JP3601694B2 - クランプシリンダのロッドカバー及びクランプシリンダ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、クランプシリンダのシリンダチューブの一端部を塞ぐロッドカバーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のクランプシリンダは、▲1▼シリンダチューブ前端をロッドカバーで塞ぎ、そのロッドカバーのシリンダチューブ内に嵌まり込んでいる軸部分にガイド部材を取付け、そのガイド部材とピストンロッドに設けた旋回用案内溝とを係合させ、ピストンを軸方向に移動させると、ピストンロッドが軸方向移動しつつ旋回するようになっているもの(特公昭62−5739号の第1図)、あるいは、▲2▼ピストンとピストンロッドとが相対回転可能、かつ軸方向相対移動可能であり、ピストンロッドが旋回するときにはピストンロッドは軸方向へ移動しないもの(特公昭62−5739号の第2図)が知られている。これらは、ピストンロッド先端にクランプアームを備えているが、一方で、▲3▼ピストンロッドが単に出没するのみで、ユーザーがそのピストンロッドに適宜クランプ部材を取り付けるようにしたクランプシリンダも知られている。一般に、クランプシリンダのメーカーでは、ユーザーの要求に応じるため、これら各動作形式のクランプシリンダを全て製造するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記では、旋回構造が異なることや、旋回構造を持たないなどの構造上の相違に起因して、従来では、同一のシリンダ孔径かつ同一のピストンロッド径であっても、ロッドカバーの形状が夫々異なっている。これに加えて、従来のものは、各動作形式のクランプシリンダにおいて、特に、ロッドカバーの背面を固定側部材に取付ける取付け面としている場合には、シリンダ室への流体供給の配管ポート位置の相違、即ち、ロッドカバーの側面にポートを設けるか、ロッドカバーの背面に設けるかの違いで、異なる形状のロッドカバーを製作していた。さらに配管ポートをヘッドカバーに設ける場合もあり、この時には、ロッド側には配管ポートが不要となる理由から、全く配管ポートが形成されていないロッドカバーを使用していた。そのため、ロッドカバー形状は配管形式と動作形式を組み合わせた数だけ存在し、部品管理、及び、加工効率の観点から好ましくない問題があった。
この発明の課題は、ロッドカバーを上記各クランプシリンダで共通に適用でき、かつ、配管形式も簡単に選択できる形態として、上記各クランプシリンダを製造する場合に、部品種類を減少させ、安価に製作できるようにすることにある。また、本願発明では、そのようなロッドカバーを使用して、他の配管形式のクランプシリンダと部品を共通としたヘッド側配管形式のクランプシリンダを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題解決のため、この発明のクランプシリンダ用のロッドカバーは、シリンダチューブのシリンダ孔にガイド部材用保持部材背面のガイド部材保持軸部を嵌め込み、ガイド部材用保持部材の前面側の嵌め込み孔にロッドカバー背面の嵌入軸部を嵌入し、ガイド部材保持軸部にガイド部材を設け、ガイド部材とピストンロッドに設けた旋回用案内溝とを係合させてシリンダチューブ内のピストンの軸方向移動により、ピストンロッドが旋回するときには軸方向移動を伴うクランプシリンダを構成し、前記ロッドカバーは、ロッドカバーの前記嵌入軸部とガイド部材保持軸部との直径を同じに設定され、そのロッドカバーは上記クランプシリンダと同一のシリンダ孔内径、同一のピストンロッド直径においては、ピストンの軸方向移動により、ピストンロッドが旋回するときには軸方向移動を伴わない形式のクランプシリンダと、ピストンの軸方向移動により、ピストンロッドが旋回動作を伴うことなく軸方向移動のみ行う形式のクランプシリンダとの、各形式のクランプシリンダのシリンダチューブの一端部を塞ぐロッドカバーとして適用されるものであり、かつ、そのロッドカバーは自体の側面と背面に、前側、後側シリンダ室へ圧流体を給排するための一対の側面配管ポートとそれらの側面配管ポートに連通する一対の端面配管ポートとを備えていることを特徴とする(請求項1)。
