JP2008255073A - フィルム状パック化粧料 - Google Patents

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Abstract


【課題】皮膚に対して優れた保湿性やしっとり感、引締め作用などを与えると同時に、簡単に皮膚に貼り付けて使用することのできるフィルム状パック化粧料を提供すること。
【解決手段】本発明は、水溶性高分子量キトサンの塩またはフィッシュコラーゲンのいずれかまたは両者と、鹸化度が80〜95モル%であり、かつ平均分子量が1万〜5万の範囲にある低分子量ポリビニルアルコールと平均分子量が10万〜35万の範囲にある高分子量ポリビニルアルコールとの混合ポリビニルアルコールとを含有するフィルム状パック化粧料である。高分子量キトサンの塩は、キチンを脱アセチル化して得られた平均分子量が20万〜100万のキトサンの乳酸塩が好ましい。フィッシュコラーゲンは、平均分子量が3000〜10000のものが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、肌に貼付して使用するフィルム状パック化粧料に関し、さらに詳しくは簡便に使用することができて使用後に肌にしっとり感やつや、肌の引締め作用を与えることのできるフィルム状パック化粧料に関するものである。
従来から、皮膚の乾燥を防ぎ、肌に潤いやしっとり感を与えるためには、グリセリン、プロピレングリコール等の保湿剤を配合したクリーム、乳液等の化粧料を肌に塗布することが一般的に行われていた。しかしながら、このような化粧料は、汗等で流れ落ちたり、塗布量が多いとべとついたりして、皮膚の一部を集中的にケアすることは難しく、また使用上においても必ずしも簡便なものではなかった。
また、皮膚の表面にパック状のものを塗布するパック型化粧料も、一般に古くから使用されてきている化粧品であり、肌の手入れや、顔はもちろんのこと首、肩、腕、脚などの全身の各部位にも用いられている。これらの化粧料も肌のしわや緩みを引締め、表面の汚れや垢を除去し、肌に柔軟性とつやを与える化粧料として使用されている。
パック型化粧料は、パック剤を皮膚に塗布したり、貼付した後、暫時経過した後に乾燥させ、皮膜が形成されてからはがす、いわゆるピールオフタイプのものか、皮膜形成しても、皮膜形成しなくても洗い流すいわゆるウオッシュオフタイプがある。これらの従来のパック型化粧料は、皮膜形成剤、水、油性成分、保湿剤、酸化亜鉛や酸化チタンなどの顔料粉末、その他種々の物質をパック剤中に含有させ、パック剤中の有効成分が使用中に皮膚に浸透し、吸収されやすいように工夫されている。
しかし、このようなパック型化粧料は、手によってパック剤を塗布するに際して、皮膚に対して“のび”が不足するため均一に塗布することが困難な場合があり、“のび”を良好にするために粘度を低くするとチクソトロピー性が悪くなり、良好な引締め作用が得られないという問題があった。また、粘度をあまり高くしたり、皮膜形成物質を多く配合したりすると乾燥時間が長くなり、塗布の際に“のび”が悪くなるという問題が発生する。また、パック剤を皮膚に塗布するというパック型の化粧品であるためその使用が煩雑で必ずしも簡便ではない(例えば、特許文献1、2参照)。
さらに、保湿剤その他の化粧成分を配合したパック料をポリオレフィン繊維等の不織布からなるシート基材に担持させたシート状の化粧料も提案されている。しかしながら、このシート状化粧料は、使用上は簡便なものであるが、まだ皮膚に充分な潤いやしっとり感を与えるものとはいえなかった。また、このシート状化粧料は、これを適用する部位に応じて様々な大きさ、形状に形成されて提供されているが、額や目尻などの使用部位ごとのさまざまな形状のシート状化粧料を用いることは、商品の供給者にも使用者にも煩雑であるという問題や、或いは、シートの粘着性がよくない、皮膚に簡単に貼り付けることができない、使用後にシートが簡単に取り除けないなどという問題があった(例えば、特許文献3〜5参照)。
特開2005−60237号公報 特開2005−325056号公報 特開2002−220319号公報 特開2005−263759号公報 特開平6−48917号公報
