JP3586049B2 - 液晶表示パネル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶表示パネルに係り、特に、いわゆるアクティブ・マトリックス型と称される液晶表示パネルに関する。
【0002】
【従来の技術】
アクティブ・マトリックス型の液晶表示パネルは、液晶を介して互いに対向配置される一対の透明基板のうちの一方の透明基板の液晶側の面に、x方向に延在しy方向に並設されるゲート信号線とこのゲート信号線に絶縁されy方向に延在しx方向に並設されるドレイン信号線とが形成され、これら信号線で囲まれる各画素領域に、ゲート信号線からの走査信号の供給によってオンされる薄膜トランジスタと、このオンされた薄膜トランジスタを介してドレイン信号線からの映像信号が供給される画素電極とを備えて構成されている。
【0003】
そして、これら各ゲート信号線およびドレイン信号線はいわゆるフォトリソグラフィ技術を用いた微細加工によって形成されるものであることから、液晶表示パネルの製造過程において、これら各信号線が断線して形成されているか否か、あるいは各信号線との間にショートが発生していないか否か等が検査されるのが通常である。
【0004】
この場合、この検査を効率的に行うために、後に切断分離される透明基板面に各ゲート信号線の一端側を共通に接続した短絡線および各ドレイン信号線の一端側を共通に接続した短絡線を形成しているようにしている。
【0005】
このようにした場合、ゲート信号線の一方の短絡線に一方の検査用プローブをあてがい各ゲート信号線の他端側の検査用端子に他方の検査用プローブをあてがうことにより、各ゲート信号線が断線しているか否かが検出できるようになる。ドレイン信号線に対しても同様の操作によってそれらが断線しているか否かが検出できるようになる。また、ゲート信号線の短絡線に一方の検査用プローブをあてがいドレイン信号線の短絡線に他方の検査用のプローブをあてがってそれらの間の電気抵抗を計測することによりゲート信号線とドレイン信号線とのショートが生じているか否かを検査できるようになる(以下、このように構成された回路を断線およびショート検査回路と称する場合がある)。
【0006】
一方、薄膜トランジスタは、ゲート信号線の一部の領域をゲート電極とし、ドレイン信号線を延在させた部分をドレイン電極とするMIS型トランジスタとして形成されているため、そのしきい値電圧の変動あるいは破壊を防止する目的で該信号線に集中的な静電気が帯電してしまうのを防止する対策もなされている(たとえば、特開平5−27263号公報参照)。
【0007】
すなわち、液晶が封入される領域であってかつ前記画素領域の集合で形成される表示領域の外周に、全てのゲート信号線およびドレイン信号線のそれぞれに非線形抵抗素子を介して接続される静電保護用の共通線を形成する構成とし、この共通線によって、一部に生じた静電気を各信号線の全部に分散させるようにしている(以下、このように構成した回路を静電保護用回路と称する場合がある)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した断線およびショートの検査回路が備えられている液晶表示パネルにおいて、前記静電保護用回路をそのまま導入させた場合に、ゲート信号線とドレイン信号線のそれぞれが非線形抵抗素子を介した共通線によって互いに接続されてしまうことから、それらの信号線の断線あるいはショートを判定できなくなってしまうという弊害が指摘されるに到った。
【0009】
本発明は、このような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、信号線の断線あるいはショートの検査および薄膜トランジスタの静電防止対策をいずれも充分に行い得る液晶表示パネルを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために本発明は、基本的には、液晶を介して互いに対向配置される一対の透明基板のうちの一方の透明基板(第1透明基板1)の液晶側の面に、x方向に延在しy方向に並設されるゲート信号線とこのゲート信号線に絶縁されy方向に延在しx方向に並設されるドレイン信号線とが形成され、これら信号線で囲まれる複数の画素領域A(その集合体で表示領域が構成される)に、ゲート信号線からの走査信号の供給によってオンされる薄膜トランジスタと、このオンされた薄膜トランジスタを介してドレイン信号線からの映像信号が供給される画素電極とを備え、他方の透明基板(第2透明基板10)の液晶側の面に、複数の画素領域の各々に共通な共通電極が形成され、この共通電極は第1透明基板1と第2透明基板10との間に介在される導電体を介して該一方の透明基板側へ引き出される液晶表示パネルにおいて、
