JP2929731B2 - カルマン渦流量計及びその製造方法 - Google Patents

カルマン渦流量計及びその製造方法

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JP2929731B2
JP2929731B2 JP3018149A JP1814991A JP2929731B2 JP 2929731 B2 JP2929731 B2 JP 2929731B2 JP 3018149 A JP3018149 A JP 3018149A JP 1814991 A JP1814991 A JP 1814991A JP 2929731 B2 JP2929731 B2 JP 2929731B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被測定流体の流れの中
に配置した渦発生体の両側面に発生するカルマン渦列の
周波数を検出して流体の流速流量を測定するカルマン渦
流量計に係り、とくに外部振動や衝撃の影響を除去する
ようにしたカルマン渦流量計およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】この種のカルマン渦流量計の従来例とし
て、特公昭58−4967号公報に記載されているよう
な、圧電素子からなる応力検出部をガラス材料等の封着
体により渦発生体内に絶縁封着して、カルマン渦による
交番力の作用により渦発生体の断面に生じる圧力変化を
検出する構造のものが周知である。係るカルマン渦流量
計においては、応力検出部と被測定流体とが接触しない
ことから該応力検出部が汚れたり劣化したりしにくいと
いう利点があるものの、管路を伝わってくる各種の外部
振動ノイズが存在する場合には、渦発生体に渦の圧力と
同じモードの振動が生じるため、S/N比が小さく精度
の良好な測定ができないという欠点があった。
【0003】この欠点を解消するものとして、特公昭6
3−32127号公報に記載されているような振動補償
装置を備えたカルマン渦流量計がある。このカルマン渦
流量計は、被測定流体が流れる管路の側壁を貫通して管
路内部に伸びる渦発生体に管路外側へ伸びる振動補償部
を設けるとともに、前記渦発生体の管路内側に位置する
部分には第1の振動センサを、また管路外側に位置する
振動補償部には第2の振動センサをそれぞれ埋設して成
り、第2の振動センサの出力信号に基づいて前記第1の
振動センサの出力信号中に含まれる外部振動ノイズ成分
を電気的に消去して、前記渦発生体のカルマン渦による
振動数のみに対応した周波数の信号を検出しようとする
ものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したような従来の
振動補償装置を備えたカルマン渦流量計にあっては、管
路内側の第1の振動センサおよび管路外側の第2の振動
センサという複数のセンサからの出力信号を用いて所定
の演算を行うことにより電気的に外部振動ノイズを消去
しているわけであるから、各振動センサや後段の測定回
路のもつ特性が測定精度に及ぼす影響が大きく、したが
って、これらのセンサ特性や回路特性のバラツキを考慮
した上で出力を補正してやる必要がある。そのため、実
際に管路内に被測定流体を流して渦発生体を振動させな
がらセンサの出力を調整する、いわゆる実流調整をしな
ければならない。この実流調整の作業は、非常に煩雑で
あるとともに熟練を必要とし、結果としてカルマン渦流
量計の調整コストが非常に高くつくという問題がある。
【0005】本発明は上述の問題点に鑑みなされたもの
で、その目的とするところは、外部振動や衝撃の影響を
受けることなく被測定流体の流速流量を高精度で測定す
るとのできる、しかも実流調整の不要なカルマン渦流量
計及びその製造に用いるに好適な製造方法を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に、本発明に係るカルマン渦流量計は、支柱部と、この
支柱部の一端に管路の内部に伸びる形で設けられた柱状
の受力部と、前記支柱部の他端部にこの支柱部の軸線に
沿って位置調整可能に設けられたバランスウェイトと、
前記支柱部のほぼ中央部に設けられ歪検出素子が貼着さ
れる自由面を有する第1のフランジとからなり、この第
1のフランジの端部が第2のフランジを介して前記管路
に固定される渦検出体を備えたことを特徴とする。
【0007】なお、カルマン渦流量計が取り付けられる
管路の口径が小さい場合には、渦検出体の受力部を、上
