JP5198371B2 - 異形断面トンネル掘削機及び異形断面トンネル掘削方法 - Google Patents

異形断面トンネル掘削機及び異形断面トンネル掘削方法 Download PDF

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Description

本発明は、断面円形以外の異形断面のトンネルを掘削するトンネル掘削機及びトンネル掘削方法に関する。
断面円形以外の異形断面のトンネルを掘削するトンネル掘削機として、図7に示すように、掘削機本体aの隔壁bに支持され切羽を掘削すべく回転されるカッタフレームcと、カッタフレームcにその端部から出没する方向に移動可能に設けられた伸縮カッタdとを備え、カッタフレームcを1回転させる間に伸縮カッタdを適宜伸縮させることで、異形断面(例えば矩形断面)のトンネルを掘削する異形断面トンネル掘削機eが知られている。
かかる異形断面トンネル掘削機eにおいては、カッタフレームcを1回転する間、伸縮カッタdがカッタフレームcの端部から突出する方向に移動すると、土砂が押し退けられるため、カッタ室f内の土圧が上昇し、伸縮カッタdが没入する方向に移動すると、スペースが空くため、空いたスペースに土砂が侵入してカッタ室f内の土圧が低下してしまう。かかる土圧の変動は、カッタフレームcの回転トルクの変動及び切羽の不安定化を招くため、抑制することが望ましい。
そこで、この異形断面トンネル掘削機eは、隔壁bに土圧調整ブロックgをカッタ室fに向けて出没可能に装着し、伸縮カッタdが突出方向に移動するときに、土圧調整ブロックgを没入方向に移動させ、伸縮カッタdが没入方向に移動するときに、土圧調整ブロックgを突出方向に移動させ、伸縮カッタdの出没に伴うカッタ室f内の容積変動(土圧変動)を土圧調整ブロックgの出没により相殺するようにしている(特許文献1参照)。
また、別の異形断面トンネル掘削機として、図8に示すように、掘削機本体hの前部に一対のカッタフレームiを夫々往復揺動可能に設け、各カッタフレームiのスポークに伸縮カッタjを夫々出没可能に設け、一対のカッタフレームiを往復揺動させながら伸縮カッタjを適宜出没させることで、矩形断面のトンネルを掘削するものが知られている。
この異形断面トンネル掘削機kは、双方のカッタフレームiの往復揺動の位相を所定位相とすることで、一方のカッタフレームiの伸縮カッタjが伸長するときに、他方のカッタフレームiの伸縮カッタjが没入するようにし、一方の伸縮カッタjの伸長に伴うカッタ室fの容積減少を他方の伸縮カッタjの没入に伴うカッタ室fの容積増加で相殺し、土圧の変動を抑制している(特許文献2参照)。
特許第3312875号公報 特許第3311325号公報
ところで、図7に示す異形断面トンネル掘削機eにおいては、伸縮カッタdを出没するアクチュエータと土圧調整ブロックgを出没するアクチュエータとが別々に必要となり、且つこれらを連動制御する必要がある。また、図8に示す異形断面トンネル掘削機kにおいても、一方のカッタフレームiの伸縮カッタjを出没するアクチュエータと他方のカッタフレームiの伸縮カッタjを出没するアクチュエータとが別々に必要となり、且つこれらを連動制御する必要がある。
このため、構造及び制御の複雑化が避けられず、コストアップを招く。
そこで、本発明の目的は、伸縮カッタの出没に伴う土圧の変動を簡単な構成で容易に抑制でき、コストダウンを図った異形断面トンネル掘削機及び異形断面トンネル掘削方法を提供することにある。
