JP3595452B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタル電子写真複写機、ファクシミリ等の画像形成装置に関し、特に画像データの転送とCPUデータの転送とを共通の転送路で処理する機能を備えた画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
CPUにより制御されるCPUデータと画像データとに基づいて、原稿等から読み取った画像データを処理して画像形成を行う画像形成装置としては、図11に示す構成のものが一般的である。即ち、図11に示す概略構成は大きくブロック分けすると、画像読取部101、画像処理部102、及び画像形成部103の3ブロックに分けられる。この構成において各ブロックの内部構成と共に、画像データの流れを説明すると、画像読取部101では原稿画像からの反射光を光電変換素子CCD101aによって電気信号に変換し、このアナログ画像信号をデジタル変換IC101bでデジタル画像信号に変換した後、画像データ転送路104を経由して次段の画像処理部102に転送する。
画像処理部102では、前記画像読取部101から転送された画像データを画像処理IC102aによって受け、この画像デ−タを一旦メモリ102cに格納した後、画像処理IC102aによって予め定められた設定条件で画像を処理し、再びメモリ102cに格納する。メモリ102cに格納された画像データは、画像データ転送路105を経由して次段の画像形成部103に転送され、さらに、画像形成IC103aを介してエンジン103bに送られ、画像が形成される。
一方、前記各ブロックにはそれぞれCPU用のインターフェース101c、102d、103cが備えられており、これらのインターフェースを介して各ブロック相互間において次に説明するような制御信号の転送が行われる。また、通常各複数のブロックによって処理を行う場合、いづれか一つのブロックに全体の主制御を行うCPUを配置するが、図11において例えば、画像処理部102にCPU2bが搭載されており、CPU102bはインターフェースCPUI/F(B)102dを通して画像処理部102だけでなく、画像読取部101や画像形成部103内の状態をチェックしたり、各部に必要な条件を設定したり、または種々の指令を出したりすることが出来るようになっている。例えば、メモリ102cに格納された画像データを印刷する場合に、CPU102bは前もってエンジンに対するアイドリング指令を、CPUI/F(B)102dからデータ転送路107を経由してCPUI/F(C)103cに伝える。画像形成部103では画像形成IC103aがCPUI/F(C)103cを介して受けたCPUデータを、エンジン103bに伝え、アイドリング状態にする。
同様に、画像読取部101内に種々の指令を出すには、CPUI/F(B)102dからCPUデータ転送路106を経由してCPUI/F(A)101cに伝える。なお、画像読取部101や画像形成部103内の状態をチェックするため、CPUデータ転送路106、107は両方向の伝送が可能となっている。
【0003】
図12は基本的な画像信号の転送状態を説明するための信号波形図である。画像データ信号DATAは、主走査の同期信号LSYNCに同期して、クロック同期CLKに従って送られ、データの有効範囲はラインゲート信号LGATEがLOWの間である。
上記のように構成された画像形成装置において、画像読取部101で読み取られた画像データは、画像読取部101と画像処理部102との間に接続されたハーネスを介して画像処理部102の画像処理IC102aに入力される。さらに、画像処理IC102aで処理された画像データは、画像処理部102と画像形成部103との間に接続されたハーネスを経て画像形成部103の画像形成IC103aに入力される。一方、画像読取部101や画像形成部103では、各種の条件データをCPU側から設定する必要が有ると共に、CPU側から上記の各部の状態を読み出す必要もあり、各ブロックに備えたCPUI/Fは上述したような条件設定や各部の状態を読み出すためのものである。
しかし、上記構成においては各部間に接続されるハーネスの本数が非常に増えるので、構成上広いスペースを必要とするため小型化を妨げる上、信号線間のクロストーク等のノイズが大きな問題となっていた。そのため、CPUI/Fを経由する信号をシリアル化して特別なプロトコル通信を用いて、ハーネスの本数を削減することが行われていた。
