JP3585526B2 - 電子式遅延雷管 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、発破器のみからエネルギーを受け取り、該エネルギーによって遅延回路を駆動し、所定の遅延時間の後に雷管を点火する電子式遅延雷管に関する。
【0002】
【従来の技術】
発破時の振動、騒音を低減するために発破振動波、発破音波の干渉を利用する発破工法が提案されており、精密な起爆時間精度が要求されている(特開平1−285800号公報等参照)。
【0003】
このような起爆時間精度を達成するための回路として、米国特許第4,445,435号(アトラス)等により、電子式遅延雷管が提案されている。
【0004】
これらの電子式遅延雷管は、水晶振動子等を基準とする発振回路と該発振回路の出力パルスを計数してデジタル的に計時するカウンタとを具備し、発破器からの信号を基準に前記カウンタのリセット(初期化)が行われるように構成される。
【0005】
図5に従来の電子式遅延雷管の構成、図6に同じく動作タイミングフロー図を示す。
【0006】
図5および図6を用いて、従来の電子式遅延雷管の構成および動作を説明する。
【0007】
図5において、符号1は、前記発破器である。発破器1は、発破器母線2,補助母線3および脚線4を介して、電子式遅延雷管16の入力端子6−Aおよび6−Bと接続されている。符号5−1ないし5−6は、それぞれの間の接続点である。
【0008】
符号7は信号検知回路,符号8は整流回路,符号9はエネルギー蓄積コンデンサ,符号10は発振回路,符号11はカウンタ,符号14は放電回路そして符号15は点火ヒータ15である。これらは、従来の電子式遅延雷管16を構成している。
【0009】
発破器1からは、起爆を行う際に、起爆遅延時間の基準となる信号と、起爆遅延時間の計時および起爆を行うためのエネルギーとなる電力を、電子式遅延雷管16に供給している。
【0010】
発破器1からの電力は、整流回路8を介して、エネルギー蓄積回路を構成するエネルギー蓄積コンデンサ9に蓄積される。
【0011】
図6に示した入力電圧Vs は、前記信号と前記エネルギーの供給とを行っている。信号は、入力電圧Vs の振幅変化として送られ、電子式遅延雷管16の雷管信号検知回路7で検知することで伝達される。
【0012】
さて、起爆する際、発破器1から、各電子式遅延雷管の入力端子に入力電圧Vs が印加されると、エネルギー蓄積コンデンサ9には、図6のエネルギー蓄積コンデンサ端子電圧に示すように、エネルギーが蓄積される。エネルギー蓄積コンデンサ9へのエネルギー蓄積に十分な時間の後、任意の時点で入力電圧の印加を停止する。この際の入力電圧Vs の振幅変化が信号検知回路7で検知されて、リセット信号Rが生成される。リセット信号Rにより、カウンタ11の初期化がなされ、カウンタ11は、発振回路10の出力パルスPの計数を開始する。カウンタ11に設定された遅延時間後、カウンタ11は、トリガ信号を出力する。このトリガ信号により放電回路14は、エネルギー蓄積コンデンサ9に蓄積されているエネルギーを点火ヒータ15に供給し起爆を行う。
【0013】
発振回路10およびカウンタ11は、エネルギー蓄積コンデンサーから電力の供給を受けているので、入力電圧Vs が印加されなくなっても動作を継続する。
【0014】
従来の電子式遅延雷管においては、何等かの外的要因により、入力電圧Vs に波形の歪みが生じると、この波形の歪みが信号検知回路7で検知されて、誤ってリセット信号が生成される可能性がある。この場合は、入力電圧Vs の歪みが生じた電子式遅延雷管は、見掛け上設定された遅延時間より早く起爆されることになる。
【0015】
この外的要因による波形の歪みとしては、人手で接続された5−1ないし5−6の接続点が、何等かの要因により接触抵抗を生じることによるもの等がある。このため、発破器からエネルギーのみを受けて、発振回路が動作を開始し、所定時間の後に該発振回路の出力パルスをデジタル計時するカウンタとを具備する電子式遅延雷管が提案されている。
【0016】
上記電子式遅延雷管においては、発破器のみからエネルギーを受け、カウンタのリセット信号も内部生成するため、入力する信号の歪みとは無関係に動作することができる。
【0017】
このような構成の電子式遅延雷管の例として、特開平5−79797号公報がある。
【0018】
特開平5−79797号公報に記載されている電子式遅延雷管においては、使用している発振回路において、発振周波数を変えずに発振安定までの時間を短縮するために、過励振を用いている。この構成では、過度の電流が必要とされる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
発破器のみからのエネルギーを受けて遅延時間を得る構成の電子式遅延雷管においては、遅延時間は、発破器から電子式遅延雷管へ電気エネルギーを供給し始めた時点からとなるため、遅延時間の精度を高めるために、発振回路が動作を開始してから安定して発振するまでの時間を短縮する必要がある。
【0020】
また、電子式遅延雷管は、発破器のみからエネルギーの供給を受け、該エネルギーをエネルギー蓄積回路に蓄え、蓄えられたエネルギーのみによって起爆遅延時間の計時および起爆を行うため、構造上極力消費電力を抑える必要がある。
