JP3599082B2 - 渦流量計 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、製造コストが低減出来、長期信頼性が向上し、耐振動特性が向上された渦流量計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図9は、従来より一般に使用されている従来例の構成説明図で、例えば、特開平3−020618号(特願平1−033256号)に示されている。
10は流体が流れる管路、11は管路10に直角に設けられた円筒状のノズルである。
【0003】
12はノズル11とは間隔を保って管路10に直角に挿入された台形断面を持つ柱状の渦発生体であり、その一端は、ネジ13により管路10に支持され、他端はフランジ部14でノズル11にネジ或いは溶接により固定されている。
15は渦発生体12のフランジ部14側に設けられた凹部である。
【0004】
この凹部15の中には、その底部から順に金属製の第1コモン電極16、圧電素子17、電極板18、絶縁板19、電極板20、圧電素子21がサンドイッチ状に配列され、金属製の押圧棒22でこれ等は押圧固定されている。
さらに、電極板18からはリ−ド線23、電極板20からはリ−ド線24がそれぞれ端子A、Bに引き出されている。
【0005】
圧電素子17、21は、各圧電素子17、21の紙面に向かって左側と右側とがそれぞれ逆方向に分極されており、同じ方向の応力に対して互いに上下の電極に逆極性の電荷を発生する。
【0006】
圧電素子17に発生した電荷は、電極板18と接続された端子Aと、台座16を介して接続された管路10との間に得られ、圧電素子21に発生した電荷は電極板20と接続された端子Bと、押圧棒20と接続された管路10との間に得られる。
【0007】
この2個の電極板18、20に発生した電荷は、図10に示すように電荷増幅器25、26に入力される。電荷増幅器25の出力と、電荷増幅器26の出力をボリウム27を介した出力とを、加算器28で加算して流量信号を得る。この流量信号は、例えば電流出力に変換されて、2線を介して負荷に伝送される(図示せず)。
次に、以上のように構成された渦流量計の動作について図11と図12を用いて説明する。
【0008】
流体が管路10の中に流れると、渦発生体12に矢印Fで示した方向にカルマン渦による振動が発生する。この振動により渦発生体12には図11(a)に示すような応力分布とこの逆の応力分布の繰返しが生じ、各圧電素子17、21には図11(a)に示す渦周波数を持つ信号応力に対応した電荷+Q、−Qの繰返しが生じる。なお、図11においては説明の便宜のため電極板18或いは21を紙面に対して左右に2つに分割し、かつ上下の一方の電極は台座16あるいは押圧棒22に相当するものとしてある。
【0009】
一方、管路10にはノイズとなる管路振動も生じる。この管路振動は▲1▼流体の流れと同じ方向の抗力方向、▲2▼流体の流れとは直角方向の揚力方向、▲3▼渦発生体の長手方向の3方向成分に分けられる。このうち、抗力方向の振動に対する応力分布は図11(b)に示すようになり、1個の電極内で正負の電荷は打ち消されてノイズ電荷は発生しない。また、長手方向の振動に対しては図11(c)に示すように電極内で打ち消されて抗力方向と同様にノイズ電荷は発生しない。
【0010】
しかし、揚力方向の振動は信号応力と同一の応力分布となりノイズ電荷が生じる。そこで、このノイズ電荷を消去するために以下の演算を実行する。圧電素子17、21の各電荷をQ1、Q2、信号成分をS1、S2、揚力方向のノイズ成分をN1、N2とし、圧電素子17、21で分極を逆とするとQ1、Q2は次式で示される。
Q1=S1+N1
−Q2=−S2−N2
【0011】
ただし、S1とS2、N1とN2のベクトル方向は同じである。ここで、圧電素子17、21の信号成分とノイズ成分の関係は図12(この図は揚力方向のノイズと信号に対する渦発生体の曲げモ−メントの関係を示す)に示すようになっているので、図10に示すように圧電素子17側の電荷増幅器25の出力を加算器28で加算する際にボリウム27と共にN1/N2倍して圧電素子21側の電荷増幅器26の出力と加算すると、
Q1−Q2(N1/N2)=S1−S2(N1/N2)
となり管路ノイズは除去される。
【0012】
しかして、第1コモン電極16、圧電素子17、電極板18、絶縁板19、電極板20、圧電素子21は、凹部15に押圧棒22で押圧固定されている。ここで渦発生体12と第1コモン電極16、圧電素子17、電極板18、絶縁板19、電極板20、圧電素子21、押圧棒22との温度膨脹を等しくしておけば、測定流体温度が変化しても、初期の押付け力は変化しないので、問題は無い。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この様な装置においては、
(1)渦発生体上部に渦発生体と一体化した応力検出部を収納するノズル部11が必要である。このため、管路10は割高な鋳造物が採用されている。
【0014】
(2)また、S/N比を大きくするためには、応力検出部の長さが、ある程度、長くすることが求められる。この結果、応力検出センサが配置される凹部15の内径が小さい、小口径用においては、長い穴加工が必要となり、この長い穴加工は容易でなく、微小口径では設計が困難である。
【0015】
(3)つぎに、ノズル11と渦発生体12との間には、隙間が存在するが、この隙間に剛性の高い異物が固着し、支持端を形成すると、図12に示したモーメントパターンが変化し、耐振動特性が劣化する欠点がある。
(4)口径に比例して、応力検出部の共振周波数が低下し、図12(b)で想定した曲げモーメントにならず、N1,N2での位相差が生じる。このため、大口径での耐振動特性は、高周波で劣化し、大口径での耐振動特性が悪い。
【0016】
本発明は、この問題点を解決するものである。