流側柱状体と下流側柱状体とからなる渦発生体の下流側
柱状体として用いることができる。そして、カルマン渦
流量計が取り付けられる管路の口径が大きい場合には、
下流側柱状体に、その両側面を貫通する開口部とこの開
口部に連通する挿入孔とを形成し、前記渦検出体の受力
部を前記挿入孔に挿入するようにして、渦検出体を渦発
生体から独立させておくことが望ましい。さらに、渦検
出体の歪検出素子は、互いに対向する一対の電極を備
え、その一方が前記受力部と管路の各軸線を含む平面に
関して対象に配置された二つの分電極であり、他方がこ
の分電極に対応する一つの共通電極であり、この共通電
極と前記各分電極との間でそれぞれ出力を取り出すよう
に構成することができる。
【0008】また、本発明に係るカルマン渦流量計の製
造方法は、支柱部と、この支柱部の一端に管路の内部に
伸びる形で設けられる柱状の受力部と、前記支柱部の他
端に設けられるバランスウェイトと、歪検出素子が貼着
される自由面を有する第1のフランジとからなる渦検出
体と、一端に前記第1のフランジが固定される第2のフ
ランジを有する上流側柱状体とを具備するカルマン渦流
量計の製造方法であって、前記第1のフランジの端部に
突起を設け、この突起を前記上流側柱状体のフランジに
接触させ、前記第1のフランジと前記第2のフランジと
をブロック状電極で挟持して、この電極を介して前記第
1のフランジと前記第2のフランジを押圧し、前記電極
間に通電して、前記第2のフランジの突起と前記第2の
フランジの接触部分を発熱溶解させ、前記第1のフラン
ジと前記第2のフランジとを溶接することを特徴とす
る。
【0009】
【作用】本発明に係るカルマン渦流量計において、外部
振動が渦検出体に加わった場合を考えると、渦検出体の
軸と垂直方向の外部振動による慣性力は、渦検出体のバ
ランスウェイト側と受力部側の両方に同時に作用するこ
とになる。したがって、渦検出体の第1のフランジの自
由面に関する前記バランスウェイト側の慣性曲げモーメ
ントと前記受力部側の慣性曲げモーメントとが同じ大き
さでかつ逆向きとなるように、渦検出体を前記第1のフ
ランジの端部で支持すれば、前記自由面に貼着された歪
検出素子からの出力信号は、外部振動ノイズ成分をキャ
ンセルしたものとなる。一方、カルマン渦による圧力
は、渦検出体の受力部のみに作用するので、第1のフラ
ンジの自由面に貼着された歪検出素子から、カルマン渦
の発生に対応した正確な渦周波数を検出することができ
る。
【0010】また、本発明に係るカルマン渦流量計の製
造方法によれば、渦検出体の第1のフランジの端部に設
けられた突起とこの突起に接触する第2のフランジの一
部とに電流が集中するので、短時間で溶接を完了するこ
とができる。このため、歪検出素子が貼着される渦検出
体の第1のフランジの自由面に、溶接時の発熱に起因す
る残留応力を生じることがない。したがって、渦検出体
の自由面は、確実にカルマン渦による圧力変化に応動す
る。
【0011】
【実施例】本発明に係るカルマン渦流量計の第1の実施
例について、図1乃至図6を用いて説明する。図1は第
1の実施例の概略構成図である。同図において、1は被
測定流体の流れる管路、2は管路1の側壁にネジ固定さ
れる基台、3はこの基台2を介して管路1の側壁に固定
される渦検出体である。基台2は主として、管路1の側
壁外周への固定部としての第2のフランジ21と、第2
のフランジ21の中心に設けられ側壁に嵌挿される支承
部22と、この支承部22から管路1の内部に伸びる形
で設けられたカルマン渦発生支援用の上流側柱状体23
と、この上流側柱状体23の先端に位置し、管路1の側
壁の対向箇所に嵌挿される支承部24とからなる。各支
承部22,24の、管路1の側壁への嵌挿は、上流側柱
状体23に対する防振のために各Oリング4,5を介し
てなされる。
【0012】渦検出体3は、主として、第2のフランジ
21の表面に固定される第1のフランジ31、この第1
のフランジ31から管路1の内外方向に伸びる支柱部3
2と、カルマン渦発生体および検出体としての機能をも
つ受力部33、この受力部33の先端に位置し基台2の
支承部24の中心部にOリング6を介して嵌挿される支
承部34と、受力部33とほぼ等しい質量を有し、支柱
部32の先端部に軸線方向に沿って位置調整可能に設け
られるバランスウェイト35とからなる。なお、渦検出
体3を構成する前記の各構成部材は全て同軸である。ま
た、Oリング6は受力部33の端部に対する防振用であ
る。また、第1のフランジ31は、ダイヤフラムとして
