JP3588794B2 - クランプシリンダ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ロッドカバーの背面に、機械ベースなどへの取付け面が形成されているクランプシリンダに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のクランプシリンダは、▲1▼シリンダチューブの前端にロッドカバーの嵌入軸部をOリングを介してシリンダ孔に嵌め込んで両者間をシールし、そのロッドカバーの背面が、機械ベースなどの固定側部材への取付け面となっているもの(特公昭62−5739号)、▲2▼シリンダチューブとロッドカバーとが一体成形されていてロッドカバー背面が機械ベースなどの固定側部材への取付け面となっているもの(特開平10−315083号)が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記▲1▼のクランプシリンダでは、ロッドカバーの嵌入軸部にOリング溝を設け、そこにシール用のOリングを装着しているので、Oリング溝形成のために、嵌入軸部の軸線方向長さがある程度必要となる。そのため、シリンダ孔内を軸線方向に移動するピストンの有効ストロークを一定にした場合、前記Oリング溝形成に要する嵌入軸部の軸線方向長さだけシリンダ全長が長くなり、コンパクトさに欠ける問題があった。一方、前記▲2▼ではそのような問題はないが、ロッドカバーとシリンダチューブを一体としているので、例えば、シリンダチューブのみ別材質にしてコストダウンを図りたいなどの場合には、不都合であった。
また、▲1▼▲2▼ともに、ロッドカバーの背面が固定側部材への取付け面となっているが、従来では、この取付け面と固定側部材とは直接当接されて取付けボルトなどで連結されており、加工中の振動等により、取付けボルトが弛むおそれもあった。
【0004】
さらに、前記▲2▼では、ロッドカバーの側面と前記取付け面にシリンダ孔内に連通する圧流体の配管ポートが開口され、何れか一方の配管ポートに流体配管が連結されるが、▲2▼では、側面配管ポートを使用して、端面配管ポートを使用しないときには、その端面配管ポートと固定側部材との間をOリングでシールする構成となっており、小さなOリングを装着することは、わずらわしい作業となっている上に、Oリングの紛失などを引き起こしていた。
この発明の課題は、ロッドカバー背面を固定側部材への取付け面としているクランプシリンダにおいて、ロッドカバーとこれに対向するヘッドカバー側部材との間のシール構造が、固定側部材への取付けボルトの振動等による弛みを防止し得る機能を兼用できる構成のクランプシリンダを提供することにある。また、本願の他の課題は、ロッドカバーに側面配管ポートと端面配管ポートとを備える場合の、端面配管ポートを塞ぐためにOリングを使用しない前記クランプシリンダを提供することにある。なお、シリンダチューブとロッド、ヘッドカバー間を薄いガスケットでシールする構造は知られているが(特開平9−303320号)、これは、ヘッドカバーの背面に取付け面を備えているクランプシリンダではない。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題解決のため、本願では、シリンダチューブの一端をロッドカバーで塞ぎ、ロッドカバーからピストンロッドが突出し、ロッドカバーの背面に固定側部材への取付け面が形成されているクランプシリンダにおいて、ロッドカバーの背面の、ヘッドカバー側部材端面と対向する面部分をシール面とし、そのシール面のシリンダチューブ半径方向外側部分を前記取付け面とすると共にシール面と取付け面とを同一平面とし、そのシール面とヘッドカバー側部材との間に、弾性を有するシール板の間に金属板を挟んで成るガスケットを介在させてシールし、そのガスケットは前記シール面から取付け面まで広がる大きさとなっていることを特徴とする(請求項1)。ヘッドカバー側部材は、シリンダチューブであり(請求項2)、あるいは、シリンダチューブ内側においてロッドカバーと一体に設けたガイド部材とピストンロッドに設けた旋回用案内溝とを係合させてなるピストンロッド旋回式のクランプシリンダにおいて、シリンダチューブとロッドカバーとの間に介在され、前記ガイド部材を保持するガイド部材用保持部材である(請求項7)。