本発明の目的は、製造コストが低減出来、長期信頼性が向上し、耐振動特性が向上された渦流量計を提供するにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明は、
(1)測定管路に挿入された渦発生体により発生する渦周波数を検出して流量を測定する渦流量計において、
前記渦発生体により発生する渦周波数を検出するように前記測定管路に設けられた第1の圧力センサと該第1の圧力センサに対向して前記測定管路の半径方向に設けられ該第1の圧力センサの検出管路振動ノイズと同相の管路振動ノイズを検出する第2の圧力センサとを具備する第1の圧力センサユニットと、前記渦発生体により発生する渦周波数を検出するように前記測定管路に設けられた第3の圧力センサと該第3の圧力センサに対向して前記測定管路の半径方向に設けられ該第3の圧力センサの検出管路振動ノイズと同相の管路振動ノイズを検出する第4の圧力センサとを具備し前記渦発生体に対して前記第1の圧力センサユニットに対称に前記測定管路に設けられた第2の圧力センサユニットと、前記第1の圧力センサと前記第2の圧力センサとの出力を演算して前記第1の圧力センサと前記第2の圧力センサとが検出した管路振動ノイズを除去する第1管路振動ノイズ除去回路と、前記第3の圧力センサと前記第4の圧力センサとの出力を演算して前記第3の圧力センサと前記第4の圧力センサとが検出した管路振動ノイズを除去する第2管路振動ノイズ除去回路と、前記第1管路振動ノイズ除去回路と第2管路振動ノイズ除去回路との出力を演算して前記第1の圧力センサと前記第3の圧力センサとが検出した脈動圧ノイズを除去する脈動圧ノイズ除去回路とを具備したことを特徴とする渦流量計。
(2)前記圧力センサとして圧電素子が使用されたことを特徴とする請求項1記載の渦流量計。
(3)前記第1の圧力センサと前記第2の圧力センサ及び前記第3の圧力センサと前記第4の圧力センサとがそれぞれ前記管壁を挟んで対称に設けられたことを特徴とする請求項1記載の渦流量計。
を構成したものである。
【0018】
【作用】
以上の構成において、測定流体が流されると、渦発生体から渦が放出され、渦発生体の下流側に渦列が形成される。
渦の有する循環流により負圧が生じる。
【0019】
このため、第1の圧力センサユニツトでは、第1の圧力センサには、前記負圧に対応する応力が発生する。即ち、第1の圧力センサには、前記負圧に対応した信号交番電荷が発生する。
一方、第2の圧力センサには、信号電荷の発生はない。
【0020】
管路振動に対しては、第1の圧力センサと第2の圧力センサとは、振動加速度により、各々管路振動ノイズ電荷を発生する。
【0021】
また、測定流体に脈動圧がある場合には、第1の圧力センサに、脈動圧ノイズ電荷が発生する。
一方、第2の圧力センサには、脈動圧ノイズ電荷の発生はない。
【0022】
次に、第2の圧力センサユニツトでは、第3の圧力センサには、前記負圧に対応した応力が発生する。即ち、第3の圧力センサには、前記負圧に対応した信号交番電荷が発生する。
一方、第4の圧力センサには、信号電荷の発生はない。
【0023】
管路振動に対しては、第3の圧力センサと第4の圧力センサとは、振動加速度により、各々管路振動ノイズ電荷を発生する。
【0024】
また、測定流体に脈動圧がある場合には、第3の圧力センサに、脈動圧ノイズ電荷が発生する。
一方、第4の圧力センサには、脈動圧ノイズ電荷の発生はない。
【0025】
但し、圧力センサは寸法が小さく、共振周波数が高い事と、同じ配管上から、同一の大きさ、位相で加わるので、管路振動ノイズは同相で、大きさは等しい。
【0026】
脈動圧によるノイズは、第1の圧力センサユニツトと第2の圧力センサユニツトとが互いに対峠して取付られているので、同相で大きさは等しい。すなわち、脈動圧は縦波であり、発生源からの距離が等しければ、位相は同相となる。
【0027】
各圧電センサの出力は、第1管路振動ノイズ除去回路,第2管路振動ノイズ除去回路によって、それぞれ、管路振動ノイズが除去され、また、脈動圧ノイズ除去回路によって、脈動圧ノイズが除去される。
以下、実施例に基づき詳細に説明する。
【0028】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施例の要部構成説明図、図2は図1の平面図、図3は図2の要部詳細説明図、図4は図1の回路構成説明図、図5は図1の動作説明図、図6は図1の動作説明図である。
【0029】
31は管路、32は渦発生体である。渦発生体32の管路31への取付方法に付いては、例えば、市販のパイプへ渦発生体32を溶接して構成しても良い。
また、小口径においては、精密鋳造(ロストワックス)で一体に鋳物にすることにより、コストダウンを図る事も可能である。
【0030】
33は、渦発生体32により発生する渦周波数を検出するように、測定管路31に設けられた第1の圧力センサ34と、第1の圧力センサ34に対向して測定管路31の半径方向に設けられ、第1の圧力センサ34の検出管路振動ノイズN1と同相の管路振動ノイズN1を検出する第2の圧力センサ35とを具備する第1の圧力センサユニットである。
この場合は、圧力センサは圧電素子が使用されている。
【0031】
具体的には、この場合は、図3に示す如く、第1の圧力センサユニット33は、測定管路31に取付られた第1のホルダ36の底面に、第1の圧力センサ34、第1の絶縁体37、第1の固定体38、第1の皿ばね39と順次積み重ねられている。
【0032】
しかして、第1のホルダ36に取付られた第2のホルダ41の底面に、第2の圧力センサ35、第2の絶縁体42、第2の固定体43、第2の皿ばね44と順次積み重ねられている。
【0033】
51は、渦発生体32により発生する渦周波数を検出するように、測定管路31に設けられた第3の圧力センサ52と、第3の圧力センサ52に対向して測定管路31の半径方向に設けられ、第3の圧力センサ52の検出管路振動ノイズN2と同相の管路振動ノイズN2を検出する第4の圧力センサ53とを具備し,渦発生体32に対して第1の圧力センサユニット33に対称に測定管路31に設けられた第2の圧力センサユニットである。