本発明は、以上のような従来の皮膚の保湿や手入れのためのさまざまな化粧料の問題点を解決し、皮膚に対して非常に優れた保湿性やしっとり感、引締め作用などを与えると同時に、さらに、簡単に皮膚に貼り付けて使用することのできるフィルム状パック化粧料を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上述のような状況に鑑み鋭意検討を進めた結果、ある種のキトサンまたはコラーゲンを特定のポリビニルアルコールと組み合わせて主成分とし、これに他の化粧料成分を配合したものとすることによって、皮膚に対して保湿性やしっとり感、引締め作用などを与えるとともに、優れた柔軟性や可撓性を有するシート状の化粧料とすることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下の内容をその要旨とするものである。
(1)水溶性高分子量キトサンの塩またはフィッシュコラーゲンのいずれかまたは両者と、鹸化度が80〜95モル%であり、かつ数平均分子量が1万〜5万の範囲にある低分子量ポリビニルアルコールと数平均分子量が10万〜35万の範囲にある高分子量ポリビニルアルコールとの混合ポリビニルアルコールとを含有することを特徴とするフィルム状パック化粧料。
(2)高分子量キトサンが、キチンを脱アセチル化して得られた平均分子量が20万〜100万のキトサンであることを特徴とする前記(1)に記載のフィルム状パック化粧料。
(3)水溶性高分子量キトサンの塩が、高分子量キトサンの乳酸塩、酢酸塩、蟻酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、アジピン酸塩、L−アスコルビン酸および塩酸塩からなる群から選ばれるいずれかの化合物であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載のフィルム状パック化粧料。
(4)フィッシュコラーゲンが、魚の皮または鱗から得られた平均分子量が3000〜10000のコラーゲンであることを特徴とする前記(1)ないし(3)のいずれかに記載のフィルム状パック化粧料。
(5)混合ポリビニルアルコールが、数平均分子量が2万〜4万の低分子量ポリビニルアルコールと数平均分子量が15万〜25万の高分子量ポリビニルアルコールとの混合物であることを特徴とする前記(1)ないし(4)のいずれかの項に記載のフィルム状パック化粧料。
(6)さらに、多価アルコールを含有することを特徴とする前記(1)ないし(5)のいずれかに記載のフィルム状パック化粧料。
(7)さらに、ビタミンC、ビタミンEおよびビタミンLからなる群から選ばれる美容成分を含有することを特徴とする前記(1)ないし(6)のいずれかに記載のフィルム状パック化粧料。
(8)さらに、界面活性剤として脂肪酸エステル型の非イオン性界面活性剤を含有することを特徴とする前記(1)ないし(7)のいずれかに記載のフィルム状パック化粧料。
本発明のフィルム状パック化粧料は、水溶性高分子量キトサンの塩および/またはフィッシュコラーゲンとともにある一定範囲の鹸化度を有するとともに、比較的低い分子量のポリビニルアルコールと比較的高い分子量のポリビニルアルコールとを混合したポリビニルアルコールをベースとし、これにさらに保湿成分である多価アルコールやビタミンC等の美容成分を配合して、水に溶けやすいフィルム状としたものである。そして、この高分子量キトサンに含まれるグルコサミンやフィッシュコラーゲンに含まれるアミノ酸と、特定の性質を有するポリビニルアルコール、更にはその他の配合された保湿成分や美容成分との相互の作用によって、このシートを皮膚に貼付した際に、皮膚に保湿成分や美容成分を効率的に吸収させることができ、肌に張りやつや、しっとり感を与えることができるものである。さらに、本発明のフィルム状パック化粧料は、柔軟性と可撓性に富んだ被膜(フィルム)を形成しているので、皮膚に貼付した際に皮膚に対して付着性がよく、皮膚に密着して皮膚に対して保湿作用、引締め作用を及ぼすという効果がある。また、この皮膜(フィルム)は良好な水溶性の被膜であるので、水によって簡単に皮膚から洗い流すことができる。