の自由面31aを有しており、しかもその固定端部31
bの全周が第2のフランジ21に気密に溶接固定されて
いる。したがって、センサとしての歪検出素子12と被
測定流体との接触を防止でき、センサの汚れや劣化等が
少ない。
【0013】さて、図2は図1におけるA−A断面図で
あり、同図に示すように、基台2の上流側柱状体23
は、その断面が等辺三角形で、渦検出体3の受力部33
の断面の等辺台形の長底辺とは、ほぼ同じ長さで近接対
向している。これら上流側柱状体23と受力部33と
は、広義のカルマン発生体を構成し、受力部33が渦発
生の主部に、上流側柱状体23が渦発生を支援する副部
に相当する。なお、矢印Qは被測定流体の流れ方向を示
す。ここで、重要なことは、渦検出体3が外部の振動や
衝撃(以下、単に外部振動という)を受けたときの慣性
力による自由面31aに関するバランスウェイト35側
の曲げモーメント(以下、慣性曲げモーメントという)
と、受力部33側の慣性力による曲げモーメントとが、
互いに同じ大きさで逆方向になるように構成されている
点である。言いかえれば、前記の条件が成り立つよう
に、予め概略的に決められた寸法,重さのバランスウェ
イト35が微細に位置調整されるわけである。これによ
り、渦検出体3が外部振動を受けたときの自由面31a
に関する慣性曲げモーメントをキャンセルすることがで
きる。
【0014】図3は以上のことを示す模式図で、同図に
おいて、自由面31aに関する慣性曲げモーメントM1
は、支柱部32の下側部分と受力部33に作用する矢印
表示した各部の慣性力によるもの、同じく慣性曲げモー
メントM2は、支柱部32の上側部分とバランスウェイ
ト35に作用する矢印表示した各部の慣性力によるもの
で、各慣性曲げモーメントM1,M2は自由面31aに
関して大きさが同じで方向が逆になる。なお、図4は受
力部33のみに作用する矢印表示したカルマン渦による
力(渦力)の、自由面31aに関する曲げモーメントM
の模式図である。図示したところから明らかなように、
自由面31aに固着された歪検出素子12の出力は、外
部振動の影響が除去されてカルマン渦の振動数だけに対
応した周波数になる。
【0015】再び図1に戻り、歪検出素子12はリング
状の圧電素子であり、自由面31aの上面に貼着され
る。この歪検出素子は、その表面図である図5と、その
裏面図である図6に示すように、圧電物質を中間に挟む
形で構成されハッチング表示された各電極12a,12
b,12c,12dからなる。各電極12a,12b
は、支柱部32と管路1との各軸線を含む平面、つま
り、X−Xを含む紙面に直角な平面に関して対象に配置
された二つの分電極で、外側の表面に固着される。ま
た、電極12dは分電極である各電極12a,12bに
対応する一つの共通電極で、内側の表面に固着される。
なお、図5における外側の表面に固着される電極12c
は、共通電極である電極12dと一体化されて出力取出
し部の役目をする。すなわち、出力取出しは、内側の電
極12dの部分からは困難なので、電気的に等価な外側
の電極12cを介して電極12dとの間からそれぞれ取
り出すようにしている。以上の説明から明らかなよう
に、圧電素子12からは、図2に示した受力部33に作
用する、この受力部33の軸線と流れ方向Qとに直角な
Y−Y方向(揚力方向)の交番力だけ、言いかえれば、
外部振動の影響が除去された流体の流速流量だけに対応
する出力信号が、周知の電子回路によって2倍される形
で取り出されることになる。このことは測定の感度,精
度の向上に役立つ。
【0016】次に、本発明に係るカルマン渦流量計の第
2の実施例について、図7乃至図9に基づいて説明す
る。この第2の実施例は、とくに渦流量計が取り付けら
れる管路の口径が大きい場合に好適のものである。前述
した第1の実施例は、簡単な構造で外部振動ノイズを除
去することができるという優れた効果を得られるもので
あり、被測定流体の流れる管路口径が小さい場合には極
めて有用なものである。しかしながら、管路口径が極端
に大きくなると、それにともなって渦検出体の受力部寸
法も長くなるので、その固有振動数が低下し、周波数の
高い外部振動が加わると共振を生じて誤動作してしまう
恐れがある。これは、渦検出体の受力部に渦発生体とし
ての機能を持たせていることに起因する。
【0017】そこで、第2の実施例においては、渦検出
体の受力部を渦発生体から独立させることにより、大口
径管路への適用を可能にするようにした。図7は第2の
実施例の概略構成図、図8はこの第2の実施例を図7の