この構成では、ロッドカバーとこれと対向するヘッドカバー側部材との間をシールしているガスケットが、取付け面まで広がっているので、取付け面を固定側部材に取付けボルトで取付けたとき、加工等による振動が作用してもガスケットの弾性により取付けボルトが弛みにくい。また、ロッドカバーとシリンダチューブとが別部材であることから、シリンダチューブを別材質の部材にでき、コストダウン等が図りやすい。また、このように別部材としたものであっても、ロッドカバーとヘッドカバー側部材とのシールにOリングを用いないことで、ロッドカバーのヘッドカバー側部材に対する嵌入軸部長さを短くできて、シリンダ全長を短寸化できる。
【0006】
また、本願では、ロッドカバーの側面に側面配管ポートを備えており、その側面配管ポートと連通する端面配管ポートが前記取付け面に開口しており、前記ガスケットの取付け面に広がる部分が、前記端面配管ポートのシール部材を兼用している(請求項3)。これによれば、端面配管ポートを使用しないときには固定側部材との間のシール部材としてガスケットが兼用され、端面配管ポートに配管されるときには、その配管部材との間のシール部材として兼用され、端面配管ポートのシールに従来のような小さなOリングを使用しないことから、紛失、取付けの煩わしさが回避される。
上述の構成に加えて、シリンダチューブの他端と、その他端を塞ぐヘッドカバーとの間にガスケットを介在させてシールするとより好適である(請求項4)。これによれば、ヘッドカバーとシリンダチューブとをOリングを用いてシールする場合に比べて、ヘッドカバーのシリンダ孔に嵌入する嵌入軸部の長さを短くできて、シリンダ全長が更に短寸化できる。
また、本発明は、シリンダチューブの両端部をロッドカバーとヘッドカバーで塞ぎ、ロッドカバーからピストンロッドが突出し、ロッドカバーの背面に固定側部材への取付け面が形成されているクランプシリンダであって、シリンダチューブ内のピストンの前後のシリンダ室に連通する一対の配管接続ポートがロッドカバー側面に開口している、いわゆる一方向配管可能なクランプシリンダにも適用される(請求項5)。この場合、一対の側面配管ポートに対応して連通する一対の端面配管ポートが前記取付け面に開口しており、前記ガスケットの取付け面に広がる部分が、前記端面配管ポートのシールを兼用している(請求項6)。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1において、1は円筒状のシリンダチューブでアルミ押し出し又はアルミ冷間引き抜きの型材から成り、その周壁1a外周には、図2に示すようにチューブ軸線方向にセンサ取付け溝2が形成され、また、周壁1aには、チューブ軸線方向に貫通して、複数のボルト貫通孔3が形成されていると共に流体通過孔(片側配管用の軸方向孔)4a,4bが形成された断面を有する。シリンダチューブのシリンダ孔5は、チューブ外形がアルミ押し出しで形成されている場合でも、冷間引き抜き加工で形成されている。冷間引き抜き加工によりシリンダ孔5が形成されているため、寸法精度が大変良い。そのため、これまでのように鉄系材料(非磁性材料であればステンレス鋼等)で削り出して加工する必要がなく、また、アルミ押し出しでシリンダ孔を形成した場合と比較すると、冷間引き抜き加工したものは切削などの加工が全く不要で安価に生産できる。また、周壁1a外周には、センサ取付け溝2のほか、比較的広い幅で浅い溝6が円周方向に複数形成されている。このように周壁1aに浅い溝6をいくつか設けておくことで、シリンダチューブ1を作業者が握ったときに一種の滑り止め効果が期待でき、また、円筒状の外形のシリンダチューブ1が転がりにくくなり、組み付け時に便利であり、更に、最外周面の面積が小さくなって運搬などで傷が付きにくくなり外観が向上する。7は他方のカバー部材として示すロッドカバーで、ピストンロッド44が摺動孔8内を摺動するので、耐摩耗性の高い鉄系材料、例えばダクタイル鋳鉄でパーライト系の材質から成る。図3に示すように、ロッドカバー7は、外形がシリンダチューブ1の外形よりさらにチューブ半径方向の外側に広がった略矩形を成し、その背面9から前記シリンダ孔5に嵌入される短い嵌入軸部10が突出している。背面9において、前記シリンダチューブ1の端面と対向する部分がシール面11となっている。背面9のシール面11のチューブ半径方向外側部分は、機械ベースなど固定側部材100への取付け面12となっている。シール面11と取付け面12とは同一平面を形成している。
