JP3595816B2 - プロアントシアニジン含有物の製造方法 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、食品、化粧品、医薬品などの製造原料として、血管増強、高血圧、冷え性などの改善に有用なプロアントシアニジンを、効率よく製造する方法に関する。
背景技術
プロアントシアニジンは、各種植物中に存在する重合または縮合したタンニンであり、フラバン−3−オールまたはフラバン−3,4−ジオールを構成単位として縮合または重合(以下、縮重合という)により、結合した化合物群である。これらは、酸処理によりシアニジン、デルフィニジン、ペラルゴニジンなどのアントシアニジンを生成することから、その名称が与えられている。
プロアントシアニジンの中でも、重合度が低いプロアントシアニジンが好適に用いられている。重合度としては2〜30の縮重合体(2〜30量体)が好ましく、重合度が2〜10の縮重合体(2〜10量体)がより好ましく、重合度が2〜4の縮重合体(2〜4量体)がさらに好ましく用いられる。
本明細書では、プロアントシアニジンの縮重合体のうち、フラバン−3−オールおよび/またはフラバン−3,4−ジオールを構成単位とする重合度が2〜4の縮重合体を、OPC(オリゴメリック・プロアントシアニジン;oligomeric proanthocyanidin)という。
OPCは、ポリフェノール類の一種で、植物が作り出す強力な抗酸化物質であり、主として植物の葉、樹皮、果物の皮や種の部分に含まれている。具体的には、ブドウの種、松の樹皮、ピーナッツの皮、イチョウ、ニセアカシアの果実、コケモモなどに含まれている。また、西アフリカのコーラナッツ、ペルーのラタニアの根、日本の緑茶にも、OPCが含まれることが知られている。OPCは、ヒトの体内では、生成することのできない物質である。
さらにOPCは、抗酸化作用のほか、口腔内のバクテリア増殖を抑制してプラーク(歯こう)を減少させる効果;血管の弾力性を回復させる効果;血液中でのリポタンパク質が活性酸素によりダメージを受けるのを防止して、損傷した脂肪が血管の内壁に凝集し、コレステロールが付着することを防止する効果;活性酸素によって分解されたビタミンEを再生させる効果;ビタミンEの増強剤としての効果などを有することが知られている。
またフラバン−3−オールおよび/またはフラバン−3,4−ジオールの重合体であるタンニン、ならびにキチン、キトサン、およびこれらの誘導体は、黄色ブトウ球菌、サルモネラ菌、腸チフス菌、コレラ菌などに対する抗菌作用や殺菌作用が顕著である。特にほとんどの抗生物質が効かないために話題となったMRSA(メチシリン耐性ブドウ球菌)にも効果があることが報告されている。
プロアントシアニジンは、一般的には植物体からの抽出によって得られる。抽出に用いる溶媒としては、水;エタノール、エタノール、アセトン、ヘキサン、酢酸エチルなどの有機溶媒;またはこれらの混合物が挙げられる(特開平11−80148号公報)。しかし、単に溶媒による抽出のみでは、プロアントシアニジンの回収量は低く、純度も低い。したがって、健康食品、化粧品および医薬品原料として使用するためには、純度を上げるために、さらに他の濃縮、精製などの工程が必要であり、コストおよび時間がかかる。
特開平5−279264号公報には、プロアントシアニジンを含むポリフェノール類を回収する方法が記載されている。この方法では、ポリフェノール類をキチンに吸着させ、ポリフェノール類が吸着したキチンをポリフェノール製品として利用する。しかし、吸着されたポリフェノール類は、重合度の高いポリフェノール類であり、上記生理活性が高い2〜4量体のOPCの含有量は極めて低く、そのため抗酸化作用などの生理活性が低い。
また、キチン、キトサン、およびこれらの誘導体は、抗菌作用を持つことが知られている。
このような状況下、有用な生理活性を有するプロアントシアニジンの効率的な製造方法が望まれている。
発明の開示
