JP3586863B2 - クリーン乾燥保管庫及びその制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、クリーン乾燥保管庫及びその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体部品、樹脂成型品、医薬品など、粒子汚染の影響を避けなければならない物品は、クリーンルームのようなコンタミネーションコントロールがなされた空間において生産され、管理されるが、これらの物品を生産工程においてクリーンルームから外部一般環境を経由して他のクリーンルームに移動するような場合には、移動式クリーン保管庫が使用される。
【0003】
この移動式クリーン保管庫は、図8に示すように、プレフィルタ81を介して陰圧部82に吸入した空気をファン83により陽圧部84に圧送し、HEPAフィルタ85にてろ過した清浄空気を庫内空間86に常時供給し、庫内空間86を陽圧に保持することで、庫内空間86への汚染粒子の侵入を阻止するものであり、庫内空間86からの排気は前面の扉87の隙間及び排気フィルタ88を通じて行われ、一部は陰圧部82に再循環される。
【0004】
そして、クリーンルーム内に静置されている間は、図示しない交流電源に接続され、バッテリー89の充電を行いつつファン83の送風運転を行い、クリーンルームから外部に移動する際は、交流電源を外してバッテリー駆動に切り換えることで庫内清浄度を維持するようにしていた。このようなクリーン保管庫は、周囲の空気を常時吸入するため、周囲環境の湿度に庫内湿度が影響を受け、低湿度で物品を保管することは困難であった。
【0005】
また、バッテリーにより交流ファンを運転するためのコンバータや充電器を搭載する必要がある上、バッテリーは寿命により定期的に交換する必要も有り、導入及び保守のコストに少なからず影響を与えていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来技術の上記の点に鑑みて、外気湿分の侵入を抑制し、低湿度で物品を保管できると共に、バッテリーを搭載せず低コストでメンテナンスが容易な移動式クリーン乾燥保管庫を提供することを目的としてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明のクリーン乾燥保管庫は、本体ケース内部に密閉状態の庫内空間を形成し、該庫内空間の前面には物品を出し入れするための開閉扉を設ける一方、庫内空間の背面にはメインフィルタを設け清浄空気の吹出部とすると共に、庫内空間底部の空気回収口から吸引回収した空気を前記メインフィルタに圧送する空気循環路と送風手段とを備え、且つ、該送風手段の吐出側となる空気循環路陽圧部に、該送風手段とは別の圧力源による圧縮空気を除湿乾燥して供給するエア供給管路及びエアドライヤを設け、且つ、庫内空間の昇圧に応じて庫内空間の空気を庫外に排出する排気管路を設けた。そして該排気管路には、庫内空間の昇圧に応じて開き、庫内空間の空気を庫外に排出する排気リリーフ弁を設けた。また、上記送風手段の吐出側に、該送風時に開き、送風停止時には閉じる逆流防止弁を設けた。
【0008】
上記庫内空間は、前方に引き出し可能な棚板と、該棚板の引き出し状態で棚板後方に生ずる間隙を閉鎖する仕切板とによって複数の小空間に区画され、更に該小空間は、棚板前端に設けた前板によって開閉扉側と区画される一方、棚板前端付近においては、該棚板を貫通するスリットによって相互に連通されていることが好適である。また、棚板前端に配置された前板は手前側に倒せるように取り付けられていることが好適である。
【0009】
