JP3595056B2 - シート状化粧料組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はシート状化粧料組成物に関し、更に詳しくは取り扱いが簡便で使用性が良好で、かつ皮膚に貼付して使用することができ、その場合には、当該貼付部位の保湿効果、美白効果、紫外線防止効果、痩身効果、ひきしめ効果、しわ取り効果に優れたシート状化粧料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
皮膚化粧料としては従来から化粧水、クリーム、乳液、パック、ファンデーションなど多種多様の剤型の製品が上市されている。
【0003】
化粧料の形態としては、液剤や半固形剤がほとんどであるが、近年、パック型の化粧料も幾つか提案されている。例えばポリビニルアルコールあるいはポリビニルアルコール及び/又はポリビニルピロリドンなどからなるパック剤があり、例えば所定の形状に成形されたものを皮膚に貼って使用したり、半固形状のものをチューブから練り出して顔などに塗り、乾かした後、剥離しながら角質層の汚れなどを除去する製剤がある。
【0004】
また、パック剤を皮膚に塗布した後、パック剤ごと洗い流しながら角質層の汚れなどを除去して、皮膚を健やかに維持させる製剤なども上市されている。
【0005】
これらの化粧料の製剤のうち、パック剤は皮膚の古い角質層を剥離し、皮膚を活性化する効果だけでなく、パック剤中に種々の薬効成分を配合することによる様々な効果が期待されるものである。
【0006】
また、パック剤の効果としては、肌を滑らかにしたり、皮膚に潤いを与えたり、皮膚の保湿効果を高めたり、美白効果を与えたり、紫外線を防御したり、肌をひきしめたり、痩身効果を与えることなどが期待されている。
【0007】
これらのパック剤の使用方法としては、半固形製剤をチューブから練り出して手などで皮膚に直接塗布する方法が一般的であるが、塗布する手間がかかり、また、パック剤が手指に付着するなどの問題があることから、剥離シートを設けてシート状に成形し、粘着面を皮膚に貼付して使用する形態のパック剤が市販されてきている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら従来の貼付型パック剤は、非水溶性の製剤でできており、洗い流すことはできなかった。
【0009】
また、従来のパック剤においては、これを顔などに塗ったり、貼ったりするときに皮膚が濡れていると、この水分によって基剤が希釈されてしまうため、皮膚への接着が困難になるという問題があった。
【0010】
従って、本発明の目的は、乾いた皮膚のみならず濡れた皮膚にも貼付して用いることができ、かつ貼り続けた後に水で簡単に洗い流すことができる極めて使用感に優れたシート状化粧料組成物を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者らは、乾いた皮膚のみならず濡れた皮膚に対しても、接着性の高い、新しい水溶性の粘着基剤の研究を鋭意進めてきた結果、従来の貼付して使用する化粧料の使用方法から形態までを全く新しくしたシート状化粧料組成物を完成するに至った。
【0012】
すなわち、本発明は、(a)水溶性高分子及び水1〜25重量%を含有する水溶性の粘着性シート、並びに(b)水溶性保護材を積層してなることを特徴とするシート状化粧料組成物を提供するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明のシート状化粧料組成物は、従来の貼付型化粧料における問題点、すなわち水溶性の粘着シートに種々の薬効成分を単に配合したものを皮膚に貼付した後に洗い流すことはできるが、非皮膚接着面が粘着性のため、貼付中に衣類や皮膚に付着することがあるという使用上の大きな問題点を、貼付型化粧料の非皮膚接着面に水溶性保護材を貼り合わせることにより、一挙に解決したものである。
【0014】
本発明組成物に用いられる(a)水溶性の粘着性シートは、水溶性であり、かつ皮膚に貼付できる粘着性を有することが必要である。ここで粘着性とは、本発明のシート状化粧料組成物を人の顔面の頬部分に貼付し、貼付面を真下にして静かに放置したとき、好ましくは最低5秒間接着し得ることをいい、外力を加えない状態で剥がれ落ちないのが望ましい。5秒未満で剥がれ落ちてしまう程度の接着性では皮膚に貼っても本発明のシート状化粧料組成物の効果を十分に得ることができないおそれがある。
【0015】
また、粘着シート(a)には水溶性高分子及び水が配合されていることが、粘着性と水溶性を両立させるうえで好ましい。
【0016】
水溶性高分子としては、塩生成基を有する水溶性高分子化合物、ゼラチン、ポリビニルアルコール、プルラン、アクリル樹脂エマルジョンなどの乳化重合体等が挙げられる。このうち、塩生成基を有する水溶性高分子化合物は、濡れた肌に装着した場合でも接着性が高いことから特に好ましい。このような水溶性高分子化合物の塩生成基としては、酸又は、塩基の存在により、塩を形成する基であれば、特に限定されず、アニオン性、カチオン性、両イオン性のいずれの基であってもよい。かかる塩生成基の具体例としては、カルボキシル基、スルホン酸残基、硫酸残基、リン酸残基、硝酸残基、アミノ基、アンモニウム基等が挙げられる。これらの基は一つの化合物に2つ以上含まれていてももよい。また、これらの化合物は、水溶性が高いことが美観上好ましいが、濁っていても特に問題にはならない。
