JP2003112958A - 耐爆裂性高強度セメント質硬化体の製造方法 - Google Patents

耐爆裂性高強度セメント質硬化体の製造方法

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JP2003112958A
JP2003112958A JP2001311123A JP2001311123A JP2003112958A JP 2003112958 A JP2003112958 A JP 2003112958A JP 2001311123 A JP2001311123 A JP 2001311123A JP 2001311123 A JP2001311123 A JP 2001311123A JP 2003112958 A JP2003112958 A JP 2003112958A
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Makoto Katagiri
誠 片桐
Daisuke Mori
大介 森
Kazuyoshi Shirai
一義 白井
Yutaka Kobayashi
裕 小林
Keizo Mizuno
敬三 水野
Shintarou Michikoshi
真太郎 道越
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Taisei Corp
Taiheiyo Cement Corp
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Taisei Corp
Taiheiyo Cement Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 火災熱による硬化体の爆裂を防止することの
できる耐爆裂性高強度セメント質硬化体の製造方法を提
供すること。 【解決手段】 圧縮強度が150MPa以上、かつ、曲
げ強度が30MPa以上を発現する高強度セメント質硬
化体の製造方法において、金属繊維(例;2mm以上、
かつ、長さ/直径の比が20以上の鋼繊維)を0.5〜
4.0体積%(内割)、および直径0.08〜0.12
mm、かつ、長さ0.5〜3.5mmの有機質繊維(ビ
ニロン繊維、ポリプロピレン繊維など)を4.0〜7.
0体積%(外割)が配合され、フロ−値が240mm以
上に調製された混練物(含まれる骨材の最大粒径が2m
m以下が好ましい)を成形し養生して硬化させる高強度
セメント質硬化体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐爆裂性高強度セ
メント質硬化体の製造方法に関し、特に、金属繊維およ
び有機質繊維を特定の範囲で組み合わせて配合し、か
つ、混練物の流動性を特定した耐爆裂性高強度セメント
質硬化体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、モルタル・コンクリ−トを緻密
化して圧縮強度を改良(高強度化)した場合、耐磨耗
性、中性化、クリ−プなど他の特性をも向上させる。そ
のようなモルタル・コンクリ−トを用いて、 ・建築物を現場打ちで施工した場合:モルタル層および
コンクリ−ト層の厚さを薄くできるので、打設量が減少
し、材料の使用量の低減(コスト削減)、利用可能な空
間の増大、作業量の軽減など、 ・プレキャスト部材を製造した場合:部材の厚さを薄く
することができるので、材料の使用量の低減(コスト削
減)、軽量化、運搬・施工作業の軽減など、のメリット
が生じる。
【0003】その反面、前記高強度モルタル・コンクリ
−ト硬化体は、周辺で火災が発生した場合、その熱によ
り爆裂し、該硬化体を破壊する、という欠点を有してい
る。その爆裂の一因として、高強度モルタル・コンクリ
−ト硬化体が緻密質であるために、火災熱によって硬化
体内部に存在する水が水蒸気に変化してもその飛散経路
が殆ど無いので、蒸気圧が急激に上昇し爆裂する、と考
えられている。
【0004】爆裂防止方法として、特許第262091
0号公報には、強度90〜105N/mmのコンクリ
−ト部材について、普通セメント、2mm以下の砂、2
〜8mmの砂利、8〜16mmの砕石、シリカフュ−ム
等のコンクリ−ト原材料に、特定の粉末度を有する沈殿