このロッドカバーは、上記いずれの動作形式のクランプシリンダに対しても、シリンダ孔内径とピストンロッド径が同一であれば適用でき、しかも、側面配管ポートと端面配管ポートとが設けてあるので、必要に応じていずれかの配管形式とする事が出来、従来、各動作形式毎で、配管形式毎に異なっていたロッドカバーが1種類に統一され、部品管理の点で有利となり、しかも、異なる配管形式、動作形式のクランプシリンダを作る場合でも、ロッドカバーは1種類でよいから製造効率が高く、コストダウンに寄与するところが大きい。
また、このロッドカバーの配管ポートを全て塞ぐことで、ヘッドカバーに、シリンダ室へ流体を給排するヘッド側配管ポートを設けた形式のクランプシリンダへ適用できる(請求項2)。
【0005】
【発明の実施の形態】
先ず、ピストンの軸方向移動により、ピストンロッドが旋回するときには軸方向移動を伴う第1の動作形式であって、側面、端面配管形式を選択可能なクランプシリンダについて説明する。図1において、1はシリンダチューブでアルミ押し出し又は冷間引き抜きの型材から成り、その周壁1a外周には、チューブ軸線方向にセンサ取付け溝2が形成され、また、周壁1aには、チューブ軸線方向に貫通して、複数のボルト貫通孔3が形成されていると共に流体通過孔(片側配管用の軸方向孔)4a,4bが形成された断面を有する。流体通過孔4aは後述のヘッド側配管形式で使用され、流体通過孔4bは、側面、端面配管形式で使用される。シリンダチューブのシリンダ孔5は、チューブ外形がアルミ押し出しで形成されている場合でも、冷間引き抜き加工で形成されている。冷間引き抜き加工によりシリンダ孔5が形成されているため、寸法精度が大変良い。そのため、これまでのように鉄系材料(非磁性材料であればステンレス鋼等)で削り出して加工する必要がなく、また、アルミ押し出しでシリンダ孔を形成した場合と比較すると、冷間引き抜き加工したものは切削などの加工が全く不要で安価に生産できる。
【0006】
7はガイド部材用保持部材で、シリンダチューブ1の外径と同じ外径のフランジ部8と、そのフランジ部8の背面9から軸線後方(図1では下方)へ突出し、シリンダ孔5内部へ大きく入りこむ嵌入軸部としてのガイド部材保持軸部10と、前面側(図1では上面側)の浅い嵌め込み孔11を備えている。ガイド部材用保持部材7には、シリンダチューブ1のボルト貫通孔3に対応してボルト貫通孔12が設けてあり、また、組み付け状態においてロッドカバー13の後述の第1連通路22aと前側シリンダ室P1とを連通する連通路14と、シリンダチューブ1の一方の流体連通路4bとロッドカバー13の第2連通路22bとを連通する連絡流路15bが形成してある。また、後述のヘッド側配管形式の場合に、シリンダチューブ1の他方の流体連通路4aとロッドカバー13の第3連通孔22cとを連通する連絡流路15aが形成してある。
【0007】
ロッドカバー13は、ピストンロッドが摺動孔16内を摺動するので、耐摩耗性の高い鉄系材料、例えばダクタイル鋳鉄でパーライト系の材質から成る。ロッドカバー13は、外形がシリンダチューブ1の外形よりさらにチューブ半径方向の外側に広がった略矩形を成し、その背面17から前記前記嵌め込み孔11に嵌入される短い嵌入軸部18が突出している(図3)。ロッドカバー13の前記嵌入軸部18とガイド部材用保持部材7のガイド部材保持軸部10との直径は同一径に設定されている。背面17において、前記ガイド部材用保持部材7のフランジ部8の前端面(上端面)と対向する部分がシール面19となっている。背面17のシール面19の外側は、機械ベースなど固定側部材への取付け面20となっている。シール面19と取付け面20とは同一平面を形成している。