前記第1透明基板1の液晶側の面には、前記表示領域の前記y方向に沿う第1辺の外側にy方向に延在し且つ非線形抵抗素子Dを介して前記複数のゲート信号線2の各々に接続される第1共通線10Gと、この表示領域の前記x方向に沿う第2辺の外側にx方向に延在し且つ非線形抵抗素子Dを介して前記複数のドレイン信号線3の偶数番目の夫々に接続される第2共通線10D’と、この表示領域を挟んで第2辺に対向する表示領域の第3辺の外側にx方向に延在し且つ非線形抵抗素子Dを介して前記複数のドレイン信号線3の奇数番目の夫々に接続される第3共通線10Dとが互いに離れて形成され、
前記第2共通線10D’と前記第3共通線10Dとは前記導電体12並びに前記共通電極を介して電気的に接続され、且つ
前記第1共通線10Gは前記共通電極と接続されていないことを特徴とするものである。
【0011】
このように構成された液晶表示パネルにおいて、たとえばゲート信号線とドレイン信号線との間にショートが生じているか否かを検査する場合、〔従来の技術〕にて上述したようにゲート信号線2の各々の一端に共通に接続された短絡線2Aに一方のプローブをあてがいドレイン信号線3の各々の一端に共通に接続された短絡線3A,3A’に他方のプローブをあてがってそれらの間の電気抵抗を計測するのが通常となる。
【0012】
来の構成にみられるようにその静電保護用回路を構成するゲート信号線非線形抵抗素子を介して接続されている共通線と、ドレイン信号線非線形抵抗素子を介して接続されている共通線とが、互いに接続されている、ゲート信号線の短絡線から非線形抵抗素子を介して前記共通線へ、さらに非線形素子を介してドレイン信号線の短絡線へと電流が流れてしまうことから、上述した検査ができないことになる。
【0013】
これに対して、本発明は、基本的には、ゲート信号線に非線形抵抗素子を介して共通接続される第1共通線10Gとドレイン信号線に非線形抵抗素子を介して共通接続される第2共通線10D’及び第3共通線10Dとを電気的に絶縁するようにすることによって、上述した弊害を除去できるようになる。
【0014】
また、ゲート信号線あるいはドレイン信号線のそれぞれの断線の検査等の他の全ての検査においても従来どおりに行うことができ、それらのいずれにおいても静電保護用の共通線に全く影響されることなく信頼性ある検査を実行することができるようになる。
【0015】
また、非線形抵抗素子および共通線からなる静電保護用回路においても、各信号線の断線あるいはショートの検出回路によって、その構成が制約されることがないことから、充分な静電保護対策ができるようになる。
【0016】
したがって、本発明の構成によれば、各信号線の断線あるいはショートの検査および薄膜トランジスタの静電防止対策をも充分に行なうことができるようになる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は本発明による液晶表示パネルの外囲器を構成する一方のガラス基板の液晶側の面の構成を示す平面である。そして、このガラス基板は各信号線の断線あるいはショートを検査できる状態にあるものとなっている。
【0018】
同図において、まず、実際に液晶表示パネルを構成するガラス基板の大きさよりも若干大きめに形成されたガラス基板1がある。すなわち、このガラス基板1は後の工程で図中点線Qの個所において切断されその周辺が分離されるようになっている。
【0019】
このようなガラス基板1の液晶側の面には、図中x方向に延在しかつy方向に並設されたゲート信号線2が形成され、これら各ゲート信号線2と絶縁されてy方向に延在しかつx方向に並設されたドレイン信号線3が形成されている。
【0020】
ゲート信号線2とドレイン信号線3とで囲まれる矩形の領域(たとえば図中点線Aで囲まれた領域)はそれぞれ画素領域となり、この領域には、その詳細を図2に示すように、ゲート信号線2からのゲート信号によってオンする薄膜トランジスタTFTと、このオンされた薄膜トランジスタTFTを介してドレイン信号線3からのドレイン信号が供給される透明な画素電極ITOを備えている。また、該薄膜トランジスタTFTがオフした際に画素電極ITOにドレイン信号が長く蓄積させるために付加容量Caddも備えられている。
【0021】
これにより、ゲート信号が印加されたゲート信号線2のライン上の画素領域において、各ドレイン信号線3からのドレイン信号(画素信号)が画素電極ITOに供給され、図示しない他方のガラス基板の液晶側に形成された透明な共通電極との間に電位差を生じせしめ該液晶の光透過率を変調させるようになっている。
【0022】