活性ケイ酸塩および有機繊維を添加した硬化体は、火災
熱で該繊維が溶解、軟化、分解し直径3〜350μm、
0.05〜1容量%の毛細管を形成することによって破
壊的スポ−リングを防止できる旨、そして、該有機繊維
として、300℃以下で軟化、分解できるものであって
(例;ポリプロピレン繊維)、直径3〜350μm、長
さ5〜35mmのものを使用してコンクリ−トの0.0
5〜1容量%含有させる旨、の記載がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、前記モルタル・
コンクリ−ト硬化体(部材)に比し、緻密さを高め、強
度を著しく改良(圧縮強度;150MPa以上、かつ、
曲げ強度;30MPa以上)した高強度セメント質硬化
体が開発されている。該硬化体は、一般のモルタル・コ
ンクリ−ト用原料のほかにシリカフュ−ム、石英粉末、
ウォラストナイトなどを配合し、水粉体比を小さくし、
かつ、減水剤を添加することにより十分な流動性を有す
る混練物を調製し、打設・成形し、硬化させて製造され
ている
【0006】しかしながら、上記のような高強度セメン
ト質硬化体をそのまま火災に曝露した場合、従来の硬化
体より高緻密質であるために、爆裂の頻度は高く、か
つ、激しい、という欠点を有している。
【0007】そこで、高強度セメント質硬化体を製造す
るとき、前記従来法の有機繊維を原料配合物に添加し毛
細管を形成することが試みられたが、依然として硬化体
が緻密過ぎ水蒸気の飛散が十分でないため、爆裂を防止
することができない、という問題点が残ったままであっ
た。
【0008】本発明は、上記欠点・問題点に鑑みなされ
たものであって、その目的は、 ・火災熱による硬化体の爆裂を防止することのできる耐
爆裂性高強度セメント質硬化体の製造方法を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明を大まかに言え
ば、高強度セメント質硬化体が火災により被熱した折り
に生じる爆裂、それを改良できる製造方法であり、金属
繊維および有機質繊維を組み合わせて配合し、かつ、混
練物の高流動性を保持させることを特徴とし、これによ
って、前記目的を達成するようにした耐爆裂性高強度セ
メント質硬化体の製造方法を提供するものである。
【0010】すなわち、本発明(耐爆裂性高強度セメン
ト質硬化体の製造方法)は、 「・圧縮強度が150MPa以上、かつ、 ・曲げ強度が30MPa以上を発現する高強度セメント
質硬化体の製造方法において、 ・金属繊維を0.5〜4.0体積%(内割)、および ・直径0.08〜0.12mm、かつ、長さ0.5〜
3.5mmの有機質繊維を4.0〜7.0体積%(外
割)が配合され、 ・フロ−値が240mm以上に調製された混練物を成形
し養生して硬化させること」(請求項1)を要旨とす
る。
【0011】また、本発明は、 ・金属繊維が鋼繊維であること(請求項2)、 ・金属繊維の長さが2mm以上、かつ、長さ/直径の比
が20以上であること(請求項3) ・有機質繊維が、ビニロン繊維、ポリプロピレン繊維、
ポリエチレン繊維、アラミド繊維から選ばれる1種また
は2種以上の混合繊維であること(請求項4) ・混練物に含まれる骨材の最大粒径が2mm以下である
こと(請求項5)などを特徴とする。
【0012】
【本発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明す
る。本発明は、(a)圧縮強度が150MPa以上、か
つ、(b)曲げ強度が30MPa以上を発現する高強度セ
メント質硬化体を対象としたものであって、その耐爆裂
性を改良できる製造方法の発明である。主な特徴は、金
属繊維および特定寸法の有機質繊維をそれぞれ特定の割
合で配合し、特定の流動性を具備する混練物を調製する
製造方法である。
【0013】なお、この明細書において、各繊維の配合
量は、特に断らない限り金属繊維が『体積%(内
割)』、有機質繊維が『体積%(外割)』で表示したも
のであり、その他の原材料の配合量は、セメント100
重量部に対する「重量部」である。
【0014】最初に、金属繊維について説明する。金属
繊維は、硬化体の強度、特に曲げ・引張強度を向上させ
るために配合するものである。金属繊維は、公知の鋼繊
