JP3592201B2 - 薄板材の供給・回収装置 - Google Patents

薄板材の供給・回収装置 Download PDF

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Description

【0001】
この発明は、プリント配線板などの薄板材を外観検査などの処理部へ供給するとともに、処理部から処理済みの薄板材を排出して回収する薄板材の供給・回収装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
薄板材の処理装置、例えばプリント配線板の欠陥の有無を検査する外観検査装置には、検査しようとするプリント配線板を検査部へ供給するとともに検査済みのプリント配線板を検査部から排出して回収するためのオートローダが併設されている。このオートローダとしては、従来、搬送ロボットを用いたものが一般的であった。すなわち、図6に概略平面図を示すように、外観検査部1の両側に第1搬送ロボット2および第2搬送ロボット3をそれぞれ設置する。第1搬送ロボット2は、複数枚の検査前のプリント配線板pが積み重ねられた状態で収容された供給部4から、プリント配線板pを1枚ずつ吸着パッドで吸着保持して取り出し、アームを旋回させて、外観検査部1の検査台上にプリント配線板pを載置する。また、第2搬送ロボット3は、外観検査部1の検査台上から検査済みのプリント配線板を吸着保持して排出し、アームを旋回させて、収納部5にプリント配線板Pを順次積み重ねて回収する。
【0003】
上記したようなプリント配線板の外観検査装置では、供給部4に複数枚の検査前のプリント配線板pが積み重ねられた状態で収容され、また、収納部5に検査済みのプリント配線板Pを順次積み重ねて回収する。このため、プリント配線板p、Pを保護する目的で、供給部4において各プリント配線板p間にそれぞれ合紙を挿入した状態で複数枚の検査前のプリント配線板pを収容し、また、収納部5において各プリント配線板P間にそれぞれ合紙を挿入しつつ複数枚の検査済みのプリント配線板Pを積み重ねて回収する、といったことが行われている。このようにそれぞれの間に合紙が挿入されて複数枚の検査前のプリント配線板が積み重ねられた供給部4から、第1搬送ロボット2によりプリント配線板pが1枚ずつ取り出されて、外観検査部1へプリント配線板pが供給されると、供給部2から次のプリント配線板pを第1搬送ロボット2によって搬送する前に、合紙をプリント配線板p上から取り除く必要がある。また、第2搬送ロボット3により外観検査部1から検査済みのプリント配線板Pを排出して、収納部5にプリント配線板Pを回収するごとに、回収された最上のプリント配線板P上に合紙を載置する必要がある。
【0004】
供給部4においてプリント配線板p上から合紙を取り除き、また、収納部5においてプリント配線板P上に合紙を載置する作業は、従来、人手によって行われていた。また、第1搬送ロボット2および第2搬送ロボット3を使用して合紙の搬送も行うことが考えられる。すなわち、第1搬送ロボット2により、供給部4から合紙を取り出し、その合紙を外観検査部1へ搬送して検査台上に一旦載置し、検査台上に載置された合紙を、第2搬送ロボット3によって外観検査部1から排出し収納部5へ搬送して、収納部5に回収された最上のプリント配線板P上に載置する。
【0005】
さらに、図6に示したように、供給部4に隣接して、第3搬送ロボット6を備えた合紙回収部7を設置するとともに、収納部5に隣接して、第4搬送ロボット8を備えた合紙供給部9を設置することも考えられる。このような構成では、第1搬送ロボット2によって供給部4から外観検査部1へ検査前のプリント配線板pが供給されると、第3搬送ロボットにより、供給部4に収容された最上のプリント配線板上に載置された合紙を取り出して、合紙回収部7に合紙aを順次積み重ねて回収する。また、第2搬送ロボット3により外観検査部1から検査済みのプリント配線板Pが排出されて収納部5にプリント配線板Pが回収されると、第4搬送ロボット8により、合紙供給部9から合紙aを取り出して収納部5に回収された最上のプリント配線板P上に合紙を載置する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、供給部4における合紙の取出し作業および収納部5における合紙の供給・載置作業を人手によって行う方法には、作業効率が低下する、といった問題点がある。また、プリント配線板の供給および排出・回収に使用される第1搬送ロボット2および第2搬送ロボット3を用いて供給部4から収納部5への合紙の搬送も行う方法では、合紙が外観検査部1の検査台上を経由して搬送されるため、合紙の搬送中は、プリント配線板の検査を行うことができないので、スループットが低下する、といった問題点がある。