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
本発明に使用する高分子量キトサンは、蟹やえびなどの甲殻類の殻に存在するキチン質を原料として、これらのキチン質からカルシウムやたんぱく質を除去してキチンとし、このキチンを水酸化ナトリウムで脱アセチル化処理して得ることができる。このキチンは、白色〜淡黄色〜淡赤色の物質で、セルロースと極めてよく似た構造であり、分子内に存在するアミノ基により強力な分子間結合力を持つ安定した天然高分子化合物である。本発明では、この高分子量キトサンを有機酸または無機酸の塩として水溶性としたもので、その平均分子量が20万〜100万程度のものである。
高分子量キトサンの塩を形成する酸としては、乳酸、酢酸、蟻酸、リンゴ酸、クエン酸、コハク酸、アジピン酸、L−アスコルビン酸等の有機酸、または塩酸等の無機酸が挙げられる。このような高分子量キトサンの塩は、水溶性であり、水に透明に溶解する。
水溶性高分子量キトサンの塩の配合量は、フィルム状パック化粧料の0.01〜10質量%であり、好ましくは0.1〜3質量%である。
一般にコラーゲンは牛や豚などの哺乳類の動物の肉、筋、腱、皮などから製造されているが、本発明に使用するフィッシュコラーゲンは、魚、特にたら科の魚を原料とし、魚の皮膚や鱗から得た水溶性のコラーゲンである。魚の皮膚や鱗からのコラーゲンを酵素を用いるなどの方法によって加水分解し、低分子量化したもので、その平均分子量が3000〜10000、好ましくは4000〜6000程度のものである。
本発明に使用するフィッシュコラーゲンは、これを加水分解したコラーゲンペプチドのアミノ酸組成において、アルギニン、アラニン、グリシン、プロリン、グルタミン酸、ヒドロキシプロリン、アスパラギン酸などを主たる構成アミノ酸とするものであるが、プロリンとヒドロキシプロリンの含有量が多いことが特徴である。
フィッシュコラーゲンの配合量は、フィルム状パック化粧料の0.01〜10質量%であり、好ましくは0.2〜5質量%である。
本発明のフィルム状パック化粧料には、上記の水溶性高分子量キトサンおよび/またはフィッシュコラーゲンとともに、鹸化度が80〜95モル%であり、かつ数平均分子量が1万〜5万の範囲にある低分子量ポリビニルアルコールと数平均分子量が10万〜35万の範囲にある高分子量ポリビニルアルコールとの混合ポリビニルアルコールを主成分として使用する。混合ポリビニルアルコールは、鹸化度が85〜95モル%のものがより好ましく、また低分子量ポリビニルアルコールの平均分子量が2万〜5万であり、高分子量ポリビニルアルコールの平均分子量が10万〜20万の範囲のものがより好ましい。また、低分子量ポリビニルアルコールと高分子量ポリビニルアルコールの混合比率は、質量比で1:5〜5:1程度の範囲である。
2種類のポリビニルアルコールの鹸化度と平均分子量が上記の範囲内のものを使用することによって、優れた水溶性と柔軟性、可撓性、強靭性とを兼ね備えた非常に優れた被膜を形成することができる。低分子量ポリビニルアルコールの数平均分子量が1万未満のものだけを用いると被膜形成性が悪く、強靭な被膜が得られない。また、高分子量ポリビニルアルコールの数平均分子量が35万を超えるものだけを用いると、得られる被膜が硬く、柔軟性の乏しいものとなり、本発明のシート状化粧料用に用いるフィルムとしては好ましくない。低分子量ポリビニルアルコールと高分子量ポリビニルアルコールとの配合比率も質量比で1:5〜5:1程度の範囲が好ましく、この範囲を超えて低分子量ポリビニルアルコールが多いと安定で強靭な被膜が得られず、また高分子量ポリビニルアルコールが多いとやはり柔軟性が乏しく、肌への密着性の悪いフィルムとなり、好ましくない。
本発明のフィルム状パック化粧料には、更に保湿成分である多価アルコールを配合することが好ましい。多価アルコールとしては、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコール、ソルビトール、トレハロース、ブドウ糖などが挙げられる。これらの多価アルコールの配合量は、1〜50質量%であり、好ましくは5〜40質量%である。
