JP3590711B2 - 基板洗浄装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示パネルを作製するガラス基板を洗浄する基板洗浄装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示パネルを作製する場合、基板に薄膜を形成する前後、基板にパターンを形成する時点等において、基板洗浄を累計では多数回行う必要がある。そのような場合の洗浄装置は、例えば、図8に示す実開平6−59794号公報に記載されている装置により、基板1の下面をローラで搬送しながら基板1の上面と下面をシャワー洗浄やブラシ洗浄を行っていた。
【0003】
ところで、このような場合基板1下面からのシャワー洗浄やブラシ洗浄等の圧力が大きくなると、基板1が搬送ローラからはずれてしまう装置の搬送トラブルが発生していた。これを防ぐために、図8に示すように基板1の下面を搬送ローラ3により支持すると共に、基板1の上部に基板押さえ付けローラ11を設けて、該ローラにより前記基板1を押さえて搬送する方法が知られていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、基板の両面をローラで押さえつけた場合、ローラやOリング等が基板面に直接接触するために、パーティクルやその他異物が発生しやすくなり、歩留が低下する問題点があった。特に、基板とローラと接触する部分はパーティクルやその他異物の付着が著しく、液晶表示パネルの有効面積として活用できないため、基板1枚当たりの液晶表示パネルの取れ数が減少する問題点があった。
【0005】
さらに、ローラやOリング等の消耗する部材は定期的な交換作業が必要であるため、これらの部材が増えれば増えるほど、メインテナンス作業の頻度が高くなってしまうという問題点があった。
【0006】
本発明はこのような問題点を解決するために成されたものであり、パーティクルや異物の付着を少なくし、かつ基板の有効面積を減少させることのない基板洗浄装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1の基板洗浄装置は、被洗浄基板を下側の搬送ローラによって支持して搬送すると共に該基板の上面及び下面に液体をシャワー状に噴出して洗浄する機構を有し、前記基板が搬送ローラから浮き上がることを防止するために、前記基板の上側に液体を噴出することにより押さえ付ける押圧手段として、搬送用押さえ付けシャワーを備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項2の基板洗浄装置は、前記搬送用押さえ付けシャワーから液体を噴出させる方向が、基板と垂直な方向から基板の内側へ向けて5°以上60°以下傾けられていることを特徴としている。
【0009】
本発明の請求項3の基板洗浄装置は、被洗浄基板を下側の搬送ローラによって支持して搬送すると共に該基板の上面及び下面に液体をシャワー状に噴出して少なくとも該基板の下面を洗浄する機構を有し、前記基板が搬送ローラから浮き上がることを防止するために、前記基板の上側に気体を噴出することにより押さえ付ける押圧手段として、搬送用押さえ付けシャワーを備えたことを特徴としている。
【0010】
以下、本発明による作用を説明する。基板と押圧手段との間に生じる水膜は流量により調整可能であり、基板搬送時の負荷に対して、基板に下からの圧力とバランスした流量に設定できる。従来の搬送ローラ等からのパーティクル付着はなく、パーティクルや異物の付着を少なくしかつ基板の有効面積を減少させることのない基板洗浄装置を提供するものである。そのために搬送時のずれが生じないため、脱線等の搬送トラブルは激減する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態1について説明する。
【0012】
(実施形態1)
図1は本発明による基板洗浄装置の搬送状態を説明する図であり、図4は基板端周辺の断面図である。また、1は基板、2は搬送用ローラシャフト、3は搬送用ローラ、4は搬送用押さえ付けシャワー、5は液供給パイプである。図2は図6に示す基板洗浄装置の平面図における基板搬送方向から見た正面図であり、図3は図6に示す基板洗浄装置の側面図である。
【0013】
さらに、図5は前記搬送用押さえ付けシャワー4のヘッド部の構造図であり、図6は基板洗浄装置の平面図である。
【0014】
図1において、7は上シャワーパイプ、8は下シャワーパイプであり、上シャワーパイプ7からは上洗浄シャワー9が、下シャワーパイプ8からは下洗浄シャワー10がそれぞれ基板1へ噴出され、基板1の両面を洗浄する。
