JP6419417B2 - 自立性美容シート - Google Patents

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Description

本発明は、皮膚用の自立性美容シート並びにそれを使用する化粧方法に関する。
皮膚にメーキャップを適用するために、パッチ形態の美容シートを皮膚に適用する方法が、化粧料組成物を使用するメーキャップ方法に加えて提案されてきた。
例えば、WO2009/041121は、美容目的の薄いポリウレタンベースのシートを提案しており、これは接着剤をポリウレタン層に適用することによって調製される。この美容シートは、例えば、シートで皮膚を引っ張ることによって皮膚の皺を減らすために使用される。
しかし、WO2009/041121で開示されるポリウレタンベースの化粧料極薄シートの厚さが2〜20ミクロンであるため、皮膚上の美容シートは知覚され得る。
美容シートを知覚されにくくするための1つの選択肢は、シートの厚さの低減であろう。しかし、このような美容シートの厚さを薄くすると、自立特性に影響が及び、したがって、有用性が悪化する。
更に、WO2009/041121に開示されるような通常の美容シートが、皮膚に直接貼り付ける接着剤層を含む場合、その接着剤層が原因で皮膚が刺激されることがある。また、接着剤層が皮膚に発疹を引き起こす可能性もある。
美容シートを低刺激にする1つの選択肢は、接着剤層の除去であろう。しかし、美容シートは、接着剤層なしで皮膚に付着させるのは困難である。JP-A-2011-136971は、接着剤層を含まない美容シートを開示しているが、この美容シートを調製するための材料は非常に限定されており、生分解性ポリマーは使用できない。
一方で、多くの化粧料は、紫外線をシールドするために1種又はそれ以上の紫外線遮蔽剤を含有する。特に、皮膚用化粧料は、典型的に、紫外線から皮膚を保護するために紫外線遮蔽剤を含有する。
しかし、いくつかの紫外線遮蔽剤は、皮膚に浸透し、刺激する可能性がある。更に、皮膚上の紫外線遮蔽剤を含有する化粧料は、例えば、水で皮膚を洗浄することによって、又は、皮膚を摩擦することによって、容易に皮膚から除去され得る。この容易な除去は、特に、日焼け止め剤等の紫外線遮蔽剤を含有する化粧料が、汗、雨、海水等によって引き起こされる湿潤状態で使用される場合、特に浜辺で使用される場合に主要な問題となり得る。更に、消費者にとって、日焼け止め剤等の紫外線遮蔽剤を含有する化粧料を皮膚上に一様に又は均一に適用することは困難なことがある。
WO2012/173198は、美容目的で皮膚上に適用される薄膜を開示している。しかし、WO2012/173198は、上記の紫外線遮蔽剤の欠点に対処するための薄膜の使用を開示又は示唆していない。
WO2009/041121 JP-A-2011-136971 WO2012/173198 EP-669,323 米国特許第2,463,264号 米国特許第5,237,071号 米国特許第5,166,355号 GB-2,303,549 DE-197,26,184 EP-893,119 WO93/04665 DE-19855649
Adv. Mater.、21、4388〜4392頁、2009年 Pure and Applied Chemistry、80、2259〜2271頁、2008年 Cosmetics & Toiletries、1990年2月、105巻、53〜64頁 Adv. Mater.、19、3549〜3553頁、2007年 Surgery、148、48〜58頁、2010年
本発明の目的は、安全、長持ち、及び、一様なUV遮蔽効果等の優れた美容効果を提供できる自立性美容シートを提供することである。
本発明の上記の目的は、
少なくとも1種の生体適合性及び/又は生分解性の疎水性ポリマー層を含み、
30〜1000nm、好ましくは50〜500nm、より好ましくは100〜400nmの厚さを有し、
少なくとも1種の紫外線遮蔽剤を含む、
皮膚用自立性美容シートによって実現することができる。
生体適合性及び/又は生分解性の疎水性ポリマー層は、好ましくは非架橋ポリ(乳酸)及びその誘導体から選択される非架橋ポリマーでよい。
生体適合性及び/又は生分解性の疎水性ポリマー層は、少なくとも1種のカチオン性ポリマー及び少なくとも1種のアニオン性ポリマーを含むことができる。
カチオン性ポリマーは、第四級アンモニウム基、グアニジン基、ビグアニド基、イミダゾール基、イミノ基、ピリジル基及びアミノ基からなる群から選択される少なくとも1つの正荷電性部分を有してよい。
カチオン性ポリマーは、キトサン、コラーゲン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ポリジアリルジアルキルアンモニウムクロリド、ポリアニリン、ポリビニルイミダゾール、ポリジメチルアミノエチレンメタクリレート、ポリ-1-メチル-2-ビニルピリジン、ポリアミン、ポリイミン、ポリエチレンイミン、ポリビニルピリジン、ポリ(第四級ピリジン)、ポリリシン、ポリオルニチン、ポリアルギニン、ポリヒスチジン、ポリアミノプロピルビグアニド、及びそれらの塩からなる群から選択できる。
アニオン性ポリマーは、硫酸基(sulfuric group)、スルフェート基、スルホン酸基、スルホネート基、リン酸基(phosphoric group)、ホスフェート基、ホスホン酸基、ホスホネート基、カルボキシル基及びカルボキシレート基からなる群から選択される少なくとも1つの負荷電性部分を有してよい。
アニオン性ポリマーは、アルギン酸、ヒアルロン酸、ポリグルタミン酸、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリアミド酸、ポリスチレンスルホネート、ポリ(ビニルスルフェート)、デキストランスルフェート、コンドロイチンスルフェート、ポリマレイン酸、ポリフマル酸、カルボキシメチルセルロース、スチレン無水マレイン酸誘導体及びそれらの塩からなる群から選択できる。
紫外線遮蔽剤は、無機紫外線遮蔽剤、有機紫外線遮蔽剤、及び、それらの混合物から選択してよい。
無機紫外線遮蔽剤は、炭化ケイ素、金属酸化物及びそれらの混合物からなる群から選択してよい。
有機紫外線遮蔽剤は、アントラニル化合物;ジベンゾイルメタン化合物;ケイ皮酸化合物(cinnamic compound);サリチル酸化合物;カンファー化合物;ベンゾフェノン化合物;β,β-ジフェニルアクリレート化合物;トリアジン化合物;ベンゾトリアゾール化合物;ベンザルマロネート化合物;ベンゾイミダゾール化合物;イミダゾリン化合物;ビス-ベンゾアゾリル化合物;p-アミノ安息香酸(PABA)化合物;メチレンビス(ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール)化合物;ベンゾオキサゾール化合物;遮蔽性ポリマー及び遮蔽性シリコーン;α-アルキルスチレン由来のダイマー;4,4-ジアリールブタジエン化合物;並びにそれらの混合物からなる群から選択してよい。