本発明のフィルム状パック化粧料には、さらに美容成分として、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンL等の皮膚の栄養成分や保湿成分を与える物質を配合することが好ましい。ビタミンC、ビタミンEなどの美容成分は、水溶性高分子量キトサン塩のグルコサミン残基やフィッシュコラーゲン中に含まれるアミノ酸との相互作用によって、皮膚に有効に吸収されて、皮膚に張り、つや、しっとり感を与える。
さらに、本発明のフィルム状パック化粧料には、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤を適宜配合することができる。これらの界面活性剤のうちでは非イオン界面活性剤が好ましく、特に、ソルビタン、グリセリン、蔗糖等の多価アルコールの脂肪酸エステル型の界面活性剤は、肌に対してなじみ性もよく親和性もよいので、皮膚につやとしなやかさを与える。本発明のフィルム状パック化粧料を多層に重ね合わせた場合に支持体フィルムからの剥離性が悪くなることがあるが、これらの界面活性剤を0.01〜5.0質量%配合することによって剥離性を改善することができる。
非イオン界面活性剤としては、ステアリン酸またはオレイン酸のモノまたはジソルビタンエステル、茶油やオリーブ油などの脂肪酸組成のモノまたはジグリセライドに代表される液体または固体油脂からのモノまたはジグリセライドが特に好ましい。
本発明のフィルム状パック化粧料には、上記の必要な各成分のほかに、さらに美白剤、紫外線吸収剤、血行促進剤、保湿剤、収斂剤、しわ形成予防・改善剤、温感剤、界面活性剤、防菌剤などの成分を配合することができる。
本発明のフィルム状パック化粧料は、以上のような各成分を配合したパック剤を支持体フィルム上に均一に薄く塗布し、水分を1〜20質量%程度に乾燥したものを製品とする。即ち、上述のパック剤の各成分のうち、まず水にポリビニルアルコールを加えて、泡などの入らないように溶解させる。次に、水溶性高分子量キトサンの塩、フィッシュコラーゲン、多価アルコール、あるいはビタミンCなどの美容成分、および必要に応じてその他の成分を配合し、混合して完全に溶解させる。
次に、この溶液を支持体フィルム上に均一に塗布する。支持体フィルムはポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステルなどのフィルムが好ましい。溶液の塗布は、この支持体フィルムの上にドクターブレードによって塗布すると塗布厚さを任意にコントロールすることができ、均一に塗布することができ好ましい。塗布方法はバッチ式でも連続式でもよく、塗布後室温または適当な加温下で乾燥する。乾燥後のシート状フィルムの含水率が1〜20質量%、好ましくは10〜15質量%となるように乾燥する。乾燥しすぎると可撓性が悪くなり、含水率が多すぎるとシートが破れやすくなり、また強靭性も低下する。
本発明のフィルム状パック化粧料のパック剤のフィルム部の厚さは10〜2000mμであり、好ましくは20〜1000mμである。本発明のフィルム状パック化粧料には多価アルコールが含まれているので、そのままでも切断加工等に適している。本発明のフィルム状パック化粧料は、支持体フィルムの上にパック剤を塗布し乾燥した後、その上に剥離紙を載せて製品とするか、支持体フィルムの上にパック剤を塗布したものを複数層積み重ねたものを製品とすることもできる。
本発明のフィルム状パック化粧料の使用方法は、顔またはその他の皮膚の全表面に、或いは目の周辺、口の周辺、頬などの顔の一部分に、適量の下地液として水または化粧水を塗布または噴霧して湿潤させた後、本発明のフィルム状パック化粧料の剥離紙をはがして肌に貼付する。濡れタオルなどで顔をよく拭いた後にその上に本発明のフィルム状パック化粧料を直接貼付してもよい。本発明のフィルム状パック化粧料を肌に密着させた後支持体フィルムを取り除き、貼り付けたフィルム状パック化粧料の上から水又は化粧水をその上から噴霧してもよい。水や化粧水以外に、乳液やクリームを使用して肌を湿潤させ、本発明のフィルム状パック化粧料を貼付する方法でもよい。肌に貼付した後、支持体フィルムを取り除く。