図13はCPU102bと各部間のシリアル通信の信号形態の一例であリ、チップセレクト信号CSが立ち下がるまでにアドレスデータが送付され、チップセレクト信号CSがLOWになってから画像データが送られてくるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来のハーネス本数削減の方法を用いても、画像データとCPUデータを転送する2系統の転送路が併存することには変わりなく、ハーネスの本数削減には限界があり、スペース的に余裕のない装置や信号線間のクロストーク等のノイズを減少する上での本質的な解消策には至っていなかった。また、画像データとCPUデータの転送路の共通化を図ろうとすると、CPU側と各部との間の信号のやり取りが一方向通信の場合には、画像読取部に対してはデータの読み出し、画像形成部に対してはデータの書き込みに限定され、また、CPU側と各部との間の信号のやり取りが双方向通信の場合には、各手段間に使用されるインターフェース回路に送受信のバッファやドライバ等が必要となる上、電気的な規格やタイミング等の厳しい制限が加わるといった新たな問題を招くことになる。本発明は上述したような従来の画像形成装置における問題を解決するためになされたものであって、画像データとCPUデータのそれぞれにデータ専用の識別子を設けることによって、画像読取手段、画像処理手段及び画像形成手段間のデータを共通の転送路で転送可能とすると共に、さらに各手段間の転送を一方向のみループ状に行うことによって、各手段間のハーネス本数の減少とインターフェース回路の簡易化を図り、線間のクロストークノイズを減少させ、低ノイズ化と小型化を図った画像形成装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明においては、請求項1の画像形成装置では、CPUにより制御されるCPUデータと画像データとに基づいて画像を形成する画像形成装置において、原稿画像を読み取ってデジタル画像データに変換する画像読取手段と、前記画像データに所要の処理を施す画像処理手段と、前記画像処理手段により処理された画像データに基づいて画像を形成する画像形成手段とを備え、前記画像読取手段、前記画像処理手段及び前記画像形成手段の各手段間における転送路を画像データとCPUデータとの両者を共通の転送路で転送するように構成し、上記共通の転送路を、一方向にのみデータを転送可能な転送路とし、上記画像読取手段、上記画像処理手段及び上記画像形成手段の各手段にそれぞれ、上記CPUデータを上記共通の転送路に出力する際に、そのCPUデータに、そのCPUデータがいずれの手段へ転送されるべきデータであるかを示す識別子を付加するインタフェースと、上記共通の転送路から受信したCPUデータが自手段で処理すべきデータであるか否かを判断するインタフェースとを設けたことを特徴とする。請求項2記載の画像形成装置では、請求項1記載の画像形成装置において、上記共通の転送路を転送する画像データに主走査方向と副走査方向のタイミングを示したデータを付加したことを特徴とする。
【0006】
【作用】
本発明は以上のように構成するので、請求項1記載の画像形成装置では、画像読取手段、画像処理手段及び画像形成手段の各手段間における転送路の一つまたは複数を画像データの転送とCPUデータの転送とを共通の転送路で行うようにしたので、特に構成上スペースで問題になる周辺のハーネスの本数を大幅に削減することが出来る。つまり、上記各手段間における転送路を用いた画像データの転送とCPUデータの転送とを、共通転送路を用いて行うことにより使用するハーネス本数を低減することができた。また、画像データとCPUデータとが転送される共通の転送路は、一方向にのみデータを転送可能な転送路としているので、共通の転送路に接続するインターフェース回路を双方向にすることなく、各手段間のデータの受け渡しが簡単に出来る。請求項2記載の構成によれば、請求項1のように構成された画像形成装置の発明に加えて、共通の転送路を転送する画像データに主走査方向と副走査方向のタイミングを示したデータを含ませるようになっているので、各手段間を接続するハーネスの本数を一層減少することが出来る。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図示した実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
図1(A)、(B)、(C)は後述する画像読取部1、画像処理部2及び画像形成部3の各ブロック間におけるデ−タ転送路の形態を示した図である。この例では、各ブロック間の画像データとCPUデータの転送は、両者を共通に行う機能を備えた共通転送路4と、画像データのみの転送を行う機能をもった画像データ転送路5と、CPUデータのみの転送を行う機能を有したCPUデータ転送路6によって行うようにしている。