上記目的を達成するために請求項1に係る発明は、掘削機本体の前部に配設され、切羽を掘削するために回転又は揺動するカッタフレームと、該カッタフレームに、その端部から出没する方向に移動可能に設けられた伸縮カッタとを備えた異形断面トンネル掘削機であって、上記カッタフレームに、上記方向に沿って往復移動する移動体を設け、該移動体の一端に上記伸縮カッタを他端にピストンを取り付け、上記カッタフレームに、上記ピストンを移動可能に収容し、一端が開口されたシリンダを設け、該シリンダと上記ピストンとにより一端が開口された土圧吸収室を形成し、上記移動体の往復移動に伴って、上記伸縮カッタが突出する方向に移動された際に上記ピストンが上記シリンダの奥側に移動して上記土圧吸収室の容積が大きくなり、上記伸縮カッタが没入する方向に移動された際に上記ピストンが上記シリンダの開口側に移動して上記土圧吸収室の容積が小さくなるものである。
請求項2に係る発明は、上記移動体を、一対、上記カッタフレームに並設し、一方の移動体の一端に上記伸縮カッタを他端に上記ピストンを取り付け、これとは逆に、他方の移動体の他端に上記伸縮カッタを一端に上記ピストンを取り付け、上記カッタフレームに、一方の移動体のピストンを移動可能に収容するシリンダと他方の移動体のピストンを移動可能に収容するシリンダとを逆向きに設け、一方の移動体に取り付けたピストンとシリンダとで形成される土圧吸収室の隣りに他方の移動体に取り付けた伸縮カッタを配置し、他方の移動体に取り付けたピストンとシリンダとで形成される土圧吸収室の隣りに一方の移動体に取り付けた伸縮カッタを配置したものである。
請求項3に係る発明は、請求項1に係る異形断面トンネル掘削機を用いた異形断面トンネル掘削方法であって、上記カッタフレームを回転又は揺動させながら上記移動体を往復移動させて異形断面トンネルを掘削するに際して、上記伸縮カッタが突出する方向に移動された際に増加しようとする土圧を、上記ピストンが上記シリンダの奥側に移動することで土砂を上記土圧吸収室内に導いて吸収し、上記伸縮カッタが没入する方向に移動された際に減少しようとする土圧を、上記ピストンが上記シリンダの開口側に移動することで上記土圧吸収室内の土砂を排出することで補充し、土圧の変動を抑制したものである。
請求項4に係る発明は、請求項2に係る異形断面トンネル掘削機を用いた異形断面トンネル掘削方法であって、上記カッタフレームを回転又は揺動させながら一方の移動体と他方の移動体とを同調させて往復移動させて異形断面トンネルを掘削し、一方の移動体の伸縮カッタの移動によって増減する土圧を、その隣りに位置する他方の移動体のピストンとシリンダとで形成された土圧吸収室の容積変動によって吸収し、他方の移動体の伸縮カッタの移動によって増減する土圧を、その隣りに位置する一方の移動体のピストンとシリンダとで形成された土圧吸収室の容積変動によって吸収するようにしたものである。
本発明に係る異形断面トンネル掘削機及び異形断面トンネル掘削方法によれば、伸縮カッタの出没に伴う土圧の変動を簡単な構成で容易に抑制でき、コストダウンを図ることができる。
本発明の一実施形態に係る異形断面トンネル掘削機の正面図である。 図1のII−II線矢視断面図である。 伸縮カッタを突出させた異形断面トンネル掘削機の断面図である。 図1の矢印IV方向からの矢視図である。 図2のV−V線矢視概略断面図である。 図3のVI−VI線矢視概略断面図である。 従来例を示す異形断面トンネル掘削機の側断面図である。 別の従来例を示す異形断面トンネル掘削機の正面図である。
本発明の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1、図2、図5に示すように、本実施形態に係る異形断面トンネル掘削機1は、断面矩形の筒状のシールドフレーム2を有する掘削機本体3と、シールドフレーム2内を前後に仕切る隔壁4に支持され切羽を掘削するために回転(往復揺動でもよい)するカッタフレーム5と、カッタフレーム5にその端部から出没する方向に移動可能に設けられた伸縮カッタ6とを備えている。
シールドフレーム2には、シールドフレーム2の内面に沿ってセグメントを矩形リング状に組み立てるエレクタ(図示せず)が支持されており、エレクタよりも前方のシールドフレーム2の内面には、エレクタにより組み立てられたセグメントに反力を取ってシールドフレーム2を前進させるシールドジャッキ(図示せず)が装着されている。また、隔壁4には、隔壁4とカッタフレーム5との間のカッタ室7内の掘削土砂を隔壁4の後方に排出する排土装置(スクリューコンベヤ等、図示せず)が取り付けられている。