このようにして肌に貼付すると、水溶性キトサンやコラーゲンによる皮膚との親和性のため、シートの中に配合されたグリセリン等の多価アルコールやビタミンCなどの美容成分、茶油モノ又はジグリセライドなどの界面活性成分が、キトサン中のグルコサミンやコラーゲン中のアミノ酸およびポリビニルアルコールとの相互作用によって皮膚の内部に浸透または吸収され、皮膚を活性化し、種々の栄養分を与えることができる。
本発明のフィルム状パック化粧料を貼付したままでいると、体温や気温等によって比較的短時間で水分が揮散し、肌に対して引締め作用を及ぼすことができる。
使用後は、貼り付けたフィルムをふき取ったり、水で洗い流すことによって簡単に除去することができる。
次に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下に示す実施例に限定されるものではない。また、実施例中の「%」および「部」は特に別途注記しない限り質量基準である。
実施例1:
数平均分子量が3万〜3.7万で重量平均分子量が約7万のポリビニルアリコール(PVA−EG05、日本合成化学工業製、鹸化度86.5〜89.0%)の21.0部と、数平均分子量が約18万で重量平均分子量が約23万のポリビニルアルコール(PVA−EG30、日本合成化学工業製、鹸化度86.5〜89.0%)の9.0部を、70部の水に加え、加温しながらよく撹拌して溶解した。このポリビニルアリコール(以下「PVA」という)溶液に、PVAの固形分30部に対し、水溶性高分子量キトサン乳酸塩の液(平均分子量50万、コーヨーキトサンFLA−40、甲陽ケミカル株式会社製)の0.12部を加えて、十分に撹拌して完全に溶解した。次いで、この溶液にグリセリンを30部加えて、温めながら十分に撹拌して完全に溶解した。更に、これにビタミンCの0.1部とメチルパラベンの0.02部を加えてパック剤液とした。
このパック剤液を厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート製のフィルムの上に、ドクターブレードを用いて、厚さ100〜120μmのフィルム状に均一に塗布した。次に、このフィルムを70〜80℃の熱風乾燥炉に入れて、フィルム中の水分量が最終的に10%になるように乾燥を行った。乾燥後のフィルムの上に水分の揮散を防ぐためにポリエチレンテレフタレート製の剥離紙を積層する。このようにして、フィルム部の厚さが約40μmの本発明のフィルム状パック化粧料を得た。
実施例2:
実施例1と同一の成分と同一の配合量で、これに更に平均分子量が4000〜5000のフィッシュコラーゲン(フィッシュコラーゲンWP、マルハ株式会社製)の1.15部を加えて、実施例1と同様にして本発明のフィルム状パック化粧料を得た。
実施例3:
実施例2と同一の成分と同一の配合量で、これに更にソルビタンモノステアレート(花王株式会社製)の0.10部と茶油モノグリセライドの0.10部を加えて、実施例1と同様にして本発明のフィルム状パック化粧料を得た。
実施例1〜3で得た乾燥前の各パック剤の組成を表1に、乾燥後のパック剤シートの組成を表2に示す。
比較例1:
実施例2において、PVA−EG05の21.0部とPVA−EG30の9.0部に代えて、カルボキシメチルセルロースナトリウム(#1105、ダイセル化学株式会社製)30部を用い、その他の成分は実施例2と同様として、これらをグリセリン30部、水38.36部とよく攪拌・混合して溶解してパック剤液を調製し、実施例1と同様にしてポリエチレンテレフタレート製のフィルムの上に塗布して水分が10%になるように乾燥した。しかし、この場合には乾燥後の乾燥物はペースト状のままで透明で一定の強度のあるフィルム状とならず、支持体からフィルム状に剥がすことができなかった。
比較例2:
実施例3において、ポリビニルアルコールとして数平均分子量が3万〜3.7万で重量平均分子量が約7万の低分子量ポリビニルアリコール(PVA−EG05)のみを30.0部用いて、キトサンとしてコーヨーキトサンFLA−40(平均分子量50万)に代えて、キトサンLLWP(平均分子量10,000、君津化学製)の0.12部を、コラーゲンとしてフィッシュコラーゲンWP(平均分子量4000〜5000)に代えてオリゴコラーゲンLLWP(平均分子量1450)を用い、その他の成分は実施例3と同様として、比較例1と同様にしてポリエチレンテレフタレート製のフィルムの上に塗布して水分が10%になるように乾燥し、フィルム状パック化粧料を作成した。