【0015】
前記上シャワーパイプ7及び下シャワーパイプ8は、それぞれ直径22mmの硬質塩化ビニルパイプに10mm間隔で0.8mmのスプレー穴を開口したものである。
【0016】
図4に示すように、液供給パイプ5から供給された洗浄液は搬送用押さえつけシャワー4に設けられたノズル穴13から噴出する。このシャワーの寸法は、図5のように搬送方向長さLは100mm,幅方向寸法Wは15mm,高さHは50mmであり、シャワーヘッドの壁厚Dは3mmとし、圧力損失を補うように壁厚Wの寸法を大きくした。この幅方向Wのシャワー吐出面をなめらかな平面にし、ここに水の流れ出るシャワーノズル穴(直径0.8mm)が開けられている。このノズル穴13は、意識的に搬送基板の中心方向側に向かって傾けて開けてある。これによりシャワー内側の面に積極的に水膜を形成することを意図している。
【0017】
角度を直角にした場合は、搬送用押え付けシャワー4からの水が水膜を形成することができずに外側に流出してしまう。したがって、基板1は下洗浄シャワー10からの圧力によって搬送用押え付けシャワー4内側の端部に接触してしまい、基板1を押え付ける機能を発揮することができない。ノズル穴13を30°傾けた場合は、搬送用押え付けシャワー4の水が効果的に基板内側方向に向かって流れ、シャワー面に一様に水膜を形成することができた。
【0018】
ノズル穴13を60°より大きく傾けた場合は、搬送用押さえ付けシャワー4の水が効果的に基板内側方向に向かって流れず、シャワー面に対する流量が不足し、一様に水膜を形成することができなかった。このことから、ノズル穴13の角度は5°以上60°以下傾けた場合がよく、25〜30°付近が最適であった。本実施形態1ではノズル穴13の角度は30°とした。
【0019】
一方、シャワー流量は基板下面からのシャワー押し上げ圧力とバランスをとるのに適した流量に調整した。実験では基板1に幅W180mm、長さL240mm寸法で厚さ1.1mmの基板を用い、搬送速度は1.0m/minから2.4m/minまで可変とした。本実施形態1では60秒にて1基板の洗浄が完了させることを意図して、設定値の最大値の2.4m/minとした。また基板の投入間隔は600mmに設定し、多数枚の基板を連続して洗浄する場合でも、基板同士のお互いの干渉や衝突がおこらないよう配慮した。
【0020】
次に、下面からのシャワー圧力が1kgf/cm2に対し、インラインシャワーの長さLとして100mmの長さ当たりに固定して、搬送条件を満足する流量を実験により調べた。その結果、1l/minで基板の上昇を防止できるが、1l/minは流量の下限値であった。逆に流量の上限値は、4l/minであり、この値より大きくなると基板の上昇は防止できるが、基板にかかる負荷が大きくなるため、滑らかな搬送ができない。従って流量の最適値は1l/min〜4l/minであった。
【0021】
また、上シャワーからでる純水の比抵抗は、洗浄中の基板1への帯電により、基板中に内蔵している素子や電極等の静電破壊と関係があるため、静電破壊を防止できる比抵抗値である1MΩ以上を満足する流量条件を検討した。コンダクトメーターを使用して洗浄後の純水の比抵抗を測定した結果、流量4l/minの時1.28MΩであり、1.0l/min〜3.0l/minではいずれも1.4MΩとなり1MΩ以上を満たすことができた。
【0022】
そこで、本実施形態1では基板1の浮上を押さえるシャワーの流量は2.5l/minとした。このとき、搬送方向に基板1が撓わまないようにする必要があるため、この時の搬送ローラのピッチは60mmとした。
【0023】
(実施形態2)
以下に、本発明の基板洗浄装置において、レジスト露光後の基板表面の現像と基板下面の洗浄とを同時に行う場合の実施形態について説明する。
【0024】
本実施形態2においては、図7に示すように、下シャワーパイプ8からは下洗浄シャワー10が噴出されて基板1の下面を洗浄し、上シャワーパイプ7からはレジスト現像液12が噴出され、基板1の上面のレジストの現像を行うものである。本実施形態2においては、上シャワーパイプ7の中心から75mm下に基板1の表面が位置するように上シャワーパイプ7の高さを設定した。
【0025】
レジスト現像液12を噴出する以外は実施形態1と類似しているが、実施形態1では基板の浮上を押さえるために2.5l/minの洗浄水を用いたが、本実施形態2では搬送用押さえ付けシャワー4からは、実施形態1で検討したと同じ条件の流量の圧縮空気を噴出させた。また、下面からのシャワー圧力が1kgf/cm2に対し、インラインシャワーの長さLとして100mmの長さ当たりに固定して、搬送条件を満足する流量を実験により調べた結果、圧縮空気を使用した本実施形態2の場合であっても、純水を使用した実施形態1の場合と同様の結果が得られた。