【0008】
ロッドカバー13には、その側面13aに一対の側面配管ポート21a,21bが設けてある。一方の側面配管ポート21aは、嵌入軸部18の後端面(図1では、下端面)に開口する第1連通路22aとシール面19に開口する第3連通路22cに連通している。第3連通路22cは、後述のヘッド側配管形式で使用される。他方の側面配管ポート21bはシール面19に開口する第2連通路22bに連通している。また、取付け面20には、各側面配管ポート21a,21bに連通する端面配管ポート23a,23bが開口している。ロッドカバー13の背面17には、さらに前記シリンダチューブ1のボルト貫通孔3と対向して所定深さの有底のめねじ孔24が形成されている。ロッドカバー13には、機械ベースなどの固定側部材への取付けボルト101用のボルト孔26が貫通して設けてある。
【0009】
シリンダチューブ1の後端(図1では下端)はヘッドカバー27は、前記センサ取付け溝2と対応してセンサ110を出し入れするためのセンサ挿通溝28と、ボルト貫通孔3に対応するボルト孔29が断面として形成されているアルミの引き抜き型材から構成され、その型材を必要厚さ(必要軸線方向長さ)に切断し、その切断部材を加工して、シリンダ孔5に嵌まり込む短い嵌入軸部30と、ピストンロッドの後端部が入りこむ逃げ孔31と、後側シリンダ室P2と前記流体通過孔4bとを連通させる連絡溝32と、前記ボルト孔29入り口の座ぐり孔33が形成されている。ヘッドカバー27の背面(シリンダチューブ1に対向する面)はすべてシール面34になっており、前記連絡溝32は嵌入軸部30からシール面34にかけて設けてある。
【0010】
ロッドカバー13の背面17と前記ガイド部材用保持部材7との間、ガイド部材用保持部材7とシリンダチューブ1の前端面(上端面)の間、及び、ヘッドカバー27とシリンダチューブ1の後端面(下端面)との間には、シール材として薄い板状のガスケット35,36,37が夫々介在される。ガスケット35〜37は、弾性を有するゴム材料等から成るシール板の間に薄い金属板(アルミ、あるいは鋼板)を挟んで成る。図6に示すように、ヘッドカバー27とシリンダチューブ1との間のガスケット37は、前記センサ挿通溝28、ボルト孔29、及び連絡溝32に対応する部分28E,29E,32Eが切りかかれており、嵌入軸部30の外側に嵌め込まれる。一方、ロッドカバー13とガイド部材用保持部材7との間のガスケット35は、図5に示すように、めねじ孔24、第2連通路22b、端面配管ポート23a,23b、及び、ボルト孔26に対応する部分24E,22bE、23aE、23bE、26Eが切り欠かれており、嵌入軸部18の外側に嵌め込まれて、シール面19のみならず、その外側の取付け面20全体に広がる大きさになっている。第3連通路22cに対応する部分には孔が形成されていないので、この実施形態では第3連通路22cは塞がれる。また、ガイド部材用保持部材7とシリンダチューブ1の前端面との間のガスケット36は、図7に示すように、前記ボルト貫通孔12、連絡流路15bに対応する部分12E,15bEが切り欠かれている。
ロッドカバー13、ガイド部材用保持部材7、シリンダチューブ1、ヘッドカバー27は、これらのガスケット35,36,37を挟んでヘッドカバー27のボルト孔29から4本の締結ボルト38を通し、締結ボルト38は、シリンダチューブ1とガイド部材用保持部材7のボルト貫通孔3、12を通って、先端のおねじ部がロッドカバー13のめねじ孔24にねじ込まれて一体に共締めされてシリンダ本体が構成され、共締めされる各部材13,7,1,27間は夫々ガスケット35,36,37でシールされる。
【0011】