この場合は、圧力センサは圧電素子が使用されている。
【0034】
具体的には、この場合は、図3に示す如く、第2の圧力センサユニット51は、測定管路31に取付られた第3のホルダ54の底面に、第3の圧力センサ52、第3の絶縁体55、第3の固定体56、第3の皿ばね57と順次積み重ねられている。
【0035】
しかして、第3のホルダ54に取付られた第4のホルダ58の底面に、第4の圧力センサ53、第4の絶縁体59、第4の固定体61、第4の皿ばね62と順次積み重ねられている。
なお、皿ばねは、圧力センサに対して、予め圧縮力を加え、測定流体の温度変化によりホルダが熱膨張しても、圧縮力を維持するために使用されている。
【0036】
71は、チャージコンバータ72、チャージコンバータ73をそれぞれ介して、第1の圧力センサ34と第2の圧力センサ35との出力を演算して、第1の圧力センサ34と第2の圧力センサ35とが検出した管路振動ノイズN1を除去する第1管路振動ノイズ除去回路である。
この場合は、差動増幅器71が使用されている。
【0037】
74は、チャージコンバータ75、チャージコンバータ76をそれぞれ介して、第3の圧力センサ52と第4の圧力センサ53との出力を演算して、第3の圧力センサ52と第4の圧力センサ53とが検出した管路振動ノイズN2を除去する第2管路振動ノイズ除去回路である。
この場合は、差動増幅器74が使用されている。
【0038】
77は、第1管路振動ノイズ除去回路71と第2管路振動ノイズ除去回路74との出力を演算して、第1の圧力センサ34と第3の圧力センサ52とが検出した脈動圧ノイズN3を除去する脈動圧ノイズ除去回路である。
この場合は、差動増幅器77が使用されている。
【0039】
以上の構成において、図2に示す如く、測定流体が流されると、渦発生体32から渦が放出され、渦発生体32の下流側に渦列が形成される。
渦の有する循環流により負圧が生じる。
【0040】
このため、第1の圧力センサユニツト33では、測定流体に接する第1のホルダ36の底面には、ΔPなる圧力変動が加わる事により、第1の圧力センサ34には、ΔPなる応力が発生する。即ち、第1の圧力センサ34には、ΔPに対応しS1なる交番電荷が発生する。
一方、第2の圧力センサ35には、信号電荷S1の発生はない。
【0041】
管路振動に対しては、第1の圧力センサ34と第2の圧力センサ35とは、振動加速度により、各々ノイズ電荷N1を発生する。
【0042】
また、測定流体に脈動圧がある場合には、第1の圧力センサ34に、ノイズ電荷N3が発生する。
一方、第2の圧力センサ35には、ノイズ電荷N3の発生はない。
【0043】
一方、第2の圧力センサユニツト51では、測定流体に接する第3のホルダ54の底面には、ΔPなる圧力変動が加わる事により、第3の圧力センサ52には、ΔPなる応力が発生する。即ち、第3の圧力センサ52には、ΔPに対応しS2なる交番電荷が発生する。
一方、第4の圧力センサ53には、信号電荷S2の発生はない。
【0044】
管路振動に対しては、第3の圧力センサ52と第4の圧力センサ53とは、振動加速度により、各々ノイズ電荷N2を発生する。
【0045】
また、測定流体に脈動圧がある場合には、第3の圧力センサ52に、ノイズ電荷N3が発生する。
一方、第4の圧力センサ53には、ノイズ電荷N3の発生はない。
【0046】
但し、圧力センサ34,35,52,53は寸法が小さく、共振周波数が高い事と、振動加速度はホルダ36、41、あるいはホルダ54,58を介して、同じ配管上から、同一の大きさ、位相で加わるので、管路振動ノイズN1あるいはN2は同相で、大きさは等しい。
【0047】
脈動圧によるノイズN3は、第1の圧力センサユニツト33と第2の圧力センサユニツト51とが互いに対峠して取付られているので、同相で大きさは等しい。すなわち、脈動圧は縦波であり、発生源からの距離が等しければ、位相は同相となる。
以上の関係を図5に示す。
【0048】
図4は、これらの圧力センサ34,35,52,53の発生電荷からノイズ成分N1、N2、N3を除去し、信号成分S1、S2を得る回路構成例を示したものである。
【0049】
図4から明らかな様に、各圧電センサ34,35,52,53の出力は、チャージコンバータ72、73、75、76によって、低インピーダンスの電圧に変換された後に、第1管路振動ノイズ除去回路(差動増幅器)71と第2管路振動ノイズ除去回路74(差動増幅器)によって、それぞれ、管路振動ノイズN1、N2が除去され、また、脈動圧ノイズ除去回路(差動増幅器)77によって、脈動圧ノイズN3が除去される。
【0050】
ここで、出力eOUTは、eOUT=S1−S2となるが、図6に示す如く、S1とS2とは逆位相であることから、信号振幅は減少する事はない。
【0051】
なお、圧電センサ34,35,52,53のバラツキ等によって、発生電荷量の大きさに各圧電センサ34,35,52,53で差異が生じる場合は、各回路71,74,77で調整されれば良い。
【0052】
この結果、
(1)管路31に安価な市販の鋼管が使用出来るので、製造コストを低減出来る渦流量計が得られる。この効果は、管路31が大口径になほど効果が大きくなる。
【0053】
(2)圧力センサユニット33,51は、使用される管路31の口径が変わっても、基本的には、同じ大きさの圧力センサユニット33,51が使用出来るので、量産効果が得られ、製造コストを低減出来る渦流量計が得られる。
【0054】
(3)圧力センサユニット33,51の共振周波数が、構造上高くなり、高周波の管路振動に対しても、圧電センサ34,35,52,53間でのノイズの位相差が生ぜず、耐震特性が向上された渦流量計が得られる。特に、管路31が大口径になほど著しいと考えられる。
【0055】
(4)従来例に於いては、ノズル11と渦発生体12との間には、隙間が存在し、この隙間に剛性の高い異物が固着する恐れがあり、耐振動特性が劣化する欠点があるが、本発明において、このような隙間がないので、長期信頼性が向上された渦流量計が得られる。