維、アモルファス繊維などが挙げられ、中でも鋼繊維
は、強度が優れている点、およびコスト、入手のし易い
点から好ましい。
【0015】使用する金属繊維は、長さが2mm以上、
かつ、長さ/直径の比が20以上のものが好ましく、長
さが2〜30mm、長さ/直径の比が20〜200のも
のがより好ましい。直径が小さ過ぎると(長さ/直径の
比が200以上のような場合)、繊維自身が細過ぎて強
度が不足し張力を受けたさいに切れ易く、逆に、直径が
大き過ぎると(長さ/直径の比が20以下のような場
合)、配合できる金属繊維の本数が減少し硬化体が所定
の曲げ強度を発現できないこともあるので好ましくな
く、又、長さが2mm未満の場合、短過ぎて硬化体が所
定の曲げ強度に達しないので、逆に、長過ぎる場合、配
合物を混練したさいファイバ−ボ−ルが生じ易く均一に
分散しないこともあるため好ましくないこともある。
【0016】金属繊維の配合量は、0.5〜4.0体積
%であり、好ましくは1.0〜3.0%である。配合量
が0.5体積%未満の場合、硬化体の曲げ強度が極端に
低下するので、逆に、4.0体積%を超える場合、混練
物のフロ−値が240mmに達せず流動性が悪くなるた
め単位水量を増加して混練する必要があり、そのため、
硬化体の圧縮・曲げ強度を低下させるので、いずれの場
合も好ましくない。
【0017】次に、有機質繊維について説明する。有機
質繊維は、高強度セメント質硬化体の耐爆裂性改良のた
めに配合するものである。該繊維としては、ビニロン繊
維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、アラミド
繊維など、1種または2種以上の混合繊維が使用され
る。最も好ましいのは、混練時の流動性、爆裂防止など
の点からビニロン繊維である。
【0018】有機質繊維は、直径0.08〜0.12m
m、長さ0.5〜3.5mmのものを使用することが重
要である。本発明は、上記寸法を有する有機質繊維を後
記する配合範囲量で使用することにより、混練物の流動
性を保持すると共に、火災熱による硬化体の爆裂を防止
することができる。
【0019】有機質繊維の直径が0.08mm未満の場
合または長さが3.5mmを超える場合、混練物の流動
性(フロ−値;240mm以上)を保持することが困難
となるうえに、硬化体が所定の圧縮・曲げ強度を発現し
ないことから、また、直径が0.12mmを超えた場
合、爆裂防止が不十分なことがあることから、さらに長
さが0.5mm未満の場合、該繊維の入手が困難なう
え、割高となり経済的不利益が大き過ぎることから、い
ずれの場合も好ましくない。
【0020】有機質繊維の配合量を説明する。有機質繊
維の配合量は、4.0〜7.0体積%(外割)であり、
混練物の流動性や硬化体の強度から、4.0〜6.5体
積%(外割)が好ましい。配合量が4.0体積%未満の
場合、爆裂防止が不十分なので、また7.0体積%を超
える場合、混練物の流動性(フロ−値;240mm以
上)が極端に低下するうえ、硬化体が所定の圧縮・曲げ
強度を発現しないので、いずれの場合も好ましくない。
【0021】耐爆裂性高強度セメント質硬化体を製造す
るために使用する繊維類以外の原材料について説明す
る。その原材料とは、セメント、ポゾラン質微粉末、骨
材、減水剤、鉱物質粉粒子などであり、従来から使用さ
れているものである。
【0022】本発明で使用するセメントは、普通・早強
・中庸熱・低熱ポルトランドセメント、高炉・フライア
ッシュセメントなどの混合セメントなどが挙げられ、適
宜選択して使用すれば良い。
【0023】ポゾラン質微粉末は、シリカフュ−ム、シ
リカダスト、フライアッシュ、スラグ、火山灰、シリカ
ゾル、沈降シリカなどが挙げられる。一般的に、シリカ
フュ−ムおよびシリカダストは、平均粒径が1.0μm
以下であり、そのまま使用できるので好ましい。
【0024】骨材は、従来の川砂、陸砂、海砂、砕砂な
どが挙げられる。使用する骨材は、最大粒径が2mm以
下のものを使用するのが好ましい。2mmを超える骨材
を配合すると、硬化体が前述した所定の圧縮・曲げ強度
を発現しない場合もあるので好ましくない。より好まし
い最大粒径は、1.5mm以下、さらに好ましいのは
1.0mm以下のものである。
【0025】減水剤は、従来から知られているリグニン
