JP3584390B2 - 窓シャッタ−の取付構造及び窓シャッタ−ユニット体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、住宅建物の窓等に設置される窓シャッタ−に係り、詳しくは、建物躯体に対する窓シャッタ−の取付構造、及び軸組と窓サッシ枠と外壁パネルと窓シャッタ−とを予め取付けた状態で出荷するようにした窓シャッタ−ユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、鉄骨構造住宅については、図1(a)に示すように軸組となる鉄骨aに、サッシb、パネル外壁cを現場で組付け、現場で隣接する外壁パネル同士の目地調整を行っている。また、近年、軸組となる外部側の鉄骨材にサッシb、外壁パネルcを予め工場内で取り付けて、現場に出荷することも行われている。このものにおいては、現場において外壁パネルcを取り外すことができるので、外壁パネルcを上下左右方向に移動させて目地調整を容易に行うことができる。
【0003】
しかしながら、かかる外壁にさらに窓シャッタ−本体まで取り付けて出荷することを考えると、窓シャッタ−を引掛金具dを介して外壁パネルcと鉄骨aに固定した場合には、図1(b)に示すように、引掛金具dは外壁パネルcを貫通する螺子eによって鉄骨aに固着されるので、外壁パネルcを現場において取り外すことが困難であり、外壁パネルcの目地調整が出来なくなってしまう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる不具合を解決するために創案されたものであって、工場において、軸組を構成する鉄骨に、窓サッシ枠、外壁パネルのみならず窓シャッタ−をも取り付けて出荷した場合であっても、あるいは現場で窓シャッタ−を取り付けた後であっても、現場において外壁パネルの目地調整を容易に行うことができるような窓シャッタ−の取付構造および窓シャッタ−ユニット体を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を達成するために本発明が採用して技術手段は、窓シャッタ−ユニット体において、軸組と、該軸組に取り付けた窓サッシ枠と、該窓サッシ枠を囲繞するように張設した外壁パネルと、該窓サッシ枠上方に位置して取付金具を介して取り付けられた窓シャッタ−とからなり、該取付金具は窓シャッタ−のシャッタ−ケ−スを取着する本体部と該本体部の下端側より窓サッシ竪枠上端部位に沿って下方に延出する延出部とからなり、該取付金具の延出部を該窓サッシ竪枠を介して該軸組に固着することで、該外壁パネルは移動調整可能な状態で該軸組と該取付金具との間に挾持されることを特徴とするものである。
【0007】
すなわち、取付金具を外壁パネルを介することなく軸組に固着することで、該外壁パネルは該取付金具の固着(例えば螺子による固着)の影響を受けない状態で該軸組と該取付金具との間に挾持されており、現場において外壁パネルの移動調整を良好に行うことができる。したがって、窓シャッタ−を取り付けた後であっても、あるいは工場において、軸組を構成する鉄骨に、窓サッシ枠、外壁パネルのみならず窓シャッタ−をも取り付けて出荷した場合であっても、窓シャッタ−や取付金具を外すことなく、現場における該外壁パネルの移動調整が可能となる。
【0008】
好ましくは、取付金具の本体部は仮想鉛直線に対して外壁パネル側へ若干後傾していることを特徴とするものである。こうすることで、取付金具の前倒傾向を防止することができる。尚、取付金具の上方部位をシャッタ−ケ−スの側方部位からの支持手段によって支持することで、前倒を防止するようにしてもよい。
【0009】
好ましくは、取付金具の延出部を窓サッシ枠の左右枠の屋外側に立設したガイドレ−ルによって隠蔽するのがよく、延出部を有する取付金具を採用するものでありながら、延出部が外観を損ねることがない。尚、窓サッシ枠竪枠にガイドレ−ル下地材を備えたものにおいては、ガイドレ−ル下地材に延出部が外側から重合するようにして装着される。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図2は窓シャッタ−の縦断面図、図3は横断面図であって、軸組を構成する鉄骨材1には窓開口部を形成する窓サッシ枠2が取着してあり、窓サッシ枠2を囲繞するように外壁パネル3が張設してある。尚、外壁パネル3はクリップ状の取付金具によって軸組に仮止めされており、現場において外壁パネル3の上下左右方向の調整移動が可能である。窓サッシ枠2は上枠2a、下枠2b、左右の竪枠2cから形成された四周枠であり、四周枠内に窓開口部を形成している。下枠2bには室内側に位置して摺動レ−ル20bが形成されており、窓開口部は、窓サッシ枠2の室内側に引き違い状に摺動自在に設けた図示しない扉体によって開閉される。