【0017】
かかる塩生成基を有する水溶性高分子化合物の具体例としては、ムコ多糖類であるヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヘミセルロース類であるアルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸アンモニウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルアミロースナトリウム等が挙げられるが、合成系のものがより好ましい。合成系のものとしては、アニオン性、カチオン性又は両イオン性のモノマー1種又は2種以上を重合させたもの又は、これらのモノマーと酢酸ビニル等のカルボン酸のビニルエステル、メチルメタクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル、メチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル環状アミド、スチレンやアルキル置換スチレン等といった塩生成基を有しない他の一般のモノマーとの共重合体、更にこれらの重合体の混合物が挙げられる。
【0018】
アニオン性のモノマーとしては、アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸モノマー、それらの無水物又はそれらの塩;スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等の不飽和スルホン酸モノマー又はこれらの塩;ビニルスルホン酸、アシッド・ホスホキシエチル(メタ)アクリレート等の不飽和リン酸モノマー等が挙げられる。
【0019】
カチオン性のモノマーとしては、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタアクリルアミド等のジアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル又は(メタ)アクリルアミド類;ジメチルアミノスチレン、ジメチルアミノメチルスチレン等のジアルキルアミノ基を有するスチレン類;4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン等の、ビニルピリジン類;又はこれらをハロゲン化アルキル、ハロゲン化ベンジル、アルキル若しくはアリールスルホン酸又は硫酸ジアルキル等の公知の4級化剤を用いて4級化したもの等が挙げられる。
【0020】
両イオン性のモノマーとしては、N−(3−スルホプロピル)−N−アクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムベタイン、N−(3−スルホプロピル)−N−メタクリロイルアミドプロピル−N,N−ジメチルアンモニウムベタイン、N−(3−カルボキシメチル)−N−メタクリロイルアミドプロピル−N,N−ジメチルアンモニウムベタイン、N−(3−スルホプロピル)−N−メタクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムベタイン、N−カルボキシメチル−N−メタクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムベタインなどが挙げられる。
【0021】
尚、これらの高分子化合物の塩生成基がイオン化されていない場合は、既存の酸、例えば塩酸、硫酸等の無機酸;酢酸、プロピオン酸、乳酸、コハク酸、グリコール酸等の有機酸、又は塩基、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の3級アミン類;アンモニア、水酸化ナトリウム等により、中和し、イオン化することが好ましい。
【0022】
これらの塩生成基を有する水溶性高分子化合物のうち、皮膚に対する刺激性の低さと製剤化のしやすさの両面で優れているものとしては、カチオン性のモノマーの1種又は2種以上を重合させたもの、又はこれらのモノマーと両イオン性のモノマーや塩生成基を有しない他の一般のモノマーとの共重合体、更にこれらの重合体の混合物が挙げられる。
【0023】
また、カチオン性のモノマーの中で好ましいものとしては、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタアクリルアミド等のジアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル又は、(メタ)アクリルアミド類;これらをハロゲン化アルキル、ハロゲン化ベンジル、アルキル若しくはアリールスルホン酸又は硫酸ジアルキル等の公知の4級化剤を用いて4級化したものが挙げられる。これらのうち、特に、ジメチルアミノエチルメタクリレートとその4級化物;ジメチルアミノプロピルアクリルアミドの4級化物、又は、これらモノマーの1種又は2種以上と上述のモノマーとの共重合体、又はその混合物が挙げられる。
【0024】