【0007】
また、図6に示したように第3搬送ロボット6を備えた合紙回収部7および第4搬送ロボット8を備えた合紙供給部を併設する方法では、装置の占有面積が大きくなる、といった問題点がある。さらに、合紙回収部7に回収された合紙aを廃棄するときは、合紙aの消費量が大きくなって不経済であり、一方、合紙回収部7に回収された合紙aを合紙供給部9へ搬送して再使用しようとする場合には、合紙回収部7から合紙供給部9へ合紙aを搬送するための搬送機構が必要になって、機構が複雑化し装置が大型化する、といった問題点がある。
【0008】
この発明は、以上のように事情に鑑みてなされたものであり、作業効率を低下させたりスループットを低下させたりすることなく、それぞれの間に合紙が挿入されて複数枚の処理前の薄板材が積み重ねられた状態で収容された供給部から処理部へ薄板材を供給することができるとともに、処理部から排出される処理済みの薄板材を収納部に、それぞれの間に合紙を挿入しつ積み重ねて回収することができ、また、装置の占有面積を小さくすることができ、合紙を有効に使用することが可能で、機構が複雑化し装置が大型化することもない薄板材の供給・回収装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、複数枚の処理前の薄板材が、それぞれの間に合紙が挿入されて積み重ねられた状態で収容された供給部から、薄板材の処理を行う処理部へ薄板材を1枚ずつ供給するとともに、前記処理部から処理済みの薄板材を排出し、その排出された処理済みの薄板材を収納部に、各薄板材間にそれぞれ合紙を挿入しつつ順次積み重ねて回収する薄板材の供給・回収装置において、前記供給部および前記収納部を前記処理部の一方側に配置して、供給部、収納部および処理部を一体的に連接し、前記供給部から処理前の薄板材が前記処理部へ供給されるごとに、供給部に収容された最上の薄板材上に載置された合紙を取り出し、前記収納部に処理済みの薄板材が回収されるごとに収納部へ、前記供給部で取り出された合紙を搬送して、収納部に回収された最上の薄板材上に合紙を載置する合紙移載手段を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項2に係る発明は、複数枚の処理前の薄板材が、それぞれの間に合紙が挿入されて積み重ねられた状態で収容された供給部から、薄板材の処理を行う処理部へ薄板材を1枚ずつ供給するとともに、前記処理部から処理済みの薄板材を排出し、その排出された処理済みの薄板材を収納部に、各薄板材間にそれぞれ合紙を挿入しつつ順次積み重ねて回収する薄板材の供給・回収装置において、前記供給部に収容された処理前の薄板材を1枚ずつ取り出す薄板材取出し手段と、前記収納部と前記処理部との間を往復移動して、処理前の薄板材を処理部へ送給し処理済みの薄板材を処理部から排送する薄板材給排手段と、前記薄板材取出し手段から前記薄板材給排手段へ処理前の薄板材を受け渡す薄板材受渡し手段と、前記処理部から前記薄板材給排手段へ処理済みの薄板材を移動させる薄板材移し替え手段と、前記薄板材給排手段から前記収納部へ処理済みの薄板材を移動させて、収納部に回収された最上の薄板材上に載置された合紙上に薄板材を載置する薄板材移送手段と、前記供給部から処理前の薄板材が前記処理部へ供給されるごとに、供給部に収容された最上の薄板材上に載置された合紙を取り出し、前記収納部に処理済みの薄板材が回収されるごとに収納部へ、前記供給部で取り出された合紙を搬送して、収納部に回収された最上の薄板材上に合紙を載置する合紙移載手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2記載の供給・回収装置において、前記供給部に収容された最上の薄板材上に載置された合紙を取り出す合紙取出し手段と、前記収納部に回収された最上の薄板材上に合紙を載置する合紙載置手段と、前記合紙取出し手段によって取り出された合紙を受け取り前記供給部から前記収納部へ搬送して前記合紙載置手段へ渡す合紙受渡し手段とから、前記合紙移載手段を構成したことを特徴とする。
