JP3584171B2 - 耐爆裂性コンクリート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は建築物やトンネル等、火災を受ける可能性のある構造物に用いる火災時の耐爆裂性に優れたコンクリート及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンクリートにおける水と結合材、即ち、セメント、スラグ、フライアッシュ、シリカフューム等、コンクリート中で水和反応する材料、との比率を小さくすると高強度のコンクリートが得られる。コンクリートを高強度にすることにより、建造物の柱の断面寸法を小さくしたり、建築物の高層化が図れる等さまざまな利益が得られる。しかしながら、水の含有量を低下させてコンクリートを高強度化すると、火災時等高温環境下で、水蒸気圧や熱応力等により表面のコンクリートが爆裂し易くなり、種々の問題を生ずる可能性のあることが知られている。このような高強度コンクリートを用いた建築物の爆裂を抑制するために、次の技術が知られている。
特開平9−13531号には柱の周囲の、火災を直接受ける表面近傍に強度の低いコンクリートを使用して爆裂を抑制するとともに、中央部には高強度コンクリートを利用して、外力と火災に対して高い抵抗性を保持する構造物が記載されている。
【0003】
また、構造体に用いるコンクリートそのものではないが、建物の内外装用のパネルなどに使用する高強度の押出し成型板として、例えば、特公昭57−20126号には、長さ5〜20mm、太さ1〜25デニールのアセテート、またはレーヨン繊維をセメントアスベスト重量の0.5〜2.0%混入した押出し成型板が記載され、火災時に繊維が蒸発して細孔を形成し、この部分から水蒸気を逃すことにより爆裂を防止する旨の開示がある。さらに、特開昭59−1284号には、中空のポリプロピレン繊維を混入し、この繊維の孔から蒸気を逃すことにより、爆裂を防止する方法が、同じく、特公昭62−12197号には、パーライトやパルプを混合することにより、空隙率30〜60%のアスベストセメント中の1〜5μmの細孔を空隙の10%以上確保し、爆裂を防止する方法が記載されている。
これらは、いずれもコンクリートの耐爆裂性にある程度の効果を有するが、特開平9−13531のように、高強度コンクリート部材の表面に低強度のコンクリートを使用する方法は、建築物の柱等の断面積を必然的に大きくせざるを得ず、高強度コンクリートを利用する効果を減じてしまうことになり、さらに、少なくとも二種類のコンクリートを使用することで、複雑な施工法となり、著しくコストが高くなるという問題があった。
【0004】
また、特公昭57−20126号や特開昭59−1284号等のように、コンクリートに繊維などの充填材を混入する方法は、高強度のコンクリートに適用可能であるが、爆裂を抑制する効果がある有効量を混入するとコンクリートの流動性が低下し、施工現場で型枠中に打設するのが困難になる。
特公昭62−12197号のようにアスベストセメント中に空隙を確保する技術を高強度コンクリートに適用した場合、多量の空隙を形成することにより必然的に強度が低下してしまい、高強度コンクリートの本質的な目的が達成できなくなる。
【0005】
もともと、高強度コンクリートは、セメント等の結合材に対する水の量の比率を小さくして高い強度を達成しているが、水結合材比の低下とともに、塑性粘度が大きくなり、作業性が低下することから、高強度セメント用の分散剤としての界面活性剤の開発や、ガラス質シリカの超微粒子であるシリカフュームの利用等により所要の流動性を確保しているものである。したがって、爆裂に対する抵抗性を確保するために、繊維を多量に混入して、流動性が低下することは実用上も好ましくなく、繊維の混入が爆裂防止に有効であるとしても、高強度コンクリートの流動性の低下を最小限に抑制できるものでなければならない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように高強度コンクリートの爆裂を防止しようとする現状の技術は、各々、ある程度の効果を有する反面、高強度コンクリートに適用した場合には種々の課題を有している。本発明は、このような現状を考慮し、流動性を低下させることなく、爆裂を抑制することができ、経済性の高い高強度コンクリート及びその製造方法を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本願発明者らは、上記問題に鑑みて、有機材料からなる繊維を混入する技術が爆裂防止に有効であり、かつ、経済性が高い点に着目し、流動性の低下を抑制し、高強度コンクリートに適用する効果的な手段を種々検討のうえ、本発明を完成した。