また本発明は、上記クリーン乾燥保管庫の制御方法として、空気循環路陰圧部に湿度センサを設け、庫内から回収された空気が設定湿度以下の所定の湿度となった時に、空気循環路陽圧部へのエア供給管路に設けた電磁弁を閉じ、ドライエアの供給を停止する一方、前記回収空気が設定湿度以上となった時に前記電磁弁を開きドライエアの供給を再開するようにした。また、庫内空間前面の開閉扉の開放時には送風手段を停止させると共に、湿度センサの設定湿度の如何に拘わらず電磁弁を開きドライエアの供給を継続するようにした。更に、庫内空間前面の開閉扉を一旦開放し送風手段が停止した後に開閉扉を閉鎖した場合には、送風手段を直ちに作動させず、所定時間の経過後に送風手段の運転を再開するようにした。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1及び図2に本発明実施形態のクリーン乾燥保管庫を示す。図において、クリーン乾燥保管庫1は、本体ケース2の内部に密閉状態の庫内空間3を形成し、該庫内空間3の両側面は強化ガラス製で、内部が見通せるようにすると共に、庫内空間3の前面には扉4を設け、開閉可能としている。
【0011】
庫内空間3の背面にはパンチメタル等の気流拡散部材5を設け、更にその背後にはHEPAフィルタからなるメインフィルタ6を設け、清浄空気の吹出部とする一方、メインフィルタ6の背後の陽圧部7(陽圧チャンバー)には、ファン8(送風手段)の吐出口を接続し、該吐出口には逆流防止弁8aを設けている。
【0012】
そして、庫内空間3の底面前端付近には空気回収口9を開口すると共に、該空気回収口9からファン8の周囲にかけて隔壁10で区画して陰圧部11を形成し、空気回収口9から陰圧部11、ファン8、陽圧部7、メインフィルタ6を経て庫内空間3に循環する空気循環路を形成している。12は、空気回収口10から回収された空気の湿度を感知する湿度センサである。
【0013】
また、庫内空間3の底面から本体ケース2の底部に至る排気管13を設け、該排気管13の内部には多孔質材料を充填すると共に、排気管13の下端部には排気リリーフ弁13aを設けてある。排気リリーフ弁13aは、スプリング等の付勢手段(図示せず)により付勢され、庫内空間3の気圧が臨界値以上になると開いて排気を行い、庫内空間3を所定の気圧以下に保持する。実施形態のクリーン乾燥保管庫1では例えば臨界値を100Paとした。
【0014】
本体ケース2の下部には、操作パネル14を含む制御部(図示せず)と共に、ドライエア供給部15が配置されている。ドライエア供給部15は、クリーンルーム等の設備付属の圧空供給管を着脱可能に接続するカプラー16から、陽圧部7に至るエア供給管17に電磁弁18、エアフィルタ19、ミストセパレータ20、エアドライヤ21、レギュレーター22を設け、更に流量計23、流量制御弁24を経て、陽圧部7内のエア吹出部にはサイレンサ25を設けている。26はドレンパン、27はモニター窓である。エアドライヤ21としては、水蒸気透過膜式エアドライヤ(中空系膜式エアドライヤ)が好適である。水蒸気透過膜式エアドライヤは、電源が不要でメンテナンスも容易であるため、移動式のクリーン乾燥保管庫1に最適である。
【0015】
また、本体ケース2の下部側面に配置された操作パネル14には、ファン8のON/OFFを行うファンスイッチ41、ドライエア供給のON/OFFを行うドライスイッチ42を設け、それらはそれぞれの運転表示灯を兼ねている。また、流量異常ランプ43は、ドライエア供給中に流量計23で計測されるドライエア流量が設定値以下となった場合に点灯する。そして、湿度異常ランプ44は、湿度センサ13で計測される庫内湿度が設定値以上となった場合に点灯し、湿度異常を表示するものである。また、流量異常時及び湿度異常時には上記流量異常ランプ43、湿度異常ランプ44と共に図示しないブザーが鳴動し警報を発する。
【0016】
庫内空間3は、4枚の棚板31と仕切板32とによって4段の小空間3a,3b,3c,3dに区画されている。棚板31は、両側部に設けたガイドレール(図示せず)によって摺動自在に支持され、前方に引き出し可能となっており、仕切板32は、その際、棚板31の後方に生ずる間隙を閉鎖し、上下に隣接する小空間同士がその部分で連通されないようにすると共に、先端部には棚板31の脱落を防止するストッパー32aを形成している。
【0017】