系、ナフタレンスルホン酸系、メラミン系、ポリカルボ
ン酸系の減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、高性能A
E減水剤などが挙げられ、液状・粉末状を問わず使用す
ることができる。これらのうち、好ましいのは、減水効
果の大きい高性能減水剤または高性能AE減水剤であ
る。
【0026】鉱物質粉粒子は、石英粉末、および繊
維状粒子および/または薄片状粒子の2種に分けられ
る。石英粉末は、結晶質・非晶質石英の粉末、オパ−ル
質・クリストバライト質のシリカ含有粉末などが挙げら
れる。
【0027】石英粉末の平均粒径は3〜20μm、好ま
しくは4〜10μmである。平均粒径が3μm未満の場
合、混練物の流動性が悪くフロ−値を240mm以上に
調製するのが難しく、また、20μmを超える場合、反
応性が乏しくなり硬化体の圧縮・曲げ強度が低下し、い
ずれの場合も好ましくない。
【0028】繊維状粒子および薄片状粒子について、説
明する。繊維状粒子とは、ウォラストナイト、ボ−キサ
イト、ムライトなどの繊維状のものを言い、薄片状粒子
とは、マイカ、タルク、バ−ミキュライト、アルミナな
どのフレ−ク状のものを言い、これらについて1種また
は2種以上を混合して使用することができる。
【0029】繊維状・薄片状粒子は、平均粒径(ただ
し、繊維状粒子の場合は、平均長さを指す)が1mm以
下のものを使用するのが好ましい(注)。平均粒径が1
mmを超えた場合、混練物の流動性が低下するので、好
ましくない。(注)繊維状粒子を[長さ/直径の比(針
状度)]で示すと、硬化体の靱性の観点から、3以上の
ものを使用するのが好ましい。
【0030】次に、前記ポゾラン質微粉末、骨材、減水
剤、鉱物質粉粒子(石英粉末および繊維状・薄片状粒
子)および水ついての配合量(セメント100重量部に
対する割合(重量部)で示す)について説明する。ポゾ
ラン質微粉末(例;シリカフュ−ム)の配合量は、5〜
50重量部が好ましく、10〜40重量部がより好まし
い。配合量が5重量部未満の場合、混練物の流動性が悪
くフロ−値が240mmに達せず、かつ、硬化体が所定
の圧縮・曲げ強度に達しないこともあり、好ましくな
い。逆に、50重量部を超える場合、単位水量の増加に
伴い硬化体の圧縮・曲げ強度が低下するので、やはり好
ましくない。
【0031】骨材の配合量は、50〜250重量部が好
ましく、80〜180重量部がより好ましい。50重量
部未満では、混練物の流動性が低下するので、逆に、2
50重量部を超えると、所定の圧縮・曲げ強度に達しな
いので、いずれも好ましくない。
【0032】減水剤の配合量は、固形分換算で0.5〜
4.0重量部が好ましく、1.0〜2.0重量部がより
好ましい。配合量が0.5重量部未満の場合、減水効果
が小さく、混練物の流動性が悪くフロ−値も240mm
以下になるので、また、4.0重量部を超える場合、所
定の圧縮・曲げ強度を発現しないうえ、コスト高になる
ので、いずれの場合も好ましくない。
【0033】鉱物質粉粒子(石英粉末、および繊維
状粒子および/または薄片状粒子)の配合量を説明す
る。石英粉末の配合量は、10〜50重量部が好まし
く、20〜35重量部がより好ましい。石英粉末が10
重量部未満では、混練物の流動性が悪く、フロ−値の調
整が困難であり、逆に、50重量部を超えると、所定の
強度を発現しないので、いずれも好ましくない。
【0034】繊維状粒子及び/または薄片状粒子の配合
量は、5〜35重量部が好ましく、10〜25重量部が
より好ましい。配合量が5重量部未満の場合、該粒子が
分離して所定の圧縮・曲げ強度を発現しないこともある
ので、逆に、35重量部を超える場合、混練物の流動性
が低下しフロ−値の調整が困難なので、いずれの場合も
好ましくない。
【0035】水の配合量は、10〜30重量部が好まし
く、より好ましくは15〜25重量部である。配合量が
10重量部未満の場合、混練が困難になると共に、混練
物の流動性も悪く規定のフロ−値に達しないので、逆
に、30重量部を超える場合、硬化体が所定の圧縮・曲
げ強度を発現しないので、いずれの場合も好ましくな
い。
【0036】次に、前記原材料を使用し、その配合量に
したがって混練し、混練物を調製する。混練方法は、具