【0021】
その上、実際の発破現場において使用する際には、発破現場において発生する迷走電流によって爆発しない配慮をする必要がある。加えて、発破器に多数の雷管を接続し、各々の接続が間違いなくなされていることを確認する必要がある。
【0022】
従来の技術においては、その対策が必ずしも十分であるとはいえないという問題があった。
【0023】
したがって、本発明の第1の目的は、発破器のみからエネルギー供給を受けて遅延時間を得る構成の電子式遅延雷管において、遅延時間の精度を高めるため、用いられている発振回路の動作を開始してから安定して発振するまでの時間を短縮することである。
【0024】
本発明の第2の目的は、発破器のみからエネルギー供給を受けて遅延時間を得る構成の電子式遅延雷管において、遅延時間の精度を高めるため、用いられている発振回路の動作を開始してから安定して発振するまでの時間の計時を行わないようにすることである。
【0025】
本発明の第3の目的は、発破器のみからエネルギーの供給を受けて遅延時間を得る構成の電子式遅延雷管において、用いられている発振回路の消費電力を少なくすることである。
【0026】
本発明の第4の目的は、発破現場において発生する迷走電流により、暴発しない構成の電子式遅延雷管を提供することである。
【0027】
また、本発明の第5の目的は、接続確認ができる構成の電子式遅延雷管を提供することである。
【0028】
【課題を解決するための手段】
本発明は、発破器に接続された入力端子と、前記入力端子に接続された整流回路と、前記入力端子と前記整流回路との間に接続された、非線形抵抗素子からなる側流回路と、前記整流回路に接続され、前記発破器からの電源投入により供給された電気エネルギーを受けるエネルギー蓄積回路と、前記エネルギー蓄積回路に接続され、前記電源投入の直後から、定常的な発振状態を有する発振パルスを出力する第1の発振回路と、前記エネルギー蓄積回路に接続され、前記電源投入の直後からの一定期間においては前記第1の発振回路に比べて発振パルスの振幅レベルが小さく計数できない発振パルスであって遷移的な第1の発振状態を有する発振パルスを出力し、それに続いて、定常的な第2の発振状態を有する発振パルスを出力する第2の発振回路と、前記第2の発振回路から出力される発振パルスの振幅レベルに関して所定の計数可能なレベルを設定する基準レベル設定手段と、前記電源投入直後から、前記基準レベル設定手段を介して入力される、前記第1および第2の発信回路からの発振が同期された発振パルスを所定数計測することにより計時して、トリガ信号設定時間を計時したときにトリガ信号を出力すると共に、このトリガ信号とは別にイネーブル信号生成回路にも信号を出力するようにしたトリガ信号生成回路と、前記トリガ信号生成回路からの信号に基づいて、イネーブル信号を生成するイネーブル信号生成回路と、前記イネーブル信号に応答して、前記第1の発振回路の発振パルスの出力を停止させ、前記第2の発振回路からの発振パルスのみを出力させる発振状態切替回路と、前記トリガ信号に応答して、前記エネルギー蓄積回路に蓄積された電気エネルギーを放電する放電回路とを具え、前記第2の発振回路は、C−MOSトランジスタにより構成された反転増幅器と、前記C−MOSトランジスタに供給される電流を制限する電流制限回路とを含み、前記基準レベル設定手段で設定される基準レベルを、前記第2の発振回路から出力される定常的な第2の発振状態の振幅レベルよりも低く設定すると共に、前記トリガ信号生成回路から前記イネーブル信号生成回路に信号が出力される時間を、トリガ信号が出力されるよりも前でかつ前記第2の発振回路からの発振が第2の発振状態に達した後となるように設定したことを特徴とする。
【0038】
【作用】
本発明によれば、電子式遅延雷管に含まれる発振回路が、蓄積エネルギーにより動作を開始し、速やかに発振パルスを出力する遷移的な第一の発振状態と、定常的な第二の発振状態とを有する発振パルスを出力する発振回路であるため、発振回路が動作を開始してから安定して発振するまでの時間を短縮することができる。
【0039】
また、第一の発振状態における電流消費が、定常的な第二の発振状態における電流消費と比較して、同等かそれ以下である発振回路を用いると、電力消費が増加せず、速やかに発振パルスを出力することができる。
【0040】
このため、電子式遅延雷管の遅延時間の設定が正確にできるようになる。
【0041】
遷移的な第一の発振状態と定常的な第二の発振状態を有する本発明における電子式遅延雷管の発振回路は、種々の回路で実現できる。
【0042】
発振開始初期において前記可変負荷容量を小さくし、定常状態に移行した後は、前記固体振動子の特性に合致した負荷容量に切り換えるよう構成することによって、発振起動時の消費電流を抑制することが可能となり、かつ極めて短時間に定常状態に達し、定常状態に達して後は安定に動作する発振回路が達成される。
【0043】
また、前記発振回路がCR発振回路の周波数が固体発振回路の発振周波数によって強制同期されるように固体発振回路とCR発振回路をカスケード結合して構成した場合には、前記固体発振回路が定常状態に達するまでの間、前記CR発振回路の出力パルスを計数することによってデジタル計時が可能となる。