本発明者らは、プロアントシアニジンを効率良く得る方法について、鋭意検討したところ、植物体からプロアントシアニジンを抽出し、得られた抽出物とキチン、キトサン、またはこれらの誘導体とを接触させ、非吸着物を回収することによって、生理活性の高いOPCを多く含むプロアントシアニジン含有物が効率良く得られることを見出した。このプロアントシアニジン含有物を、さらに合成樹脂系吸着剤で処理することによって、よりOPC含量の高いプロアントシアニジン含有物が得られることを見出して本発明を完成させた。
本発明は、プロアントシアニジン含有物の製造方法を提供し、この方法は、(a)植物体から抽出または圧搾により抽出物または搾汁を得る工程;および(b)該抽出物または搾汁を、キチン、キトサン、またはそれらの誘導体と接触させ、非吸着物を回収する工程を包含する。
好ましい実施態様においては、上記抽出は、熱水抽出である。
さらに好ましい実施態様においては、さらに(c)上記工程(b)で得られる非吸着物と合成樹脂系吸着剤とを接触させる工程を包含する。
本発明は、上記製造方法により得られる、プロアントシアニジン含有物を提供する。
好ましい実施態様においては、上記プロアントシアニジン含有物の固形分中に、40重量%以上の割合でオリゴメリック・プロアントシアニジンが含まれる。
本発明は、植物体から得られた抽出物または搾汁を、キチン、キトサン、またはそれらの誘導体と接触させた後、該キチン、キトサン、またはそれらの誘導体を含む不溶成分を回収して得られる、抗菌剤を提供する。
発明を実施するための最良の形態
本発明に用いられる植物体は、プロアントシアニジンを含有する植物体であり、その種類には特に制限はない。プロアントシアニジンを多く含む杉、檜、松などの樹木の樹皮;ブドウの種子、果皮、および果実;ピーナッツの薄皮;イチョウ、カカオ;茶葉および茶抽出液;モロコシキビ;リンゴ果実;クマザサ;フコイダン;ヤーコン葉;エルダーベリー;ニセアカシアの果実;コケモモ;コーラナッツ(例えば、西アフリカのコーラナッツ);ラタニア(例えば、ペルーのラタニア)の根;などが挙げられる。これらの中で、特に松樹皮、ブドウ種子および果皮、ピーナッツの薄皮などが好適に用いられる。
以下、本発明のプロアントシアニジン含有物の製造方法について説明する。まず、植物体からプロアントシアニジンを抽出し、あるいは植物体から搾汁を得る。抽出を行う場合には、抽出効率の点から、好ましくは植物体を適当な大きさに破砕し、体積当たりの表面積を大きくする。破砕方法は、特に限定されない。例えば、カッター、スライサーなどで処理した破砕物;ミキサー、ジューサー、ブレンダー、マスコロイダーなどで処理した粉砕物;などでもよい。破砕物または破砕物の大きさは、0.1〜10cm、好ましくは0.1〜5cmの細片である。破砕効率を上げるために、破砕時に水、エタノール、メタノール、酢酸エチルなどの有機溶媒を加えてもよい。
抽出溶媒としては、水または有機溶媒が用いられる。有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、ブタン、アセトン、ヘキサン、シクロヘキサン、プロピレングリコール、含水エタノール、含水プロピレングリコール、エチルメチルケトン、グリセリン、酢酸メチル、酢酸エチル、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、食用油脂、1,1,1,2-テトラフルオロエタン、1,1,2-トリクロロエテンなどが挙げられる。さらに、水−有機溶媒の混合溶媒も好ましく用いられる。これらは、単独で使用してもよいし、2以上の溶媒を混合して使用してもよい。なお、製造時の廃液処理の観点から、水が好適に用いられる。
植物体に添加する抽出溶媒の量は、目的とするプロアントシアニジン濃度および抽出効率を考慮して設定する。例えば、水を抽出溶媒として使用する場合、植物体:水の比が重量比で1:5〜1:50であり、好ましくは1:10〜1:20である。水および/または有機溶媒を添加して破砕した場合は、破砕に使用した量を考慮し、添加する抽出溶媒の量を調整すればよい。
