JP2015107939A - 美容処理方法 - Google Patents

美容処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015107939A
JP2015107939A JP2013251929A JP2013251929A JP2015107939A JP 2015107939 A JP2015107939 A JP 2015107939A JP 2013251929 A JP2013251929 A JP 2013251929A JP 2013251929 A JP2013251929 A JP 2013251929A JP 2015107939 A JP2015107939 A JP 2015107939A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymer
group
treatment method
skin
solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013251929A
Other languages
English (en)
Inventor
白谷 俊史
Toshifumi Shiratani
俊史 白谷
クリストフ・デュムソー
Dumousseaux Christophe
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
LOreal SA
Original Assignee
LOreal SA
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by LOreal SA filed Critical LOreal SA
Priority to JP2013251929A priority Critical patent/JP2015107939A/ja
Publication of JP2015107939A publication Critical patent/JP2015107939A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

【課題】容易な工程で、皮膚及び毛髪等のケラチン基質上に直接調製又は形成できる極薄膜を使用する美容処理方法であって、ケラチン基質上への薄膜の厄介な適用を必要とせず、一方で薄膜の製造費を減らし、有害な有機溶媒の使用を回避する可能性がある方法を提供すること。
【解決手段】本発明は、ケラチン基質上に、
少なくとも1種の第1のポリマーを含む第1の溶液又は分散液をスプレーする工程と、
少なくとも1種の第2のポリマーを含む第2の溶液又は分散液をスプレーして
ケラチン基質上に膜を調製する工程とを含み、
膜の厚さが、30〜1000nm、好ましくは50〜600nm、より好ましくは100〜400nmである、美容処理方法に関する。本発明は、容易な工程で、皮膚及び毛髪等のケラチン基質上に極薄膜を直接形成でき、この薄膜は美容機能を有することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、皮膚及び毛髪等のケラチン基質上に極薄膜を直接調製する工程を含む美容処理方法であって、膜の厚さが30〜1000nm、好ましくは50〜600nm、より好ましくは100〜400nmである方法に関する。
皮膚にメーキャップを適用するために、パッチ形態の美容シートを皮膚に適用する方法が、化粧料組成物を使用するメーキャップ方法に加えて提案されてきた。
例えば、WO2009/041121は、美容目的の薄いポリウレタンベースのシートを開示しており、これは接着剤をポリウレタン層に適用することによって調製される。この美容シートは、例えば、シートで皮膚を引っ張ることによって皮膚の皺を減らすために使用される。
しかし、WO2009/041121で開示されるポリウレタンベースの極薄美容シートの厚さが2〜20ミクロンであるため、皮膚上の美容シートは知覚されることがある。
美容シートを知覚されにくくするための1つの選択肢は、シートの厚さの低減であろう。近年、美容目的の薄膜の使用が、例えばWO2012/173198に開示されている。
しかし、WO2012/173198に開示される薄膜等は、基材に担持されている。したがって、例えば、このような薄膜は、皮膚上に適用する際に取り扱いが困難である。例えば、薄膜を皮膚に接着する目的で基材から剥がすと、薄膜は容易に壊れてしまう恐れがある。更に、その脆さのために、皮膚の広範囲を覆うことは困難であり、特に鼻等の平らでない部分は難しい。更には、薄膜の製造方法は複雑であり、したがって薄膜の製造費は高くなる傾向がある。
加えて、WO2012/173198における薄膜の製造は、ジクロロメタン及び酢酸エチル等の有害な有機溶媒を使用するポリ乳酸基膜の調製を要する。有害な有機溶媒の使用は、環境上の理由と安全性の理由から(例えば、有害な有機溶媒は薄膜中に残存し得る)、薄膜の製造において好ましくない。
WO2009/041121 WO2012/173198 EP-669,323 米国特許第2,463,264号 米国特許第5,237,071号 米国特許第5,166,355号 GB-2,303,549 DE-197,26,184 EP-893,119 WO93/04665 DE-19855649
Adv. Mater.、21、4388〜4392頁、2009年 Pure and Applied Chemistry、80、2259〜2271頁、2008年 Cosmetics & Toiletries、1990年2月、105巻、53〜64頁 Adv. Mater.、19、3549〜3553頁、2007年 Biomaterials、2010、31、6269〜6278頁
本発明の目的の1つは、容易な工程で、皮膚及び毛髪等のケラチン基質上に直接調製又は形成できる極薄膜を使用する美容処理方法であって、ケラチン基質上への薄膜の厄介な適用を必要とせず、一方で薄膜の製造費を減らし、有害な有機溶媒の使用を回避する可能性がある方法を提供することである。
上記の目的は、ケラチン基質上に、
少なくとも1種の第1のポリマーを含む第1の溶液又は分散液をスプレーする工程と、
少なくとも1種の第2のポリマーを含む第2の溶液又は分散液をスプレーして
ケラチン基質上に膜を調製する工程と
を含み、
膜の厚さが、30〜1000nm、好ましくは50〜600nm、より好ましくは100〜400nmである美容処理方法によって実現できる。
第1の溶液又は分散液及び第2の溶液又は分散液は、同時にスプレーしても交互にスプレーしてもよい。
第1及び/又は第2の溶液又は分散液は水性であることが好ましい。
第1のポリマーがカチオン性ポリマーから選択され、第2のポリマーがアニオン性ポリマーから選択される、又は第1のポリマーがアニオン性ポリマーから選択され、第2のポリマーがカチオン性ポリマーから選択されることが好ましい。
カチオン性ポリマーは、第四級アンモニウム基、グアニジン基、ビグアニド基、イミダゾール基、イミノ基、ピリジル基及びアミノ基からなる群から選択される少なくとも1つの正荷電性部分を有してよい。
カチオン性ポリマーは、キトサン、コラーゲン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ポリジアリルジアルキルアンモニウムクロリド、ポリアニリン、ポリビニルイミダゾール、ポリジメチルアミノエチレンメタクリレート、ポリ-1-メチル-2-ビニルピリジン、ポリアミン、ポリイミン、ポリエチレンイミン、ポリビニルピリジン、ポリ(第四級ピリジン)、ポリリシン、ポリオルニチン、ポリアルギニン、ポリヒスチジン、ポリアミノプロピルビグアニド、及びそれらの塩からなる群から選択してよい。
アニオン性ポリマーは、硫酸基(sulfuric group)、スルフェート基、スルホン酸基、スルホネート基、リン酸基(phosphoric group)、ホスフェート基、ホスホン酸基、ホスホネート基、カルボキシル基及びカルボキシレート基からなる群から選択される少なくとも1つの負荷電性部分を有してよい。
アニオン性ポリマーは、アルギネート又はその誘導体、ヒアルロン酸、ポリグルタミン酸、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリアミド酸、ポリスチレンスルホネート、ポリ(ビニルスルフェート)、デキストランスルフェート、コンドロイチンスルフェート、ポリマレイン酸、ポリフマル酸、カルボキシメチルセルロース、スチレン無水マレイン酸コポリマー及びそれらの塩からなる群から選択してよい。
アニオン性ポリマーは、疎水性であり、好ましくは非架橋型であり、より好ましくは非架橋ポリ(乳酸)及びその誘導体から選択することができる。
本発明の別の目的は、長期間にわたってUV遮蔽効果等の様々な美容効果をもたらすことができる上記の極薄膜を使用する美容処理方法を提供することである。
上記の目的は、第1及び/又は第2の溶液又は分散液が少なくとも1種の美容有効成分を含む、上記の美容処理方法のいずれかによって実現できる。
美容有効成分は、紫外線遮蔽剤、酸化防止剤、クレンジング剤、遊離基捕捉剤、保湿剤、美白剤、脂肪調節剤、抗アクネ剤、抗フケ剤、抗老化剤、柔軟剤、抗皺剤、角質溶解剤、抗炎症剤、フレッシュナー、ヒーリング剤、血管保護剤、抗菌剤、抗真菌剤、制汗剤、デオドラント、皮膚コンディショナー、麻酔剤、免疫調節剤、栄養剤、及び皮脂吸収剤又は水分吸収剤から選択したものでよい。
美容有効成分の量は、膜の総質量に対して、0.01〜50質量%、好ましくは0.05〜40質量%、より好ましくは0.1〜35質量%でよい。
本発明によるケラチン基質は皮膚又は毛髪であることが好ましい。
本発明による美容処理方法は、皮膚の外観を変え、皮膚の触り心地を変え、且つ/又は皮膚を保護するために使用することができる。
本発明による美容処理方法は、皮膚をケアし、皮膚をメーキャップし、皮膚の黒ずみを制限し、且つ/又は肌の色若しくはむらを改善するために使用することもできる。
本発明はまた、
(1)第1のノズルを備えた第1の区画であって、少なくとも1種の第1のポリマーを含む第1の溶液又は分散液を含有する第1の区画と、
(2)第2のノズルを備えた第2の区画であって、少なくとも1種の第2のポリマーを含む第2の溶液又は分散液を含有する第2の区画と
を含み、
第1の溶液又は分散液が第1のノズルを通ってスプレーされ、第2の溶液又は分散液が第2のノズルを通ってスプレーされる多区画キットにも関する。
鋭意検討の結果、本発明者らは、容易な工程で皮膚及び毛髪等のケラチン基質上に直接調製又は形成できる極薄膜を使用し、一方で薄膜の製造費を減らし、有害な有機溶媒の使用を回避する可能性がある美容処理方法を提供することが可能であることを発見した。
したがって、本発明は、ケラチン基質上に、
少なくとも1種の第1のポリマーを含む第1の溶液又は分散液をスプレーする工程と、
少なくとも1種の第2のポリマーを含む第2の溶液又は分散液をスプレーして
ケラチン基質上に膜を調製する工程と
を含み、
膜の厚さが、30〜1000nm、好ましくは50〜600nm、より好ましくは100〜400nmである美容処理方法に関する。
本発明による美容処理方法は、
(1)第1のノズルを備えた第1の区画であって、少なくとも1種の第1のポリマーを含む第1の溶液又は分散液を含有する第1の区画と、
(2)第2のノズルを備えた第2の区画であって、少なくとも1種の第2のポリマーを含む第2の溶液又は分散液を含有する第2の区画と
を含み、
第1の溶液又は分散液が第1のノズルを通ってスプレーされ、第2の溶液又は分散液が第2のノズルを通ってスプレーされる多区画キットを用いて実施できる。
本発明は、2種の別個のポリマーをスプレーするため、皮膚及び毛髪等のケラチン基質上に直接、極薄膜を形成することが可能である。加えて、スプレー方法を利用することにより、均一な極薄膜をケラチン基質、特に皮膚上の広範部分、又は鼻等のケラチン基質上の平らでない部分に容易に形成できる。
