JP3596087B2 - トラクタ散粉機の散粉筒保持装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、トラクタ散粉機の散粉筒保持装置に関する。車体の側方へ長く突出される散粉筒の揺動を少くして、安定した散粉を行わせるものである。防除機や施肥機等に利用できる。
【0002】
【従来の技術、及び発明が解決しようとする課題】
農薬散粉のためのトラクタ散粉機では、長尺の散粉筒をトラクタ車体の横方向へ突出保持させるため、車体走行に伴って揺動を生じ易く、この揺動によって散粉筒内での粉剤の噴出作用が円滑に行われ難い。このため緩衝用のばねを介在させて上方へ吊上げる形態とするのが一般的であるが、上下揺動は防止し難い。
【0003】
【課題を解決するための手段】
この発明は、車体1に対して横方向へ張り出す散粉筒2を、下側へ引っ張るばね3に抗して上側へワイヤー4で吊上げて水平状の散粉姿勢に保持することを特徴とするトラクタ散粉機の散粉筒保持装置の構成とする。
【0004】
【作用、及び発明の効果】
トラクタ散粉機による散粉作業時は、散粉筒2を車体1の左右両側方へ張り出させた散粉姿勢とし、車体1側の散粉機からブロワーによる送風で噴送される粉剤を案内しながら、この散粉筒2に沿って配置される噴出孔から散出させる。トラクタ車体1の上下揺動や横振動等によって、散粉筒2も揺動されようとするが、この散粉筒2は上下方向にばね3とワイヤー4とで放張力を働かせているために、この散粉筒2の上下揺動を少くすることができる。
【0005】
このように散粉筒2は長尺であっても車体1の揺動による増幅揺動が防止されて、散粉筒2内の噴送を円滑に行わせることができ、均一な散粉を行わせることができる。しかも、ばね3の引っ張り方向とワイヤー4による吊下方向とを逆方向にする構成であるから構成も簡単である。
【0006】
【実施例】
トラクタ車体1は、前部にエンジンEを搭載し、後部に操縦席5を有して、ステアリングハンドル6によって前車輪7、及び後車輪8を操向させて、該エンジンEにより駆動しながら走行する四輪駆動及び四輪操向の形態である。この車体1の後側にヒッチ9で着脱自在の散粉機10を設ける。この散粉機10は、フレーム11上部に粉剤を収容するタンク12を有し、このタンク12の下部には電動モータ等の駆動で回転して粉剤を繰出す繰出装置13を設け、この繰出される粉剤を受けて散粉筒2へ案内する繰出筒14、この繰出筒14から送出される粉剤を受けて案内する散粉筒2、これら繰出筒14から散粉筒2へ向けて送風し粉剤を風送するブロワー15等を有する。
【0007】
散粉筒2は、フレーム11に対して横方向に左右横方向へ水平状に設けられ、中央部2Aの左右両側端部に対して左右側部2Bを連結し、この連結部は前後方向への回動を自由とするヒンジ16を有し、散粉筒2の中央部2Aと左右側部2Bとは直接蛇腹17で屈折自在に連結している。又、これら中央部2A及び左右側部2Bには下向きに噴孔18を配置して、風送される粉剤を各噴孔18から下方の作物、乃至土壌面等に散布することができる。
【0008】
前記中央部の散粉筒2Aは、フレーム11に固定させ、側部の散粉筒2Bの先端部に取付リング19を設け、この取付リング19の上端部とフレーム11の上部との間に亘ってワイヤー4を引っ張り、取付リング19の下端部とフレーム11の下部との間に亘ってばね3を引っ張って設ける。このワイヤー4は、フレーム11に取付けた滑車20を通して、前方下部のフック21に掛け渡し、更に角度調節可能のアーム22に連結し、このアーム22の角度によってワイヤー4の張力を調節できる。23は外止ガイドで、該滑車20に巻き掛けられたワイヤー4の浮上を止めて、滑車20の溝からワイヤー4が外れるのを防止する。
【0009】
非作業時は、前記左右両側の散粉筒2Bを中央部2Aに対してヒンジ16回りに回動させて、車体1の側面部に沿わせるようにする。又、図1のように一側が畦際であるような場合は、この畦際側の散粉筒2Bを車体1の側部に収納させて、他側の散粉筒2Bのみ横外方へ張り出させて散粉できる姿勢とする。
散粉作用は、ブロワー15を駆動して散粉筒2へ送風すると、繰出装置13の駆動でタンク12内の粉剤が繰出されて、繰出筒14から中央部の散粉筒2A、更には側部散粉筒2Bへ風送されて、これらの散粉筒2A,2Bに配置の各噴孔18から下方に噴出され、作物等に散布される。
【0010】
このような散粉作業中は、散粉筒2が横方向へ張り出された状態では、車体1の走行時の揺動によって長尺の散粉筒2も大きく上下に増幅揺動されようとするとするが、このとき散粉筒2は下側へばね3で引っ張られ、上方へはこのばね3に抗してワイヤー4によって引っ張られているために、常時初期張力が働いており、散粉筒2の揺動増幅を少くするものである。このため前記繰出筒14から散粉筒2への粉剤の繰出や、散粉筒2内の風送が円滑に行われる。
【0011】
図5において、上例と異なる点は、前記ブロワー15の吹出風量を、吸込口24におけるフィルター25,26の組合せによって調節するもので、ファンの回転数を一定にして各種粉剤に応じた風量を得ようとするものである。吸込口24には、粗いメッシュのフィルター25と細いメッシュのフィルター26とを用意して着脱し、かつこれら両フィルター25,26の組合せも可能としている。風量を多くするときは、粗いフィルター25を取付け、少くするときは細いフィルター26を取付け、更に少くするときは両フィルター25,26を重合させて取付ける。これによって外気吸入時の防塵効果を有することはもとより、ファンやエンジン等の回転数を変えないで風量変更を行いうる。27は吹出口である。
【0012】