即ち、繊維を混入した時の流動性の低下を抑制するためには、少量の繊維で、爆裂を防止する。すなわち、爆裂防止効果の高い繊維を使うことが有効である。本発明者らは、従来知られている有機繊維材料を検討し、繊維を500℃に加熱した時の蒸発量の違いによって爆裂防止効果に大きな違いがあることを見出した結果に基づき、高温度条件下において効率よく空隙を形成しうる特定の材料を用いることにより前記目的を達成しうることを見出したものである。
【0008】
即ち、本発明の耐爆裂性コンクリートは、500℃に加熱した時の重量残存率が30%以下である有機材料よりなる、直径5〜100μm、長さ5〜40mmの有機繊維を、コンクリートの圧縮強度に応じて、コンクリートの圧縮強度80N/mm 2 (800kgf/cm2 )の場合には0.02容量%以上、圧縮強度100N/mm 2 (1000kgf/cm2 )の場合には0.05容量%以上とし、且つ、0.2容量%以下の量で含有し、水結合材比が35%以下であることを特徴とする。
このように500℃に加熱した時の重量残存率(非蒸発量) が30%以下の、重量残存率が小さい有機材料からなる有機繊維を用いることにより、繊維の添加量が少量であっても速やかに減容して有効な空孔を形成しうるため、コンクリートの流動性を低下させない程度の有機繊維の添加量によっても有効な爆裂防止性を達成しうる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明において、コンクリートに添加する有機繊維には、500℃に加熱した時の重量残存率が30%以下である有機材料により形成されたものを用いる。
通常、耐爆裂性コンクリートに加熱時に水蒸気を逃がして爆裂を防止するための空孔を形成する材料としては、融点の低い有機材料が好ましいとされているが、本発明者らの検討の結果、単に融点が低いのみでは優れた耐爆裂性を必ずしも発現せず、この特性は500℃に加熱した時の重量残存率に関連することが見いだされた。
【0010】
各種有機繊維における500℃に加熱した時の重量残存率には、10〜20%のものから80%程度のものまで、各種あるが、重量残存率の大きい繊維を使用した場合には、火災時に、繊維の蒸発によって形成される爆裂防止用のコンクリート中の水蒸気の逃し穴が十分形成されず、爆裂防止に対する繊維の効果は、大きくそこなわれてしまう。これに対して、500℃に加熱した時の重量残存率の小さい繊維は、火災時によく蒸発し、効果的に水蒸気の逃し穴を形成することができ、少ない繊維で有効に爆裂を防止できることになる。
500℃に加熱した時の重量残存率が30%を上回る場合には繊維の蒸発による水蒸気逃し穴の形成が不十分で耐爆裂性が低下し、これが30%以下の場合には、繊維の蒸発により蒸発前の繊維体積に匹敵する容積の大きな空孔が形成され、その空孔が水蒸気逃し穴としてよく機能し、好ましい耐爆裂性を発現する。
【0011】
このようにコンクリートマトリックス中に存在する各繊維が加熱後は効果的な空孔を速やかに形成するため、繊維使用量を少なくすることができ、繊維の混入がコンクリートの流動性に及ぼす影響も小さくなり、施工性のよい高強度コンクリートを経済的に実現できることになる。
これらの有機繊維を構成する有機材料としては、火災時の加熱により分解又は溶融して体積の急激な減少を起こす天然、半合成あるいは合成の有機材料が用いられる。
【0012】
次に、500℃に加熱した時の重量残存率の測定方法について説明する。
まず、有機繊維の気乾質量を測定して6〜7mgを秤量し、示差走査熱分析法により測定を行う。具体的な測定条件としては、示差走査熱量天秤(TAS200、理学電気社製)を用いて、アルミナ製サンプルホルダーにて、温度上昇率:5.0℃/分、測定時間間隔:0.6秒にて測定する。
【0013】