即ち、図1(A)は画像読取部1と画像処理部2との間を共通転送路4によって、画像処理部2と画像形成部3との間を画像データ転送路5およびCPUデータ転送路6を用いてそれぞれデ−タを転送するように構成されている。この構成によれば、画像読取部1と画像処理部2との間のハーネスの本数を削減することが出来る。また、図1(B)は画像読取部1と画像処理部2との間に画像データ転送路5及びCPUデータ転送路6を、画像処理部2と画像形成部3との間に共通転送路4を使用するように構成されている。この構成によれば、画像処理部2と画像形成部3との間のハーネスの本数を削減することが出来る。
また、図1(C)は画像読取部1と画像処理部2との間、及び画像処理部2と画像形成部3との間の両方に共通転送路4を用いた構成である。この構成によれば、画像読取部1と画像処理部2との間及び画像処理部2と画像形成部3との間の両方のハーネスの本数を削減することが出来る。なお、図1(A)、(B)、(C)に示した各転送路は双方向転送が可能のように示されているが、例えば、画像読取部1から画像処理部2の方向へ、画像処理部2から画像形成部3の方向への一方向転送であっても構わない。
【0008】
図2は、前記図1(C)に示したデ−タ転送形態の場合について、それぞれのブロックの内部構成例を示したもので、各ブロック間の画像データの転送とCPUデータの転送とを共通双方向転送路7で行う場合の画像形成装置の主要部を示すブロック図である。図2において、各ブロックの構成をそれぞれの機能を付しながら説明すれば、1は画像読取部であって、後述するCPUデータの指令により原稿画像の反射光を読み取るCCD1a等の光電変換素子と、このCCD1aからのアナログ画像信号をデジタル信号に変換するデジタル変換IC1bと、変換後のデジタル画像信号にそれが画像データであることが識別出来るようにデータの中に専用の識別子を付加するデータ分離インターフェース(A)1dと、CPUインターフェース1cとを備えており、隣接する画像処理部2とは共通双方向転送路7を経由して画像デ−タとCPUデ−タとの両方を転送するようになっている。また、画像処理部2は、画像データを処理する画像処理IC2aと、制御の中心となるCPU2bと、インターフェース2dと、画像読取部1から受信したデータが画像デ−タであるかCPUデ−タであるかを判定すると共に画像デ−タである場合には付加された専用の識別子を取り除くように機能するデータ分離インターフェース(B1)2eと、前記画像処理IC2aにおいて処理する画像デ−タを一旦記憶するRAM等のメモリ2cと、転送するデ−タが画像データである場合はその旨を示す専用の識別子を付加するデータ分離インターフェース(B2)2fとを備えている。このブロックにおいて、前記データ分離インターフェース(B1)2eによって専用の識別子を取り除かれた画像デ−タは、画像処理IC2aによって予め定められた設定条件で画像処理され画像形成の形態にされて再びメモリ2cの所定の場所に格納され、さらに、メモリ2cに格納された画像データは、データ分離インターフェース(B2)2fによって画像デ−タであることが識別出来るように再び専用の識別子が付された上で、共通双方向転送路7を経由して次段の画像形成部3に転送される。
【0009】
画像形成部3は、同様に画像デ−タであるかCPUデ−タであるかを識別すると共に、画像デ−タである場合は付加された識別子を除去するデータ分離インターフェース(C)3dと、画像を形成する画像形成IC3aと、制御を行うCPUインターフェース3cと、受け取った画像データに基づいて画像形成を行うエンジン3bとを備えている。このブロックでは画像形成の形態にされて画像形成部3に転送された画像データは、データ分離インターフェース(C)3dによって画像データであると判読され、データ分離インターフェース(B2)2fによって付加された専用の識別子が取り除かれた後、画像を形成する画像形成IC3aに導かれ、画像データをエンジン3bの動作性能に合わせたタイミングでエンジン3bに送り込み、画像形成を実行する。ここで、画像読取部1、画像処理部2及び画像形成部3等の各部の状態監視や動作指令の主動作は、画像処理部2に搭載されているCPU2bによって行われる。CPU2bによる画像処理IC2aやメモリ2cへのアクセスは、CPU2bから直接、またはCPUインターフェース(B)2dを経由して実行される。なお、CPU2bから画像読取部1へのCPUデータは、CPU2bからCPUインターフェース(B)2dとデータ分離インターフェース(B1)2eを経て画像読取部1に転送されるが、その際、データ分離インターフェース(B1)2eによってCPUデータであることが識別出来るように専用の識別子等を付加した上で、共通双方向転送路7を経由して転送する。画像読取部1側では、データ分離インターフェース(A)1dによって受信したデータがCPUデータであることを識別し、データ分離インターフェース(B1)2eによって付加された専用の識別子等を取り除いた後でCPUインターフェース(A)1cに渡す。CPUインターフェース(A)1cは、受け取った内容に従って画像読取部1内の処理を実行する。