ゲート信号線2の図1における右側の端部は、後の工程で分離される部分のガラス基板面上にまで延在され、該部分に形成されている検査用の短絡線2A’に共通接続されて形成されている。また、各ゲート信号線2は、分離後の実際のガラス基板1となる一端側(図中左側)の辺部において、比較的幅が広く形成されて外部端子2T並びに、検査用端子2tが形成されている。
【0023】
また、それぞれのドレイン信号線3において、図中左側から数えて偶数番目に相当するものは図中上側の後の工程で分離される部分のガラス基板面上にまで延在され、該部分に形成されている検査用の短絡線3Aに共通接続され、図中右側から数えて奇数番目に相当するものが図中下側の後の工程で分離される部分のガラス基板面上にまで延在され、該部分に形成されている検査用の短絡線3A’に共通接続されている。
【0024】
この場合、各ドレイン信号線3は、分離後の実際のガラス基板1となる一端側(図中上側)の辺部において比較的幅が広く形成されて外部端子3Tを構成するようになっている。さらに、ドレイン信号線3の他端側(図中下側)には単独の検査用の端子3tが形成されている。
【0025】
さらに、前記ガラス基板1の面には、液晶が封入される領域であってこの領域を囲むようにして形成されるシール材5と前記画素領域の集合で形成される表示領域との間に、いわゆる静電保護用の共通線10が形成されている。
【0026】
この静電保護用の共通線10は、各ゲート信号線3と絶縁されて直交する方向に延在され、かつ該ゲート信号線3と非線形抵抗素子Dを介して接続されるの共通線10G、10G’と、各ドレイン信号線2と絶縁されて直交する方向に延在され、かつ該ドレイン信号線と非線形抵抗素子Dを介して接続される共通線10D、10D’とから構成されている。
【0027】
この場合、共通線10G、10G’は、ゲート信号線3の両端側(図中左右の各側)のそれぞれに形成され、それらは互いに電気的に絶縁されててもよいが、この実施例では、図中最下段に形成されているゲート信号線2(2J)を介して互いに接続されている。この効果については後に説明する。
【0028】
また、共通線10D、10D’は、ドレイン信号線3の両端側(図中上下の各側)のそれぞれに形成され、それらはガラス基板1面上の構成のみに限ってみた場合に互いに電気的に絶縁された構成となっている。このように構成した理由は、各信号線の断線およびショートの検査の際にこれら共通線10Dが互いに接続されていると該検査ができなくなるからである。
【0029】
そして、前記非線形抵抗素子Dは、拡大図である図3に示すように、ゲート信号線2のそれぞれにおいて、図中左側の外部端子2T側のゲート信号線2と共通線10Gとの間に接続された非線形抵抗素子Dg1と、該共通線10Gと表示領域側のゲート信号線2との間に接続された非線形抵抗素子Dg2とから構成されている。同様に、図1における右側の検査端子2t側のゲート信号線2と共通線10G’との間に接続された非線形抵抗素子Dg2と、該共通線10G’と表示領域側のゲート信号線2との間に接続された非線形抵抗素子Dg2とから構成されている。
【0030】
また、ドレイン信号線3の図1の左側から数えて数番目の夫々(図1中、上側の短絡線3Aに接続されているドレイン信号線3)、図3に示すように、図中上側の外部端子3T側に設けられた共通線10Dに、非線形抵抗素子Dd1と、非線形抵抗素子Dd2とを介して接続されている。
【0031】
また、図1の左側から数えて数番目のドレイン信号線3の夫々(図1中、下側の短絡線3 A’に接続されているドレイン信号線3)、図1に示すように、図1の下側に示される検査用端子3t側に設けられた共通線10D’に、非線形抵抗素子Dd1と、非線形抵抗素子Dd2とを介して接続されている。
【0032】
なお、これら各非線形抵抗素子は、たとえば、表示領域内の薄膜トランジスタTFTとほぼ同じ工程で形成されるMIS型トランジスタであって、そのゲート電極とドレイン電極とが接続された状態で形成されるものとなっている。しかし、これに限定されることはなく、同様の機能を有する素子ならばなんでもよいことはいうまでもない。
【0033】
上述した構成から明らかとなるように、y方向に延在しかつ非線形抵抗素子Dを介して各ゲート信号線2に接続される共通線10G,10G’と、x方向に延在しかつ非線形抵抗素子Dを介して偶数番目の各ドレイン信号線に接続される共通線10D’と、x方向に延在しかつ非線形抵抗素子を介して奇数番目の各ドレイン信号線に接続される共通線10Dとは互いに電気的に絶縁された構成となっていることが判る。
【0034】