また、これらの塩生成基を有する水溶性高分子化合物の分子量は、成形性の点から1万から150万の範囲のものが好ましく、特に10万から100万のものが好ましい。
【0025】
これらの塩生成基を有する水溶性高分子化合物は、粘着シート(a)中に1〜99重量%(以下、単に%という)、好ましくは、5〜99%配合することができる。
【0026】
また、ゼラチンとしては、加水分解して分子量を20000〜100000にしたものから通常の分子量300000付近の高分子量のゼラチンまでがより好ましい。また、高分子ゼラチンと低分子ゼラチンを適当にブレンドして用い、溶解性をコントロールすることも好ましい方法の一つである。分子量が20000以下の低分子ゼラチンは、ゲル化能が低く、高分子ゼラチンとの併用が好ましい。これらゼラチンの配合量としては、粘着シート(a)中に1〜70%が好ましく、5〜40%が溶解性や成形性の点において更に好ましい。
【0027】
ポリビニルアルコールは、水溶性を高める為に、部分ケン化物が好ましいが、イタコン酸や各種の化合物で修飾された変性ポリビニルアルコールを用いても問題はない。ポリビニルアルコールの配合量としては、粘着シート(a)中に1〜60%が好ましく、5〜30%が溶解性や成形性の点において更に好ましい。
【0028】
また、粘着シート(a)は、水分量をコントロールすることにより粘着性を発現できるが、完全に乾燥させてしまうと接着性がなくなり、また、水分量が多すぎると成形性や安定性が保てなくなることがあり、好ましくない。粘着シート(a)の水分量としては0.1〜50%が好ましく、更には1〜25%が好ましい。
【0029】
また、粘着シート(a)には必要に応じて、ポリオール類も添加することができる。ポリオールを添加することにより、可塑剤的な効果が得られ、膏体の柔軟性や成形性を高めるうえで有用である。ここでポリオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、サッカロース、ジグリセリンなどが挙げられるが、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、マンニトールが好ましい。これらのポリオールは1種又は2種以上を組み合わせてもよく、配合量は粘着シート(a)に1〜80%が好ましく、1〜50%が更に好ましい。
【0030】
本発明の水溶性の粘着シート(a)の厚さは5〜10000μmが好ましく、更には10〜5000μmが好ましく、20〜1000μmが特に好ましい。
【0031】
本発明における水溶性保護材(b)としては水溶性フィルム、水溶性不織布、水溶性織布、又は水溶性不織布もしくは水溶性織布に水溶性フィルムを積層したものが好ましく、水溶性の粘着シート(a)の片表面に貼りつけられる。
材質としては、ゼラチン、ポリビニルアルコール、プルランなどからなるフィルム、不織布、織布が挙げられるが、ポリビニルアルコールに酢酸ビニルとオレフィンやカルボン酸ビニル等のビニルモノマーとの共重合体変性物を混合したり、ポリビニルアルコールに水溶性又は水分散性のブロック共重合体を混合したり、イタコン酸、マレイン酸等の化合物を共重合させた変性ポリビニルアルコール誘導体等が挙げられる。また、ゼラチンや水溶性の蛋白質やデキストリンやプルラン等の多糖類等を用いた変性ポリビニルアルコールを用いても良いし、必要であればポリビニルアルコールを適当な方法で変性させ、ゼラチンや水溶性の蛋白質やデキストリンやプルラン等の多糖類等との混合性を高めて用いてもよい。すなわち、水溶性保護材(b)としては、それ自体に粘着性がなく、水溶性の粘着シート(a)の片方の面が保護でき、フィルム状に成形ができればよい。また、浴水に対する溶解性や安定性を向上させるための添加物や変性方法についてはもちろん、加工形態も問われない。
【0032】
また、ポリビニルアルコールを繊維状に加工して不織布加工や紡績加工を施したシートも本発明の水溶性の粘着シート(a)の片方の面が保護できるので、好ましい例としてあげることができる。ポリビニルアルコールを繊維状に加工するにあたって、必要な変性や添加物の条件等は、上記ポリビニルアルコールのフィルムに準じており、それ自体に粘着性がなく、冷水〜温水に溶け、粘着性シート(a)の保護ができれば、許容されることはいうまでもない。ポリビニルアルコールを繊維状に加工して不織布加工や織布加工を施したシートの例としては特開平7−42019号、特開平5−321105号、特開平3−86530号、特開平3−279410号、特開平3−199408号、特開平2−112406号などで示された、水溶性ポリビニルアルコール系繊維が挙げられる。すなわち、低温での水溶性や溶解速度、水分散性に優れ、また、高湿度状態においても、収縮率が大きくなく、縮まない性質の不織布や織布が好ましい。
【0033】
水溶性保護材(b)は、冷水〜温水に溶け、粘着性シート(a)の保護ができれば、なるべく薄い方が、好ましい。フィルムの厚さとしては、1〜3000μmが好ましく、更には10〜1000μmが好ましい。またフィルムや不織布表面に適当なエンボス加工を加えて、溶解性等を高めたものも本発明の目的からして好ましいことはいうまでもない。
【0034】
本発明のシート状化粧料組成物に配合することによって効果を明確に体感し得る成分としては、保湿剤、美白剤、紫外線防止剤、痩身剤、血行促進剤、抗炎症剤、収斂剤、しわ形成予防・改善剤、冷感剤、温感剤などが挙げられる。