比較例3:
比較例2において、ポリビニルアルコールとして数平均分子量が約18万で重量平均分子量が約23万の高分子量ポリビニルアリコール(PVA−EG30)のみを30.0部用いて、その他は比較例2と同様の方法によって、水分10%に乾燥してフィルム状パック化粧料を作成した。
比較例1〜3についても、同様に乾燥前のパック剤の組成を表1に、乾燥後のパック剤シートの組成を表2に示す。
Figure 2008255073
Figure 2008255073
以上の実施例1〜3および比較例1〜3のフィルム状パック化粧料について、以下のような項目についてその評価を行った。
(1)使用テストによる評価
実施例1〜3および比較例1〜3のフィルム状パック化粧料を用いて、20〜55才の女性10人をパネラーとして、その実際の使用感を、密着性、乾燥性、引締め作用、肌のしっとり感の項目について、以下に記載した評価基準によって評価した。
(イ) 密着性
肌に貼付して使用する際に、肌にぴったり密着しているとの満足の感じを次の基準で評価した。
◎・・・パネラーの8人以上が満足。
○・・・パネラーの5〜7人以上が満足。
△・・・パネラーの4人以下が満足。
(ロ) 乾燥性
肌に少量の水をスプレーした後に、肌の上にフィルム状パック化粧料を貼付して、指先で表面を触ったときの乾燥の状態から、乾燥の速さを評価した。
◎・・・パネラーの8人以上が乾燥が速いと感じた。
○・・・パネラーの5〜7人以上が乾燥が速いと感じた。
△・・・パネラーの4人以下が乾燥が速いと感じた。
(ハ) 肌の引締め作用
(ロ)で乾燥性を評価した後、フィルム状パック化粧料を洗い流して、貼付した後の肌を触って肌の引締め作用の状態を評価した。
◎・・・パネラーの8人以上が肌の引締め作用に満足した。
○・・・パネラーの5〜7人以上が肌の引締め作用に満足した。
△・・・パネラーの4人以下が肌の引締め作用に満足した。
(ニ) 肌のしっとり感
(ロ)で乾燥性を評価した後、フィルム状パック化粧料を洗い流して、貼付した後の肌を触って肌のしっとり感を評価した。
◎・・・パネラーの8人以上が肌のしっとり感に満足した。
○・・・パネラーの5〜7人以上が肌のしっとり感に満足した。
△・・・パネラーの4人以下が肌のしっとり感に満足した。
(2)その他の評価
(イ) 使用のしやすさ
実施例1〜3および比較例1〜3のフィルム状パック化粧料を用いて、剥離紙の剥がしやすさ、顔面への貼付のしやすさ、支持フィルムの剥がしやすさを、同様に10人のパネラーによって評価し、その平均的評価結果から以下のように分類した。
◎・・・剥離紙も支持フィルムも剥離しやすく、貼付もしやすい。
○・・・剥離紙も支持フィルムも剥離しやすいが、やや貼付しにくい。
△・・・剥離紙も支持フィルムも剥離しにくく、やや貼付しにくい。
(ロ) フィルムを積層したときの剥離しやすさ
実施例1〜3および比較例1〜3のフィルム状パック化粧料について、これを10枚重ね合わせて積層したものを作り、この剥がしやすさ、支持体フィルムから顔面への貼付のしやすさを評価した。
◎・・・剥離しやすく、貼付もしやすい。
○・・・剥離しやすく、やや貼付しにくい。
△・・・剥離しにくく、やや貼付しにくい。
(ハ) 引張り強度試験
実施例1〜3および比較例1〜3の各フィルム状パック化粧料について、フィルムの幅10mm、長さ100mmの試験片をそれぞれ10個作り、これらを用いて引張試験機で破断時の荷重を測定し、10個の試験片の平均値を求めた。
(ニ) 溶解速度試験
実施例1〜3および比較例1〜3の各フィルム状パック化粧料について、それぞれの2cm角に切った試験片を作り、肌に近い温度である36℃の水中での溶解速度を、200mlのビーカーを用いて100mlの水中で解け崩れるまでの時間(分)を測定した。
以上のそれぞれの評価試験の結果を表3に示す。
Figure 2008255073