さらに、この実施例では、特に、図中左側および右側の共通線10G、10G’のそれぞれは、図中下側の端のゲート信号線2Jに接続されている。このゲート信号線2Jはいわゆるダミー信号線と称されるもので、実際の画素の駆動にあって用いられない信号線となっている。すなわち、表示に対して無用の該ゲート信号線2(2J)を有効に利用することによって、共通線10G、10G’の配線長を増加せしめることによって帯電する静電気の分散を効果ならしめるように図っている。
【0035】
同様に、図中上側の共通線10Dは、図中右側の端のドレイン信号線3Jに接続され、また、図中下側の共通線10D’は、図中左側の端のドレイン信号線3Jに接続されている。これら各ドレイン信号線もいわゆるダミー信号線と称されるもので、実際の使用にあって用いられない信号線となっている。同様に静電気の分散を効果ならしめるためである。
【0036】
このようなゲート信号線およびドレイン信号線における各ダミー信号線は、各画素領域における回路が図2に示すようになる関係から、回路としては必要となるが表示には直接寄与しないという性質を備えるものとなっている。このため、上述した表示領域において実行的な表示領域は図中斜線で示した部分となる。
【0037】
なお、このように各共通線10G、10G’、10D、10D’をそれぞれダミー線に接続させるようにしても、共通線10Gおよび10G’、共通線10D、共通線10D’のそれぞれは互いに接続されることはなく、電気的に独立したものとなっている。
【0038】
さらに、この実施例では、共通線10D、10D’のそれぞれの一端が、電極COMに接続されて構成され、他方のガラス基板を組み立てた際に、該他方のガラス基板の液晶側の面に形成された透明な共通電極と接続されるようになっているが、共通線10G、10G’は該共通電極に接続されないように構成されたものとなっている。
【0039】
この理由は、図中に示す液晶表示パネルは、図中左側に走査駆動回路が設けられ、図中上側に映像駆動回路が設けられる構成となっており、駆動時における駆動負荷が大きくなってしまうのを解決するためである。
【0040】
このように構成されたガラス基板1は、たとえば次の態用で検査がなされるようになっている。
【0041】
(1)ゲート信号線2とドレイン信号線3との間のショートの検査
ゲート信号線2側の短絡線2A’とドレイン信号線3側の短絡線3A及び3A’との間に検査用プローブを当接し、短絡線2A’と短絡線3A,3A’の間に流れる電流を測定する。その測定値によってゲート信号線2とドレイン信号線3との間のショートの有無が検出できるようになる。
【0042】
この場合、上述したように、ゲート信号線2側の共通線10Gとドレイン信号線3側の共通線10Dとは互いに電気的に分離されていることから、これらの共通線10G、10Dに全く影響されることなく、ゲート信号線2とドレイン信号線3との間のショートの検査を行うことができるようになる。
【0043】
(2)隣接するドレイン信号線2どうしの間のショートの検査
ドレイン信号線3の一方(図中上側)の短絡線3Aと、ドレイン信号線3の他方(図中下側)の短絡線3A’とに検査用プローブを当接し、それらの間に流れる電流を測定する。その測定値によって隣接するドレイン信号線3どうしの間のショートの有無が検出できるようになる。
【0044】
この場合、上述したように、各ドレイン信号線3には、その一方の側(たとえば図中上側)において非線形抵抗素子Dが形成されている場合、他方の側(たとえば図中下側)において非線形抵抗素子が形成されていない構成となっていることから、隣接するドレイン信号線3どうしは全く電気的に絶縁されるようになっている(換言すれば、隣接するドレイン信号線3は静電保護用回路によってショートしていない構成となっている)。このため、信頼性ある検査を図ることができる。
【0045】
(3)各信号線の断線の検査
検査すべき信号線の一端に共通に接続される短絡線(2Aあるいは3A,3A’)とその信号線の一端とは逆端に置かれた端子(2tあるいは3t,3T)との間に検査用プローブを当接し、それらの間に流れる電流を測定する。
【0046】
このようなことから、静電保護用回路を上述したような構成にすることによって、各信号線の断線あるいはショートの検査を効率よくかつ信頼性よく行うことができるようになる。
【0047】
このようにして、各信号線の断線あるいはショートが発見されることのないガラス基板1は、図4に示すように、このガラス基板1と異なる他方のガラス基板10とともに液晶表示パネルを構成するようになっている。ここで、他方のガラス基板10は、その液晶側の面において既に各画素領域に共通な透明の共通電極、およびこの液晶表示パネルがカラー表示用のそれならばカラーフィルタ等が形成されたものとなっている。
