JP3593646B2 - バースト光送信回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バーストデータを光信号に変換して送信するバースト光送信回路に関する。
近年のマルチメディア通信に対応して光信号による高速且つ大容量の通信が実用化されている。このような光通信システムに於いて、連続的なデータ通信と、光加入者システム等に於けるバーストデータ通信とがあり、本発明は、バーストデータを光信号に変換して安定に送信するバースト光送信回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
図14は従来例の説明図であり、101は半導体レーザ、102はモニタ用のフォトダイオード、103は電流・電圧変換回路(I/V)、104はAPC(Automatic Power Control)増幅器、105は駆動回路、107は保持回路、Dはダイオード、Cはコンデンサを示す。
【0003】
駆動回路105は、バースト的に入力されたデータDATAに従って半導体レーザ101に駆動電流を供給するものであり、半導体レーザ101の光出力は図示を省略した光ファイバを介して受信側へ送信され、その光出力の一部をモニタ用のフォトダイオード102により検出し、電流・電圧変換回路104により電圧に変換し、APC増幅器104に入力する。APC増幅器104は、電圧・電流変換回路104の出力信号と基準値とを比較し、その比較差分に相当する信号を保持回路107に加える。
【0004】
保持回路107は、ダイオードDとコンデンサCとからなるピークホールド回路に相当する場合を示し、このコンデンサCにより保持した値を電流制御信号として駆動回路105に加える。それにより、半導体レーザ101の光出力が設定値より大きくなると、駆動回路105から半導体レーザ101に供給する駆動電流を低下させ、反対に、半導体レーザ101の光出力が設定値より小さくなると、駆動回路105から半導体レーザ101に供給する駆動電流を増加させて、光出力を安定化させる。
【0005】
又バースト的に入力されるデータDATAの中断期間中は、保持回路107のコンデンサCに電流制御信号が保持されている。従って、中断期間後に入力されたデータDATAに対しても、直ちに所定の光出力に制御して光信号を送信することができる。即ち、保持回路107は駆動回路105に入力する電流制御信号を、バーストデータの中断期間中保持するものである。
【0006】
又半導体レーザ101は、例えば、図15に示すように、駆動電流に対応した光出力となるものである。従って、前述のように、光出力をモニタして、駆動電流を制御することによって、光出力を安定化することができる。しかし、温度TがT1<T2として示すように低下すると、同一の駆動電流でも光出力は著しく大きくなる特性を有するものである。そこで、半導体レーザ101の温度特性を補償する為の温度補償回路を設けることも提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
バーストデータを光信号に変換して送信する場合、バーストデータの中断期間が比較的長い場合が多いものである。例えば、図16に示すように、データDATAがバースト的に入力された時、前述の制御により、LD電流(半導体レーザの駆動電流)が制御されて光出力が一定化され、データDATAの中断期間後に再度入力された時に、温度変化が生じる可能性が大きく、特に温度が低下した場合、保持回路107に保持されている電流制御信号を基に駆動回路105から半導体レーザ101に駆動電流を供給した時、図15の特性から判るように、半導体レーザ101の光出力は著しく大きくなることから、半導体レーザ101が破損する問題がある。
【0008】
又半導体レーザの光出力をモニタし、それをサンプリングホールドし、そのホールド値を基準値と比較して制御電圧供給部に入力するAPC回路に於いて、温度補償電流発生部と温度補償電圧発生部とを設けて、温度補償電流発生部からの周囲温度に対応した電流を温度補償電圧発生部に入力し、電圧に変換して制御電圧供給部に入力して、温度変化が大きい場合のバーストデータ入力初期時の半導体レーザの駆動電流を制御し、過大な光出力とならないようにする構成が提案されている(例えば、特開平9−260720号公報参照)。しかし、構成が複雑化してコストアップとなる問題がある。
【0009】