本発明による美容処理方法において使用される薄膜は、薄膜中に含有する予定の1種又は複数の美容活性物質を選択することによって、長期間にわたって持続できるUV遮蔽効果等の様々な美容効果をもたらすことができる。
以下、本発明の美容処理方法及びキットを、より詳細に説明していく。
[美容処理方法及びキット]
本発明による美容処理方法は、ケラチン基質上に、
少なくとも1種の第1のポリマーを含む第1の溶液又は分散液をスプレーする工程と、
少なくとも1種の第2のポリマーを含む第2の溶液又は分散液をスプレーして
ケラチン基質上に極薄膜を調製する工程とを含む。
第1のポリマー及び/又は第2のポリマーは、生体適合性及び/又は生分解性の疎水性ポリマーであってよい。2種又はそれ以上の生体適合性及び/又は生分解性のポリマーを組み合わせて使用してよい。そのため、単一の種類の生体適合性及び/又は生分解性のポリマー、又は、異なる種類の生体適合性及び/又は生分解性のポリマーの組合せが使用できる。
本明細書中の用語「生体適合性」ポリマーとは、ポリマーが、ポリマーと皮膚を含めた生体中の細胞との間に過度な相互作用を持たず、ポリマーが生体に異物として認識されないことを意味する。
本明細書中の用語「生分解性」ポリマーは、例えば、生体自体の代謝又は生体中に存在し得る微生物の代謝に起因して、ポリマーが生体中で劣化又は分解し得ることを意味する。また、生分解性ポリマーは、加水分解によって分解し得る。
本明細書中の用語「疎水性」は、20〜40℃、好ましくは25〜40℃、より好ましくは30〜40℃でのポリマーの水(好ましくは1リットルの容量)に対する溶解性が、ポリマーの総質量に対して、10質量%未満、好ましくは5質量%未満、より好ましくは1質量%未満、更により好ましくは0.1質量%未満であることを意味する。ポリマーが水に不溶性であることが最も好ましい。
第1のポリマー及び/又は第2のポリマーが、生体適合性及び/又は生分解性ポリマーであれば、皮膚への刺激は低減される、又は刺激がなく、発疹を起こさない。加えて、非常に薄い厚さと生体適合性及び/又は生分解性ポリマーの使用とを組み合わせて、本発明の薄膜は皮膚によく付着できる。
好ましくは、
第1のポリマーはカチオン性ポリマーから選択され、第2のポリマーはアニオン性ポリマーから選択される、又は
第1のポリマーはアニオン性ポリマーから選択され、第2のポリマーはカチオン性ポリマーから選択される。
2種又はそれ以上のカチオン性又はアニオン性のポリマーを組み合わせて使用してよい。そのため、単一の種類のカチオン性若しくはアニオン性ポリマー、又は、異なる種類のカチオン性若しくはアニオン性ポリマーの組合せが使用できる。
カチオン性ポリマーは、第四級アンモニウム基、グアニジン基、ビグアニド基、イミダゾール基、イミノ基、ピリジル基及びアミノ基からなる群から選択される少なくとも1つの正荷電性部分を有してよい。
カチオン性ポリマーは、キトサン、コラーゲン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ポリジアリルジアルキルアンモニウムクロリド、ポリアニリン、ポリビニルイミダゾール、ポリジメチルアミノエチレンメタクリレート、ポリ-1-メチル-2-ビニルピリジン、ポリアミン、ポリイミン、ポリエチレンイミン、ポリビニルピリジン、ポリ(第四級ピリジン)、ポリリシン、ポリオルニチン、ポリアルギニン、ポリヒスチジン、ポリアミノプロピルビグアニド、及び、それらの塩からなる群から選択してよい。キトサン及びポリリシンが好ましい。
アニオン性ポリマーは、硫酸基、スルフェート基、スルホン酸基、スルホネート基、リン酸基、ホスフェート基、ホスホン酸基、ホスホネート基、カルボキシル基及びカルボキシレート基からなる群から選択される少なくとも1つの負荷電性部分を有してよい。
アニオン性ポリマーは、アルギネート又はその誘導体、ヒアルロン酸、ポリグルタミン酸、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリアミド酸、ポリスチレンスルホネート、ポリ(ビニルスルフェート)、デキストランスルフェート、コンドロイチンスルフェート、ポリマレイン酸、ポリフマル酸、カルボキシメチルセルロース、スチレン無水マレイン酸コポリマー及びそれらの塩からなる群から選択できる。アルギン酸又はその塩、及びヒアルロン酸が好ましく、アルギン酸ナトリウム及びヒアルロン酸はより好ましい。
アニオン性ポリマーは、疎水性であってよく、好ましくは非架橋型であり、より好ましくは非架橋ポリ(乳酸)及びその誘導体から選択することができる。
ポリ乳酸の誘導体として、以下の繰り返し単位を有するポリマーを挙げることができる:
Figure 2015107939
(式中、R1及びR2は、独立に、水素原子、アルキル基、アリール基又はハロゲン原子を指すが、但しR1及びR2は同時に水素原子及びメチル基を指さないことを条件とする)。自立性極薄シートの材料としてのポリ乳酸の使用は、参照により本明細書中に組み込まれるAdv. Mater.、21、4388〜4392頁、2009年に開示される。
アニオン性ポリマーとして、架橋ポリマーを使用することも可能である。2種又はそれ以上の架橋ポリマーを組み合わせて使用してよい。そのため、単一の種類の架橋ポリマー、又は、異なる種類の架橋ポリマーの組合せが使用できる。ポリマーの自立能力を強化するために、ポリマーを架橋させることは好ましいことがある。自立性極薄シートの材料としての架橋ポリマー、例えば架橋アルブミンの使用は、参照により本明細書中に組み込まれるPure and Applied Chemistry、80、2259〜2271頁、2008年に開示される。
少なくとも1種の非架橋ポリマー、例えばポリ乳酸と少なくとも1種の架橋ポリマー、例えば架橋アルブミン及び架橋ポリ(アクリル)酸との組合せを、アニオン性ポリマーとして使用することが可能である。
第1のポリマーと第2のポリマーとの比は限定されない。例えば、膜が、第1のポリマー及び第2のポリマー以外のアニオン性成分又はカチオン性成分を含有しないとき、第1のポリマーと第2のポリマーとのモル比は、0.1〜10、好ましくは0.2〜5、より好ましくは0.3〜3の範囲、更により好ましくは1:1でよいとすることができる。一方、膜が、アニオン性基及び/又はカチオン性基を有する、以下に説明する美容有効成分等の1種又は複数の活性物質(例えば、COOH基及び/又はSO3H基を含有する紫外線遮蔽剤)を含有するとき、当業者は、膜全体の電荷に影響を及ぼさないようにアニオン性/カチオン性基の存在を考慮して、またpH値に至るまでの解離を考慮して、適当な比を選択するであろう。
本発明によれば、少なくとも1種の第1のポリマーを含む第1の溶液又は分散液、及び少なくとも1種の第2のポリマーを含む第2の溶液又は分散液をケラチン基質上にスプレーして、極薄膜が形成される。
ケラチン基質とは、皮膚及び毛髪等のケラチンから主に形成される基質を意味する。
このような極薄膜は、第1の溶液又は分散液及び第2の溶液又は分散液を同時に又は交互にスプレーすることによって調製することが可能である。これらを交互にスプレーする場合、第1の溶液又は分散液を最初にスプレーしてよく、第2の溶液又は分散液を2番目にスプレーしてよい、或いはその逆でもよい。
上記の2種の液体のスプレーによって、第1及び第2のポリマーから構成される極薄膜をケラチン基質上に直接、調製又は形成できる。
第1のポリマーがカチオン性ポリマーから選択され、第2のポリマーがアニオン性ポリマーから選択される場合、又は第1のポリマーがアニオン性ポリマーから選択され、第2のポリマーがカチオン性ポリマーから選択される場合、第1の溶液又は分散液と第2の溶液又は分散液とを組み合わせてスプレーするために、カチオン性ポリマーの正電荷とアニオン性ポリマーの負電荷は静電的に互いに引き合い、薄膜の機械的性質を強化する上で有利となり得る架橋構造を形成する。
第1の溶液若しくは分散液及び/又は第2の溶液若しくは分散液は、第1のポリマー及び/又は第2のポリマーを溶解又は分散するための任意の液状媒体を含んでよい。例えば、液状媒体は、ケラチン基質、特に皮膚に有害でなければ、少なくとも1種の有機溶媒を含んでよい。有機溶媒の例として、エタノール及びプロパノール等のモノアルコール;エチレングリコール及びプロピレングリコール等のジアルコール;並びにグリセリン等のトリオール等の親水性有機溶媒と、ジメチルポリシロキサン等のシリコーン;流動パラフィン等の炭化水素油;及び脂肪酸エステル等の極性油等の疎水性有機溶媒とを挙げることができる。
第1の溶液若しくは分散液及び/又は第2の溶液若しくは分散液は水性であることが好ましく、すなわち、第1の溶液若しくは分散液及び/又は第2の溶液若しくは分散液中の液状媒体は、液状媒体の総質量に対して、50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上、最も好ましくは100質量%の量の水を含むことが好ましい。
第1の溶液又は分散液中の第1のポリマーの濃度、及び第2の溶液又は分散液中の第2のポリマーの濃度は、限定されない。例えば、濃度は、溶液又は分散液の総質量に対して、0.001〜20質量%、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.1〜1質量%でよい。
第1の溶液又は分散液と第2の溶液又は分散液との比は、限定されない。第1のポリマーと第2のポリマーとの質量比は、0.05〜20、好ましくは0.1〜10、より好ましくは0.2〜5を範囲とすることができる。
スプレー工程は、従来のスプレー方法によって実施できる。
第1の溶液又は分散液のスプレー工程は、少なくとも1種の第1のポリマーを含む第1の溶液又は分散液を含む第1のスプレー装置によって実施できる。
第2の溶液又は分散液のスプレー工程は、少なくとも1種の第2のポリマーを含む第2の溶液又は分散液を含む第2のスプレー装置によって実施できる。
第1及び第2のスプレー装置はそれぞれ、独立に使用できる。
第1及び第2のスプレー装置は、統合させてもよい。例えば、少なくとも1種の第1のポリマーを含む第1の溶液又は分散液及び少なくとも1種の第2のポリマーを含む第2の溶液又は分散液は、第1及び第2の溶液又は分散液用に少なくとも1つのスプレーノズル、好ましくは2つのスプレーノズルを具備するアセンブリを用いて、スプレーすることが可能である。アセンブリがたった1つのノズルしか備えない場合、第1及び第2の溶液又は分散液を混ぜて混合液を形成してよく、この混合液をこのたった1つのノズルを介してスプレーしてよい。アセンブリが2つのノズルを備える場合、第1の溶液又は分散液を2つのノズルのうちの片方を介してスプレーしてよく、第2の溶液又は分散液は2つのノズルのうち他方を介してスプレーしてよい。
本発明による美容処理方法は、
(1)第1のノズルを備えた第1の区画であって、少なくとも1種の第1のポリマーを含む第1の溶液又は分散液を含有する第1の区画と、
(2)第2のノズルを備えた第2の区画であって、少なくとも1種の第2のポリマーを含む第2の溶液又は分散液を含有する第2の区画と
を含み、
第1の溶液又は分散液が第1のノズルを通ってスプレーされ、第2の溶液又は分散液が第2のノズルを通ってスプレーされる多区画キットを用いて実施されることが好ましい。
スプレー工程は、圧縮ガスで操作するスプレー装置によって実施することが好ましい。スプレーした組成物の粒子の平均粒径は10μm〜35μmの範囲内であることが好ましい。組成物は、泡状形態ではなく、液滴の形態でスプレーされる。好ましくは、圧縮ガスは、圧縮空気である。したがって、使用する圧縮ガスは、不燃性非フッ素化非炭化水素であってよく、容易に入手できる。好ましくは、使用する圧縮ガスは、液化ガス以外から入手され得る。したがって、スプレー装置は、液化ガスを有するエアゾールフラスコとは異なってよい。
スプレー用の組成物は、非加圧状態(すなわち、大気圧下)で装置内に保存され得る。本発明の好ましい変形形態において、スプレー装置は、エアブラシであってもよい。
上で概説した装置、特にエアブラシの使用は、多数の利点がある。