B−B方向から見た断面図、図9は基台の渦発生体部の
断面図である。なお、第1の実施例で説明した部材と同
様の構成部材については、同一番号を付して説明を省略
する。
【0018】図7及び図8において、7は2つの柱状体
からなる渦発生体を有する基台、9は回路ボックス固定
部材であり、それぞれ管路1に固定されている。基台7
は、管路1にネジ固定される第2のフランジ71と、管
路1の側壁に嵌挿される支承部72と、この支承部72
から管路1の内部に伸びる形で設けられ渦発生体を構成
する断面三角形状の上流側柱状体73と断面等脚台形状
の下流側柱状体75と、管路1の側壁の支承部72と対
向する箇所に嵌挿されるとともにネジ固定される支承部
74とからなる。そして、基台7の第2のフランジ71
の表面には、渦検出体3の第1のフランジ31の端部が
溶接固定されるとともにこの渦検出体3を取り囲む回路
ボックス76が設けられている。さらに、回路ボックス
76の上部には、渦検出体3の歪検出素子12から信号
を取り出すためのリードが接続された回路基板8が設置
されている。なお、回路ボックス76の側面と回路ボッ
クス固定部材9の側面との間にはOリング10が挿入さ
れており、回路部分を気密にしている。とくに、渦発生
体の主部ともいえる下流側柱状体75には、その両側面
を貫通する開口部75b,75cと、該柱状体75の軸
線に沿って、これら開口部75b,75cと連通する挿
入孔75aとが設けられている。また、渦検出体3は、
その第1のフランジ31の端部が基台7の第2のフラン
ジ71の表面側にに溶接されており、かつ、管路1の中
央部まで到達する程度の長さ寸法を有するその受力部3
3が下流側柱状体75の挿入孔75a内に挿入されてい
る。なお、受力部33の下端はOリング5により挿入孔
75a内で支持固定されている。
【0019】上記の如く構成された第2の実施例におい
て、カルマン渦は次のようにして検出される。すなわ
ち、基台7の渦発生体部分の断面図である図9に示すよ
うに、上流側柱状体73と下流側柱状体75によってカ
ルマン渦13が発生すると、下流側柱状体75の開口部
75c側の圧力に比べて開口部75b側の圧力が低くな
り、渦検出体3の受力部33は開口部75b側に変形す
る。カルマン渦は下流側柱状体75の両側面近傍に交互
に発生するので、これに対応して受力部33は図のY−
Y方向に振動することになる。この受力部33の振動が
渦検出体3の自由面31aを変形させるので、自由面3
1aの表面に貼着された歪検出素子12から渦周波数に
対応した電圧信号を得ることができる。なお、外部振動
が加わった場合についても、前述の第1の実施例と同様
に、渦検出体3の自由面31aより上側の部分に作用す
る慣性力による曲げモーメントで外部振動ノイズをキャ
ンセルすることができる。
【0020】以上の説明から明らかなように、本発明に
係るカルマン渦流量計の第2の実施例によれば、渦検出
体3の受力部33を下流側柱状体75の挿入孔75aに
挿入するとともにカルマン渦による圧力変化を下流側柱
状体75の開口部から導入するようにして、渦検出体3
を独立させたので、管路1の口径が大きい場合でも、渦
検出体3の受力部33寸法を小さくして、検出部の固有
振動数を高く設定することが可能となり、周波数の高い
外部振動が加わっても誤動作することがないという利点
がある。さらに、口径の異なる複数の菅路に関して流量
の測定を行う場合でも、1つの渦検出体3を共用するこ
とができるので、菅路口径毎に大きさの異なる渦検出体
を製作する必要がなくなり、したがって、製造コストの
低減を図ることができる。
【0021】次に、本発明に係るカルマン渦流量計の製
造方法について、図10,図11及び前述の図1に基づ
いて説明する。なお、図10は渦検出体の第1のフラン
ジの要部断面図、図11は製造方法の概略を説明するた
めの図である。本発明の製造方法が適用されるカルマン
渦流量計の一つとして、図1に示した構成のもの、すな
わち、上流側柱状体23と第2のフランジ21を有する
基台2と、下流側柱状体としての機能をもつ受力部33
と第1のフランジ31を有する渦検出体3とを備え、第
1のフランジ31を第2のフランジ21に溶接すること
により、渦検出体3を固定するようにしたものがある。
【0022】上記の如く構成されたカルマン渦流量計に
おいて、第1のフランジ31と第2のフランジ21とを
溶接するにあたり考慮すべき点を、従来行われている全
周アーク溶接を用いた場合を例にして説明する。第1
に、全周アーク溶接の場合には、渦検出体3の第1のフ