又半導体レーザの光出力をモニタし、それをサンプリングホールドし、そのホールド値と基準値とを比較して半導体レーザの駆動電流を制御するAPC回路に於いて、電源オン時又はオフ時に、サンプルホールド回路をリセットして、誤動作防止を行う構成が提案されている(例えば、特開平5−131675号公報参照)。しかし、バーストデータの送信に関するものではなく、そのバーストデータの中断期間に於ける温度変化が発生した場合の前述の問題点及びその解決手段については開示されていない。
【0010】
本発明は、バーストデータが比較的長時間の中断期間を有する場合もあり、この中断期間内に温度変化が発生した場合でも、安定なバースト光送信を簡単な構成によって実現することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明のバースト光送信回路は、(1)バースト的に入力されるデータDATAを光信号に変換する半導体レーザ1と、この半導体レーザ1の出力光をモニタするフォトダイオード2と、このフォトダイオード2による検出電流を電圧に変換する電流・電圧変換回路3と、この電流・電圧変換回路3の出力信号を基準値と比較するAPC増幅器4と、このAPC増幅器4の出力信号を保持して電流制御信号とする保持回路7と、この保持回路7に保持された電流制御信号と入力されたデータDATAとに従って半導体レーザ1に供給する電流を制御する駆動回路5とを含み、保持回路7は、保持している電流制御信号をリセット可能の構成とし、駆動回路5に入力されるデータDATAの中断期間を検出して、保持回路7をリセットするデータ断検出回路6を設けたものである。
【0012】
又(2)保持回路7は、APC増幅器4の出力信号のピーク検出値を保持するピーク検出回路と、データ断検出回路6からのリセット信号によって、ピーク検出回路をリセットするスイッチ回路とを備えている。又APC増幅器4の出力信号に対応した値を電流制御信号とするように切替設定し、又データ断検出回路6からのリセット信号によりリセット値に切替設定するスイッチ回路により構成することもできる。又ディジタル値として保持し、リセット信号によってリセットする構成とすることできる。又リセット信号によって所定の初期設定値とするように構成することもできる。
【0013】
又データ断検出回路6と保持回路7との間にタイマーを設け、データ断検出回路6からのリセット信号をタイマーの設定時間後に保持回路7に入力してリセット動作を行わせる構成とすることもできる。
【0014】
又駆動回路5にデータDATAとクロック信号とが入力される構成に於いて、データ断検出回路による断検出信号とクロック断検出回路による断検出信号との何れによっても保持回路7のリセットを行う構成とすることができる。又データ断検出回路と温度変化検出回路とを設け、データDATAの中断期間中の温度変化を検出した場合のみ、保持回路7をリセットする構成とすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の第1の実施の形態の説明図であり、1は半導体レーザ、2はモニタ用のフォトダイオード、3は電流・電圧変換回路(I/V)、4はAPC増幅器、5は駆動回路、6はデータ断検出回路、7はリセット付き保持回路を示す。なお、半導体レーザ1に光結合した光ファイバは図示を省略している。
【0016】
駆動回路5にはバースト的にデータDATAが入力される。又半導体レーザ1の光出力をモニタ用のフォトダイオード2により検出し、電流・電圧変換回路3により電圧に変換し、APC増幅器4に入力する。APC増幅器4は、基準値と比較して差分の信号をリセット付き保持回路7に入力し、サンプルホールド回路と同様にコンデンサ等によって保持して電流制御信号とし、この電流制御信号を駆動回路5に入力する。
【0017】
又データ断検出回路6によりバースト的に入力されるデータDATAの中断状態を検出し、リセット信号をリセット付き保持回路7に入力して、APC増幅器4の出力を保持した電流制御信号をリセットする。
【0018】
従って、バーストデータの中断期間が長く、且つその間に温度変化が大きい場合でも、リセット付き保持回路7の保持内容はリセットされているから、駆動回路5は、データDATAの入力初期の駆動電流を初期状態に制御することができる。即ち、バーストデータの中断期間に温度が低下しても、半導体レーザ1の光出力が過大になることを自動的に且つ確実に防止できる。
【0019】
