JP3069181B2 - 渦流量計用センサ - Google Patents

渦流量計用センサ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、渦流量計用センサに関し、より
詳細には、渦発生体内に着脱可能に挿入され渦による変
動圧力を検知するセンサに関する。
【0002】
【従来技術】周知のように渦流量計は流体の流れの中に
配設された渦発生体より単位時間当りに発生するカルマ
ン渦の数が所定のレイノルズ数範囲において流速に比例
することを利用した推測形の流量計である。そして、カ
ルマン渦の検出は小形でSN比のよい渦検出が可能であ
ることから渦発生体に作用する渦による揚力変動を検知
する方式のものが多用されている。この方式では揚力は
流速の2乗に比例した量であるから測定流量範囲におい
て検出される渦信号の振幅は最小流量と、最大流量とで
は流量比の2乗で変化する極めて大きい比率になる。従
って流量範囲の広い渦流量計とするためには最小流量に
おける渦信号を如何に忠実に検知するかが問題になって
いる。このため、渦発生体に作用する揚力によるひずみ
を渦発生体内に一体に固着された弾性母材のひずみ変化
としてひずみゲージで検出する方法等が採用された。通
常、渦信号変換器は共通して使用され入出力信号レベル
が定められるから、この方法は、最大流量におけるひず
みを一定とするため渦発生体の大きさに応じて弾性母材
の大きさを口径毎に選択しなければならず、補修の面で
も非能率となった。
【0003】これに対し、本出願人は、特公昭63−3
1726号公報において渦発生体の大きさによらず同一
のセンサを着脱可能とする渦流量計を提案した。図4
(a),(b)は、この従来の渦流量計を説明するため
の図で、図4(a)は流れ方向からみた断面図、図4
(b)は図(a)の矢視A−A断面図である。図中、2
1は管体、22は渦発生体、23は載断面、24は圧力
室、25は導圧孔、26は円筒体、27は弾性母材、2
8は圧電素子、29は充填剤、30は渦センサ、31は
鍔部、32はリード線である。
【0004】図示において、管体21は被測定流体の流
通する配管に介装される本体で、直径上に渦発生体22
が設けられている。渦発生体22には管体21を貫通し
た凹部が設けられ、該凹部は圧力室24となっており、
圧力室24の両側壁面に導圧孔25が貫通し、被測定流
体に連通している。一方、圧力室24には渦センサ30
が挿入されている。渦センサ30は、鍔部31を有する
有底な円筒体状の振動管26と、該振動管26の底部に
受圧板26aが一体に形成され振動管26内に同軸に嵌
挿された弾性母材27と、該弾性母材27の両側面に貼
着された圧電素子28,28と、振動管26内に弾性母
材27を一体固着する充填材29及びリード線32とか
らなっている。
【0005】渦センサ30は振動管26の鍔部31にお
いて管体に形成された載断面23で管体21に片持固着
される。渦による変動圧力は、導圧孔25を介して圧力
室24に導入され受圧板26aに作用する。変動圧力を
受けた受圧板26aは片持固着された位置まわりに変動
するが、この変動は、充填剤29を介して圧電素子に伝
達され振動に応じた電気信号(電荷)をリード線32よ
り出力される。
【0006】しかし、前記充填剤29は、単に力伝達の
媒体ではなく絶縁性が要求される。一般に絶縁抵抗は温
度により変化し、高温では低下するので充填剤29とし
てガラス等が用いられる。ガラスは含有成分によっても
異なるが通常融点が高く、均一に充填するためには充分
脱気する必要があり振動管は長時間高温に晒される。こ
の結果、振動管の構成材料は疲労強度は低下する傾向に
ある。更に、ガラスとの膨張係数の差により残溜ひずみ
が多いので疲労強度は更に低下する。また、ガラスが介
在することにより振動管の曲げ剛性は高くなり感度も低
下するという問題があった。
【0007】
【目的】本発明は、上述のごとき問題点に鑑みなされた
もので、製造工程中に振動管を高温に曝すことなく、振
動管内に収納し長期安定な信頼度の高い、しかも高感度
な渦センサを安価に提供すること、更には、充填剤を除