有機紫外線遮蔽剤は、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、ホモサレート、サリチル酸エチルヘキシル、オクトクリレン、フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、ベンゾフェノン-3、ベンゾフェノン-4、ベンゾフェノン-5、n-ヘキシル2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)ベンゾエート、1,1'-(1,4-ピペラジンジイル)ビス[1-[2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]フェニル]-メタノン、4-メチルベンジリデンカンファー、テレフタリリデンジカンファースルホン酸、フェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム、エチルヘキシルトリアゾン、ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、2,4,6-トリス(ジネオペンチル4'-アミノベンザルマロネート)-s-トリアジン、2,4,6-トリス(ジイソブチル4'-アミノベンザルマロネート)-s-トリアジン、2,4-ビス-(n-ブチル4'-アミノベンザルマロネート)-6[(3-{1,3,3,3-テトラメチル-1-[トリメチルシリルオキシ]-ジシロキサニル}プロピル)アミノ]-s-トリアジン、2,4,6-トリス-(ジ-フェニル)-トリアジン、2,4,6-トリス-(テル-フェニル)-トリアジン、メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、ドロメトリゾールトリシロキサン、ポリシリコーン-15、ジネオペンチル4'-メトキシベンザルマロネート、1,1-ジカルボキシ(2,2'-ジメチルプロピル)-4,4-ジフェニルブタジエン、2,4-ビス[5-1(ジメチルプロピル)ベンゾオキサゾール-2-イル-(4-フェニル)イミノ]-6-(2-エチルヘキシル)イミノ-1,3,5-トリアジン、カンファーベンジルコニウムメトスルフェート及びそれらの混合物からなる群から選択することができる。
本発明の皮膚用自立性美容シート中の紫外線遮蔽剤の量は、美容シートの総質量に対して、0.1〜70質量%、好ましくは1〜60質量%、より好ましくは10〜50質量%でよい。
本発明の皮膚用自立性美容シートは、基材シートに接着させてもよい。自立性美容シートは基材シートから取り外し可能であることが好ましい。
本発明は、本発明の皮膚用自立性美容シートを皮膚上に適用する工程を含む、皮膚をケア及び/又はメーキャップする非治療的化粧方法にも関する。
本発明は、本発明の皮膚用自立性美容シートを皮膚上に適用する工程を含む、皮膚の黒ずみを制限し、肌の色及びむらを改善する非治療的化粧方法にも関する。
本発明は、本発明の皮膚用自立性美容シートを皮膚上に適用する工程を含む、皮膚の老化を処置する非治療的化粧方法にも関する。
鋭意検討の結果、本発明者らは、安全、長持ち、及び、一様なUV遮蔽効果等の優れた美容効果を提供できる自立性美容シートを提供できることを発見した。
本発明の自立性美容シートは、紫外線遮蔽剤をシート中に含有する。したがって、紫外線遮蔽剤は、直接皮膚に接触できない。そのため、刺激等の使用時の不都合な感触を、日焼け止め剤等紫外線遮蔽剤を含有する化粧料を皮膚上に直接適用する場合と比較して、回避又は低減することができる。更に、本発明の美容シートを皮膚にしっかりと接着させることができ、したがって本発明の美容シートを皮膚から剥がすことは容易ではない。そのため、本発明の美容シートは、長持ちするUV遮蔽効果を提供することができる。本発明の美容シートが水に容易には溶けないため、特に水に不溶なため、UV遮蔽の長持ち効果は、更に強化され得る。更に、本発明の美容シートが紫外線遮蔽剤を一様に又は均一に含有することができるため、消費者にとって、本発明の美容シートを適用することによって一様な又は均一なUV遮蔽効果を受けることは容易である。
加えて、本発明の美容シートは、以下の有利な効果を持つことができる:非常に薄く、ほとんど透明にでき、皮膚上で容易には知覚されず;生体適合性及び/又は生分解性の材料等の種々な材料で調製することができ;接着剤層を一切使わずに皮膚上によく付着させることができ、これにより皮膚への刺激が少なく、又は、刺激がなく、長期使用に耐久性がある。また、本発明の美容シートは厚さが非常に薄いため、空気及び水に良好な透過性を有し、良好な弾性を有することができる。
以下、本発明の自立性美容シート並びに化粧方法を、より詳細に説明していく。
[美容シート]
本発明の美容シートは自立性である。本明細書中の用語「自立性」は、本発明の美容シートをシートの形態とすることができ、基材又は担体の補助なしで独立したシートとして取り扱うことができることを意味する。すなわち、用語「自立性」は、「自己支持性」と同じ意味を持つことができる。
本発明による美容シートは、少なくとも1種の生体適合性及び/又は生分解性の疎水性ポリマー層を含む。2種又はそれ以上の生体適合性及び/又は生分解性のポリマーを組み合わせて使用してよい。そのため、単一の種類の生体適合性及び/又は生分解性のポリマー、又は、異なる種類の生体適合性及び/又は生分解性のポリマーの組合せが使用できる。
本明細書中の用語「生体適合性」ポリマーとは、ポリマーが、ポリマーと皮膚を含めた生体中の細胞との間に過度な相互作用を持たず、ポリマーが生体に異物として認識されないことを意味する。
本明細書中の用語「生分解性」ポリマーは、例えば、生体自体の代謝又は生体中に存在し得る微生物の代謝に起因して、ポリマーが生体中で劣化又は分解し得ることを意味する。また、生分解性ポリマーは、加水分解によって分解し得る。
本明細書中の用語「疎水性」は、20〜40℃、好ましくは25〜40℃、より好ましくは30〜40℃でのポリマーの水(好ましくは1リットルの容量)に対する溶解性が、ポリマーの総質量に対して、10質量%未満、好ましくは5質量%未満、より好ましくは1質量%未満、更により好ましくは0.1質量%未満であることを意味する。ポリマーが水に不溶性であることが最も好ましい。
本発明の美容シートが生体適合性及び/又は生分解性のポリマーを使用するため、皮膚への刺激は低減される、又は刺激がなく、発疹を起こさない。加えて、非常に薄い厚さ及び生体適合性及び/又は生分解性ポリマーの使用を組み合わせて、本発明の美容シートは皮膚によく付着できる。
生体適合性及び/又は生分解性ポリマーの例として、ポリビニルアルコール及びその誘導体;ポリエチレンオキシド及びその誘導体;ポリビニルピロリドン及びその誘導体;ポリ乳酸;ポリアミノ酸;カゼイン、アルブミン、及び、ゼラチン等のタンパク質;グリコーゲン、デキストリン、デキストラン、ヒドロキシプロピルセルロース、アガロース、キチン、及び、プルラン等の多糖;並びにカルボキシビニルポリマーを挙げることができる。
上記のポリマーは架橋であっても架橋でなくてもよい。
生体適合性及び/又は生分解性ポリマーとして、非架橋ポリマー、例えば非架橋ポリ乳酸及びその誘導体を使用することが好ましい。2種又はそれ以上の非架橋ポリマーを組み合わせて使用してよい。そのため、単一の種類の非架橋ポリマー、又は、異なる種類の非架橋ポリマーの組合せが使用できる。
ポリ乳酸の誘導体として、以下の繰り返し単位を有するポリマーを挙げることができる:
(式中、R1及びR2は、独立に、水素原子、アルキル基、アリール基又はハロゲン原子を指すが、ただしR1及びR2は同時に水素原子及びメチル基を指さないことを条件とする)。自立性極薄シートの材料としてのポリ乳酸の使用は、参照により本明細書中に組み込まれるAdv. Mater.、21、4388〜4392頁、2009年に開示される。
生体適合性及び/又は生分解性ポリマーとして、架橋ポリマーを使用することも好ましい。2種又はそれ以上の架橋ポリマーを組み合わせて使用してよい。そのため、単一の種類の架橋ポリマー、又は、異なる種類の架橋ポリマーの組合せが使用できる。ポリマーの自立能力を強化するために、ポリマーを架橋させることは好ましいことがある。自立性極薄シートの材料としての架橋ポリマー、例えば架橋アルブミンの使用は、参照により本明細書中に組み込まれるPure and Applied Chemistry、80、2259〜2271頁、2008年に開示される。
少なくとも1種の非架橋ポリマー、例えばポリ乳酸と少なくとも1種の架橋ポリマー、例えば架橋アルブミン及び架橋ポリ(アクリル)酸との組合せを、生体適合性及び/又は生分解性ポリマーとして使用することが可能である。