【0044】
前記発振回路が有する固体発振回路へ供給される電源電圧を前記発振状態切り換え回路によって当初はエネルギー蓄積回路の蓄積電圧を印加し、その後降圧された電圧に切り換えるよう構成とすると、発振パルスが速やかに出力される。
【0045】
前記発振回路の遷移的な第一の発振状態の期間に出力される発振パルスの計数を行わないことによっても、またこの期間長さおよび出力される発振パルスの精密度により、この間も計数を行うことによっても高い計時精度を得ることができる。
【0046】
前記発振回路に固体発振回路を用い、該固体発振回路に使用されている反転増幅器をC−MOSトランジスタにより構成して、該C−MOSトランジスタに供給される電流を制限するようにしたので、発振回路の消費電力を少なくすることができる。
【0047】
また、側流回路を配置することによって、発破現場において発生が危惧される迷走電流に対して安全に使用することができ、さらには、電子式遅延雷管の導通測定が可能となる。
【0048】
前記側流回路に非線形抵抗素子を用いることにより、線形抵抗素子を用いた場合とほぼ同等に安全性が確保でき、かつ側流回路のエネルギー損失が必要最小限に抑制されるため、正常発破の際の斉発可能数を増やすことができる。
【0049】
【実施例】
以下、図面を参照して、本発明の実施例を説明する。
【0050】
(第1実施例)
図1は本発明の電子式遅延雷管の一実施例を示すブロック図である。図2は、その動作タイミングフローを示す動作タイミングフロー図である。ここで、図1において図5と同様の箇所には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0051】
図1において、符号20は発振回路,符号21はトリガ信号生成回路,符号26はイネーブル信号生成回路および符号27は発振状態切り替え回路である。また、符号29は、側流回路である。これらは、電子式遅延雷管の一部を構成する。
【0052】
図1に示された本発明の実施例の動作を、図2の動作タイミングフロー図を参照しながら説明する。
【0053】
発破器1から、起爆を行う際、電子式遅延雷管の入力端子6Aおよび6Bに入力電圧Vinが印加される。この電圧は、整流回路8を介して、エネルギー蓄積回路を構成するエネルギー蓄積コンデンサ9に蓄積エネルギーとして蓄積される。エネルギー蓄積コンデンサ9に蓄積されたエネルギーを示すのが、図2のエネルギー蓄積コンデンサ端子電圧Vc である。エネルギー蓄積コンデンサ9に蓄積されたエネルギーにより、遅延時間の計時および起爆を行っている。
【0054】
エネルギー蓄積コンデンサ9にエネルギーが蓄積されると、このエネルギーにより、発振回路20は遷移的な第一の発振状態で速やかに発振を始め、発振パルスを出力する。この発振パルスは、トリガ信号生成回路21に入力されて遅延時間が計時される。
【0055】
所定時間後に、イネーブル信号生成回路26から、イネーブル信号Eが出力され、発振状態切り替え回路27に入力し、発振回路20の発振状態を、遷移的な第一の発振状態から、定常的な第二の発振状態に切り替える。発振回路20は、定常的な第2の発振状態で発振パルスを出力する。この発振パルスも、トリガ信号生成回路21に入力されて、遅延時間が計時される。発振パルスを用いて計時することにより、トリガ信号生成回路21に設定された設定時間が経過すると、トリガ信号生成回路21からトリガ信号Tが出力され、放電回路14に入力される。このトリガ信号Tが入力されると、放電回路14は、エネルギー蓄積コンデンサ9に蓄積されているエネルギーを点火ヒータ15に供給することで起爆を行う。
【0056】
発振回路20の遷移的な第一の発振状態における発振パルスの周波数は、必ずしも定常的な第二の発振状態における発振パルスの周波数と同じである必要はなく、遷移的な第一の発振状態で速やかに発振を開始すれば、多少外れてもよい。
【0057】
側流回路29は、迷走電流を側流するために設けられている。整流回路8は、エネルギー蓄積コンデンサ9に蓄積されたエネルギーが、側流回路29に逆流しない役割も果たしている。
【0058】
迷走電流に対しては、各国で安全基準が設けられており、所定の許容電流値の範囲で爆発が防止されなければならない。
【0059】
例えば日本においては、JIS K 4807「電気雷管」によれば、0.25Aの直流電流を30秒間印加して発火しないことと規制されており、また火薬類取締法施工規則第54条第1号によれば、発破しようとする場所に漏洩電流がある場合は、電気発破を行わないこと。ただし、安全な方法により行う場合には、この限りではないとある。
【0060】
また、米国においては、Federal Specification;X−C−51a 4.3.2.6 Test No.3−firing current test.によれば0.20Aの直流電流を5秒間印加して発火しないことと規制されている。
【0061】
この側流回路29に、微小電流を流すことにより、電子式遅延雷管の導通テストができる。
【0062】
側流回路29には、線形抵抗素子または非線形抵抗素子を用いて構成することができる。
【0063】
