JPH06273097A - 電子式遅延電気雷管 - Google Patents

電子式遅延電気雷管

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Publication number
JPH06273097A
JPH06273097A JP5847193A JP5847193A JPH06273097A JP H06273097 A JPH06273097 A JP H06273097A JP 5847193 A JP5847193 A JP 5847193A JP 5847193 A JP5847193 A JP 5847193A JP H06273097 A JPH06273097 A JP H06273097A
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JP
Japan
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circuit
time
counter
capacitor
oscillator
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Withdrawn
Application number
JP5847193A
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English (en)
Inventor
Kenichi Aiko
研一 愛甲
Hidekazu Suzuki
英一 鈴木
Tsugio Goto
次男 後藤
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 点火素子(18)用の電子式遅延回路。遅延
回路は、電気式発破器(1)から供給される電気エネル
ギを蓄えるコンデンサ(15),クロックパルス列を発
生する発振子(92),発振子を過励振する回路(7
0),クロックパルス列のクロックパルスをカウントす
るカウンタ(50)および電気エネルギが供給された後
に所定の時間、カウンタのリセット状態を維持する回路
(40)で構成される。カウンタは所定数のクロックパ
ルスをカウントした時にトリガ信号を生成し、コンデン
サ(15)に蓄えられた電気エネルギが点火素子(1
8)へ放電される。 【効果】 過励振によって発振子(92)が極めて短い
時間で定常状態に入るため、遅延回路は外部雑音に対し
て高い耐性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気式発破器から供給
されたエネルギを蓄え、所定の遅れの後に、正確に雷管
に点火する電子式遅延電気雷管に関する。
【0002】
【従来の技術】多段発破装置において、近傍の構造物に
対する発破の影響を最小にするために、地盤振動を制御
する方法が特開平1−285800に提案されている。
この出願は、地盤振動を低減するための、順次雷管に点
火する遅延時間間隔の精度を教示している。この出願に
よれば、遅延時間間隔tおよび遅延時間間隔tの標準偏
差σが次の関係を満足することが望ましい。
【0003】
【数1】 t/σ ≧ 10 (1) 出願は、上記の条件が満たされなければ、地盤振動を低
減できないと述べている。
【0004】したがって、雷管点火の遅延時間間隔を1
0msに設定するには、遅延時間の標準偏差を1ms以
下にしなければならない。同様に、5msの遅延時間間
隔は、0.5ms以下の標準偏差を必要とする。
【0005】特願昭63−53479号は、電子式遅延
回路で点火する電気雷管を開示している。この回路は、
リード線を介して電気エネルギのみを受け、水晶または
セラミック振動子から成るデジタルタイマを起動し、所
定の遅延時間の後に電気雷管に点火する。しかしなが
ら、この出願は式(1)の条件を満たす技術を教示して
いない。
【0006】米国特許第4,445,435号は、電気
エネルギを蓄える手段、水晶またはセラミック振動子を
用いた発振回路、カウンタおよびこのカウンタをリセッ
トするカウンタリセット回路、および所定の遅延時間の
後に電気雷管に点火する手段で構成される電子式遅延発