有機材料との関係でいえば、比較的溶融温度の低い繊維であるポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ビニロン、アクリル繊維等を前記条件で測定すると、ポリプロピレン、ビニロンはそれぞれ重量残存率が14%、18%であり、本発明の要件に適合するが、ポリ塩化ビニル、アクリル繊維は重量残存率が30%を超えるため、本発明の繊維としては適さない。
本発明の有機繊維を構成する天然、半合成あるいは合成の有機材料としては、加熱により溶融又は蒸発して急激な体積の減少が起こり、特に500℃に加熱した時の重量残存率が30%以下であることを要するため、公知の合成樹脂類、天然繊維、合成繊維及び半合成繊維などから前記の条件を考慮して選択する必要があり、例えば、ポリプロピレン系、ビニロン系、ビニリデン系などの材料が好ましく挙げられる。
【0014】
次に、有機繊維の形状について検討するために、本発明者らはコンクリートモデルを用いて評価を行った。有機繊維の形状は有機繊維の蒸発により形成される空孔の形状に直接関連するが、その空孔、即ち、加熱時の耐爆裂性をもたらす水蒸気逃し穴の作用は、ここで検討する繊維の径、さらには、繊維の混入量、コンクリートの強度等によって効果に違いが生じる。
コンクリート中に分散した繊維(直径d)が図1(A)に示すようにかぶりコンクリート部で均一に被覆され、平行に分布しているとモデル化すると、1本の繊維によって火災時に形成される穴には、図1(B)に示すような六角形で近似される筒状のコンクリート部分(有効コンクリート柱と呼ぶことにする) からの水蒸気が逃げてくることになる。この水蒸気の移動を図1(C)に矢印で示す。このように、繊維によって形成された空孔はかぶりコンクリート部の領域からの水蒸気を穴から外に逃がすことになる。
六角形の有効コンクリート柱の直径をd(mm)、繊維の直径をd(mm)、繊維の混入量をV(cm/m)とすると、d、d、Vの間には、下記式(1)の関係があることが算定される。
【0015】
【数1】
Figure 0003584171
【0016】
式(1)のdとVの関係をVを混入率(%)に変換し、繊維の直径をパラメーターにして、プロットすると図2のようになる。
図2は有効コンクリート柱の直径d(mm)と繊維のコンクリート中への混入量V(cm/m)との関係を、繊維の直径ごとに示したグラフである。図2より、繊維の混入率が多くなる程、有効コンクリート柱の直径が小さくなること、及び、繊維の直径が小さくなる程、有効コンクリート柱の直径が小さくなることがわかる。図1にモデル図を用いて説明したように、有効コンクリート柱の直径が小さい程、繊維の穴1つで水蒸気を集めてくる領域が狭く、従って、爆裂防止効果が大きいことになる。すなわち、繊維の混入率が多い程、繊維の直径が小さい程、爆裂防止に効果的なことがわかる。
【0017】
爆裂防止に必要な有効コンクリート柱の直径は、コンクリートの強度、すなわち、組織の緻密さによって1つの繊維穴に水蒸気を集める速度が異なるため、強度が大きくなる程小さくなる。
本発明者らの行った鉄筋コンクリート柱の載荷加熱実験によれば、3時間、強度の1/3の力を保持(通常の長期荷重の最大値)するのに必要な繊維の量を、繊維径が20μmのポリプロピレン繊維を用いて、圧縮強度の異なるコンクリートに混入して評価したところ、コンクリートの圧縮強度800kgf/cmの場合には、必要な繊維混入量は0.01〜0.02容量%、1000kgf/cmの場合には、0.05容量%程度であった。これを図2のグラフに当てはめて検討するに、爆裂防止に必要な有効コンクリート柱の直径は、コンクリートの圧縮強度が800kgf/cmの場合で2.0〜2.5mm程度、1000kgf/cmの場合で1.0mm前後と推定される。
【0018】
本発明においては、高強度コンクリートの耐爆裂性向上の観点から、少なくともコンクリートの圧縮強度が800kgf/cm程度以上であることを考慮して、図1にモデル図で示した有効コンクリート柱の直径(d)が2.0mm以下の領域で選定することが必要であることがわかる。
爆裂防止に適した繊維の直径を有効コンクリート柱の直径を考慮して選択すれば、繊維の直径は5〜100μmであることが好ましい。5μm未満であると水蒸気の経路として好ましい空孔を形成し難く、100μmを超えると高密度コンクリートに対して十分な耐爆裂性を発現し難い。