図2は本発明の第1の実施の形態の回路構成の説明図であり、図1と同一符号は同一部分を示し、Q1〜Q9は電界効果トランジスタ(FET)で、Q7,Q8はディプレッション型電界効果トランジスタを示す。以下トランジスタと略称する。又C1〜C3はコンデンサ、R1〜R7は抵抗、CI1〜CI4は定電流源、SW1はスイッチ回路、VDD,VSSは電源電圧、Vrは基準電圧、G1は相補出力のゲート回路、G2は反転出力のゲート回路(インバータ)を示す。
【0020】
電流・電圧変換回路3は、抵抗R6とダイオードD7とコンデンサC1とにより構成した場合を示し、半導体レーザ1の光出力に対応したフォトダイオード2の出力電流のピーク検出を行い、コンデンサC1の端子電圧を電流・電圧変換による電圧としてAPC増幅器4に入力する。APC増幅器4は基準電圧Vrと比較し、差分の出力信号をリセット付き保持回路7に入力する。
【0021】
リセット付き保持回路7は、ダイオードD8とコンデンサC2とからなるピーク検出回路と、スイッチ回路SW1とを含み、APC増幅器4の出力信号を、ダイオードD8とコンデンサC2とによってピーク検出して、コンデンサC2によりその検出値を電流制御信号として保持する。又スイッチ回路SW1は、リセット信号によってオンとなり、抵抗R7を介してコンデンサC2の放電を行うもので、コンデンサC2に保持されていた電流制御信号はリセットされる。
【0022】
データ断検出回路6は、ゲート回路G1と定電流源CI4とトランジスタQ9とコンデンサC3とを含む構成を有し、コンデンサC3は、トランジスタQ9を介して定電流源CI4から充電され、又リセット付き保持回路7のスイッチ回路SW1側のインピーダンスを介して放電される。なお、放電時定数に対応した抵抗を接続することも可能である。
【0023】
データDATAが“1”の時、ゲート回路G1の反転出力信号は“0”となり、トランジスタQ9はオフとなる。又データDATAが“0”の時、ゲート回路G1の出力信号は“1”となり、トランジスタQ9はオンとなる。この時、コンデンサC3は定電流源CI4によって充電される。従って、データDATAが入力されている時は、そのデータDATAに従ってトランジスタQ9はデータDATAの“0”,“1”に従ってオン,オフを繰り返し、それによって、コンデンサC3は充放電を繰り返すことになるが、設定値を超えないように充電時定数や放電時定数が設定されている。
【0024】
又バースト的に入力されるデータDATAが中断状態となると、データとしては連続して“0”の状態となるから、トランジスタQ9は連続してオン状態となり、コンデンサC3は定電流源CI4から継続して充電され、コンデンサC3の端子電圧が設定値を超えることになる。それにより、リセット付き保持回路7にリセット信号が入力される。このリセット信号により、前述のようにスイッチ回路SW1がオンとなってコンデンサC2の充電電荷を抵抗R7を介して放電することにより、リセット動作を行う。
【0025】
又駆動回路5は、データDATAが入力されるゲート回路G1の非反転出力端子からトランジスタQ1のゲートに、又反転出力端子からトランジスタQ2のゲートにそれぞれ出力信号を入力し、トランジスタQ1,Q2のソースに共通接続した定電流源CI1と共に差動回路を構成し、又トランジスタQ3,Q4とダイオードD1〜D4と定電流源CI2,CI3とによりレベル変換回路を構成し、レベル変換した信号をトランジスタQ5,Q6のゲートにそれぞれ入力する。
【0026】
トランジスタQ5,Q6のソースに共通接続したトランジスタQ7に電流制御信号を入力して、トランジスタQ6を介して半導体レーザ1に供給する電流値を制御する。このトランジスタQ7は前述のようにディプレション型とすることにより、保持回路7をリセットして電流制御信号の値を零とした時、殆ど電流が流れない状態とすることができる。又抵抗R5の設定により、トランジスタQ8を介して半導体レーザ1のバイアス電流を供給することもできる。
【0027】
前述のように、半導体レーザ1の光出力をフォトダイオード2によりモニタし、電流・電圧変換回路3により電圧値としてAPC増幅器4に入力し、基準電圧Vrと比較し、差分出力信号をリセット付き保持回路7に入力して、コンデンサC2により保持し、それを電流制御信号として駆動回路5のトランジスタQ7のゲートに入力し、データDATAの“1”による半導体レーザ1に流れる電流の大きさを制御し、光出力を所定値とすることになる。