抽出温度は、抽出効率を高めるためには高い方が好ましい。水を用いる場合、50〜120℃、好ましくは70〜100℃の熱水で抽出する。植物体に熱水を加えてもよく、植物体に水を加えた後、加熱してもよい。抽出は、一般的には10分〜24時間行われるが、抽出温度により決定される。
また、有機溶媒を用いた抽出方法として、加温抽出または超臨界流体抽出法による抽出を行ってもよい。有機溶媒を用いた加温抽出法としては、植物体に加温した溶媒を加える、または植物体に溶媒を添加して加温する方法が用いられる。例えば、粉砕した植物体に対して、水:エタノールの比が、重量比で1:1である水−エタノール混合溶媒を抽出溶媒として5倍量使用して、70〜75℃で還流させながら、3時間攪拌する方法が挙げられる。なお、有機溶媒を使用する場合の抽出温度は、その有機溶媒の沸点以下に設定する必要がある。
超臨界流体抽出法は、物質の気液の臨界点(臨界温度、臨界圧力)を超えた状態の流体である超臨界流体を用いて目的成分を抽出する方法である。超臨界流体としては、二酸化炭素、エチレン、プロパン、または亜酸化窒素(笑気ガス)などが用いられるが、二酸化炭素が好適に用いられる。超臨界流体抽出法では、目的成分を超臨界流体によって抽出する抽出工程および目的成分と超臨界流体とを分離する分離工程からなる。分離工程としては、圧力変化による分離工程、温度変化による分離工程、または吸着剤・吸収剤を用いた分離工程などが挙げられる。これらは単独で、または組み合わせて用いられる。
また、エントレーナー添加法による超臨界流体抽出を行ってもよい。この方法は、超臨界流体に、例えば、エタノール、プロパノール、n-ヘキサン、アセトン、トルエン、その他の脂肪族低級アルコール類;脂肪族炭化水素類;芳香族炭化水素類;またはケトン類を2〜20容量%程度添加し、これを抽出溶媒として超臨界流体抽出を行うことによって、プロアントシアニジンの抽出溶媒に対する溶解度を飛躍的に上昇させ、プロアントシアニジンの効率的な抽出を可能にする。
抽出には、例えば、回分式、半連続式、または連続式などのいずれの抽出装置を用いてもよい。
植物体から搾汁を得る場合には、植物体を直接圧搾し、あるいは適宜切断または破砕した後に圧搾する。この方法は、水分含量の高い植物体を使用する場合に好適に採用される。例えば、ブドウ果実の場合には、圧搾によりプロアントシアニジンを含む搾汁が得られる。植物体を破砕して得られる植物体由来の固形分を含む植物体破砕物(例えば、上記ブドウ果実破砕物)もまた搾汁と同様に用いられ、本明細書中では、この植物体由来の固形分を含む植物体破砕物も搾汁に包含される。
次に、得られた抽出物または搾汁(以下、抽出物等という)とキチン、キトサン、またはこれらの誘導体(以下、キチン、キトサン、およびこれらの誘導体のうち少なくとも1種をキチン類という)とを接触させる。以下、この工程を接触工程という。接触工程に用いられるキチン類は、粉末のまま使用してもよいし、繊維、フィブリル、フィルム、多孔体、マイクロビーズ、および樹脂などに成形された形で使用してもよい。接触工程において、抽出物等とキチン類とが接触すれば、接触はいかなる方法でもよい。例えば、簡易な方法としては、キチン誘導体の例として、合成樹脂を担体として、これにキチンを結合させたキチン樹脂をカラムに充填し、抽出液を通過させるカラム法、およびキチン類を抽出物等に加え、一定時間後、キチン類を除去するバッチ法などが挙げられる。なお、抽出物等に有機溶媒が含まれる場合は、キチン類が有機溶媒に溶解しない程度に抽出物等を希釈するか、有機溶媒を除去しておく必要がある。
カラム法は、カラムの詰まりなどを考慮して、抽出物等に含まれる不溶物をあらかじめ除去することが好ましい。不溶物の除去としては、当業者が通常用いる方法、例えば、濾過や遠心分離などが挙げられる。処理時間の点から、濾過が好適に用いられる。濾過は50〜100℃で行われ得、高温下ほど、より多くのプロアントシアニジンを回収することができる。好ましくは50℃以上、より好ましくは70℃以上で行われる。濾過された不溶物を、さらに70℃以上の熱水または加温溶媒で洗浄することによって、より多くのプロアントシアニジンを回収することができる。