【0019】
また、繊維の長さは、5〜40mmであることが好ましい。5mm未満であると爆裂防止効果が不十分であり、繊維長が40mmを上回るようになると、繊維の分散が悪くなり、均一なコンクリートを得難い。
これらの有機繊維は、コンクリート中で凝集することなく、それぞれが均一に分散が可能であれば、モノフィラメントでもストランド状の繊維でも使用することができる。
高強度コンクリートの爆裂防止に必要な繊維の混入量はコンクリートの体積に対して0.02〜0.2容量%、すなわち、1m3 当たり0.2〜2リットルである。詳細には、コンクリートの圧縮強度に応じて、コンクリートの圧縮強度80N/mm 2 (800kgf/cm2 )の場合には0.02容量%以上、圧縮強度100N/mm 2 (1000kgf/cm2 )の場合には0.05容量%以上とし、且つ、0.2容量%以下の量で含有することを要する。本発明の有機繊維の如く、高温で速やかに蒸発がおこり、有効な空隙を形成しやすい繊維を用いた場合でも、0.02容量%すなわち0.2リットル/m3 未満では爆裂防止効果が不十分であり、0.2容量%すなわち2リットル/m3 以上混入すると、コンクリートの流動性が低下するため、いずれも好ましくない。
【0020】
このように本発明の耐爆裂性コンクリートにおいては、混入した繊維の熱収縮、蒸発により連続した空隙が形成され、そこを次々に水蒸気が伝わることにより効率的に水蒸気を外に逃がして爆裂を防止することができる。
本発明に係る有機繊維は柔軟性であり、コンクリート中に分散されても、その流動性に与える影響は少ない。この繊維を充填材としてコンクリートに分散することにより、火災時に発生するコンクリート中の水蒸気を外部へ逃がすことで、コンクリートの爆裂を効果的に防止するものであるが、コンクリートの水結合材比が35%を上回る通常のコンクリートの場合には火災時にコンクリートに生ずる爆裂の影響が問題にならないレベルであり、この発明は、水結合材比が35%以下の高強度コンクリートに適用して特に有用であるといえる。
【0021】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこの実施例に制限されるものではない。
(実施例1〜2)
Figure 0003584171
(2)コンクリートの調合下記表1に示す水結合材比が25%の高強度コンクリートを基材として実験した。
【0022】
【表1】
Figure 0003584171
【0023】
(3)有機繊維
ポリプロピレン繊維で、直径20μm、長さ19mm、500℃に加熱した時の重量残存率が14%のものを用いた。
(4)繊維の混入量
前記有機繊維を前記で調製したコンクリート中に0.05容量%、0.10容量%、0.20容量%、0.30容量%の条件で混入した。
(5)コンクリートの製造
100リットルパン型強制練りミキサーを使用した。1回の練り量を60リットルとした。砂、セメント、シリカフュームを15秒空練りした後、水と混和剤を投入し1分練混ぜた後、粗骨材を投入した。粗骨材投入後の練混ぜ時間を2分とし、最初の30秒の間で繊維を混入した。得られたコンクリートのうち、有機繊維の混入量が0.05容量%のものを実施例1、0.1容量%のものを実施例2、0.2容量%のものを実施例3、0.3容量%のものを対照例4とした。
【0024】
(6)コンクリートの流動性試験
スランプフロー60cmのコンクリートのLフロー速度を、特許登録第2589757号に記載の方法により測定し、繊維の混入が流動性に及ぼす影響を検討した。Lフロー速度の高いものが、塑性粘度が小さく、流動性が良い。結果を下記表2に示した。また、有機繊維を全く混入しなかったものをコントロール(比較例1)として、同様の測定を行った結果も表2に併記した。この流動性と繊維の混入率との関係を図3のグラフに示した。
(7)耐火試験
水蒸気が蒸発しないよう、封かん状態で養生したφ15×30cm試験体の封かんを解いてJIS A1304に定められた標準加熱曲線に従って加熱し、加熱前後の試験体の重量を測定した。この試験では、爆裂したものは重量が軽くなり、加熱前後の重量の差が大きくなる。従って、重量変化(重量減少率)の数値が小さいものを耐爆裂性に優れていると評価した。結果を下記表2に示した。この重量減少率と繊維の混入率との関係を図4のグラフに示した。