カッタフレーム5は、隔壁4に掘進方向に沿った軸回りに回転可能に支持されたセンターブロック8と、センターブロック8に180度間隔で放射状に取り付けられた一対の固定スポーク9とを有する。センターブロック8は、図示しない駆動装置により上記軸回りに回転駆動されるようになっており、各固定スポーク9の切羽側面には、センターブロック8の回転に伴って切羽を切削するビット10が設けられている。各固定スポーク9の内部には、カーブ掘進時にカーブ内側を余掘りするためのコピーカッタ11が出没可能に収容されている。
また、カッタフレーム5は、図1、図4に示すように、固定スポーク9に直交するように並列された一対のガイド筒12を有する。これらガイド筒12は、センターブロック8に取り付けられており、各ガイド筒12には、図2に示すように、円柱状の移動体13が夫々スライド可能に挿通されている。一方のガイド筒12及び移動体13と、これに隣接する他方のガイド筒12及び移動体13とは、同様の構成であって図1にて天地逆となっている点のみが異なっているに過ぎないので、一方のガイド筒12及び移動体13(図1のII−II線矢視断面のもの)についてのみ述べ、他方のガイド筒12及び移動体13についての説明は省略する。
図2、図5に示すように、ガイド筒12の下端には、円柱状の基部14がピン15を介して支持されており、基部14の上面には、移動体13の下部に形成された穴16に挿通された固定ロッド17が設けられ、固定ロッド17の頂部には、移動体13の内部に形成された油圧室18を上下に仕切る固定ピストン19が設けられている。固定ピストン19の側部には、油圧室18の内周面との隙間を塞ぐシール20が設けられ、移動体13の下部に形成された穴16には、固定ロッド17の外周面との隙間を塞ぐシール21が設けられている。この構成によれば、固定ピストン19の上方の油圧室18にオイルを供給すると、移動体13が突出方向に移動し(図3参照)、その状態で固定ピストン19の下方の油圧室18にオイルを供給すると、移動体13が没入方向に移動する(図2参照)。
図2、図5に示すように、移動体13の上端には、伸縮カッタ6が取り付けられている。伸縮カッタ6は、ガイド筒12の外周面にスライド可能に被嵌される筒部22と、筒部22の上部にそこを蓋するように設けられ移動体13の上端に連結された蓋部23と、筒部22の切羽側面に取り付けられたビット24とを有する。ガイド筒12の上端の外周面には、筒部22の内周面との隙間を塞ぐシール25が設けられ、ガイド筒12の内周面には、移動体13の外周面との隙間を塞ぐシール26が設けられていると共に、移動体13の外周面に摺接するメタル軸受27が設けられている。
他方、移動体13の下部には、可動ロッド28を介し、円板状のピストン29が取り付けられている。可動ロッド28は、図5に示すように正面から見て一対間隔を隔てて配置されており、上端が円柱状の移動体13の下面に固定され、下端が円板状のピストン29の上面に固定されている。これにより、移動体13がガイド筒12及び固定ピストン19に対して昇降されると、移動体13に可動ロッド28を介して取りつけられたピストン29も、一体的に昇降することになる。
ガイド筒12の下部の外周部には、ピストン29を昇降移動可能に収容するシリンダ30が装着されている。シリンダ30の下端は開放されており、図3に示すように、ピストン29が上昇されたとき、シリンダ30の内面とピストン29の下面とにより、下端が開口された土圧吸収室31が形成される。シリンダ30の内部には、図5に示すように、可動ロッド28が挿通される穴32が形成された仕切板33が設けられており、穴32には可動ロッド28の外周面との隙間を塞ぐシール34が設けられている。また、ピストン29の側面には、シリンダ30の内周面との隙間を塞ぐシール35が設けられ、シリンダ30の切羽側面には、切羽を切削するためのビット42が装着されている。