体的には、 1)原材料(水、減水剤を除く)を混合したプレミック
ス、水および減水剤をミキサに投入し、混練する方法、 2)原材料(水を除く)を混合したプレミックス(減水
剤は粉末状を使用する)および水をミキサに投入し、混
練する方法、 3)原材料をそれぞれ個別に順次ミキサに投入し、混練
する方法、などの方法が例示される。本発明は、混練方
法について、上記例示その他の方法を含め、特に限定す
るものではない。
【0037】本発明は、混練物がフロ−値;240mm
以上の流動性を保持できるように調製しなけばならな
い。望ましいフロ−値は、245〜290mmである。
このように混練物の流動性を限定するのは、打設時間、
振動成形時間など作業時間の短縮はもとより、製造され
る硬化体を緻密質にし高強度にするためであって、極め
て重要な要件である。なお、フロ−値の測定方法は、後
記する。
【0038】そのうえ、該混練物は、高い流動性を保持
しているにも関わらず、材料分離抵抗性にも優れている
ので、一部の原材料が偏在して、被熱したさい硬化体が
部分的に爆裂するようなこともない。
【0039】混練に用いるミキサは、揺動型ミキサ、パ
ンタイプミキサ、二軸練りミキサなど、コンクリ−ト原
料混練用のミキサが利用でき、本発明では、これらにつ
いて特に限定しない。
【0040】前記混練物は、成形・打設し、気中・蒸気
養生などして硬化させる。成形・打設方法、養生方法な
どは、慣用の方法にしたがい特に限定するものではな
い。以上のようにして製造された硬化体は、圧縮強度;
150MPa以上、かつ、曲げ強度;30MPa以上を
発現可能な高強度セメント質硬化体である。
【0041】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。 (実施例1〜2、比較例1〜4)原材料の配合量などを
変えて種々の高強度モルタルを製造し、その耐爆裂性を
調べた。
【0042】1.使用した原材料 1)セメント:低熱ポルトランドセメント(太平洋セメ
ント(株)製) 2)ポゾラン質微粉末:シリカフュ−ム 3)細骨材:珪砂5号 4)金属繊維:鋼繊維(直径;0.2mm、長さ;15
mm) 5)減水剤:ポリカルボン酸系高性能AE減水剤 6)水:水道水 7)石英粉末:石英粉砕物(平均粒径;7μm) 8)繊維状粒子:ウォラストナイト(平均長さ;0.3
mm、長さ/直径比;4) 9)有機質繊維:ビニロン繊維(直径;0.1mm、
長さ;1.0〜3.0mm) ビニロン繊維(直径;0.04mm、長さ;6.0m
m)
【0043】2.硬化体の製造 上記原材料を表1に示す配合量にしたがって二軸練りミ
キサに投入し混練してモルタル混練物を調製した。
【0044】
【表1】
【0045】3.混練物および硬化体の測定および結果 得られた混練物およびその硬化体について、各特性を次
に示す方法でそれぞれ測定した。 1)混練物について: ・フロ−値;「JIS R 5201(セメントの物理
試験方法)11.フロ−試験」に規定される方法に準じ
て測定する。ただし、測定過程で行なうべき15回の落
下運動は実施しない。
【0046】2)硬化体について: ・圧縮強度;混練物をφ50×100mmの型枠に流し
込み、20℃、48時間前置き後、90℃、48時間蒸
気養生し硬化させた。得られた硬化体の圧縮強度を測定
した(硬化体3本の平均値)。 ・曲げ強度;混練物を4×4×16cmの型枠に流し込
み、20℃、48時間前置き後、90℃、48時間蒸気
養生し硬化させた。得られた硬化体の曲げ強度を測定し
た(硬化体3本の平均値)。 ・爆裂性;混練物をφ50×100mmの型枠に流し込
み、20℃、48時間前置き後、90℃、48時間蒸気
養生し硬化させた。得られた硬化体を「ISO834」
の規定に準じて、耐火炉で1時間加熱し、冷却後爆裂の
有無を目視観察した。混練物・硬化体についての測定結
果を表2に記載した。
【0047】
【表2】
【0048】・実施例1、2(配合No.1およびN
o.2)から、本発明の製造方法にしたがって製造され
た高強度セメント質硬化体(圧縮強度;150MPa以
上、曲げ強度;30MPa以上を発現するモルタル)
は、ISO規格に準じたテストにおいて、十分に耐爆裂
性を具備していることが立証された。
【0049】・比較例1、2(配合No.3、No.