【0013】
請求項4に係る発明は、請求項2記載の供給・回収装置において、前記薄板材取出し手段が前記合紙取出し手段を兼用し、前記薄板材移送手段が前記合紙載置手段を兼用し、前記薄板材受渡し手段が前記合紙受渡し手段を兼用したことを特徴とする。
【0014】
請求項1に係る発明の薄板材の供給・回収装置においては、合紙移載手段により、供給部から処理前の薄板材が処理部へ供給されるごとに供給部から合紙が取り出され、その合紙が、収納部に処理済みの薄板材が回収されるごとに収納部へ搬送されて薄板材上に載置される。このように供給部での合紙の取出し操作および収納部での合紙の供給・載置操作がそれぞれ合紙移載手段によって自動的に行われるので、作業効率が低下することはない。また、合紙は、合紙移載手段により供給部から収納部へ処理部を経由することなく搬送されるので、合紙の搬送中においても処理部での薄板材の処理を行うことができる。さらに、合紙移載手段により供給部からの合紙の取り出しおよび収納部への合紙の供給が行われるので、搬送ロボットによるアーム旋回動作によって合紙の取出しおよび供給が行われる装置に比べて、装置の専有面積が少なくて済む。また、供給部から取り出された合紙は、収納部へ搬送されて再使用される。この場合、供給部から取り出された合紙を一旦回収した後に収納部へ搬送するのではなく、供給部から取り出された合紙をそのまま収納部へ搬送して使用するので、機構が簡単になり装置の大型化も避けることができる。さらに、供給部および収納部が処理部の一方側に配置されて供給部、収納部および処理部が一体的に連接しているので、処理装置全体の専有面積が少なくて済む。
【0015】
請求項2に係る発明の薄板材の供給・回収装置においては、合紙移載手段により、供給部から処理前の薄板材が処理部へ供給されるごとに供給部から合紙が取り出され、その合紙が、収納部に処理済みの薄板材が回収されるごとに収納部へ搬送されて薄板材上に載置される。このように供給部での合紙の取出し操作および収納部での合紙の供給・載置操作がそれぞれ合紙移載手段によって自動的に行われるので、作業効率が低下することはない。また、合紙は、合紙移載手段により供給部から収納部へ処理部を経由することなく搬送されるので、合紙の搬送中においても処理部での薄板材の処理を行うことができる。さらに、合紙移載手段により供給部からの合紙の取り出しおよび収納部への合紙の供給が行われるので、搬送ロボットによるアーム旋回動作によって合紙の取出しおよび供給が行われる装置に比べて、装置の専有面積が少なくて済む。また、供給部から取り出された合紙は、収納部へ搬送されて再使用される。この場合、供給部から取り出された合紙を一旦回収した後に収納部へ搬送するのではなく、供給部から取り出された合紙をそのまま収納部へ搬送して使用するので、機構が簡単になり装置の大型化も避けることができる。
また、この供給・回収装置では、薄板材取出し手段によって供給部から処理前の薄板材が1枚ずつ取り出され、薄板材受渡し手段によって薄板材取出し手段から薄板材給排手段へ処理前の薄板材が受け渡される。薄板材給排手段へ渡された処理前の薄板材は、薄板材給排手段が収納部から処理部へ移動して処理部へ送給され、また、処理部での処理が終わった薄板材は、薄板材移し替え手段によって処理部から薄板材給排手段へ移動させられた後、薄板材給排手段が処理部から収納部へ移動して処理部から排送される。そして、処理部から排送された処理済みの薄板材は、薄板材移送手段によって薄板材給排手段から収納部へ移動させられ、収納部に順次回収される。このように、薄板材受け渡し手段による供給部と収納部との間での薄板材の受け渡しおよび収納部と処理部との間での給排手段の往復動作により、処理部への処理前の薄板材の供給および収納部への処理済みの薄板材の回収が行われるので、搬送ロボットによるアーム旋回動作によって薄板材の供給および回収が行われる装置に比べて、装置の専有面積が少なくて済む。
【0016】