【0028】
そして、バースト的に入力されるデータDATAの中断期間では、データ断検出回路6のコンデンサC3の端子電圧が上昇してリセット信号がリセット付き保持回路7に入力され、コンデンサC2に保持されている電流制御信号がリセットされる。従って、この中断期間が比較的長く、その間に温度が低下した場合、次に入力されるデータDATAの初期に於いては、電流制御信号は零の状態となるから、半導体レーザ1に供給される電流も最小に制御され、従って、光出力が極端に増大することがなくなる。そして、この光出力が所定値となるように、APC増幅器4を介した制御ループによって、半導体レーザ1の駆動電流がトランジスタQ7を介して制御される。
【0029】
図3は本発明の第1の実施の形態の動作説明図であり、バースト的に入力されるデータDATAと、駆動回路5から半導体レーザ1に供給されるLD電流と、半導体レーザ1の光出力とを示し、中断期間が比較的長く、温度が低下した場合であっても、中断期間後のデータDATAに対して、リセット付き保持回路7はリセットされているから、駆動回路5から半導体レーザ1に供給する電流は最小となり、そして、光出力を所定値にする為に次第に増大するように制御される。このLD電流に従って光出力も次第に増大する。即ち、中断期間中に温度が低下しても、入力されたデータDATAの初期に半導体レーザ1の光出力が過大になることを防止てきる。
【0030】
図4は本発明の第2の実施の形態の説明図であり、11は半導体レーザ、12はフォトダイオード、13は電流・電圧変換回路(I/V)、14はAPC増幅器、15は駆動回路、16はデータ断検出回路、17はリセット付き保持回路、SW2はスイッチ回路である。
【0031】
リセット付き保持回路17のスイッチ回路SW2は、図2のリセット付き保持回路7のピーク検出回路とスイッチ回路SW1とを兼用させた構成を有するものであり、APC増幅器14の出力信号に対応してスイッチ回路SW2は、電流制御信号としてV〜Vの中の一つを選択する。
【0032】
例えば、半導体レーザ11の光出力が所定値以下の場合、このV〜Vの中の大きい方の値を選択して保持して電流制御信号とする。それにより、駆動回路15から半導体レーザ11に供給される電流を大きくして、光出力を所定値となるように制御する。又リセット付き保持回路17は、データ断検出回路16により、データDATAが中断状態となったことを検出した時のリセット信号によって、零又は最低の値Vを選択する。即ち、APC増幅器14の出力信号に対応した電流制御信号をリセットする。
【0033】
それにより、中断期間中に温度が低下した時でも、データDATAの入力初期に於いて、半導体レーザ11の光出力が過大になることを防止できる。又この場合、零等の最低値Vの代わりに、それより大きいV,V,・・等の或る初期設定値を定めて、リセット信号に入力された時に、初期設定値に切替選択するようにスイッチ回路SW2を構成することも可能である。
【0034】
図5は本発明の第3の実施の形態の説明図であり、21は半導体レーザ、22はフォトダイオード、23は電流・電圧変換回路(I/V)、24はAPC増幅器、25は駆動回路、26はデータ断検出回路、27はディジタル保持回路、28はアップダウンカウンタ(U/D)、29はDA変換器(D/A)を示す。
【0035】
ディジタル保持回路27は、APC増幅器24の出力信号に対応してアップカウント又はダウンカウントするアップダウンカウンタ28と、そのカウント内容をアナログの電流制御信号とするDA変換器29とから構成され、例えば、光出力が設定値を超えている時のAPC増幅器24の出力信号によってダウンカウントし、光出力が設定値より低い時のAPC増幅器24の出力信号によってアップカウントする構成とし、このカウント内容をDA変換器29によってアナログ信号に変換し、これを電流制御信号とすることができる。即ち、図1,図2に示すリセット付き保持回路7はアナログ構成であるが、この実施の形態のディジタル保持回路27はディジタル構成としたものである。
【0036】
そして、データ断検出回路26からのリセット信号によってアップダウンカウンタ28をリセットし、初期値の例えば0とする。即ち、ディジタル保持回路27は、前述のリセット付き保持回路7,17をディジタル回路によって実現した場合に相当し、データ断検出回路26からのリセット信号によって保持内容がリセットされる。なお、他の各部の構成は、図1,図2又は図4に示す実施の形態と同様な構成である。
