JP2976586B2 - カルマン渦流量計 - Google Patents
カルマン渦流量計Info
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Description
渦発生体に作用する交番力を渦信号として取り出して流
体の流速流量を測定する流量計であって、とくに振動や
衝撃の影響を補償するとともに、圧電素子をダイヤフラ
ムに固定するときの作業性,耐熱性の向上を図ったカル
マン渦流量計に関する。
る図3を参照しながら説明する。図3において、従来例
の要部は、概略的に言えば、管路1の側壁にネジ固定さ
れる基台2と、この基台2にネジ固定される検出体3と
からなる。基台2は主として、管路1の側壁外周への固
定部としての基板2a と、基板2a の中心にある突出部
で側壁に嵌挿される支承部2b と、この支承部2b から
管路1の内部に突出するカルマン渦発生支援用の柱状体
2c と、この柱状体2c の先端に位置し管路1の側壁の
対向箇所に嵌挿される支承部2d とからなる。各支承部
2b,2d の、管路1の側壁への嵌挿は、柱状体2c に対
する防振のために各Oリング5,6を介してなされる。
ジ固定されるフランジ部3a と、このフランジ部3a か
ら管路1の内部側に伸びる支柱部3b と、カルマン渦発
生体としての柱状体3c と、この柱状体3c の先端に位
置し基台2の支承部2d の中心部にOリング7を介して
嵌挿される支承部3d と、フランジ部3a から管路1の
外方に伸びる支柱部3e と、支柱部3e の先端部に位置
調整可能に固定されるウェイト3f とからなる。検出体
3を構成する前記の各部分は全て同軸である。なお、O
リング7は、柱状体3c に対する防振用である。また、
フランジ部3aは、発明におけるダイヤフラムとしての
フランジに相当する。
あり、同図に示すように、基台2の柱状体2c は、その
断面が等辺三角形で、検出体3の柱状体3c は、その断
面が等辺台形である。柱状体2c の断面の等辺三角形の
底辺と、柱状体3c の断面の等辺台形の長底辺とは、ほ
ぼ同じ長さで近接対向している。これら各柱状体2c,3
c は広義のカルマン渦発生体を構成し、柱状体3c が渦
発生の主部に、柱状体2c が渦発生を支援する副部に相
当する。なお、矢印Qは流れ方向を示す。
の柱状体3c が、外部の振動や衝撃(以下、単に外部振
動という)を受けたときの慣性力によるフランジ部3a
の箇所に関する曲げモーメント(以下、慣性曲げモーメ
ントという)と、支柱部3eおよびウェイト3f が、同
じ外部振動を受けたときのフランジ部3a の箇所に関す
る慣性曲げモーメントとが、互いに同じ大きさで逆方向
になるように構成される点である。なお、支柱部3e お
よびウェイト3f が、発明におけるバランスウェイトに
相当する。言いかえれば、前記の条件が成り立つよう
に、予め概略的に決められた寸法,重さのウェイト3f
が微細に位置調整されるわけである。したがって、支柱
部3b および主な渦発生体としての柱状体3c が外部振
動を受けたときのフランジ部3a の箇所に関する慣性曲
げモーメントは、バランスウェイトとしての支柱部3e
およびウェイト3f が同じ外部振動を受けたときのフラ
ンジ部3a の箇所に関する慣性曲げモーメントによって
相殺される。
図において、フランジ部3a の箇所に関する慣性曲げモ
ーメントM1 は、支柱部3b,柱状部3c に係る矢印表示
した各部の慣性力によるもの、同じくその慣性モーメン
トM2 は、支柱部3e,ウェイト3f に係る矢印表示した
各部の慣性力によるものであって、各慣性モーメントM
1,M2 は大きさが同じで方向が逆になる。なお、図6
(a) は柱状部3c の各部に作用する矢印表示したカルマ
ン渦による力(渦力)の、フランジ部3a の箇所に関す
る曲げモーメントMの模式図である。その結果、フラン
ジ部3a に固着された圧電素子4の出力は、外部振動の
影響が除去されてカルマン渦の振動数だけに対応した周
波数になる。
ランジ部3a の上面に支柱部3e を貫通させる形で接着
される。圧電素子4は、その表面図である図5(a) と、
その裏面図である図5(b) とに示したように、圧電物質
を中間に挟む形で構成され、ハッチング表示された各電
極4a,4b,4c,4d からなる。各電極4a,4b は、柱状
部3c と管路1との各軸線を含む平面、つまりX−Xを
含む紙面に直角な平面に関して対称に配置された二つの
分電極で、外側の表面に固着される。また電極4d は、
分電極である各電極4a,4b に対応する一つの共通電極
で、内側の表面に固着される。なお、図5(a) における
外側の表面に固着される電極4c は、共通電極である電
極4d と一体化されて出力取出し部の役目をする。出力
取出しは、内側の電極4d の部分からは困難なので、電
気的に等価な外側の電極4c からおこなうわけである。
