JP2005274428A - 厚さ測定装置ならびに厚さ測定方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光源1と、光源からの光を伝送する光ファイバ12と、光ファイバ12の出射光を被測定物3に照射して検査用反射光を形成する照射手段(集光レンズ23)と、該検査用反射光と光ファイバ12の出射端面12aからの端面反射光とを干渉させて干渉光を形成する干渉部30と、干渉光の光強度を検出する検出手段4、前記端面反射光が、光ファイバ12の出射端面12aから検知手段4に至るまでの光路長を変化させる光路長可変手段(Lステージ39)とを備えてなることを特徴とする厚さ測定装置。
【選択図】 図1
Description
この例の装置にあっては、発光ダイオード(LED)等の低コヒーレンス光源14によって生成された低コヒーレンス光が、光ファイバ17を伝搬し、オプティカルカプラ22を通り、光ファイバ16を伝搬し、レンズ18で集光されてサンプル12に照射される。レンズ18は、光ファイバ16の伝搬光の焦点位置がサンプル12の表面(光学界面)上となるように構成されている。サンプル12の光学界面から反射された光の一部はレンズ18によって収集されて光ファイバ16に入射される。こうして光ファイバ16に入射された反射光の一部は、オプティカルカプラ22および光ファイバ24を介してマイケルソン干渉計20(又は、変更可能な差動時間遅延を有する他の光学自己相関器または干渉計)に向けて出射される。マイケルソン干渉計20では、サンプル12の光学界面からの反射光が、ビームスプリッタ30で2つに分岐される。一方の分岐光は固定逆反射体26に照射され、他方の分岐光は移動可能な逆反射体28に照射される。固定逆反射体26で反射された光と、移動可能な逆反射体28で反射された光は、ビームスプリッタ30で合波されて干渉光を形成し、該干渉光の光強度がフォトダイオードで検知される。
サンプル12が二つの光学界面を有する場合、移動可能な逆反射体28を微動させることにより2つの干渉光ピークが得られる。サンプル12が等方性媒質の場合、該2つのピークの間における逆反射体28の移動量が、サンプル12の光学リタデーション(屈折率nと厚さtの積)に相当する。
ところが、サンプル12への照射光の焦点位置は、サンプル12の一方の光学界面上に位置しているので、第1のピークに比べて第2のピークの強度が非常に小さくなってしまい、このことが測定精度を低下させる一因となっている。
またサンプル12の表面(光学界面)が平坦でない場合には、良好なピークが得られ難く、測定できない場合もある。
さらに、サンプル12の光学界面上に照射光の焦点が位置するように位置調整を行う必要があるので、操作が煩雑になり易いという問題もある。
このように、従来の方法および装置は実用性の点で不満があった。
前記照射手段が、前記光ファイバの出射光を前記被測定物に集光状態で照射する集光手段を備えていることが好ましい。
しかも、かかる参照用の反射光として、光ファイバの出射端面からの端面反射光を利用するので、参照用の反射光を形成するための光学系を別途設ける必要がない。したがって、装置の小型化、軽量化、低コスト化を図り、操作性の向上を実現することができる。
光源光は低コヒーレンス光であることが好ましく、光源1としては、広帯域なバンド幅を有する光を出射できるものが好ましく用いられ、例えばSLD(super-luminescent diode:スーパールミネセントダイオード)やLED(light emitting diode:発光ダイオオード)が好適に用いられる。
被測定物3は、薄板や薄膜等、光の屈折率が異なる媒質の界面間に挟まれた層状であり、光源光を透過可能で、かつ光学的に一様な層とみなせるものが適用される。本実施形態において、被測定物3の屈折率は既知である。
本実施形態において被測定物3の前面および/または後面は平坦面でもよく、凹凸がある粗面であってもよい。本実施形態における被測定物3の前面の面粗さの許容範囲は、接触式測定装置で測定した面粗さの値が±1μm程度の範囲が好ましい。被測定物3の後面の面粗さの許容範囲は、被測定物3を厚さ方向に沿って切断し、その断面を顕微鏡などを用いて観察、測定して得られる面粗さの値が±1μm程度の範囲が好ましい。