ランジ31の固定部31b周辺を、1周するように順次
溶接していくことになるので、第1のフランジ31と第
2のフランジ21との溶接部に局部的な熱歪を生じ、そ
の結果、上流側柱状体23の軸線と下流側柱状体として
の機能をもつ受力部33の軸線とが傾き易いという問題
がある。この軸線の傾きがあるとカルマン渦の発生に悪
影響を及ぼすばかりか、渦周波数と流速との比例関係が
くずれてしまう恐れがある。第2に、溶接に要する時間
も長いので、歪検出素子12が貼着される第1のフラン
ジ31の自由面31aにも残留応力を生じ易く、センサ
出力がばらつく原因となりかねない。
【0023】そこで、本発明に係るカルマン渦流量計の
製造方法においては、渦検出体3の第1のフランジ31
の固定部31bに突起を設け、渦検出体3がこの突起の
みで上流側柱状体23の第2のフランジ21とに配置し
て、この突起を用いた抵抗溶接を行うようにする。図1
0は渦検出体3の第1のフランジ31の要部断面図であ
る。図示のように第1のフランジ31の固定部31aの
下面側には、断面が台形状の環状の突起31cが設けら
れている。この突起31cを用いた抵抗溶接を行うに
は、図11に示すように、まず溶接装置のガイド14の
内側に、分割構造となっている下部電極15の下部電極
部材15aを配置し、その上部に位置決めピン16とス
プリング17を挿入するとともに下部電極部材15bを
取りつける。次に、位置決めピン16をガイドにして上
流側柱状体23の第2のフランジ21を下部電極部材1
5bの上に配置し、さらに、渦検出体3をその第1のフ
ランジ31の突起部31cだけが第2のフランジ21と
接するように配置し、その上部に上部電極部材18bと
上部電極18aを取りつける。これらの作業により、溶
接時における渦検出体3の第1のフランジ31と上流側
柱状体23の第2のフランジ21の水平度が保たれるた
め、上流側柱状体23と下流側柱状体としての機能をも
つ受力部33との傾きがなくなる。この状態で、上下方
向から電極18と15に例えば、300kgfの力を2
秒間加え、その加圧中に12.5kAの電流を20ms
ec流すことで渦検出体3の第1のフランジ31の突起
31cと上流側柱状体23の第2のフランジ21に電流
と加圧力が集中し、その接触抵抗により、発熱溶融が起
こり、2秒間という短い時間で溶接が完了する。なお、
本実施例においては、第1のフランジ31の突起31c
の断面形状を台形としているが、この突起31cに電流
と加圧力が集中しさえすれば、どんな断面形状でも良
く、例えば、半円や三角形でも良い。
【0024】以上の説明から明らかなように、本発明に
係るカルマン渦流量計の製造方法によれば、渦検出体3
の第1のフランジ31に加工による歪を生じない溶接が
できるため、軸の傾きが小さく抑えられ、したがって、
渦の発生および渦周波数と流速の比例定数のばらつき
を、ある範囲に抑えることができる。また、渦の圧力に
より第1のフランジ31の自由面31aに発生する歪を
検出するときにも、残留応力や歪が残っていないので、
左右対称な歪が発生し、左右の出力のばらつきが小さ
い。また、溶接時の発熱時間が短く、熱の伝わりが小さ
いので、例えば、圧電素子等の歪検出素子を第1のフラ
ンジ31の自由面31aに接着してから溶接を行うこと
ができるので、接合作業がし易く歩留りがよいという効
果がある。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係るカルマ
ン渦流量計においては、従来の技術に比べ次のようなす
ぐれた効果がある。 (1) 外部振動や衝撃の影響を受けない正確な流速流量を
測定することができる。 (2) 実流調整が不要になるから、作業上の面倒さが省
け、かつコスト低減が図れる。 (3) 歪検出素子の出力が流速流量だけに対応するから、
振動補償用の電子回路が不要になるなど流量計の構造が
簡単になり、高信頼性と低コスト化が図れる。また、本
発明に係るカルマン渦流量計の製造方法を用いることに
より、歪検出素子が貼着される渦検出体の自由面に残留
応力を生じることがなくなるので、より高精度の流速流
量測定が可能なカルマン渦流量計を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るカルマン渦流量計の第1の実施例
の概略構成図
【図2】第1図におけるA−A断面図
【図3】外部振動による慣性曲げモーメントの模式図
【図4】渦力による曲げモーメントの模式図
【図5】第1の実施例における圧電素子の表面図