【0035】
保湿剤としては、グリセリン、特開平2−115117号公報に記載されているようなセラミド又はその類似構造物質、コレステリルエステル、ソルビトール、キシリトール、グリセリン、マルチトール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム、ポリオキシプロピレン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組合せて用いることができる本発明においては、これらのうちグリセリン、セラミド誘導体、コレステリルエステルが特に好ましい。
【0036】
これらの保湿剤のシート(a)への配合量は0.01〜50%が好ましく、0.5〜20%が特に好ましい。
【0037】
美白剤としては、カミツレ、アルブチン、コウジ酸、ビタミンC及びビタミンC誘導体、アラントイン、ビタミンE誘導体、グリチルリチン、アスコルビン酸誘導体、パンテティン酸誘導体、プラセンタエキス等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組合せて用いることができる。本発明においては、これらのうちカミツレ、アルブチン、コウジ酸が特に好ましい。
【0038】
これらの美白剤のシート(a)への配合量は0.01〜20%が好ましく、0.5〜5%が特に好ましい。
【0039】
紫外線防止剤には紫外線吸収剤と紫外線防御剤とがあり、紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸ナトリウム、テトラヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラジメチルアミノ安息香酸オクチル等のパラアミノ安息香酸系化合物;パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシケイ皮酸エチル、メトキシケイ皮酸オクチル、4−メトキシケイ皮酸−2−エトキシエチル、パラメトキシケイ皮酸カリウム、パラメトキシケイ皮酸ナトリウム等のメトキシケイ皮酸系化合物;サリチル酸オクチル、サリチル酸フェニル、サリチル酸ホモメンチル、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸ジプロピレングリコール、サリチル酸ミリスチル、サリチル酸メチル等のサリチル酸系化合物;ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、アントラニル酸メチルなどが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組合せて用いることができる。本発明においては、これらのうちパラアミノ安息香酸エステル類、メトキシケイ皮酸エステル類、オキシベンゾンが特に好ましい。
【0040】
また、紫外線防御剤としては、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化鉄などが挙げられる。これらは、その紫外線防御能を高めるために微粒子化、シリコン、ジルコニア・アルミナ等による表面処理や複合化処理を施したものを用いることが好ましい。
【0041】
これらの紫外線防止剤のシート(a)への配合量は0.01〜20%が好ましく、0.1〜5%が特に好ましい。
【0042】
痩身剤としては、アミノフィリン、テオフィリン、カフェイン等のキサンチン誘導体;イソプロテレノール、ドブタミン、サルブタモール及びこれらの塩等のβアドレナリン作用興奮薬;ヨヒンビン、フェントラミン、エルゴタミン及びこれらの塩等のα2アドレナリン作用抑制薬;アムリノン、ミルリノン及びこれらの塩等のビピリジン誘導体;コショウ、アレチアザミ、ノアザミなどが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組合せて用いることができる。本発明においては、これらのうちアミノフィリン、イソプロテレノール、アレチアザミ、ノアザミが特に好ましい。
【0043】
これらの痩身剤のシート(a)への配合量は0.01〜20%が好ましく、0.1〜5%が特に好ましい。
【0044】
血行促進剤としては、シャクヤク、トウキ、センキュウ、チョウジ、センブリ、ソウジュツ、チンピ、ユーカリ、ローズマリー、カラシナ、トウガラシ、カッコン、ビャクジュツ、カノコソウ、ケイガイ、コウボク、トウヒ、ニンジン、ケイヒ、ハッカ、サンシシ、ショウブ、ガイヨウ、オウレン、オウバク、イチョウ等の生薬及びその抽出エキス;ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸トコフェロール、ニコチン酸メチル、トコフェロール、3−オクチルフタリド等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組合せて用いることができる。本発明においては、これらのうちイチョウ、ユーカリ、3−オクチルフタリドが特に好ましい。
【0045】
これらの血行促進剤のシート(a)への配合量は0.0001〜20%が好ましく、0.1〜5%が特に好ましい。
【0046】