棚板31の前端には前板33を設け、該前板33によって庫内空間3は各小空間3a〜3d側と扉4側とに区画され、各小空間3a〜3dは外部に対して扉4と各前板33とで二重に遮蔽されている。各前板33は、図3及び図4に示すように、棚板31前端にヒンジ35で手前側に倒せるように取り付けられている。また、各棚板31の前端付近には棚板31の全幅に亘り連続または断続的に延在するスリット34を設け、棚板31の収納状態では該スリット34によってのみ各小空間3a〜3dが連通している。
【0018】
次に、上記実施形態に基づき、クリーン乾燥保管庫1の動作について、図面と共に説明する。尚、概略図の図5〜図7においては、最下段の棚板31及び小空間3dは省略してある。
【0019】
(1)始動及び基本動作
電源投入時には、ファンスイッチ41、ドライスッチ42を両方共ONにして、庫内空間3のクリーンアップ及び除湿を行う。即ち、ファンスイッチ41の操作によりファン8が動作し、該ファン8により陰圧部11内の空気が陽圧部7に圧送され、メインフィルタ6でろ過され、清浄空気が庫内空間3(3a〜3d)に吹き出される。庫内空間3の各小空間3a〜3dに吹き出された清浄空気は、前方に流れてスリット34から、順次下側の小空間に流れエアーカーテン気流を形成しつつ庫内空間3の底部に至り、空気回収口9を通じて陰圧部11に回収され、再循環される。
【0020】
これと並行して、ドライスイッチ42の操作により電磁弁18が開き、エア供給管17に圧縮空気が供給され、エアフィルタ19、ミストセパレータ20で圧縮空気に混入している粒子やオイルミスト等が除去され、更に、エアドライヤ21を通過することによって、圧縮空気中の水蒸気が分離されてドライエアとなり、レギユレータ22、流量計23、流量制御弁24、サイレンサ25を経て陽圧部7内に吹き出される。
【0021】
上記ドライエアの供給により、庫内空間3に循環される清浄空気の湿度が低下すると共に、ドライエア供給に伴い循環空気量が増加し、庫内空間3の気圧が上昇し、該気圧が所定の臨界値に達すると、排気リリーフ弁13aが開き、排気管13を通じて排気がなされ、庫内空間3は所定の陽圧度に保持される。このようにして、庫内空間3が除湿され、回収空気の湿度が設定湿度に到達し、湿度センサ12がこれを感知すると、湿度異常ランプ44が消え、庫内空間3の除湿・清浄化が完了する。
【0022】
そして、回収空気の湿度が設定湿度以下の所定の湿度(例えば相対湿度が設定湿度のマイナス2〜3%)まで降下し、湿度センサ12がこれを感知すると電磁弁18が閉じ、ドライエアの供給を停止する。これと共に排気リリーフ弁13aも閉じる。ドライエアの供給停止後に庫内空間3の湿度が上昇し設定湿度に達すると、再度電磁弁18が開かれ、ドライエアの供給が再開される。以上のような制御により、庫内空間3は所望する低湿度状態に保持される。実施形態のクリーン乾燥保管庫(清浄度クラス100/M3.5)では、一般空調(22℃/相対湿度60%)の部屋で相対湿度を常時5%以下に保持可能である。
【0023】
(2)物品の収容及び取り出し
庫内空間3に物品を収容する場合は、庫内空間3の除湿・清浄化が完了した後に行う。先ず、扉4の開放と共に図示しないドアスイッチのインターロックによりファン8が停止し、空気回収口9からの外気湿分の吸入を防止する。また、ファン8の停止に伴い逆流防止弁8aは閉じる。一方、扉4の開放と同時に湿度センサ12の検出値に拘らず電磁弁18が開き、ドライエアの供給が継続され、少風量ではあるが、メインフィルタ6を通過したドライエアが庫内空間3に供給され、庫内空間3を清浄化する。
【0024】
そして、図3及び図6に示すように、物品を収容する小空間(図示例では3b)の棚板31を手前に引き出して棚板31上に物品を収容するが、この際、庫内空間3に送給された空気は小空間3bの開口部から庫外に流出するように切り替わり、この気流は小空間3bへの外気湿分の侵入と、それ以外の小空間3a,3c,3dへの湿分の拡散を抑制する。また、物品収容時には、引き出した棚板31の前板33を手前に倒す(図3矢印▲2▼)ことで容易に物品を収容できる。