【0010】
また、CPU2bから画像形成部3へのCPUデータは、CPU2bからCPUインターフェース(B)2dとデータ分離インターフェース(B2)2fを経て画像形成部3に転送されるが、その際、データ分離インターフェース(B2)2fによってCPUデータであることが識別出来るように専用の識別子を付加した上で、共通双方向転送路5を経由して転送する。画像形成部3側では、データ分離インターフェース(C)3dによって受信したデータがCPUデータであることを識別し、データ分離インターフェース(B2)2fによって付加された専用の識別子等を取り除いた後でCPUインターフェース(C)3cに渡す。CPUインターフェース(C)3cは、受け取った内容に従って画像形成部3内の処理を実行する。
なお、CPU2bにより各部の状態監視や動作指令の制御を行うには、上記の共通双方向転送路7は双方向の転送路であることが必要である。また、上記の説明では、CPU2bからのCPUデータは各部の状態監視や動作指令に関するデータである場合を示したが本発明の実施にあたっては、これに限定されるものではなく、例えばCPU2bによるメモリへの書き込みデータや読み出しデータでもよく、CPU2bの働きによって作成された全てのデータを指すものとする。さらに、CPU2bの搭載場所を画像処理部2として説明したが、画像処理部2に限定されるものではなく、画像読取部1または画像形成部3のどちらにあっても構わない。
また、図2では、画像読取部1と画像処理部2間及び画像処理部2と画像形成部3間の両方に共通転送路4を用いた図1(C)の場合について説明したが、これに限らず画像読取部1と画像処理部2間または画像処理部2と画像形成部3間が画像データ転送路5とCPUデータ転送路6から構成されている図1(A)、(B)であってもよいことは云うまでもない。
【0011】
図3(A)、(B)は本発明においてCPUデ−タと画像デ−タとを識別する方法を説明するための図であって、この例では、それぞれを識別するために専用の識別子を付加したデータの例を示したものである。すなわち、図3(A)はCPUデータの例であり、CPUデータであることを示す専用の識別子1の次にリードライトすべきメモリのアドレス、その次にデータをリードすべきかライトすべきかを示す指示、さらに何ビット数のデータであるかを示すデータ数、その後にデータが続き、最後に転送が正しく行われたか否かを判定するためのチェックデータを付加している。
また、図3(B)は画像データの例を示す図であり、最初に画像データであることを示す専用の識別子2を付加し、その後、送るデータ数、さらに画像データ、最後にチェックデータを付加する。
【0012】
図4は画像データとCPUデータが混合する受信データから、データ分離インターフェースによって画像データとCPUデータとに分離する様子を示したものである。例えば、図2を参照してデータ分離インターフェース2eの場合を説明すると、図3(A)、(B)に示したようなデータを取り込んで、ヘッダ部に付加された識別子を識別子判断部2e1によって読取り、それがCPUデータ専用の識別子1であるのか、または画像データ専用の識別子2であるのかを判断する。識別子判断部2e1の2つの出力線2e2及び2e3は、いづれかの識別子を検出するまではLow状態であり、ANDゲート2e4及び2e5からはデータ出力のない状態になっている。
上記識別の結果、受信したデ−タに付された識別子がCPUデータ専用の識別子1であると判断すれば、識別子判断部2e1の出力線2e3のみをLow状態からHigh状態に切り替え、ANDゲート2e4を開いた状態にし、ヘッダ部の識別子1を除いたCPUデータがこのANDゲート2e4を介して次段のCPUインターフェース(B)2dに伝達される。また、識別子判断部2e1により、受信したデータのヘッダ部が画像データ専用の識別子2であると判断した場合は、識別子判断部2e1のもう一方の出力線2e2をLow状態からHigh状態に切り替え、ANDゲート2e5を開いた状態と子、ヘッダ部の識別子2を除いた画像データがANDゲート2e5を介して次段の画像処理IC2aに伝達される。このようにして図2に示した共通双方向転送路7を経由して画像データとCPUデータとを正確に転送することが出来る。また、上記の説明では、データ分離インターフェース2eのみを説明したが、他のデータ分離インターフェース1d、2fまたは3dについても、同様にして受信したデータが画像デ−タであるかCPUデ−タであるかを判定し、を分離する。