抗炎症剤としては、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール、インドメタシン、イブプロフェン、アラントイン、塩化リゾチーム、グアイアズレン、γ−オリザノール、酢酸トコフェロール、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルレチン酸及びその塩が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組合せて用いることができる。本発明においては、これらのうちγ−オリザノル、グリチルリチン酸ジカリウムが特に好ましい。
【0047】
これらの抗炎症剤のシート(a)への配合量は、0.001〜5%が好ましく、0.1〜2%が特に好ましい。
【0048】
収斂剤としては、ミョウバン、酸化亜鉛、タンニン酸、水酸化アルミニウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組合せて用いることができる。本発明においては、これらのうちミョウバン、タンニン酸が特に好ましい。
【0049】
これらの収斂剤のシート(a)への配合量は、0.01〜20%が好ましく、0.1〜10%が特に好ましい。
【0050】
しわ形成予防・改善剤としては、エストラジオール及びそのエステル、エストロン、エチニルエストラジオール等の卵胞ホルモン;レチン酸及びその誘導体(特開平6−249585号公報等)、アスコルビン酸誘導体(特開昭61−30510号、61−152613号公報等)、ビタミンE(特開昭62−1951号、62−87506号公報等)、γ−アミノ酪酸誘導体(特開昭62−255405号、特開平2−62810号公報等)などが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組合せて用いることができる。本発明においては、これらのうちエストラジオール及びそのエステル、エストロン、エチニルエストラジオールが特に好ましい。
【0051】
これらのしわ形成予防・改善剤のシート(a)への配合量は0.0001〜10%が好ましく、0.1〜2%が特に好ましい。
【0052】
冷感剤と温感剤は単独で配合してもよく、これらを組合せて配合してもよい。冷感剤としては、l−メントール、カンファー、チモール等が挙げられる。
【0053】
これらの冷感剤のシート(a)への配合量は0.01〜20%が好ましく、0.1〜10%が特に好ましい。
【0054】
また温感剤としては、トウガラシチンキ、トウガラシエキス、トウガラシ末、ノナン酸バニリルアミド、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸メチル、ニコチン酸フェニル、ニコチン酸トコフェロールなどのニコチン酸誘導体、カプサイシン、オランダガラシエキス、サンショウエキス、ショウキョウエキス、カンタリエキス等が挙げられる。
【0055】
これらの温感剤のシート(a)への配合量は0.0001〜20%が好ましく、0.0005〜5%が特に好ましい。
【0056】
本発明の化粧料組成物に洗浄剤として界面活性剤を配合すると、シャンプー剤、洗顔料等として好適な化粧料組成物を得ることができる。界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、α−スルホ脂肪酸エステル塩、アミノ酸系界面活性剤、リン酸エステル系界面活性剤、スルホコハク酸エステル系界面活性剤等のアニオン性界面活性剤;スルホベタイン型界面活性剤、カルボベタイン型界面活性剤、アルキルアミンオキシド、イミダゾリン型界面活性剤等の両性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、アルカノールアミド及びそのアルキレンオキシド付加物、多価アルコールと脂肪酸とのエステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、アルキルサッカライド系界面活性剤などの非イオン性界面活性剤;モノ又はジ直鎖長鎖アルキル第4級アンモニウム塩、モノ又はジ分岐型直鎖長鎖アルキル第4級アンモニウム塩などのカチオン性界面活性剤を挙げることができ、これらは1種又は2種以上を適宜選択して用いることができる。これらのなかでも化粧料がシャンプーの場合には、皮膚や毛髪に対する刺激性を考慮して、アミノ酸系界面活性剤、リン酸エステル系界面活性剤、スルホコハク酸エステル系界面活性剤、イミダゾリン型界面活性剤、アルキルサッカライド系界面活性剤を組合せて用いることが好ましい。
【0057】
これらの界面活性剤のシート(a)への配合量は0.1〜40%が好ましく、1〜20%が特に好ましい。
【0058】
本発明のシート状化粧料組成物は、粘着シート(a)に通常化粧料に処方される汎用原料を配合することができる。また、生薬、色素、香料、顔料、ビタミン類、酵素、ラノリン等の動物油脂類及びその誘導体、ホホバ油等の植物油脂類及びその誘導体、シリコーン類、各種無機塩類及び無機化合物、有機酸類等も配合することができるが、配合できる化粧品原料は下記に例示されるものに限定されるものではない。
【0059】
(ア) 無機化合物及び無機塩類