ケラチン基質上に組成物を単に注ぐことによる適用と比較して、装置、特にエアブラシは、より広範な接触面、マッサージ体感、及び涼感をもたらすことができる。加えて、適用は、軽く濡れる程度で、滴り流れることはない。
装置、特にエアブラシは、ケラチン基質との接触がない結果として衛生が申し分ない以上、手袋の使用を回避可能にする。
特定の独立したスプレー装置と比較して、エアブラシの使用は、利用者が、使用中、必要に応じて、生じる効果が変更されるように操作パラメータを変更する(例えば、利用者は、実施する処置に応じて組成物の噴出の流量を調節できる)のを容易にする。加えて、装置、特にエアブラシが圧縮機に接続されるとき、ベクトルとして働くガス(好ましくは空気)の容量は、限定されない。空気は酸素を多く含まないことが好ましい。スプレー用の組成物は容易に補給でき、別の組成物を、同じ装置、特にエアブラシで、続けて容易に使用できる。最後に、装置、特にエアブラシが可能であれば、利用者は、ベクトルガス(好ましくは空気)又はベクトルガスと組成物の混合物を選択的に送達してよく、空気の送達は、処置前及び/若しくは処置後のゾーンを刺激する上で有用となり得、且つ/又は組成物の乾燥を促進させる上で有用となり得る。
ベクトルガス及びスプレー用の組成物を、装置、特にエアブラシの内部で、又は外部で混合してよい。
変形実施形態において、装置、特にエアブラシは、利用者の操作を補助するように処置しようとするゾーンを照らすことができ、例えば、光点を発して、組成物が噴射される軸を示すことができる。この補助は、例えば、スプレー用の組成物が着色されてないとき、また毛髪が濡れているときに結果として有用となり得る。
装置、特にエアブラシは、毛髪をすくのに使用でき、この目的のために、例えば組成物が投与される端部と反対側の端部に位置するスタイリング末端部を備えてよく、又は好ましくは、特に前記エアブラシがピストル型のとき、エアブラシを操作するのに使用するハンドルが伸張される。
適用は、恐らく櫛形端部以外はケラチン基質と接触しない装置、特にエアブラシによって実施され得、この櫛形端部は、例えば、洗浄後に取り替えることができるように、又は、例えばその櫛歯の数若しくはそれらの配置が様々である特徴を持つ複数の櫛形端部から選択できるように取り外し可能である。
組成物を、乾燥している又は濡れている皮膚及び毛髪等のケラチン基質に適用できる。例えば、適用はシャンプー洗浄後に実施してよい。
ベクトルガス、特に空気は、装置、特にエアブラシの出口ノズルに達する前に、場合によっては加熱又は冷却してよい。ベクトルガスを加熱すると、スプレーした組成物の乾燥を促進し得る、又は例えば局所的に血行を活性化することにより活性剤の作用を強化し得る。冷却は、追加の涼感を生み出し得る。
スプレー装置の好ましい実施形態を、以下で更に詳細に説明していく。以下の本明細書を通して、数値の範囲が言及される際は、範囲の両端を含むものとする。
装置、特にエアブラシは、組成物をスプレーする間、頭皮から1センチメートル(cm)〜10cm、好ましくは1cm〜5cmの範囲の距離を保たれてよい。
装置、特にエアブラシは、直径が0.1ミリメートル(mm)〜1mmの範囲、例えば、より良好には0.2mm〜0.7mmの範囲の出口ノズルを備えてよい。エアブラシへの入り口での空気の相対応力は、0.2バール〜3バールの範囲、より良好には0.4バール〜1バールの範囲でよい。スプレーした組成物の粒子の平均粒径、すなわち平均容量直径(mean volumic diameter)D[4,3]は、10マイクロメートル(μm)〜35μmの範囲であることが好ましい。組成物の流量は、10グラム/分(g/min)以下であってよい。
装置、特にエアブラシは、櫛形末端部を備えてよい。装置、特にエアブラシは、特にピストル型のハンドルを備えてよく、櫛形末端部はハンドルを伸張できる。櫛形末端部は、取り外し可能な様式で、装置、特にエアブラシに、特にハンドルに固定することができる。
ベクトルガス、特に空気は、装置、特にエアブラシから出る前に、例えば圧縮機又は調節器からの出口で、加熱又は冷却されてよい。装置、特にエアブラシを出る時点の温度は、例えば5℃〜60℃の範囲であってよい。
装置、特にエアブラシからスプレー放出される部分は、丸型又は他のある形状でよい。
装置、特にエアブラシは、組成物の供給を制御するための制御要素を備えてよく、これにより操作者が組成物を選択的にスプレーできるようにする。例として、制御要素は、利用者が指で押す表面を備える。
装置、特にエアブラシは、頭皮を照射するための光源、例えば赤色に発光するレーザーを備えてよい。光源は、実質的にスプレー軸上に発光でき、これにより処置しようとする表面を照射し、装置、特にエアブラシの位置を正しく合わせる上で補助できる。
光源は、装置、特にエアブラシが携帯する少なくとも1つの任意選択により充電可能なバッテリーによって電力を供給されてよい。変形形態において、可撓性供給用ホースは、導電体を備えてよい。光源は、組成物をスプレーするか、しないかに応じて、スイッチを入れることができる。例えば、組成物の供給を開始する、又はベクトルガスの到着を作動させる制御要素は、光源の操作にも作用できる。
スプレーするにあたっては、どのスプレー装置を使用してもよく、好ましくはHOLLYWOOD AIR社により市販されているHOLLYWOOD AIR Perfect Beauty等のエアブラシが使用される。スプレー装置としてエアブラシを使用することによって、ケラチン基質上に均一な薄膜が容易に形成される。
第1の溶液又は分散液は、第1のスプレー装置によってケラチン基質上にスプレーされ、一方で第2の溶液又は分散液は、第2のスプレー装置によってケラチン基質上にスプレーされることが好ましい。換言すると、第1のポリマー及び第2のポリマーは、別々にスプレーされることが好ましい。スプレーの回数に制限はない。したがって、1回限りのスプレーが可能である。しかし、薄膜の形成を確実なものとするために、複数回のスプレー、例えば10回のスプレーが好ましい。
第1のスプレー装置のスプレー方向と第2のスプレー装置のスプレー方向は、鋭角又は直角を作ることが好ましく、好ましくは直角を作る。
本発明による薄膜の厚さは、30〜1000nm、好ましくは50〜600nm、より好ましくは100〜400nm、更により好ましくは150〜350nm、最も好ましくは200〜350nmであってよい。
薄膜の厚さは、いくつかの要素、例えば第1の溶液若しくは分散液中の第1のポリマー及び/又は第2の溶液若しくは分散液中の第2のポリマーの濃度、pH、温度等、並びにスプレー回数によって制御され得る。
本発明による薄膜は、皮膚及び毛髪等のケラチン基質、特に顔の美容処置に使用することができる。本発明による薄膜は、いかなる形状又は形態でもよい。例えば、フルフェイスマスクシート、又は、頬、鼻及び目の周り等の顔の一部向けのパッチとして使用することができる。
[美容有効成分]
本発明によれば、第1及び/又は第2の溶液又は分散液は、少なくとも1種の美容有効成分を含んでよい。第1及び/又は第2の溶液又は分散液が少なくとも1種の美容有効成分を含む場合、基質上の薄膜は、美容有効成分に基づく美容機能を少なくとも1つ実施するための美容有効成分を含むことができる。
美容有効成分には制限がない。2種又はそれ以上の美容有効成分を組み合わせて使用してもよい。そのため、単一の種類の美容有効成分を使用しても、異なる種類の美容有効成分を組み合わせて使用してもよい。
使用しようとする美容有効成分の中でも、紫外線遮蔽剤、酸化防止剤、クレンジング剤、遊離基捕捉剤、保湿剤、美白剤、脂肪調節剤、抗アクネ剤、抗フケ剤、抗老化剤、柔軟剤、抗皺剤、角質溶解剤、抗炎症剤、フレッシュナー、ヒーリング剤、血管保護剤、抗菌剤、抗真菌剤、制汗剤、デオドラント、皮膚コンディショナー、麻酔剤、免疫調節剤、栄養剤、及び皮脂吸収剤又は水分吸収剤を挙げることができる。
本発明による薄膜は、美容有効成分を、薄膜の総質量に対して、0.01〜70質量%、好ましくは0.1〜60質量%、より好ましくは1〜50質量%、更により好ましくは5〜40質量%の量で含むことができる。
一実施形態において、美容有効成分の量は、膜の総質量に対して、0.01〜50質量%、好ましくは0.05〜40質量%、より好ましくは0.1〜35質量%とすることができる。
本発明の最も好ましい実施形態によれば、美容有効成分は紫外線遮蔽剤から選択されてよい。
紫外線遮蔽剤の種類は限定されない。2種又はそれ以上の種類の紫外線遮蔽剤を組み合わせて使用してよい。そのため、単一の種類の紫外線遮蔽剤、又は、異なる種類の紫外線遮蔽剤の組合せが使用できる。紫外線遮蔽剤は、無機紫外線遮蔽剤、有機紫外線遮蔽剤、及び、それらの混合物からなる群から選択することができる。
(無機紫外線遮蔽剤)
本発明による薄膜は、少なくとも1種の無機紫外線遮蔽剤を含むことができる。2種又はそれ以上の無機紫外線遮蔽剤を使用する場合、それらは同じものでも異なってもよく、同じものであることが好ましい。
本発明に使用する無機紫外線遮蔽剤は、UV-A及び/又はUV-B領域において活性を有するものでよい。無機紫外線遮蔽剤は、親水性且つ/又は親油性のものでよい。無機紫外線遮蔽剤は、好ましくは、水やエタノール等の、化粧料中に一般に使用される溶媒に不溶性である。
無機紫外線遮蔽剤は、その平均(一次)粒径が1nm〜50nm、好ましくは5nm〜40nm、より好ましくは10nm〜30nmの範囲をとるような微粒子の形態であることが好ましい。本明細書の平均(一次)粒子サイズ又は平均(一次)粒径は、算術平均直径である。
無機紫外線遮蔽剤は、炭化ケイ素、被覆されていても被覆されていなくてもよい金属酸化物、及び、それらの混合物からなる群から選択されるものでよい。
無機紫外線遮蔽剤は、金属酸化物で構成された顔料(一次粒子の平均サイズ:一般に5nm〜50nm、好ましくは10nm〜50nm)、例えば、すべてそれ自体がよく知られたUV光防護剤である、酸化チタン(非晶質又はルチル型及び/若しくはアナターゼ型の結晶質)、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、又は、酸化セリウムで構成された顔料から選択され得ることが好ましい。好ましくは、無機紫外線遮蔽剤は、酸化チタン、酸化亜鉛から選択してよく、より好ましくは酸化チタンである。
無機紫外線遮蔽剤は、被覆されていても被覆されていなくてもよい。無機紫外線遮蔽剤は、少なくとも1種のコーティングを有してよい。コーティングは、アルミナ、シリカ、水酸化アルミニウム、シリコーン、シラン、脂肪酸又はそれらの塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、亜鉛塩、鉄塩又はアルミニウム塩)、脂肪アルコール、レシチン、アミノ酸、多糖、タンパク質、アルカノールアミン、蜜蝋等の蝋、(メタ)アクリルポリマー、有機紫外線遮蔽剤、及び、(ペル)フルオロ化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含むことができる。
少なくとも1種の有機紫外線遮蔽剤を含有することが、コーティングにとって好ましい。コーティング中の有機紫外線遮蔽剤として、ブチルメトキシジベンゾイルメタン(アヴォベンゾン)等のジベンゾイルメタン誘導体及びBASFによって「TINOSORB M」として市販される2,2'-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチル-ブチル)フェノール](メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール)が好ましいことがある。
公知のように、コーティング中のシリコーンは、好適な官能基シランの重合及び/又は重縮合によって得られ、ケイ素原子が酸素原子を介して互いに結合(シロキサン結合)され、任意選択により置換された炭化水素基が、炭素原子を介して前記ケイ素原子に直接結合されている、主要単位の反復から本質的に構成される、不定の分子量の直鎖又は環状及び分枝状又は架橋された構造を含む、有機ケイ素ポリマー又はオリゴマーでよい。
用語「シリコーン」は、その調製に必要なシラン、特にアルキルシランも包含する。