以上の構成によれば、円柱状の移動体13がガイド筒12及び固定ピストン19に対して往復移動されると、図3に示すように伸縮カッタ6が突出する方向に移動された際にピストン29がシリンダ30の奥側に移動して土圧吸収室31の容積が大きくなり、これとは逆に図2に示すように伸縮カッタ6が没入する方向に移動された際にピストン29がシリンダ30の開口側に移動して土圧吸収室31の容積が小さくなる。なお、本実施形態では、土圧吸収室31の容積が零となっているが、零でなくても構わない。
移動体13を往復移動させる油圧回路について、図5、図6を用いて説明する。
図示するように、ガイド筒12、基部14、固定ロッド17及び固定ピストン19の内部には、一端がガイド筒12の側部に開口を有し、他端が固定ピストン19の側部のシール20よりも下方に開口を有する伸縮カッタ没入用油圧通路36が形成されている。伸縮カッタ没入用油圧通路36の中程には、ガイド筒12の下面の通路途中と基部14の下面の通路途中とを繋ぐ配管36aが設けられている。また、ガイド筒12、基部14、固定ロッド17及び固定ピストン19の内部には、一端がガイド筒12の側部に開口を有し、他端が固定ピストン19の頂面に開口を有する伸縮カッタ突出用油圧通路37が形成されている。伸縮カッタ突出用油圧通路37の中程には、ガイド筒12の下面の通路途中と基部14の下面の通路途中とを繋ぐ配管37aが設けられている。
この構成によれば、図5に示すように伸縮カッタ6が没入された状態にて、伸縮カッタ突出用油圧通路37を通して固定ピストン19の上方の油圧室18にオイルを供給すると、移動体13が突出方向に移動され、図6に示すように移動体13に取り付けられた移動カッタ6が突出状態となる。この際、固定ピストン19の下方の油圧室18に充満されていたオイルは、伸縮カッタ没入用油圧通路36を通って排出される。逆に、図6に示すように伸縮カッタ6が突出された状態にて、伸縮カッタ没入用油圧通路36を通して固定ピストン19のシール20よりも下方の油圧室18にオイルを供給すると、移動体13が没入方向に移動され、図5に示すように移動カッタ6が没入状態となる。この際、固定ピストン19の上方の油圧室18に充満されていたオイルは、伸縮カッタ突出用油圧通路37を通って排出される。
なお、伸縮カッタ突出用油圧通路37と伸縮カッタ没入用油圧通路36との夫々に接続された油圧配管(通路)37b、36bは、カッタフレーム5の回転軸を挿通され、公知のロータリージョイントを介し、坑内からオイルが給排されるようになっている。
また、図5、図6に示すように、ガイド筒12には、一端がガイド筒12の側面に開口を有し、他端がガイド筒12の上面に開口を有する第1呼吸用通路38が設けられ、ガイド筒12及びシリンダ30には、一端がガイド筒12の側面に開口を有し、他端が仕切板33より下方のシリンダ30の内周面に開口を有する第2呼吸用通路39が設けられている。
第1呼吸用通路38は、図5の伸縮カッタ没入状態から図6の伸縮カッタ突出状態に移行する際に、ガイド筒12の上面と伸縮カッタ6の筒部22の内周面と移動体13の外周面とで区画された上部屋40に空気を導き、上部屋40が負圧状態となることを回避する。これにより、移動体13が突出方向へ移動する際に、上部屋40が負圧状態となることによる抵抗を回避できる。また、このとき第2呼吸用通路39は、図5におけるシリンダ30の内周面と仕切板33の下面とピストン29の上面とで区画された下部屋41内の空気を排出し、下部屋41内の空気が圧縮充満状態となることを回避する。これにより、移動体13が突出方向へ移動する際に、下部屋41内の空気が圧縮充満状態となることによる抵抗を回避できる。
また、これら第1、第2呼吸用通路38、39は、移動体13が逆に没入方向に移動する際には、空気の給排が逆になり、移動体13が没入方向へ移動する際の抵抗を回避する。