このようにして出力信号は、各電極4a,4b と、電極4
cを介して電極4d との間からそれぞれ取り出される。
したように、圧電素子4からは、図4に示した柱状体3
c に作用する、この柱状体3c の軸線と流れ方向Qとに
直角なY−Y方向(揚力方向)の交番力だけ、言いかえ
れば、流体の流速流量だけに対応する出力信号が、周知
の電子回路によって2倍される形で取り出されることに
なる。このことは測定の感度,精度の向上に役立つ。
素子4をフランジ部3a の表面に固定するのに、接着方
式がとられた。接着方式は、小さい部品ではあるし、加
圧し加熱するため、作業性が悪く、工数もかかりコスト
も増す。また、有機系の接着剤を用いることが多いの
で、高温の流体を測定する場合には、接着剤の剛性が低
下し、感度が低くなるという問題も起こす。要するに、
耐熱性の点で種々問題がある。
の問題点を解消し、振動や衝撃の影響を補償するととも
に、圧電素子をダイヤフラムに固定するときの作業性,
耐熱性の向上を図るカルマン渦流量計を提供することに
ある。
に、請求項1に係るカルマン渦流量計は、被測定流体が
流れる管路の側壁の表面に固定されるダイヤフラムとし
てのフランジと;このフランジの前記側壁表面からこの
側壁を貫通して前記管路の内部に伸びる形で設けられる
渦発生体と;前記フランジの前記側壁とは逆側に設けら
れるバランスウェイトと;このバランスウェイトによっ
て前記フランジにネジ固定される圧電素子と;を有する
検出体を備え、前記渦発生体が外部振動を受けたときの
前記フランジの箇所に関する慣性曲げモーメントと、前
記バランスウェイトが前記外部振動を受けたときの前記
フランジの箇所に関する慣性曲げモーメントとが互いに
同じ大きさで逆方向になるとともに、前記圧電素子の出
力に基づいて前記被測定流体の流速流量が測定される構
成にしたことを特徴とするカルマン渦流量計。請求項2
に係るカルマン渦流量計は、請求項1に記載の流量計に
おいて、圧電素子のフランジへのネジ固定が、このフラ
ンジ側おネジ部とナットとしてのバランスウェイトとの
弾性座金を介してのネジ締結による。請求項3に係るカ
ルマン渦流量計は、請求項1または2に記載の流量計に
おいて、圧電素子が、本体と、その各電極を引き出すた
めの電極リードとからなり、これらの各対応電極がネジ
締結によって当接する構成である。
流量計では、渦発生体が外部振動を受けたときのフラン
ジの箇所に関する慣性曲げモーメントが、バランスウェ
イトが外部振動を受けたときのそれによって相殺される
から、たとえば請求項2のように、ナットとしてのバラ
ンスウェイトによりフランジにネジ固定された圧電素子
の出力は、外部振動の影響が除去されてカルマン渦の振
動数だけに対応する周波数になる。
いて、以下に図を参照しながら説明する。実施例が従来
例と異なる点は、圧電素子の構造と固定方式とにある。
その外については従来例と同様であるから、説明を省略
する。図1は実施例の要部の断面図、図2は同じくその
電極リードの表面図である。図1において、検出体8
は、その本体を構成するフランジ部8a 、各支柱部8b,
8e およびネジ部8fと、支柱部8e に嵌挿しながらフ
ランジ部8a の表面に順次積み重ねていく次の部品、す
なわち絶縁板11、圧電素子4、電極リード9、押さえ
板12および皿バネ13と、終わりにネジ部8f に嵌め
て全体をネジ締結するウェイト10とからなる。なお、
ウェイト10は、支柱部8e とネジ部8f との段差部に
突き当たるように完全に締め付ける必要がある。なお、
ウェイトは、実施例におけるように、ナットとして構成
する代わりに、おネジの頭部として構成し、フランジ側
にネジ込む方式にすることもできる。なお、図1におい
て、従来例における検出体3の柱状部3c 、支承部3d
に相当する柱状部8c 、支承部8d の図示は省略してあ
る。
電極を引き出すもので、図2に示すように、図5(a) に
おける圧電素子4の表面側に対向する表面に、各接触膜
9a,9b,9c と保護膜9d が設けられる。各接触膜9a,
9b,9c は、ウェイト10でネジ締結されたとき圧電素
子4の各電極4a,4b,4c と接触して電気的に接続さ
れ、保護膜9d は、引き出される各接触膜9a,9b,9c
を被覆し保護する。このように、実施例では、圧電素子
4のフランジ部8a への固定と、圧電素子4の各電極の
引出しとが同時におこなわれ、組立作業が簡単かつ迅速
にできる。しかも皿バネ13の弾性変位によって、高温
による各部の熱膨脹や、急激な温度変化に基づく各部の
熱膨脹差が、吸収されて計器感度への影響が抑えられ
る。
マン渦流量計では、渦発生体が外部振動を受けたときの
フランジの箇所に関する慣性曲げモーメントが、バラン
スウェイトが外部振動を受けたときのそれによって相殺
されるから、フランジにネジ固定された圧電素子の出力
は、外部振動の影響が除去されてカルマン渦の振動数だ
けに対応する周波数になる。したがって、作業性の向