【0011】
窓開口部上方には窓シャッタ−4のシャッタ−ケ−ス5が装着されており、シャッタ−ケ−ス5内にはシャッタ−カ−テン6が巻装されている。窓サッシ枠2の左右の竪枠2cの屋外側にはガイドレ−ル7が立設されており、シャッタ−カ−テン6がガイドレ−ル7に案内されながら降下して窓開口部を閉鎖するようになっている。尚、窓サッシ枠2の下枠2bの屋外側には水切板8が設けてある。
【0012】
シャッタ−ケ−ス5は長さ方向両側部を構成する左右のブラケット9と、ブラケット9に対して装着されるケ−ス本体10からなり、左右のブラケット9間には巻取シャフト11が軸架されると共に、左右のブラケット9は取付金具12を介して躯体側に装着されるようになっている。図6は一側のブラケット9であって、ブラケット9の全体形状を説明するために用いる。ブラケット9はシャッタ−ケ−ス5の側面形状と略同じ形状を有する面部9aと面部9aに対して鉛直状に延出する側部9bとからなり、ブラケット9は側部9bに切欠形成した係止部90bを介して取付金具12に取着するようになっている。ブラケット9の面部9aには巻取シャフト11の端部の支持部90aが設けてある。尚、図3において、符号11aは巻取シャフト芯を示している。
【0013】
シャッタ−ケ−ス5の本体10はケ−ス上板10aとケ−ス前板10bとを有し、ケ−ス上板10aは後方(躯体側)に向かって緩やかに上昇する傾斜面となっており、後端部位には段部10cが形成されている。側面視におけるケ−スの隅部にはケ−スの長さ方向に延出するケ−スアングル材10dが設けてある。尚、シャッタ−ケ−スの構成や形状は図示のものに限定されるものではなく、取付金具12を介して躯体側に取着するものであればよい。
【0014】
取付金具12は特に図4、図5に示すように、全体として縦長状の形状を有し、縦長の平板状の本体部12aと、本体部12aの下端より端縁に余端部を残して本体部12aの面に対して鉛直状に若干持ち出して形成した段部120aと、段部120aの端部よりさらに下方に向かって延出してなる縦長平板状の延出部12bと、本体部12aおよび延出部12bの側部より面部に対して鉛直状に延出してなる側片12cと、本体部12aの下端の余端部より面部に対して鉛直状に延出してなる支承片12dと、本体部12aの面部の表面側に上下に所定間隔を存して形成した係止突片12eとからなり、本体部12aの面部の裏面側には側片12cに近接して細長状の水密材12fが設けてある。また、図5(b)に示すように、取付金具12の本体部12aは後方(外壁パネル側)に向かって若干傾斜状になっている。尚、図5(a)における符号12gはコ−ド孔である。支承片12dはブラケット9の折曲片90cに対して螺子止めされ、吹き上げを防止する。
【0015】
取付金具12の延出部12bは窓サッシ枠2の左右の竪枠2cに沿って延出すると共に、複数の螺子孔120bが穿設されており、取付金具12は複数の螺子13によって、竪枠2cおよび軸組を構成する鉄骨材1に固着されている。詳しくは、ガイドレ−ル下地材7aが竪枠2cに沿って立設されており、取付金具12の本体部12aが外壁パネル3の表面に当接すると共に、延出部12bはガイドレ−ル下地材7aの面部に当接している。複数の螺子13の内で螺子13aは延出部12b、ガイドレ−ル下地材7a、竪枠2c、鉄骨材1を貫通しており、他の螺子13bは延出部12b、ガイドレ−ル下地材7a、竪枠2cを貫通している。既述のように延出部12bの上端(本体部12aの下端)には段部120aが形成されているので、延出部12bの面部は本体部12aの面部に対して若干持ち出し状になっており、段部120aがガイドレ−ル下地材7aやサッシ等の厚さを吸収できるようになっている。
【0016】