生体適合性及び/又は生分解性の疎水性ポリマーは、好ましくは、少なくとも1種のカチオン性ポリマーと少なくとも1種のアニオン性ポリマーとを組み合わせることによって調製することができる。そのため、生体適合性及び/又は生分解性のポリマーは、好ましくは、少なくとも1種のカチオン性ポリマー及び少なくとも1種のアニオン性ポリマーを含むことができる。2種又はそれ以上のカチオン性又はアニオン性のポリマーを組み合わせて使用してよい。そのため、単一の種類のカチオン性もしくはアニオン性ポリマー、又は、異なる種類のカチオン性もしくはアニオン性ポリマーの組合せが使用できる。
カチオン性ポリマーは、第四級アンモニウム基、グアニジン基、ビグアニド基、イミダゾール基、イミノ基、ピリジル基及びアミノ基からなる群から選択される少なくとも1つの正荷電性部分を有してよい。
カチオン性ポリマーは、キトサン、コラーゲン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ポリジアリルジアルキルアンモニウムクロリド、ポリアニリン、ポリビニルイミダゾール、ポリジメチルアミノエチレンメタクリレート、ポリ-1-メチル-2-ビニルピリジン、ポリアミン、ポリイミン、ポリエチレンイミン、ポリビニルピリジン、ポリ(第四級ピリジン)、ポリリシン、ポリオルニチン、ポリアルギニン、ポリヒスチジン、ポリアミノプロピルビグアニド、及び、それらの塩からなる群から選択できる。キトサン及びポリリシンが好ましい。
アニオン性ポリマーは、硫酸基、スルフェート基、スルホン酸基、スルホネート基、リン酸基、ホスフェート基、ホスホン酸基、ホスホネート基、カルボキシル基及びカルボキシレート基からなる群から選択される少なくとも1つの負荷電性部分を有してよい。
アニオン性ポリマーは、アルギン酸、ヒアルロン酸、ポリグルタミン酸、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリアミド酸、ポリスチレンスルホネート、ポリ(ビニルスルフェート)、デキストランスルフェート、コンドロイチンスルフェート、ポリマレイン酸、ポリフマル酸、カルボキシメチルセルロース、スチレン無水マレイン酸誘導体及びそれらの塩からなる群から選択できる。アルギン酸又はその塩が好ましく、アルギン酸ナトリウムがより好ましい。
本発明の自立性美容シートは、30〜1000nm、好ましくは50〜500nm、より好ましくは100〜400nm、更により好ましくは150〜350nm、最も好ましくは200〜350nmの厚さを有する。
(紫外線遮蔽剤)
本発明による自立性美容シートは、少なくとも1種の紫外線遮蔽剤を含む。
紫外線遮蔽剤の種類は限定されない。2種又はそれ以上の種類の紫外線遮蔽剤を組み合わせて使用してよい。そのため、単一の種類の紫外線遮蔽剤、又は、異なる種類の紫外線遮蔽剤の組合せが使用できる。
紫外線遮蔽剤は、無機紫外線遮蔽剤、有機紫外線遮蔽剤、及び、それらの混合物から選択することができる。
本発明の自立性美容シートは、紫外線遮蔽剤を、美容シートの総質量に対して、0.1〜70質量%、好ましくは1〜60質量%、より好ましくは10〜50質量%の量で含むことができる。
(無機紫外線遮蔽剤)
本発明による自立性美容シートは、少なくとも1種の無機紫外線遮蔽剤を含むことができる。2種又はそれ以上の無機紫外線遮蔽剤を使用する場合、それらは同じものでも異なってもよく、同じものであることが好ましい。
本発明に使用する無機紫外線遮蔽剤は、UV-A及び/又はUV-B領域において活性を有するものでよい。無機紫外線遮蔽剤は、親水性かつ/又は親油性のものでよい。無機紫外線遮蔽剤は、好ましくは、水やエタノール等の、化粧料中に一般に使用される溶媒に不溶性である。
無機紫外線遮蔽剤は、その平均(一次)粒径が1nm〜50nm、好ましくは5nm〜40nm、より好ましくは10nm〜30nmの範囲をとるような微粒子の形態であることが好ましい。本明細書の平均(一次)粒子サイズ又は平均(一次)粒径は、算術平均直径である。
無機紫外線遮蔽剤は、炭化ケイ素、被覆されていても被覆されていなくてもよい金属酸化物、及び、それらの混合物からなる群から選択されるものでよい。
無機紫外線遮蔽剤は、金属酸化物で構成された顔料(一次粒子の平均サイズ:一般に5nm〜50nm、好ましくは10nm〜50nm)、例えば、すべてそれ自体がよく知られたUV光防護剤である、酸化チタン(非晶質又はルチル型及び/もしくはアナターゼ型の結晶質)、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、又は、酸化セリウムで構成された顔料から選択されることが好ましい。好ましくは、無機紫外線遮蔽剤は、酸化チタン、酸化亜鉛から選択され、より好ましくは酸化チタンである。
無機紫外線遮蔽剤は、被覆されていても被覆されていなくてもよい。無機紫外線遮蔽剤は、少なくとも1種のコーティングを有してよい。コーティングは、アルミナ、シリカ、水酸化アルミニウム、シリコーン、シラン、脂肪酸又はそれらの塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、亜鉛塩、鉄塩又はアルミニウム塩)、脂肪アルコール、レシチン、アミノ酸、多糖、タンパク質、アルカノールアミン、蜜蝋等の蝋、(メタ)アクリルポリマー、有機紫外線遮蔽剤、及び、(ペル)フルオロ化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含むことができる。
少なくとも1種の有機紫外線遮蔽剤を含有することが、コーティングにとって好ましい。コーティング中の有機紫外線遮蔽剤として、ブチルメトキシジベンゾイルメタン(アヴォベンゾン)等のジベンゾイルメタン誘導体及びBASFによって「TINOSORB M」として市販される2,2'-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチル-ブチル)フェノール](メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール)が好ましいことがある。
公知のように、コーティング中のシリコーンは、好適な官能基シランの重合及び/又は重縮合によって得られ、ケイ素原子が酸素原子を介して互いに結合(シロキサン結合)され、任意選択により置換された炭化水素基が、炭素原子を介して前記ケイ素原子に直接結合されている、主要単位の反復から本質的に構成される、不定の分子量の直鎖又は環状及び分枝状又は架橋された構造を含む、有機ケイ素ポリマー又はオリゴマーでよい。
用語「シリコーン」は、その調製に必要なシラン、特にアルキルシランも包含する。
コーティングに使用されるシリコーンは、好ましくは、アルキルシラン、ポリジアルキルシロキサン及びポリアルキルヒドロシロキサンからなる群から選択することができる。更により好ましくは、シリコーンは、オクチルトリメチルシラン、ポリジメチルシロキサン及びポリメチルヒドロシロキサンからなる群から選択される。
当然ながら、金属酸化物で構成された無機紫外線遮蔽剤は、シリコーンでこれらを処理する前に、他の表面処理剤(surfacing agent)、具体的には、酸化セリウム、アルミナ、シリカ、アルミニウム化合物、ケイ素化合物又はそれらの混合物で処理されていてよい。
被覆無機紫外線遮蔽剤は、無機紫外線遮蔽剤を、上記の任意の化合物並びにポリエチレン、金属アルコキシド(チタン又はアルミニウムアルコキシド)、金属酸化物、ヘキサメタリン酸ソーダ、及び、例えばCosmetics & Toiletries、1990年2月、105巻、53〜64頁に示される化合物を用いて、化学的、電子的、メカノケミカル及び/又は機械的性質の1種又は複数の表面処理を行うことによって調製したものでよい。
被覆無機紫外線遮蔽剤は:
池田物産株式会社の製品「Sunveil」等、シリカで被覆された酸化チタン;
池田物産株式会社の製品「Sunveil F」等、シリカ及び酸化鉄で被覆された酸化チタン;