破回路を教示している。
【0007】同様に、欧州特許出願公開第261,88
6号は、起爆装置(雷管)を電気的に点火する遅延回路
を開示している。
【0008】図1および2は、上記欧州特許出願に開示
された遅延回路の原理を示す。同図において、電気式発
破器1は、図2の(a)に示す電圧(電気エネルギ)を
供給する。この電気エネルギは、起動回路2,コンデン
サ3,クロックパルス発生器4,カウンタ回路5にリー
ド線6を介して供給され、図2の(b)に示すコンデン
サ3に蓄えられる。起動回路2は、カウンタリセット時
間T(=200−300ms)の間、カウンタ回路5の
リセット状態を保持し、入力電圧の印加が開始された
後、カウンタリセット時間Tが経過した時にカウントを
開始するようにカウンタ回路5を起動する。時間Tは、
図2の(a)に示す入力電圧の立ち下がりで定義され
る。これは、クロックパルス発生器4に含まれる水晶ま
たはセラミック振動子の出力周波数が、図2の(c)に
示すようにカウンタリセット時間Tの後に安定になるか
らである。カウンタ回路5は、クロックパルス発生器4
によって生成されたパルス列のパルスをカウントし、図
2の(d)に示すスイッチング回路7をトリガして、コ
ンデンサ3から点火回路8に電流を供給する。すなわ
ち、電気式起爆装置(雷管)は、図2に示す所定の遅延
時間の後に点火される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】クロックパルス発生器
4に用いられる水晶またはセラミック発振子は、定常発
振状態に入るまでに約200〜300msかかるという
問題がある。言い換えれば、カウンタリセット時間Tの
間、その出力周波数が不安定である。したがって、従来
技術では、カウンタリセット時間Tが経過するまでは、
発振子から出力されるパルス列のパルスのカウントを開
始できない。
【0010】長いカウンタリセット時間Tは、遅延時間
が不安定になるという問題がある。これには二つの主な
理由がある。
【0011】第1に、カウンタリセット時間が増加する
にしたがって、図2の(a)に示す入力電圧が、カウン
タリセット時間Tの間に外部雑音によって影響される確
率が増加することである。外部雑音は、入力電圧の立ち
下がりを変化させ、したがってカウンタ回路5の開始時
間を変化させる。発破現場には、回線(リード線)の不
完全接触あるいは電気式発破器のスイッチング等による
多くの雑音があるため、これは大きな問題である。この
ような問題を改善するには、起動回路2が複雑となり、
その寸法とコストの増大が不可避となる。
【0012】第2に、カウンタリセット時間がアナログ
電圧によって規定されているため、カウンタリセット時
間が増加するにつれて、カウンタリセット時間の誤差が
増加する。さらに、カウンタリセット時間が長くなるに
したがって、電力消費が増加する。
【0013】また、従来技術を直列に接続された発破シ
ステムに適用するのは困難である。
【0014】したがって、本発明は、雷管に点火する遅
延時間の精度を改善できる電子式遅延電気雷管を提供す
ることを目的とする。
【0015】本発明の他の目的は、タイマ回路の作動の
間に消費される電力を低減することのできる電子式遅延
電気雷管を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、発破器から供給された電気エネルギを充
電する充電手段と、前記充電手段に充電された電気エネ
ルギによって動作し、クロックパルスを発振する発振手
段と、予め設定されたリセット時間の後に、前記発振手
段の出力するクロックパルスを計数する計数手段と、前
記計数手段が予め設定された計数値だけ計数したとき
に、前記充電手段に充電された電気エネルギを点火用抵
抗線に通電するスイッチング手段とを具備し、前記計数
手段のリセット時間を10ミリ秒以内とし、該リセット
時間内に前記クロックパルスの周波数を前記発振手段の
固有周波数に到達させることを特徴とする。
【0017】
【作用】本発明においては、発振手段の出力周波数が、
過励振によって極めて短時間で定常周波数に達する。そ
の結果、雷管に点火する遅延時間の精度が改善される。