不溶物を除去した後、キチン類への吸着効率の面から得られた抽出液を冷却することが好ましい。好ましくは4〜30℃になるまで冷却する。冷却としては、放冷による自然冷却;水または氷、あるいは冷凍庫および冷蔵庫などの冷却装置を用いた強制冷却などが挙げられる。
冷却後、抽出液をキチン類(例えば、キチン樹脂)を充填したカラムへ通液する。キチン類(例えば、キチン樹脂)の量は、その性質、形状、および原料の植物体に応じて適宜決定すればよい。例えば、キチン樹脂を用いて、松樹皮からプロアントシアニジン含有物を得る場合、松樹皮100gに対して、キチン樹脂は好ましくは5〜100g、より好ましくは10〜80g使用される。抽出液を、キチン類を充填したカラムに通液した後、100mLの水で洗浄し、カラムを通過した液および洗浄液を回収し、プロアントシアニジン含有物を得る。ここで、プロアントシアニジン含有物とは、その後、当業者が通常用いる方法によって得られる濃縮物、粉末なども含む。
バッチ法におけるキチン類による処理は、例えば、松樹皮100gから得られた抽出物に対して、キチン類を、好ましくは5〜100g、より好ましくは10〜80g添加して、攪拌しながら1〜3時間行うことが好ましい。
処理後、キチン類を濾過または遠心分離により除去することで、プロアントシアニジン含有物を得ることができる。
上記接触工程を経ることによりプロアントシアニジン含有物が得られ、プロアントシアニジン含有物の固形分中にOPC(オリゴメリック・プロアントシアニジン)が40〜90重量%含まれる。
得られたプロアントシアニジン含有物を、合成樹脂系吸着剤で処理することにより、さらに糖類や有機酸などの夾雑物が除去され、精製される。すなわち、プロアントシアニジン含有物を合成樹脂系吸着剤と接触させて、プロアントシアニジンを合成樹脂系吸着剤に吸着させ、所定の溶媒で溶出することにより、OPC含量が高められたプロアントシアニジン含有物を得ることができる。精製に用いる合成樹脂系吸着剤としては、有機系樹脂、イオン交換樹脂、シリカゲル、逆相シリカゲルなどが挙げられる。
有機系樹脂としては、例えば、芳香族系樹脂、アクリル酸系メタクリル樹脂、アクリロニトリル脂肪族系樹脂などが使用でき、芳香族系樹脂が好ましい。芳香族樹脂としては、疎水性置換基を有する芳香族系樹脂、無置換基型の芳香族系樹脂、無置換基型に特殊処理を施した芳香族系樹脂が挙げられ、無置換基型に特殊処理を施した芳香族系樹脂がより好適である。汎用の芳香族系樹脂としては、スチレン−ジビニルベンゼン系樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、多孔性であることが好ましい。このような合成樹脂は市販されており、例えば、ダイアイオン(登録商標)系としてHP−10、HP−20、HP−21、HP−30、HP−40、HP−50(以上、無置換基型の芳香族系樹脂、いずれも商品名、三菱化学株式会社製);SP−825、SP−800、SP−850、SP−875(以上、無置換基型に特殊処理を施した芳香族系樹脂、いずれも商品名、三菱化学株式会社製);SP−900(芳香族系樹脂、商品名、三菱化学株式会社製);アンバーライト(登録商標)系として、XAD−2、XAD−4、XAD−16、XAD−2000(以上、芳香族系樹脂、いずれも商品名、株式会社オルガノ製);ダイアイオン(登録商標)系として、SP−205、SP−206、SP−207(以上、疎水性置換基を有する芳香族系樹脂、いずれも商品名、三菱化学株式会社製);HP−2MG、EX−0021(以上、疎水性置換基を有する芳香族系樹脂、いずれも商品名、三菱化学株式会社製);アンバーライト(登録商標)系として、XAD−7、XAD−8(以上、疎水性置換基を有する芳香族系樹脂、いずれも商品名、株式会社オルガノ製);ダイアイオン(登録商標)系として、HP1MG、HP2MG(以上、アクリル酸系メタクリル樹脂、いずれも商品名、三菱化学株式会社製);セファデックス(登録商標)系としてLH20、LH60(以上、架橋デキストランの誘導体、いずれも商品名、ファルマシア バイオテク株式会社製)などが挙げられる。中でもダイアイオン HP−20またはセファデックス LH20が好ましい。