【0013】
図5は、前記図2に示した画像読取部1、画像処理部2及び画像形成部3の実際の基板配置状態例を示した図である。画像読取部1の主機能である画像読取制御板10によって、また画像処理部2の主機能である画像処理は画像処理制御板20によって、さらに画像形成部3の主機能である画像形成処理は画像形成制御板30とポリゴンミラー31とによって行われる。ここで、ポリゴンミラー31は、画像形成制御板30によって生成されたレーザビームを主走査方向に走査させるためのものである。なお、図2に示した構成では、CPU2bと画像読取部1、画像処理部2及び画像形成部3等の各部との間でリード/ライトの双方向の転送が出来ることを前提として説明したが、そのためには各部のインターフェース部に送受信用のバッファ及びドライバが必要となる上、電気的な規格やタイミング等に厳しい制限が必要となる。
【0014】
図6はこのような煩雑さを避けるために本発明を使用した場合の一実施例を示すブロック構成図である。図6に示す例では、画像読取部1から画像処理部2、該画像処理部2から画像形成部3、及び該画像形成部3から該画像読取部1の各ブロック間の転送路として、一方向性の転送路を配置することによって、図面右回り方向にループ状の転送経路を構成したものである。以下、図6と図2とを比較しながら本実施例の動作を説明する。
図6において、各ブロック間に配置した共通一方向転送路8は、画像読取部1から画像処理部2へ、画像処理部2から画像形成部3へ、画像形成部3から画像読取部1への一方向にのみデータ転送が可能な転送路である。また、ヘッダ・チェック付けインターフェース1d−1、2e−1、3d−1は次段に画像データやCPUデータを送り込む際に図3に示したように専用の識別子やチェックデータ等を付加する機能を備えた送信専用のインターフェース部であり、ヘッダ分離インターフェース1d−2、2e−2、3d−2は前段から混合データを受信した際に図4に示したように画像データやCPUデータに分離する機能を持った受信専用のインターフェース部である。
ここで、画像データやCPUデータの流れを注目すると、先ず、画像データの流れは、画像読取部1から画像処理部2、画像処理部2から画像形成部3の方向に画像が形成され、図2に関連して説明した場合の画像データの流れと同じになるので説明は省略する。次に、CPUデータの流れは、CPU2bからの画像処理部2の画像処理IC2aやメモリ2cへのアクセスは、CPU2bから直接またはCPUインターフェース(B)2dを経由して実行されることは図2と同じである。また、CPU2bから画像形成部3へのCPUデータは、CPU2bからCPUインターフェース(B)2d、CPUインターフェース(B)2dからヘッダ・チェック付けインターフェース2e−1を通って、共通1方向転送路8を介して画像形成部3へ転送される。
【0015】
その際、ヘッダ・チェック付けインターフェース2e−1によって図3(A)に示したようなデータ形態に整えられる。次に、画像形成部3に転送されたCPUデータは、ヘッダ分離インターフェース3d−2によってCPUデータであること、CPUデータに付加されているアドレスが画像形成部3のデータを示していること、及びチェックデータが正常であることが認識されると、画像形成部3に該当するCPUデータとしてCPUインターフェース(C)3cに渡される。その後の画像形成部3内での処理は図2と同様である。また、CPU2bから画像読取部1へのCPUデータの転送は、CPU2bからCPUインターフェース(B)2d、ヘッダ・チェック付けインターフェース2e−1を通り、共通1方向転送路8を介して画像形成部3へ転送される。その際、ヘッダ・チェック付けインターフェース2e−1によって図3(A)のアドレスに画像読取部1へのCPUデータであることを示す表示が付加される。従って、画像形成部3に転送されたCPUデータは、ヘッダ分離インターフェース3d−2によって自部のCPUデータでないことが判断されるので、そのままCPUデータを通過させ、共通1方向転送路8を介して画像読取部1へ転送する。画像読取部1では、そのCPUデータを受信すると、ヘッダ分離インターフェース1d−2によって自部のCPUデータであることを判断し、CPUインターフェース(A)1cに転送して画像読取部1内の処理にあたる。なお、実際の画像信号は上述した画像データの他に、主走査方向や副走査方向のタイミングデータ等が存在するが、本発明の実施に際しては、これらのタイミングデータも画像データライン上に混在させて送り、ハーネスの数の低減を図ることができる。