【0056】
図7は本発明の他の実施例の要部構成説明図、図8は図7の平面図である。
本実施例においては、第1の圧力センサユニット33と第2の圧力センサユニット51とを、渦発生体32の下流でなく、渦発生体32と同一面上に配置したものである。要するに、圧力センサユニット33,51は、渦発生体32に基づくカルマン渦による圧力変動が生じている管路31の管壁上に有れば良い。
【0057】
また、図1実施例の如く、一直線上に配置する必要はなく、要するに、渦発生体32を挟んで対称に配置されれば良い。
【0058】
また、図4の回路構成において、差動増幅器71,74,77によるノイズ成分N1、N2、N3の除去を示したが、第1の圧電センサ34と第2の圧電センサ35での分極方向と第3の圧電センサ52と第4の圧電センサ53での分極方向が逆になる様に配置してノイズN1、N2、N3を除去する様にすれば、第1管路振動ノイズ除去回路71、第2管路振動ノイズ除去回路74と脈動圧ノイズ除去回路77とを、ゲイン調整が容易な加算器によって構成することが出来る。
【0059】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の請求項1によれば、
(1)管路に安価な市販の鋼管が使用出来るので、製造コストを低減出来る渦流量計が得られる。この効果は、管路が大口径になほど効果が大きくなる。
【0060】
(2)圧力センサユニットは、使用される管路の口径が変わっても、基本的には、同じ大きさの圧力センサユニットが使用出来るので、量産効果が得られ、製造コストを低減出来る渦流量計が得られる。
【0061】
(3)圧力センサユニットの共振周波数が、構造上高くなり、高周波の管路振動に対しても、圧電センサ間でのノイズの位相差が生ぜず、耐震特性が向上された渦流量計が得られる。特に、管路が大口径になほど著しいと考えられる。
【0062】
(4)従来例に於いては、ノズルと渦発生体との間には、隙間が存在し、この隙間に剛性の高い異物が固着する恐れがあり、耐振動特性が劣化する欠点があるが、本発明において、このような隙間がないので、長期信頼性が向上された渦流量計が得られる。
【0063】
本発明の請求項2によれば、高いキュリー温度を有する圧電素子を選択したので、高温まで使用出来、また、電力の供給が不要であり、センサ部が安価で信頼性の高い渦流量計が得られる。
【0064】
本発明の請求項3によれば、第1の圧力センサと第2の圧力センサ及び第3の圧力センサと第4の圧力センサとがそれぞれ管壁を挟んで対称に設けられたので、脈動圧が発生している場合でも、脈動圧を簡単に除去出来、安定した測定流体の流量計測が可能な渦流量計が得られる。
【0065】
従って、本発明によれば、製造コストが低減出来、長期信頼性が向上し、耐振動特性が向上された渦流量計を実現することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の要部構成説明図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図2の要部詳細説明図である。
【図4】図1の回路構成説明図である。
【図5】図1の動作説明図である。
【図6】図1の動作説明図である。
【図7】本発明の他の実施例の要部構成説明図である。
【図8】図7の平面図である。
【図9】従来より一般に使用されている従来例の構成説明図である。
【図10】図9の変換部の要部構成説明図である。
【図11】図9の動作説明図である。
【図12】図9の動作説明図である。
【符号の説明】
31 管路
32 渦発生体
33 第1の圧力センサユニット
34 第1の圧力センサ
35 第2の圧力センサ
36 第1のホルダ
37 第1の絶縁体
38 第1の固定体
39 第1の皿ばね
41 第2のホルダ
42 第2の絶縁体
43 第2の固定体
44 第2の皿ばね
51 第2の圧力センサユニット
52 第3の圧力センサ
53 第4の圧力センサ
54 第3のホルダ
55 第3の絶縁体
56 第3の固定体
57 第3の皿ばね
58 第4のホルダ
59 第4の絶縁体
61 第4の固定体
62 第4の皿ばね
71 第1管路振動ノイズ除去回路(差動増幅器)
72 チャージコンバータ
73 チャージコンバータ
74 第2管路振動ノイズ除去回路(差動増幅器)
75 チャージコンバータ
76 チャージコンバータ
77 脈動圧ノイズ除去回路(差動増幅器)
N1 管路振動ノイズ
N2 管路振動ノイズ
N3 脈動圧ノイズ
S1 信号成分
S2 信号成分
【発明の属する技術分野】
本発明は、製造コストが低減出来、長期信頼性が向上し、耐振動特性が向上された渦流量計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図9は、従来より一般に使用されている従来例の構成説明図で、例えば、特開平3−020618号(特願平1−033256号)に示されている。
10は流体が流れる管路、11は管路10に直角に設けられた円筒状のノズルである。
【0003】
12はノズル11とは間隔を保って管路10に直角に挿入された台形断面を持つ柱状の渦発生体であり、その一端は、ネジ13により管路10に支持され、他端はフランジ部14でノズル11にネジ或いは溶接により固定されている。
15は渦発生体12のフランジ部14側に設けられた凹部である。
【0004】
この凹部15の中には、その底部から順に金属製の第1コモン電極16、圧電素子17、電極板18、絶縁板19、電極板20、圧電素子21がサンドイッチ状に配列され、金属製の押圧棒22でこれ等は押圧固定されている。
さらに、電極板18からはリ−ド線23、電極板20からはリ−ド線24がそれぞれ端子A、Bに引き出されている。
【0005】
圧電素子17、21は、各圧電素子17、21の紙面に向かって左側と右側とがそれぞれ逆方向に分極されており、同じ方向の応力に対して互いに上下の電極に逆極性の電荷を発生する。
【0006】