塩化カリウム、塩化アンモニウム、硫化カリウム、硫化ナトリウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カルシウム、亜硫化鉄、メタケイ酸、無水ケイ酸、中性白土、チオ硫酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸水素カルシウム、臭化カリウム、消石灰、次亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸カルシウム、水酸化ナトリウム、雲母末、ホウ酸、ホウ砂、炭酸水素ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム等。
【0060】
(イ) 有機酸、エステル類及びその塩類
アジピン酸、安息香酸、リンゴ酸、酒石酸、マロン酸、クエン酸、乳酸、フマル酸、コハク酸等。
【0061】
(ウ) 生薬、漢方薬、ハーブ類
ジャスミン、オウゴン、ブクリョウ、ドクカツ、マツブサ、ビャクシ、ジュウヤク、樟脳、サフラン、ウイキョウ、カン皮、モモの葉、メリッサ、マロニエ、アルニカ、セージ、ボタンピ、ハコベ草、仙鶴草、キササゲ、パセリ、甘茶、甘逐、連銭草、柿の葉、千金子、浮き草、延命草、タイム、カワラヨモギ、アロエ、オウゴン、オウバク、カンゾウ、キキョウ、キクカ、キョウニン、クマザサ、ゲンチアナ、コンフリー、サンザシ、クチナシ、ドクダミ、シラカバ、セイヨウノコギリソウ、クワ、トウキンセンカ、トウニン、ノバラ、ビワ、ベニバナ、ムクロジ、ヤグルマギク、ユリ、ヨクイニン、レイシ、レンギョウ等。
【0062】
(エ) 精油、香料類
ハッカ油、ジャスミン油、樟脳油、ヒノキ油、トウヒ油、リュウ油、ミカン油、オレンジ油、ユズ油、ショウブ油、ラベンダー油、ベイ油、クローブ油、ヒバ油、バラ油、ユーカリ油、レモン油、タイム油、ペパーミント油、セージ油、ベルガモット油、菖蒲油、パイン油、シネオール、オイゲノール、シトラール、シトロネロール、シトロネラール、ボルネオール、リナロール、ゲラニオール、フェニルエチルアルコール、ベンジルアセテート、スピラントール、ピネン、テルペン系化合物等。
【0063】
(オ) 油脂類
ヌカ油、米ヌカエキス、オリーブ油、大豆油、ホホバ油、アボガド油、アーモンド油、ゴマ油、パーシック油、ヤシ油、ヒマワリ油、ヒマシ油、カカオ油、ミンク油、牛脂、豚脂、魚脂、月見草油、ローズヒップ油等の天然油脂及びこれらを水素添加して得られる硬化油やグリセライド誘導体。カルナバロウ、ミツロウ、ラノリン等のワックス類。流動パラフィン、パラフィン、ワセリン、パラフィンマイクロクリスタリンワックス、セレシン、ブリスタン、スクワラン等の炭化水素類。ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ラノリン酸、イソステアリン酸等の高級脂肪酸。ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ラノリンアルコール、コレステロール、2−エキシルデカノール等の高級アルコール及びそのエステル誘導体。オクタン酸セチル、オクタン酸トリグリセライド、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、アジピン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸デシル、イソステアリン酸コレステロール、POEソルビット脂肪酸エステル等のエステル類。
【0064】
(カ) シリコーン類
ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、アミノ変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、脂肪族アルコール変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン等。
【0065】
(キ) 色素類
青色1号、青色2号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、緑色4号、緑色204号、黄色202号の(1)等の厚生省令により定められたタール色素別表I及びIIの色素、クロロフィル、リボフラビン、クロシン、アントラキノン、コチニール、カンタキサンチン、紅花等の植品添加物としてて認められている天然色素等。
【0066】
(ク)ビタミン類
ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE等
【0067】
(ケ)微粉体
一般に化粧用粉体と称されるもので、アクリル樹脂、スチレン樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル,PET,ポリテトラフルオロエタン等の高分子、この高分子化合物のコポリマー、ケイ酸カルシウム、天然ケイ酸アルミニウム、合成ケイ酸アルミニウム、ゼオライト、タルク、カオリン、マイカ、ベントナイト、セリサイト、シリカ、バーミキュライト、雲母、雲母チタン、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、群青等。
【0068】
(コ)一重項酸素消去剤又は抗酸化剤