【0037】
従って、バースト的に入力されるデータDATAの中断期間をデータ断検出回路26によって検出し、ディジタル保持回路27のアップダウンカウンタ28をリセットし、駆動回路25に入力する電流制御信号を、半導体レーザ21の駆動電流が最小となるようにしておくものである。それにより、中断期間中に温度が変化して低くなった場合でも、次のデータDATAの入力時には、半導体レーザ21の光出力が過大になることを防止できることになる。
【0038】
図6は本発明の第4の実施の形態の説明図であり、31は半導体レーザ、32はフォトダイオード、33は電流・電圧変換回路(I/V)、34はAPC増幅器、35は駆動回路、36はデータ断検出回路、37はディジタル保持回路、38はAD変換器(A/D)、39はメモリ(ROM)、40はDA変換器(D/A)を示す。
【0039】
ディジタル保持回路37は、AD変換器38とメモリ39とDA変換器40とを含み、データ断検出回路36からのリセット信号によって、例えば、AD変換器38の入力値をリセットし、電流制御信号を0とする。又メモリ39は、APC増幅器34の出力信号の大きさに対応したディジタル値をアドレスとして、電流制御信号に相当するデータを格納したリードオンリメモリやEEPROM等により構成されている。
【0040】
メモリ39に格納されるデータとしては、例えば、光出力が設定値より大きい時のAPC増幅器38の出力信号により、小さい値が読出され、光出力が設定値より小さい時のAPC増幅器38の出力信号により、大きい値が読出されるように構成することができる。又駆動回路35やデータ断検出回路36等の他の各部の構成は、図1,図2,図4又は図5に示す各部の構成と同様の構成とすることができる。
【0041】
この実施の形態に於いても、バースト的に入力されるデータDATAの中断期間をデータ断検出回路36によって検出して、ディジタル保持回路37をリセットし、次に入力されるディジタルDATAに従って駆動回路35から半導体レーザ31に供給する電流値を抑制することによって、中断期間中に温度が低下しても、過大な光出力となることを防止できる。
【0042】
図7は本発明の第5の実施の形態の要部説明図であり、データ断検出回路46とタイマー48とを示し、G3はゲート回路、Q10はトランジスタ、CI5は定電流源、C4はコンデンサ、FF1〜FFnはフリップフロップ、DATAはデータ、CLKはクロック信号を示す。又フリップフロップFF1〜FFnのDはデータ端子、Qは出力端子、*Qは反転出力端子、CKはクロック端子、CLはクリア端子、Rはリセット端子を示す。この場合、クリア端子CLとリセット端子Rとにハイレベル(“1”)が入力されると、フリップフロップはリセットされるものとする。
【0043】
データ断検出回路46は、データDATAの“1”によりトランジスタQ10がオンとなってコンデンサC4を定電流源CI5から充電する構成の場合を示し、このコンデンサC4の端子電圧をタイマー48に入力する。バースト的なデータDATAが入力されている時は、データ断検出回路46のトランジスタQ10はオンとなって、コンデンサC4の充電が行われ、所定値を超えると(ハイレベルとなると)、タイマー48のフリップフロップFF1〜FFnは総てリセットされる。従って、終段のフリップフロップFFnの出力端子Qからのリセット信号は“0”となる。
【0044】
データDATAの中断期間に於いては、データ断検出回路46のトランジスタQ10がオフとなり、コンデンサC4は図示を省略した放電回路又はフリップフロップFF1〜FFnを介して放電し、その端子電圧が所定値以下(ローレベル)となる。それにより、フリップフロップFF1〜FFnは動作状態に移行できることになり、その時の最初のクロック信号CLKによりフリップフロップFF1がセットされてその出力端子Qが“1”となる。以下順次クロック信号CLKによってフリップフロップFF2〜FFnの出力端子Qが“1”となり、終段のフリップフロップFFnから“1”のリセット信号が、図示を省略したリセット付き保持回路又はディジタル保持回路に入力されて、駆動回路の電流制御信号が零又は所定の初期値になるようにリセットされる。
【0045】
データ断検出回路46は、アナログ的にデータDATAの中断期間の開始を検出することになり、ばらつきが大きいものとなる。そこで、タイマー48を設けることにより、クロック信号CLKの精度で、データDATAの中断期間の開始からリセット信号送出するまでの時間を正確に設定することができる。
