JP3585160B2 - 土圧調整及び土砂撹拌装置を備えたシールド掘削機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シールド掘削機前方の切羽の土圧変動を抑制すると共に、土砂の撹拌性を高めることが出来るようにしたシールド掘削機に関する。
【0002】
【従来の技術】
シールド掘削機などにおいて、カッターディスク又はカッタースポークを回転又は揺動させて掘削を行う際に、ディスク又はスポークの一部を伸縮させることで、任意形状の掘削面を施工することは知られている。この様な施工は、例えば、トンネルの連絡通路の施工等に採用されている。
【0003】
しかし、この施工法による場合は、カッターディスク又はカッタースポークの一部を伸縮させることで、切羽空間に機械部分が占める割合が変化するため、それにより土圧が変化する恐れがある。また、揺動型の場合、土砂の撹拌性が回転型に比べ低下する恐れがある。
そのように土圧の変化に伴い地表に隆起や陥没が生ずる恐れもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、カッターディスク又はカッタースポークの一部を伸縮させて掘削するシールド掘削機の前記の問題点を解決すべくなされたもので、シールド掘削機前方の切羽の土圧変動を抑制すると共に、土砂の撹拌性を高めることが出来るようにしたシールド掘削機を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の土圧調整及び土砂攪拌装置を備えたシールド掘削機によれば、外周端に半径方向への伸縮部分を装備した掘削用カッターディスク又はカッタースポークと同軸上で、その後方に土圧調整及び土砂攪拌用の補助ディスク又は補助スポークを設け、その補助ディスク又は補助スポークは、外周端に半径方向への伸縮部分を装備しており、前記掘削用カッターディスク又はカッタースポークの回転に対し同方向、逆方向に回転可能にされている。
【0006】
伸縮部分の伸縮は、例えば伸縮部に油圧ジャッキを装備して行うようにする。
【0007】
また、補助ディスク及び補助スポークの前面には、撹拌性能を高めるための撹拌翼を装備するようにするとよい。
【0008】
掘削用カッターディスク又はカッタースポークの回転、土圧調整及び土砂撹拌用の補助ディスク又は補助スポークの回転は、回転軸に油圧モータより成る回転機構が作用するようにすることで行う。
【0009】
その際、掘削用カッターディスク又はカッタースポーク、土圧調整及び土砂撹拌用の補助ディスク又は補助スポークを、遊星歯車機構を用いて回転させることにより、機構の共通化が図られる。
【0010】
また、掘削用カッターディスク又はカッタースポークの揺動、土圧調整及び土砂撹拌用の補助ディスク又は補助スポークの揺動は、回転軸に、油圧ジャッキより成る揺動機構が作用するようにすることで行う。
【0011】
掘削用カッタディスク又はカッタースポークの伸縮部分の伸縮に伴う切羽土圧の変動が補助ディスク及び補助スポークの伸縮部分の伸縮により抑えられ、安定した掘削が行える。
【0012】
また、補助ディスク及び補助スポークの回転又は揺動により、掘削土は十分に撹拌され、加泥材等との馴染みが良くなる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1及び図2において、全体を符号Sで示すシールド機械の正面に設けて掘削用カッタースポーク1は、第1の伸縮部分2を装備している。なお、掘削用カッタースポークに代えて掘削用ディスクを用い得ることは明らかである。
【0014】
掘削用カッタースポーク1と同軸上で、その後方に土圧調整及び土砂撹拌用の補助スポーク4が設けられており、この補助スポーク4は、やはり第2の伸縮部分5を装備している。この補助スポーク4も補助ディスクを用いてもよい。図中12は切削刃である。
【0015】
そして、補助スポーク4は、前記掘削用カッタースポーク1の回転に対し同方向又は逆方向に回転可能である。
【0016】
また、補助スポーク4の前面に、図3に示すように、撹拌性能を高めるための撹拌翼7を装備している。
【0017】