【0025】
次いで、引き出した棚板31を元に戻すが、この際、図4に示す如く前記前板33を倒したまま棚板31を押し戻し(図4矢印▲3▼)、その後に前板33を起こす(同矢印▲4▼)ことにより、前板33による外気湿分の押し込みが抑制される。尚、物品の出し入れは、棚板31を引き出さずに前板33を手前に倒すことのみで行なうこともできる。
【0026】
物品の収容後、外側の扉4を閉じると再度ドアスイッチがONになるがこの時、ファン8は直ちに作動せず、所定時間(数秒〜2分程度)が経過した後に作動する。一方、扉4の閉鎖と共にドライエアの供給は開始されており、この間、陽圧部7内に貯溜されたドライエアがファン8の運転再開によって庫内空間3に吹き出され、庫内空間3の空気を一気に置換することにより、短時間で低湿度雰囲気が得られる。尚、クリーン乾燥保管庫1から物品を取り出す場合も、基本的に上記収容時と同様の手順で行なう。
【0027】
(3)保管庫の移動
クリーン乾燥保管庫1の移動は、物品の収容後、庫内空間3が所定の湿度以下になったのを確認してから行う。ファン8の運転及びドライエアの供給を停止することで、排気リリーフ弁13aが閉じ、外気の侵入を抑制すると共に、排気管13内の多孔質材料によって外気湿分の侵入が抑制される。次いで、設備付属の圧空供給管をカプラー16から外し、電源コードをコンセントから抜いてクリーン乾燥保管庫1を速やかに移動する。
【0028】
尚、上記実施形態では、排気管13内に多孔質材料を充填する場合について述べたが、排気効率を優先し多孔質材料を使用せずに排気リリーフ弁13aのみによって外気湿分の侵入を抑制するように構成することも可能である。また、逆に排気リリーフ弁13aを省略し多孔質材料のみによって外気湿分の侵入を抑制するように構成することもでき、その場合、ドライエア供給中には排気により多孔質材料の湿分が放散され、多孔質材料が再生される。
【0029】
また、上記実施形態では、各前板33が棚板31前端に取り付けられている場合を示したが、各前板33を、棚板31とは別に本体ケース2に手前側に倒せるように取り付け、前板33を倒してから棚板31を引き出す方式としたり、棚板31を固定式とすることもできる。更に、上記実施形態では、本発明のクリーン乾燥保管庫を、本体ケース下部にキャスターを備えた移動式のクリーン乾燥保管庫1として実施した場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、据え置き式のクリーン乾燥保管庫として実施することも本発明の範囲内において可能である。
【0030】
【発明の効果】
本発明のクリーン乾燥保管庫は、以上詳述した通り、本体ケース内部に密閉状態の庫内空間を形成し、該庫内空間の前面には物品を出し入れするための開閉扉を設ける一方、庫内空間の背面にはメインフィルタを設け清浄空気の吹出部とすると共に、庫内空間底部の空気回収口から吸引回収した空気を前記メインフィルタに圧送する空気循環路と送風手段とを備え、且つ、該送風手段の吐出側となる空気循環路陽圧部に、該送風手段とは別の圧力源による圧縮空気を除湿乾燥して供給するエア供給管路及びエアドライヤを設け、且つ、庫内空間の昇圧に応じて庫内空間の空気を庫外に排出する排気管路を設けたので、庫内空間を所定の清浄度に保持しつつ、低湿度状態で物品を保管でき、半導体部品、樹脂成型品、医薬品など、湿度と粒子汚染の影響を避けなければならない物品の保管とクリーンルーム外への移動が可能である。
【0031】
特に、圧縮空気の供給分のみで庫内空間を陽圧に保持し、それ以外の外気を取り込まず湿分負荷を最小限に留めた構成により、圧縮空気自体の消費量も少なく、且つ、送風手段の送風能力も小さくできると共に、基本的に庫内空間の密閉度が高く、短時間であれば送風運転をせずに庫内空間の清浄度と低湿度状態を維持でき、バッテリーや充電器、コンバータなどを搭載する必要がなく製造およびメンテナンスのコストを低減でき、且つ、メンテナンスも容易である。
