JP3593537B2 - 車載用スピーカ取り付け器具 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、車載用スピーカ取り付け器具に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、車載用音響装置において多様な音場が求められており、車内前方からのスピーカに加えて、車内の後方にリアスピーカを取り付け、従来のステレオ以上の臨場感溢れた音場を作り出している。このリアスピーカのキャビネットは後部座席の後方にあるリアトレイに取り付けられるのが最も一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、リアトレイにスピーカを取り付ける場合、十分な取り付け強度を得るためにリアトレイを介して数本のネジをスピーカキャビネットにねじ込んで取り付ける必要があり、取り付け作業が繁雑になるという問題があった。また、リアトレイを有しない車種もあることから、リアトレイ以外の場所にスピーカキャビネットを取り付けるための取り付け器具及び取り付け方法等が望まれていた。
本発明は上述した問題点に鑑み成されたもので、リアトレイ以外の場所に簡単にスピーカキャビネットを取り付けるための車載用スピーカ取り付け器具を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、車内にスピーカを取り付けるための車載用スピーカ取り付け器具であって、リアゲートの上部縁に係合する第1の係合部と、サイドゲートの上部縁に係合する第2の係合部と、一端が第1の係合部に回動自在に連結させるとともに他端が第2の係合部に回転自在に連結されるシャフトからなり、該シャフトと車内天井とでスピーカキャビネットを挟み込んで保持することを特徴とする。
【0005】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の車載用スピーカ取り付け器具であって、シャフトは、リアゲート及びサイドゲートの延在方向のいずれに対しても傾斜した状態で車内に固定されることを特徴とする。
【0006】
請求項3記載の発明は、請求項1ないしは2に記載の車載用スピーカ取り付け器具であって、スピーカキャビネットにはシャフトを受ける凹部が形成されていることを特徴とする。
【0007】
【作用】
本発明によれば、車載用スピーカ取り付け器具は、車内のリアゲートの上部縁に係合する第1の係合部とサイドゲートの上部縁に係合する第2の係合部とを有し、第1の係合部と第2の係合部に回転自在に連結されるシャフトからなり、このシャフトをスピーカキャビネットに設けられた凹部の溝に配置し、シャフトと天井とでスピーカキャビネットを挟み込んで保持する。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1(a)は、本発明の実施の形態に用いられる車載用スピーカ取り付け器具の構造図であり、図に従って車載用スピーカ取り付け器具50の構成部材を具体的に説明をする。本発明の実施の形態に用いられる車載用スピーカ取り付け器具50は第1の係合部である第1係合部10、第2の係合部である第2係合部11及びこれらに連結されたシャフト12から構成されている。
先ず、第1係合部10は、後述するリアゲート3に嵌合させるため、鍵状に屈曲された部分とL字状に折れ曲った部分に雲台14をネジ等で螺設された、例えば金属板等の弾性部材で形成されるリアゲート金具13で構成されている。
また、第2係合部11は、U字状に形成された一方の面に、新たに設けられた雲台16がネジ等で螺設された、例えば金属板等の弾性部材で形成されるサイドゲート金具15で構成されている。
【0009】
雲台14及び16は、図1(b)及び(c)に示すようにリアゲート金具13及びサイドゲート金具15に固定するためのネジ穴17が設けられた固定部18と、球体の一部にシャフト12と連結するためのネジ部19を形成した可動部21から構成されている。即ち、シャフト12にはネジ穴が設けられており、このシャフト12と雲台14、16の可動部21に設けられたネジ部19とを互いに螺挿して第1係合部10と第2係合部11を連結させている。
上述したように、本発明の実施の形態に用いられる車載用スピーカ取り付け器具50は、第1係合部10に設けられた雲台14と、第2係合部11の設けられた雲台16とがシャフト12を介して回転自在に連結されているため、リアゲート3や後述するサイドゲート20の延在方向に傾斜した状態で固定することができる。
【0010】
図2は本発明の実施の形態に用いられるスピーカキャビネットの概略構造図である。図2(a)は、スピーカキャビネット30の上方からの斜視図であり、図2(b)は下方からの斜視図である。図2に示すようにスピーカキャビネット30は、リアウインド1、天井7及びピラー6等で形成される三角空間側にスピーカキャビネット30を配置するため、スピーカ31の後部は上記空間に合致するように変形構造のスピーカキャビネット30としている。