α−カロチン、β−カロチン、γ−カロチン、リコピン、クリプチキサンチン、ルテイン、ゼアキサンチン、イソゼアキサンチン、ロドキサンチン、クロセチン等のカロチノイド;1,4−ジアザジクロロオクタン、2,5−ジメチルフラン、2−メチルフラン、2,5−ジフェニルフラン、1,3−ジフェニルイソベンゾフラン、ヒスチジン、トリプトファン、メチオニン、アラニン又はそのアルキルエステル、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート等のタンニン類;ルチン等のフラボノイド等。
【0069】
(サ)その他
湯の花、イオウ、カゼイン、サリチル酸ナトリウム、入り糠、脱脂粉乳、尿素、アミノ酸類等を配合することができる。
【0070】
更に、本発明の化粧料組成物は、上記したもの以外にも、必要に応じて殺菌防腐剤(例えばメチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、安息香酸エステル、ソルビン酸、トリクロサン、トリクロロカルバン等)、金属封鎖剤(例えばEDTA、NTA等)、蛋白分解酵素、抗ふけ剤(ジンクピリチオン、オクトロピックス等)、浸透促進剤(ベンジルアルコール、ベンジルオキシエタノール等)、電解質、pH調整剤(乳酸−乳酸ナトリウム、クエン酸−クエン酸ナトリウム等の緩衝剤など)などを配合できる。
【0071】
本発明のシート状化粧料組成物を調製するには、例えば、水溶性の粘着シート(a)はポリマーに精製水を加えて膨潤させた後、必要に応じてグリセリンなど可塑剤を添加し、薬効成分を配合したものを、水平の板の上に1〜2mmに展延し、60〜120℃で半熟乾燥させ、厚さ40μm程度のポリビニルアルコールのフィルムや水溶性不織布などの水溶性保護材(b)を積層し、冷却後、適当な大きさに裁断して製することができる。工業的には、例えば、剥離性の高い適当なフィルムに粘着性シート(a)を塗膏し、乾燥工程を経て、水溶性保護材(b)を積層して製することができる。
【0072】
本発明のシート状化粧料組成物は、気密性の包装材料に包装して保存するのが、湿度による品質低下を防止するうえで好ましい。水蒸気の透過性バリアーの程度としては、40℃、80%RH保存条件下での包装品の重量変化がほとんど生じないものが好ましく、同条件下での6ケ月保存後の変化としては、重量が製品の包装単位で±5%以内であることが本発明のシート状化粧料組成物の包装材料として好ましい。気密性の包装材料の材質としては、セロファン、防湿セロファン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル、塩化ビニリデン、塩化ビニル、ポリカーボネイト、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、リニア低密度ポリエチレン、アイオノマー、ポリビニルアルコール、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体、ポリメチルペンテン、ポリスチレン、アルミ箔などが好ましい例として挙げられる。このうち、特にポリプロピレン、塩化ビニリデン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、リニア低密度ポリエチレン、アルミ箔をラミネートしたフィルムは、水蒸気の透過性バリアーが高く、気密性の包装材料の構成フィルムとして好ましい。
【0073】
【発明の効果】
本発明によれば、水溶性の粘着シート及び水溶性保護材を積層することにより、皮膚に貼付した後、水で洗い流すことができ、粘着性があるにもかかわらず、取り扱い時に手指に付着することがなく、使用性に優れたシート状化粧料組成物を得ることができる。
また、本発明のシート状化粧料組成物は、粘着層に機能的な薬効成分を配合することにより、局所の補湿効果や循環改善効果や美白効果や肌の引き締め効果、痩身効果などを高めることが可能となった。
従来のパック剤と異なり、本発明のシート状化粧料組成物は、そのもの全てが水に溶けるため、使用後に基剤を剥がす手間が省け、使用感に優れたものである。
【0074】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0075】
製剤例
(実施例1〜7)
表1に示した処方に従い、表2に示した各ポリマーに精製水を加え、室温で膨潤させた後、攪拌しながら表1に示した残りの各成分を加え、混和した後、表面をシリコン処理したポリエチレンフィルム上に、厚さ約1.5mmのシート状に展延した。展延後、110℃の乾燥機に入れ、乾燥中に経時的にサンプルを採取し、水分量をカールフィッシャー法で測定し、展延した膏体の水分含量が約15%になるように半熟乾燥した。半熟乾燥物の表面に特開平7−42019号に係る水溶性不織布((株)クラレ製水溶性不織布(ポリビニルアルコール、重合度1700、繊維の太さ15μm、不織布の厚さ280μm、目付50g/m2))にポリビニルアルコールのフィルム(重合度1500、厚さ10μm)を貼り合わせたシート(水溶性保護材)を積層し、10×7cmに裁断し、アルミ箔をラミネートしたポリエチレンフィルム製の袋に装填した。
【0076】
(比較例1〜7)