コーティングに使用されるシリコーンは、好ましくは、アルキルシラン、ポリジアルキルシロキサン及びポリアルキルヒドロシロキサンからなる群から選択することができる。更により好ましくは、シリコーンは、オクチルトリメチルシラン、ポリジメチルシロキサン及びポリメチルヒドロシロキサンからなる群から選択される。
当然ながら、金属酸化物で構成された無機紫外線遮蔽剤は、シリコーンでこれらを処理する前に、他の表面処理剤(surfacing agent)、具体的には、酸化セリウム、アルミナ、シリカ、アルミニウム化合物、ケイ素化合物又はそれらの混合物で処理されていてよい。
被覆無機紫外線遮蔽剤は、無機紫外線遮蔽剤を、上記の任意の化合物並びにポリエチレン、金属アルコキシド(チタン又はアルミニウムアルコキシド)、金属酸化物、ヘキサメタリン酸ソーダ、及び、例えばCosmetics & Toiletries、1990年2月、105巻、53〜64頁に示される化合物を用いて、化学的、電子的、メカノケミカル及び/又は機械的性質の1種又は複数の表面処理を行うことによって調製したものでよい。
被覆無機紫外線遮蔽剤は:
池田物産株式会社の製品「Sunveil」等、シリカで被覆された酸化チタン;
池田物産株式会社の製品「Sunveil F」等、シリカ及び酸化鉄で被覆された酸化チタン;
テイカの製品「Microtitanium Dioxide MT 500 SA」、Tioxide社の製品「Tioveil」、Rhodia社の製品「Mirasun TiW 60」等、シリカ及びアルミナで被覆された酸化チタン;
石原産業の製品「Tipaque TTO-55 (B)」及び「Tipaque TTO-55 (A)」、並びに、Kemira社の製品「UVT 14/4」等、アルミナで被覆された酸化チタン;
テイカの製品「Microtitanium Dioxide MT 100 T、MT 100 TX、MT 100 Z又はMT-01」、Uniqema社の製品「Solaveil CT-10 W」及び「Solaveil CT 100」、並びに、Merck社の製品「Eusolex T-AVO」等、アルミナ及びステアリン酸アルミニウムで被覆された酸化チタン;
テイカの製品「Microtitanium Dioxide MT 100 S」等、アルミナ及びラウリン酸アルミニウムで被覆された酸化チタン;
テイカの製品「Microtitanium Dioxide MT 100 F」等、酸化鉄及びステアリン酸鉄で被覆された酸化チタン;
テイカの製品「BR351」等、酸化亜鉛及びステアリン酸亜鉛で被覆された酸化チタン;
テイカの製品「Microtitanium Dioxide MT 600 SAS」、「Microtitanium Dioxide MT 500 SAS」、及び、「Microtitanium Dioxide MT 100 SAS」等、シリカ及びアルミナで被覆され、シリコーンで処理された酸化チタン;
チタン工業株式会社の製品「STT-30-DS」等、シリカ、アルミナ及びステアリン酸アルミニウムで被覆され、シリコーンで処理された酸化チタン;
Kemira社の製品「UV-Titan X 195」等、シリカで被覆され、シリコーンで処理された酸化チタン;
石原産業株式会社の製品「Tipaque TTO-55 (S)」又はKemira社の製品「UV Titan M 262」等、アルミナで被覆され、シリコーンで処理された酸化チタン;
チタン工業株式会社の製品「STT-65-S」等、トリエタノールアミンで被覆された酸化チタン;
石原産業株式会社の製品「Tipaque TTO-55 (C)」等、ステアリン酸で被覆された酸化チタン;或いは
テイカの製品「Microtitanium Dioxide MT 150 W」等、ヘキサメタリン酸ナトリウムで被覆された酸化チタンでよい。
シリコーンで処理された他の酸化チタン顔料は、オクチルトリメチルシランで処理され、その個々の粒子の平均サイズが25〜40nmであるTiO2、例えば、Degussa Silices社により「T 805」の商標で市販されているもの、ポリジメチルシロキサンで処理され、その個々の粒子の平均サイズが21nmであるTiO2、例えば、Cardre社により「70250 Cardre UF TiO2Si3」の商標で市販されているもの、及びポリジメチルヒドロシロキサンで処理され、その個々の粒子の平均サイズが25nmであるアナターゼ/ルチルTiO2、例えば、Color Techniques社により「Microtitanium Dioxide USP Grade Hydrophobic」の商標で市販されているものであることが好ましい。
好ましくは、以下の被覆TiO2は、被覆無機紫外線遮蔽剤として使用できる:
平均一次粒径が15nmの、テイカの製品「MT-100 TV」等のステアリン酸(及び)水酸化アルミニウム(及び)TiO2;
平均一次粒径が15nmの、三好化成工業株式会社の製品「SA-TTO-S4」等のジメチコーン(及び)ステアリン酸(及び)水酸化アルミニウム(及び)TiO2;
平均一次粒径が15nmの、テイカの製品「MT-100 WP」等のシリカ(及び)TiO2;
平均一次粒径が10nmの、テイカの製品「MT-Y02」及び「MT-Y-110 M3S」等のジメチコーン(及び)シリカ(及び)水酸化アルミニウム(及び)TiO2;
平均一次粒径が15nmの、三好化成工業株式会社の製品「SA-TTO-S3」等のジメチコーン(及び)水酸化アルミニウム(及び)TiO2;
平均一次粒径が15nmの、Sachtleben社の製品「UV-TITAN M170」等のジメチコーン(及び)アルミナ(及び)TiO2;
平均一次粒径が15nmの、テイカの製品「MT-100 AQ」等のシリカ(及び)水酸化アルミニウム(及び)アルギン酸(及び)TiO2
UV遮蔽能力の点で、少なくとも1種の有機紫外線遮蔽剤で被覆されたTiO2がより好ましい。例えば、平均一次粒径が15nmの、テイカの製品「HXMT-100ZA」等のアヴォベンゾン(及び)ステアリン酸(及び)水酸化アルミニウム(及び)TiO2を使用することができる。
非被覆酸化チタン顔料は、例えば、テイカにより「Microtitanium Dioxide MT500B」又は「Microtitanium Dioxide MT600B」の商標で、Degussa社により「P 25」の商標で、Wacker社により「Oxyde de titane transparent PW」の商標で、三好化成により「UFTR」の商標で、Tomen社により「ITS」の商標で、またTioxide社により「Tioveil AQ」の商標で市販されている。
非被覆酸化亜鉛顔料は、例えば:
Sunsmart社により「Z-cote」の商標で市販されているもの、
Elementis社により「Nanox」の商標で市販されているもの、及び
Nanophase Technologies社により「Nanogard WCD 2025」の商標で市販されているものである。
被覆酸化亜鉛顔料は、例えば:
東芝により「Oxide Zinc CS-5」の商標で市販されているもの(ポリメチルヒドロシロキサンで被覆されているZnO)、
Nanophase Technologies社により「Nanogard Zinc Oxide FN」の商標で(C12〜C15アルキルベンゾエートであるFinsolv TN中40%分散液として)市販されているもの、
大東化成により「Daitopersion Zn-30」及び「Daitopersion Zn-50」の商標で市販されているもの(オキシエチレン化ポリジメチルシロキサン/シクロポリメチルシロキサン中に、シリカ及びポリメチルヒドロシロキサンで被覆されている亜鉛ナノオキシドを30%又は50%含む分散液)、
ダイキン工業により「NFD Ultrafine ZnO」の商標で市販されているもの(ペルフルオロアルキルのリン酸エステル及びペルフルオロアルキルエチルをベースとしたコポリマーで被覆されている、シクロペンタシロキサン分散液としてのZnO)、
信越化学工業により「SPD-Z1」の商標で市販されているもの(シリコーングラフトアクリルポリマーで被覆されているZnOをシクロジメチルシロキサンに分散させたもの)、
ISP社により「Escalol Z100」の商標で市販されているもの(メトキシケイ皮酸エチルヘキシル/PVP-ヘキサデセンコポリマー/メチコーン混合物に分散させたアルミナ処理ZnO)、
冨士色素により「Fuji ZnO-SMS-10」の商標で市販されているもの(シリカ及びポリメチルシルセスキオキサンで被覆されているZnO)、並びにElementis社により「Nanox Gel TN」の商標で市販されているもの(ヒドロキシステアリン酸重縮合物を含有するC12〜C15アルキルベンゾエートに55%で分散させたZnO)である。
非被覆酸化セリウム顔料は、例えば、Rhone-Poulenc社により「Colloidal Cerium Oxide」の商標で市販されている。
非被覆酸化鉄顔料は、例えば、Arnaud社により「Nanogard WCD 2002 (FE 45B)」、「Nanogard Iron FE 45 BL AQ」、「Nanogard FE 45R AQ」、及び、「Nanogard WCD 2006 (FE 45R)」の商標で、又は、Mitsubishi社により「TY-220」の商標で市販されている。
被覆酸化鉄顔料は、例えば、Arnaud社により「Nanogard WCD 2008 (FE 45B FN)」、「Nanogard WCD 2009 (FE 45B 556)」、「Nanogard FE 45 BL 345」、及び、「Nanogard FE 45 BL」の商標で、又は、BASF社により「Oxyde de fer transparent」の商標で市販されている。
金属酸化物の混合物、特に、池田物産により「Sunveil A」の商標で市販されている、シリカで被覆されている二酸化チタンとシリカで被覆されている二酸化セリウムの等重量混合物を含めて、二酸化チタンと二酸化セリウムの混合物、またKemira社により市販されている製品「M 261」等の、アルミナ、シリカ及びシリコーンで被覆されている二酸化チタンと二酸化亜鉛の混合物、又は、Kemira社により市販されている製品「M 211」等の、アルミナ、シリカ及びグリセロールで被覆されている二酸化チタンと二酸化亜鉛の混合物も挙げることができる。
無機紫外線遮蔽剤のUV遮蔽効果を強化することができるため、被覆無機紫外線遮蔽剤が好ましい。加えて、コーティングは、本発明の薄膜中に紫外線遮蔽剤を一様に又は均一に分散させることを助長することができる。
微粒子の形態の無機紫外線遮蔽剤を使用すると、無機紫外線遮蔽剤の微粒子が凝集せず、薄膜中に一様に又は均一に広がることができるので、本発明による薄膜は、白色の外観でなく透明又はクリアな外観を与えるという効果も有し得る。無機紫外線遮蔽剤の単体微粒子は、容易に凝集して、皮膚に白色の外観を与えることに留意すべきである。
(有機紫外線遮蔽剤)
本発明による薄膜は、少なくとも1種の有機紫外線遮蔽剤を含むことができる。2種又はそれ以上の有機紫外線遮蔽剤を使用する場合、それらは同じものでも異なってもよく、同じものであることが好ましい。
本発明に使用する有機紫外線遮蔽剤は、UV-A及び/又はUV-B領域において活性を有するものでよい。有機紫外線遮蔽剤は、親水性且つ/又は親油性のものでよい。
有機紫外線遮蔽剤は、固体でも液体でもよい。用語「固体」及び「液体」は、それぞれ1atm下、25℃での固体及び液体を意味する。
有機紫外線遮蔽剤は、アントラニル化合物、ジベンゾイルメタン化合物、ケイ皮酸化合物、サリチル酸化合物、カンファー化合物、ベンゾフェノン化合物、β,β-ジフェニルアクリレート化合物、トリアジン化合物、ベンゾトリアゾール化合物、ベンザルマロネート化合物、ベンゾイミダゾール化合物、イミダゾリン化合物、ビス-ベンゾアゾリル化合物、p-アミノ安息香酸(PABA)化合物、メチレンビス(ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール)化合物、ベンゾオキサゾール化合物、遮蔽性ポリマー及び遮蔽性シリコーン、α-アルキルスチレン由来ダイマー、4,4-ジアリールブタジエン化合物、グアイアズレン及びその誘導体、ルチン及びその誘導体、並びに、それらの混合物からなる群から選択されるものでよい。
