示す測定サンプル走査法で得られたサンプル後面からの反射信号強度パターンを示す図である。
【符号の説明】
1 SLD(スーパルミネッセントダイオード)
2 ビームスプリッタ(BS)
3 集光レンズ(対物レンズ)
4 第2のステージ
5 測定対象物(透明板)
6 第3のステージ
7 第1のステージ
8 交流電圧源
9 PZT(ピエゾトランスデューサ)
10 参照光ミラー
11 ステージコントローラ
12a,12b リレーレンズ
13 フォトダイオード(PD)
14,16 アンプ
15 高域通過フィルタ
17 サンプリングホールド回路
18 A/Dコンバータ
19 パーソナルコンピュータ(PC)
21 SLD光
22 レンズ
23 測定サンプル
Claims (7)
- (a)低コヒーレント光を出射する光源と、
(b)該光源からの低コヒーレント光を分けるビームスプリッタと、
(c)該ビームスプリッタにより分けられる一方の光を受ける参照光ミラーと、
(d)参照光を位相変調するために前記参照光ミラーを振動させる振動子と、
(e)前記参照光ミラーを微小移動させる第1のステージと、
(f)前記ビームスプリッタにより分けられる他方の光をレンズにより集光して測定対象物に照射する手段と、
(g)前記測定対象物を微小移動させる第2のステージと、
(h)前記測定対象物からの反射光と前記参照光ミラーからの参照光を合波・干渉させて検波する受光素子とを備え、
(i)前記第2のステージを用いて、前記測定対象物の位置を調整し、前記測定対象物の前面に前記一方の光を集光させて基準とし、この状態で前記第1のステージを調整して最大干渉信号強度が得られる参照光ミラーの位置(x F1 )を特定し、次に、前記第2のステージを用いて前記測定対象物を所定距離(z 1 )だけ前記集光レンズに近づけて前記測定対象物の後面に前記一方の光を集光させ、この状態で、干渉信号強度が再び最大になるように前記第1のステージを調整して参照光ミラーの位置(x R1 )を特定し、前記第1のステージの二つの状態の光路差(ΔL 1 =x R1 −x F1 )と前記所定距離(z 1 )との二つの独立な測定値に基づいて、前記測定対象物の屈折率nと厚さtを同時に求めることを特徴とする光干渉法による測定対象物の屈折率と厚さの同時測定装置。 - (a)低コヒーレント光を出射する光源と、
(b)該光源からの低コヒーレント光を分けるビームスプリッタと、
(c)該ビームスプリッタにより分けられる一方の光を受ける参照光ミラーと、
(d)参照光を位相変調するために前記参照光ミラーを振動させる振動子と、
(e)前記参照光ミラーを微小移動させる第1のステージと、
(f)前記ビームスプリッタにより分けられる他方の光をレンズにより集光して測定対象物に照射する手段と、
(g)前記レンズを微小移動させる第3のステージと、
(h)前記測定対象物からの反射光と前記参照光ミラーからの参照光を合波・干渉させて検波する受光素子とを備え、
(h)前記測定対象物からの反射光と前記参照光ミラーからの参照光を合波・干渉させて検波する受光素子とを備え、
(i)前記第3のステージを用いて、前記レンズの位置を調整し、前記測定対象物の前面に前記一方の光を集光させて基準とし、この状態で前記第1のステージを調整して最大干渉信号強度が得られる参照光ミラーの位置(x F2 )を特定し、前記レンズを所定距離(z 2 )だけ前記測定対象物に近づけて前記測定対象物の後面に前記一方の光を集光させ、この状態で、干渉信号強度が再び最大になるように、前記第1のステージを調整して参照光ミラーの位置(x R2 )を特定し、前記第1のステージの二つの状態の光路差(ΔL 2 =x R2 −x F2 =nt)と前記所定距離(z 2 )との二つの独立な測定値に基づいて、前記測定対象物の屈折率nと厚さtを同時に求めることを特徴とする光干渉法による測定対象物の屈折率と厚さの同時測定装置。 - 請求項1又は2記載の光干渉法による測定対象物の屈折率と厚さの同時測定装置において、前記光源はスーパルミネッセントダイオードであることを特徴とする光干渉法による測定対象物の屈折率と厚さの同時測定装置。
- 請求項1又は2記載の光干渉法による測定対象物の屈折率と厚さの同時測定装置において、前記受光素子はヘテロダイン検波するフォトダイオードであることを特徴とする光干渉法による測定対象物の屈折率と厚さの同時測定装置。
- 請求項1又は2記載の光干渉法による測定対象物の屈折率と厚さの同時測定装置において、前記測定対象物は厚さ数100μm以上の媒質であることを特徴とする光干渉法による測定対象物の屈折率と厚さの同時測定装置。
- 請求項1又は2記載の光干渉法による測定対象物の屈折率と厚さの同時測定装置において、前記測定対象物は生体組織であることを特徴とする光干渉法による測定対象物の屈折率と厚さの同時測定装置。
- 請求項1又は2記載の光干渉法による測定対象物の屈折率と厚さの同時測定装置において、前記測定対象物の群屈折率差による複屈折測定手段を付加することを特徴とする光干渉法による測定対象物の屈折率と厚さの同時測定装置。
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