なお、図1の実施例において、整流回路として、全波整流回路の例が示されているが、半波整流回路でもよい。この場合、入力端子6−Aおよび6−Bのどちらか一方に接続すればよい。
【0064】
(第2実施例)
図3は、本発明の電子式遅延雷管の他の一実施例を示すブロック図である。図4は、その動作タイミングフローを示す動作タイミングフロー図である。ここで、図4において図3と同様の箇所には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0065】
図3において、符号31は計数回路であり、符号28はリセット回路であり、これらは、トリガ信号生成回路を構成している。
【0066】
蓄積エネルギーにより、発振回路20が、遷移的な第一の発振状態として動作を開始し、発振パルスを出力する。この発振パルスは計数回路31に入力されるが、計数回路31は、リセット回路28によりリセット状態とされており、発振パルスの計数を行わない。
【0067】
所定時間経過後、発振回路20が、イネーブル信号生成回路26からのイネーブル信号Eにより、定常的な第二の発振状態となると、同じイネーブル信号Eがリセット回路28にも印加されて、計数回路31は、リセット回路25の出力によりリセット状態を解除されて計数を開始する。
【0068】
計数回路31は、計数回路31に設定された時間の発振パルス数を計数すると、トリガ信号Tを生成し、放電回路14に入力される。このトリガ信号Tが入力されると、放電回路14は、エネルギー蓄積コンデンサ9に蓄積されているエネルギーを点火ヒータ15に供給することで起爆を行う。
【0069】
図1に示した実施例は、発振回路20が遷移的な第一の発振状態として動作をしている期間を設定時間に含めているが、図3に示した実施例では、その期間を設定時間に含めていない。
【0070】
発振回路20において、遷移的な第一の発振状態では、速やかに発振を行うが、必ずしも定常的な第二の発振状態における発振パルスの周波数と同じではない。
【0071】
また、発振回路20において、遷移的な第一の発振状態では速やかに発振は行われるが、発振が開始される際のある期間は、計時ができるための十分な振幅の発振パルスが得られないこともある。
【0072】
したがって、遷移的な第一の発振状態で発振される発振パルスを設定時間の計時に用いていない図3に示した構成は、より正確な設定時間が得られる。
【0073】
(第3実施例)
図7は、図3に示されている電子式遅延雷管に用いられる発振回路20を容量値が変化する負荷容量を有する固体発振器で構成した一実施例を示す。
【0074】
図7において、図3と同様の箇所には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0075】
符号41は水晶振動子またはセラミック振動子などの固体振動子で、符号42は帰還抵抗,符号43は反転増幅器,符号44および48はゲート容量そして符号45および49はドレイン容量で、これらにより、固体発振回路40を構成している。
【0076】
イネーブル信号生成回路26によりスイッチングされるNチャンネルMOSトランジスタ51および52は、図3に示されている第一の発振状態と第2の発振状態の発振状態切り換え回路27を構成する。
【0077】
電源投入直後においては、イネーブル信号生成回路26の出力は、“L”となっており、Nチャンネルトランジスタ51,52はオフとなり、ゲート容量は容量44のみ、ドレイン容量は容量45のみで発振が起動される。この状態が、発振回路20の第一の発振状態である。
【0078】
所定時間後、イネーブル信号生成回路26の出力は“H”となり、、NチャンネルMOSトランジスタ51,52はオンとなり、ゲート容量は容量44および48の合成容量、ドレイン容量は容量45および49の合成容量によって発振を行う。
【0079】
容量44および容量45は、発振を起動させるために最低限必要な容量値であり、この容量より大きい、容量44,48の合成容量と、容量45および49の合成容量は、安定した精度の良い発振を行わせるための最低限必要な容量値である。
【0080】
このため、図7に示された固体発振回路40は、遷移的な第一の発振状態では、発振周波数は定常的な第二の発振状態における周波数から少し外れるが急速に立ち上がる。また、図7に示された固体発振回路40において、遷移的な第一の発振状態における消費電力は、定常的な第二の発振状態における消費電力より少ない。
【0081】
本実施例においては、容量44,45,48および49の容量値を各々2pF,2pF,10pFおよび10pFとしたところ、第一の発振状態の起動時間は容量48,49のみを接続した場合の約5分の1程度に短縮されて、第一の発振状態の出力が速やかに生起した。
【0082】
ここで容量44,45,48,49の最適な容量値は、使用する固体振動子41の特性に大きく左右されるため、本実施例に記載する容量値には限定されない。
【0083】
さらに、負荷容量を可変する構成としては、反転増幅器43のゲートあるいはドレインまたは両方の容量に並列に複数容量を設け、負荷容量を細かく分割し、各々の分割容量にスイッチを設け、発振起動制御回路(図示せず)によって順次オン−オフ制御されるように構成すれば、容量が急激に変化することによる一時的な発振不安定状態を回避することが可能となる。