【0008】
ロッドカバー7には、その側面7aに一対の側面配管ポート15a,15bが設けてある。一方の側面配管ポート15aは、嵌入軸部10の後端面(図では下端面)に開口して前側シリンダ室P1に連通する第1連通路16aに連通している。他方の側面配管ポート15bは、シール面11に開口して前記シリンダチューブ1の一方の流体通過孔4bに連通する第2連通路16bに連通している。また、取付け面12には、各側面配管ポート15a,15bに連通する端面配管ポート17a,17bが開口している。ロッドカバー7の背面9には、さらに前記シリンダチューブ1のボルト貫通孔3と対向して所定深さの有底のめねじ孔18が形成されている。ロッドカバー7の前面(ピストンロッド44突出側)は、摺動孔8から外方へ向けて傾斜面19が形成されている。傾斜面19には、機械ベースなどの固定側部材への取付けボルト用のボルト孔20が設けてある。
【0009】
図5に示すようにシリンダチューブ1の後端(図では下端)を塞ぐ一方のカバー部材としてのヘッドカバー21は、前記センサ取付け溝2と対応してセンサ105を軸線方向から出し入れするためのセンサ挿通溝22とボルト貫通孔3に対応するボルト孔23が断面として形成されているアルミの引き抜き型材から構成され、その型材を必要厚さ(必要軸線方向長さ)に切断し、その切断部材を加工して、シリンダ孔5に嵌まり込む短い嵌入軸部24と、ピストンロッド44の後端部が入りこむ段付孔25と、後側シリンダ室P2と一方の流体通過孔4bとを連通させる連絡溝26と、ボルト孔23の入り口の座ぐり孔27が形成されている。ヘッドカバー21の背面(シリンダチューブ1に対向する面)はすべてシール面28になっており、前記連絡溝26は嵌入軸部24からシール面28にかけて設けてある。ボルト孔23は、その円周の一部が切りかかれた形状となっていてもよい。なお、本実施形態において、他方の流体通過孔4aは使用していない。
【0010】
ロッドカバー7の背面9とシリンダチューブ1の前端面(上端面)の間、及び、ヘッドカバー21とシリンダチューブ1の後端面(下端面)との間には、シール材として薄い板状のガスケット30,31が夫々介在される。ガスケット30,31は、弾性を有するゴム材料等から成るシール板の間に薄い金属板(アルミ、あるいは鋼板)を挟んで成る。ヘッドカバー21とシリンダチューブ1との間のガスケット31(図7)は、前記センサ挿通溝22、ボルト孔23、及び連絡溝26に対応する部分22E、23E,26Eが切りかかれており、嵌入軸部24の外側に嵌め込まれる。一方、ロッドカバー21とシリンダチューブ1との間のガスケット30(図6)は、めねじ孔18、第2連通孔16b、端面配管ポート17a,17b、及びボルト孔20に対応する部分18E、16bE、17aE,17bE,20Eが切り欠かれており、嵌入軸部10の外側に嵌め込まれて、シール面11のみならず、その外側の取付け面12全体に広がる大きさになっている。
ロッドカバー7、シリンダチューブ1、ヘッドカバー21は、これらのガスケット30,31を挟んでヘッドカバー21のボルト孔23から4本の締結ボルト32を通し、締結ボルト32は、シリンダチューブ1のボルト貫通孔3を通って、先端のおねじ部がロッドカバー7のめねじ孔18にねじ込まれて一体に共締めされてシリンダ本体が構成され、ロッドカバー7、ヘッドカバー21とシリンダチューブ1前後端面間は、ガスケット30,31でシールされる。
【0011】
シリンダ孔5には中空のピストン40が軸方向移動自在に嵌装されている。ピストン40外周には軸方向案内溝41が形成され、この案内溝41はシリンダチューブ1に取付けた半径方向のガイドピン42と係合してピストン40を回り止めして直線移動のみさせるようにしてある。ピストン40の中心孔43にピストンロッド44が回転かつ軸方向に移動するように嵌め込まれ、ピストンロッド44はロッドカバー7の摺動孔8を貫通して前方へ突出し、突出部にはクランプアーム45が一体に設けてある。ピストンロッド44には、ピストンロッド44に対するピストン40の前進端を決めるフランジ46が一体に設けてある。ピストンロッド44の後部は細い段付軸47に形成され、段付軸47には、ピストンロッド44に対するピストン40の軸方向後退端を決めるリング状の規制部材48が嵌め込まれ、直径方向の取付ピン49で一体に取付けてある。段付軸47は規制部材48より後方に突出している。