圧電素子17に発生した電荷は、電極板18と接続された端子Aと、台座16を介して接続された管路10との間に得られ、圧電素子21に発生した電荷は電極板20と接続された端子Bと、押圧棒20と接続された管路10との間に得られる。
【0007】
この2個の電極板18、20に発生した電荷は、図10に示すように電荷増幅器25、26に入力される。電荷増幅器25の出力と、電荷増幅器26の出力をボリウム27を介した出力とを、加算器28で加算して流量信号を得る。この流量信号は、例えば電流出力に変換されて、2線を介して負荷に伝送される(図示せず)。
次に、以上のように構成された渦流量計の動作について図11と図12を用いて説明する。
【0008】
流体が管路10の中に流れると、渦発生体12に矢印Fで示した方向にカルマン渦による振動が発生する。この振動により渦発生体12には図11(a)に示すような応力分布とこの逆の応力分布の繰返しが生じ、各圧電素子17、21には図11(a)に示す渦周波数を持つ信号応力に対応した電荷+Q、−Qの繰返しが生じる。なお、図11においては説明の便宜のため電極板18或いは21を紙面に対して左右に2つに分割し、かつ上下の一方の電極は台座16あるいは押圧棒22に相当するものとしてある。
【0009】
一方、管路10にはノイズとなる管路振動も生じる。この管路振動は▲1▼流体の流れと同じ方向の抗力方向、▲2▼流体の流れとは直角方向の揚力方向、▲3▼渦発生体の長手方向の3方向成分に分けられる。このうち、抗力方向の振動に対する応力分布は図11(b)に示すようになり、1個の電極内で正負の電荷は打ち消されてノイズ電荷は発生しない。また、長手方向の振動に対しては図11(c)に示すように電極内で打ち消されて抗力方向と同様にノイズ電荷は発生しない。
【0010】
しかし、揚力方向の振動は信号応力と同一の応力分布となりノイズ電荷が生じる。そこで、このノイズ電荷を消去するために以下の演算を実行する。圧電素子17、21の各電荷をQ1、Q2、信号成分をS1、S2、揚力方向のノイズ成分をN1、N2とし、圧電素子17、21で分極を逆とするとQ1、Q2は次式で示される。
Q1=S1+N1
−Q2=−S2−N2
【0011】
ただし、S1とS2、N1とN2のベクトル方向は同じである。ここで、圧電素子17、21の信号成分とノイズ成分の関係は図12(この図は揚力方向のノイズと信号に対する渦発生体の曲げモ−メントの関係を示す)に示すようになっているので、図10に示すように圧電素子17側の電荷増幅器25の出力を加算器28で加算する際にボリウム27と共にN1/N2倍して圧電素子21側の電荷増幅器26の出力と加算すると、
Q1−Q2(N1/N2)=S1−S2(N1/N2)
となり管路ノイズは除去される。
【0012】
しかして、第1コモン電極16、圧電素子17、電極板18、絶縁板19、電極板20、圧電素子21は、凹部15に押圧棒22で押圧固定されている。ここで渦発生体12と第1コモン電極16、圧電素子17、電極板18、絶縁板19、電極板20、圧電素子21、押圧棒22との温度膨脹を等しくしておけば、測定流体温度が変化しても、初期の押付け力は変化しないので、問題は無い。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この様な装置においては、
(1)渦発生体上部に渦発生体と一体化した応力検出部を収納するノズル部11が必要である。このため、管路10は割高な鋳造物が採用されている。
【0014】
(2)また、S/N比を大きくするためには、応力検出部の長さが、ある程度、長くすることが求められる。この結果、応力検出センサが配置される凹部15の内径が小さい、小口径用においては、長い穴加工が必要となり、この長い穴加工は容易でなく、微小口径では設計が困難である。
【0015】
(3)つぎに、ノズル11と渦発生体12との間には、隙間が存在するが、この隙間に剛性の高い異物が固着し、支持端を形成すると、図12に示したモーメントパターンが変化し、耐振動特性が劣化する欠点がある。
(4)口径に比例して、応力検出部の共振周波数が低下し、図12(b)で想定した曲げモーメントにならず、N1,N2での位相差が生じる。このため、大口径での耐振動特性は、高周波で劣化し、大口径での耐振動特性が悪い。
【0016】
本発明は、この問題点を解決するものである。
本発明の目的は、製造コストが低減出来、長期信頼性が向上し、耐振動特性が向上された渦流量計を提供するにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明は、
(1)測定管路に挿入された渦発生体により発生する渦周波数を検出して流量を測定する渦流量計において、
前記渦発生体により発生する渦周波数を検出するように前記測定管路に設けられた第1の圧力センサと該第1の圧力センサに対向して前記測定管路の半径方向に設けられ該第1の圧力センサの検出管路振動ノイズと同相の管路振動ノイズを検出する第2の圧力センサとを具備する第1の圧力センサユニットと、前記渦発生体により発生する渦周波数を検出するように前記測定管路に設けられた第3の圧力センサと該第3の圧力センサに対向して前記測定管路の半径方向に設けられ該第3の圧力センサの検出管路振動ノイズと同相の管路振動ノイズを検出する第4の圧力センサとを具備し前記渦発生体に対して前記第1の圧力センサユニットに対称に前記測定管路に設けられた第2の圧力センサユニットと、前記第1の圧力センサと前記第2の圧力センサとの出力を演算して前記第1の圧力センサと前記第2の圧力センサとが検出した管路振動ノイズを除去する第1管路振動ノイズ除去回路と、前記第3の圧力センサと前記第4の圧力センサとの出力を演算して前記第3の圧力センサと前記第4の圧力センサとが検出した管路振動ノイズを除去する第2管路振動ノイズ除去回路と、前記第1管路振動ノイズ除去回路と第2管路振動ノイズ除去回路との出力を演算して前記第1の圧力センサと前記第3の圧力センサとが検出した脈動圧ノイズを除去する脈動圧ノイズ除去回路とを具備したことを特徴とする渦流量計。