【0016】
図7は、画像データライン上にタイミングデータを混在させて送る場合の各部の構成例を示す図である。画像読取制御板10上に設定されたCCD1aに原稿からの反射光を照射し、画像データとしての電気信号を取り出し、図示しないデジタル変換ICによりデジタル化した後、次段の画像処理制御板20に取り込み、画像処理IC2aやCPU2bによって成形用の画像に形成すると共に、画像形成制御板30に導く。
画像形成制御板30では、レザービームを画像データに応じて発光させ、ポリゴンミラー31によって図示しない感光体の所定の位置に導き静電潜像を作成し、静電現像プロセスの過程を経て画像を形成する。また、この際の副走査方向は、スキャナモータ34の駆動によって図示しないスキャナヘッドの動作が開始し、スキャナホームポジションセンサ33を通過した時を基準にして各点での画像形成のタイミングを算出する。
また、主走査方向は、上述したレーザダイオードの出力がポリゴンミラー31によって走査され、同期検知板32に当たって検出されるタイミングを基準としている。本実施例では上記のタイミング信号を画像形成制御板30で一旦集め、その後画像データを混在させて画像形成制御板30方向に送出する。
【0017】
図8は、上記の実施例における信号のタイミングを示す図である。LSYNC信号は同期検知板32の出力によって生成され、LGATE信号はLSYNC信号を基に画像形成有効範囲として生成される。FGATE信号は副走査方向の画像形成有効範囲として、スキャナホームポジションセンサ33の出力(HOME信号)を基に生成される。図9はFGATE信号の変化情報を、画像データに混在させて送る場合の信号例を示したものである。同図において、FGATE信号の立ち下がりタイミングにおいて、画像データライン上にFGATEヘッダ、チェックデータを書き込み、それに引き続き、実際の画像データがライン上に送り出される。混在させることにより2クロック分遅れることになるが、この遅れは画像処理部2で補正される。画像データの最後には画像データのチェックデータが付加される。LGATE信号等の他のタイミング信号を混在させる時も同様な方法で行う。図10は複数のタイミング信号を混在させる場合の各ブロック構成図を示すもので、符号化回路35は各信号の変化を検出し、対応するヘッダ値に変換する。ヘッダフォーマット作成回路36によってデータ数、チェックデータ、または必要に応じてアドレス情報を生成し、さらにヘッダデータ挿入回路37とチェックデータ挿入回路38を経てタイミング信号を混在させた画像データが画像データライン上に送り出される。
【0018】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成し且つ制御したものであり、請求項1の発明によれば、画像読取手段、画像処理手段及び画像形成手段の各ブロック間における転送路の一つまたは複数を、画像データの転送とCPUデータの転送とを共通の転送路で行うように構成することによって、特に構成上スペースが問題になる周辺のハーネスの本数の削減を可能としたので、装置の小型化と共に、線間のクロストークノイズを減少させ、低ノイズ化を図った画像形成装置を提供する上で著しい効果が有る。つまり、上記各手段間における転送路の一つ又は複数を用いた画像データの転送とCPUデータの転送とを、共通転送路を用いて行うことにより使用するハーネス本数を低減することができた。さらに、画像データとCPUデータとが転送される共通の転送路を一方向にのみデータを転送可能な転送路としたので、各手段間に使用するインターフェース回路が一方向機能を有するもので済み、双方向機能回路に比べて、インターフェース回路に送受信のバッファ、ドライバが不要となる上、電気的な規格やタイミング等の制限も緩和されて、低コスト化が可能となると共に、線間のクロストークノイズを減少させ、低ノイズ化と小型化を図った画像形成装置を提供する上で効果が有る。請求項2の発明によれば、請求項1の画像形成装置の発明に加えて、共通の転送路を転送する画像データに主走査方向と副走査方向のタイミングを示すデータを付加することによって、各手段間を接続するハーネスの本数を更に削減したので、より一層の線間クロストークノイズの減少と、小型化とを可能にした画像形成装置を提供する上で効果が有る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)(B)及び(C)は本発明の一実施例を示す画像形成装置のブロック図であって、特に各ブロック間の転送路の例を示す図である。