【0046】
又タイマー48の設定時間は、フリップフロップFF1〜FFnの縦続接続個数によって容易に決定することができる。又タイマー48は、データ断検出回路46の検出信号を所定時間遅延させる構成に相当し、又図示の構成以外の各種の構成を適用することができる。又バースト的なデータDATAの中断期間が短い場合、温度変化も無視できる程度の状態であれば、リセット付き保持回路又はディジタル保持回路をリセットする必要がない場合もある。このような場合に、リセット信号が出力されないように、タイマー48の設定時間を定めることも可能である。
【0047】
図8は本発明の第6の実施の形態の説明図であり、51は半導体レーザ、52はフォトダイオード、53は電流・電圧変換回路(I/V)、54はAPC増幅器、55は駆動回路、56はデータ断検出回路、57はディジタル保持回路、58はアップダウンカウンタ(U/D)、59はDA変換機(D/A)を示す。
【0048】
この実施の形態は、バースト的なデータDATAの中断状態の時のデータ断検出回路56からのリセット信号を、初期ロード信号として、ディジタル保持回路57のアップダウンカウンタ58に加えて、初期値をロードする。
【0049】
図9は本発明の第6の実施の形態の動作説明図であり、バースト的なデータDATAに対して、中断期間に於いて電流制御信号をリセットした場合を(a)に、又前述のように初期値をロードした場合を(b)に示す。即ち、電流制御信号をリセットした場合は、半導体レーザに供給する電流、即ち、LD電流は最小値から増加させることになり、従って、光出力が設定レベルPLに到達するまでの復帰時間が長くなるが、電流制御信号を初期設定値となるようにリセットした場合は、半導体レーザに供給する電流、即ち、LD電流は或る初期値から増加することになり、従って、光出力が設定レベルPLに到達するまでの復帰時間が短くなる。
【0050】
この初期値のロードについて、例えば、図4に示す実施の形態に於けるスイッチ回路SW2を、リセット信号によって或る値の電流制御信号を選択させる構成とすれば、同様の効果が得られる。又図6に示す実施の形態に於けるリセット信号によって、メモリ39から初期値が読出されるアドレスを出力するようにA/D変換器38を制御する構成とすることによっても、同様の効果が得られる。
【0051】
図10は本発明の第7の実施の形態の説明図であり、61は半導体レーザ、62はフォトダイオード、63は電流・電圧変換回路(I/V)、64はAPC増幅器、65は駆動回路、66はデータ断検出回路、67は保持回路、68はクロック断検出回路、69はオア回路を示す。
【0052】
駆動回路65にデータDATAとクロック信号CLKとが入力される構成に於いて、バースト的なデータDATAの中断期間をデータ断検出回路66に於いて検出し、保持回路67をオア回路69を介してリセットする構成は、前述の各実施の形態と同様である。この実施の形態は、クロック信号CLK断の時に、駆動回路65が正常動作することができなくなるから、クロック断検出回路68によりクロック信号CLK断を検出した時は、保持回路67にリセット信号を入力して、駆動回路65から半導体レーザ61に供給される駆動電流を最小に制御するものである。
【0053】
それにより、データDATAの中断及びクロック信号CLKの断を検出した時に、駆動回路65に入力する電流制御信号をリセットするから、温度変化が生じた場合でも、次にデータDATAの入力又はクロック信号CLKの断回復時に、光出力の過大な増加を回避することができる。
【0054】
図11は本発明の第8の実施の形態の説明図であり、71は半導体レーザ、72はフォトダイオード、73は電流・電圧変換回路(I/V)、74はAPC増幅器、75は駆動回路、76はデータ断検出回路、77は保持回路、78はオア回路、79は外部端子を示す。
【0055】
この実施の形態は、図10に示す実施の形態と殆ど同じ構成及び動作を行うものであるが、外部端子79からリセット信号を保持回路77に入力できる構成とした場合を示し、各種の試験等を行う場合に、上位装置或いは手動によって外部端子79からリセット信号を入力することを可能としたものである。即ち、保持回路77を初期状態にリセットして、APC動作を開始させ、その応答特性等を試験することができる。
【0056】