くことで高温域特性を改善することを目的としてなされ
たものである。
【0008】
【構成】本発明は、上記目的を達成するために、(1)
軸方向に形成した凹部を圧力室とし該圧力室の両側壁面
より被測定流体に連通する導圧孔を有する渦発生体と、
一端に鍔部を有する有底の管体を前記圧力室に挿入し、
前記鍔部において渦発生体に圧力室側で片持支持される
振動管と、該振動管内に装着され振動管に作用する渦に
よる交番振動を検出する振動検出部とからなる渦流量計
において、該振動検出部を少くとも一対の平行な側面を
有する導電性の弾性母材と、該弾性母材の一端に固着さ
れた絶縁端子台と、弾性母材の他端に固着され両端が前
記圧力室に圧接可能な長さを有する支持板と、弾性母材
の両側面に導電性接着剤により固着され非接着面に導電
性膜を形成した圧電素子と、該圧電素子における各々の
導電性膜および弾性母材に接続し前記絶縁端子台を介し
て圧電素子の電気信号を出力するリード電極とを一体に
構成し、前記振動検出部を絶縁端子部が前記振動管の鍔
部に、支持板を管体底部に接合したこと、更には、
(2)前記(1)において、支持板を流れに垂直な方向
に長い短柵状の薄板弾性材とし、該支持板端部を管体底
部より僅かに離れた壁面に固着したことを特徴とするも
のである。以下、本発明の実施例に基づいて説明する。
【0009】図1(a),(b)は、本発明の渦流量計
用センサにおける構造を説明するための図で、図1
(a)は流れ方向から見た断面図、図1(b)は矢視A
方向の部分図であり、図中、1は渦センサ、2は鍔部、
3は円筒状の振動管、4は受圧板、5は振動検出部、6
は弾性母材、7は絶縁端子台、8は支持板、9は圧電素
子、10,11はリード電極である。
【0010】図示の渦センサ1(以下単にセンサと呼
ぶ)は振動管3と振動検出部5とからなり、図4に図示
した従来の渦流量計に共通して使用可能である。従って
センサ1の適用される渦流量計は被測定流体の流通する
配管に介装される筒状の本体に渦発生体を配設した方式
のもので、渦発生体は図4の渦発生体22と同様のもの
で、該本体の管壁を貫通し、軸方向に形成した凹部を圧
力室24とし該圧力室24の両側壁面より被測定流体に
連通する導圧孔25を有する渦発生体を有している。振
動管3は、一端に鍔部2を有する底部3bを有する管体
で、該振動管3を前記渦発生体の圧力室24に挿入し、
鍔部2において渦発生体22に圧力室側で取付孔2aを
介してボルト等で本体に片持支持される。また、振動管
3内には振動管3に作用する渦による交番振動を検出す
る振動検出部5が装着される。
【0011】振動検出部5の詳細は図2,図3に示す。
図2(a),(b),(c)は振動検出部5の構造を説明
するための図で、図3は図2(a)の部分拡大図であ
る。図2(a)は流れ方向からみた正面図、図2(b)
は側面図、図2(c)は平面図であり、図1と等しい作
用の部分には同じ符号を付している。
【0012】図示において弾性母材6はステンレス鋼等
の弾性材からできており少くとも一対の平行面を有し、
該平行面には厚み方向に分極されたLib3(ニオブ
酸リチウム)等の圧電素子9,9が金ペースト又は導電
性ガラス等の導電性接着剤13により高温溶着して固着
される。金ペーストは金粉に少量のガラス粉を混合し、
溶媒により粘性体とした導電性接着剤で、弾性母材6と
圧電素子9とは金ペーストに含まれるガラスにより溶着
される。また、導電性ガラスは、S(硫黄)、Se(セ
レン)、Te(テルル)等のカルコゲン元素を主成分と
して含むガラス、または遷移金属酸化物を含む酸化物ガ
ラス等である。このとき圧電素子9の接着面および非接
着面には予めAu(金)等の酸化安定金属をスパッタリ
ングあるいは、イオンプレーテングすることにより金属
薄膜14を形成しておく。
【0013】弾性母材6の一端には支持板8が、電子ビ
ーム等で固着され他端には絶縁端子台7がガラス等で固
着されている。支持板8は圧接する程度、すなわち、振
動管1の管室3a内径と等しいか僅かに大きい金属の円
板または流れと垂直な方向に長い短柵状の円弧を有する
形状のもっている。また、絶縁端子台7は、セラミック