【0012】
ピストンロッド44の外周には、断面が半円弧の旋回用案内溝(案内カム溝)51が形成されている。ピストン40には半径方向のガイド部材収容孔52が設けてあり、その収容孔52には、りん青銅から成り、前記旋回用案内溝51に係合する鋼球53を回転自在に支持する球受部材54が、球受部材54とシリンダ孔5との間にウエアリング55を介在して埋設してある。旋回用案内溝51は、後述の2面幅部56が長孔58から軸方向に抜け出た状態で、ピストン40がピストンロッド44に対して後退端から前進端へ移動すると、鋼球53との係合でクランプアーム45(ピストンロッド44)がクランプ角度位置Aからアンクランプ角度位置Bに旋回し、前進端から後退端へ移動するとアンクランプ角度位置Bからクランプ角度位置Aに旋回するように形成されている。
【0013】
段付軸47の後端部(下端部)には、所定軸方向長さで係止部としての2面幅部56が形成され、この2面幅部56はクランプアーム45がクランプ角度位置Aにあって、ヘッドカバー21に一体に設けた係合ブッシュ57の係合部としての長孔58に嵌まり込んでいるときには(図1,4の状態)、ピストンロッド44を旋回させないように機能する。段付軸47の後端面は、前記2面幅部56が長孔58から軸方向に抜け出た状態において、ピストンロッド44がアンクランプ角度位置Bからクランプ角度位置Aに向けて旋回するとき、係合ブッシュ57のロッド側端面(上端面)で形成される規制端面59と当接して、ピストンロッド44の軸方向後退を規制する係止端面60となっている。前記係合ブッシュ57は鉄系材料から成り、ヘッドカバー21に対して一対の固定ピン61により旋回方向を位置固定され、また、軸線方向はC型止め輪62等で規制されている。ピストン40は、シリンダ孔5との間のシール部材65に対して、ロッドカバー7と軸方向反対側にセンサ用の環状永久磁石66が取付けてある。磁石66は前記規制部材48より大径であって、規制部材48の半径方向外側となる大きさであり、軸線方向をC型止め輪67等で位置規制されている。
【0014】
薄いガスケット30,31でシールする構造としたことで、ロッドカバー7、ヘッドカバー21のシリンダ孔5への嵌入軸部10,24に従来のようにOリング溝を形成しなくてよく、Oリング溝形成のための軸線方向長さが不要となり、シリンダ本体全長が短かくなる。また、シリンダチューブ1と前後のカバー7,21とをヘッドカバー21側からの締結ボルト32で共締めしたので、締結ボルト32の数が少なくてすむ上に、ロッドカバー7の前面にめねじ孔18が貫通していないので、ロッドカバー7が上向きとなる使用形態において、上方から機械加工により切粉が落下してもめねじ孔18に切粉が入りこまず、切粉排出性が良い。また、締結ボルト32はシリンダチューブ1のボルト貫通孔3を通って、外部から見えないので、シリンダ装置の外観がよい。また、シリンダチューブ1をアルミ型材として、締結ボルト32をヘッドカバー21側からロッドカバー7側へ貫通させるためのボルト貫通孔3がシリンダチューブ1の周壁1aに予め断面形状の一部として設けてあるため、シリンダチューブ1にボルト貫通孔3を別途加工する必要が無く、シリンダチューブ1は、型材を必要長さに切断することで直ちに得ることが出来、加工が容易である。また、ヘッドカバー21も、センサ挿通溝22や、ボルト孔23を断面形状として有するアルミ型材を母材として、必要部分に追加加工をしているだけなので、製造容易である。また、ヘッドカバー21をアルミ型材としたものでも、ピストンロッド44の旋回を規制する係合ブッシュ57を鉄系材料で別部材としてヘッドカバー21に取付けたことで、鉄系材料からなるピストンロッド44の2面幅部56や係止端面60との摺接があっても、耐久性が高い。
【0015】