また、車載用スピーカ取り付け器具50はリアゲート3及びサイドゲート20の延在方向に傾斜した状態で固定するので、車載用スピーカ取り付け器具50のシャフト12を嵌装させるため、スピーカキャビネット30の底面部に凹状の溝32がスピーカ31の平面に対し傾斜した状態で設けられている。
【0011】
図3は、本発明の第1実施の形態に用いられる車載用スピーカ取り付け器具50を所定の位置に取り付けた状態を示す車内構造図である。
図3(a)は、車の後部側を見た時の車載用スピーカ取り付け器具50の取り付け状態を示す図であり、図3(b)はリアウインドを解放した時の車載用スピーカ取り付け器具50の取り付け状態を示す図である。
一般に車は、シャーシの天井7部とサイドウインド4部は別々に製造され、夫々別々の内装材を貼り合わせた後、互いに組み立てられる。
このため、天井7を構成する内装材の外周縁部とサイドウインド4部との接合部は、窓枠であるピラー6を設けて、天井7部とサイドウインド4部とを整合させ内装色や内装材に変化を持たせている。この天井7とピラー6との接触部は、僅かな隙間が設けられており、ピラー6の上部縁はサイドゲート20と呼ばれている。
【0012】
また、リアウインド1を有する車種の場合、リアウインド1を閉めた状態で外部との密閉性を確保し雨水等の浸入を防止するためシャーシ(車体)の開口部の周縁部には、逆L字状の環状部材5が溶接又はプレス加工等によって設けられている。この逆L字状の環状部材5の平坦部は、防水性弾性部材等の、例えば環状のゴムパッキン2aが接着剤等で環装されている(環状部材5とゴムパッキン2aで構成される部分をリアゲート3と呼ぶ)。また、これと対向する位置のリアウインド1側にはゴムパッキン2aを受ける平面部2bが形成されており、リアウインド1が閉じられた場合は、ゴムパッキン2aとリアウインド1の平面部2bが密着し、リアウインド1とシャーシとの隙間に入り込んだ雨水等は逆L字状の環状部材によって車の後方側に誘導され排出され、且つゴムパッキン2aとリアウインド1の平面部2bによって車内の密閉性が確保され、雨水等が車内に浸入するのを防止している。
【0013】
図3(a)は、天井7とピラー6との隙間に車載用スピーカ取り付け器具50の第2係合部11の一方の面を挟み込んだ状態を示し、シャフト12を介して第1係合部10がリアゲート3に嵌合された状態を示している。また、図3(b)は、リアウインド1を解放した時の第1係合部10の鍵状部分がリアゲート3に嵌合した状態を示している。
図4は、第1係合部10及び第2係合部を拡大して示した断面図である。図4(a)は、天井7とピラー6の上部縁であるサイドゲート20部の隙間に第2係合部11のサイドゲート金具15の一方の面を挿入した状態を示している。
また、図4(b)は、逆L字状の環状部材5とゴムパッキン2aで構成されるリアゲート3の一部の図であり、図4(c)は、上記リアゲート3に第1係合部10を取り付けら状態を示している。
【0014】
では、ここで、本発明の第1実施の形態である車載用スピーカ取り付け器具50を用いてスピーカキャビネット30を固定する方法を説明する。
先ず、車載用スピーカ取り付け器具50の一方の第2係合部11をサイドゲート20部の隙間に挿入する。第2係合部11の雲台16に連結されたシャフト12及び第1係合部10は、回転自在に回動するので、上記の状態ではシャフト12及び第1係合部10は下方に吊り下げた状態になる。
次に、天井7及びピラー6等で形成される三角空間側にスピーカキャビネット30の後部を密着配置する。そして、スピーカキャビネット30の底面部に設けられた凹状の溝32にシャフト12を渡設し、その後第1係合部10をリアゲート3に嵌合される。
尚、図5は、本発明の実施の形態に用いられるスピーカキャビネット30を車載用スピーカ取り付け器具50で取り付けた状態を示している。
【0015】
図6は、本発明の第2実施の形態で用いられるスピーカキャビネット及びシャフト部を示したものである。
図6に示すように、スピーカキャビネット40は、底面部にU字状の溝41が設けられ、この溝41に複数のネジ42を設けている。このスピーカキャビネット40は、シャフト12上に配置された補助金具44を介してナット43で固定される。
本発明の第2実施の形態で用いられるスピーカキャビネット40は、第1実施の形態で説明したようにスピーカキャビネット40を車載用スピーカ取り付け器具50で所望の位置に固定した後、ナット43で固定することになるが、作業は簡単に行われることは明らかである。
【0016】
上述したように、車載用スピーカ取り付け器具50の一方の第2係合部11をサイドゲート20部の隙間に挿入し、その後他方の第1係合部10をリアゲート3の所定の位置に固定する際に、スピーカキャビネット30を天井7の方向に強く押し付けることにより、天井7の内装材の弾性部材によってスピーカキャビネット30が規定位置よりも押し上げられるので、第1係合部10は容易にリアゲート3の所定の位置に固定される。