図4に示すように掘削用カッタースポーク1の回転軸3および補助スポーク4の回転軸6はそれぞれ油圧モータ8aおよび8bによる回転機構を用いて回転されるようになっている。
【0018】
また図5に示すように回転軸3および6に揺動ジャッキ9a、9bを作用させることができる。なお、この揺動機構は例えば特開平10−140979号公報に記載の公知のものを適用できる。このように補助スポーク4を回転および揺動させることにより、掘削土を充分に攪拌でき、加泥材等とのなじみをよくし、土砂の取り込みを容易にすることができる。
【0019】
図6は、掘削用カッタースポーク1の伸縮部分2を伸縮させるために、油圧ジャッキ10を掘削用カッタースポーク1の内に組込んである。図中11はシール機構である。補助スポーク4に関しても同様に構成できる。すなわち補助スポーク4内に油圧ジャッキを設ければよい。
【0020】
図7は掘削用カッタースポーク1および補助スポーク4の回転又は揺動方向が常に逆方向である場合に、遊星歯車機構13を用いた例を示している。図において掘削用カッタースポーク1と一体に回転する中心の回転体14を太陽歯車とし、補助スポーク4と一体に回転する回転体15をリング歯車とし、回転体14、15の間に遊星歯車16が設けられている。
【0021】
掘削用カッタースポーク1の伸縮部分2の伸縮に伴い切羽土圧が変動するが、図1及び図2に示すように、掘削用カッタースポーク1の伸縮部分2が矢印方向に伸長したら、補助スポーク4の伸縮部分5を矢印方向に収縮し、又、掘削用カッタースポーク1の伸縮部分2が収縮したら、補助スポーク4の伸縮部分5を伸長することで、切羽土圧の変動が抑えられ、安定した掘削が行われる。
【0022】
また、補助スポーク4の回転又は揺動により、掘削土は十分に撹拌され、加泥材等との馴染みが良くなる。
【0023】
【発明の効果】
掘削用カッタディスク又はカッタースポークの伸縮部分の伸縮に伴う切羽土圧の変動が補助ディスク及び補助スポークの伸縮部分の伸縮により抑えらるので、安定した掘削が行えることに加え、施工する深さが地表から浅い場合に、地表面の陥没や隆起を防止することが出来る。
また、補助ディスク及び補助スポークの回転又は揺動により、掘削土は十分に撹拌されるため、加泥材等との馴染みも良くなり、土砂切り込みが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】伸縮部分を装備した補助スポークを備えた伸縮部分を装備したシールド掘削機の側面図。
【図2】図1の正面図。
【図3】撹拌翼を備えた補助スポークの正面図。
【図4】図1に示すシールド掘削機の回転機構を示す側面図。
【図5】図1に示すシールド掘削機の揺動機構を示す側面図。
【図6】伸縮部分の伸縮機構を示す正面図。
【図7】遊星歯車式回転機構を示す正面図。
【符号の説明】
1・・・掘削用カッタースポーク
2・・・伸縮部分
3・・・回転軸
4・・・補助スポーク
5・・・伸縮部分
6・・・回転軸
7・・・撹拌翼
8・・・回転モータ
9・・・揺動ジャッキ
10・・・油圧ジャッキ
11・・・シール機構
12・・・切削刃
13・・・遊星歯車機構
14・・・太陽歯車
15・・・リング歯車
16・・・遊星歯車
Claims (3)
- 外周端に半径方向への伸縮部分を装備した掘削用カッターディスク又はカッタースポークと同軸上で、その後方に土圧調整及び土砂攪拌用の補助ディスク又は補助スポークを設け、その補助ディスク又は補助スポークは、外周端に半径方向への伸縮部分を装備しており、前記掘削用カッターディスク又はカッタースポークの回転に対し同方向、逆方向に回転可能であることを特徴とする土圧調整及び土砂攪拌装置を備えたシールド掘削機。
- 各伸縮部分の伸縮が油圧ジャッキにより行なわれることを特徴とする請求項1に記載の土圧調整及び土砂攪拌装置を備えたシールド掘削機。
- 補助ディスク又は補助スポークの前面に、攪拌性能を高めるための攪拌翼を装備していることを特徴とする請求項1及び2に記載の土圧調整及び土砂攪拌装置を備えたシールド掘削機。
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