【0048】
ここで、上述したように、ガラス基板1の電極COM上に配置させた導電体12によって、ガラス基板10側の透明な共通電極をガラス基板1側に引き出すことができるようになっている。
【0049】
なお、このようにして液晶表示パネルの外囲器が構成され、液晶は前記各ガラス基板1、10の間に、前記シール材5に一部(図示しない)に予め設けられている封入孔から封入されるようになっている。液晶封入後において前記シール材5に設けられた封入孔は完全に封止されることはいうまでもない。
【0050】
以上説明した実施例から明らかなように、たとえばゲート信号線とドレイン信号線との間にショートが生じているか否かを検査する場合、上述したようにゲート信号線の短絡線に一方のプローブをあてがいドレイン信号線の短絡線に他方のプローブをあてがってそれらの間の電気抵抗を計測するのが通常となる。
【0051】
この場合、従来の構成にみられるようにその静電保護用回路における共通線において、ゲート信号線と非線形抵抗素子を介して接続されている共通線と、ドレイン信号線と非線形抵抗素子を介して接続されている共通線とが、互いに接続されている構成となっている場合、ゲート信号線の短絡線から非線形抵抗素子を介して前記共通線へ、さらに非線形素子を介してドレイン信号線の短絡線へと電流が流れてしまうことから、上述した検査ができないことになる。
【0052】
このため、本実施例では、基本的には、ゲート信号線に非線形抵抗素子を介して共通接続される共通線とドレイン信号線に非線形抵抗素子を介して共通接続される共通線とを電気的に絶縁するようにすることによって、上述した弊害を除去できるようになる。
【0053】
また、ゲート信号線あるいはドレイン信号線のそれぞれの断線の検査等の他の全ての検査においても従来どおりに行うことができ、それらのいずれにおいても静電保護用の共通線に全く影響されることなく信頼性ある検査を実行することができるようになる。
【0054】
また、非線形抵抗素子および共通線からなる静電保護回路においても、各信号線の断線あるいはショートの検出回路によって、その構成が制約されることがないことから、充分な静電保護対策ができるようになる。
【0055】
したがって、本発明の構成によれば、各信号線の断線あるいはショートの検査および薄膜トランジスタの静電防止対策をも充分に行なうことができるようになる。
【0056】
また、共通線10G、10G’、10D、10D’は、それぞれダミー線を利用することによって線長を実質的に増大させていることから、帯電された静電気を充分に分散させることのできる構成となっている。したがって、静電保護対策を充分なものとすることができる効果を奏する。
【0057】
なお、この場合において、各共通線10G、10G’10D、10D’の線長を増大させるのにダミー線を用いたが、新たに線を形成し、この線に接続させるようにしてもよいことはいうまでもない。ただし、ダミー線を用いた場合には、ガラス基板1上において余分な領域をわざわざ設ける必要がなくなるという効果を奏する。
【0058】
上述した実施例では、ゲート信号線2の一方の側からゲート信号が供給されるとともに、ドレイン信号線3の一方の側からドレイン信号が供給される構成となっているものであるが、これに限定されることはないことはもちろんである。各ドレイン信号線3において、その一つおきのドレイン信号線3には一方の側から、また残りのドレイン信号線3には他方の側から、それぞれドレイン信号が供給されるようにしたものにおいても適用できるからである。
【0059】
図5は、この場合における概略的な回路図を示したものであり、図1と対応する部分は同一の符号で示している。この場合においても基本的には、y方向に延在しかつ非線形抵抗素子Dを介して各ゲート信号線2に接続される共通線10G(10G’)と、x方向に延在しかつ非線形抵抗素子Dを介して偶数番目の各ドレイン信号線に接続される共通線10Dと、x方向に延在しかつ非線形抵抗素子を介して奇数番目の各ドレイン信号線に接続される共通線10D’とは互いに電気的に絶縁された構成となっていることが判る。
【0060】
なお、図5に示した構成において、各共通線10G(10G’)、10D、10D’のそれぞれにおいて互いに電気的に絶縁された構成を確保しつつ、実質的に線長を長くするようにしてもよいことはもちろんである。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、本発明による液晶表示パネルによれば、信号線の断線あるいはショートの検査および薄膜トランジスタの静電防止対策をも充分に行い得るようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による液晶表示パネルの一方のガラス基板の液晶側の面の構成を示した平面図である。