イオン交換樹脂としては、陽イオン交換樹脂および陰イオン交換樹脂のいずれも使用できる。市販されているイオン交換樹脂としては、例えば、アンバーライト(登録商標)系陽イオン交換樹脂として、CG−4000、CG−5000、CG−6000、CG−8000(以上、官能基としてスルホン酸塩基を有する樹脂、いずれも商品名、株式会社オルガノ製);IR−116、IR−118、IR−120B、IR−122、IR−124(以上、官能基としてスルホン酸塩基を有する樹脂、いずれも商品名、株式会社オルガノ製);XT−1007、XT−1009、XT−1002(以上、官能基としてスルホン酸塩基を有する樹脂、いずれも商品名、株式会社オルガノ製);弱塩基性陰イオン交換樹脂として、OPTIPORE−XUS40285.00、OPTIPORE−XUS 40390.00(以上、官能基として4級アミンを有する樹脂、いずれも商品名、ダウケミカル株式会社製)などが挙げられる。イオン交換樹脂を用いる際の溶出溶媒は、水が好ましく、カラム温度は50〜120℃、カラム内は常圧または加圧された状態であることが好ましい。
合成樹脂系吸着剤の量は、溶媒の種類、合成樹脂系吸着剤の種類等によって適宜設定すればよい。例えば、プロアントシアニジン含有物中の固形分重量に対して、0.01〜5倍重量の合成樹脂系吸着剤を使用することが好ましい。
合成樹脂系吸着剤を用いて精製するには、例えば、合成樹脂系吸着剤をカラムに充填し、そのカラムにプロアントシアニジン含有物を通液し、次いで合成樹脂系吸着剤の重量に対し、5倍から10倍の重量の水を通液させる。これにより、不純物である糖類および有機酸が除去される。その後、所定の溶媒によりプロアントシアニジンを溶出する。溶媒としては、水、メタノール、エタノール、酢酸エチル、クロロホルム、およびこれらの混合溶媒が挙げられる。好ましくは水とエタノールの混合溶媒が用いられる。例えば、水とエタノールの混合比は、用いる合成樹脂系吸着剤によって異なるが、ダイアイオンHP−20の場合、水:エタノールの比が体積比で1:1〜4:1である。このようにして、OPC含量が高められたプロアントシアニジン含有物が得られる。
上記工程を経ることにより得られるプロアントシアニジン含有物の固形分中に含まれるOPCは、80重量%以上、好ましくは95重量%以上である。
上記方法によって製造されるプロアントシアニジン含有物は、濃縮して食品素材とすることもできる。濃縮には、膜濃縮、加熱濃縮、真空(減圧)濃縮、凍結濃縮などの種々の方法が用いられる。
さらに必要に応じて、これらのプロアントシアニジン含有物を殺菌処理して保存する。殺菌は、気流殺菌、高圧殺菌、加熱殺菌などの当業者が用いる方法により行われる。
また、これらのプロアントシアニジン含有物は、殺菌後、濃縮、乾燥、粉末化してもよい。乾燥には、当業者が通常用いる方法によって行われる。中でも、凍結乾燥、真空乾燥、および噴霧乾燥が好ましく用いられる。
上記製造方法によって得られたプロアントシアニジン含有物は、食品、化粧品、医薬品の原料として使用することができる。
得られたプロアントシアニジン含有物は、ドリンク剤およびゲル化した飲食物などとして利用できる。さらに、プロアントシアニジン含有物は、そのまま飲食に供するだけでなく、賦形剤、増量剤、結合剤、増粘剤、乳化剤、香料、食品添加物、調味料などと混合し、用途に応じて、顆粒、錠剤などの形態に成形することもできる。例えば、ローヤルゼリー、ビタミン、プロテイン、カルシウム、キトサン、レシチン、カフェインなどと混合し、さらに糖液および調味料により味が整えられる。さらにこれらは、ハードカプセルおよびソフトカプセルなどのカプセル剤、丸剤、またはティーバック状などにされる。これらは、これらの形状または好みに応じて、そのまま食してもよく、あるいは水、湯、牛乳などに溶いて飲んでもよい。またティーバック状などの場合、成分を浸出させてから飲んでもよい。