【0084】
また、反転増幅器43のゲートあるいはドレインのみの容量に並列に接続が制御される容量を一個あるいは複数容量を設けるように構成してもよい。
【0085】
図8に本実施例の場合の動作タイミングフローを示す。
【0086】
ここでは、図7に示した固体発振回路40を図3に示されている電子式遅延雷管に用いられる発振回路20の一実施例として説明したが、図1に示されている電子式遅延雷管の第1実施例に用いられる発振回路20として構成できることは、当該技術分野の通常の知識を有する者なら十分理解できる。
【0087】
この発振回路を記載したものとして、特開平3−155205号公報および特開平3−155206号公報がある。
【0088】
本実施例で用いているイネーブル信号生成回路26の一例を図9に示す。
【0089】
イネーブル信号生成回路26は、定電圧回路61,時定数を決める抵抗63およびコンデンサ64,電圧レベルを決める抵抗65,66およびコンパレータ67から構成される。
【0090】
電圧が印加されると、抵抗63の抵抗値、コンデンサ64の容量値で定まる時定数でコンデンサの端子間電圧は上昇し、抵抗65および66で定められた電圧レベルに達する所定時間の後に、イネーブル信号Eがコンパレータ67から出力される。
【0091】
イネーブル信号Eは、発振状態切り替え回路27を構成するトランジスタ51,52のゲートに印加される。
【0092】
また、イネーブル信号Eは計数回路をリセット状態に保っているリセット回路にも印加され、計数回路のリセット状態を解除する。
【0093】
(第4実施例)
図10は、図1に示されている電子式遅延雷管に用いられる発振回路20を固体発振回路とCR発振回路とで構成した一実施例を示す。
【0094】
図11に、本実施例の場合の動作タイミングフローを示す(理解を容易とするため波形は矩形波とした)。
【0095】
図10において、図1および図7と同様の箇所には同一の符号を付している。
【0096】
図10において、符号41は固体振動子,符号42は帰還抵抗,符号43は反転増幅器,符号44はゲート容量,符号45はドレイン容量および符号46は固体振動子の直列抵抗であり、固体発振回路91を構成している。
【0097】
また、符号101は同期用コンデンサであり、符号102はNANDゲート,符号103はコントロール端子付反転増幅器,符号104,105は抵抗,符号106コンデンサであり、CR発振回路92を構成している。そして、固体発振回路91とCR発振回路92とで、発振回路20を構成している。
【0098】
符号31は発振パルスを所定値計数して、トリガ信号Tを出力する計数回路である。
【0099】
図11の動作タイミングフローを参照しながら、図10に示される発振回路20の実施例を説明する。
【0100】
CR発振回路92は、発振精度において固体発振回路91の精度には及ばないが、極めて短時間に安定な発振を開始する。
【0101】
電源投入直後の初期段階では、固体発振回路の出力パルスP の振幅は、NANDゲート102のスレッシホールド・レベルに達せず、CR発振回路92は、固体発振回路91の出力を入力として検知せず、抵抗105およびコンデンサ106によって決定される時定数でCR発振回路独自の発振を行い、出力パルスP を出力する。
【0102】
固体発振回路91の出力パルスP の振幅が、CR発振回路92のNANDゲート102のスレッシホールド・レベルを越える状態に達した後は、CR発振回路92の出力は、固体発振回路91の出力に強制同期される。このときは、固体発振回路91によって強制同期されたCR発振回路92の出力パルスP の周波数は、固体発振回路91による出力パルスP の周波数と同じになる。
【0103】
計数回路31は、トリガ信号Tを出力するとともに、設定時間より短い所定時間を計時したときにも信号を出力する。この信号はイネーブル信号生成回路32に入力して、イネーブル信号Eの生成に用いられる。イネーブル信号生成回路32は、計数回路31から信号を入力すると、イネーブル信号Eは、発振状態切り替え回路27を構成するインバータ103のコントロール端子203に印加され、インバータ103の動作を停止させ、CR発振回路92の発振を停止させる。
【0104】
これ以後は、固体発振回路91の出力パルスP が計数回路31の入力とされる。
【0105】
本実施例では、固体発振回路91とCR発振回路92とで、発振回路20を構成している。CR発振回路92がパルスを出力している状態が、発振回路20の第一の発振状態であり、CR発振回路が92停止され、固体発振回路91がパルスを出力する状態が第二の発振状態である。
【0106】
電源投入直後の初期段階では、抵抗105およびコンデンサ106によって決定される時定数でCR発振回路独自の発振を行う。固体発振回路91によって強制同期されたCR発振回路92の出力パルス周波数P は、固体発振回路91による出力パルスの周波数と同じになる。
【0107】
このため、遅延時間誤差は、CR発振回路92の独自発振による出力パルスが出力される期間における固体発振回路91とCR発振回路92の周期誤差のみとなり、加えて該期間が短いことから、高精度の遅延時間が得られる。