図6において、上例と異なる点は、ブロワー15の逆風量を調節するために、前記フィルター24,26に代えてブラインド形態のフィン28を設け、このフィン28の角度を調節することによって外気の吸入量を調節するものである。
図7において、上例と異なる点は、前記散粉筒2内の各噴孔18に対応して、所定の面積を有して、風送されてくる粉粒剤を衝突させて下側の噴孔18側へ案内する抵抗板29を設け、各噴孔18からの散布量を調整するものである。図例の抵抗板29はドーナツ形態として、中央部に通穴部30を形成し、外周には取付部31を除いて間隔部32を形成している。又、この抵抗板29は噴孔18に向けて傾斜αしている。又、このような各部の抵抗板29は、大きさや形状等を変更するもよい。
【0013】
図8において、上例と異なる点は、前記散粉筒2Bの先端部に、風向フィン33を有した先端ノズル34を着脱自在に設け、この風向フィン33の回動、乃至交換によって、散布方向や散布域等を条件に応じて変えることができる。35はカバーであり、先端ノズル34に対してピン36回りに回動して噴出角度を変更調節できる。該風向フィン33は先端ノズル34内において前後に仕切フィン37によって句切られて、この前後の風向フィン33相互の傾斜角が異なるように設定されている。
【0014】
図9において、上例と異なる点は、散粉筒2の先端部にカバー38を取付けたもので、このカバー38には小径の噴孔39を配設している。このカバー38は、薄板に円形の噴孔39を形成し、斜め下方に向けて凸円弧曲面に形成され、散布される粉剤、粒剤等の均一な噴出、分散を行わせる。
図10において、上例と異なる点は、前記散粉筒2における抵抗板29の取付けを、各噴孔18部において行わせるもので、着脱乃至位置調節等を簡単に行うものである。このため、かぎ形のブラケット40を噴孔18にのぞませてボルト41で取付け、このブラケット40にボルト42で抵抗板29を取付ける。又、このブラケット40に対する抵抗板29の取付位置は、ブラケット40の長孔43におけるボルト42位置を調節することによって移動可能とし、抵抗板29の散粉筒2内への突出高さを調節できる構成としている。
【0015】
図11において、上例と異なる点は、前記散粉筒2の中央部2A、側部2Bとの連結部を蛇腹17部で連結する構成において、中央部2Aの端部に内径を絞った絞筒44を設け、粉粒剤の風送において、蛇腹17部による抵抗力を小さくするものである。
図12において、上例と異なる点は、散粉筒2Bの先端部を散粉筒の円筒状の径A内において前後側面を扁平面45とすることにより、幅狭くB形成したものである。粉粒剤の前後方向の拡散が少く分布が安定する。46は先端部内に取付けた案内板である。
【0016】
図13において、上例と異なる点は、前記ブロワー15を左右の散粉筒2毎に送風するように各別に連接したものである。又、散粉筒2は基部を左右互に重複させて、この基部における散布量の調節を行い易くする。47はブロワー15の吹出口27と散粉筒2の基部とを連通する送風ホースである。繰出筒14は該散粉筒2の基部に連接して、粉、粒剤を繰出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トラクタ散粉機の背面図。
【図2】その側面図。
【図3】その一部の拡大平面図。
【図4】その一部の拡大側面図。
【図5】ブロワーの背面図と、その一部の斜視図。
【図6】一部別実施例を示すブロワーの側面図。
【図7】一部別実施例を示す散粉筒噴孔部の正面図、側面図。
【図8】一部別実施例を示す散粉筒先端部の分解斜視図と、その一部の正面図、側面図。
【図9】一部別実施例を示す散粉筒先端部の背面図と、その側面図。
【図10】一部別実施例を示す抵抗板取付部の正面図、側面図、底面図。
【図11】一部別実施例を示す散粉筒の正面図。
【図12】一部別実施例を示す散粉筒先端部の正面図、平面図、側面図。
【図13】一部別実施例を示す散粉機の背面図。
【符号の説明】
1 車体
2 散粉筒
3 ばね
4 ワイヤー
Claims (1)
- 車体1に対して横方向へ張り出す散粉筒2を、下側へ引っ張るばね3に抗して上側へワイヤー4で吊上げて水平状の散粉姿勢に保持することを特徴とするトラクタ散粉機の散粉筒保持装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP12261595A JP3596087B2 (ja) | 1995-05-22 | 1995-05-22 | トラクタ散粉機の散粉筒保持装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JPH08308460A JPH08308460A (ja) | 1996-11-26 |
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ID=14840344
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP12261595A Expired - Fee Related JP3596087B2 (ja) | 1995-05-22 | 1995-05-22 | トラクタ散粉機の散粉筒保持装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3596087B2 (ja) |
-
1995
- 1995-05-22 JP JP12261595A patent/JP3596087B2/ja not_active Expired - Fee Related
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