有機紫外線遮蔽剤の例として、以下にそのINCI名で示すもの、及び、それらの混合物を挙げることができる。
- アントラニル化合物:Haarmann and Reimer社により「Neo Heliopan MA」の商標で市販されているアントラニル酸メンチル。
- ジベンゾイルメタン化合物:特にHoffmann-La Roche社により「Parsol 1789」の商標で市販されているブチルメトキシジベンゾイルメタン;及びイソプロピルジベンゾイルメタン。
- ケイ皮酸化合物:特にHoffmann-La Roche社により「Parsol MCX」の商標で市販されているメトキシケイ皮酸エチルヘキシル;メトキシケイ皮酸イソプロピル;メトキシケイ皮酸イソプロポキシ;Haarmann and Reimer社により「Neo Heliopan E 1000」の商標で市販されているメトキシケイ皮酸イソアミル;シノキセート(4-メトキシケイ皮酸2-エトキシエチル);メトキシケイ皮酸DEA;メチルケイ皮酸ジイソプロピル;及びジメトキシケイ皮酸エチルヘキサン酸グリセリル。
- サリチル酸化合物:Rona/EM Industries社により「Eusolex HMS」の商標で市販されているホモサレート(サリチル酸ホモメンチル);Haarmann and Reimer社により「Neo Heliopan OS」の商標で市販されているサリチル酸エチルヘキシル;サリチル酸グリコール;サリチル酸ブチルオクチル;サリチル酸フェニル;Scher社により「Dipsal」の商標で市販されているサリチル酸ジプロピレングリコール;及びHaarmann and Reimer社により「Neo Heliopan TS」の商標で市販されているサリチル酸TEA。
- カンファー化合物、特にベンジリデンカンファー誘導体:Chimex社により「Mexoryl SD」の商標で製造されている3-ベンジリデンカンファー;Merck社により「Eusolex 6300」の商標で市販されている4-メチルベンジリデンカンファー;Chimex社により「Mexoryl SL」の商標で製造されているベンジリデンカンファースルホン酸;Chimex社により「Mexoryl SO」の商標で製造されているメト硫酸カンファーベンザルコニウム;Chimex社により「Mexoryl SX」の商標で製造されているテレフタリリデンジカンファースルホン酸;及びChimex社により「Mexoryl SW」の商標で製造されているポリアクリルアミドメチルベンジリデンカンファー。
- ベンゾフェノン化合物:BASF社により「Uvinul 400」の商標で市販されているベンゾフェノン-1(2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン);BASF社により「Uvinul D50」の商標で市販されているベンゾフェノン-2(テトラヒドロキシベンゾフェノン);BASF社により「Uvinul M40」の商標で市販されているベンゾフェノン-3(2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン)又はオキシベンゾン;BASF社により「Uvinul MS40」の商標で市販されているベンゾフェノン-4(ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸);ベンゾフェノン-5(ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸ナトリウム);Norquay社により「Helisorb 11」の商標で市販されているベンゾフェノン-6(ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン);American Cyanamid社により「Spectra-Sorb UV-24」の商標で市販されているベンゾフェノン-8;BASFにより「Uvinul DS-49」の商標で市販されているベンゾフェノン-9(ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノンジスルホン酸二ナトリウム);ベンゾフェノン-12、及びn-ヘキシル2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)ベンゾエート(BASFによるUVINUL A+)。
- β,β-ジフェニルアクリレート化合物:特にBASF社により「Uvinul N539」の商標で市販されているオクトクリレン;及び特にBASF社により「Uvinul N35」の商標で市販されているエトクリレン。
- トリアジン化合物:Sigma 3V社により「Uvasorb HEB」の商標で市販されているジエチルヘキシルブタミドトリアゾン;2,4,6-トリス(ジネオペンチル4'-アミノベンザルマロネート)-s-トリアジン;CIBA GEIGY社により「TINOSORB S」の商標で市販されているビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、及びBASF社により「UVINUL T150」の商標で市販されているエチルヘキシルトリアゾン。
- ベンゾトリアゾール化合物、特にフェニルベンゾトリアゾール誘導体:分枝及び直鎖の2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-ドデシル-4-メチルフェノ;並びにUSP 5240975に記載のもの。
- ベンザルマロネート化合物:4'-メトキシベンザルマロン酸ジネオペンチル、及びベンザルマロン酸官能基を含むポリオルガノシロキサン、例えば、Hoffmann-La Roche社により「Parsol SLX」の商標で市販されているポリシリコーン-15。
- ベンゾイミダゾール化合物、特にフェニルベンゾイミダゾール誘導体:特にMerck社により「Eusolex 232」の商標で市販されているフェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、及び、Haarmann and Reimer社により「Neo Heliopan AP」の商標で市販されているフェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム。
- イミダゾリン化合物:エチルヘキシルジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリンプロピオネート。
- ビス-ベンゾアゾリル化合物:EP-669,323及び米国特許第2,463,264号に記載の誘導体。
- パラ-アミノ安息香酸化合物:PABA(p-アミノ安息香酸)、エチルPABA、エチルジヒドロキシプロピルPABA、ペンチルジメチルPABA、特にISP社により「Escalol 507」の商標で市販されているエチルヘキシルジメチルPABA、グリセリルPABA、及び、BASF社により「Uvinul P25」の商標で市販されているPEG-25 PABA。
- メチレンビス-(ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール)化合物、例えばFairmount Chemical社により「Mixxim BB/200」の商標で固体形態で市販されている2,2'-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-メチル-フェノール]、BASF社により「Tinosorb M」の商標で、又はFairmount Chemical社により「Mixxim BB/100」の商標で水性分散液中微粉化形態で市販されている2,2'-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール]、及び米国特許第5,237,071号、第5,166,355号、GB-2,303,549、DE-197,26,184及びEP-893,119に記載の誘導体、並びに
以下に表すような、Rhodia Chimie社により「Silatrizole」の商標で、又は、L'Oreal社により「Mexoryl XL」の商標で市販されているドロメトリゾールトリシロキサン。
Figure 2015107939
- ベンゾオキサゾール化合物:Sigma 3Vにより「Uvasorb K2A」の商標で市販されている2,4-ビス[5-1(ジメチルプロピル)ベンゾオキサゾール-2-イル-(4-フェニル)イミノ]-6-(2-エチルヘキシル)イミノ-1,3,5-トリアジン。
- 遮蔽ポリマー及び遮蔽シリコーン:WO 93/04665に記載のシリコーン。
- α-アルキルスチレン由来ダイマー:DE-19855649に記載のダイマー。
- 4,4-ジアリールブタジエン化合物:1,1-ジカルボキシ(2,2'-ジメチルプロピル)-4,4-ジフェニルブタジエン。
有機紫外線遮蔽剤は、以下からなる群から選択されることが好ましい:
ブチルメトキシジベンゾイルメタン、メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、ホモサレート、サリチル酸エチルヘキシル、オクトクリレン、フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、ベンゾフェノン-3、ベンゾフェノン-4、ベンゾフェノン-5、n-ヘキシル2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)ベンゾエート、1,1'-(1,4-ピペラジンジイル)ビス[1-[2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]フェニル]-メタノン、4-メチルベンジリデンカンファー、テレフタリリデンジカンファースルホン酸、フェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム、エチルヘキシルトリアゾン、ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、2,4,6-トリス(ジネオペンチル4'-アミノベンザルマロネート)-s-トリアジン、2,4,6-トリス(ジイソブチル4'-アミノベンザルマロネート)-s-トリアジン、2,4-ビス-(n-ブチル4'-アミノベンザルマロネート)-6[(3-{1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリルオキシ]-ジシロキサニル}プロピル)アミノ]-s-トリアジン、2,4,6-トリス-(ジ-フェニル)-トリアジン、2,4,6-トリス-(テル-フェニル)-トリアジン、メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、ドロメトリゾールトリシロキサン、ポリシリコーン-15、ジネオペンチル4'-メトキシベンザルマロネート、1,1-ジカルボキシ(2,2'-ジメチルプロピル)-4,4-ジフェニルブタジエン、2,4-ビス[5-1(ジメチルプロピル)ベンゾオキサゾール-2-イル-(4-フェニル)イミノ]-6-(2-エチルヘキシル)イミノ-1,3,5-トリアジン、カンファーベンジルコニウムメトスルフェート並びにそれらの混合物。
紫外線遮蔽剤は、水溶性又は水分散性、特に水溶性であることができる。水溶性紫外線遮蔽剤の例として、Mexoryl SXを挙げることができる。普通、水溶性又は水分散性紫外線遮蔽剤は、汗及び雨等の水によって、皮膚等のケラチン基質の表面から落ちてしまう可能性がある。しかし、本発明によれば、水溶性又は水分散性紫外線遮蔽剤は薄膜中に含まれるので、水溶性又は水分散性紫外線遮蔽剤は水によって落ちにくく、これによりUV遮蔽効果が長続きする結果となる。