上記製剤例と同様に、表1に示した処方に従い、表2に示した各ポリマーに精製水を加え、室温で膨潤させた後、攪拌しながら表1に示した残りの各成分を加え、混和した後、表面をシリコン処理したポリエチレンフィルム上に、厚さ約1.5mmのシート状に展延した。展延後、110℃の乾燥機に入れ、乾燥中に経時的にサンプルを採取し、水分量をカールフィッシャー法で測定し、展延した膏体の水分含量が約15%になるように半熟乾燥した。非水溶性のポリエチレン製不織布(厚さ:300μm)を積層し、10×7cmに裁断し、アルミ箔をラミネートしたポリエチレンフィルム製の袋に装填した。
【0077】
(比較例8〜13)
上記製剤例と同様に、表1に示した処方に従い、表2に示した各ポリマーに精製水を加え、室温で膨潤させた後、攪拌しながら表1に示した残りの各成分を加え、混和した後、表面をシリコン処理したポリエチレンフィルム上に、厚さ約1.5mmのシート状に展延した。展延後、110℃の乾燥機に入れ、乾燥中に経時的にサンプルを採取し、水分量をカールフィッシャー法で測定し、展延した膏体の水分含量が約15%になるように半熟乾燥した。10×7cmに裁断した。膏体の両面に粘着性があり、使用時には一方の粘着面を皮膚に貼り、剥離フィルムを剥がして用いた。
【0078】
【表1】
【0079】
【表2】
【0080】
試験例1
製剤例に従って調製された本発明のシート状化粧料組成物について、被験者5名を用いて、乾いた肌(顔)及び、石鹸で洗浄後の肌(顔)に貼って使用試験を行ない、使用感について評価した。この官能試験結果を表3に示す。
【0081】
【表3】
【0082】
上記試験結果からも明らかなように、本発明のシート状化粧料組成物は肌に対して良好な接着性が高く、洗い落としやすく、しっとり感に優れ、また、貼付時もべたべたせず使用感の良好な製剤であることが分かった。これに対して比較例1〜7は洗浄時に溶け残りが生じ、ゴミが発生し、使い勝手の悪いものであった。また、比較例8〜13は皮膚に貼付後、手指や衣類に膏体が付着し、使用感が非常に悪いものであった。
【0083】
美白剤(実施例8、13、15)、痩身剤(実施例9、12、14)、スキンケア剤(実施例10、16)、しわとり剤(実施例11)、血行促進剤(実施例17)を製造した。
【0084】
(実施例8〜12)
次表に示す成分のうちポリビニルピロリドンを精製水に膨潤させ、プロピレングリコール、グリセリン、その他の成分を配合し、混和した後、表面をシリコン処理したポリエチレンフィルム上に、厚さ約1.5mmのシート状に展延した。展延後、110℃の乾燥機に入れ、乾燥中に経時的にサンプルを採取し、水分量をカールフィッシャー法で測定し、展延した膏体の水分含量が約10%になるように半熟乾燥した。半熟乾燥物の表面に水溶性ポリビニルアルコールフィルム(ポリビニルアルコール水溶液にグリセリン10%を添加し乾燥して製した)を積層し、10×7cmに裁断した後、アルミ箔をラミネートしたポリエチレンフィルム製の袋に装填した。
【0085】
【表4】
【0086】
(実施例13〜17)
次表に示す成分のうちプルランを精製水に膨潤させ、プロピレングリコール、グリセリン、その他の成分を配合し、混和した後、表面をシリコン処理したポリエチレンフィルム上に、厚さ約1.5mmのシート状に展延した。展延後、110℃の乾燥機に入れ、乾燥中に経時的にサンプルを採取し、水分量をカールフィッシャー法で測定し、展延した膏体の水分含量が10%になるように半熟乾燥した。半熟乾燥物の表面にプルランフィルム(プルラン水溶液にグリセリン2%を添加し乾燥して製した)を積層し、10×7cmに裁断した後、アルミ箔をラミネートしたポリエチレンフィルム製の袋に装填した。
【0087】
【表5】
【0088】
(実施例18)
次表に示す成分のうちプルランを精製水に膨潤させ、プロピレングリコール、グリセリン、その他の成分を配合し、混和した後、表面をシリコン処理したポリエチレンフィルム上に、厚さ約1.5mmのシート状に展延した。展延後、110℃の乾燥機に入れ、乾燥中に経時的にサンプルを採取し、水分量をカールフィッシャー法で測定し、展延した膏体の水分含量が10%になるように半熟乾燥した。半熟乾燥物の表面にプルランフィルム(プルラン水溶液にグリセリン2%を添加し乾燥して製した)を積層し、10×7cmに裁断してシャンプー組成物を製造し、アルミ箔をラミネートしたポリエチレンフィルム製の袋に装填した。
【0089】
【表6】
Claims (4)
- (a)水溶性高分子及び水1〜25重量%を含有する水溶性の粘着性シート、並びに(b)水溶性保護材を積層してなることを特徴とするシート状化粧料組成物。
- 前記水溶性の粘着性シートが、更に保湿剤、美白剤、紫外線吸収剤、痩身剤、血行促進剤、収斂剤、抗炎症剤、しわ形成予防・改善剤、冷感剤、温感剤及び界面活性剤から選ばれる1種又は2種以上を含有するものである請求項1記載のシート状化粧料組成物。
- (b)水溶性保護材が、水溶性フィルム、水溶性不織布、水溶性織布、又は水溶性不織布若しくは水溶性織布に水溶性フィルムを積層したものである請求項1又は2記載のシート状化粧料組成物。
- 皮膚に貼付して、洗い流して使用するものである請求項1〜3のいずれか1項記載のシート状化粧料組成物。
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