また、出力周波数が定常状態に入った後に計数手段がカ
ウントを開始するので、高精度、高信頼性の遅延時間が
得られる。
【0018】さらに、発振の短い立上がり時間が、発振
器の電力消費を低減する。その結果、電気エネルギを蓄
えるコンデンサの寸法が縮小できる。これによって、使
いやすい雷管を提供することが可能となる。
【0019】本発明において、カウンタリセット時間は
遅延回路内で生成される。したがって、前述の従来技術
と異なり、カウンタリセット時間を制御するための外部
信号の検出が不要である。すなわち、高信頼性の電子式
雷管が達成できる。
【0020】カウンタリセット時間は、発振手段の出力
周波数が定常状態に達する時間とほぼ等しく設定され
る。本発明において、カウンタリセット時間は極めて短
いため、コンデンサと抵抗で構成される簡単な回路で、
十分に正確なカウンタリセット時間を達成することがで
きる。これは回路のコストを低減させる。
【0021】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。
【0022】図3は本発明に係る一実施例を示すブロッ
ク図である。
【0023】同図において、入力端子11および12
は、リード線6を介して図1の電気式発破器1に接続さ
れている。抵抗13および整流器14が、入力端子11
および12の間に接続されている。コンデンサ15と抵
抗16が、整流器14の出力端子の間に並列に接続され
ている。抵抗13は、発破現場においてしばしば起こる
迷走電流が、雷管を発火させるような電圧までコンデン
サ15を充電するのを防止する。さらに、抵抗13は、
多段発破システムにおいて、複数の雷管を直列に接続し
た場合、各整流器14にほぼ等しい電圧がかかるように
する分圧器の役目をする。整流器14は、コンデンサ1
5を端子11および12に供給される入力電圧の極性に
関係なく、一方向に充電することを可能にする。本実施
例において、抵抗13の抵抗値は15Ωであり、コンデ
ンサ15の容量は1,000マイクロファラドである。
この場合、コンデンサ15は、電気式発破器1から供給
される電気エネルギによって、5〜10msで15Vの
最大電圧まで充電される。
【0024】サイリスタ(スイッチング素子)17およ
び点火抵抗18の直列回路が、コンデンサの両端に接続
されている。さらに、定電圧回路19の入力端子が、コ
ンデンサ15の両端に接続されている。コンデンサ20
および抵抗21とコンデンサ22の直列回路が、定電圧
回路19の出力端子間に並列に接続されている。抵抗2
1とコンデンサ22が、カウンタリセット時間回路23
を構成している。さらに、デジタルタイマ30が、定電
圧回路19の出力端子に接続されている。
【0025】デジタルタイマ30は、リセット回路4
0,雷管に点火する遅延時間をカウントする主カウンタ
50,主カウンタの初期値を予め設定するプリセット回
路60,発振器90が極めて短時間で定常状態に入るよ
うに発振器90を過励振する過励振回路70で構成され
ている。
【0026】リセット回路40は、比較器42と、抵抗
44および46からなる分圧器とで構成されている。比
較器42の反転入力端子は、抵抗21とコンデンサ22
の接続点に接続されており、比較器42の非反転入力端
子は、抵抗44および46の接続点に接続されている。
したがって、比較器42の出力は、抵抗21とコンデン
サ22の時定数で定義される予め定められた時間T1の
後に、ハイレベルからローレベルに変化する。この所定
時間T1は、本発明のカウンタリセット時間に相当す
る、たとえば5msに規定される。
【0027】主カウンタ50は、分周器52からパルス
列が供給される13ビットプリセット型カウンタであ
る。分周器52は、12ビット分周器である。すなわ
ち、分周器52の出力周波数は、発振器90から供給さ
れるクロックパルス列Seの周波数の1/4096であ
る。
【0028】主カウンタ50は、主カウンタ50の初期
値を予め設定するプリセット回路60に接続されてい
る。プリセット回路60は、フリップフロップ56によ
って駆動される。このフリップフロップ56は、信号S
Rの立上がりでリセットされる。一方、主カウンタ50