(任意選択の添加剤)
本発明による薄膜は、上記の成分に加えて、化粧料に通常用いられる成分、特に、例えば酸、塩基、塩、顔料、粉末、界面活性剤、油、有機溶媒、シリコーン、シリコーン誘導体、動物又は植物由来の天然エキス、蝋等を、本発明の効果を損なわない範囲内で含むことができる。
本発明による薄膜は、上記の任意選択の添加剤を、薄膜の総質量に対して、0.01〜30質量%、好ましくは0.05〜20質量%、より好ましくは0.1〜10質量%の量で含むことができる。
(美容効果)
本発明によれば、美容処理方法によって調製された薄膜は、皮膚の外観を変え、皮膚の触り心地を変え、且つ/又は皮膚を保護するために使用してよい。そのため、本発明は、皮膚の外観を変え、皮膚の触り心地を変え、且つ/又は皮膚を保護するための薄膜の美容上の使用にも関する。
上記の美容機能は、本発明による薄膜が美容有効成分を含有しないとしても実現することができる。
例えば、本発明による薄膜は、皮膚上の光反射等を変えることによって皮膚の外観を即座に変化又は修正することができる。したがって、薄膜は、毛穴又は皺等の皮膚の不具合を隠すことが可能である。更に、薄膜は、皮膚上の表面粗さ等を変えることによって皮膚の触り心地を即座に変化又は修正することができる。更に、薄膜は、空気中で汚染された粉塵(汚染物質、花粉、火山灰等)の環境ストレス等から、バリアーとして、皮膚の表面を覆い、皮膚をシールドすることによって、皮膚を即座に保護することができる。
そのため、用語「皮膚を保護する」とは、本発明による薄膜が、環境ストレス等から、バリアーとして、皮膚の表面を覆い、皮膚をシールドすることによって、皮膚を保護することができることを意味する。
本発明による美容処理方法によって調製される薄膜が上記の美容有効成分を含む場合、この薄膜は、例えば、皮膚の老化を処置し、皮膚上の皮脂を吸収し、皮膚上の発汗を制御し、皮膚上の臭いを制御し、且つ/又は皮膚を介して少なくとも1種の美容有効成分を送達するために使用することができる。
特に、本発明は、1種又は複数の美容有効成分を皮膚に又は皮膚を介して送達することができる。高濃度の美容有効成分は、本発明による薄膜中に組み込むことができ、シート内部に保持され得る。したがって、本発明による薄膜を皮膚上の標的領域に適用することによって、美容有効成分を皮膚に又は皮膚を介して長時間にわたって送達することができる。
更に、本発明によれば、薄膜は、皮膚をケアし、皮膚をメーキャップし、皮膚の黒ずみを制限し、且つ/又は肌の色若しくはむらを改善するために使用することができるが、その理由は、例えば、UV遮蔽効果が、これらの美容機能の中心となり得るためである。したがって、本発明は、皮膚をケアし、皮膚をメーキャップし、皮膚の黒ずみを制限し、且つ/又は肌の色若しくはむらを改善するための薄膜の美容上の使用にも関する。
上記の美容効果は、本発明による薄膜の化学組成、厚さ及び/又は表面粗さを変化させることによって、また美容有効成分の種類及び/又は量を変化させることによって、調節又は制御することができる。
本発明を、実施例によって、より詳細に説明していく。しかし、これらの実施例は、本発明の範囲を限定すると解釈すべきではない。
(実施例1)
極薄膜は、以下のように、皮膚上に高分子電解質(ポリリシン及びアルギン酸ナトリウム)をスプレーすることによって調製した。
JNC社により市販されている25質量%のポリリシンを含有する水溶液を希釈し、クエン酸でpHを調節することによって、0.25質量%のポリリシンを含有するpH4.2の水溶液を調製した。
FMCコーポレーション社により市販されているアルギン酸ナトリウムのpHをNaOHで調節することによって、0.25質量%のアルギン酸Naを含有するpH4.2の水溶液を調製した。
上記の水溶液を、2つのスプレー装置(HOLLYWOOD AIR社により市販されているHOLLYWOOD AIR Perfect Beauty)を用いて、前腕に同時にスプレーした。上記の各水溶液は、各スプレー装置を水平に持ち、手を垂直方向に動かして、前腕から5〜10センチメートル離れて、2つのスプレー装置からのスプレー方向間の角度を約90°にして、スプレーした。スプレー装置からの水溶液の流量は、約12mL/分だった。スプレー工程(3秒)の後、前腕の上に水をスプレーすることを含む3秒間の濯ぎ工程を行なった。次いで、スプレーされた前腕を空気中で乾燥した。スプレー工程、濯ぎ工程及び乾燥工程を含む連続工程を10回繰り返した。こうして、高分子電解質錯体のポリマー薄膜が前腕の上に調製された。
ポリマー薄膜の厚さを測定するために、ポリマー薄膜も、同じ高分子電解質水溶液を使用して、シリコンウエハー上に上記のように調製した。ポリマー薄膜の厚さは、オスミウムを析出し、膜をカッティングした後、SEMによって測定し、約540nmと判明した。
(比較例1)
複数の層のポリリシン及びアルギン酸Naで構成される自立性ナノシートを、Adv. Mater. 2007、19、3549〜3553頁、及びBiomaterials、2010、31、6269〜6278頁によるスピンコーティングを利用した交互積層法を用いて、但しキトサンの代わりにポリリシンを使用して、SiO2基材上に作製した。
ポリリシン水溶液(1mg/mL、1%(v/v)酢酸)及びアルギン酸ナトリウム水溶液(1mg/mL、0.5M NaCl)は、脱イオン水で調製した。1mLの各高分子電解質の水溶液をSiO2基材上に滴下し、次いで基材を4,000rpmで20秒間回転させた。基材を脱イオン水で2回濯ぎ、スピン(4,000rpm、30秒)することによって乾燥した。
上記の条件下で、複数の層のポリリシン及びアルギン酸Naで構成されるナノシートを、(1)ポリリシン水溶液及びアルギン酸Na水溶液によるスピンコーティングを利用した交互積層法(4,000rpm、20秒)、その後の水による濯ぎ、乾燥を繰り返し、(2)ポリリシン層を調製したら、スピンコーティングを利用した交互積層法を終わらせ、(3)10質量%のポリビニルアルコール(PVA)を含む水溶液をナノシート表面上にキャストした後、48時間乾燥させることによって、PVAの支持層を調製することによって調製した。
ナノシート(2.5×3.0cm2)及びPVA支持層(厚さ70μm)を、ピンセットを使ってSiO2基材から剥がした。しかし、ナノシートのいくつかの部分はSiO2基材上に残った。
上記の論文(Adv. Mater. 2007、19、3549〜3553頁、及びBiomaterials、2010、31、6269〜6278頁)で使用したキトサン(Mw:88000Da)の代わりにポリリシン(Mw:4000Da)を使用したことに留意すべきである。ポリリシンはキトサンよりも可撓性であり、ポリリシンのMwはキトサンよりも小さいため、ポリリシン及びアルギン酸Na層で構成されるナノシートは、上記の論文で調製されたキトサン及びアルギン酸Naで構成されるものよりも弱かった。したがって、ポリリシン及びアルギン酸Na層で構成されるナノシートをSiO2基材から完全に剥離させることは成功しなかった。
また、比較例1における上記のスピンコーティングを利用した交互積層法によって調製されたナノシートの使用は、実施例1でスプレーコーティング法によって調製されたナノシートよりも複雑であるが、その理由は、前者は先ず基材上にナノシートを調製し、第2に基材からナノシートを剥離し、第3にナノシートを皮膚上に接着させる必要があるためである。
(実施例2)
テレフタリリデンジカンファースルホン酸(Mexoryl SX(登録商標))を含有する極薄膜を以下のように調製した。
JNC社により市販されている25質量%のポリリシンを含有する水溶液を希釈し、クエン酸でpHを調節することによって、0.5質量%のポリリシンを含有するpH5の水溶液を調製した。
Sochibios社により市販されているヒアルロン酸水溶液とMexoryl SX(登録商標)を混合し、そのpHをNaOHで調節することによって、0.5質量%のヒアルロン酸及び0.5質量%のMexoryl SX(登録商標)を含有するpH5の水溶液を調製した。
実施例1のスプレーコーティング法を利用することによって、上記の水溶液をポリメチルメタクリレート(PMMA)板上にスプレーして、Mexoryl SX(登録商標)を含む高分子電解質錯体(ポリリシン及びヒアルロン酸)のポリマー薄膜を調製したが、但しスプレー工程(2秒)後にPMMA板上に水をスプレーすることを含む2秒間の濯ぎ工程を行なった。次いで、コーティングされたPMMA板を空気中で乾燥した。スプレー工程、濯ぎ工程及び乾燥工程を含む連続工程を10回繰り返した。こうして、Mexoryl SXを含有する高分子電解質錯体のポリマー薄膜が、PMMA板上に調製された。ポリマー薄膜の厚さは、約250nmだった。
(比較例2)
ポリリシン、ヒアルロン酸、及びMexoryl SXで構成されるナノシートを以下のように調製した。
実施例2で使用した水溶液をここで使用した。
1mLの高分子電解質の水溶液(すなわち、ポリリシン又はヒアルロン酸及びMexoryl SX(登録商標) )をSiO2基材上に滴下し、次いで基材を4,000rpmで20秒間回転させた。比較例1における上記と同じ手順(スピンコーティングを利用した交互積層法)で、基材を脱イオン水で2回濯ぎ、スピン(4,000rpm、30秒)することによって乾燥した。
しかし、この場合、成功裏に基材上に調製できたナノシートはなかった。その原因は、Mexoryl SX(登録商標)の-SO3 -基が、ポリリシンのアミノ基に結合し得、アミノ基をシールドし、ポリリシンがヒアルロン酸と相互作用できなかったためと考えられる。
上記の結果は、実施例2におけるポリリシン水溶液及びヒアルロン酸水溶液並びにMexoryl SXを同時に使用するスプレーコーティング法が、比較例2におけるスピンコーティングを利用した交互積層法と比較してより容易に極薄膜を作製できることを示す。
(比較例3)
比較研究として、Mexoryl SX(登録商標)を含有する製剤を、以下の表1の成分を混合することによって調製した。
Figure 2015107939
[UV遮蔽効果の評価]
実施例2で得た薄膜のSPF値をSPFアナライザーUV-2000Sによって測定した。Mexoryl SXを含有するポリリシン/ヒアルロン酸薄膜のSPF値は「8」であり、紫外線を効果的にシールドした。
また、同じ薄膜のSPF値をPMMA板上の薄膜を洗浄した後に再度測定した。SPF値は変わらなかった。
上記の結果は、Mexoryl SX(登録商標)を含有するポリリシン/ヒアルロン酸薄膜が耐水性で、その紫外線遮蔽剤特性を維持していたことを示す。
一方、PMMA板上に適用した比較例3によるMexoryl SX(登録商標)を含有する製剤のSPF値は「2」だった。
また、同じ製剤のSPF値を、PMMA板上の製剤を洗浄した後に再度測定した。SPF値は「1」に減少した。
上記の結果は、比較例3による製剤が、PMMA板から洗い落とされており、したがって耐水性でなかったことを示す。
(実施例3)
テレフタリリデンジカンファースルホン酸{Mexoryl SX(登録商標)}を含有する極薄膜を以下のように調製した。
実施例2で使用した水溶液をここで使用した。
実施例1のスプレーコーティング法を利用することによって、上記の水溶液をPMMA板上にスプレーして、Mexoryl SX(登録商標)を含む高分子電解質錯体(ポリリシン及びヒアルロン酸)のポリマー薄膜を調製したが、但しスプレー工程(2秒)後にPMMA板上に水をスプレーすることを含む2秒間の濯ぎ工程を行なった。次いで、コーティングされたPMMA板を空気中で乾燥した。スプレー工程、濯ぎ工程及び乾燥工程を含む連続工程を8回繰り返した。こうして、Mexoryl SXを含有する高分子電解質錯体のポリマー薄膜が、PMMA板上に調製された。
ポリマー薄膜のSPF値を、2回目、4回目、6回目、及び8回目の順に、上記のように測定した。結果を以下の表2に示す。
Figure 2015107939
上記の結果は、薄膜のSPF値がスプレー回数に従って増加したことを示す。したがって、膜のSPF値は、スプレー回数によって制御することができる。