(2)前記圧力センサとして圧電素子が使用されたことを特徴とする請求項1記載の渦流量計。
(3)前記第1の圧力センサと前記第2の圧力センサ及び前記第3の圧力センサと前記第4の圧力センサとがそれぞれ前記管壁を挟んで対称に設けられたことを特徴とする請求項1記載の渦流量計。
を構成したものである。
【0018】
【作用】
以上の構成において、測定流体が流されると、渦発生体から渦が放出され、渦発生体の下流側に渦列が形成される。
渦の有する循環流により負圧が生じる。
【0019】
このため、第1の圧力センサユニツトでは、第1の圧力センサには、前記負圧に対応する応力が発生する。即ち、第1の圧力センサには、前記負圧に対応した信号交番電荷が発生する。
一方、第2の圧力センサには、信号電荷の発生はない。
【0020】
管路振動に対しては、第1の圧力センサと第2の圧力センサとは、振動加速度により、各々管路振動ノイズ電荷を発生する。
【0021】
また、測定流体に脈動圧がある場合には、第1の圧力センサに、脈動圧ノイズ電荷が発生する。
一方、第2の圧力センサには、脈動圧ノイズ電荷の発生はない。
【0022】
次に、第2の圧力センサユニツトでは、第3の圧力センサには、前記負圧に対応した応力が発生する。即ち、第3の圧力センサには、前記負圧に対応した信号交番電荷が発生する。
一方、第4の圧力センサには、信号電荷の発生はない。
【0023】
管路振動に対しては、第3の圧力センサと第4の圧力センサとは、振動加速度により、各々管路振動ノイズ電荷を発生する。
【0024】
また、測定流体に脈動圧がある場合には、第3の圧力センサに、脈動圧ノイズ電荷が発生する。
一方、第4の圧力センサには、脈動圧ノイズ電荷の発生はない。
【0025】
但し、圧力センサは寸法が小さく、共振周波数が高い事と、同じ配管上から、同一の大きさ、位相で加わるので、管路振動ノイズは同相で、大きさは等しい。
【0026】
脈動圧によるノイズは、第1の圧力センサユニツトと第2の圧力センサユニツトとが互いに対峠して取付られているので、同相で大きさは等しい。すなわち、脈動圧は縦波であり、発生源からの距離が等しければ、位相は同相となる。
【0027】
各圧電センサの出力は、第1管路振動ノイズ除去回路,第2管路振動ノイズ除去回路によって、それぞれ、管路振動ノイズが除去され、また、脈動圧ノイズ除去回路によって、脈動圧ノイズが除去される。
以下、実施例に基づき詳細に説明する。
【0028】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施例の要部構成説明図、図2は図1の平面図、図3は図2の要部詳細説明図、図4は図1の回路構成説明図、図5は図1の動作説明図、図6は図1の動作説明図である。
【0029】
31は管路、32は渦発生体である。渦発生体32の管路31への取付方法に付いては、例えば、市販のパイプへ渦発生体32を溶接して構成しても良い。
また、小口径においては、精密鋳造(ロストワックス)で一体に鋳物にすることにより、コストダウンを図る事も可能である。
【0030】
33は、渦発生体32により発生する渦周波数を検出するように、測定管路31に設けられた第1の圧力センサ34と、第1の圧力センサ34に対向して測定管路31の半径方向に設けられ、第1の圧力センサ34の検出管路振動ノイズN1と同相の管路振動ノイズN1を検出する第2の圧力センサ35とを具備する第1の圧力センサユニットである。
この場合は、圧力センサは圧電素子が使用されている。
【0031】
具体的には、この場合は、図3に示す如く、第1の圧力センサユニット33は、測定管路31に取付られた第1のホルダ36の底面に、第1の圧力センサ34、第1の絶縁体37、第1の固定体38、第1の皿ばね39と順次積み重ねられている。
【0032】
しかして、第1のホルダ36に取付られた第2のホルダ41の底面に、第2の圧力センサ35、第2の絶縁体42、第2の固定体43、第2の皿ばね44と順次積み重ねられている。
【0033】
51は、渦発生体32により発生する渦周波数を検出するように、測定管路31に設けられた第3の圧力センサ52と、第3の圧力センサ52に対向して測定管路31の半径方向に設けられ、第3の圧力センサ52の検出管路振動ノイズN2と同相の管路振動ノイズN2を検出する第4の圧力センサ53とを具備し,渦発生体32に対して第1の圧力センサユニット33に対称に測定管路31に設けられた第2の圧力センサユニットである。
この場合は、圧力センサは圧電素子が使用されている。
【0034】
具体的には、この場合は、図3に示す如く、第2の圧力センサユニット51は、測定管路31に取付られた第3のホルダ54の底面に、第3の圧力センサ52、第3の絶縁体55、第3の固定体56、第3の皿ばね57と順次積み重ねられている。
【0035】
しかして、第3のホルダ54に取付られた第4のホルダ58の底面に、第4の圧力センサ53、第4の絶縁体59、第4の固定体61、第4の皿ばね62と順次積み重ねられている。
なお、皿ばねは、圧力センサに対して、予め圧縮力を加え、測定流体の温度変化によりホルダが熱膨張しても、圧縮力を維持するために使用されている。
【0036】
71は、チャージコンバータ72、チャージコンバータ73をそれぞれ介して、第1の圧力センサ34と第2の圧力センサ35との出力を演算して、第1の圧力センサ34と第2の圧力センサ35とが検出した管路振動ノイズN1を除去する第1管路振動ノイズ除去回路である。
この場合は、差動増幅器71が使用されている。
【0037】
74は、チャージコンバータ75、チャージコンバータ76をそれぞれ介して、第3の圧力センサ52と第4の圧力センサ53との出力を演算して、第3の圧力センサ52と第4の圧力センサ53とが検出した管路振動ノイズN2を除去する第2管路振動ノイズ除去回路である。
この場合は、差動増幅器74が使用されている。
【0038】