【0108】
NANDゲート102のスレッシホールド・レベルを比較的低レベルに設定することにより、CR発振回路92は振幅成長段階の早い時期に固体発振回路91により強制同期されるため、遅延時間誤差は小さなものとできる。
【0109】
上記回路については、特公昭61−25079号等で提案されている。
【0110】
(第5実施例)
図12は、図3に示される電子式遅延雷管において、発振回路20が、固体振動子と容量とを帰還回路に有する反転増幅器によって構成される固体発振回路であって、該固体発振回路へ供給される電源電圧を切り換え回路によって、降圧された電圧に切り替える場合についての一実施例を示す。
【0111】
図12において、図3と同様の箇所には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0112】
図12において、固体発振回路91は、図10に示した固体発振回路91と同様であるので、同一符号を付して説明を省略する。
【0113】
固体発振回路91の電源電圧は、スイッチング回路36により、エネルギー蓄積コンデンサ9の端子電圧と、この端子電圧を降下して定電圧を得ている定電圧回路35からの定電圧とを切り替えて印加できるように構成されている。
【0114】
発破器1からエネルギーが供給された時点においては、スイッチング回路36はエネルギー蓄積コンデンサ9の端子と直接接続された状態にあり、固体発振回路91にはエネルギー蓄積コンデンサ9から直接電圧が印加される。
【0115】
次いで固体発振回路91の出力が定常状態に達した後に、イネーブル信号生成回路26よりイネーブル信号が出力され、スイッチング回路36の接続状態が変更され、発振回路20の電源電圧は、定電圧回路35の出力電圧となる。
【0116】
即ち、固体発振回路91は、遷移的な第一の発振状態の期間のみエネルギー蓄積コンデンサ9からの高い電圧で動作するようにし、定常的な第二の発振状態においては、降圧された定電圧で動作するように構成されている。
【0117】
固体発振回路91は、第一の発振状態においては高い電圧が印加されるので、発振パルスの周波数は定常状態の周波数とは異なる(多少高周波数)ものの、振幅の成長が加速されるため結果として発振の立ち上げが加速される。
【0118】
第一の発振状態の消費電力は、過度に増大しないことが必要であるが、消費電力の増加を定常状態に比べ数倍程度に抑えても、十分加速の効果が得られる。
【0119】
図12の構成において、例えばエネルギー蓄積コンデンサ9の充電電圧を15Vとすると、定電圧回路35の出力の3.3Vで固体発振回路91を起動する場合より該発振回路が定常状態に達する時間が3分の1程度となる。
【0120】
なお、イネーブル信号生成回路26は、例えば図9に示した回路を用いればよい。
【0121】
上記発振回路の例として、特開平4−207304号公報等を参照されたい。
【0122】
ここでは、図12に示した固体発振回路91を、図3に示されている電子式遅延雷管に用いられる発振回路20の一実施例として説明したが、図1に示されている電子式遅延雷管に用いられる発振回路20として構成できることは、当該技術分野の通常の知識を有する者なら十分理解できる。
【0123】
(第6実施例)
図13は、電子式遅延雷管において、側流回路に非線形抵抗を用いる場合の一実施例を示す。
【0124】
図13において、図1、図3と同様の箇所には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0125】
図13において、入力端子6−A、6−Bを介して電流または電圧が側流回路16に印加される。
【0126】
符号201,202は、定電流型非線形素子であり、例えばディプレッション型NチャンネルMOSトランジスタが用いられる。このディプレッション型NチャンネルMOSトランジスタ201,202が組合わされて、側流回路を構成している。
【0127】
このディプレッション型NチャンネルMOSトランジスタ201,202が組合わされた非線形素子の側流回路の特性を図14に示す。
【0128】
この側流回路は、迷走電流による暴発を防止するために挿入されている。例えば250mAの迷走電流が流れ込むと、図14に示されるように、端子電圧は3.75Vまで上昇するが、発火限界が例えばVxであるため、発火には至らない。この特性の側流回路は、最大250mAまでの迷走電流に対して安全に使用できる。
【0129】
図14に示す定電流型非線形素子の特性は、任意に設計可能であり、電子式遅延雷管自身の発火感度に合わせて、例えばディプレッション型NチャンネルMOSトランジスタ201,202の特性を変更することは容易である。
【0130】
側流回路を図15に示す線形抵抗素子204で構成した場合と比較する。該非線形抵抗素子204の抵抗値を15Ωとすると、250mAの電流が流れ込むとすれば、該入力端子間の電位差は3.75Vとなり、図13の非線形抵抗素子16による側流回路と同様の結果を得ることになる。
【0131】
しかしながら、この場合には、端子電圧が高くなり、全電流が多くなれば、側流回路16へ側流される電流が増加するため、発破器から供給される電気エネルギーの電流ロスが生じる。