テイカの製品「Microtitanium Dioxide MT 500 SA」、Tioxideの製品「Tioveil」、Rhodiaの製品「Mirasun TiW 60」等、シリカ及びアルミナで被覆された酸化チタン;
石原産業の製品「Tipaque TTO-55 (B)」及び「Tipaque TTO-55 (A)」、並びに、Kemiraの製品「UVT 14/4」等、アルミナで被覆された酸化チタン;
テイカの製品「Microtitanium Dioxide MT 100 T、MT 100 TX、MT 100 Z又はMT-01」、Uniqemaの製品「Solaveil CT-10 W」及び「Solaveil CT 100」、並びに、Merckの製品「Eusolex T-AVO」等、アルミナ及びステアリン酸アルミニウムで被覆された酸化チタン;
テイカの製品「Microtitanium Dioxide MT 100 S」等、アルミナ及びラウリン酸アルミニウムで被覆された酸化チタン;
テイカの製品「Microtitanium Dioxide MT 100 F」等、酸化鉄及びステアリン酸鉄で被覆された酸化チタン;
テイカの製品「BR351」等、酸化亜鉛及びステアリン酸亜鉛で被覆された酸化チタン;
テイカの製品「Microtitanium Dioxide MT 600 SAS」、「Microtitanium Dioxide MT 500 SAS」、及び、「Microtitanium Dioxide MT 100 SAS」等、シリカ及びアルミナで被覆され、シリコーンで処理された酸化チタン;
チタン工業株式会社の製品「STT-30-DS」等、シリカ、アルミナ及びステアリン酸アルミニウムで被覆され、シリコーンで処理された酸化チタン;
Kemiraの製品「UV-Titan X 195」等、シリカで被覆され、シリコーンで処理された酸化チタン;
石原産業株式会社の製品「Tipaque TTO-55 (S)」又はKemiraの製品「UV Titan M 262」等、アルミナで被覆され、シリコーンで処理された酸化チタン;
チタン工業株式会社の製品「STT-65-S」等、トリエタノールアミンで被覆された酸化チタン;
石原産業株式会社の製品「Tipaque TTO-55 (C)」等、ステアリン酸で被覆された酸化チタン;或いは
テイカの製品「Microtitanium Dioxide MT 150 W」等、ヘキサメタリン酸ナトリウムで被覆された酸化チタンでよい。
シリコーンで処理された他の酸化チタン顔料は、オクチルトリメチルシランで処理され、その個々の粒子の平均サイズが25〜40nmであるTiO2、例えば、Degussa Silicesにより「T 805」の商標で市販されているもの、ポリジメチルシロキサンで処理され、その個々の粒子の平均サイズが21nmであるTiO2、例えば、Cardreにより「70250 Cardre UF TiO2Si3」の商標で市販されているもの、ポリジメチルヒドロシロキサンで処理され、その個々の粒子の平均サイズが25nmであるアナターゼ/ルチルTiO2、例えば、Color Techniquesにより「Microtitanium Dioxide USP Grade Hydrophobic」の商標で市販されているものであることが好ましい。
好ましくは、以下の被覆TiO2は、被覆無機紫外線遮蔽剤として使用できる:
平均一次粒径が15nmの、テイカの製品「MT-100 TV」等のステアリン酸(及び)水酸化アルミニウム(及び)TiO2;
平均一次粒径が15nmの、三好化成工業株式会社の製品「SA-TTO-S4」等のジメチコーン(及び)ステアリン酸(及び)水酸化アルミニウム(及び)TiO2;
平均一次粒径が15nmの、テイカの製品「MT-100 WP」等のシリカ(及び)TiO2;
平均一次粒径が10nmの、テイカの製品「MT-Y02」及び「MT-Y-110 M3S」等のジメチコーン(及び)シリカ(及び)水酸化アルミニウム(及び)TiO2;
平均一次粒径が15nmの、三好化成工業株式会社の製品「SA-TTO-S3」等のジメチコーン(及び)水酸化アルミニウム(及び)TiO2;
平均一次粒径が15nmの、Sachtlebenの製品「UV-TITAN M170」等のジメチコーン(及び)アルミナ(及び)TiO2;
平均一次粒径が15nmの、テイカの製品「MT-100 AQ」等のシリカ(及び)水酸化アルミニウム(及び)アルギン酸(及び)TiO2
UV遮蔽能力の点で、少なくとも1種の有機紫外線遮蔽剤で被覆されたTiO2がより好ましい。例えば、平均一次粒径が15nmの、テイカの製品「HXMT-100ZA」等のアヴォベンゾン(及び)ステアリン酸(及び)水酸化アルミニウム(及び)TiO2を使用することができる。
非被覆酸化チタン顔料は、例えば、テイカにより「Microtitanium Dioxide MT500B」又は「Microtitanium Dioxide MT600B」の商標で、Degussaにより「P 25」の商標で、Wackerにより「Oxyde de titane transparent PW」の商標で、三好化成により「UFTR」の商標で、Tomenにより「ITS」の商標で、またTioxideにより「Tioveil AQ」の商標で市販されている。
非被覆酸化亜鉛顔料は、例えば:
Sunsmartにより「Z-cote」の商標で市販されているもの、
Elementisにより「Nanox」の商標で市販されているもの、及び
Nanophase Technologiesにより「Nanogard WCD 2025」の商標で市販されているもの
である。
被覆酸化亜鉛顔料は、例えば:
東芝により「Oxide Zinc CS-5」の商標で市販されているもの(ポリメチルヒドロシロキサンで被覆されているZnO)、
Nanophase Technologiesにより「Nanogard Zinc Oxide FN」の商標で(C12〜C15アルキルベンゾエートであるFinsolv TN中40%分散液として)市販されているもの、
大東化成により「Daitopersion Zn-30」及び「Daitopersion Zn-50」の商標で市販されているもの(オキシエチレン化ポリジメチルシロキサン/シクロポリメチルシロキサン中に、シリカ及びポリメチルヒドロシロキサンで被覆されている亜鉛ナノオキシドを30%又は50%含む分散液)、
ダイキン工業により「NFD Ultrafine ZnO」の商標で市販されているもの(ペルフルオロアルキルのリン酸エステル及びペルフルオロアルキルエチルをベースとしたコポリマーで被覆されている、シクロペンタシロキサン分散液としてのZnO)、
信越化学工業により「SPD-Z1」の商標で市販されているもの(シリコーングラフトアクリルポリマーで被覆されているZnOをシクロジメチルシロキサンに分散させたもの)、
ISPにより「Escalol Z100」の商標で市販されているもの(メトキシケイ皮酸エチルヘキシル/PVP-ヘキサデセンコポリマー/メチコーン混合物に分散させたアルミナ処理ZnO)、並びに
冨士色素により「Fuji ZnO-SMS-10」の商標で市販されているもの(シリカ及びポリメチルシルセスキオキサンで被覆されているZnO)、Elementisにより「Nanox Gel TN」の商標で市販されているもの(ヒドロキシステアリン酸重縮合物を含有するC12〜C15アルキルベンゾエートに55%で分散させたZnO)である。
非被覆酸化セリウム顔料は、例えば、Rhone-Poulencにより「Colloidal Cerium Oxide」の商標で市販されている。
非被覆酸化鉄顔料は、例えば、Arnaudにより「Nanogard WCD 2002 (FE 45B)」、「Nanogard Iron FE 45 BL AQ」、「Nanogard FE 45R AQ」、及び、「Nanogard WCD 2006 (FE 45R)」の商標で、又は、Mitsubishiにより「TY-220」の商標で市販されている。