図12は本発明の第9の実施の形態の説明図であり、81は半導体レーザ、82はフォトダイオード、83は電流・電圧変換回路(I/V)、84はAPC増幅器、85は駆動回路、86はデータ断検出回路、87は保持回路、88はアンド回路、89は温度変化検出回路、90は温度センサーを示す。
【0057】
この実施の形態は、データ断検出回路86によりバースト的に入力されるデータDATAの中断を検出し、この検出信号(“1”)をアンド回路88に入力する。又温度変化検出回路89は、サーミスタ等の温度センサー90により検出する温度が変化するか否かを検出するもので、温度変化が所定値以上の場合に温度変化検出信号(“1”)をアンド回路88に入力する。その場合に、アンド回路88から“1”のリセット信号が保持回路87に入力され、駆動回路85に入力する電流制御信号がリセットされる。即ち、データDATAの中断期間中に温度変化があった場合のみ、保持回路87をリセットするものである。
【0058】
図13は本発明の第9の実施の形態の温度変化検出回路の説明図であり、91はAD変換器(A/D)、92はタイマー、93は遅延回路、94,96はフリップフロップ(D−F/F)、95はナンド回路である。
【0059】
タイマー92の出力信号は周期T0で発生されてフリップフロップ94のクロック端子CKに入力され、又遅延時間T0の遅延回路93を介してフリップフロップ96のクロック端子CKに入力される。又温度センサー90に定電流源を接続し、その温度センサー90の両端の電圧を温度検出信号とし、AD変換器91によりディジタル信号に変換し、フリップフロップ94のデータ端子Dとナンド回路95とに入力する。
【0060】
フリップフロップ94は周期T0毎のAD変換器91からのディジタル信号を保持することになり、この保持されたディジタル信号と、時々刻々AD変換器91から出力されるディジタルとをナンド回路95に於いて比較し、温度が変化しなければ、ナンド回路95の出力信号は“0”となり、この出力信号がフリップフロップ95のデータ端子Dに入力されるから、フリップフロップ96の出力信号は“0”を継続する。又周期T0内で温度が変化すると、ナンド回路95の出力信号が“1”となり、その時、遅延回路93を介したタイマー92の出力信号によって、フリップフロップ94がセットされ、“1”の温度変化検出信号を出力することになる。
【0061】
従って、データDATAの中断期間が長い場合でも、その間に温度変化がなければ、保持回路87のリセットを行わないので、例えば、図9に於ける復帰時間を零に近づけることができる。
【0062】
本発明は、前述の各実施の形態にのみ限定されるものではなく、各実施の形態の組合せや他の構成の付加変更も可能である。又データ断検出回路もディジタル回路によってバースト的なデータDATAの中断を検出する構成とすることができる。又半導体レーザに駆動電流を供給する駆動回路は、FET構成の場合を示すが、バイポーラ・トランジスタにより構成することも可能である。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、バースト的に入力されるデータDATAの中断をデータ断検出回路6によって検出し、保持回路7に保持された電流制御信号をリセットすることにより、中断期間が長く、且つ温度変化がある場合でも、次に入力されるデータDATAに従った半導体レーザ1の光出力を初期状態から増加させることになり、過大な光出力となることを自動的に且つ確実に防止できる利点がある。又データ断検出回路6や保持回路7のリセット機構は簡単な構成であるから、コストアップとなる問題もなく、光送信回路としての信頼性を向上することができる。又リセット信号によって電流制御信号を零にリセットすることなく、或る値の初期設定値にリセットすることによって、復帰時間を短縮することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の説明図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の回路構成の説明図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態の動作説明図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態の説明図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態の説明図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態の説明図である。