このように構成された窓シャッタ−ユニットを用いた窓シャッタ−の設置について説明する。まず、工場内において、軸組を構成する鉄骨1に窓サッシ枠2を取り付けると共に、窓サッシ枠2を囲繞するように外壁パネル3を張設し、窓サッシ枠2の左右竪枠2cにガイドレ−ル下地材7aを設け、取付金具12の本体部12aを外壁パネル3に重合させると共に、延出部12bをガイドレ−ル下地材7aの上端部位に重合させ、螺子13によって、延出部12bとガイドレ−ル下地材7aと竪枠2cと鉄骨1とを固着する。そして、取付金具12の本体部12aの係止突片12eにブラケット9の係止部90bを係止させて窓シャッタ−を装着することで窓シャッタ−ユニットを形成し、この状態で出荷する。
【0017】
窓シャッタ−ユニットは現場において構造体に組付けられる。窓シャッタ−ユニットの状態では、取付金具12を固着する螺子13は外壁パネル3を貫設することはないので、外壁パネル3は取付金具12の固着の影響を受けることがなく、窓シャッタ−4や取付金具12を取り外すことなく、現場において外壁パネル3を上下左右方向に移動させることで微妙な目地調整を行うことができる。目地調整を行った後は、ブラケット9の上端部位から外壁パネル3にかけてビス(図示せず)を打つことでブラケット9と外壁パネル3とを止着すると共に、段部10cにはコ−キング材(図示せず)を充填する。尚、ガイドレ−ル下地材7aに対してガイドレ−ル7を装着することで、ガイドレ−ル7の上端部位が取付金具12の延出部12bを隠蔽するようになっている。
【0018】
【発明の効果】
本発明によれば、取付金具を外壁パネルを介することなく軸組に固着することで、該外壁パネルは該取付金具の固着の影響を受けないので、窓シャッタ−を取り付けた後でも、あるいは工場内で窓シャッタ−を事前に取り付けた形で出荷した場合であっても、現場における外壁パネルの目地調整を容易に行うことができる。また、外壁パネルの仕上げの凹凸が深い場合であっても、取付金具の固定は外壁パネルではなく、サッシ枠を介して行うので、外壁パネルの仕上げの影響を受けることなく螺子止めを良好に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)軸組、サッシ、外壁パネルの取付けの従来例を示す図である。
(b)窓シャッタ−をユニットとして出荷する場合における、従来例を示す図である。
【図2】本発明に係る窓シャッタ−の取付構造(窓シャッタ−ユニットを設置した状態)を示す縦断面図である。尚、取付金具の延出部は図2では示されていない。
【図3】本発明に係る窓シャッタ−の取付構造(窓シャッタ−ユニットを設置した状態)を示す横断面図である。
【図4】本発明に係る取付金具の取付構造を示す図であって、(a)は正面図および断面図、(b)は分解斜視図である。
【図5】本発明に係る取付金具を示す図であって、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は下側から見た図である。
【図6】一側のブラケットを示す図であり、(a)は側面図、(b)は図において右側から見た後面図である。
【符号の説明】
1 鉄骨材
2 窓サッシ枠
2c 窓サッシ竪枠
3 外壁パネル
4 窓シャッタ−
5 シャッタ−ケ−ス
7 ガイドレ−ル
7a ガイドレ−ル下地材
12 取付金具
12a 本体部
12b 延出部
Claims (3)
- 軸組と、該軸組に取り付けた窓サッシ枠と、該窓サッシ枠を囲繞するように張設した外壁パネルと、該窓サッシ枠上方に位置して取付金具を介して取り付けられた窓シャッタ−とからなり、該取付金具は窓シャッタ−のシャッタ−ケ−スを取着する本体部と該本体部の下端側より窓サッシ竪枠上端部位に沿って下方に延出する延出部とからなり、該取付金具の延出部を該窓サッシ竪枠を介して該軸組に固着することで、該外壁パネルは移動調整可能な状態で該軸組と該取付金具との間に挾持されることを特徴とする窓シャッタ−ユニット体。
- 取付金具の本体部は仮想鉛直線に対して外壁パネル側へ若干後傾していることを特徴とする請求項1に記載の窓シャッタ−ユニット体。
- 取付金具の延出部は窓サッシ枠の左右に設けたガイドレ−ルによって隠蔽されることを特徴とする請求項1、2いずれかに記載の窓シャッタ−ユニット体。
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