Claims (16)

  1. ケラチン基質上に、
    少なくとも1種の第1のポリマーを含む第1の溶液又は分散液をスプレーする工程と、
    少なくとも1種の第2のポリマーを含む第2の溶液又は分散液をスプレーして
    ケラチン基質上に膜を調製する工程と
    を含み、
    膜の厚さが、30〜1000nm、好ましくは50〜600nm、より好ましくは100〜400nmである、美容処理方法。
  2. 第1の溶液又は分散液及び第2の溶液又は分散液を同時に又は交互にスプレーする、請求項1に記載の美容処理方法。
  3. 第1及び/又は第2の溶液又は分散液が水性である、請求項1又は2に記載の美容処理方法。
  4. 第1のポリマーがカチオン性ポリマーから選択され、第2のポリマーがアニオン性ポリマーから選択される、又は
    第1のポリマーがアニオン性ポリマーから選択され、第2のポリマーがカチオン性ポリマーから選択される
    請求項1から3のいずれか一項に記載の美容処理方法。
  5. カチオン性ポリマーが、第四級アンモニウム基、グアニジン基、ビグアニド基、イミダゾール基、イミノ基、ピリジル基及びアミノ基からなる群から選択される少なくとも1つの正荷電性部分を有する、請求項4に記載の美容処理方法。
  6. カチオン性ポリマーが、キトサン、コラーゲン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ポリジアリルジアルキルアンモニウムクロリド、ポリアニリン、ポリビニルイミダゾール、ポリジメチルアミノエチレンメタクリレート、ポリ-1-メチル-2-ビニルピリジン、ポリアミン、ポリイミン、ポリエチレンイミン、ポリビニルピリジン、ポリ(第四級ピリジン)、ポリリシン、ポリオルニチン、ポリアルギニン、ポリヒスチジン、ポリアミノプロピルビグアニド、及び、それらの塩からなる群から選択される、請求項4又は5に記載の美容処理方法。
  7. アニオン性ポリマーが、硫酸基、スルフェート基、スルホン酸基、スルホネート基、リン酸基、ホスフェート基、ホスホン酸基、ホスホネート基、カルボキシル基及びカルボキシレート基からなる群から選択される少なくとも1つの負荷電性部分を有する、請求項4に記載の美容処理方法。
  8. アニオン性ポリマーが、アルギネート及びその誘導体、ヒアルロン酸、ポリグルタミン酸、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリアミド酸、ポリスチレンスルホネート、ポリ(ビニルスルフェート)、デキストランスルフェート、コンドロイチンスルフェート、ポリマレイン酸、ポリフマル酸、カルボキシメチルセルロース、スチレン無水マレイン酸コポリマー及びそれらの塩からなる群から選択される、請求項4又は5に記載の美容処理方法。
  9. アニオン性ポリマーが、疎水性であり、好ましくは非架橋型であり、より好ましくは非架橋ポリ(乳酸)及びその誘導体から選択される、請求項4に記載の美容処理方法。
  10. 第1及び/又は第2の溶液又は分散液が、少なくとも1種の美容有効成分を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の美容処理方法。
  11. 美容有効成分が、紫外線遮蔽剤、酸化防止剤、クレンジング剤、遊離基捕捉剤、保湿剤、美白剤、脂肪調節剤、抗アクネ剤、抗フケ剤、抗老化剤、柔軟剤、抗皺剤、角質溶解剤、抗炎症剤、フレッシュナー、ヒーリング剤、血管保護剤、抗菌剤、抗真菌剤、制汗剤、デオドラント、皮膚コンディショナー、麻酔剤、免疫調節剤、栄養剤、及び皮脂吸収剤又は水分吸収剤から選択される、請求項10に記載の美容処理方法。
  12. 美容有効成分の量が、膜の総質量に対して、0.01〜50質量%、好ましくは0.05〜40質量%、より好ましくは0.1〜35質量%である、請求項10又は11に記載の美容処理方法。
  13. ケラチン基質が皮膚又は毛髪である、請求項1から12のいずれか一項に記載の美容処理方法。
  14. 膜が、皮膚の外観を変え、皮膚の触り心地を変え、且つ/又は皮膚を保護するためのものである、請求項13に記載の美容処理方法。
  15. 膜が、皮膚をケアし、皮膚をメーキャップし、皮膚の黒ずみを制限し、且つ/又は肌の色若しくはむらを改善するためのものである、請求項13に記載の美容処理方法。
  16. (1)第1のノズルを備えた第1の区画であって、少なくとも1種の第1のポリマーを含む第1の溶液又は分散液を含有する第1の区画と、
    (2)第2のノズルを備えた第2の区画であって、少なくとも1種の第2のポリマーを含む第2の溶液又は分散液を含有する第2の区画と
    を含み、
    第1の溶液又は分散液が第1のノズルを通ってスプレーされ、第2の溶液又は分散液が第2のノズルを通ってスプレーされる、多区画キット。
JP2013251929A 2013-12-05 2013-12-05 美容処理方法 Pending JP2015107939A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013251929A JP2015107939A (ja) 2013-12-05 2013-12-05 美容処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013251929A JP2015107939A (ja) 2013-12-05 2013-12-05 美容処理方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015107939A true JP2015107939A (ja) 2015-06-11