なお、第1、第2呼吸用通路38、39の夫々に接続された空気配管38b、39bは、カッタフレーム5の回転軸を挿通され、公知のロータリージョイントを介し、坑内から空気が給排されるようになっている。
本実施形態の作用を述べる。
図1、図2、図3に示すカッタフレーム5を回転軸回りに回転させながら、移動体13を往復移動させ、矩形断面トンネルを掘削する。すなわち、カッタフレーム5が図1の状態から45度回転するまで移動体13を突出方向に徐々に移動させ、45度で最も突出させ、45度を過ぎたなら移動体13を没入方向に徐々に移動させ、90度で最も没入させる、という制御を繰り返すことで、矩形断面トンネルを掘削する。
ここで、伸縮カッタ6が突出する方向に移動された際、突出した伸縮カッタ6により土砂が押し退けられてその土砂がカッタ室7内に流入するため、カッタ室7内の土圧が増加しようとするところ、伸縮カッタ6が突出方向に移動すると、伸縮カッタ6が取り付けられた移動体13に可動ロッド28を介して連結されたピストン29が、シリンダ30の奥側に移動して土圧吸収室31の容積が増加するため、その土圧吸収室31内に土砂が流入することで上述したカッタ室7内の土圧増加が相殺され、カッタ室7内の土圧の変動が抑制される。すなわち、伸縮カッタ6が突出する方向に移動された際に増加しようとする土圧を、ピストン29がシリンダ30の奥側に移動することで土砂を土圧吸収室31内に導いて吸収し、土圧の変動を抑制する。
逆に、伸縮カッタ6が没入する方向に移動された際、没入した伸縮カッタ6によりスペースが生じてそのスペースに土砂が導かれるため、カッタ室7内の土圧が減少しようとするところ、伸縮カッタ6が没入方向に移動すると、伸縮カッタ6が取り付けられた移動体13に可動ロッド28を介して連結されたピストン29が、シリンダ30の開口側に移動し、それまで土圧吸収室31内に入り込んでいた土砂が排出されることで上述したカッタ室7内の土圧減少が相殺され、カッタ室7内の土圧の変動が抑制される。すなわち、伸縮カッタ6が没入する方向に移動された際に減少しようとする土圧を、ピストン29がシリンダ30の開口側に移動することで土圧吸収室31内の土砂を排出することで補充し、土圧の変動を抑制する。
このように、移動体13の一端に伸縮カッタ6を他端に土圧吸収室31のピストン29を取り付けたので、移動体13が往復移動された際の伸縮カッタ6の出没に伴って、土圧吸収室31の容積が自動的に減少増加することになる。よって、伸縮カッタ6の出没に伴うカッタ室7内の土圧の変動を、移動体13を往復移動させる単一のアクチュエータ(油圧シリンダ機構)を用いるという簡単な構成で、複雑な制御装置を用いることなく容易に且つ的確に抑制でき、コストダウンを推進することができる。
また、本実施形態では、ガイド筒12及び移動体13を、一対、カッタフレーム5に並設し、これら移動体13に伸縮カッタ6とピストン29とを天地逆に取り付けると共に、カッタフレーム5にシリンダ30を天地逆に取り付け、一方の移動体13に取り付けたピストン29とシリンダ30とで形成される土圧吸収室31の隣りに他方の移動体13に取り付けた伸縮カッタ6を配置し、他方の移動体13に取り付けたピストン29とシリンダ30とで形成される土圧吸収室31の隣りに一方の移動体13に取り付けた伸縮カッタ6を配置している。
このため、一方の移動体13を突出方向に移動させたとき他方の移動体13も突出方向に移動させ、一方の移動体13を没入方向に移動させたとき他方の移動体13も没入方向に移動させ、双方の移動体13を同調させて矩形断面トンネルを掘削することで、一方の移動体13の伸縮カッタ6の移動によって増減する土圧を、その回転周方向の隣りに位置する他方の移動体13のピストン29とシリンダ30とで形成された土圧吸収室31の容積変動によって吸収し、他方の移動体13の伸縮カッタ6の移動によって増減する土圧を、その回転周方向の隣りに位置する一方の移動体13のピストン29とシリンダ30とで形成された土圧吸収室31の容積変動によって吸収することができる。よって、迅速且つスムーズな土圧相殺が可能となる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態では、移動体13を一対カッタフレーム5に夫々往復移動可能に並設したが、単一の移動体13をカッタフレーム5に往復移動可能に設けてもよい。また、カッタフレーム5は、本実施形態のように回転式のものに限られず、所定角度範囲で往復揺動する往復揺動式でもよい。