請求項3に係る発明の供給・回収装置では、合紙取出し手段によって供給部から合紙が取り出され、合紙受渡し手段によって合紙取出し手段から合紙載置手段へ合紙が受け渡され、合紙載置手段によって収納部の薄板材上に合紙が載置される。したがって、搬送ロボットによるアーム旋回動作によって合紙の取出しおよび供給が行われる装置に比べて、装置の専有面積が少なくて済む。
【0018】
請求項4に係る発明の供給・回収装置では、薄板材取出し手段、薄板材移送手段および薄板材受渡し手段が、合紙取出し手段、合紙載置手段および合紙受渡し手段をそれぞれ兼用しており、供給部からの合紙の取出し、供給部から収納部への合紙の搬送および収納部での合紙の供給・薄板上への載置のためだけの専用の機構を設ける必要が無いので、装置構成が簡単になり装置の小型化が可能になる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好適な実施形態について図1ないし図5を参照しながら説明する。
【0020】
図1は、この発明の実施形態の1例を示し、薄板材の供給・回収装置を備えた薄板材の処理装置、この例ではプリント配線板の外観検査装置の全体構成を模式的に示す概略正面図である。この外観検査装置は、外観検査部10の一方側に供給部12および収納部14を配置して、供給部12、収納部14および外観検査部10が順番に並んで一体的に連接されている。
【0021】
供給部12には、下方に、複数枚の検査前のプリント配線板pを、それぞれの間に合紙aを挿入して積み重ねた状態で収容した供給トレイ16が配置されている。供給トレイ16は、昇降自在に支持されており、供給トレイ16を上下方向に往復移動させるために、例えばエンドレスチェーン、スプロケットホイールおよび駆動モータから構成されたトレイ駆動機構18が設けられている。また、図示していないが、供給トレイ16を所定の各高さ位置にそれぞれ停止させるための位置センサが設けられている。
【0022】
供給トレイ16の上方には、前・後(図面の左・右)の位置にそれぞれ吸着パッド20、22が設置されている。前側(収納部14側)の吸着パッド20は、例えば、下端に吸盤が固着されたラック、ピニオンおよび駆動モータから構成されており、この吸着パッド20は、紙面に対し垂直な方向に並列して複数設けられている。後側の吸着パッド22は、例えば、作動ロッドの下端に吸盤が固着されたエアーシリンダにより構成され、この吸着パッド22も、紙面に対し垂直な方向に複数設けられている。また、図示していないが、吸着パッド20、22の吸盤を所定の高さ位置にそれぞれ停止させるための位置センサ、および、吸着パッド20、22に保持されたものがプリント配線板pであるか合紙aであるかを判別するためのセンサが設けられている。そして、これらの吸着パッド20、22を駆動させることにより、供給トレイ16に収容された検査前のプリント配線板pと合紙aとが交互に上部から取り出される。
【0023】
吸着パッド20、22の直下位置には、検査前のプリント配線板pまたは合紙aを載置して支持する上部支持面26を有する供給コンベア24が配設されている。供給コンベア24は、供給部12と収納部14との間を水平方向へ往復移動自在に支持されており、供給コンベア24を水平方向へ往復移動させるために、例えばタイミングベルト、プーリおよび駆動モータから構成されたコンベア駆動機構28が設けられている。また、図示していないが、供給コンベア24の搬送路には、供給コンベア24を供給部12および収納部14においてそれぞれ所定位置に停止させるための位置センサが付設されている。さらに、図示していないが、供給コンベア24は、その上部支持面26上に支持されて収納部14へ搬送された検査前のプリント配線板pまたは合紙aをX・Y方向にそれぞれ整列させるための整列ユニットを備えている。
【0024】
供給部12と収納部14との境界部には、供給コンベア24の搬送路の上方に、供給コンベア24の上部支持面26上に支持されて供給部12から収納部14へ搬送される検査前のプリント配線板pの表面を清浄化するクリーンローラ30が配設されている。クリーンローラ30は、昇降自在に支持されており、クリーンローラ30を上下方向へ往復移動させるエアーシリンダ32が設けられている。
【0025】