【0025】
(比較例1〜4)
前記実施例1において、混入する繊維を前記有機繊維に換えて、直径17μm、長さ20mm、500℃に加熱した時の重量残存率が76%のアクリル繊維を使用し、混入量を0.05容量%、0.1容量%、0.2容量%、0.3容量%とした他は、実施例1と同様にしてコンクリートを製造し、それぞれ比較例1〜4とした。比較例1〜4のコンクリートについても、実施例1と同様に、前記(6)コンクリートの流動性試験及び(7)耐火試験を行った。結果を表2に示した。
【0026】
【表2】
Figure 0003584171
【0027】
上記表2及び図3のグラフより実施例1乃至では、繊維を混入しないコンクリート(図3で繊維混入量=0の値)に比較して流動性の低下は少なく、実用上問題のないレベルであることがわかる。
また、表2及び図4のグラフに明らかなように、耐火試験においては、実施例1〜の重量変化が、繊維を混入しないコンクリート(図4で繊維混入量=0の値)に比較して著しく低下しており、有機繊維0.05容量%の混入量で、十分に爆裂を防止する効果があることがわかる。
一方、本発明の範囲外の有機繊維を混入した比較例1〜4では、耐火試験における重量変化は無混入と変わらず、爆裂防止効果が認められなかった。
【0028】
【発明の効果】
本発明は前記構成としたため、流動性を低下させることなく、爆裂を効果的に抑制することができ、経済性の高い高強度の耐爆裂性コンクリートを提供しうるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)〜(C)耐爆裂性検討のための有効コンクリート柱と繊維孔を示すモデル図である。
【図2】有効コンクリート柱の直径と繊維のコンクリート中への混入量との関係を、繊維の直径ごとに示したグラフである。
【図3】有機繊維を混入した耐爆裂性コンクリートの繊維の混入率と流動性の関係を示すグラフである。
【図4】有機繊維を混入した耐爆裂性コンクリートの重量減少率と繊維の混入率の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10 有効コンクリート柱
12 繊維穴(空孔)

Claims (2)

  1. 500℃に加熱した時の重量残存率が30%以下である有機材料よりなる、直径5〜100μm、長さ5〜40mmの有機繊維を、コンクリートの圧縮強度が80N/mm 2 の場合には、下記式(1)で定まる量V ' f (容量%)以上、圧縮強度が100N/mm 2 の場合には、下記式(2)で定まる量V ' f (容量%)以上とし、且つ、0.2容量%以下含有し、水結合材比が35%以下であることを特徴とする耐爆裂性コンクリート。
    Figure 0003584171
    前記式(1)、(2)中、V ' f は有機繊維の含有量(容量%)を表し、d f は有機繊維の直径(mm)を表す。
  2. 水結合材比が35%以下、圧縮強度が80N/mm2(800kgf/cm2 )以上の高強度耐爆裂性コンクリートの製造方法であって、
    水、結合材、骨材、及び、500℃に加熱した時の重量残存率が30%以下である有機材料よりなる、直径5〜100μm、長さ5〜40mmの有機繊維を、コンクリートの圧縮強度が80N/mm 2 の場合には、下記式(1)で定まる量V ' f (容量%)以上、圧縮強度が100N/mm 2 の場合には、下記式(2)で定まる量V ' f (容量%)以上とし、且つ、0.2容量%以下含有するコンクリート組成物を混練して、コンクリートのLフロー速度が6.0cm/sec以上の流動性を有するコンクリート組成物を調製し、その後、硬化させることを特徴とする耐爆裂性コンクリートの製造方法。
    Figure 0003584171
    前記式(1)、(2)中、V ' f は有機繊維の含有量(容量%)を表し、d f は有機繊維の直径(mm)を表す。
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