表3の結果からわかるように、本発明のフィルム状パック化粧料である実施例1〜3のものはいずれも良好な肌への密着性、乾燥性、肌の引締め感、しっとり感を示し、肌への貼付のしやすさや支持体フィルムの剥離しやすさも良好なものであった。また、フィルム自体の引張強度も十分にあり、温水への溶解速度も良好である。特に実施例3のものは茶油モノグリセライドやソルビタモノステアレートを配合し、より一層溶解性の優れたものである。
これに対して、本発明に使用するような混合ポリビニルアルコールの代わりにCMCを使用した比較例1のものは、乾燥後においてもペースト状を呈して一定の強度のあるフィルムとならず、引張強度は測定できず、溶解速度も比較できなかった。また、密着性、乾燥性、肌の引締め感、しっとり感等の肌への効果においても、あまり良好な結果は得られなかった。
比較例2はポリビニルアルコールとして平均分子量が3万の低分子量のもののみを用い、キトサンとコラーゲンも分子量の小さいものを使用したものであるが、密着性、乾燥性、肌の引締め感、しっとり感等の肌への効果としてはある程度良好な効果を示すが、得られたフィルム自体が引張強度が低く、十分な強度を持ったフィルムを得ることができず、剥離時に破れる等の問題があった。また、比較例3はポリビニルアルコールとして平均分子量が10万の高分子量のもののみを用い、キトサンとコラーゲンとして分子量の小さいものを使用したものであるが、得られたフィルムが硬くて柔軟性がなく、肌への密着性が悪く、乾燥性、肌の引締め感、しっとり感等の肌への効果としても満足なものが得られなかった。
本発明のフィルム状パック化粧料は、支持体の上に塗布されたシート状の化粧料で、肌に張りやつや、しっとり感、引締め作用を与えることができるものである。従って、従来から使用されているパック型化粧料に代わって広く利用することができる。

Claims (8)

  1. 水溶性高分子量キトサンの塩またはフィッシュコラーゲンのいずれかまたは両者と、鹸化度が80〜95モル%であり、かつ数平均分子量が1万〜5万の範囲にある低分子量ポリビニルアルコールと数平均分子量が10万〜35万の範囲にある高分子量ポリビニルアルコールとの混合ポリビニルアルコールとを含有することを特徴とするフィルム状パック化粧料。
  2. 高分子量キトサンが、キチンを脱アセチル化して得られた平均分子量が20万〜100万のキトサンであることを特徴とする請求項1に記載のフィルム状パック化粧料。
  3. 水溶性高分子量キトサンの塩が、高分子量キトサンの乳酸塩、酢酸塩、蟻酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、アジピン酸塩、L−アスコルビン酸塩および塩酸塩からなる群から選ばれるいずれかの化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載のフィルム状パック化粧料。
  4. フィッシュコラーゲンが、魚の皮または鱗から得られた平均分子量が3000〜10000のコラーゲンであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかの項に記載のフィルム状パック化粧料。
  5. 混合ポリビニルアルコールが、数平均分子量が2万〜4万の低分子量ポリビニルアルコールと数平均分子量が15万〜25万の高分子量ポリビニルアルコールとの混合物であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかの項に記載のフィルム状パック化粧料。
  6. さらに、多価アルコールを含有することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかの項に記載のフィルム状パック化粧料。
  7. さらに、ビタミンC、ビタミンEおよびビタミンLからなる群から選ばれる美容成分を含有することを特徴とする請求項1ないし6のいずれかの項に記載のフィルム状パック化粧料。
  8. さらに、界面活性剤として脂肪酸エステル型の非イオン性界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1ないし7のいずれかの項に記載のフィルム状パック化粧料。
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