および分周器52は、信号SRの立ち下がりでリセット
される。
【0029】図4(a)は複数のスイッチング回路62
で構成されるプリセット回路60を示す。各スイッチン
グ回路62は、抵抗67を介して直列に接続されたp−
チャンネルFET64とn−チャンネルFET66とで
構成されている。二つのFETのゲートはフリップフロ
ップ56のQ出力に接続されている。フリップフロップ
56がセット状態の時、すなわち、ゲート電圧がしきい
値電圧より高い場合、p−チャンネルFET64はオフ
となり、n−チャンネルFETは導通状態となる。した
がって、各スイッチング回路62の出力レベルはロー
で、主カウンタ50のプリセット値は変らない。逆に、
フリップフロップ56がリセット状態の時、すなわち、
ゲート電圧がしきい値電圧より低い場合、p−チャンネ
ルFET64は導通され、n−チャンネルFET66は
カットオフされる。この場合、各スイッチング回路62
の出力レベルは、時間セットライン68−1,68−
2,...68−mの状態で決まる。時間セットライン
68−jが接地されている場合は、スイッチング回路6
2の出力レベルはローであるが、時間セットライン68
−jが開の時はハイとなる。
【0030】図3において、主カウンタ50の出力はフ
リップフロップ58に供給され、信号SRの立上がりで
予めリセットされていたフリップフロップ58をセット
する。フリップフロップ58がセットされると、サイリ
スタ17がトリガされてオンとなる。すなわち、遅延回
路が消費した後にコンデンサ15に残っているすべての
電気エネルギが、点火抵抗18に供給され、雷管が爆発
する。
【0031】過励振回路70は、補助カウンタ72、フ
リップフロップ74−1,74−2,...74−n、
クロックドインバータ76−1,76−2,...76
−n、およびインバータ78で構成されている。カウン
タ72は1μs間隔で信号R1,R2...Rnを出力
し、これをフリップフロップ74−1,74−
2,...74−nのリセット端子にそれぞれ供給す
る。フリップフロップ74−1,74−2,...74
−nは信号SRの立上がりで同時にセットされ、信号R
1,R2,...Rnによって順次リセットされる。フ
リップフロップ74−i(i=1,2,...,n)の
出力端子は、クロックドインバータ76−iの制御端子
に接続されている。過励振回路そのものは、特開平5−
200009の図9に開示されているように、電子回路
の分野で知られている。
【0032】図4(b)はクロックドインバータ76−
iの回路図である。このクロックドインバータ76−i
の制御端子83および84は、フリップフロップ74−
iの出力端子に接続されている。クロックドインバータ
76−iの入力端子81および出力端子82は、発振器
90に接続されている。制御端子83にハイレベル信号
が印加され制御端子84にローレベル信号が印加される
と、クロックドインバータはインバータとして動作す
る。一方、制御端子83にローレベル信号が印加され制
御端子84にハイレベル信号が印加されると、クロック
ドインバータは発振器90から電気的に切り離される。
【0033】発振器90は、水晶発振子92、上記水晶
発振子92と並列に接続されたフィードバック抵抗9
4、上記水晶発振子92と接地の間に接続されたコンデ
ンサ96および98で構成されている。上記水晶発振子
の周波数は、好ましくは1MHzから16MHzの範囲
である。周波数が低すぎると、発振の立上がり時間が長
くなる。その結果、カウンタリセット時間T1が増加
し、遅延時間の精度に悪影響がある。周波数が高すぎる
と、電力消費に増加する。その結果、コンデンサ15が
雷管を爆発させるのに十分な電気エネルギを供給できな
い。
【0034】次に、図3の遅延回路の動作を、図5を参
照して説明する。
【0035】図5は遅延回路の各部の波形を示す。
【0036】時刻t0に電気式発破器1から電圧Saが
入力端子11および12に印加される。電圧Saによっ
て与えられた電気エネルギは、コンデンサ15に蓄えら
れ、コンデンサ15の電圧Sbが急速に増加する。定電
圧回路19は、電圧Saの印加の直後(数マイクロ秒)
の時刻t1に作動を開始し、定電圧Sc(たとえば3.