ス等の絶縁材で弾性母材6の平行面間の厚さと略等しい
厚さの板状体で、該板状体の外周7aは振動管1の鍔部
2に設けられた支持穴2bと略々等しい径をもってい
る。また絶保端子台7には両端が突出するようにリード
電極ピン9が埋設され、圧電素子9,9の非接着面に設
けられた導電性膜と超音波によりワイヤボンディングさ
れプラス電極となる。一方リード電極ピン10は絶縁端
子台7を貫通して弾性母材6に接続し共通電極となる。
【0014】上述の振動検出部5は、図1(a)に図示
するように支持板8を管室3aの底部にし、絶縁端子台
7の外周7aを支持穴2b内壁面で支持されるように振
動管3の管室3a内に両持支持するように圧接又は電子
ビーム等により振動管3の外周面より接合される。支持
板8の外径は圧接の場合は管室3aよりも僅かに大き
く、溶接の場合は僅かに小さい径となる。
【0015】また支持板8を流れに垂直な方向に長い短
柵状の薄板の弾性材として両端部を底部3aより僅かに
離れた管室3a壁面に固着することにより振動検出部5
は実質的に片持支持された運動となり振動管の曲げ剛性
は小さくなり感度を増大する。
【0016】
【効果】以上の説明から明らかなように、本発明による
と、渦による変動圧力により単振動する振動管に製造工
程において加熱することがないので疲労強度が高く、更
には、振動検出部を固着するためのガラス等の充填剤が
なくなるので残溜ひずみもなくなり信頼性が向上し、更
には、振動管の曲げ剛性が小さくなるので高感度とな
り、軽量となり、高温域特性も改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の渦流量計用センサにおける構造を説
明するための図である。
【図2】 振動検出部5の構造を説明するための図であ
る。
【図3】 図2(a)の部分拡大図である。
【図4】 従来の渦流量計を説明するための図である。
【符号の説明】
1…渦センサ、2…鍔部、3…振動管、4…受圧板、5
…振動検出部、6…弾性母材、7…絶縁端子台、8…支
持板、9…圧電素子、10,11…リード電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実公 平6−22171(JP,Y2) 実公 平6−22172(JP,Y2) 実公 平7−55461(JP,Y2) 実公 平7−55462(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01F 1/32

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸方向に形成した凹部を圧力室とし該圧
    力室の両側壁面より被測定流体に連通する導圧孔を有す
    る渦発生体と、一端に鍔部を有する有底の管体を前記圧
    力室に挿入し、前記鍔部において渦発生体に圧力室側で
    片持支持される振動管と、該振動管内に装着され振動管
    に作用する渦による交番振動を検出する振動検出部とか
    らなる渦流量計において、該振動検出部を少くとも一対
    の平行な側面を有する導電性の弾性母材と、該弾性母材
    の一端に固着された絶縁端子台と、弾性母材の他端に固
    着され両端が前記圧力室に圧接可能な長さを有する支持
    板と、弾性母材の両側面に導電性接着剤により固着され
    非接着面に導電性膜を形成した圧電素子と、該圧電素子
    における各々の導電性膜および弾性母材に接続し前記絶
    縁端子台を介して圧電素子の電気信号を出力するリード
    電極とを一体に構成し、前記振動検出部を絶縁端子部が
    前記振動管の鍔部に、支持板を管体底部に接合したこと
    を特徴とする渦流量計用センサ。
  2. 【請求項2】 支持板を流れに垂直な方向に長い短柵状
    の薄板弾性材とし、該支持板端部を管体底部より僅かに
    離れた壁面に固着したことを特徴とする請求項1記載の
    渦流量計用センサ。
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