このようなクランプシリンダは、機械や治具ベースなどの固定側部材100にロッドカバー7のボルト孔20を利用して取付けボルト101で締め付けられる。この時、ロッドカバー7の取付け面12に、シール材を兼ねるガスケット30が広がっているので、固定側部材100との間にも前記ガスケット30が挟持される。従って、クランプシリンダでワークやパレットをクランプし、工作機械により加工されるときに、クランプシリンダに振動が作用しても、ガスケット30の弾性により、取付けボルト101の弛みが防止され、クランプ作用が確実である。また、固定側部材100と取付け面12との間がシールされることで、この部分にシールのない場合に比べて、取付け面12から加工に伴う切削液などがシリンダチューブ1の外周面を伝い落ちることが防止でき、その結果、シリンダチューブ1の外周の磁気感応センサを切削液から保護できる。また、ガスケット30が取付け面12に設けてある端面配管ポート17a,17bと固定側部材100との間をシールするため、従来のようにシールのために小さなOリングが不要である。なお、端面配管ポート17a,17bに配管部材を接続するときには、側面配管ポート15a,15bは埋栓で塞ぐが、この時には、前記ガスケット30が端面配管ポート17a,17bと配管部材との間のシールを兼用する。また、側面配管ポート15a,15bに配管する場合において、端面配管ポート17a,17bが固定側部材100と対向しない場合や、固定側部材の表面が粗い場合などのように、前記ガスケット30で端面配管ポート17a,17bがシール不可能な取付け状態であるとき等には、端面配管ポート17a,17bは埋栓で塞がれる。
【0016】
次に動作を説明する。端面配管ポート17a,17bは固定側部材100で塞がれ、側面配管ポート15a,15bから圧流体を給排するものとする。2面幅部56が係合ブッシュ57から抜け出た状態でアンクランプ角度位置Bとなっている状態(図8)から、ポート15a、第1連通路16aを介して前側シリンダ室P1に流体を供給すると、ピストン40がピストンロッド44に対して前進端から後退する。この時、2面幅部56と長孔58との円周方向の位相がずれていて(図4の二点鎖線B1)、ピストンロッド44は係止端面60と係合ブッシュ57の規制端面59とが当接して後退を阻止され、鋼球53と旋回用案内溝51との係合でクランプアーム45はアンクランプ角度位置Bからクランプ角度位置Aへ水平に旋回する。鋼球53がりん青銅の球受部材52で転動案内されているので、旋回用案内溝51内を転動するとき、転動抵抗が極めて小さく、ピストン40を移動させる流体の作動圧力を小さくできる。クランプ角度位置Aとなるとピストン40が規制部材48に当接し、2面幅部56と長孔58の両側面との位相が一致する。この状態でさらに流体作用でピストン40が後退すると、ピストンロッド44は2面幅部56が係合ブッシュ57の長孔58の対向面により旋回を阻止された状態でピストン40が規制部材48を引っ掛けることで一体に後退し、軸線方向下方に引き込まれてワークWをクランプする(図1の状態)。
【0017】
2面幅部56が係合ブッシュ57の長孔58に入りこんで、クランプ角度位置Aでワークをクランプしている状態からポート15b、第2連通路16b、流体通過孔4b、連絡溝26を介して後側シリンダ室P2に圧流体を供給すると、2面幅部56と係合ブッシュ57の長孔58との係合でピストンロッド44が回転阻止されたまま、ピストン40と共に一体に軸線方向に前進(上昇)し、クランプ角度位置Aのまま、ワークWからクランプアーム45が直進して離れる。2面幅部56が係合ブッシュ57の長孔58から軸線方向に抜けるタイミングでフランジ46がロッドカバー7に当接してピストンロッド44は前進を規制され、その状態でピストン40が前進して前記旋回用案内溝51と鋼球53との係合でクランプアーム45がクランプ角度位置Aからアンクランプ角度位置Bへ水平に旋回する。
【0018】
クランプアーム45がクランプ角度位置Aでワークをクランプしている時、および、クランプアーム45がアンクランプ角度位置Bにある時のピストン40の各磁石位置に対応して磁気感応センサ105が前記シリンダチューブ1外側のセンサ取付け溝2に埋設してあり、クランプアーム45が前記クランプ角度位置Aでワークをクランプしている状態、および、クランプアーム45がアンクランプ角度位置Bにある状態となったことがそれらの磁気感応センサ105により検出される。ピストンロッド44に取付ける規制部材48をアルミ合金などの非磁性材料で構成してあり、また、ヘッドカバー21がアルミでそれに設けた鉄系材料から成る係合ブッシュ57を磁石60の内径より小径としたことで、磁石60の磁界が係合ブッシュ57に影響されることが少なく、磁石60によるシリンダチューブ1の半径方向外側への磁界が弱められず、磁気感応センサ105が確実に作動できる。また、センサ105がセンサ取付け溝2内に埋設されて、チューブ1の外方へ露出していないため、クランプシリンダの取付け時に小さな取付け空間で取付けできる。