被測定物3の厚さは、使用する広帯域光源1のコヒーレンス長よりも、被測定物3の厚さと屈折率の積の値が小さいと分解能の関係により測定が困難になる。被測定物3の厚さの上限は、理論的には、後述する第2のミラー36の移動可能な距離であるが、厚過ぎると被測定物の前面に焦点を位置させたときの反射光量と、後面に焦点を位置させたときの反射光量との差が大きくなるので、被測定物3の厚さは10μm〜10mm程度が好ましく、より好ましくは10μm〜2mm程度である。
サーキュレータ2は3つのポートを有しており、それぞれに第1の光ファイバ11、第2の光ファイバ12、第3の光ファイバ13が接続されている。サーキュレータ2は、第1の光ファイバ11から第2の光ファイバ12へは光が通り、第2の光ファイバ12から第3の光ファイバ13へも光が通るが、これら以外の向きには光が通らないように構成されている。
第1の光ファイバ11、第2の光ファイバ12、および第3の光ファイバ13としては、一般的な伝送用光ファイバが用いられ、石英系ガラスファイバが好適に用いられる。
また被測定物3からの反射光(検査用反射光)は、その全部または一部が、集光レンズ23を経て第2の光ファイバ12に入射される。
集光レンズ23の焦点距離は、特に限定されず、ヘッド部20の大きさや、ヘッド部20から被測定物3までの距離等の条件に応じて決められる。例えば、集光レンズ23の焦点距離が長いほど、測定可能なヘッド部20から被測定物3までの距離の許容範囲が広くなるが、ヘッド部20は大型化する傾向がある。
出射端面12aにおける反射率は特に制限されるものではなく、一般的にフレネル反射による反射率は下記に示すフレネルの公式によって求められる。例えば屈折率1.5のガラスの場合、端面における反射率は約4%程度である。
第1の分岐光路33を進む光は、第1のミラー35で反射され、該反射光は第1の分岐光路33と平行に前記ビームスプリッタ32に入射される。
一方、第2の分岐光路34を進む光は、第2のミラー36で反射され、該反射光は第2の分岐光路33と平行に前記ビームスプリッタ32に入射される。
そして、ビームスプリッタ32は、第2のミラー36からの反射光を直進させるとともに、第1のミラー35からの反射光を、その入射方向に対して直交する方向に進行方向を変えるように構成されており、これによって第1のミラー35の反射光と第2のミラー36の反射光が合波されるようになっている。合波された2つの光は干渉光を生成し、該干渉光は、コリメータ37を経て受光器(検出手段)4に入射され、干渉光信号の光強度が検出されるように構成されている。
本実施形態において、第1のミラー35および第2のミラー36はいずれも、2枚の全反射ミラーを、反射面が内側となるように、かつ該2つの全反射ミラーがなす角度が90度となるように配置した光学素子からなっており、ビームスプリッタ32からの出射光が、該光学素子の一方の反射面に45度の入射角度で入射するように構成されている。すなわち、ビームスプリッタ32から第1のミラー35に入射される光と、第1のミラー35で反射されてビームスプリッタ32へ向かう光、およびビームスプリッタ32から第2のミラー36に入射される光と、第2のミラー36で反射されてビームスプリッタ32へ向かう光とが、それぞれ互いに平行な別々の光路を通るように構成されている。
かかる光学素子を用いると、微動可能なLステージ39の移動中の機械的な角度エラーを、第2の分岐光路34における光の平行移動に変換することができるので、該Lステージ39の移動によって、受光器4に入射される干渉光量の変動を小さくすることができる。
まず、ヘッド部20を被測定物3に向け、集光レンズ23から出射される集光状態の光を被測定物3へ照射する。
被測定物3に照射される光の集光状態は、第2の光ファイバ12から集光レンズ23の主面までの距離A、および集光レンズ23から被測定物3の前面までの距離Bの少なくとも一方が変化すれば変わる。なお集光レンズ23は微動可能に構成されているので、これを前進または後退させることによりAを調節することができる。またBは、ヘッド部20と被測定物3との距離を変化させることにより任意に変更可能である。
