JP3586622B2 - フィルム貼り付き防止機能付き円筒内面走査型記録装置および画像記録方法 - Google Patents
フィルム貼り付き防止機能付き円筒内面走査型記録装置および画像記録方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、円筒内面走査型記録装置(版下プロッタ)および斯る装置を用いた画像記録方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
輪転印刷機などの版下を作成するために円筒内面走査型記録装置が使用されている(例えば、特開平7−92413号および特開平11−167079号参照)。
円筒内面走査型記録装置においては、感材フィルムは供給ローラによって半円筒ドラムの内面に供給され、真空吸着機構などにより半円筒ドラムの内面に吸着保持される。このように半円筒ドラムの内面に吸着保持された感材フィルムに光学系を用いてレーザビームを走査することにより画像の記録が行われる。
画像の記録が終わると、真空吸着は解除され、記録済みの感材フィルムは排出ローラによって半円筒ドラムから排出され、次の処理工程に送られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
感材フィルムには排出方向側(進み側)のフィルム端部まで画像を記録する必要があるので、画像記録時には、排出方向側のフィルム端部は排出ローラに噛み込ませてなく、排出ローラの直ぐ手前に位置決めしてある。
このため、記録済みの感材フィルムを排紙するに際しては、感材フィルムの排出方向側端部が排出ローラに噛み込まれるに至るまでの間は、排出方向側とは逆方向に位置する供給ローラにより感材フィルムを排出ローラに向かって押し出すような動作をさせなければならない。
しかしながら、静電気的吸着などにより感材フィルムが半円筒ドラムの内面になお貼り付いていることがあり、感材フィルムを正常に送り出すことができないことがあった。
【0004】
そこで、本発明の目的は、円筒内面走査型記録装置において、排出時に記録済みの感材フィルムが半円筒ドラムの内面に貼り付くのを防止することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、円筒内面走査型記録装置において、感材フィルムの搬送制御部を改良するもので、本発明によれば、感材フィルムの搬送制御部は、感材フィルムへの記録が終わると、供給ローラを逆転させてフィルムを一定量供給ローラ側に一旦巻き戻することにより半円筒ドラムの内面へのフィルムの貼り付きを解除した後、供給ローラを正転させてフィルムを排出ローラまで送って排出ローラに噛み込ませ、更に供給ローラおよび排出ローラを正転させることによりフィルムを半円筒ドラムの内面から送り出すようにプログラムしたことを特徴とするものである。
【0006】
他の観点においては、本発明は、円筒内面走査型記録装置を用いて感材フィルムに画像を記録する方法を提供するもので、この方法は、半円筒ドラムの内面に感材フィルムを供給し、半円筒ドラムの内面に保持された感材フィルムに光ビームを走査することにより感材フィルムに画像を記録し、記録済みのフィルムを一定量巻き戻すことにより半円筒ドラムの内面へのフィルムの貼り付きを解除し、次いで、フィルムを前進させることにより半円筒ドラムの内面からフィルムを送り出すことを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1を参照するに、円筒内面走査型記録装置10は半円筒ドラム12を備え、このドラム12は半円筒形の内面14を有する。半円筒ドラム12は従来型の真空吸着機構(図示せず)を備え、感材フィルム16を半円筒形内面14に吸着するようになっている。
【0008】
円筒内面走査型記録装置10は、更に、感材フィルム16のロールを収容するマガジン18と、感材フィルムをドラム12に供給する供給ローラ機構20と、感材フィルムをドラム12から排出する排出ローラ機構22と、ドラム12の半円筒形内面14に吸着された感材フィルム16にレーザビームのような光ビームを走査するための光学系24と、排出ローラ機構22の後段に配置されたカッター44を有する。これらの構成要素はいづれも従来型のものであり得る。
【0009】
供給ローラ機構20および排出ローラ機構22は、夫々、駆動ローラ26、28とカウンタローラ30、32とで構成することができる。
駆動ローラ26、28はベルトその他の伝動手段により共通のステッピングモータ34によって回転駆動される。
【0010】
円筒内面走査型記録装置10は、ステッピングモータ34を制御するための搬送制御部36を備えている。供給ローラ機構20および排出ローラ機構22と、それらを駆動するステッピングモータ34と、後者を制御する搬送制御部36とにより、円筒内面走査型記録装置10のフィルム搬送系46が構成される。
【0011】
搬送制御部36は、プログラム可能な中央処理装置(CPU)38と、出力ポート40と、カウンタ42を有する。
搬送制御部36の中央処理装置38は、図2のフローチャートに示したフィルム搬送プログラムを実行するべくプログラムされている。
【0012】
次に、この円筒内面走査型記録装置10の動作を説明するに、光学系24は従来のものと同一の構成を有し同様に動作することができるので、詳細な説明は省略する。
専らフィルム搬送系46の動作を説明するに、中央処理装置38からの指令によりポート40はステッピングモータ34への指令信号を発生し、カウンタ42はステッピングモータ34への駆動パルス信号を生成する。