抽出物等と接触させた後のキチン類には、原料である植物体に由来するタンニンなどが含まれ、消臭作用だけでなく抗菌作用があるため、消臭剤または抗菌剤の材料として利用することができる。一方、キチン類にも、抗菌作用、例えば、O−157や黄色ブドウ球菌などに対する抗菌作用があるため、接触処理後のキチン類は抗菌作用を相乗的に発揮し、効果的な抗菌作用を有する
この接触処理後のキチン類は、飲料および給水用の水、ペット用の水、浴用の水、料理用の水、洗濯用の水、鑑賞魚用の水、食器や食材洗浄用の水、洗顔用の水、化粧水用の水、トイレットの流し水、プール用の水、生け花および園芸用の水などを浄化する浄水材料;フィルタ材料(空調機・空気清浄機・掃除機・クリーンルーム用のフィルタ、浄水フィルタなど);ファンやファン周りの成形物;冷蔵庫の内壁パネル;衣類(衣服、芯地、裏地、エプロン、靴下、足袋など);履物(靴、スリッパ、靴中敷など);身回り品(タオル、スカーフ、マフラー、ベルト、帽子、手袋、テーブルクロス、傘地、かばん、バック、財布など);日用品・台所用品(歯ブラシ、洋服ブラシ、ヘアブラシ、タワシ、食器洗い、雑巾、フキン、垢こすりなど);医療用品・福祉関連用品・生理用品・衛生材料、(手術着、白衣、ベッドマット、マスク、包帯、ガーゼ、縫合糸、吸収材、創傷保護材、オムツ、各種生理用品など);化粧用部材(パフ、化粧用ブラシなど);インテリア製品・内装品・家具(ホットカーペット、カーペット、カーテン、椅子張り地、網戸、バスマットなど);室内の内装材(壁用シート、床材など);寝具(ふとんわた、シーツ、布団カバー、毛布、マット、枕カバー、座布団など)、スポーツ用品(スポーツ着など);車内装品(車用カバーシート、シート クロス、天井材、床材など);浴室・トイレタリー用品、ペット用品、包装材料(食品包装用のフィルム、シート、ボトル、トレイ、家電製品包装用フィルム、堆肥バッグなど);鮮度保持用フィルム・シート;緩衝材;買い物袋;ゴミ袋;包装紙;その他産業用および民生用(テント、コンベアベルト、ホース、ロープ、幌、帆布、養生シート、植生用ネット・マット・不織布、工事用ネット、魚網、延縄、海苔網、釣り糸、防鳥網、防虫網、防獣網、ろ過布、抄紙機用ドライキャンバス、ヘルメット用汗取り、掃除機用アタッチメントブラシ、モップ、ぬいぐるみ、研磨ブラシ、縫い糸、蚊帳、おしぼり、カード類、使い捨て食器、文具、日用雑貨など)などの抗菌剤または消臭剤として利用できる。
さらに、接触処理後のキチン類は、農業用フィルム、農業用簡易被覆材、寒冷紗、結束テープ、防草袋、防草ネット、植木用ネット、防根シート、育苗床・ポットなどの材料に抗菌性を付与するための原料として利用できる。
接触処理後のキチン類は、また食品の原料として利用される。例えば、スナック、ゼリー、ガム、飴、錠剤、ハードおよびソフトカプセル剤などの原料として用い、抗菌作用による整腸効果、感染症予防および口臭除去などの効果を得ることができる。
(実施例)
以下、実施例に基づいて本発明を説明するが、この実施例は本発明を制限するものではない。実施例に示す単位(V/V)は(容量/容量)を、(W/W)は(重量/重量)を示す。なお、実施例における抽出液および処理液の固形分重量は、各液の全量を減圧濃縮乾固して秤量するか、または全量を正確に測定した後、一定量の抽出液および処理液(通常5mL)を減圧濃縮し、秤量した後、全液量換算した。
(実施例1)
松樹皮100gに精製水1Lを加え、ブレンダー(Waring Blender)で破砕した後、100℃で10分間加熱処理した。次いで直ちに濾過し、濾過後の不溶物を精製水200mLで洗浄し、1.2Lの抽出液Aを得た。
この抽出液Aの一部(5mL)を減圧濃縮し、得られた抽出粉末Aの重量を測定した。抽出粉末Aの重量は26mgであり、抽出液Aには6.3gの固形分が含まれていた。この抽出液Aを25℃まで放冷し、15gのキチン樹脂(ナカライテスク株式会社製)を充填したカラムに通液した。次いで、このカラムを精製水200mLで洗浄し、通過液と洗浄液とを併せ、プロアントシアニジンを含む1.4Lの処理液Bを得た。さらに、この処理液Bの一部を減圧濃縮し、得られた処理粉末Bの重量を測定した。処理粉末Bの重量は10.4mgであり、処理液Bには2.9gの固形分が含まれていた。