ピストンロッド40はガイド部材用保持部材7とロッドカバー13の摺動孔10a、16を貫通して前方へ突出し、突出部にはクランプアーム41が一体に設けてある。ピストンロッド40の後部は細径の取付軸部42に形成され、この取付軸部42には、シリンダ孔5内を摺動するピストン43の中心孔43aが回動可能に嵌め込んである。取付軸部42の軸線方向後側(図では下側)には、磁石保持部材44がピストン43との間に環状永久磁石45を挟んで回動可能に嵌め込まれ、その後方から締め付けボルト46でピストン43と磁石保持部材44とを前記取付軸部42の段部47との間で挟んでいる。締め付け状態で締め付けボルト46の座金(抜止部材)48の前端面48aは取付軸部42の後端面(下端面)に圧接していて、ピストン43と磁石保持部材44とを取付軸部42の段部47との間で挟持しておらず、ピストン43と磁石保持部材44は取付軸部42に嵌められた状態で、段部47と座金48との間に軸方向に僅かな隙間をもっている。そのため、ピストン43、磁石保持部材44とピストンロッド40とは相対回転できる。取付軸部42とピストン中心孔43aとの間には、シール部材(Oリング)49が介在される。
【0012】
ピストンロッド40の外周には、図8に展開図で示されるように、断面が半円弧で、直進溝51と旋回溝52とからなる旋回用案内溝50が形成されている。前記ガイド部材用保持部材7のガイド部材保持軸部10には半径方向にガイド部材用収容孔53が設けてあり、その収容孔53には、りん青銅から成り、前記旋回用案内溝50に係合するガイド部材としての鋼球54を回転自在に支持する球受部材55が埋設してある。旋回用案内溝50は、ピストン43が後退端(図1)から前進端へ移動すると、鋼球54との係合でクランプアーム(ピストンロッド)41がワークWをクランプしている状態から僅かに前進(上昇)した後、ワークWと対峙しているクランプ角度位置Aからアンクランプ角度位置B(図3参照)に軸線移動しつつ旋回してアンクランプ角度位置Bで僅かに前進(上昇)し、逆にピストン43が前進端から後退端へ移動すると、アンクランプ角度位置Bで僅かに直進下降した後、アンクランプ角度位置Bからクランプ角度位置Aに軸線移動しつつ旋回してクランプ角度位置Aで僅かに直進下降するように形成されている。このクランプシリンダでは、側面配管ポート21a,21bと端面配管ポート23a,23bのいずれか一方の組に配管接続し、他方を埋栓などでふさぐことで側面配管と端面配管との2つの配管形式を選択できる。
【0013】
次に、上記第1の動作形式でヘッド側配管形式のクランプシリンダを説明する。図9,10において、前記実施形態と大きく異なるのは、ヘッドカバー127である。同一シリンダ孔内径でかつピストンロッド直径が同じである時、シリンダチューブ1の断面、ロッドカバー13、内部のピストンロッド旋回構造などは同一形状、同一寸法である。この配管形式の場合、ロッドカバー13側の側面、端面配管ポート21a,21b,23a,23bは使用しないので、上述の側面、端面配管形式のクランプシリンダとの部品の共通性を持たせるためにそれらのポート21a,21b,23a,23bの加工はするが全て埋栓PG1、PG2により塞いでおく。ヘッドカバー127には、一対のヘッド側配管ポート128a,128bが設けてある。一方のヘッド側配管ポート128bは、連通路129を介して後側シリンダ室P2に連通する。他方のヘッド側配管ポート128aは、流体連通孔4aに対応した位置に開口した斜めの連通路130を介して、前述の配管形式では使用していなかった流体連通孔4a、ガイド部材用保持部材7の連通路15a、第3連通路22cを介して、側面配管ポート21a、第1連通路22a、連通路14を経て前側シリンダ室P1に連通している。この配管形式では、前記配管形式で使用していた流体連通孔4bは使用しない。クランプ角度位置Aにあるクランプアーム41の長手中心線CL(図3、10)に対して、前述のセンサ取付け溝2、ボルト貫通孔3、流体連通孔4a,4b、めねじ孔24、ボルト孔26、端面配管ポート23a,23bが対称に形成されていることから、上記連通路の連通のために、ガスケット35,36,37は、表裏を反転して使用される。即ち、ガスケット35では、孔部分22bEが、第3連通路22cに対応する孔位置22cEに位置する。ガスケット36では、孔部分15bEが、連通路15aに対応した孔位置15aEに位置する。ガスケット37では、切り欠き部32Eが、連通路130(流体連通路4a)に対応した孔位置130Eに位置する(夫々、図5〜7において二点鎖線で示す)。
