JP3587432B2 - 分電盤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、設置現場において各部材を組み立てることのできる分電盤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の分電盤としては、例えば特開平7−236209号公報に示されるものがある。この分電盤は、図8に示すように、建物の天井部材と床部材との間に対向するようにして配設された一対の側板部材1,1と、分電盤の背面側となる側板部材1,1の端部間に橋架されるとともに前面側に電気機器(図示せず)が配設される背板部材2と、分電盤の前面側となる側板部材1,1の端部間を橋絡する支持部材31,32,33,34と、側板部材1,1の前面側に支持部材31,32,33,34を介して開閉自在に取り付けられる蓋部材41,42,43,44とからなる盤ブロックAを備えており、盤ブロックAは、床用金具71を用いて床部材に固定されるとともに、突っ張り部材72,73及び引っ張り部材74,75を用いて天井部材に固定される。
【0003】
この分電盤は、側板部材1の溝部1eに嵌挿された固定部材76に背板部材2をねじ止めするとともに、蓋部材41,42,43,44を開閉自在に支持した状態で、側板部材1の溝部1eに嵌挿された固定部材76に支持部材31,32,33,34をねじ止めすることにより、組み立てられる。また、側板部材1の上下方向の両端部において、側板部材1の溝部1e,1eに嵌挿された固定部材76に内面側から略L字状の床用金具71及び引っ張り部材75がねじ止めにより取り付けられている。なお、床用金具71は、床部材に埋め込まれたボルト77にねじ固定されている。
【0004】
上述のように、各部材をねじ止めすることにより、分電盤を容易に組み立てることができるので、分電盤を分解した状態で設置現場に搬入し、設置現場で分電盤を組み立てることができる。したがって、組み立てられた状態の箱状の重い分電盤を設置現場に搬入する必要がなく、設置現場への分電盤の搬入作業が容易になり、少人数でも分電盤を設置することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記構成の分電盤では、対向配置された一対の側板部材1,1間を背板部材2及び支持部材31〜34によって連結しているだけなので、一対の側板部材1,1間ががたつきやすく、分電盤の機械的強度が低いという問題があった。また、複数の盤ブロックAを並設する場合、隣接する盤ブロックAの側板部材1,1を正確に位置合わせしにくいという問題もあった。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、機械的強度を高めるとともに、隣接する盤ブロックの位置合わせを容易に行える分電盤を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、天井部材と床部材との間に対向するように配設された一対の側板部材と、一対の側板部材の背面側となる端部間に橋架されるとともに前面側に電気機器が配設される背板部材と、一対の側板部材の前面側となる端部間を橋絡する支持部材と、一対の側板部材の前面側となる端部間に支持部材を介して開閉自在に取り付けられる蓋部材とからなる盤ブロックを複数組並設し、隣接する盤ブロックの側板部材に盤ブロック間を連通する電線挿通孔を穿設し、一対の側板部材の天井部材側及び床部材側の端部間にそれぞれ一対の側板部材と背板部材と支持部材の内周面に沿うようにして内部に電線挿通孔を有した枠部材を設け、この枠部材の電線挿通孔に対応する電線挿通孔を有して床部材に固定されるとともに並設された盤ブロックの両端まで伸びるベース部材に床部材側の各枠部材を固定し、天井部材側の隣接する枠部材間を該各枠部材の電線挿通孔縁の隣接した一面に係合する突片を有して天井部材に固定される連結部材を介して連結しており、一対の側板部材の天井部材側及び床部材側の端部間に、それぞれ、一対の側板部材と背板部材と支持部材の内周面に沿うようにして枠部材を設けているので、一対の側板部材間が枠部材により強固に結合され、側板部材間のがたつきをなくすことができる。しかも、並設された盤ブロックの床部材側の各枠部材はベース部材上に固定され、天井部材側の隣接する枠部材間を該各枠部材の電線挿通孔縁の隣接した一面に係合する突片を有して天井部材に固定される連結部材により連結されており、隣接する盤ブロックの位置合わせを正確、且つ、容易に行うことができるので、一対の側板部材に設けた電線挿通孔の位置が正確に一致し、隣接する盤ブロック間の配線を容易に行うことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図1乃至図7を参照して説明する。