次に、キチン樹脂に吸着した成分を、60〜80%(V/V)の水−エタノール混合溶媒200mLを用いてカラムから溶出し、200mLの溶出液Cを得た。次いで、この溶出液Cを減圧濃縮し、得られた粉末Cの重量を測定した。粉末Cの重量は2.2gであった。プロアントシアニジンを含む処理液Bを、50gの芳香族系合成樹脂(ダイアイオン HP−20:三菱化学株式会社製)を充填したカラムへ通液し、プロアントシアニジンをカラムに吸着させた。このカラムを200mLの精製水で洗浄後、通過液と併せ、1.6Lの合成樹脂系吸着剤通過液Dを得た。
カラムを20〜100%(V/V)のエタノール−水混合溶媒でグラジエント溶出し、各10mLずつ画分を分取した。2〜4量体のOPCの標品(2量体:プロアントシアニジンB−2、3量体:プロアントシアニジンC−1、4量体:シンナムタンニンA2)を指標として、各溶出画分中のOPCをシリカゲル薄層クロマトグラフィー(TLC)により検出した。
TLCの展開条件、検出方法は下記の通りである。
TLC:シリカゲルプレート(Merck & CO., Inc.製)
展開溶媒:ベンゼン:蟻酸エチル:蟻酸(1:7:1)
検出試薬:硫酸およびアニスアルデヒド硫酸
サンプル量:各10μL
20〜40%(V/V)のエタノール−水混合溶媒による溶出画分にOPCが含まれることがわかり、これらの画分を併せて、400mLの精製液Eを得た。次いでこの精製液Eを減圧濃縮した。得られたOPCの精製粉末Eの重量は1.6gであった。この精製粉末Eの一部を用いて、精製粉末E中のOPC含有量をR.S.Thompsonらの方法(J. Chem. Soc. Perkin Transl., 1387-1399, 1972)により、測定したところ、80%(W/W)以上であった。なお、合成樹脂系吸着剤通過液Dを減圧濃縮し、得られた粉末Dの重量を測定した。粉末Dの重量は0.25mgであり、合成樹脂系吸着剤通過液Dには0.8gの固形分が含まれていた。また、40〜100%(V/V)のエタノール−水混合溶媒による溶出画分を併せて、減圧濃縮して、粉末Fを得た。
表1にプロアントシアニジン含有物製造の各工程における収量を示す。
Figure 0003595816
なお、表1中のアニスアルデヒド硫酸および硫酸の欄は、プロアントシアニジンの検出結果を示し、+の数が多いほど、含量が多いことを示す。この検出は、AからF各粉末の各5mgを1mLのメタノールに溶解し、上記条件でシリカゲルTLCを用いて展開し、アニスアルデヒド硫酸および硫酸で発色させ、移動率(Rf)が0.7〜1.0の範囲のスポットを検出した。
OPC含有率を、以下のように算出した。まず、精製粉末EがOPCを80重量%以上含むことから、精製粉末E中の全OPC重量を固形分重量(1.6g)の80重量%と仮定した(1.28g)。精製プロセスにおいて、アニスアルデヒド硫酸によって発色した各固形分中に全OPCが含まれていると仮定して、OPC含有率を算出した。発色しない固形分については、0.0%とした。
表1の結果より、キチン処理によってキチンに吸着しないプロアントシアニジン含有物が得られ、この含有物を合成樹脂系吸着剤で処理してプロアントシアニジンを吸着させることにより、夾雑物が除去された高純度のプロアントシアニジン含有物が得られることがわかる。さらに、キチン類に吸着されない画分に含まれるプロアントシアニジン含有物の固形分中には、40%以上のOPCを含有することがわかる。
(実施例2)
松樹皮100gに1Lの精製水を加え、破砕し、100℃で10分間加熱処理した。その後、濾過し、1.2Lの抽出液Gを得た。次いで、この抽出液Gを25℃まで放冷し、キチン樹脂15gを抽出液Gに加え、3時間攪拌を行った。さらに攪拌後、ろ過し、1.2Lの処理液Hを得た。さらに、この処理液Hを減圧濃縮し、3.36gの処理粉末Hを得た。さらに、この処理粉末Hと処理粉末Bとをそれぞれ実施例1と同様にTLCで測定したところ、処理粉末Bと同様に発色を示し、約40%以上のOPCを含有していた。