上とともに、圧電素子固定部の耐熱性の向上、特に
請求項2によれば、高温による各部の熱膨脹や、急激な
温度変化に基づく各部の熱膨脹差が、弾性座金の変位で
吸収されて計器感度への影響が抑えられ、特に請求項
3によれば、圧電素子の各電極の引出しが容易,迅速に
できる──などの効果がある。なお、従来例における効
果の、振動や衝撃の影響を受けない正確な流速流量を測
定することができること;実流調整が不要になるから、
調整作業の面倒さが省け、コスト低減が図れること;圧
電素子出力が流速流量だけに対応するから、振動補償用
の電子回路が不要になるなど流量計の構造が簡単にな
り、高信頼性と低コスト化が図れること;などはそのま
ま維持される。
面図、(b)はその裏面図
し、(a) は渦力による曲げモーメントの模式図、(b) は
外部振動による慣性曲げモーメントの模式図
Claims (3)
- 【請求項1】被測定流体が流れる管路の側壁の表面に固
定されるダイヤフラムとしてのフランジと;このフラン
ジの前記側壁表面からこの側壁を貫通して前記管路の内
部に伸びる形で設けられる渦発生体と;前記フランジの
前記側壁とは逆側に設けられるバランスウェイトと;こ
のバランスウェイトによって前記フランジにネジ固定さ
れる圧電素子と;を有する検出体を備え、前記渦発生体
が外部振動を受けたときの前記フランジの箇所に関する
慣性曲げモーメントと、前記バランスウェイトが前記外
部振動を受けたときの前記フランジの箇所に関する慣性
曲げモーメントとが互いに同じ大きさで逆方向になると
ともに、前記圧電素子の出力に基づいて前記被測定流体
の流速流量が測定される構成にしたことを特徴とするカ
ルマン渦流量計。 - 【請求項2】請求項1に記載の流量計において、圧電素
子のフランジへのネジ固定は、このフランジ側おネジ部
とナットとしてのバランスウェイトとの弾性座金を介し
てのネジ締結によることを特徴とするカルマン渦流量
計。 - 【請求項3】請求項1または2に記載の流量計におい
て、圧電素子は、本体と、その各電極を引き出すための
電極リードとからなり、これらの各対応電極がネジ締結
によって当接する構成にしたことを特徴とするカルマン
渦流量計。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3136884A JP2976586B2 (ja) | 1991-06-10 | 1991-06-10 | カルマン渦流量計 |
US07/865,208 US5313843A (en) | 1990-01-29 | 1992-04-08 | Karman vortex flow meter |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3136884A JP2976586B2 (ja) | 1991-06-10 | 1991-06-10 | カルマン渦流量計 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04361120A JPH04361120A (ja) | 1992-12-14 |
JP2976586B2 true JP2976586B2 (ja) | 1999-11-10 |
Family
ID=15185803
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3136884A Expired - Fee Related JP2976586B2 (ja) | 1990-01-29 | 1991-06-10 | カルマン渦流量計 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2976586B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
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---|---|---|---|---|
KR100697347B1 (ko) * | 2005-08-31 | 2007-03-20 | 화천기공 주식회사 | 공작기계용 이송체 이송장치 |
DE102022105199A1 (de) * | 2022-03-04 | 2023-09-07 | Endress+Hauser Flowtec Ag | Sensor sowie damit gebildetes Meßsystem |
-
1991
- 1991-06-10 JP JP3136884A patent/JP2976586B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH04361120A (ja) | 1992-12-14 |
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