例えば、Bの好ましい範囲が決まっているときは、まずそのBの範囲を満たすように被測定物の位置を決めてから、好ましい集光状態が得られるように第2の光ファイバ12から集光レンズ23の主面までの距離Aを決めることができる。またBが任意に変化する場合は、測定の度に、Bに応じて集光レンズ23を前進または後退させてAを設定すればよい。
また、被測定物3の前面における照射光のビーム半径は、例えば、第2の光ファイバ12の出射端面におけるビーム直径が10μmの場合、15〜50μm程度であることが好ましい。
また、集光レンズ23の光軸方向と、被測定物3の厚さ方向とは、ほぼ一致することが好ましいが、本実施形態では若干のズレが許される。具体的には、被測定物3の前面および/または後面の表面粗さ状態にもよるが、例えば集光レンズ23の光軸方向と被測定物3の厚さ方向との成す角度が、±0.5°以下の範囲で測定が可能である。
第2のピークが得られるときの第2のミラー36の位置をL2とする。そして、前記L1からL2へ至るまでの第2のミラー36の移動量をΔLとする。
前記零交差位置に対応するピークの検知は省略することができる。第2のミラー36の移動を開始する前の初期位置は第1のピークが得られる直前であることが好ましい。また第2のミラー36の初期位置を位置センサ等を用いて常に一定に合わせるようにすれば、被測定物3の表面(前面または後面)の表面変位(粗さ)の測定が可能となる。
そして、参照ピークと前面ピークの時間軸上のずれは出射端面12aから被測定物3の前面までの距離Xに対応する。また、前面ピークと後面ピークの時間軸上のずれは被測定物3の厚さtに対応する。したがって、第2のミラー36の移動量ΔLはtに比例する。具体的には△L(mm)=n×t(mm)という関係が成り立つ。
本実施形態において被測定物3の屈折率(n)は既知であるので、第2のミラー36の移動量ΔLから被測定物3の厚さ(t)を求めることができる。
しかも、かかる参照用の反射光として、光ファイバの出射端面からの端面反射光を利用するので、参照用の反射光を形成するための光学系を別途設ける必要がない。したがって、装置の小型化、軽量化、低コスト化を図り、操作性の向上を実現することができる。
また、被測定物3の前面上に照射光の焦点を位置させなくてもよいので、被測定物3の位置決めが容易である。
また、サーキュレータ2を用いたことにより、反射光が光源1に戻るのを効果的に防止することができるので、反射光の戻りが原因で光源1が壊れるおそれがない。
また、第1および第3の光ファイバ11、13については、その一部または全部を、空間中の光路に置き換えることも可能である。
具体的には、集光レンズ23の主面から第2の光ファイバ12の出射端面12aまでの距離Aを、集光レンズ23の焦点距離fと等しくする(f=A)ことにより、被測定物3に平行光を照射することができる。
例えば、本発明の厚さ測定装置を備えた塗布装置を構成すれば、塗布直後の膜厚を厚さ測定装置にて非接触で測定し、その測定結果を塗布装置にフィードバックすることにより塗布量を調整して膜厚を精密に制御することができる。
図1に示す構成の装置において、集光レンズ23の主面から第2の光ファイバ12の出射端面12aまでの距離A(単位:mm)、および集光レンズ23から被測定物3の前面までの距離B(単位:mm)を下記表1に示すように変化させた。被測定物3は、前面が平坦面で、後面が面粗さ1μm、粗さ周期10μmである光学的に一様な膜サンプルを用いた。集光レンズ23の焦点距離は2.3mm(曲率半径2mm)とした。
その結果、被測定物3の厚さを測定できた場合を○、良好なピークが得られずに測定できなかった場合を×として表1に示す。また、○の評価が得られたものについては、10回の繰り返し測定で良好な再現性が得られた。
図1に示す構成の装置を用いて、透明な塗膜の厚さを測定した。該塗膜の後面の面粗さを、被測定物の断面を観察する方法で測定したところ1μm(粗さ周期はランダム)であった。塗膜の前面は平坦であった。