【0032】
そして排気管路に、庫内空間の昇圧に応じて開き、庫内空間の空気を庫外に排出する排気リリーフ弁を設けた構成により、圧縮空気の供給停止時における外気湿分の侵入とそれによる庫内空間の湿度上昇を防止し、圧縮空気の供給頻度を少なくし圧縮空気の消費量を少なくでき、また、庫内空間の昇圧を防止する安全弁としての機能も有する。
【0033】
また、送風手段の吐出側に、該送風時に開き、送風停止時には閉じる逆流防止弁を設けた構成により、送風手段の停止時に除湿のための圧縮空気を供給しても、該圧縮空気が送風手段に逆流せず、物品の収容及び取り出し時に送風手段を停止して空気回収口からの外気湿分の侵入を抑えることができる。
【0034】
また、本発明のクリーン乾燥保管庫は、庫内空間が、前方に引き出し可能な棚板と、該棚板の引き出し状態で棚板後方に生ずる間隙を閉鎖する仕切板とによって複数の小空間に区画され、更に該小空間は、棚板前端に設けた前板によって開閉扉側と区画される一方、棚板前端付近においては、該棚板を貫通するスリットによって相互に連通されている構成としたことにより、外側の開閉扉と棚板前板との二重扉により庫内空間の密閉度が高められ、且つ、外側の開閉扉を開放しても物品の出し入れを行なわない棚は閉鎖しておくことで外気湿分の侵入を抑えることができると共に、仕切板により引き出した棚から他の棚への湿分の拡散を防止できる。
【0035】
また、物品の保管時には、棚板前端付近に設けたスリットによりエアカーテン気流が形成され、被保管物品を清浄に保持し、且つ、物品の出し入れを行なうために棚板を引き出した際には、エアカーテン気流は引き出した棚板部から外部に流出する気流に切り替わり、外気湿分の侵入とそれによる湿度上昇を抑制する。
【0036】
また、棚板前端に配置された前板を手前側に倒せる可倒式としたことにより、引き出した棚板を元に戻す際、前板を倒したまま棚板を押し戻し、その後に前板を起こすことにより、前板による外気湿分の押し込みを抑制できる。また、棚板を引き出さずに前板を手前に倒すことのみでも物品の出し入れを行なうことができる。
【0037】
本発明は、上記クリーン乾燥保管庫の空気循環路陰圧部に湿度センサを設け、庫内から回収された空気が設定湿度以下の所定の湿度となった時に、空気循環路陽圧部へのエア供給管路に設けた電磁弁を閉じ、ドライエアの供給を停止する一方、前記回収空気が設定湿度以上となった時に前記電磁弁を開きドライエアの供給を再開する制御により、庫内空間を自動的に所定の低湿度状態に保つことができると共に、圧縮空気の消費量を少なく抑えることができる。
【0038】
そして、庫内空間前面の開閉扉の開放時には送風手段を停止させると共に、湿度センサの設定湿度の如何に拘わらず電磁弁を開きドライエアの供給を継続する制御により、物品の収容及び取り出し時に送風手段を自動停止して空気回収口からの外気湿分の侵入を抑えると共に、ドライエアの供給により扉開放時にも庫内空間を清浄化することができる。
【0039】
また、庫内空間前面の開閉扉を一旦開放し送風手段が停止した後に開閉扉を閉鎖した時、送風手段を直ちに作動させず、所定時間の経過後に送風手段の運転を再開する制御により、送風手段停止中に空気循環路陽圧部にドライエアを貯留し送風手段の運転再開と共に庫内空間の空気が一気に置換され、短時間で低湿度雰囲気が得られる。これにより、頻繁な扉の開閉があっても庫内空間を低湿度状態に維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施形態のクリーン乾燥保管庫を示す側面図である。
【図2】本発明実施形態のクリーン乾燥保管庫を示す側断面図である。
【図3】本発明実施形態のクリーン乾燥保管庫において棚板を引き出す過程を示す要部側断面図である。
【図4】本発明実施形態のクリーン乾燥保管庫において引き出した棚板を戻す過程を示す要部側断面図である。