77は、第1管路振動ノイズ除去回路71と第2管路振動ノイズ除去回路74との出力を演算して、第1の圧力センサ34と第3の圧力センサ52とが検出した脈動圧ノイズN3を除去する脈動圧ノイズ除去回路である。
この場合は、差動増幅器77が使用されている。
【0039】
以上の構成において、図2に示す如く、測定流体が流されると、渦発生体32から渦が放出され、渦発生体32の下流側に渦列が形成される。
渦の有する循環流により負圧が生じる。
【0040】
このため、第1の圧力センサユニツト33では、測定流体に接する第1のホルダ36の底面には、ΔPなる圧力変動が加わる事により、第1の圧力センサ34には、ΔPなる応力が発生する。即ち、第1の圧力センサ34には、ΔPに対応しS1なる交番電荷が発生する。
一方、第2の圧力センサ35には、信号電荷S1の発生はない。
【0041】
管路振動に対しては、第1の圧力センサ34と第2の圧力センサ35とは、振動加速度により、各々ノイズ電荷N1を発生する。
【0042】
また、測定流体に脈動圧がある場合には、第1の圧力センサ34に、ノイズ電荷N3が発生する。
一方、第2の圧力センサ35には、ノイズ電荷N3の発生はない。
【0043】
一方、第2の圧力センサユニツト51では、測定流体に接する第3のホルダ54の底面には、ΔPなる圧力変動が加わる事により、第3の圧力センサ52には、ΔPなる応力が発生する。即ち、第3の圧力センサ52には、ΔPに対応しS2なる交番電荷が発生する。
一方、第4の圧力センサ53には、信号電荷S2の発生はない。
【0044】
管路振動に対しては、第3の圧力センサ52と第4の圧力センサ53とは、振動加速度により、各々ノイズ電荷N2を発生する。
【0045】
また、測定流体に脈動圧がある場合には、第3の圧力センサ52に、ノイズ電荷N3が発生する。
一方、第4の圧力センサ53には、ノイズ電荷N3の発生はない。
【0046】
但し、圧力センサ34,35,52,53は寸法が小さく、共振周波数が高い事と、振動加速度はホルダ36、41、あるいはホルダ54,58を介して、同じ配管上から、同一の大きさ、位相で加わるので、管路振動ノイズN1あるいはN2は同相で、大きさは等しい。
【0047】
脈動圧によるノイズN3は、第1の圧力センサユニツト33と第2の圧力センサユニツト51とが互いに対峠して取付られているので、同相で大きさは等しい。すなわち、脈動圧は縦波であり、発生源からの距離が等しければ、位相は同相となる。
以上の関係を図5に示す。
【0048】
図4は、これらの圧力センサ34,35,52,53の発生電荷からノイズ成分N1、N2、N3を除去し、信号成分S1、S2を得る回路構成例を示したものである。
【0049】
図4から明らかな様に、各圧電センサ34,35,52,53の出力は、チャージコンバータ72、73、75、76によって、低インピーダンスの電圧に変換された後に、第1管路振動ノイズ除去回路(差動増幅器)71と第2管路振動ノイズ除去回路74(差動増幅器)によって、それぞれ、管路振動ノイズN1、N2が除去され、また、脈動圧ノイズ除去回路(差動増幅器)77によって、脈動圧ノイズN3が除去される。
【0050】
ここで、出力eOUTは、eOUT=S1−S2となるが、図6に示す如く、S1とS2とは逆位相であることから、信号振幅は減少する事はない。
【0051】
なお、圧電センサ34,35,52,53のバラツキ等によって、発生電荷量の大きさに各圧電センサ34,35,52,53で差異が生じる場合は、各回路71,74,77で調整されれば良い。
【0052】
この結果、
(1)管路31に安価な市販の鋼管が使用出来るので、製造コストを低減出来る渦流量計が得られる。この効果は、管路31が大口径になほど効果が大きくなる。
【0053】
(2)圧力センサユニット33,51は、使用される管路31の口径が変わっても、基本的には、同じ大きさの圧力センサユニット33,51が使用出来るので、量産効果が得られ、製造コストを低減出来る渦流量計が得られる。
【0054】
(3)圧力センサユニット33,51の共振周波数が、構造上高くなり、高周波の管路振動に対しても、圧電センサ34,35,52,53間でのノイズの位相差が生ぜず、耐震特性が向上された渦流量計が得られる。特に、管路31が大口径になほど著しいと考えられる。
【0055】
(4)従来例に於いては、ノズル11と渦発生体12との間には、隙間が存在し、この隙間に剛性の高い異物が固着する恐れがあり、耐振動特性が劣化する欠点があるが、本発明において、このような隙間がないので、長期信頼性が向上された渦流量計が得られる。
【0056】
図7は本発明の他の実施例の要部構成説明図、図8は図7の平面図である。
本実施例においては、第1の圧力センサユニット33と第2の圧力センサユニット51とを、渦発生体32の下流でなく、渦発生体32と同一面上に配置したものである。要するに、圧力センサユニット33,51は、渦発生体32に基づくカルマン渦による圧力変動が生じている管路31の管壁上に有れば良い。
【0057】
また、図1実施例の如く、一直線上に配置する必要はなく、要するに、渦発生体32を挟んで対称に配置されれば良い。
【0058】
また、図4の回路構成において、差動増幅器71,74,77によるノイズ成分N1、N2、N3の除去を示したが、第1の圧電センサ34と第2の圧電センサ35での分極方向と第3の圧電センサ52と第4の圧電センサ53での分極方向が逆になる様に配置してノイズN1、N2、N3を除去する様にすれば、第1管路振動ノイズ除去回路71、第2管路振動ノイズ除去回路74と脈動圧ノイズ除去回路77とを、ゲイン調整が容易な加算器によって構成することが出来る。
【0059】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の請求項1によれば、
(1)管路に安価な市販の鋼管が使用出来るので、製造コストを低減出来る渦流量計が得られる。この効果は、管路が大口径になほど効果が大きくなる。
【0060】
(2)圧力センサユニットは、使用される管路の口径が変わっても、基本的には、同じ大きさの圧力センサユニットが使用出来るので、量産効果が得られ、製造コストを低減出来る渦流量計が得られる。