被覆酸化鉄顔料は、例えば、Arnaudにより「Nanogard WCD 2008 (FE 45B FN)」、「Nanogard WCD 2009 (FE 45B 556)」、「Nanogard FE 45 BL 345」、及び、「Nanogard FE 45 BL」の商標で、又は、BASFにより「Oxyde de fer transparent」の商標で市販されている。
金属酸化物の混合物、特に、池田物産により「Sunveil A」の商標で市販されている、シリカで被覆されている二酸化チタンとシリカで被覆されている二酸化セリウムの等重量混合物を含めて、二酸化チタンと二酸化セリウムの混合物、またKemiraにより市販されている製品「M 261」等の、アルミナ、シリカ及びシリコーンで被覆されている二酸化チタンと二酸化亜鉛の混合物、又は、Kemiraにより市販されている製品「M 211」等の、アルミナ、シリカ及びグリセロールで被覆されている二酸化チタンと二酸化亜鉛の混合物も挙げることができる。
無機紫外線遮蔽剤のUV遮蔽効果を強化することができるため、被覆無機紫外線遮蔽剤が好ましい。加えて、コーティングは、本発明の美容シート中に紫外線遮蔽剤を一様に又は均一に分散させることを助長することができる。
微粒子の形態の無機紫外線遮蔽剤を使用すると、無機紫外線遮蔽剤の微粒子が凝集せず、美容シート中に一様に又は均一に広がることができるので、本発明による美容シートは、白色の外観でなく透明又はクリアな外観を与えるという効果も有し得る。無機紫外線遮蔽剤の単体微粒子は、容易に凝集して、皮膚に白色の外観を与えることに留意すべきである。
(有機紫外線遮蔽剤)
本発明による自立性美容シートは、少なくとも1種の有機紫外線遮蔽剤を含むことができる。2種又はそれ以上の有機紫外線遮蔽剤を使用する場合、それらは同じものでも異なってもよく、同じものであることが好ましい。
本発明に使用する有機紫外線遮蔽剤は、UV-A及び/又はUV-B領域において活性を有するものでよい。有機紫外線遮蔽剤は、親水性かつ/又は親油性のものでよい。
有機紫外線遮蔽剤は、固体でも液体でもよい。用語「固体」及び「液体」は、それぞれ1atm下、25℃での固体及び液体を意味する。
有機紫外線遮蔽剤は、アントラニル化合物、ジベンゾイルメタン化合物、ケイ皮酸化合物、サリチル酸化合物、カンファー化合物、ベンゾフェノン化合物、β,β-ジフェニルアクリレート化合物、トリアジン化合物、ベンゾトリアゾール化合物、ベンザルマロネート化合物、ベンゾイミダゾール化合物、イミダゾリン化合物、ビス-ベンゾアゾリル化合物、p-アミノ安息香酸(PABA)化合物、メチレンビス(ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール)化合物、ベンゾオキサゾール化合物、遮蔽性ポリマー及び遮蔽性シリコーン、α-アルキルスチレン由来ダイマー、4,4-ジアリールブタジエン化合物、グアイアズレン及びその誘導体、ルチン及びその誘導体、フラボノイド、ビオフラボノイド、オリザノール及びその誘導体、キナ酸及びその誘導体、フェノール、レチノール、システイン、芳香族アミノ酸、芳香族アミノ酸残基含有ペプチド、並びに、それらの混合物からなる群から選択されるものでよい。
有機紫外線遮蔽剤の例として、以下にそのINCI名で示すもの、及び、それらの混合物を挙げることができる。
- アントラニル化合物:Haarmann and Reimerにより「Neo Heliopan MA」の商標で市販されているアントラニル酸メンチル。
- ジベンゾイルメタン化合物:特にHoffmann-La Rocheにより「Parsol 1789」の商標で市販されているブチルメトキシジベンゾイルメタン;及びイソプロピルジベンゾイルメタン。
- ケイ皮酸化合物:特にHoffmann-La Rocheにより「Parsol MCX」の商標で市販されているメトキシケイ皮酸エチルヘキシル;メトキシケイ皮酸イソプロピル;メトキシケイ皮酸イソプロポキシ;Haarmann and Reimerにより「Neo Heliopan E 1000」の商標で市販されているメトキシケイ皮酸イソアミル;シノキセート(4-メトキシケイ皮酸2-エトキシエチル);メトキシケイ皮酸DEA;メチルケイ皮酸ジイソプロピル;及びジメトキシケイ皮酸エチルヘキサン酸グリセリル。
- サリチル酸化合物:Rona/EM Industriesにより「Eusolex HMS」の商標で市販されているホモサレート(サリチル酸ホモメンチル);Haarmann and Reimerにより「Neo Heliopan OS」の商標で市販されているサリチル酸エチルヘキシル;サリチル酸グリコール;サリチル酸ブチルオクチル;サリチル酸フェニル;Scherにより「Dipsal」の商標で市販されているサリチル酸ジプロピレングリコール;及びHaarmann and Reimerにより「Neo Heliopan TS」の商標で市販されているサリチル酸TEA。
- カンファー化合物、特にベンジリデンカンファー誘導体:Chimexにより「Mexoryl SD」の商標で製造されている3-ベンジリデンカンファー;Merckにより「Eusolex 6300」の商標で市販されている4-メチルベンジリデンカンファー;Chimexにより「Mexoryl SL」の商標で製造されているベンジリデンカンファースルホン酸;Chimexにより「Mexoryl SO」の商標で製造されているメト硫酸カンファーベンザルコニウム;Chimexにより「Mexoryl SX」の商標で製造されているテレフタリリデンジカンファースルホン酸;及びChimexにより「Mexoryl SW」の商標で製造されているポリアクリルアミドメチルベンジリデンカンファー。
- ベンゾフェノン化合物:BASFにより「Uvinul 400」の商標で市販されているベンゾフェノン-1(2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン);BASFにより「Uvinul D50」の商標で市販されているベンゾフェノン-2(テトラヒドロキシベンゾフェノン);BASFにより「Uvinul M40」の商標で市販されているベンゾフェノン-3(2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン)又はオキシベンゾン;BASFにより「Uvinul MS40」の商標で市販されているベンゾフェノン-4(ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸);ベンゾフェノン-5(ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸ナトリウム);Norquayにより「Helisorb 11」の商標で市販されているベンゾフェノン-6(ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン);American Cyanamidにより「Spectra-Sorb UV-24」の商標で市販されているベンゾフェノン-8;BASFにより「Uvinul DS-49」の商標で市販されているベンゾフェノン-9(ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノンジスルホン酸二ナトリウム);ベンゾフェノン-12、及びn-ヘキシル2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)ベンゾエート(BASFによるUVINUL A+)。
- β,β-ジフェニルアクリレート化合物:特にBASFにより「Uvinul N539」の商標で市販されているオクトクリレン;及び特にBASFにより「Uvinul N35」の商標で市販されているエトクリレン。