【0009】
この分電盤は、建物の天井部材51と床部材52との間に対向するように配置された一対の側板部材1,1と、分電盤の背面側となる側板部材1,1の端部間に橋架される背板部材2と、分電盤の前面側となる側板部材1,1の端部間を橋絡する支持部材31,32と、分電盤の前面側となる側板部材1,1の端部間に支持部材31,32を介して開閉自在に取り付けられる蓋部材4と、一対の側板部材1,1の天井部材51側及び床部材52側の端部間にそれぞれ一対の側板部材1,1と背板部材2と支持部材31,32の内周面に沿うようにして配設される枠部材5,6とからなる盤ブロックAを2組備えており、2組の盤ブロックAをベース部材たるチャンネルベース7上に並設して構成される。尚、本実施形態では、2組の盤ブロックAを並設して分電盤を構成しているが、並設する盤ブロックAの数を2組に限定する趣旨のものではなく、3組以上の盤ブロックAを並設して分電盤を構成しても良い。
【0010】
分電盤の前面側となる背板部材2の表面には、背板部材2の長手方向に沿って長尺状の枕板8,8が例えば溶接により固着されている。取付台91 〜94 は、略長方形状の取付板9aの四隅から、ねじ挿通孔(図示せず)が穿設された略L字状の脚片9bを立設して形成されており、脚片9bのねじ挿通孔に挿通された取付ねじ60を枕板8に螺入することにより、取付台91 〜94 が背板部材2の前面側に固定される。而して、電気機器としての主幹ブレーカ10や複数の分岐ブレーカ11が取付台91 〜94 を介して背板部材2の前面側に配設される。
【0011】
側板部材1はアルミニウムなどの金属材料から形成され、一面に凸部1aが突設されて、断面略凸字状の筒体に形成されている。また、天井部材51側及び床部材52側の側板部材1の両端部における凸部1aの表面には、それぞれ、ねじ溝の設けられたねじ孔1bが3個づつ2列に形成されている。
【0012】
背板部材2はアルミニウムなどの金属材料から形成され、略長方形状の底板2aの4辺から側板2bが垂下されている。また、支持部材31,32はアルミニウムなどの金属材料から形成され、略長方形状の中央片31a,32aの4辺からそれぞれ側板31b,32bが垂下されている。同様に、蓋部材4はアルミニウムなどの金属材料から形成され、略長方形状の蓋板4aの4辺から側板4bが垂下されている。
【0013】
ここで、支持部材31と対向する蓋部材4の側板4bの一端側には軸4cが突設されており、支持部材32と対向する蓋部材4の側板4bの一端側には保持孔(図示せず)が穿設されている。また、蓋部材4と対向する支持部材31の側板31bには、蓋部材4に設けた軸4cが挿入される保持孔(図示せず)が穿設され、蓋部材4と対向する支持部材32の側板32bには、蓋部材4に設けた保持孔に挿入される軸32cが突設されている。
【0014】
枠部材5,6はアルミニウムなどの金属材料から形成され、略長方形状の中央片5a,6aの略中央に略長方形状の電線挿通孔5b,6bが形成され、側板部材1,1と対向する中央片5a,6aの2辺から側板5c,6cがそれぞれ垂下され、中央片5a,6aの他の2辺から側板5d,6dがそれぞれ垂下されている。側板部材1,1と対向する側板5c,6cは、背板部材2又は支持部材31,32と対向する側板5d,6dよりも高さが高くなっており、側板部材1,1のねじ孔1bに対応する側板5c,6cの部位には、それぞれ6個の挿通孔5eが2列に穿設されている。また、枠部材5の中央片5aの四隅にはねじ溝が形成されたねじ孔5fが形成され、枠部材6の中央片6aの四隅には挿通孔6fが穿設されている。
【0015】
また、2組の盤ブロックAが固定されるチャンネルベース7はアルミニウムなどの金属材料から形成され、略長方形状の中央片7aの4辺から側板7bが垂下されている。2組の盤ブロックA,Aの枠部材6,6にそれぞれ設けられた電線挿通孔6b,6bに対応する中央片7aの部位には、電線挿通孔6b,6bとそれぞれ連通する電線挿通孔7c,7cが穿設され、枠部材6,6にそれぞれ設けられた各4個の挿通孔6fに対応する中央片7aの部位にはねじ溝が形成されたねじ孔7dが4個づつ形成されている。