3V)を出力する。
【0037】定電圧Scは抵抗21を介してコンデンサ
22に印加され、コンデンサ22の電圧Sdが次第に増
加する。電圧Sdは時刻t2に抵抗44および46より
成る分圧器によって決まる電圧を越えると、比較器42
の出力レベルがハイからローに変化し、この変化が信号
SRの立ち下がりを作る。すなわち、時刻t1の後に時
間間隔T1(本実施例では約5ms)が経過した時に、
信号SRの立ち下がりが生成する。信号SRは、時刻t
1におけるその立上がりで、フリップフロップ74−1
〜74−nをセットし、フリップフロップ56および5
8をリセットする。一方、信号SRは、時刻t2におけ
るその立ち下がりで、主カウンタ50,分周器52およ
びカウンタ72をリセットする。
【0038】時間間隔T1の間に、水晶発振子92は、
クロックドインバータ76−1〜76−nおよびインバ
ータ78によって過励振され、定常状態に入る。すなわ
ち、水晶発振子92から出力されるパルス列の周波数
が、時間間隔T1の間に安定化する。
【0039】時刻t2に、分周器52が作動を開始し、
間隔が1msのパルスから成るパルス列Sfを出力す
る。同時に、カウンタ72が水晶発振器90から供給さ
れるクロックパルスのカウントを開始し、1μs間隔毎
に信号R1〜Rnを発生する。信号R1は、時刻t2か
ら1μs後の時刻t3にフリップフロップ56をセット
し、フリップフロップ74−1をリセットする。したが
って、プリセット回路60に印加される信号Sgが時刻
t3に立上がり、プリセット回路60を定電圧回路19
から切り離す。これによって、遅延回路による電力消費
が低減する。
【0040】時刻t3の後に、フリップフロップ74−
1〜74−nが信号Sh(=R1,R2,...Rn)
によって、T2間隔毎(1μs)に順次リセットされ
る。したがって、クロックドインバータ76−1〜76
−nが発振器90から順次カットオフされる。すなわ
ち、発振器90の過励振が信号Shによって次第に解除
される。その結果、水晶発振器90に供給される電流S
iは、過励振開始時にクロックドインバータ76および
インバータ78から供給されていた20mAから、0.
2mAに次第に変化し、これが定常励振の間、インバー
タ78によって供給される。
【0041】水晶発振子92は発振の初期段階ではかな
り大きい電力を消費し、発振が定常状態に近付くにつれ
てその電力消費を自動的に減少する。したがって、定電
圧で駆動されているクロックドインバータによる水晶発
振子の過励振は、発振子の熱損傷を起こさず、発振を極
めて短時間に定常状態に導く。
【0042】水晶発振子のこの特徴を利用することによ
り、クロックドインバータ76およびインバータ78
を、水晶発振子の過励振を誘起するのに十分な電流を供
給できるインバータで置き換えることができる。この場
合、クロックドインバータ76およびフリップフロップ
74を省略できる。
【0043】主カウンタ50の電流値がプリセット値に
達すると、主カウンタ50はフリップフロップ58をセ
ットする。これはサイリスタ17のトリガ信号Sjを生
成し、電流Skがコンデンサ15から点火抵抗18に供
給される。こうして、雷管が爆発する。
【0044】図6(a)および図6(b)は、本発明と
前述の従来技術の特性を比較して示す図である。
【0045】本発明のカウンタリセット時間T1は、従
来技術より遥かに短い。たとえば、本発明のカウンタリ
セット時間T1が約5msであるのに対して、従来技術
では約200〜300msである。さらに、本発明のカ
ウンタは回路内で発生する信号SRによって起動される
が、従来技術のカウンタは、電気式発破器1からリード
線を介して供給される入力電圧によって起動される。そ
の結果、従来技術のカウンタの起動は外部雑音の影響を
受けやすい。それに対して、本発明のカウンタの起動
は、外部雑音に影響されない。
【0046】上記の電子式遅延雷管は、IC(集積回
路)技術を用いることによって小型化することができ
る。
【0047】図7,図8(a)および(b)は本実施例
の雷管内の構成を示す。
【0048】円筒状のハウジング144は、遅延回路1
00およびシェル160を内蔵している。シェル160
は、点火抵抗18,点火チャージ146,スペース14
5,プライマーチャージ149,ベースチャージ150
を含んでいる。遅延回路100は、プリント基板147