【図6】第1の実施例における圧電素子の裏面図
【図7】本発明に係るカルマン渦流量計の第2の実施例
の概略構成図
【図8】第7図におけるB−B断面図
【図9】第7図におけるA−A断面図
【図10】本発明に係るカルマン渦流量計の製造方法に
おいて用いられる渦検出体の要部断面図
【図11】本発明に係るカルマン渦流量計の製造方法を
説明するための図
【符号の説明】
1 管路 2 基台 21 第2のフランジ 23 上流側柱状体 3 渦検出体 31 第1のフランジ 31a 自由面 31b 固定端部 31c 突起 32 支柱部 33 受力部 35 バランスウェイト 7 基台 71 第2のフランジ 73 上流側柱状体 75 下流側柱状体 75a 挿入孔 75b 開口部 75c 開口部 12 歪検出素子 12a 電極 12b 電極 12c 電極 12d 電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鴻巣 直広 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01F 1/32

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被測定流体が流れる管路に垂直に挿入され
    た渦発生体の下流に発生するカルマン渦列を検出して流
    体の流速流量を測定するカルマン渦流量計において、支
    柱部と、この支柱部の一端に前記管路の内部に伸びる形
    で設けられた柱状の受力部と、前記支柱部の他端部にこ
    の支柱部の軸線に沿って位置調整可能に設けられたバラ
    ンスウェイトと、前記支柱部のほぼ中央部に設けられ歪
    検出素子が貼着される自由面を有する第1のフランジと
    からなり、この第1フランジの端部が第2のフランジを
    介して前記管路に固定される渦検出体を備えたことを特
    徴とするカルマン渦流量計。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のカルマン渦流量計におい
    て、渦発生体は、一端に前記第1フランジが固定される
    第2フランジを有し、他端に前記受力部の一端が挿入さ
    れる上流側柱状体と、前記受力部からなる下流側柱状体
    とを備えたことを特徴とするカルマン渦流量計。
  3. 【請求項3】請求項1に記載のカルマン渦流量計におい
    て、前記第1フランジが固定される前記第2フランジ
    と、この第2フランジから前記管路の内部に伸びる形で
    設けられた上流側柱状体と下流側柱状体とを具備し、こ
    の下流側柱状体には、その両側面を貫通する開口部と、
    前記下流側柱状体の軸線に沿って、前記開口部に連通す
    る挿入孔とが設けられ、前記渦検出体の受力部が、前記
    挿入孔に挿入されることを特徴とするカルマン渦流量
    計。
  4. 【請求項4】請求項1に記載のカルマン渦流量計におい
    て、前記渦検出体の歪検出素子は互いに対向する一対の
    電極を備え、その一方が前記受力部と管路の各軸線を含
    む平面に関して対象に配置された二つの分電極であり、
    他方がこの分電極に対応する一つの共通電極であり、こ
    の共通電極と前記各分電極との間でそれぞれ出力を取り
    出すようにしたことを特徴とするカルマン渦流量計。
  5. 【請求項5】支柱部と、この支柱部の一端に管路の内部
    に伸びる形で設けられる柱状の受力部と、前記支柱部の
    他端に設けられるバランスウェイトと、歪検出素子が貼
    着される自由面を有する第1のフランジとからなる渦検
    出体と、一端に前記第1のフランジが固定される第2の
    フランジを有する上流側柱状体と、を具備するカルマン
    渦流量計の製造方法であって、前記第1のフランジの端
    部に突起を設け、この突起を前記第2のフランジに接触
    させ、前記第1のフランジと前記第2のフランジとをブ
    ロック状電極で挟持して、この電極を介して前記第1の
    フランジと前記第2のフランジを押圧し、前記電極間に
    通電して、前記第1のフランジの突起と前記第2のフラ
    ンジの接触部分を発熱溶解させ、前記第1のフランジと
    前記第2のフランジとを溶接するようにしたことを特徴
    とするカルマン渦流量計の製造方法。
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