【0132】
側流回路16を非線形素子201,202で構成した場合は、このようなロスは少ない。このため、直列接続による正常発破の際の斉発可能数を増やすことが可能である。
【0133】
また、例えば10mA以下の微小電流を流すと、微小電流は、側流回路16を介して流れている。この場合、側流回路16の電圧降下が端子6Aおよび6Bに現れるので、これを検知することによって電子式遅延雷管の導通測定が可能となり、発破前の結線の確認が可能となる。
【0134】
(第7実施例)
図16は、電子式遅延雷管に用いられる発振回路20に使用される、固体振動子と容量とを有する帰還回路を含む反転増幅器によって構成された固体発振回路であって、該反転増幅器をC−MOSトランジスタで構成し、該C−MOSトランジスタに供給される電流を制限する電流制限回路を用いた一実施例を示す。
【0135】
図16において、符号251および253はPチャンネルMOSトランジスタ,符号252および254はNチャンネルMOSトランジスタである。符号257はインバータである。
【0136】
PチャンネルMOSトランジスタ251およびNチャンネルMOSトランジスタ252で構成された反転増幅器43と、固体振動子41,抵抗42,ゲート容量44およびドレイン容量45を含む帰還回路とで固体発振回路が構成されている。
【0137】
この固体発振回路が発振しているとき、反転増幅器43の入力端子Aには、反転増幅器43の出力端子Bにおける出力信号V が帰還回路を介して帰還され、図17に示す入力信号V が印加されている。入力信号V の波形がゆるやかに変化しているため、電源電圧VDDとPチャンネルMOSトランジスタ251およびNチャンネルMOSトランジスタ252のスレッシホールド電圧VTHで定まる期間(図17 Δt +Δt )、PチャンネルMOSトランジスタ251およびNチャンネルMOSトランジスタ252は、オンとなり、貫通電流が流れることになる。
【0138】
しかし、PチャンネルMOSトランジスタ253およびNチャンネルMOSトランジスタ254のゲートには、インバータ257により反転され、矩形化された反転増幅器43の出力信号(図17のV )が帰還されるため、PチャンネルMOSトランジスタ251およびNチャンネルMOSトランジスタ252による貫通電流は減少し、固体発振回路によって消費される電力を効果的に低下させることができる。
【0139】
この電流制限回路の構成は、反転増幅器として、CMOSトランジスタで構成した反転増幅器を用いた固体発振回路のすべてに対して適用できる。
【0140】
このような構成の固体発振回路として、特開昭52−21754号公報等参照されたい。
【0141】
なお、上記第1ないし第7の実施例で示した各回路は、それぞれ組み合わせても電子式遅延雷管を構成することができることは、この分野の通常の知識を有する者にとって自明のことである。
【0142】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の本発明によれば、発破器のみからエネルギーを受けて遅延時間を得る構成の電子式遅延雷管において、2つの発振回路、すなわち、CR発振回路(第1の発振回路)と固体発振回路(第2の発振回路)とを備え、これら2つの発振回路の同期を極めて短時間にとるための短縮化手段として基準レベル設定手段を構成したので、電源投入直後からイネーブル信号を生成した後の一定期間が経過するまでの遅延時間を計測するに際して、電源投入直後からイネーブル信号を生成するまでの第1期間では第1の発振回路の発振パルスを用いて計測し、イネーブル信号を生成した後の第2期間では前記第2の発振回路の第2の発振パルスを用いて所定数計測することができ、これにより、遅延時間の計測精度を一段と向上させることができる。
【0143】
また、請求項2の本発明によれば、発破器のみからエネルギーを受けて遅延時間を得る構成の電子式遅延雷管において、1つの発振回路 ( すなわち、固体発振回路 ) を備えると共に、短縮化手段として合成容量が第1の負荷容量から該第1の負荷容量よりも大きな第2の負荷容量へ変化する容量可変手段を構成したので、電源投入直後からイネーブル信号を生成するまでの期間では第1の負荷容量によって遷移的な第1の発振状態を有する発振パルスを出力して時間の短縮化を図り、イネーブル信号Eを生成した後の一定期間では第1の負荷容量よりも大きな第2の負荷容量によって定常的な第2の発振状態を有する発振パルスを出力して遅延時間を計測するようにしたので、遅延時間の計測精度を一段と向上させることができる。
【0144】
また、本発明によれば、発破器のみからエネルギーを受けて遅延時間を得る構成の電子式遅延雷管において、発振回路を、C−MOSトランジスタにより構成された反転増幅器と、C−MOSトランジスタに供給される電流を制限する電流制限回路とにより構成したので、発振回路の消費電力を少なくし、ひいては正常な発破の斉発可能数を増加させることができる。
【0145】