【0019】
次に別の実施形態を説明する。図9に示すクランプシリンダは、ロッドカバー7とシリンダチューブ1の間にヘッドカバー側部材としてのガイド部材用保持部材200が介在され、ロッドカバー7の短い嵌入軸部10がガイド部材用保持部材200の嵌入孔201に嵌め込まれ、ヘッドカバー21と共に、各部材間をシールするガスケット30,31,202を挟んでヘッドカバー21側から4本の締結ボルト32を通し、前記第1の実施形態と同様に、それらの締結ボルト32は、シリンダチューブ1のボルト貫通孔3を通って、先端のおねじ部がロッドカバー7のめねじ孔18にねじ込まれて一体に共締めされてシリンダ本体が構成され、共締めされる各部材7,200,1,21間は夫々ガスケット30,202,31でシールされる。ロッドカバー7とガイド部材用保持部材200間をシールするガスケット30は、前記同様に、ロッドカバー背面9の、ガイド部材用保持部材20に対向するシール面11のみならず、それよりチューブ半径方向外方となる取付け面12まで広がっている。従って、この実施形態でも、前記同様にガスケット30が取付けボルトの弛み防止や、ロッドカバー背面9の端面配管ポート(図9には図示していないが)のシールを兼ねている。
【0020】
ピストンロッド44はロッドカバー7の摺動孔8を貫通して前方へ突出し、突出部にはクランプアーム45が一体に設けてある。ピストンロッド44の後部にはピストン40が回動自在に嵌め込んである。ピストンロッド44の外周の旋回用案内溝51aと、前記ガイド部材保持部材200に設けた鋼球53とが係合され、ピストン40が後退端(図9)から前進端へ移動すると、これらの旋回用案内溝51aと鋼球53との係合でクランプアーム45がワークをクランプしているクランプ位置からワークから離脱するアンクランプ位置に軸線移動しつつ旋回し、逆にピストン40が前進端から後退端へ移動すると、ワークから離れたアンクランプ位置からワークをクランプするクランプ位置に軸線方向に接近移動しつつ旋回するようになっている。
【0021】
【発明の効果】
以上のように本願では、ロッドカバーとシリンダチューブとが別部材であることから、シリンダチューブを別材質にでき、コストダウン等が図りやすい。また、このように別部材としたものであっても、ロッドカバーとこれに対向する部材との間のシールにOリングを用いないことで、ロッドカバーの嵌入軸部長さを短くできる。また、ロッドカバーとこれと対向する部材との間をシールしているガスケットが、ロッドカバー背面のシール面のみならず、それより外方の取付け面まで広がっているので、取付け面を固定側部材に取付けボルトで取付けたとき、加工等による振動が作用してもガスケットの弾性により取付けボルトが弛みにくい。
【0022】
また、本願では、取付け面と固定側部材との間にガスケットが介在されるので、この部分から切削液がシリンダチューブ外周に伝い落ちることを防止できる。また、本願では、ガスケットの取付け面に広がる部分が、端面配管ポートのシール部材を兼用しているので、端面配管ポートを使用しないときには固定側部材との間のシール部材としてガスケットが兼用され、端面配管ポートに配管されるときには、その配管部材との間のシール部材として兼用され、端面配管ポートのシールに従来のような小さなOリングを使用しないことから、紛失、取付けの煩わしさが回避される。
また本願では、シリンダチューブの他端と、その他端を塞ぐヘッドカバーとの間もガスケットでシールしたので、ヘッドカバーのシリンダ孔に嵌入する嵌入軸部の長さを短くできて、シリンダ全長が更に短寸化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願クランプシリンダの縦断面図である。
【図2】図1のII−II線断面拡大図である。
【図3】図1の平面図である。
【図4】図1のIV−IV線断面図である。
【図5】図1のV視図である。
【図6】ロッドカバー側のガスケットを、シール面、取付け面と共に示す図である。
【図7】ヘッドカバー側のガスケットを示す図である。
【図8】アンクランプ状態を示す断面図である。
【図9】他の実施形態である。
【符号の説明】