また、天井7の内装材は、スポンジ等弾力性に富む緩衝材で構成されているので、スピーカキャビネット30が固定された状態で、スピーカキャビネット30は天井7とシャフト12によって挟み込まれ、しかも、天井7の緩衝材による反発力で安定に固定される。
【0017】
また、第1係合部10が取り付けられるリアゲート3にはゴムパッキン2aが設けられ、このゴムパッキン2aの弾性力はシャフトを上部方向に戻そうとする力となって作用することから、スピーカキャビネット30はシャフト12と天井7によって挟み込まれる。
また、スピーカキャビネット30の底面部に設けられた凹状の溝32は、スピーカ31の平面に対して斜めに設けられていることから、車載用スピーカ取り付け器具50を取り付けた状態でスピーカキャビネット30は、天井7及びピラー6等で形成される三角空間側に押し付けられた状態で固定されるため、車の振動等によってスピーカキャビネット30が緩むことはない。
【0018】
尚、本発明の実施の形態で用いる車載用スピーカ取り付け器具50の第1係合部10のリアゲート金具13及び第2係合部11のサイドゲート金具15を金属板等の弾性部材で形成するように説明したが、例えば硬質樹脂材等を用いて構成しても良い。即ち、第1係合部10の場合はリアゲート3部に設けられているゴムパッキン2a自体が弾性特性を有し、且つ天井7との間で挟み込むように車載用スピーカ取り付け器具50のシャフト12を配置しているので、第1係合部10に緩みを生じることはなく、従ってスピーカキャビネット30の固定に緩みを生じることはない。
【0019】
また、第1係合部10と同様に第2係合部11の場合は、ピラー6が金属又は硬質樹脂材等で形成され天井7とピラー6との間隙に弾性特性を有することか
ら、第2係合部11に緩みを生じることはなく、従ってスピーカキャビネット30の固定に緩みを生じることはない。
また、車載用スピーカ取り付け器具50のシャフトは、固定長のシャフトに限定されることはなく、伸縮自在のシャフトで構成しても良い。
また、スピーカキャビネット30の固定強度を増すためにシャフトを弾性部材で構成しても良い。
【0020】
【発明の効果】
本発明は、第1係合部と第2係合部とがシャフトを介して回転自在に連結された車載用スピーカ取り付け器具を用いて、第1係合部はリアゲートの上部縁に係合させ、スピーカキャビネットの底面部に設けられた凹状の溝にシャフトを嵌合させ、第2係合部はサイドゲートの上部縁に係合するように構成したので、スピーカキャビネットは天井とシャフトによって挟み込むように固定され、リアトレイ以外の場所に簡単にスピーカキャビネットを取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態で用いる車載用スピーカ取り付け器具の構造図。
【図2】本発明の第1実施の形態に用いられるスピーカキャビネットの概略構造図。
【図3】本発明の実施の形態で用いる車載用スピーカ取り付け器具を取り付けた状態を示す図。
【図4】本発明の第1実施の形態に用いられる車載用スピーカ取り付け器具の取り付け部の拡大図。
【図5】本発明の第1実施の形態による車載用スピーカ取り付け器具を用いてスピーカキャビネットを取り付けた状態を示した図。
【図6】本発明の第2実施の形態に用いられるスピーカキャビネットの構造及び取り付け方法を示した図。
【符号の説明】
10・・第1係合部
11・・第2係合部
12・・シャフト
13・・リアゲート金具
14、16・・雲台
15・・サイドゲート金具
17・・ネジ穴
18・・固定部
19・・ネジ部
21・・可動部
50・・車載用スピーカ取り付け器具
Claims (3)
- 車内にスピーカを取り付けるための取り付け器具であって、リアゲートの上部縁に係合する第1の係合部と、サイドゲートの上部縁に係合する第2の係合部と、一端が前記第1の係合部に回動自在に連結させるとともに他端が前記第2の係合部に回転自在に連結されるシャフトからなり、該シャフトと車内天井とでスピーカキャビネットを挟み込んで保持することを特徴とする車載用スピーカ取り付け器具。
- 前記シャフトは、前記リアゲート及びサイドゲートの延在方向のいずれに対しても傾斜した状態で車内に固定されることを特徴とする請求項1に記載の車載用スピーカ取り付け器具。
- 前記スピーカキャビネットには前記シャフトを受ける凹部が形成されていることを特徴とする請求項1ないしは2に記載の車載用スピーカ取り付け器具。
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JPH10157523A JPH10157523A (ja) | 1998-06-16 |
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1996
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