【図2】本発明による液晶表示パネルの一方のガラス基板の画素領域の詳細を示す等価回路図である。
【図3】図1の部分拡大図である。
【図4】本発明による液晶表示パネルの平面を示す一部破断図である。
【図5】本発明による液晶表示パネルの他の実施例を示す等価回路図である。
【符号の説明】
1……ガラス基板、2……ゲート信号線、3……ドレイン信号線、2A、2A’3A、3A’……短絡線、10G、10G’、10D、10D’……共通線、D……非線形抵抗素子。

Claims (6)

  1. 液晶を介して互いに対向配置される第1透明基板及び第2透明基板を備え、
    前記第1透明基板の液晶側の面には、x方向に延在し且つy方向に並ぶ複数のゲート信号線、該複数のゲート信号線から絶縁され且つ該y方向に延在し且つ該x方向に並ぶ複数のドレイン信号線、及び該複数のゲート信号線と該複数のドレイン信号線とで夫々囲まれる複数の画素領域からなる表示領域が形成され、且つ該複数の画素領域の各々は該ゲート信号線からの走査信号の供給によってオンされる薄膜トランジスタと該オンされた薄膜トランジスタを介して該ドレイン信号線からの映像信号が供給される画素電極とを有し、
    前記第2透明基板の液晶側の面には、前記複数の画素領域に共通な共通電極が形成され、且つ該共通電極は前記第1透明基板と該第2透明基板との間に介在される導電体を介して該第1透明基板側へ引き出され、
    前記第1透明基板の液晶側の面には、前記表示領域の前記y方向に沿う第1辺の外側に該y方向に延在し且つ非線形抵抗素子を介して前記複数のゲート信号線の各々に接続される第1共通線と、該表示領域の前記x方向に沿う第2辺の外側に該x方向に延在し且つ非線形抵抗素子を介して前記複数のドレイン信号線の偶数番目の夫々に接続される第2共通線と、該表示領域を挟んで該第2辺に対向する該表示領域の第3辺の外側に該x方向に延在し且つ非線形抵抗素子を介して前記複数のドレイン信号線の奇数番目の夫々に接続される第3共通線とが互いに離れて形成され、
    前記第2共通線と前記第3共通線とは前記導電体並びに前記共通電極を介して電気的に接続され、且つ、
    前記第1共通線は前記共通電極と接続されていないことを特徴とする液晶表示パネル。
  2. 前記表示領域を挟んで前記第1辺に対向する該表示領域の第4辺の外側には非線形抵抗素子を介して前記複数のゲート信号線の各々に接続される第4共通線が前記x方向に延在して形成され、前記第1共通線と前記第4の共通線とは前記表示領域の外側に形成され且つ前記複数の画素領域の駆動に実際に用いられないゲート信号線を介して互いに接続されていることを特徴とする請求項1記載の液晶表示パネル。
  3. 前記第4共通線は、前記共通電極と接続されていないことを特徴とする請求項2記載の液晶表示パネル。
  4. 前記偶数番目のドレイン信号線の各々は、前記第1透明基板の前記表示領域の前記第2辺側の周縁の前記第2共通線よりも外側に設けられた第1短絡線に接続され、
    前記奇数番目のドレイン信号線の各々は、前記第1透明基板の前記表示領域の前記第3辺側の周縁の前記第3共通線よりも外側に設けられた第2短絡線に接続され、且つ
    前記第1短絡線はこれと前記第2共通線との間で前記第1透明基板を切断し、前記第2短絡線はこれと前記第3共通線との間で該第1透明基板を切断することにより、前記表示領域から夫々分離されることを特徴とする請求項1記載の液晶表示パネル。
  5. 前記ゲート信号線の各々は、前記第1透明基板の前記表示領域を挟んで前記第1辺に対向する該表示領域の第4辺側の周縁に設けられた第3短絡線に接続され、且つ、
    前記第3短絡線はこれと前記表示領域との間で前記第1透明基板1を切断することにより、該表示領域から分離されることを特徴とする請求項4記載の液晶表示パネル。
  6. 前記ゲート信号線2の各々は、前記第1透明基板の前記表示領域の前記第1辺側の周縁の前記第1共通線より外側に形成された第1端子を有し、
    前記偶数番目のドレイン信号線の各々は、前記第1透明基板の前記表示領域の前記第3辺側の周縁の前記第3共通線より外側に形成された第2端子を有し、且つ
    前記奇数番目のドレイン信号線の各々は、前記第1透明基板の前記表示領域の前記第2辺側の周縁の前記第2共通線より外側に形成された第3端子を有することを特徴とする請求項5記載の液晶表示パネル。
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