さらに、3.31gの処理粉末Hを2Lのメタノールに溶解し、実施例1と同様に50gのダイアイオン HP20を充填したカラムへ通液し、吸着させ、精製水で洗浄した。次いでカラムに20〜100%(V/V)エタノール−水混合溶媒でグラジエントをかけて、通液した。通液量は1.6Lであった。20〜40%(V/V)エタノール−水混合溶媒による溶出画分を併せ、減圧濃縮し、2.15gの精製粉末Iを得た。精製粉末Iと精製粉末Eとをそれぞれ、実施例1と同様にTLCで検出したところ、精製粉末Eと同様の発色を示し、80%以上のOPCを含有していた。
(実施例3)
実施例2において、接触処理後のキチン樹脂を減圧濃縮し17gの粉末Jを得た。この得られた粉末Jを用いて、シェークフラスコ法による抗菌活性を測定した。比較として、接触処理を行っていないキチン樹脂の粉末Kも同様に抗菌活性を測定した。測定方法は下記の通りである。
最初に、リン酸一カリウム(34g)を精製水(500mL)に溶かし、これに4%(W/V)水酸化ナトリウム水溶液(約175mL)を加えてpH7.2に調整後、全量を1000mLとし、さらに精製水で800倍に希釈して振盪培養液を調製した。
試験菌として、黄色ブドウ状球菌Staphylococcus aureusを使用した。この試験菌株をブレイン・ハート・インフュジョン寒天斜面培地に移植後、37℃、24時間培養した。この培養菌を白金耳を用いて普通ブイヨン培地に植菌し、37℃、6〜10時間培養した後、普通ブイヨン培地を用いて菌数を1.5〜3×108個/mLに調整した。さらにこの菌液をリン酸緩衝液の保存液で1000倍に希釈し、接種菌液とした。
以上のようにして調製した振盪培養液および接種菌液を用いて、抗菌試験を行った。200mL容ネジ口キャップ付き三角フラスコを6本用意し、それぞれに振盪培養液(70mL)を入れ、キャップを緩く閉めた後オートクレーブで滅菌した。冷却後、接種菌液(5mL)を加えてよく撹拌した。最終的に三角フラスコ中の菌数は、1〜2×104個/mLとした。各三角フラスコのうち、任意の3本から菌液(1mL)を採取し、試験液で10倍希釈系列を作り、標準寒天培地を用いて混釈寒天平板を作成した。この平板を37℃、24〜48時間培養した。生育したコロニー数をそれぞれ計測し、その希釈倍率を乗じて生菌数(初発菌数)を算出した。この生菌数の平均値をAとした。
次いで、350mgの粉末Jおよび粉末Kを、試験接種菌液を入れた三角フラスコ3本ずつにそれぞれ加え、合計6検体を同時にリストアクション振盪機(回転数320〜340rpm)で1時間振盪培養した。振盪培養後、各三角フラスコより菌液(1mL)を採取し、上記と同様にして混釈寒天平板を作成し、生菌数を測定した。この生菌数の平均値をBとした。
得られた値AおよびBから滅菌率を{(A−B)/A}×100として算出したところ、粉末Kの滅菌率は93%であったのに対して、粉末Jの滅菌率は29%であった。以上のことから、接触処理後のキチン樹脂には、高い抗菌活性を有することがわかる。
産業上の利用可能性
本発明の方法により、生理活性の高いOPCを高い割合で含有するプロアントシアニジン含有物を効果的に得ることができる。特に、合成樹脂系吸着剤で処理する工程を含む方法を採用することによって、よりOPC含量の高いプロアントシアニジン含有物を提供できる。このOPC含量の高いプロアントシアニジンは、血管増強、高血圧、冷え性などの改善に効果があり、食品、化粧品、医薬品の製造原料として用いられる。

Claims (2)

  1. (a)松樹皮から熱水または有機溶媒を用いた抽出により抽出物を得る工程;および (b)該抽出物を、キチンまたはキチン樹脂と接触させ、非吸着物を回収する工程を包含する、該抽出物に比べてオリゴメリック・プロアントシアニジン含量が高められたプロアントシアニジン含有物の製造方法。
  2. さらに、(c)前記工程(b)で得られた非吸着物と合成樹脂系吸着剤とを接触させる工程を包含する、請求項1に記載の方法。
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