収納部14には、供給コンベア24の搬送路の下方に、検査済みのプリント配線板Pを、各プリント配線板P間にそれぞれ合紙aを挿入しつつ順次積み重ねて回収する収納トレイ34が配置されている。収納トレイ34は、昇降自在に支持されており、収納トレイ34を上下方向へ往復移動させるために、例えばエンドレスチェーン、スプロケットホイールおよび駆動モータから構成されたトレイ駆動機構36が設けられている。また、図示していないが、収納トレイ34を所定の各高さ位置にそれぞれ停止させるための位置センサが設けられている。
【0026】
供給コンベア24の搬送路の上方には、左・右の位置にそれぞれ吸着パッド38、38が設置されている。それぞれの吸着パッド38は、例えば、下端に吸盤が固着されたラック、ピニオンおよび駆動モータから構成されており、吸着パッド38はそれぞれ、紙面に対し垂直な方向に並列して複数設けられている。また、図示していないが、吸着パッド38の吸盤を所定の高さ位置にそれぞれ停止させるための位置センサが設けられている。そして、これらの吸着パッド38、38を駆動させることにより、検査済みのプリント配線板Pと合紙aとが交互に収納トレイ34に順次積み重ねられて回収される。
【0027】
収納部14へ移動した状態の供給コンベア24の直上位置には、給排コンベア40が配設されている。給排コンベア40は、下面側に、検査前のプリント配線板pを実質的に水平姿勢で着脱可能に保持する複数の吸着パッド42を有するとともに、検査済みのプリント配線板Pを載置して支持する上部支持面44を有している。給排コンベア40は、収納部14と外観検査部10との間を水平方向へ往復移動自在に支持されており、給排コンベア40を水平方向へ往復移動させるために、例えばタイミングベルト、プーリおよび駆動モータから構成されたコンベア駆動機構46が設けられている。また、図示していないが、給排コンベア40の搬送路には、給排コンベア40を収納部14および外観検査部10においてそれぞれ所定位置に停止させるための位置センサが付設されている。
【0028】
外観検査部10には、プリント配線板pが載置されて外観検査される検査台48の上方に、前・後(図面の右・左)の位置にそれぞれ吸着パッド50、52が設置されている。前側(収納部14側)の吸着パッド50は、例えば、下端に吸盤が固着されたラック、ピニオンおよび駆動モータから構成されており、この吸着パッド50は、紙面に対し垂直な方向に並列して複数設けられている。後側の吸着パッド52は、例えば、作動ロッドの下端に吸盤が固着されたエアーシリンダにより構成され、この吸着パッド52も、紙面に対し垂直な方向に並列して複数設けられている。また、図示していないが、吸着パッド50、52の吸盤を所定の高さ位置にそれぞれ停止させるための位置センサが設けられている。そして、これらの吸着パッド50、52を駆動させることにより、外観検査が終わったプリント配線板Pが検査台48上から給排コンベア40の上部支持面44へ移し替えられる。
【0029】
なお、図1に示した例では、供給部12において、前・後の位置にそれぞれ吸着パッド20、22を設置し、前・後の吸着パッド20、22により、供給トレイ16に収容された検査前のプリント配線板pまたは合紙aの上面の両端部をそれぞれ吸着保持し、プリント配線板pまたは合紙aを水平姿勢に保ちながら持ち上げ、その後に、供給部12へ移動してきた供給コンベア24の上部支持面26上にプリント配線板pまたは合紙aを載置するようにしているが、図2に示すように、前側(供給コンベア24の進入側)の位置だけに吸着パッド20を設置するようにしてもよい。この場合には、供給コンベア24の、供給部12側の一端辺の上部に複数個のコロ54を取着する。このような構成では、吸着パッド20によって前側だけが持ち上げられたプリント配線板p(または合紙a)の下方へ供給コンベア24が進入して滑り込むことにより、供給コンベア24の上部支持面26上にプリント配線板p(または合紙a)が支持されることになる。この際、プリント配線板pの下面は、供給コンベア24の一端辺上部ところがり接触するので、プリント配線板pの下面が傷付くことはない。
【0030】