上に配置され、遅延回路100の出力は、リード線を介
して点火抵抗18に印加される。プリント基板147は
その上に、ICチップ内に組込まれたデジタルタイマ3
0,抵抗13を構成する抵抗13aおよび13b,整流
器14,サイリスタ17,定電圧回路19,コンデンサ
22および発振子92を有する。電気エネルギを蓄える
コンデンサ15は、プリント基板147に取り付けられ
ている。水晶発振子92は、両面接着テープ148でプ
リント基板147に貼り付けられている。さらに、時間
セットライン68がプリント基板147の裏面に形成さ
れている。ハウジングはキャップ151によって閉じら
れ、脚線152および153がキャップ151を通して
ハウジングの内側から外側に引き出されている。
【0049】この構成によって、外径が17mm以下
で、長さが110mm以下のハウジング内にこれらの部
品を収納することができる。この場合、コンデンサ15
を含む電子部品回路全体の大きさは、11mm以下の外
径と53mm以下の長さを有する。
【0050】本実施例においては、カウンタリセット時
間T1は5msに規定されており、カウンタリセット時
間T1を決定するカウンタリセット時間回路23は、6
200pF±5%のコンデンサ22、および750kΩ
±2%の抵抗21が用いられている。さらに、デジタル
タイマ30のリセット端子のしきい値電圧は2.07V
±5%である。これらの誤差に起因する全体誤差を最小
二乗法によって推定すると、カウンタリセット時間T1
の推定全体誤差は、7.9%すなわち±0.4msであ
る。試験的に製作された500個のサンプルについてタ
イマリセット時間T1を測定し、4.7±0.2msで
製作可能であるとの結果を得ている。
【0051】さらに、水晶発振子92の精度は30pp
mであるので、最大設定遅延時間を約8秒に設定する
と、水晶発振子92に起因する誤差は約0.24ms
(=8000×30×10-6)である。したがって、遅
延時間の要求精度を±1.00msとすると、カウンタ
リセット時間T1の誤差時間は、0.76ms(=1.
00−0.24)ms以内であればよい。リセット回路
40の総合精度は、上述したように約8%であるから、
カウンタリセット時間T1は、9.5ms(=0.76
÷0.08)、すなわち約10ms以内に規定すれば精
度を満足することができる。
【0052】水晶振動子92が定常発振状態に入るまで
の時間も、カウンタリセット時間T1より短い時間であ
ればよい。
【0053】最大設定遅延時間が8秒のときについてカ
ウンタリセット時間T1の精度を試算したが、これは、
本実施例で用いた部品を基準とした値であって、容易に
遅延時間精度を満足できる限界である。しかしながら、
精度の高い部品を使用したり、あるいは部品を選別して
使用するなどの手段を用いれば、さらに長時間の最大設
定遅延時間であっても、遅延時間精度を満足することが
できるので、カウンタリセット時間T1の精度は、上記
試算精度に限定されるものではない。
【0054】本実施例によれば、カウンタリセット時間
T1が従来より遥かに短いため、抵抗21およびコンデ
ンサ22に高い精度が要求されない。したがって、安価
な抵抗とコンデンサを用いて安価なカウンタリセット時
間回路23を組むことができる。
【0055】さらに、低い電力消費が達成される。これ
は、遅延回路がC−MOSICで構成され、プリセット
動作の後にプリセット回路60が切り離されることによ
る。パックされたICデジタルタイマの代りに、リード
フレームが取り付けられていないパック前のデジタルタ
イマ30を用いてもよい。この場合には、遅延回路の寸
法がさらに低減される。発振子92を、図8(a)に示
す発振子92よりさらに薄いチップ型の発振子に置き換
えてもよい。
【0056】さらに、コンデンサ15,20,22,9
6および98を除くすべての部品を一つのICチップに
組込むことができる。これによって、遅延回路をさらに
小型化することができる。さらに、上記のICチップを
シェル160に収納することもできる。
【0057】さらに、遅延回路100をケースに入れ、
コネクタを介してシェル160に接続してもよい。
【0058】
【発明の効果】本発明においては、発振手段の出力周波
数が、過励振によって極めて短時間で定常周波数に達す
る。その結果、雷管に点火する遅延時間の精度が改善さ