Family

ID=53438617

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013251929A Pending JP2015107939A (ja) 2013-12-05 2013-12-05 美容処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015107939A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017104585A1 (en) 2015-12-15 2017-06-22 L'oreal Combination of polyion complex particle and hydrophilic or water-soluble uv filter
WO2017104221A1 (en) 2015-12-15 2017-06-22 L'oreal Combination of polyion complex particle and non-polymeric acid having two or more acid dissociation constants
WO2018230740A1 (en) 2017-06-13 2018-12-20 L'oreal Combination of polyion complex particle and non-polymeric acid or base having two or more dissociation constants
WO2018230739A1 (en) 2017-06-13 2018-12-20 L'oreal Combination of polyion complex particle and non-polymeric base having two or more dissociation constants
WO2018230673A1 (en) 2017-06-13 2018-12-20 L'oreal Composition comprising polyion complex particle and oil
WO2019116877A1 (en) 2017-12-12 2019-06-20 L'oreal Composition comprising oil and polyion complex including cellulose-based cationic polymer with at least one fatty chain
CN111388421A (zh) * 2020-04-28 2020-07-10 重庆九康医疗研究院有限公司 一种具有抗菌和抗病毒功能的口鼻喉双组分喷剂及制备方法
WO2022131351A1 (en) * 2020-12-14 2022-06-23 L'oreal Composition comprising polyion complex particle and filler
FR3118700A1 (fr) * 2021-01-13 2022-07-15 L'oreal Composition comprenant une particule de complexe polyionique et une charge

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09118603A (ja) * 1995-08-11 1997-05-06 L'oreal Sa 特定のアクリルコポリマを含有する定着および/またはコンディショニング力を有する化粧品組成物
JPH11500463A (ja) * 1996-11-04 1999-01-12 ザ、プロクター、エンド、ギャンブル、カンパニー ヘアスタイリング組成物
JP2003038988A (ja) * 2001-07-31 2003-02-12 Meiji Kikai Seisakusho:Kk 自動スプレーガン
JP2005035631A (ja) * 2003-07-16 2005-02-10 Kao Corp 吐出装置
JP2013071906A (ja) * 2011-09-27 2013-04-22 Hitachi Chemical Co Ltd 薄膜フィルム及びその製造方法
JP2013071907A (ja) * 2011-09-27 2013-04-22 Hitachi Chemical Co Ltd 薄膜フィルム及びその製造方法
JP2013540152A (ja) * 2010-10-20 2013-10-31 アルバート−カルバー・カンパニー 毛髪修復用組成物及び関連方法
JP2014227389A (ja) * 2013-05-24 2014-12-08 ロレアル 自立性美容シート
JP2015512863A (ja) * 2012-04-11 2015-04-30 ロレアル 自立性美容シート

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09118603A (ja) * 1995-08-11 1997-05-06 L'oreal Sa 特定のアクリルコポリマを含有する定着および/またはコンディショニング力を有する化粧品組成物
JPH11500463A (ja) * 1996-11-04 1999-01-12 ザ、プロクター、エンド、ギャンブル、カンパニー ヘアスタイリング組成物
JP2003038988A (ja) * 2001-07-31 2003-02-12 Meiji Kikai Seisakusho:Kk 自動スプレーガン
JP2005035631A (ja) * 2003-07-16 2005-02-10 Kao Corp 吐出装置
JP2013540152A (ja) * 2010-10-20 2013-10-31 アルバート−カルバー・カンパニー 毛髪修復用組成物及び関連方法
JP2013071906A (ja) * 2011-09-27 2013-04-22 Hitachi Chemical Co Ltd 薄膜フィルム及びその製造方法
JP2013071907A (ja) * 2011-09-27 2013-04-22 Hitachi Chemical Co Ltd 薄膜フィルム及びその製造方法
JP2015512863A (ja) * 2012-04-11 2015-04-30 ロレアル 自立性美容シート
JP2014227389A (ja) * 2013-05-24 2014-12-08 ロレアル 自立性美容シート

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11389379B2 (en) 2015-12-15 2022-07-19 L'oreal Combination of polyion complex particle and non-polymeric acid having two or more acid dissociation constants
WO2017104221A1 (en) 2015-12-15 2017-06-22 L'oreal Combination of polyion complex particle and non-polymeric acid having two or more acid dissociation constants
JP2017109937A (ja) * 2015-12-15 2017-06-22 ロレアル ポリイオンコンプレックス粒子と親水性又は水溶性uv遮蔽剤との組合せ
US11642297B2 (en) 2015-12-15 2023-05-09 L'oreal Combination of polyion complex particle and hydrophilic or water-soluble UV filter
WO2017104585A1 (en) 2015-12-15 2017-06-22 L'oreal Combination of polyion complex particle and hydrophilic or water-soluble uv filter
JP2022116222A (ja) * 2017-06-13 2022-08-09 ロレアル ポリイオンコンプレックス粒子と油とを含む組成物
JP2019001726A (ja) * 2017-06-13 2019-01-10 ロレアル ポリイオンコンプレックス粒子と油とを含む組成物
WO2018230673A1 (en) 2017-06-13 2018-12-20 L'oreal Composition comprising polyion complex particle and oil
WO2018230739A1 (en) 2017-06-13 2018-12-20 L'oreal Combination of polyion complex particle and non-polymeric base having two or more dissociation constants
US11452676B2 (en) 2017-06-13 2022-09-27 L'oreal Combination of polyion complex particle and non-polymeric base having two or more dissociation constants
JP7176836B2 (ja) 2017-06-13 2022-11-22 ロレアル ポリイオンコンプレックス粒子と油とを含む組成物
WO2018230740A1 (en) 2017-06-13 2018-12-20 L'oreal Combination of polyion complex particle and non-polymeric acid or base having two or more dissociation constants
JP7346660B2 (ja) 2017-06-13 2023-09-19 ロレアル ポリイオンコンプレックス粒子と油とを含む組成物
US11819564B2 (en) 2017-06-13 2023-11-21 L'oreal Composition comprising polyion complex particle and oil
WO2019116877A1 (en) 2017-12-12 2019-06-20 L'oreal Composition comprising oil and polyion complex including cellulose-based cationic polymer with at least one fatty chain
CN111388421A (zh) * 2020-04-28 2020-07-10 重庆九康医疗研究院有限公司 一种具有抗菌和抗病毒功能的口鼻喉双组分喷剂及制备方法
WO2022131351A1 (en) * 2020-12-14 2022-06-23 L'oreal Composition comprising polyion complex particle and filler
FR3118700A1 (fr) * 2021-01-13 2022-07-15 L'oreal Composition comprenant une particule de complexe polyionique et une charge

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2015107939A (ja) 美容処理方法
JP6419417B2 (ja) 自立性美容シート
JP5847720B2 (ja) 2−アルコキシ−4−アルキルケトンフェノール化合物に基づく光保護組成物;太陽光線保護指数を増加させるための前記化合物の使用
US11389379B2 (en) Combination of polyion complex particle and non-polymeric acid having two or more acid dissociation constants
JP5801318B2 (ja) insituで縮合することができる化合物及びUV照射を遮断する作用剤を含む美容的処置方法
ES2426748T3 (es) Composición fotoprotectora fluida acuosa a base de un polímero poli(ésteramida) con terminación éster
JP2020180146A (ja) 多層球形複合粒子及びuv遮蔽剤に基づく組成物
JP6576826B2 (ja) 遮蔽性複合粒子を含有する化粧品組成物
US11452676B2 (en) Combination of polyion complex particle and non-polymeric base having two or more dissociation constants
JP2021502393A (ja) フォトニック粒子、uv遮断剤、及びアクリルポリマーを含む組成物
WO2015188335A1 (en) Composition for protecting keratin materials from sun
JP2020033298A (ja) 自己回復又は自己修復膜形成組成物
WO2016008117A1 (en) Transparent sprayable suncreen composition
JP6084210B2 (ja) 皮脂を構成する1種類以上の化合物とオゾンとの間の反応により生じるカルボニル化合物を捕捉するための少なくとも1つの求核性官能基を含む化合物の使用
WO2016008119A1 (en) Oil-free suncreen composition
WO2020261950A1 (en) Composition comprising ingredients for dic-gel and polyol
WO2011074141A1 (en) Process for treating keratin fibers

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161201

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171115

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171204

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20180302

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20181203