【図7】本発明の第5の実施の形態の要部説明図である。
【図8】本発明の第6の実施の形態の説明図である。
【図9】本発明の第6の実施の形態の動作説明図である。
【図10】本発明の第7の実施の形態の説明図である。
【図11】本発明の第8の実施の形態の説明図である。
【図12】本発明の第9の実施の形態の説明図である。
【図13】本発明の第9の実施の形態の温度変化検出回路の説明図である。
【図14】従来例の説明図である。
【図15】半導体レーザの駆動電流・光出力特性曲線図である。
【図16】従来例の動作説明図である。
【符号の説明】
1 半導体レーザ
2 フォトダイオード
3 電流・電圧変換回路(I/V)
4 APC増幅器
5 駆動回路
6 データ断検出回路
7 リセット付き保持回路
DATA データ

Claims (8)

  1. バースト的に入力されるデータを光信号に変換する半導体レーザと、該半導体レーザの出力光をモニタするフォトダイオードと、該フォトダイオードによる検出電流を電圧に変換する電流・電圧変換回路と、該電流・電圧変換回路の出力信号を基準値と比較するAPC増幅器と、該APC増幅器の出力信号を保持して電流制御信号とする保持回路と、該保持回路に保持された前記電流制御信号と前記データとに従って前記半導体レーザに供給する電流を制御する駆動回路とを含むバースト光送信回路に於いて、
    前記保持回路は、前記保持している電流制御信号をリセット可能の構成とし、前記駆動回路に入力される前記データの中断期間を検出して前記保持回路をリセットするデータ断検出回路を設けた
    ことを特徴とするバースト光送信回路。
  2. 前記保持回路は、前記APC増幅器の出力信号のピーク検出値を保持するピーク検出回路と、前記データ断検出回路からのリセット信号によって前記ピーク検出回路をリセットするスイッチ回路とを備えたことを特徴とする請求項1記載のバースト光送信回路。
  3. 前記保持回路は、前記APC増幅器の出力信号に従って前記電流制御信号の大きさを切替設定して保持し、且つ前記データ断検出回路からのリセット信号によってリセット値に切替設定するスイッチ回路を備えたことを特徴とする請求項1記載のバースト光送信回路。
  4. 前記保持回路は、前記APC増幅器の出力信号をディジタル値に変換して保持し、且つ前記データ断検出回路からのリセット信号によって、保持しているディジタル値をリセットする構成を備えたことを特徴とする請求項1記載のバースト光送信回路。
  5. 前記保持回路は、前記APC増幅器の出力信号に対応する電流制御信号を保持し、前記データ断検出回路からのリセット信号によって、該電流制御信号を初期設定値とする構成を備えたことを特徴とする請求項1乃至4の何れ1項記載のバースト光送信回路。
  6. 前記データ断検出回路からのリセット信号によって起動され、設定時間後に該リセット信号を前記保持回路に入力するタイマーを設けたことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項記載のバースト光送信回路。
  7. 前記駆動回路に入力されるデータの中断を検出するデータ断検出回路と、前記駆動回路に入力されるクロック信号の断を検出するクロック断検出回路と、前記データ断検出回路からの前記リセット信号と前記クロック断検出回路からのクロック断検出信号とを入力し、オア条件で前記保持回路へのリセット信号とするオア回路とを設けたことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項記載のバースト光送信回路。
  8. 前記駆動回路に入力されるデータの中断を検出するデータ断検出回路と、所定期間内の温度変化の有無を検出する温度変化検出回路と、前記データ断検出回路からの前記リセット信号と前記温度変化検出回路からの温度変化検出とを入力し、アンド条件で前記保持回路へのリセット信号とするアンド回路とを設けたことを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項記載のバースト光送信回路。
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