中央処理装置38は、ポート40を介してステッピングモータ34の回転方向の切り替えと駆動のON/OFFを行い、カウンタ42を介してステッピングモータ34の回転量と回転速度を制御する。
ステッピングモータ34の回転はベルトその他の伝動手段を介して供給ローラ機構20の駆動ローラ26および排出ローラ機構22の駆動ローラ28に伝えられ、それらを回転させる。
【0013】
画像の記録に際しては、感材フィルム16は供給ローラ機構20によりマガジン18から引き出され、ドラム12の半円筒形内面14に沿って送り出される。感材フィルム16は、その進み側端部が排出ローラ28に達する直前で停止される。この位置で真空吸着機構を作動させることにより感材フィルム16はドラムの半円筒形内面14に吸着される。
【0014】
次に、ドラムの半円筒形内面14に保持された感材フィルム16に対して光学系24によりレーザビームを走査することにより従来通りに画像の記録が行われ、感材フィルム16に潜像が形成される。
【0015】
画像の記録が終わると、真空吸着を解除し、感材フィルム16を半円筒ドラム12から送り出すのであるが、この時、感材フィルム16は排出ローラ機構22の駆動ローラ28とカウンタローラ32との間に噛み込まれていないので、感材フィルム16がドラムの半円筒形内面14に静電気的吸着などにより貼り付いていると、感材フィルム16が排出ローラ機構22まで送られないことが起こり得る。
そこで、本発明に従い、搬送制御部36は、フィルム16に対する記録が終わると、供給ローラ機構20によりフィルム16を一定量供給ローラ側に巻き戻すことにより、ドラムの半円筒形内面14に対するフィルム16の貼り付きを解除する。
【0016】
このため、画像の記録が終わり真空吸着が解除されると、図2のフローチャートに示したように、中央処理装置38は、カウンタ42に感材フィルム16の巻き戻し量と巻き戻し速度を設定し、ポート40に供給ローラ機構20の駆動ローラ26の逆転を設定すると共に、駆動ローラ26の駆動を指令する。
【0017】
駆動ローラ26の逆転により、感材フィルム16は巻き戻され、フィルム16は供給ローラ機構20の方に引っ張られるので、フィルム16がドラムの半円筒形内面14に貼り付いていたとしてもフィルム16に作用する張力によりフィルム16は半円筒形内面14から引き剥がされる。
【0018】
所定量の巻き戻しが完了すると、中央処理装置38は、ポート40に駆動ローラ26の停止を指示し、カウンタ42に感材フィルム16の送り(前進)量と送り速度を設定し、ポート40に駆動ローラ26の正転を設定すると共に、駆動ローラ26の駆動を指令する。
感材フィルム16は或る程度の腰の強さを有するので、半円筒形内面14から剥離されたフィルム16は供給ローラ機構20の駆動ローラ26の正転により前方に押し出され、排出ローラ機構22の駆動ローラ28とカウンタローラ32との間に噛み込まれる。
【0019】
以後は、供給ローラ機構20と排出ローラ機構22の通常の正転動作によりフィルム16はドラム12の半円筒形内面14から送り出され、カッタ44により切断されて装置外に排出される。
切断後は、フィルム16はその進み側端部が排出ローラ28から離脱するまで巻き戻され、次の露光に備える。
【0020】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明によれば、記録済みの感材フィルムの排出時に、記録済みフィルムがドラムの半円筒形内面に貼り付くことがないので、確実かつ円滑に記録済みフィルムを送り出すことができる。
また、本発明による改良は、搬送制御部のプログラムを改変することにより極めて容易に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の円筒内面走査型記録装置の模式的断面図である。
【図2】図1に示した装置の搬送制御部の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10: 円筒内面走査型記録装置
12: 半円筒ドラム
14: ドラムの半円筒形内面
16: 感材フィルム
20: 供給ローラ機構
22: 排出ローラ機構
24: 光学系
36: 搬送制御部
38: 制御部の中央処理装置
46: フィルム搬送系
Claims (2)
- 半円筒ドラムの内面に感材フィルムを供給する供給ローラ機構と、半円筒ドラムの内面に保持された感材フィルムに光ビームを走査することにより感材フィルムに画像を記録する光学系と、記録済みの感材フィルムを半円筒ドラムの内面から排出するための排出ローラ機構と、前記ローラ機構を駆動するモータと、前記モータを制御する制御部とを備えた円筒内面走査型記録装置において、
前記制御部は、感材フィルムへの記録が終わると、供給ローラを逆転させてフィルムを一定量供給ローラ側に一旦巻き戻することにより半円筒ドラムの内面へのフィルムの貼り付きを解除した後、供給ローラを正転させてフィルムを排出ローラまで送って排出ローラに噛み込ませ、更に供給ローラおよび排出ローラを正転させることによりフィルムを半円筒ドラムの内面から送り出すべくプログラムされていることを特徴とする円筒内面走査型記録装置。 - 円筒内面走査型記録装置を用いて感材フィルムに画像を記録するにあたり、
半円筒ドラムの内面に感材フィルムを供給し、
半円筒ドラムの内面に保持された感材フィルムに光ビームを走査することにより感材フィルムに画像を記録し、
記録済みのフィルムを一定量巻き戻すことにより半円筒ドラムの内面へのフィルムの貼り付きを解除し、
次いで、フィルムを前進させることにより半円筒ドラムの内面からフィルムを送り出すことを特徴とする画像記録方法。
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