【0061】
(3)圧力センサユニットの共振周波数が、構造上高くなり、高周波の管路振動に対しても、圧電センサ間でのノイズの位相差が生ぜず、耐震特性が向上された渦流量計が得られる。特に、管路が大口径になほど著しいと考えられる。
【0062】
(4)従来例に於いては、ノズルと渦発生体との間には、隙間が存在し、この隙間に剛性の高い異物が固着する恐れがあり、耐振動特性が劣化する欠点があるが、本発明において、このような隙間がないので、長期信頼性が向上された渦流量計が得られる。
【0063】
本発明の請求項2によれば、高いキュリー温度を有する圧電素子を選択したので、高温まで使用出来、また、電力の供給が不要であり、センサ部が安価で信頼性の高い渦流量計が得られる。
【0064】
本発明の請求項3によれば、第1の圧力センサと第2の圧力センサ及び第3の圧力センサと第4の圧力センサとがそれぞれ管壁を挟んで対称に設けられたので、脈動圧が発生している場合でも、脈動圧を簡単に除去出来、安定した測定流体の流量計測が可能な渦流量計が得られる。
【0065】
従って、本発明によれば、製造コストが低減出来、長期信頼性が向上し、耐振動特性が向上された渦流量計を実現することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の要部構成説明図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図2の要部詳細説明図である。
【図4】図1の回路構成説明図である。
【図5】図1の動作説明図である。
【図6】図1の動作説明図である。
【図7】本発明の他の実施例の要部構成説明図である。
【図8】図7の平面図である。
【図9】従来より一般に使用されている従来例の構成説明図である。
【図10】図9の変換部の要部構成説明図である。
【図11】図9の動作説明図である。
【図12】図9の動作説明図である。
【符号の説明】
31 管路
32 渦発生体
33 第1の圧力センサユニット
34 第1の圧力センサ
35 第2の圧力センサ
36 第1のホルダ
37 第1の絶縁体
38 第1の固定体
39 第1の皿ばね
41 第2のホルダ
42 第2の絶縁体
43 第2の固定体
44 第2の皿ばね
51 第2の圧力センサユニット
52 第3の圧力センサ
53 第4の圧力センサ
54 第3のホルダ
55 第3の絶縁体
56 第3の固定体
57 第3の皿ばね
58 第4のホルダ
59 第4の絶縁体
61 第4の固定体
62 第4の皿ばね
71 第1管路振動ノイズ除去回路(差動増幅器)
72 チャージコンバータ
73 チャージコンバータ
74 第2管路振動ノイズ除去回路(差動増幅器)
75 チャージコンバータ
76 チャージコンバータ
77 脈動圧ノイズ除去回路(差動増幅器)
N1 管路振動ノイズ
N2 管路振動ノイズ
N3 脈動圧ノイズ
S1 信号成分
S2 信号成分
Claims (3)
- 測定管路に挿入された渦発生体により発生する渦周波数を検出して流量を測定する渦流量計において、
前記渦発生体により発生する渦周波数を検出するように前記測定管路に設けられた第1の圧力センサと該第1の圧力センサに対向して前記測定管路の半径方向に設けられ該第1の圧力センサの検出管路振動ノイズと同相の管路振動ノイズを検出する第2の圧力センサとを具備する第1の圧力センサユニットと、
前記渦発生体により発生する渦周波数を検出するように前記測定管路に設けられた第3の圧力センサと該第3の圧力センサに対向して前記測定管路の半径方向に設けられ該第3の圧力センサの検出管路振動ノイズと同相の管路振動ノイズを検出する第4の圧力センサとを具備し前記渦発生体に対して前記第1の圧力センサユニットに対称に前記測定管路に設けられた第2の圧力センサユニットと、
前記第1の圧力センサと前記第2の圧力センサとの出力を演算して前記第1の圧力センサと前記第2の圧力センサとが検出した管路振動ノイズを除去する第1管路振動ノイズ除去回路と、
前記第3の圧力センサと前記第4の圧力センサとの出力を演算して前記第3の圧力センサと前記第4の圧力センサとが検出した管路振動ノイズを除去する第2管路振動ノイズ除去回路と、
前記第1管路振動ノイズ除去回路と第2管路振動ノイズ除去回路との出力を演算して前記第1の圧力センサと前記第3の圧力センサとが検出した脈動圧ノイズを除去する脈動圧ノイズ除去回路と
を具備したことを特徴とする渦流量計。 - 前記圧力センサとして圧電素子が使用されたことを
特徴とする請求項1記載の渦流量計。 - 前記第1の圧力センサと前記第2の圧力センサ及び前記第3の圧力センサと前記第4の圧力センサとがそれぞれ前記管壁を挟んで対称に設けられたことを特徴とする請求項1記載の渦流量計。
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JP4773797A Expired - Fee Related JP3599082B2 (ja) | 1997-03-03 | 1997-03-03 | 渦流量計 |
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JP (1) | JP3599082B2 (ja) |
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JP4670152B2 (ja) * | 2001-01-19 | 2011-04-13 | 横河電機株式会社 | 渦流量計 |
-
1997
- 1997-03-03 JP JP4773797A patent/JP3599082B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10246657A (ja) | 1998-09-14 |
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