1 異形断面トンネル掘削機
3 掘削機本体
5 カッタフレーム
6 伸縮カッタ
13 移動体
29 ピストン
30 シリンダ
31 土圧吸収室

Claims (4)

  1. 掘削機本体の前部に配設され、切羽を掘削するために回転又は揺動するカッタフレームと、該カッタフレームに、その端部から出没する方向に移動可能に設けられた伸縮カッタとを備えた異形断面トンネル掘削機であって、
    上記カッタフレームに、上記方向に沿って往復移動する移動体を設け、該移動体の一端に上記伸縮カッタを他端にピストンを取り付け、上記カッタフレームに、上記ピストンを移動可能に収容し、一端が開口されたシリンダを設け、該シリンダと上記ピストンとにより一端が開口された土圧吸収室を形成し、
    上記移動体の往復移動に伴って、上記伸縮カッタが突出する方向に移動された際に上記ピストンが上記シリンダの奥側に移動して上記土圧吸収室の容積が大きくなり、上記伸縮カッタが没入する方向に移動された際に上記ピストンが上記シリンダの開口側に移動して上記土圧吸収室の容積が小さくなる
    ことを特徴とする異形断面トンネル掘削機。
  2. 上記移動体を、一対、上記カッタフレームに並設し、
    一方の移動体の一端に上記伸縮カッタを他端に上記ピストンを取り付け、
    これとは逆に、他方の移動体の他端に上記伸縮カッタを一端に上記ピストンを取り付け、
    上記カッタフレームに、一方の移動体のピストンを移動可能に収容するシリンダと他方の移動体のピストンを移動可能に収容するシリンダとを逆向きに設け、
    一方の移動体に取り付けたピストンとシリンダとで形成される土圧吸収室の隣りに他方の移動体に取り付けた伸縮カッタを配置し、
    他方の移動体に取り付けたピストンとシリンダとで形成される土圧吸収室の隣りに一方の移動体に取り付けた伸縮カッタを配置した
    請求項1に記載の異形断面トンネル掘削機。
  3. 請求項1に記載の異形断面トンネル掘削機を用いた異形断面トンネル掘削方法であって、
    上記カッタフレームを回転又は揺動させながら上記移動体を往復移動させて異形断面トンネルを掘削するに際して、
    上記伸縮カッタが突出する方向に移動された際に増加しようとする土圧を、上記ピストンが上記シリンダの奥側に移動することで土砂を上記土圧吸収室内に導いて吸収し、
    上記伸縮カッタが没入する方向に移動された際に減少しようとする土圧を、上記ピストンが上記シリンダの開口側に移動することで上記土圧吸収室内の土砂を排出することで補充し、
    土圧の変動を抑制した
    ことを特徴とする異形断面トンネル掘削方法。
  4. 請求項2に記載の異形断面トンネル掘削機を用いた異形断面トンネル掘削方法であって、
    上記カッタフレームを回転又は揺動させながら一方の移動体と他方の移動体とを同調させて往復移動させて異形断面トンネルを掘削し、
    一方の移動体の伸縮カッタの移動によって増減する土圧を、その隣りに位置する他方の移動体のピストンとシリンダとで形成された土圧吸収室の容積変動によって吸収し、
    他方の移動体の伸縮カッタの移動によって増減する土圧を、その隣りに位置する一方の移動体のピストンとシリンダとで形成された土圧吸収室の容積変動によって吸収する
    ことを特徴とする異形断面トンネル掘削方法。
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