また、図1に示した例では、外観検査部10において、前・後の位置にそれぞれ吸着パッド50、52を設置し、前・後の吸着パッド50、52により、検査台48上に載置された検査済みのプリント配線板Pの上面の両端部をそれぞれ吸着保持し、プリント配線板Pを水平姿勢に保ちながら持ち上げ、その後に、外観検査部10へ移動してきた給排コンベア40の上部支持面44上にプリント配線板Pを載置するようにしているが、図3に示すように、前側(給排コンベア40の進入側)の位置だけに吸着パッド50を設置するようにしてもよい。この場合には、給排コンベア40の、外観検査部10側の一端辺の上部に複数個のコロ56を取着する。このような構成では、吸着パッド50によって前側だけが持ち上げられた検査済みのプリント配線板Pの下方へ、吸着パッド42によって検査前のプリント配線板pを保持した状態の給排コンベア40が進入して滑り込むことにより、給排コンベア40の上部支持面44上にプリント配線板Pが支持されることになる。この際、プリント配線板Pの下面は、給排コンベア40の一端辺上部ところがり接触するので、プリント配線板Pの下面が傷付くことはない。そして、給排コンベア40が外観検査部10の所定位置に停止すると、吸着パッド42が駆動して、検査前のプリント配線板pを検査台48の上面に押し当てた後、吸着パッド42からプリント配線板pを離脱させることにより、検査台48上にプリント配線板pが載置される。
【0031】
次に、上記したプリント配線板の外観検査装置において外観検査部へ検査前のプリント配線板pを供給し検査済みのプリント配線板Pを外観検査部10から排出して回収する一連の動作を、図4および図5に基づいて説明する。なお、図4および図5においては、図2および図3に示したように、供給部12での検査前のプリント配線板pまたは合紙aの取出しおよび外観検査部10での検査済みのプリント配線板Pの移し替えが、プリント配線板p、Pまたは合紙aの一端側だけを持ち上げて行われる実施形態を示している。また、図示の都合上、各プリント配線板p、Pまたは合紙aの一端側だけを持ち上げたときにそれぞれの他端側が収納トレイ16上の合紙aまたはプリント配線板pおよび検査台48から離れたように表している。
【0032】
図4の(a)は、供給部12において、吸着パッド20により合紙aの一端側が吸着されて持ち上げられ、収納部14において、供給コンベア24が停止するとともに、下面側に検査前のプリント配線板pを保持した給排コンベア40が供給コンベア24の直上位置に停止し、吸着パッド38に検査済みのプリント配線板Pが吸着保持され、外観検査部10において、吸着パッド50により検査済みのプリント配線板Pの一端側が吸着されて持ち上げられた状態を示しており、この状態から説明を始める。
【0033】
図4の(a)に示した状態から、供給コンベア24が供給部12の方へ移動するとともに、給排コンベア40が検査処理部10の方へ移動し、吸着パッド38が下方へ移動する。これらの動作により、図4の(b)に示すように、供給部12では、供給コンベア24の上面側に合紙aが支持され、収納部14では、収納トレイ34上に検査済みのプリント配線板Pが回収され、外観検査部10では、給排コンベア40の上面側に検査済みのプリント配線板Pが支持される。
【0034】
続いて、図4の(c)に示すように、外観検査部10において、給排コンベア40の下面側に保持されていた検査前のプリント配線板pが検査台48へ移され、検査台48上に載置されたプリント配線板pの外観検査が開始される。また、収納部14では、吸着パッド38が上方へ移動し、吸着パッド38が上方位置に停止した後に、上面側に合紙aを支持した供給コンベア24が供給部12から収納部14へ移動する。
【0035】
供給コンベア24が収納部14の所定位置に停止すると、吸着パッド38が再び下方へ移動し、また、供給部12では、吸着パッド20が下方へ移動する。そして、図5の(d)に示すように、吸着パッド38は、供給コンベア24の上面側に支持された合紙aの上面を吸着した後に元の上方位置へ移動する。また、吸着パッド20は、供給トレイ16に収容された複数枚の検査前のプリント配線板pのうちの最上のプリント配線板pの一端側を吸着した後に上方へ移動する。
【0036】
次に、供給コンベア24が供給部12の方へ移動し、その後に吸着パッド38が下方へ移動する。これらの動作により、図5の(e)に示すように、供給部12では、供給コンベア24の上面側に検査前のプリント配線板pが支持され、収納部14では、収納トレイ34上に回収された検査済みのプリント配線板Pの上面上に合紙aを載置する。
【0037】