- トリアジン化合物:Sigma 3Vにより「Uvasorb HEB」の商標で市販されているジエチルヘキシルブタミドトリアゾン;2,4,6-トリス(ジネオペンチル4'-アミノベンザルマロネート)-s-トリアジン;CIBA GEIGYにより「TINOSORB S」の商標で市販されているビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、及びBASFにより「UVINUL T150」の商標で市販されているエチルヘキシルトリアゾン。
- ベンゾトリアゾール化合物、特にフェニルベンゾトリアゾール誘導体:分枝及び直鎖の2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-ドデシル-4-メチルフェノ;並びにUSP 5240975に記載のもの。
- ベンザルマロネート化合物:4'-メトキシベンザルマロン酸ジネオペンチル、及びベンザルマロン酸官能基を含むポリオルガノシロキサン、例えば、Hoffmann-La Rocheにより「Parsol SLX」の商標で市販されているポリシリコーン-15。
- ベンゾイミダゾール化合物、特にフェニルベンゾイミダゾール誘導体:特にMerckにより「Eusolex 232」の商標で市販されているフェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、及び、Haarmann and Reimerにより「Neo Heliopan AP」の商標で市販されているフェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム。
- イミダゾリン化合物:エチルヘキシルジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリンプロピオネート。
- ビス-ベンゾアゾリル化合物:EP-669,323及び米国特許第2,463,264号に記載の誘導体。
- パラ-アミノ安息香酸化合物:PABA(p-アミノ安息香酸)、エチルPABA、エチルジヒドロキシプロピルPABA、ペンチルジメチルPABA、特にISPにより「Escalol 507」の商標で市販されているエチルヘキシルジメチルPABA、グリセリルPABA、及び、BASFにより「Uvinul P25」の商標で市販されているPEG-25 PABA。
- メチレンビス-(ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール)化合物、例えばFairmount Chemicalにより「Mixxim BB/200」の商標で固体形態で市販されている2,2'-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-メチル-フェノール]、BASFにより「Tinosorb M」の商標で、又はFairmount Chemicalにより「Mixxim BB/100」の商標で水性分散液中微粉化形態で市販されている2,2'-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール]、及び米国特許第5,237,071号、第5,166,355号、GB-2,303,549、DE-197,26,184及びEP-893,119に記載の誘導体、並びに
以下に表すような、Rhodia Chimieにより「Silatrizole」の商標で、又は、L'Orealにより「Mexoryl XL」の商標で市販されているドロメトリゾールトリシロキサン。
- ベンゾオキサゾール化合物:Sigma 3Vにより「Uvasorb K2A」の商標で市販されている2,4-ビス[5-1(ジメチルプロピル)ベンゾオキサゾール-2-イル-(4-フェニル)イミノ]-6-(2-エチルヘキシル)イミノ-1,3,5-トリアジン。
- 遮蔽ポリマー及び遮蔽シリコーン:WO 93/04665に記載のシリコーン。
- α-アルキルスチレン由来ダイマー:DE-19855649に記載のダイマー。
- 4,4-ジアリールブタジエン化合物:1,1-ジカルボキシ(2,2'-ジメチルプロピル)-4,4-ジフェニルブタジエン。
有機紫外線遮蔽剤は、以下からなる群から選択されることが好ましい:
ブチルメトキシジベンゾイルメタン、メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、ホモサレート、サリチル酸エチルヘキシル、オクトクリレン、フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、ベンゾフェノン-3、ベンゾフェノン-4、ベンゾフェノン-5、n-ヘキシル2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)ベンゾエート、1,1'-(1,4-ピペラジンジイル)ビス[1-[2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]フェニル]-メタノン、4-メチルベンジリデンカンファー、テレフタリリデンジカンファースルホン酸、フェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム、エチルヘキシルトリアゾン、ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、2,4,6-トリス(ジネオペンチル4'-アミノベンザルマロネート)-s-トリアジン、2,4,6-トリス(ジイソブチル4'-アミノベンザルマロネート)-s-トリアジン、2,4-ビス-(n-ブチル4'-アミノベンザルマロネート)-6[(3-{1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリルオキシ]-ジシロキサニル}プロピル)アミノ]-s-トリアジン、2,4,6-トリス-(ジ-フェニル)-トリアジン、2,4,6-トリス-(テル-フェニル)-トリアジン、メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、ドロメトリゾールトリシロキサン、ポリシリコーン-15、ジネオペンチル4'-メトキシベンザルマロネート、1,1-ジカルボキシ(2,2'-ジメチルプロピル)-4,4-ジフェニルブタジエン、2,4-ビス[5-1(ジメチルプロピル)ベンゾオキサゾール-2-イル-(4-フェニル)イミノ]-6-(2-エチルヘキシル)イミノ-1,3,5-トリアジン、カンファーベンジルコニウムメトスルフェート並びにそれらの混合物。
(美容シートの調製)
例えば少なくとも1種の生体適合性及び/又は生分解性ポリマー並びに少なくとも1種の紫外線遮蔽剤の極薄層を形成し、例えばSiO2担体等の担体上に生体適合性及び/又は生分解性ポリマー並びに紫外線遮蔽剤の溶液又は懸濁液をキャスティング又はスピンコーティングし、後続して前記溶液又は懸濁液を乾燥することによって、厚さが非常に薄い本発明による自立性美容シートを調製することが可能である。
例えば少なくとも1種の生体適合性及び/又は生分解性ポリマーの極薄層を形成し、例えばSiO2担体等の担体上に生体適合性及び/又は生分解性ポリマーの溶液又は懸濁液をキャスティング又はスピンコーティングし、後続して前記溶液又は懸濁液を乾燥し、得られた極薄層を、少なくとも1種の紫外線遮蔽剤の溶液又は懸濁液に浸して紫外線遮蔽剤を層の中に浸透させることによって、厚さが非常に薄い本発明による自立性美容シートを調製することも可能である。
或いは、例えば、カチオン性ポリマー及びアニオン性ポリマー又はその逆を少なくとも1種の紫外線遮蔽剤によって積層することによって、厚さが非常に薄い本発明による自立性美容シートを調製することが可能である。交互に積層されるため、カチオン性ポリマーの正電荷とアニオン性ポリマーの負電荷は互いに静電的に引かれ合い、美容シートの自立特性を強化するのに好都合になり得る架橋構造を形成する。