【0014】
次に、ピストンとピストンロッドとが相対回転可能、かつ軸方向相対移動可能であり、ピストンロッドが旋回するときにはピストンロッドは軸方向へ移動しない第2の動作形式のクランプシリンダであって、ロッド側側面、端面配管形式を選択可能な場合を説明する。第1の動作形式のクランプシリンダとの違いは、内部の旋回構造であるが、このような動作形式そのものは、例えば特公昭62−5739号で公知であるので、簡単に説明する。図11において、ピストン43Aを前進(上昇)させると、ピストン43Aは旋回方向をピン70と軸方向案内溝71で規制されて軸方向にのみ所定量移動し、一方、ピストンロッド40Aはその後端部がヘッドカバー27Aとの間で旋回を規制されているのでピストン43Aと共に前進し、ワークWから離れたアンクランプ状態となるとピストンロッド40Aのフランジ72がロッドカバー13に当接して前進を阻止されると共に、ヘッドカバー27Aによるピストンロッド40Aの旋回規制が解除され、その状態で、ピストンロッド40Aに対してピストン43Aが相対的に軸方向に前進移動することで両者間に介在されたガイド部材54Aと旋回用案内溝50Aとによりピストンロッド40Aを軸線方向移動を伴うこと無く所定角度旋回させ、次に、その所定角度旋回した位置から、ピストン43Aを後退させると、ピストンロッド40Aの後退がへッドカバー27Aで阻止された状態で、ピストンロッド40Aに対してピストン43Aが相対的に軸方向後退移動することでピストンロッド40Aが軸線方向移動を伴うこと無く前記と逆方向に所定角度旋回され、次いで、ヘッドカバー27Aによるピストンロッド40Aの後退阻止がなくなって、ピストンロッド40Aが後退して先端のクランプアーム41でワークWをクランプするものである。
【0015】
この動作形式のクランプシリンダでも、前記した第1の動作形態のクランプシリンダと、シリンダ孔5の内径が同一でかつピストンロッド40Aの直径が同じである時、シリンダチューブ1の断面、ロッドカバー13は前記第1の動作形態のクランプシリンダと同一寸法形状である。そのため、この第2の動作形式のクランプシリンダでも、側面と端面配管形式を選択でき、また、前記第1の動作形態のシリンダと同様に、ヘッド側配管を希望する場合には、ヘッドカバーに前記と同様な配管ポートを設けて前後シリンダ室と連通させ、ロッドカバー側の配管ポートは、すべて埋栓で塞げば良い。
【0016】
さらに図12には、ピストンロッド40Bが前後するだけの、前述の2つの動作形態と別の第3の動作形態のクランプシリンダを示す。このシリンダでは、内部に旋回機構を持たないことが前記したシリンダと異なる。前記シリンダチューブ1と同一型材でシリンダチューブ1が構成され、シリンダ孔5の内径と、しかもピストンロッド40Bの直径が同じである場合、ロッドカバー13は、前記した第1、第2の動作形態のシリンダと同一寸法形状である。この動作形態においても、ロッドカバー13の側面と端面の配管の2つの配管形態、及び、ヘッドカバーを前記した第1の実施形態と同じものに変更することで同一寸法形状のロッドカバーでヘッド側配管にも対応できる。
【0017】
【発明の効果】