【図2】本発明の画像形成装置の具体的構成例を示すブロック図であって、特に共通双方向転送路を備えた画像形成装置の主要部を示すブロック図である。
【図3】本発明において使用するデ−タ構成例を示す図であり、(A)はCPUデータの転送形態を説明する図、(B)は画像データの転送形態を説明する図である。
【図4】本発明において使用するデータ分離インターフェースの具体的回路例を示す図である。
【図5】本発明の画像形成装置の主要部の配置状態例を示す図である。
【図6】本発明の他の実施例を示す画像形成装置の主要部を示すブロック図である。
【図7】本発明の画像形成装置の主要部の他の配置状態例を示す図であって、画像データライン上にタイミングデータを混在させて送る場合の構成例を示す図である。
【図8】本発明の画像形成装置におけるタイミング図であって、上記図7の構成において画像データとタイミングデータを混在させて送る場合のタイミング図である。
【図9】本発明の実施例の画像形成装置においてFGATE信号の変化情報を画像データに混在させて送る例を説明する図である。
【図10】本発明の実施例の画像形成装置において複数のタイミング信号を混在させる場合の主要部を示したブロック図である。
【図11】従来の画像形成装置の主要部を示すブロック図である。
【図12】従来の画像形成装置の主要なタイミング信号を説明する図である。
【図13】従来の画像形成装置において信号をシリアル化して送るタイミング例を説明する説明図である
【符号の説明】
1 画像読取手段、または画像読取部、1a CCD、1b デジタル変換IC、1c CPUインターフェース(A)、1d データ分離インターフェース(A)、1d−1 ヘッダ・チェック付けインターフェース、1d−2 ヘッダ分離インターフェース、2 画像処理手段、または画像処理部、2a 画像処理IC、2b CPU、2c メモリ、2d CPUインターフェース(B)、2eデータ分離インターフェース(B1)、2e1 間識別子判断部、2e−1ヘッダ・チェック付けインターフェース、2e−2 ヘッダ分離インターフェース、2f データ分離インターフェース(B2)、3 画像形成手段、または画像形成部、3a 画像形成IC、3b エンジン、3c CPUインターフェース(C)、3d データ分離インターフェース(C)、3d−1 ヘッダ・チェック付けインターフェース、3d−2 ヘッダ分離インターフェース、4 共通転送路、5 画像データ転送路、6 CPUデータ転送路、7 共通双方向転送路、8 共通1方向転送路、10 画像読取制御板、20 画像処理制御板、30 画像形成制御板、31 ポリゴンミラー、32 同期検知板、33 スキャナホームポジションセンサ、34 スキャナモータ
Claims (2)
- CPUにより制御されるCPUデータと画像データとに基づいて画像を形成する画像形成装置において、原稿画像を読み取ってデジタル画像データに変換する画像読取手段と、前記画像データに所要の処理を施す画像処理手段と、前記画像処理手段により処理された画像データに基づいて画像を形成する画像形成手段とを備え、前記画像読取手段、前記画像処理手段及び前記画像形成手段の各手段間における転送路を画像データの転送とCPUデータの転送とを共通の転送路で行うように構成し、
前記共通の転送路は、一方向にのみデータを転送可能な転送路であり、
前記画像読取手段、前記画像処理手段及び前記画像形成手段の各手段にそれぞれ、前記CPUデータを前記共通の転送路に出力する際に、該CPUデータに、該CPUデータがいずれの手段へ転送されるべきデータであるかを示す識別子を付加するインタフェースと、前記共通の転送路から受信したCPUデータが自手段で処理すべきデータであるか否かを判断するインタフェースとを設けたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1記載の画像形成装置において、前記共通の転送路を転送する画像データに主走査方向と副走査方向のタイミングを示したデータを付加したことを特徴とする画像形成装置。
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