交互積層は、例えば、カチオン性ポリマー溶液とアニオン性ポリマー溶液を交互に使用して、SiO2担体等の担体をスピンコーティングし、後続して溶液を乾燥することによって実施することができる。キトサン又はポリリシン等のカチオン性ポリマーの溶液とアルギン酸ナトリウム等のアニオン性ポリマーの溶液を用いるSiO2担体のスピンコーティングによる極薄シートの調製は、参照により本明細書に組み込まれるAdv. Mater.、19、3549〜3553頁、2007年及びSurgery、148、48〜58頁、2010年に開示されている。
例えば、上記のカチオン性ポリマーとアニオン性ポリマーの交互積層を形成し、後続してこの交互積層を乾燥し、得られた極薄積層を少なくとも1種の紫外線遮蔽剤の溶液又は懸濁液中に浸して紫外線遮蔽剤を積層中に浸透させることによって、厚さが非常に薄い本発明による自立性美容シートを調製することも可能である。
本発明による美容シートは、生体適合性及び/又は生分解性の疎水性単一ポリマー、又は、少なくとも1種のカチオン性ポリマー及び少なくとも1種のアニオン性ポリマーから形成される生体適合性及び/又は生分解性ポリマー層を含むことが好ましいが、その理由は疎水性単一ポリマー又はカチオン性及びアニオン性ポリマーによって調製されるポリマーは疎水性であることができ、したがって本発明による美容シートは耐水性であることができ、強化された耐久性を有し得る。
本発明による美容シートは、上記の成分に加えて、化粧料に通常用いられる成分、特に、例えば酸、塩基、塩、顔料、粉末、界面活性剤、油、有機溶媒、シリコーン、シリコーン誘導体、動物又は植物由来の天然エキス、蝋等を、本発明の効果を損なわない範囲内で含むことができる。
このような任意選択による成分のいずれかを本発明による美容シートに使用する場合、紫外線遮蔽剤を美容シート中に浸透させるために使用される上記のプロセスに従って美容シート中に導入することができる。
本発明の自立性美容シートは、基材シートに接着させてもよい。基材の材料は限定されない。2種又はそれ以上の材料を組み合わせて使用できる。そのため、単一の種類の材料、又は、異なる種類の材料の組合せを使用してもよい。任意の事象において、基材シートは可塑性又は伸縮性であることが好ましい。
基材は水溶性であるとより好ましいが、その理由は本発明による美容シートが疎水性であるため、基材を水で洗浄することによって化粧料シートを残すことが可能であるからである。実際に、上記の通り、カチオン性ポリマー及びアニオン性ポリマーの組合せは、疎水性シートを形成することができる。したがって、水溶性基材シートと、少なくとも1種のカチオン性ポリマー及び少なくとも1種のアニオン性ポリマーを含む少なくとも1種の生体適合性及び/又は生分解性の疎水性ポリマーを含む本発明による美容シートとの組合せが好ましい。水溶性材料の例として、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール(PVA)、デンプン、酢酸セルロース等を挙げることができる。PVAが好ましい。
基材シートは、例えば、基材シートの材料の溶液又は懸濁液を、本発明による美容シートの表面上にキャスティングし、後続して前記溶液又は懸濁液を乾燥することによって調製することができる。
基材シートは、基材シートに接着させた本発明による美容シートの取り扱いを容易にするために、この美容シートの厚さよりも厚くすることができる。基材シートの厚さは限定されないが、1μmから5mm、好ましくは10μmから1mm、より好ましくは50から500μmでよい。
美容シートを基材シートから取り外し可能とすることがより好ましい。取り外し方法は限定されない。したがって、美容シートは、基材シートから剥がしてもよく、又は、水等の溶媒に基材シートを溶解させることによって取り外してもよい。
本発明による自立性美容シートは、皮膚、特に顔を美容処置するために用いられる。本発明の自立性美容シートは、いかなる形状又は形態でもよい。例えば、フルフェイスマスクシート、又は、頬、鼻及び目の周り等の顔の一部向けのパッチとして使用することができる。
[化粧方法]
本発明は、化粧方法、特に、皮膚をケア及び/もしくはメーキャップし、皮膚の黒ずみを制限して肌の色及びむらを改善し、かつ/又は皮膚の老化を処置する非治療的化粧方法にも関する。それぞれの可能な非治療的化粧方法は、本発明による皮膚用自立性美容シートを皮膚上に適用する工程を含む。
また、本発明による化粧方法は、本発明で使用される美容シート中の紫外線遮蔽剤によって与えられるUV遮蔽効果によって、顔の皮膚等の皮膚に美容効果を与えることができる。UV遮蔽効果は、皮膚をケア及び/もしくはメーキャップし、皮膚の黒ずみを制限して肌の色及びむらを改善し、かつ/又は皮膚の老化を処置する根本原理であり得る。
更に、本発明による美容シートは、UV遮蔽効果に関わらず、皮膚の外観を変えることができ、皮膚の触り心地を変えることができ、かつ/又は皮膚を保護することができる。
例えば、自立性美容シートは、皮膚上の光反射等を変えることによって皮膚の外観を即座に変化又は修正することができる。したがって、自立性美容シートは、毛穴又は皺等の皮膚の不具合を隠すことが可能である。更に、自立性美容シートは、皮膚上の表面粗さ等を変えることによって皮膚の触り心地を即座に変化又は修正することができる。更に、自立性美容シートは、汚染、汚染物質等の環境ストレスから、バリアーとして、皮膚の表面を覆い、皮膚をシールドすることによって、皮膚を即座に保護することができる。
そのため、用語「皮膚を保護する」とは、自立性美容シートが、汚染、汚染物質等の環境ストレスから、バリアーとして、皮膚の表面を覆い、皮膚をシールドすることによって、皮膚を保護することができることを意味する。
上記の美容効果は、美容シートの化学組成、厚さ及び/又は表面粗さを変化させることによって調節又は制御することができる。
皮膚上に適用した後で、本発明による美容シート上にメーキャップ化粧料組成物を適用することも可能である。
本発明による自立性美容シートを、基材シートに接着させる条件下で使用することが好ましいが、その理由は美容シートの皮膚への適用が容易になるからである。例えば、本発明による美容シートの複合材シート及び基材シートは、美容シートが皮膚に直接接触し、基材シートを美容シートから剥離させることによって取り外せる、又は美容シートが疎水性で基材シートが水溶性の場合、水で洗浄できるように、皮膚上に適用することができる。そのため、美容シートのみを皮膚上に残すことができる。
本発明を、実施例によって、より詳細に説明していく。しかし、これらが本発明の範囲を限定するものと解釈すべきでない。
(実施例1)
テレフタリリデンジカンファースルホン酸(Mexoryl SX)を含有するナノシートを以下のように調製した。
ポリリシンの2.5%溶液(JNCより市販されているポリリシン25%溶液をベースとする)及び2.5%アルギン酸ナトリウム溶液(FMC Corporationにより市販されているアルギン酸ナトリウムをベースとする)を、脱イオン水で調製した。
1mLのポリリシン溶液をSiO2基材上に滴下し、次いで基材を4,500rpmで20秒間回転させた。基材を脱イオン水で2回濯ぎ、スピン(30秒間)することによって乾燥してポリリシン層を形成させた。
1mLのアルギン酸ナトリウム溶液をSiO2基材上に滴下し、次いで基材を4,500rpmで20秒間回転させた。基材を脱イオン水で2回濯ぎ、スピン(30秒間)することによって乾燥してアルギン酸ナトリウム層を形成させた。
上記のspin-assisted layer-by-layer法(4500rpm、15秒)によってポリリシン層及びアルギン酸ナトリウム層の形成を繰り返し、階層化後毎に水で濯ぐことによって、所望の厚さの多層ナノシートを調製した。spin-assisted layer-by-layer法は、アルギン酸ナトリウムのスピンコーティング段階で終結させ、多層ナノシートの表面を窒素ガスで乾燥した。