れる。また、出力周波数が定常状態に入った後に計数手
段がカウントを開始するので、高精度、高信頼性の遅延
時間が得られる。
【0059】さらに、発振の短い立上がり時間が、発振
器の電力消費を低減する。その結果、電気エネルギを蓄
えるコンデンサの寸法が縮小できる。これによって、使
いやすい雷管を提供することが可能となる。
【0060】また、カウンタリセット時間は遅延回路内
で生成される。したがって、前述の従来技術と異なり、
カウンタリセット時間を制御するための外部信号の検出
が不要である。すなわち、高信頼性の電子式雷管が達成
できる。
【0061】カウンタリセット時間は、発振手段の出力
周波数が定常状態に達する時間とほぼ等しく設定され
る。本発明において、カウンタリセット時間は極めて短
いため、コンデンサと抵抗で構成される簡単な回路で、
十分に正確なカウンタリセット時間を達成することがで
きる。これは回路のコストを低減させる。
【図面の簡単な説明】
【図1】雷管に用いる従来の電子式遅延回路の原理を示
すブロック図である。
【図2】図1の各部の波形を示す図である。
【図3】本発明に係る点火素子用の電子式遅延回路の一
実施例を示すブロック図である。
【図4】(a)は図3のプリセット回路を示す回路図、
(b)は図3のクロックドインバータを示す回路図であ
る。
【図5】図3の各部の波形を示す図である。
【図6】(a),(b)は図3に示す実施例および図1
に示す従来技術の波形を示す比較図である。
【図7】本発明に係る雷管の縦断面図である。
【図8】(a),(b)は雷管内に収納された部品の配
置を示す図である。
【符号の説明】
1 電気発破器 2 起動回路 3 コンデンサ 4 クロックパルス発生器 5 カウンタ回路 6 リード線 7 スイッチング回路 11,12 入力端子 13 抵抗 14 整流器 15 コンデンサ 17 サイリスタ 18 点火抵抗 19 定電圧回路 20,22 コンデンサ 21 抵抗 23 カウンタリセット時間回路 30 デジタルタイマ 40 リセット回路 42 比較器 44,46 分圧抵抗 50 主カウンタ 52 分周期 56,58 フリップフロップ 60 プリセット回路 62 スイッチング回路 64 p−チャンネルFET 66 n−チャンネルFET 67 抵抗 68−1〜68−m 時間セットライン 70 過励振回路 72 補助カウンタ 74−1〜74−n フリップフロップ 76−1〜76−n クロックドインバータ 81 クロックドインバータの入力端子 82 クロックドインバータの出力端子 83,84 制御端子 90 発振器 92 水晶発振器 94 フィードバック抵抗 96,98 コンデサ 100 遅延回路 144 ハウジング 145 スペース 146 点火チャージ 147 プリント基板 148 両面テープ 149 プライマチャージ 150 ベースチャージ 151 キャップ 152 脚線 160 シェル

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発破器から供給された電気エネルギを充
    電する充電手段と、 前記充電手段に充電された電気エネルギによって動作
    し、クロックパルスを発振する発振手段と、 予め設定されたリセット時間の後に、前記発振手段の出
    力するクロックパルスを計数する計数手段と、 前記計数手段が予め設定された計数値だけ計数したとき
    に、前記充電手段に充電された電気エネルギを点火用抵
    抗線に通電するスイッチング手段とを具備し、 前記計数手段のリセット時間を10ミリ秒以内とし、該
    リセット時間内に前記クロックパルスの周波数を前記発
    振手段の固有周波数に到達させることを特徴とする電子
    式遅延電気雷管。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100509273B1 (ko) * 2002-08-05 2005-08-23 류정하 전기 발파기의 지연 발파 제어 방법 및 장치
KR100551764B1 (ko) * 2003-12-30 2006-02-13 석철기 시차별 발파진동을 상호간섭시켜 진동소음을 저감시키는발파방법

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