【図5】本発明実施形態のクリーン乾燥保管庫における扉閉鎖時の動作及び空気の流れを示す側断面図である。
【図6】本発明実施形態のクリーン乾燥保管庫における扉開放時の動作及び空気の流れを示す側断面図である。
【図7】本発明実施形態のクリーン乾燥保管庫における扉閉鎖/送風停止時の動作及び空気の流れを示す側断面図である。
【図8】従来のクリーン保管庫を示す側断面図である。
【符号の説明】
1 クリーン乾燥保管庫
2 本体ケース
3 庫内空間
3a,3b,3c,3d 小空間
4 扉
5 清浄空気吹出部
6 メインフィルタ
7 陽圧部
8 ファン(送風手段)
8a 逆流防止弁
9 空気回収口
11 陰圧部
12 湿度センサ
13 排気管
13a 排気リリーフ弁
16 カプラー
17 エア供給管
18 電磁弁
21 エアドライヤ
31 棚板
32 仕切板
33 前板
34 スリット
Claims (8)
- 本体ケース内部に密閉状態の庫内空間を形成し、該庫内空間の前面には物品を出し入れするための開閉扉を設ける一方、庫内空間の背面にはメインフィルタを設け清浄空気の吹出部とすると共に、庫内空間底部の空気回収口から吸引回収した空気を前記メインフィルタに圧送する空気循環路と送風手段とを備え、且つ、該送風手段の吐出側となる空気循環路陽圧部に、該送風手段とは別の圧力源による圧縮空気を除湿乾燥して供給するエア供給管路及びエアドライヤを設け、且つ、庫内空間の昇圧に応じて庫内空間の空気を庫外に排出する排気管路を設けたことを特徴とするクリーン乾燥保管庫。
- 排気管路には、庫内空間の昇圧に応じて開き、庫内空間の空気を庫外に排出する排気リリーフ弁を設けた請求項1記載のクリーン乾燥保管庫。
- 送風手段の吐出側に、該送風時に開き、送風停止時には閉じる逆流防止弁を設けた請求項1または2記載のクリーン乾燥保管庫。
- 庫内空間は、前方に引き出し可能な棚板と、該棚板の引き出し状態で棚板後方に生ずる間隙を閉鎖する仕切板とによって複数の小空間に区画され、更に該小空間は、棚板前端に設けた前板によって開閉扉側と区画される一方、棚板前端付近においては、該棚板を貫通するスリットによって相互に連通されている請求項1,2または3記載のクリーン乾燥保管庫。
- 庫内空間は、棚板によって複数の小空間に区画され、更に該小空間は、棚板前端に配置された前板によって開閉扉側と区画されると共に、該前板は手前側に倒せるように取り付けられている請求項1,2,3または4記載のクリーン乾燥保管庫。
- 空気循環路陰圧部に湿度センサを設け、庫内から回収された空気が設定湿度以下の所定の湿度となった時に、空気循環路陽圧部へのエア供給管路に設けた電磁弁を閉じ、ドライエアの供給を停止する一方、前記回収空気が設定湿度以上となった時に前記電磁弁を開きドライエアの供給を再開する請求項1,2,3,4または5記載のクリーン乾燥保管庫の制御方法。
- 庫内空間前面の開閉扉の開放時には送風手段を停止させると共に、湿度センサの設定湿度の如何に拘わらず電磁弁を開きドライエアの供給を継続する請求項6記載のクリーン乾燥保管庫の制御方法。
- 庫内空間前面の開閉扉を一旦開放し送風手段が停止した後に開閉扉を閉鎖した場合には、送風手段を直ちに作動させず、所定時間の経過後に送風手段の運転を再開する請求項7記載のクリーン乾燥保管庫の制御方法。
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2002
- 2002-04-12 JP JP2002110397A patent/JP3586863B2/ja not_active Expired - Lifetime
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KR102131708B1 (ko) * | 2019-02-25 | 2020-07-09 | 대구보건대학교산학협력단 | 치기공용 디스크 블록의 정렬 보관장치 |
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