収納部14において、収納トレイ34上に回収された検査済みのプリント配線板P上に合紙aが載置されると、図5の(f)に示すように、吸着パッド38が上方へ移動して上方位置に停止した後、上面側に検査前のプリント配線板pを支持した供給コンベア24が供給部12から収納部14へ移動するとともに、上面側に検査済みのプリント配線板Pを支持した給排コンベア40が外観検査部10から収納部14へ移動する。このとき、クリーンローラ30(図1参照)が下降し、供給コンベア24上に支持された検査前のプリント配線板pの表面にクリーンローラ30が当接してプリント配線板pの表面を清浄化する。これらの動作が行われている間に、外観検査部10においてプリント配線板pの外観検査が進行する。
【0038】
収納部14において、供給コンベア24が停止し、その直上位置に給排コンベア40が停止すると、供給コンベア24の上面側に支持されていた検査前のプリント配線板pを給排コンベア40の下面側へ受け渡す。また、吸着パッド38が下方へ微小距離だけ移動して、給排コンベア40の上面側に支持された検査済みのプリント配線板Pの上面を吸着した後、吸着パッド38が元の上方位置へ移動する。外観検査部10では、プリント配線板の外観検査が終了すると、吸着パッド50が下方へ移動して、検査台48上に置かれた検査済みのプリント配線板Pの一端側を吸着した後、吸着パッド50が上方へ移動する。また、供給部12では、吸着パッド20が下方へ移動して、供給トレイ16に収容された複数枚の検査前のプリント配線板pのうちの最上のプリント配線板p上に載置された合紙aの一端側を吸着した後、吸着パッド20が上方へ移動する。これらの動作により、図4の(a)に示した最初の状態に戻る。以後は、収納トレイ16上から検査前のプリント配線板pおよび合紙aが無くなり、検査済みのプリント配線板Pが、各プリント配線板P間にそれぞれ合紙aが挿入され収納トレイ24に積み重ねられた状態で全て回収されるまで、上記した一連の動作が繰り返される。
【0039】
なお、上記した実施形態では、この発明をプリント配線板の外観検査装置に適用した場合について説明したが、この発明は、それ以外でも、薄板材を処理部へ供給し処理部から処理済みの薄板材を排出して回収する機構を備える薄板材の処理装置に適用することが可能である。また、上記実施形態では、供給部12、収納部14および処理部10を一方向に並列させて配置したが、例えば、供給部、収納部および処理部を鉤形に配置して供給コンベアの搬送路と給排コンベアの搬送路とを交差させるようにようにしてもよい。その他、プリント配線板の保持機構や搬送機構なども、上記した実施形態のものに限定されない。
【0040】
【発明の効果】
請求項1および請求項2に係る発明の薄板材の供給・回収装置を使用すると、作業効率を低下させたりスループットを低下させたりすることなく、それぞれの間に合紙が挿入されて複数枚の処理前の薄板材が積み重ねられた状態で収容された供給部から処理部へ薄板材を供給することができるとともに、処理部から排出される処理済みの薄板材を収納部に、それぞれの間に合紙を挿入しつ積み重ねて回収することができる。また、薄板材の処理装置の占有面積を小さくすることができ、合紙を有効に使用することができて経済的であり、かつ、機構が複雑化し装置が大型化することもない。
【0041】
さらに、請求項1に係る発明の供給・回収装置では、薄板材の処理装置全体の設置スペースを小さくすることができる。また、請求項2に係る発明の供給・回収装置では、搬送ロボットによるアーム旋回動作によって薄板材の供給および回収が行われる装置に比べて、装置の専有面積を低減することができる。
【0042】
請求項3に係る発明の供給・回収装置では、搬送ロボットによるアーム旋回動作によって合紙の取出しおよび供給が行われる装置に比べて、装置の専有面積を低減することができる。
【0044】
請求項4に係る発明の供給・回収装置では、装置構成が簡単になり装置を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態の1例を示し、薄板材の供給・回収装置を備えたプリント配線板の外観検査装置の全体構成を模式的に示す概略正面図である。
【図2】図1に示したプリント配線板の外観検査装置の供給部において検査前のプリント配線板を取り出す別の方式を示す概略正面図である。