【0016】
ところで、2組の盤ブロックA,Aの枠部材5,5はそれぞれ固定部材12,13を用いて天井部材51に固定されるのであるが、分電盤の両端に位置する枠部材5,5の部位を天井部材51に固定するための固定部材12は、ねじ部12aが突設された略長方形状の固定片12bを有しており、固定部材12はねじ部12aを介して天井部材51に固定されている。また固定片12bの一端縁には、枠部材5の電線挿通孔5bの周縁部と係合する突片12cが突設され、枠部材5のねじ孔5fに対応する固定片12bの部位には挿通孔12dが穿設されている。一方、隣接する盤ブロックA,Aの枠部材5,5を連結するとともに天井部材51に固定するための連結部材としての固定部材13は、ねじ部13aが突設された略長方形状の固定片13bを有しており、固定部材13はねじ部13aを介して天井部材51に固定されている。また固定片13bの両端縁には、枠部材5,5の電線挿通孔5b,5bの周縁部とそれぞれ係合する突片13c,13cが突設され、枠部材5のねじ孔5fに対応する固定片13bの部位には挿通孔13dが穿設されている。
【0017】
この分電盤の組立方法について以下に説明する。
【0018】
まず、対向配置された一対の側板部材1,1の一方の両端部間に中央片5a,6aを外向きにして枠部材5,6を配置し、枠部材5,6の挿通孔5e,6eに挿通された取付ねじ61を、側板部材1,1に設けられたねじ孔1bに螺入し、枠部材5,6を介して側板部材1,1を固定する。
【0019】
凸部1aに対応する背板部材2の部位には複数のねじ挿通孔(図示せず)が形成されるとともに、このねじ挿通孔に対応する凸部1aの側縁部にはねじ孔(図示せず)が形成されており、背板部材2のねじ挿通孔に挿通された取付ねじ62を凸部1aのねじ孔に螺入することにより、分電盤の背面側となる側板部材1,1の端部間に背板部材2が橋架され、背板部材2の前面側に枕板8,8を固定し、取付台91 〜94 を介して主幹ブレーカ10及び分岐ブレーカ11を背板部材2に配設する。
【0020】
次に、蓋部材4の軸4cを支持部材31の保持孔に挿入するとともに、支持部材32の軸32cを蓋部材4の保持孔に挿入して、支持部材31,32間に蓋部材4を開閉自在に支持した状態で、分電盤の前面側となる側板部材1,1の端部間に支持部材31,32が例えばねじ止めにより固定され、盤ブロックAが組み立てられる。
【0021】
2組の盤ブロックA,Aは、枠部材6,6をチャンネルベース7側にして、床部材52に固定されたチャンネルベース7上に配設され、枠部材6の挿通孔6fに挿通された六角ボルト63をチャンネルベース7のねじ孔7dに螺入することにより、各盤ブロッックA,Aがチャンネルベース7を介して床部材52に固定される。この時、枠部材6の電線挿通孔6bとチャンネルベース7の電線挿通孔7cとが連通するので、電線挿通孔6b,7cを介して外部から盤ブロックAの内部に電線を容易に引き入れることができる。
【0022】
一方、固定部材12の突片12cを、分電盤の両端に位置する枠部材5の電線挿通孔5bの内周縁と係合させた状態で、固定部材12の挿通孔12dに挿通された六角ボルト64を枠部材5のねじ孔5fに螺入するとともに、固定部材13の突片13c,13cを、それぞれ、分電盤の中央側に位置する枠部材5,5の電線挿通孔5b,5bの内周縁と係合させた状態で、固定部材13の挿通孔13dに挿通された六角ボルト64を各枠部材5のねじ孔5fにそれぞれ螺入することにより、各盤ブロックA,Aが固定部材12,13を介して天井部材51に固定され、分電盤が天井部材51と床部材52との間に固定される。
【0023】
上述のように、枠部材5,6は一対の側板部材1,1と背板部材2と支持部材31,32の内周面に沿うようにして設けられており、一対の側板部材1,1間が枠部材5,6により強固に結合されるので、側板部材1,1間のがたつきをなくすことができ、盤ブロックAの機械的強度を高めることができる。また、各盤ブロックA,Aの天井部材51側の枠部材5,5は、固定部材12,13を介して天井部材51に固定されており、固定部材13が隣接する枠部材5,5を連結しているので、隣接する枠部材5,5、すなわち、盤ブロックA,Aの位置合わせを正確、且つ、容易に行うことができる。しかも、各盤ブロックA,Aの床部材52側の枠部材6,6はチャンネルベース7を介して床部材52に固定されているので、チャンネルベース7により隣接する枠部材6,6、すなわち、盤ブロックA,Aの位置合わせを正確、且つ、容易に行うことができる。