集光レンズ23としては、焦点距離2.8mmのレンズを用いた。集光レンズ23の主面から第2の光ファイバ12の出射端面12aまでの距離A(単位:mm)が約3.2mmで、集光レンズ23から被測定物3の前面までの距離B(単位:mm)が約14mmのとき、塗膜の後面上に焦点が位置している状態となった。そのときの塗膜の前面上におけるビーム半径は、計算によれば20μm程度となる。この状態を初期状態とする。
集光レンズ23の光軸方向と被測定物3の厚さ方向との成す角度を変化させたところ、初期状態に対して、約±0.5°の範囲で測定が可能であった。
また、距離Aを固定して、距離Bを変化させたところ、初期状態に対して約±7mmの範囲で測定が可能であった。
また、ヘッド部20の大きさは直径3mm×長さ18mmの円柱状に形成でき、小型、かつ軽量で操作性に優れていた。
11…第1の光ファイバ、12…第2の光ファイバ、
13…第3の光ファイバ、23…集光レンズ(集光手段)、
32…ビームスプリッタ(干渉手段)、
33…第1の分岐光路、34…第2の分岐光路、
39…Lステージ(光路長可変手段)。
Claims (4)
- 光源と、光源からの光を伝送する光ファイバと、
該光ファイバの出射光を被測定物に照射して検査用反射光を形成する照射手段と、
前記検査用反射光と前記光ファイバの出射端面からの端面反射光とを干渉させて干渉光を形成する干渉手段と、
前記干渉光の光強度を検出する検出手段と、
前記端面反射光が前記光ファイバの出射端面から前記検出手段に至るまでの光路長を変化させる光路長可変手段とを備えてなることを特徴とする厚さ測定装置。 - 前記照射手段が、前記光ファイバの出射光を前記被測定物に集光状態で照射する集光手段を備えていることを特徴とする請求項1記載の厚さ測定装置。
- 屈折率nが既知の被測定物の厚さを測定する方法であって、
光源からの光を光ファイバに入射させ、該光ファイバの出射光を被測定物に照射し、該被測定物からの検査用反射光と前記光ファイバの出射端面からの端面反射光とを干渉させて得られる干渉光の光強度を検出手段で検出する際に、前記端面反射光が前記検知手段に至るまでの光路長を変化させることによって、前記干渉光の光強度のピークを2つ検出し、
該2つのピーク間における前記端面反射光の光路長の変化量△Lを求め、
被測定物の屈折率nと△Lの値を用いて該被測定物の厚さを求めることを特徴とする厚さ測定方法。 - 屈折率nが既知の被測定物の厚さを測定する方法であって、
光源からの光を光ファイバに入射させ、該光ファイバの出射光を被測定物に不完全集光状態で照射して検査用反射光を形成するとともに、
前記光源からの光の一部を反射して参照用反射光を形成し、
前記検査用反射光と前記参照用反射光とを干渉させて得られる干渉光の光強度を検出手段で検出する際に、前記参照用反射光が前記検出手段に至るまでの光路長を変化させることによって、前記干渉光の光強度のピークを2つ検出し、
該2つのピーク間における前記参照用反射光の光路長の変化量△Lを求め、
被測定物の屈折率nと△Lの値を用いて該被測定物の厚さを求めることを特徴とする厚さ測定方法。
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JP2004089487A JP2005274428A (ja) | 2004-03-25 | 2004-03-25 | 厚さ測定装置ならびに厚さ測定方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009270859A (ja) * | 2008-05-01 | 2009-11-19 | Yazaki Corp | 光導波手段の歪み計測装置 |
KR20160141042A (ko) * | 2015-05-27 | 2016-12-08 | 세메스 주식회사 | 박막 두께 측정 센서 |
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2004
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