この多層ナノシートをpH6.7の0.66wt% Mexoryl SX水溶液に1日浸し、水で3回洗浄した。この多層ナノシートの上部に10wt%のPVA(Sigma-Aldrichにより市販されている、Mw: 89〜98kDa、99%以上加水分解)水溶液をキャスティングした。PVA水溶液を12時間放置し、乾燥してPVA担持膜を形成した。最終的に、多層ナノシート及び厚さ70μmのPVA担持膜から構成される複合膜(2.0cm×2.0cm)を、ピンセットを使ってSiO2基材から剥離した。
ポリリシン、アルギン酸ナトリウム及びMexoryl SX(実施例1)から構成される多層ナノシートの厚さは、約350nmだった。多層ナノシートの厚さは、走査電子顕微鏡(SEM)を用いることによるナノシートの断面解析によって決定した。
(比較例1)
実施例1による上記のプロセスを、Mexoryl SXを多層ナノシートに浸さず、比較例1として、Mexoryl SXを含まないポリリシン/アルギン酸ナトリウムナノシートを形成するという条件で、繰り返した。
(比較例2)
表1に示す配合を有する流体日焼け止め剤を、比較例2として調製した。
(評価1)
多層ナノシート(実施例1)及びPVA担持膜から構成される複合膜を、PMMA(ポリメチルメタクリレート)プレート上に乗せ、第1のナノシート層を形成し、次いでPVA担持膜を水で溶解した。PMMAプレート上の単一ナノシートのSPF値を、SPFアナライザーUV-2000Sによって測定した。
次に、多層ナノシート(実施例1)及びPVA担持膜から構成される第2の複合膜を、第1のナノシート層上に貼って第2のナノシート層を形成し、次いでPVA担持膜を水で溶解した。PMMAプレート上の2つのナノシートのSPF値を、SPFアナライザーUV-2000Sによって測定した。
次に、多層ナノシート(実施例1)及びPVA担持膜から構成される第3の複合膜を、第2のナノシート層上に貼って、次いでPVA担持膜を水で溶解した。PMMAプレート上の3つのナノシートのSPF値を、SPFアナライザーUV-2000Sによって測定した。
同様に、多層ナノシート(比較例1)及びPVA担持膜から構成される複合膜を、別のPMMAプレート上に乗せ、Mexoryl SXを含まない単一のナノシート層を形成し、次いでPVA担持膜を水で溶解した。PMMAプレート上の単一ナノシートのSPF値を、SPFアナライザーUV-2000Sによって測定した。
結果を表2に示す。
Mexoryl SXを含有する実施例1によるポリリシン/アルギン酸ナトリウムナノシートは、効果的に紫外線をシールドした。また、ナノシートを積み重ねることによって、SPF値は増加した。一方、比較例1によるMexoryl SXを含有しないポリリシン/アルギン酸ナトリウムナノシートは、紫外線をシールドしなかった。
次に、実施例1によるポリリシン/アルギン酸ナトリウムナノシートのSPF値は、ナノシートで覆われたPMMAプレートを水で洗浄した後に再度測定した。ナノシートのSPF値が変化しなかったことが見出された。この結果は、Mexoryl SXを含有するポリリシン/アルギン酸ナトリウムナノシートは耐水性であり、そのUV遮蔽特性を、水による洗浄後でも維持したことを示す。
一方、比較例2による流体日焼け止め剤のSPF値を、該日焼け止め剤をPMMAプレート上に適用した後に測定した。SPF値は2であった。次に、日焼け止め剤のSPF値を、日焼け止め剤で覆われたPMMAプレートを水で洗浄した後に再度測定した。SPF値は1であった。この結果は、比較例2による日焼け止め剤が耐水性でなく、そのためPMMAプレートから洗い流されたことを示す。

Claims (14)

  1. 少なくとも1種の生体適合性及び/又は生分解性の疎水性ポリマー層を含み、
    30〜1000nmの厚さを有し、
    フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、テレフタリリデンジカンファースルホン酸、フェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム、及び、金属酸化物からなる群から選択される少なくとも1種の親水性紫外線遮蔽剤を含む、
    皮膚用自立性美容シート。
  2. 生体適合性及び/又は生分解性の疎水性ポリマーが、非架橋である、請求項1に記載の皮膚用自立性美容シート。
  3. 生体適合性及び/又は生分解性の疎水性ポリマー層が、少なくとも1種のカチオン性ポリマー及び少なくとも1種のアニオン性ポリマーを含む、請求項1に記載の皮膚用自立性美容シート。
  4. カチオン性ポリマーが、第四級アンモニウム基、グアニジン基、ビグアニド基、イミダゾール基、イミノ基、ピリジル基及びアミノ基からなる群から選択される少なくとも1つの正荷電性部分を有する、請求項3に記載の皮膚用自立性美容シート。
  5. カチオン性ポリマーが、キトサン、コラーゲン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ポリジアリルジアルキルアンモニウムクロリド、ポリアニリン、ポリビニルイミダゾール、ポリジメチルアミノエチレンメタクリレート、ポリ-1-メチル-2-ビニルピリジン、ポリアミン、ポリイミン、ポリエチレンイミン、ポリビニルピリジン、ポリ(第四級ピリジン)、ポリリシン、ポリオルニチン、ポリアルギニン、ポリヒスチジン、ポリアミノプロピルビグアニド、及び、それらの塩からなる群から選択される、請求項3又は4に記載の皮膚用自立性美容シート。
  6. アニオン性ポリマーが、硫酸基、スルフェート基、スルホン酸基、スルホネート基、リン酸基、ホスフェート基、ホスホン酸基、ホスホネート基、カルボキシル基及びカルボキシレート基からなる群から選択される少なくとも1つの負荷電性部分を有する、請求項3から5のいずれか一項に記載の皮膚用自立性美容シート。
  7. アニオン性ポリマーが、アルギン酸、ヒアルロン酸、ポリグルタミン酸、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリアミド酸、ポリスチレンスルホネート、ポリ(ビニルスルフェート)、デキストランスルフェート、コンドロイチンスルフェート、ポリマレイン酸、ポリフマル酸、カルボキシメチルセルロース、スチレン無水マレイン酸誘導体及びそれらの塩からなる群から選択できる、請求項3から6のいずれか一項に記載の皮膚用自立性美容シート。
  8. 親水性紫外線遮蔽剤の量が、美容シートの総質量に対して、0.1から70質量%である、請求項1から7のいずれか一項に記載の皮膚用自立性美容シート。
  9. 基材シートに接着されている、請求項1から8のいずれか一項に記載の皮膚用自立性美容シート。
  10. 基材シートから取り外し可能である、請求項9に記載の皮膚用自立性美容シート。
  11. 請求項1から10のいずれか一項に記載の皮膚用自立性美容シートを皮膚上に適用する工程を含む、皮膚をケア及び/又はメーキャップする非治療的化粧方法。
  12. 請求項1から10のいずれか一項に記載の皮膚用自立性美容シートを皮膚上に適用する工程を含む、皮膚の黒ずみを制限し、肌の色及びむらを改善する非治療的化粧方法。
  13. 請求項1から10のいずれか一項に記載の皮膚用自立性美容シートを皮膚上に適用する工程を含む、皮膚のアンチエイジング美容処理方法。
  14. 少なくとも1種の非架橋ポリ(乳酸)及びその誘導体から選択される非架橋ポリマー層を含み、
    30〜1000nmの厚さを有し、
    少なくとも1種の親油性紫外線遮蔽剤を含む、
    皮膚用自立性美容シート。
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