【0024】
また、隣接する2組の盤ブロックA,Aの側板部材1,1には、盤ブロックA,A間に電線70を挿通するための電線挿通孔1c,1cがそれぞれ穿設されており、この電線挿通孔1c,1cを介して盤ブロックA,A間の配線を行うことができる。上述のように隣接する盤ブロックA,Aは、固定部材12及びチャンネルベース7を用いて、正確、且つ、容易に位置決めされるので、盤ブロックA,Aを位置決めした状態で、隣接する側板部材1,1に設けた電線挿通孔1c,1cの位置が正確に一致し、盤ブロックA,A間の配線作業を容易に行うことができる。
【0025】
【発明の効果】
上述のように、本発明は、天井部材と床部材との間に対向するように配設された一対の側板部材と、一対の側板部材の背面側となる端部間に橋架されるとともに前面側に電気機器が配設される背板部材と、一対の側板部材の前面側となる端部間を橋絡する支持部材と、一対の側板部材の前面側となる端部間に支持部材を介して開閉自在に取り付けられる蓋部材とからなる盤ブロックを複数組並設し、隣接する盤ブロックの側板部材に盤ブロック間を連通する電線挿通孔を穿設し、一対の側板部材の天井部材側及び床部材側の端部間にそれぞれ一対の側板部材と背板部材と支持部材の内周面に沿うようにして内部に電線挿通孔を有した枠部材を設け、この枠部材の電線挿通孔に対応する電線挿通孔を有して床部材に固定されるとともに並設された盤ブロックの両端まで伸びるベース部材に床部材側の各枠部材を固定し、天井部材側の隣接する枠部材間を該各枠部材の電線挿通孔縁の隣接した一面に係合する突片を有して天井部材に固定される連結部材を介して連結しており、一対の側板部材の天井部材側及び床部材側の端部間に、それぞれ、一対の側板部材と背板部材と支持部材の内周面に沿うようにして枠部材を設けているので、一対の側板部材間が枠部材により強固に結合され、側板部材間のがたつきをなくすことができ、盤ブロックの機械的強度が高まるという効果がある。しかも、並設された盤ブロックの床部材側の各枠部材はベース部材上に固定され、天井部材側の隣接する枠部材間を該各枠部材の電線挿通孔縁の隣接した一面に係合する突片を有して天井部材に固定される連結部材により連結されており、隣接する盤ブロックの位置合わせを正確、且つ、容易に行うことができるので、一対の側板部材に設けた電線挿通孔の位置が正確に一致し、隣接する盤ブロック間の配線を容易に行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の分電盤を示す分解斜視図である。
【図2】同上の要部斜視図である。
【図3】同上の要部分解斜視図である。
【図4】同上の要部分解斜視図である。
【図5】同上の正面から見た要部断面図である。
【図6】同上の上方から見た要部断面図である。
【図7】同上の設置状態を示す説明図である。
【図8】従来の分電盤を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1 側板部材
2 背板部材
31,32 支持部材
4 蓋部材
5,6 枠部材
7 チャンネルベース
13 固定部材

Claims (1)

  1. 天井部材と床部材との間に対向するように配設された一対の側板部材と、一対の側板部材の背面側となる端部間に橋架されるとともに前面側に電気機器が配設される背板部材と、一対の側板部材の前面側となる端部間を橋絡する支持部材と、一対の側板部材の前面側となる端部間に支持部材を介して開閉自在に取り付けられる蓋部材とからなる盤ブロックを複数組並設し、隣接する盤ブロックの側板部材に盤ブロック間を連通する電線挿通孔を穿設し、一対の側板部材の天井部材側及び床部材側の端部間にそれぞれ一対の側板部材と背板部材と支持部材の内周面に沿うようにして内部に電線挿通孔を有した枠部材を設け、この枠部材の電線挿通孔に対応する電線挿通孔を有して床部材に固定されるとともに並設された盤ブロックの両端まで伸びるベース部材に床部材側の各枠部材を固定し、天井部材側の隣接する枠部材間を該各枠部材の電線挿通孔縁の隣接した一面に係合する突片を有して天井部材に固定される連結部材を介して連結することを特徴とする分電盤。
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