また、本発明によれば、発破器のみからエネルギーを受けて遅延時間を得る構成の電子式遅延雷管において、入力端子と整流回路との間に、非線形抵抗素子からなる側流回路を接続したので、電源投入直後の遷移的な第1の発振状態の発振パルスの期間内で発生しやすい暴発を防止し、安全な起爆装置を得ることができるばかりでなく、線形抵抗素子を接続した場合よりも電流ロスを少なくすることができる。
【0147】
その上、本発明により、電子式遅延雷管の接続確認ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示すブロック図である。
【図2】第1実施例の動作タイミングフロー図である。
【図3】本発明の第2実施例を示すブロック図である。
【図4】第2実施例の動作タイミングフロー図である。
【図5】従来例を示すブロック図である。
【図6】従来例の動作タイミングフロー図である。
【図7】本発明の第3実施例を示す回路図である。
【図8】第3実施例の動作タイミングフロー図である。
【図9】本発明のイネーブル信号生成回路の一実施例を示す回路図である。
【図10】本発明の第4実施例を示す回路図である。
【図11】第4実施例の動作タイミングフロー図である。
【図12】本発明の第5実施例を示す回路図である。
【図13】本発明の第6実施例を示す回路図である。
【図14】第6実施例の非線形素子の特性図である。
【図15】側路回路にもちいる線形抵抗素子を示す図である。
【図16】本発明の第7実施例を示す回路図である。
【図17】第7実施例の動作タイミングフロー図である。
【符号の説明】
1 発破器
2 発破母線
3 補助母線
4 脚線
5−1ないし5−6 接続点
6−A,6−B 入力端子
7 信号検知回路
8 整流回路
9 エネルギー蓄積コンデンサ
10 発振回路
11 カウンタ
14 放電回路
15 点火ヒータ
16 従来の電子式遅延雷管
20 発振回路
21 トリガ信号生成回路
26 イネーブル信号生成回路
27 発振状態切り替え回路
28 リセット回路
29 側流回路
30 電子式遅延雷管
31 計数回路
40 固体発振回路
41 水晶振動子またはセラミック振動子などの固体振動子
42 帰還抵抗
43 反転増幅器、
44,48 ゲート容量
45,49 ドレイン容量
51,52 NチャンネルMOSトランジスタ
61 定電圧回路
63,65,66 抵抗
64 コンデンサ
67 コンパレータ
91 固体発振回路
92 CR発振回路
101 同期用コンデンサ
102 NANDゲート
103 インバータ
105 抵抗
106 コンデンサ
203 コントロール端子
201,202 ディプレッション型NチャンネルMOSトランジスタトランジスタ
204 線形抵抗素子
251,253 PチャンネルMOSトランジスタ
252,254 NチャンネルMOSトランジスタ
257 インバータ

Claims (1)

  1. 発破器に接続された入力端子と、
    前記入力端子に接続された整流回路と、
    前記入力端子と前記整流回路との間に接続された、非線形抵抗素子からなる側流回路と、
    前記整流回路に接続され、前記発破器からの電源投入により供給された電気エネルギーを受けるエネルギー蓄積回路と、
    前記エネルギー蓄積回路に接続され、前記電源投入の直後から、定常的な発振状態を有する発振パルスを出力する第1の発振回路と、
    前記エネルギー蓄積回路に接続され、前記電源投入の直後からの一定期間においては前記第1の発振回路に比べて発振パルスの振幅レベルが小さく計数できない発振パルスであって遷移的な第1の発振状態を有する発振パルスを出力し、それに続いて、定常的な第2の発振状態を有する発振パルスを出力する第2の発振回路と、
    前記第2の発振回路から出力される発振パルスの振幅レベルに関して所定の計数可能なレベルを設定する基準レベル設定手段と、
    前記電源投入直後から、前記基準レベル設定手段を介して入力される、前記第1および第2の発信回路からの発振が同期された発振パルスを所定数計測することにより計時して、トリガ信号設定時間を計時したときにトリガ信号を出力すると共に、このトリガ信号とは別にイネーブル信号生成回路にも信号を出力するようにしたトリガ信号生成回路と、
    前記トリガ信号生成回路からの信号に基づいて、イネーブル信号を生成するイネーブル信号生成回路と、
    前記イネーブル信号に応答して、前記第1の発振回路の発振パルスの出力を停止させ、前記第2の発振回路からの発振パルスのみを出力させる発振状態切替回路と、
    前記トリガ信号に応答して、前記エネルギー蓄積回路に蓄積された電気エネルギーを放電する放電回路と
    を具え、
    前記第2の発振回路は、C−MOSトランジスタにより構成された反転増幅器と、前記C−MOSトランジスタに供給される電流を制限する電流制限回路とを含み、
    前記基準レベル設定手段で設定される基準レベルを、前記第2の発振回路から出力される定常的な第2の発振状態の振幅レベルよりも低く設定すると共に、
    前記トリガ信号生成回路から前記イネーブル信号生成回路に信号が出力される時間を、トリガ信号が出力されるよりも前でかつ前記第2の発振回路からの発振が第2の発振状態に達した後となるように設定したことを特徴とする電子式遅延雷管。
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