【0026】
搬送用押さえ付けシャワー4から純水を噴出させずに、圧縮空気を噴出させて搬送させる理由は、圧縮空気は現像液と混合しないので現像液の濃度の変化を防止できるためである。実施形態1のように純水を用いた場合は、純水と現像液との混合が生じこれにより現像液の濃度変化が起こり現像ムラとなった。
【0027】
以上の方法で、基板表面の現像と基板裏面の洗浄とを同時に行うことができた。圧縮空気の代わりに、窒素ガスを噴出させた場合も上記と同様の結果が得られた。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の基板洗浄装置においては、基板上面の押さえローラを液体もしくは気体を噴出することで、基板上面の接触する部材がなくなり、従来、基板を搬送する際に必要とされた余分な面積を必要としないために有効面積を大きくするか、あるいは基板1枚当たりの液晶表示パネルの取れ数を増加させることが可能となる。また、接触によるパーティクルの付着を防止することができるために、製造歩留を向上させることが可能となる。これらのことから、結果的にコストダウンを図ることが可能となる。
【0029】
また、ローラやOリング等の消耗部品の定期交換のサイクルが長くなることから、洗浄装置の耐久性とメインテナンスの容易性が著しく向上する。
【0030】
さらに、基板表面側は液体または気体の流量とその噴出角度により基板を押さえ付ける圧力を可変できるので、これを最適条件に設定しバランスさせることにより、基板搬送トラブルを解消できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の搬送状態を説明する図である。
【図2】本発明の実施形態1の基板洗浄装置の上面図におけるA−A’断面図である。
【図3】本発明の実施形態1の基板洗浄装置の、基板搬送方向に沿った側面から見た側面図である。
【図4】本発明の実施形態1のシャワー部分の状態を説明する図である。
【図5】本発明の実施形態1の搬送用押さえ付けシャワー部の構造図である。
【図6】本発明の実施形態1の上面図である。
【図7】本発明の実施形態2の搬送状態を説明する断面図である。
【図8】従来例の搬送機構を示す断面図である。
【符号の説明】
1 基板
2 搬送用ローラシャフト
3 搬送用ローラ
4 搬送用押さえ付けシャワー
5 液供給パイプ
6 Oリング
7 上シャワーパイプ
8 下シャワーパイプ
9 上洗浄シャワー
10 下洗浄シャワー
11 基板押さえローラ
12 レジスト現像液
13 ノズル穴
Claims (3)
- 被洗浄基板を下側の搬送ローラによって支持して搬送すると共に該基板の上面及び下面に液体をシャワー状に噴出して洗浄する機構を有する基板洗浄装置において、前記基板が搬送ローラから浮き上がることを防止するために、前記基板の上側に液体を噴出することにより該基板を押さえ付ける押圧手段として、搬送用押さえ付けシャワーを備えたことを特徴とする基板洗浄装置。
- 前記搬送用押さえ付けシャワーから液体を噴出させる方向が、基板と垂直な方向から基板の内側へ向けて5°以上60°以下傾けられていることを特徴とする請求項1に記載の基板洗浄装置。
- 被洗浄基板を下側の搬送ローラによって支持して搬送すると共に該基板の上面及び下面に液体をシャワー状に噴出して少なくとも該基板の下面を洗浄する機構を有する基板洗浄装置において、前記基板が搬送ローラから浮き上がることを防止するために、前記基板の上側に気体を噴出することにより該基板を押さえ付ける押圧手段として、搬送用押さえ付けシャワーを備えたことを特徴とする基板洗浄装置。
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JP21024397A JP3590711B2 (ja) | 1997-08-05 | 1997-08-05 | 基板洗浄装置 |
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JP21024397A Expired - Fee Related JP3590711B2 (ja) | 1997-08-05 | 1997-08-05 | 基板洗浄装置 |
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