【図3】図1に示したプリント配線板の外観検査装置の外観検査部において検査済みのプリント配線板を移し替える別の方式を示す概略正面図である。
【図4】図1に示したプリント配線板の外観検査装置において外観検査部へ検査前のプリント配線板を供給し検査済みのプリント配線板を外観検査部から排出して回収する一連の動作を説明するための模式図である。
【図5】同じく一連の動作を説明するための模式図である。
【図6】搬送ロボットを備えた合紙回収部および合紙供給部が設置された従来のプリント配線板の外観検査装置の全体構成を示す概略平面図である。
【符号の説明】
10 外観検査部
12 供給部
14 収納部
16 供給トレイ
18 トレイ駆動機構
20、22、38、50、52 吸着パッド
24 供給コンベア
26 供給コンベアの上部支持面
28 コンベア駆動機構
30 クリーンローラ
32 エアーシリンダ
34 収納トレイ
36 トレイ駆動機構
40 給排コンベア
42 給排コンベアの吸着パッド
44 給排コンベアの上部支持面
46 コンベア駆動機構
48 検査台
54、56 コロ
p 検査前のプリント配線板
P 検査済みのプリント配線板
a 合紙

Claims (4)

  1. 複数枚の処理前の薄板材が、それぞれの間に合紙が挿入されて積み重ねられた状態で収容された供給部から、薄板材の処理を行う処理部へ薄板材を1枚ずつ供給するとともに、前記処理部から処理済みの薄板材を排出し、その排出された処理済みの薄板材を収納部に、各薄板材間にそれぞれ合紙を挿入しつつ順次積み重ねて回収する薄板材の供給・回収装置において、
    前記供給部および前記収納部を前記処理部の一方側に配置して、供給部、収納部および処理部を一体的に連接し、
    前記供給部から処理前の薄板材が前記処理部へ供給されるごとに、供給部に収容された最上の薄板材上に載置された合紙を取り出し、前記収納部に処理済みの薄板材が回収されるごとに収納部へ、前記供給部で取り出された合紙を搬送して、収納部に回収された最上の薄板材上に合紙を載置する合紙移載手段を備えたことを特徴とする薄板材の供給・回収装置。
  2. 複数枚の処理前の薄板材が、それぞれの間に合紙が挿入されて積み重ねられた状態で収容された供給部から、薄板材の処理を行う処理部へ薄板材を1枚ずつ供給するとともに、前記処理部から処理済みの薄板材を排出し、その排出された処理済みの薄板材を収納部に、各薄板材間にそれぞれ合紙を挿入しつつ順次積み重ねて回収する薄板材の供給・回収装置において、
    前記供給部に収容された処理前の薄板材を1枚ずつ取り出す薄板材取出し手段と、
    前記収納部と前記処理部との間を往復移動して、処理前の薄板材を処理部へ送給し処理済みの薄板材を処理部から排送する薄板材給排手段と、
    前記薄板材取出し手段から前記薄板材給排手段へ処理前の薄板材を受け渡す薄板材受渡し手段と、
    前記処理部から前記薄板材給排手段へ処理済みの薄板材を移動させる薄板材移し替え手段と、
    前記薄板材給排手段から前記収納部へ処理済みの薄板材を移動させて、収納部に回収された最上の薄板材上に載置された合紙上に薄板材を載置する薄板材移送手段と、
    前記供給部から処理前の薄板材が前記処理部へ供給されるごとに、供給部に収容された最上の薄板材上に載置された合紙を取り出し、前記収納部に処理済みの薄板材が回収されるごとに収納部へ、前記供給部で取り出された合紙を搬送して、収納部に回収された最上の薄板材上に合紙を載置する合紙移載手段と、
    を備えたことを特徴とする薄板材の供給・回収装置。
  3. 前記合紙移載手段が、
    前記供給部に収容された最上の薄板材上に載置された合紙を取り出す合紙取出し手段と、
    前記収納部に回収された最上の薄板材上に合紙を載置する合紙載置手段と、
    前記合紙取出し手段によって取り出された合紙を受け取り前記供給部から前記収納部へ搬送して前記合紙載置手段へ渡す合紙受渡し手段と、
    から構成された請求項1または請求項2記載の薄板材の供給・回収装置。
  4. 前記薄板材取出し手段が前記合紙取出し手段を、前記薄板材移送手段が前記合紙載置手段を、および、前記薄板材受渡し手段が前記合紙受渡し手段を、それぞれ兼用した請求項2記載の薄板材の供給・回収装置。
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