以上のように本願では、1種類のロッドカバーにより、動作形式の異なる3種類のクランプシリンダのシリンダチューブを塞ぐことができ、しかも、ロッドカバー側面と背面とに側面配管ポートと端面配管ポートとを備えているので、各動作形式のクランプシリンダにおいても、夫々必要に応じていずれかの配管ポートを塞ぐことで配管形式を2種類持つ事ができ、これにより、動作形式が異なり、かつ、配管形式の異なる複数のクランプシリンダに対して、1種類のロッドカバーで対応でき、このような異なる形式のクランプシリンダをシリーズ化して製造する場合に、部品種類を少なくできる利点がある。
また、本願ロッドカバーは、ヘッド側配管ポートを備えたシリンダチューブに対しても適用するようにしたので、側面、及び端面配管ポートを塞ぐことでヘッド側配管でき、各動作形式のシリンダにおいて、さらに別の配管形式を採用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の形式のクランプシリンダの縦断面図である。
【図2】図1のII−II線拡大断面図である。
【図3】図1の平面図である。
【図4】図1のIV視図である。
【図5】ロッドカバー側のガスケットを、シール面、取付け面と共に示す図である。
【図6】ヘッドカバー側のガスケットを示す図である。
【図7】ガイド部材用保持部材のガスケットを示す図である。
【図8】旋回用案内溝を示す展開図である。
【図9】第1の動作形式のクランプシリンダであって別の配管形式のクランプシリンダの平面図である。
【図10】図9の縦断面図である。
【図11】本願のヘッドカバーを適用した第2の動作形式のクランプシリンダである。
【図12】本願のヘッドカバーを適用した第3の動作形式のクランプシリンダである。
【符号の説明】
1 シリンダチューブ
1a 周壁
3 ボルト貫通孔
5 シリンダ孔
13 ロッドカバー
18 ロッドカバーの嵌入軸部
24 めねじ孔
38 締結ボルト
40 ピストンロッド
50 旋回用案内溝
54 鋼球(ガイド部材)
128a,128b ヘッド側配管ポート
PG1,PG2 埋栓
Claims (2)
- シリンダチューブのシリンダ孔にガイド部材用保持部材背面のガイド部材保持軸部を嵌め込み、ガイド部材用保持部材の前面側の嵌め込み孔にロッドカバー背面の嵌入軸部を嵌入し、ガイド部材保持軸部にガイド部材を設け、ガイド部材とピストンロッドに設けた旋回用案内溝とを係合させてシリンダチューブ内のピストンの軸方向移動により、ピストンロッドが旋回するときには軸方向移動を伴うクランプシリンダを構成し、前記ロッドカバーは、ロッドカバーの前記嵌入軸部とガイド部材保持軸部との直径を同じに設定され、そのロッドカバーは上記クランプシリンダと同一のシリンダ孔内径、同一のピストンロッド直径においては、ピストンの軸方向移動により、ピストンロッドが旋回するときには軸方向移動を伴わない形式のクランプシリンダと、ピストンの軸方向移動により、ピストンロッドが旋回動作を伴うことなく軸方向移動のみ行う形式のクランプシリンダとの、各形式のクランプシリンダのシリンダチューブの一端部を塞ぐロッドカバーとして適用されるものであり、かつ、そのロッドカバーは自体の側面と背面に、前側、後側シリンダ室へ圧流体を給排するための一対の側面配管ポートとそれらの側面配管ポートに連通する一対の端面配管ポートとを備えていることを特徴とするクランプシリンダのロッドカバー。
- シリンダチューブの一端部をロッドカバーで塞ぎ、シリンダチューブの他端部をヘッドカバーで塞ぎ、ロッドカバーからピストンロッドが突出しているクランプシリンダにおいて、ロッドカバーを請求項1記載のロッドカバーとし、そのロッドカバーの側面及び端面配管ポートを埋栓で塞ぎ、ヘッドカバーに一対のヘッド側配管ポートを設け、一方のヘッド側配管ポートは後側シリンダ室と連通し、他方のヘッド側配管ポートは、シリンダチューブに形成した流体連通路と前記ロッドカバーの配管ポートと連通している連通路を介して前側シリンダ室に連通するようにしたことを特徴とするクランプシリンダ。
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