1 シリンダチューブ
7 ロッドカバー
9 背面
11 シール面
12 取付け面
15a,15b 側面配管ポート
17a,17b 端面配管ポート
30 ガスケット
31 ガスケット
44 ピストンロッド
51 旋回用案内溝
53 鋼球(ガイド部材)
200 ガイド部材用保持部材
Claims (7)
- シリンダチューブの一端をロッドカバーで塞ぎ、ロッドカバーからピストンロッドが突出し、ロッドカバーの背面に固定側部材への取付け面が形成されているクランプシリンダにおいて、ロッドカバーの背面の、ヘッドカバー側部材端面と対向する面部分をシール面とし、そのシール面のシリンダチューブ半径方向外側部分を前記取付け面とすると共にシール面と取付け面とを同一平面とし、そのシール面とヘッドカバー側部材との間に、弾性を有するシール板の間に金属板を挟んで成るガスケットを介在させてシールし、そのガスケットは前記シール面から取付け面まで広がる大きさとなっていることを特徴とするクランプシリンダ。
- シリンダチューブの一端をロッドカバーで塞ぎ、ロッドカバーからピストンロッドが突出し、ロッドカバーの背面に固定側部材への取付け面が形成されているクランプシリンダにおいて、ロッドカバーの背面の、シリンダチューブ端面と対向する面部分をシール面とし、そのシール面のシリンダチューブ半径方向外側部分を前記取付け面とすると共にシール面と取付け面とを同一平面とし、そのシール面とシリンダチューブとの間に、弾性を有するシール板の間に金属板を挟んで成るガスケットを介在させてシールし、そのガスケットは前記シール面から取付け面まで広がる大きさとなっていることを特徴とするクランプシリンダ。
- ロッドカバーの側面に側面配管ポートを備えており、その側面配管ポートと連通する端面配管ポートが前記取付け面に開口しており、前記ガスケットの取付け面に広がる部分が、前記端面配管ポートのシール部材を兼用していることを特徴とする請求項1または2記載のクランプシリンダ。
- シリンダチューブの他端と、その他端を塞ぐヘッドカバーとの間にガスケットを介在させてシールしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のクランプシリンダ。
- シリンダチューブの両端部をロッドカバーとヘッドカバーで塞ぎ、ロッドカバーからピストンロッドが突出し、ロッドカバーの背面に固定側部材への取付け面が形成されているクランプシリンダであって、シリンダチューブ内のピストンの前後のシリンダ室に連通する一対の側面配管ポートがロッドカバー側面に開口しているクランプシリンダにおいて、ロッドカバーの背面の、シリンダチューブ端面と対向する面部分をシール面とし、そのシール面のシリンダチューブ半径方向外側部分を前記取付け面とすると共にシール面と取付け面とを同一平面とし、そのシール面とシリンダチューブ間に、弾性を有するシール板の間に金属板を挟んで成るガスケットを介在させてシールし、そのガスケットを前記シール面から取付け面まで広がる大きさとすると共に、シリンダチューブの他端と、その他端を塞ぐヘッドカバーとの間にガスケットを介在させてシールしたことを特徴とするクランプシリンダ。
- 一対の側面配管ポートに対応して連通する一対の端面配管ポートが前記取付け面に開口しており、前記ガスケットの取付け面に広がる部分が、前記端面配管ポートのシール部材を兼用していることを特徴とする請求項5記載のクランプシリンダ。
- シリンダチューブの一端をロッドカバーで塞ぎ、ロッドカバーからピストンロッドが突出し、ロッドカバーの背面に固定側部材への取付け面が形成され、そのロッドカバーとシリンダチューブ内側において一体に設けたガイド部材とピストンロッドに設けた旋回用案内溝とを係合させてなるピストンロッド旋回式のクランプシリンダにおいて、シリンダチューブとロッドカバーとの間にガイド部材用保持部材を介在させてロッドカバーとガイド部材保持用部材との間を、弾性を有するシール板の間に金属板を挟んで成るガスケットでシールし、そのガスケットは、ロッドカバー背面の、ガイド部材保持用部材と対向するシール面から、そのシール面と同一平面で形成され、シリンダチューブ半径方向外側部分となる前記取付け面まで広がっていることを特徴とするクランプシリンダ。
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