4)から、有機質繊維の配合量が不足している場合に
は、爆裂が認められ(比較例1)、また過剰の場合に
は、混練物の流動性は低下し圧縮強度は極端に低下する
(比較例2)ことが認められた。 ・比較例3(配合No.5)から、有機質繊維の直径お
よび長さが規定範囲外の場合、混練物の流動性は低下し
圧縮強度の低下が著しいことが判明した。
【0050】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明は、
金属繊維および有機質繊維などの繊維類を組み合わせ、
配合量を特定し、後者は寸法も特定して配合し、かつ、
混練物を高流動性に保持させることを特徴とし、これに
より、 ・高強度セメント質硬化体の爆裂防止という効果を奏す
る。しかも、繊維類の配合にも関わらず、高強度を十分
具備したままであるから、耐磨耗性、中性化、クリ−プ
など他の特性への影響も小さい、という長所を持った硬
化体の製造方法である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C04B 20/00 C04B 20/00 B (72)発明者 森 大介 千葉県佐倉市大作2−4−2 太平洋セメ ント株式会社中央研究所内 (72)発明者 白井 一義 千葉県佐倉市大作2−4−2 太平洋セメ ント株式会社中央研究所内 (72)発明者 小林 裕 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 大成 建設株式会社内 (72)発明者 水野 敬三 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 大成 建設株式会社内 (72)発明者 道越 真太郎 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 大成 建設株式会社内 Fターム(参考) 4G012 PA19 PA24

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮強度が150MPa以上、かつ、曲
    げ強度が30MPa以上を発現する高強度セメント質硬
    化体の製造方法において、金属繊維を0.5〜4.0体
    積%(内割)、および直径0.08〜0.12mm、か
    つ、長さ0.5〜3.5mmの有機質繊維を4.0〜
    7.0体積%(外割)が配合され、フロ−値が240m
    m以上に調製された混練物を成形し養生して硬化させる
    ことを特徴とする耐爆裂性高強度セメント質硬化体の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 前記金属繊維が鋼繊維であることを特徴
    とする請求項1に記載の耐爆裂性高強度セメント質硬化
    体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記金属繊維の長さが2mm以上、か
    つ、長さ/直径の比が20以上であることを特徴とする
    請求項1または2に記載の耐爆裂性高強度セメント質硬
    化体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記有機質繊維が、ビニロン繊維、ポリ
    プロピレン繊維、ポリエチレン繊維、アラミド繊維から
    選ばれる1種または2種以上の混合繊維であることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の耐爆裂性高強
    度セメント質硬化体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記混練物に含まれる骨材の最大粒径が
    2mm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいず
    れかに記載の耐爆裂性高強度セメント質硬化体の製造方
    法。
JP2001311123A 2001-10-09 2001-10-09 耐爆裂性高強度セメント質硬化体の製造方法 Pending JP2003112958A (ja)

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