JP4045175B2 - 耐爆裂性高強度セメント質硬化体の製造方法 - Google Patents

耐爆裂性高強度セメント質硬化体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、打設時の施工作業を容易かつ迅速に行うことができ、さらに、火災時において高強度セメント質硬化体に生じる爆裂を改良した高強度セメント質硬化体を製造できる耐爆裂性高強度セメント質硬化体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、セメント質硬化体(モルタル・コンクリート)を緻密化して圧縮強度を改良(高強度化)した場合、耐摩耗性、中性化、クリープなど他の特性をも向上させる。
そのようなセメント質硬化体を用いて、
・建築物を現場打ちで施工した場合:セメント質硬化体層の厚さを薄くできるので、打設量が減少し、材料の使用量の低減(コスト削減)、利用可能な空間の増大、作業量の軽減など、
・プレキャスト部材を製造した場合:部材の厚さを薄くすることができるので、材料の使用量の低減(コスト削減)、軽量化、運搬・施工作業の軽減など、
のメリットが生じる。
【0003】
しかしながら、前記高強度セメント質硬化体では、該硬化体が緻密質であるために、その周辺で火災が発生し高熱状態になり、該硬化体内部の水が水蒸気に変化し体積を膨張させても、外部へ飛散できず蓄積されて膨張圧が高まり、ついには爆裂を起こし該硬化体自体を部分的・全体的に破壊する、という現象が生じる。
このように、高強度セメント質硬化体は、高強度を具備する一方で、火災安全性に対する信頼性が低い、という問題点を有していた。
【0004】
セメント質硬化体に対する火災時の爆裂防止手段として、圧縮強度105N/mm2のコンクリート製プレハブ部材について、火災暴露したときに、150〜300℃の温度で軟化、収縮、溶融、または分解して毛細管孔を形成できる材料として、直径が0.003〜0.35mm、長さ5〜35mmの有機繊維(例;ポリプロピレン繊維)をコンクリート1m3について0.05〜1容量%含有させることにより、耐スポーリング性を改良する方法が知られている(例えば、特許文献1)。
【0005】
【特許文献1】
特許第2620910号公報(第3頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術は、圧縮強度が比較的低い105N/mm2以下のセメント質硬化体を対象として、その原材料に有機繊維を混入することにより、該硬化体の耐スポーリング性を改良するものである。
しかし、この方法では、105N/mm2を越える高強度を期待して設計された原材料に該有機繊維を添加し製造された硬化体は、緻密過ぎて火災熱による毛細管孔の形成が不十分なために爆裂する、という問題を有していた。また、有機繊維を混入することにより、流動性や打設時の施工作業性が低下する、という問題も有していた。
【0007】
本発明は、上記従来技術の問題点、知見に鑑みなされたものであって、その目的は、圧縮強度が105MPaを越える高強度セメント質硬化体について、打設時の施工作業を容易かつ迅速に行うことができ、さらに、火災時において高強度セメント質硬化体に生じる爆裂を改良(爆裂防止)した高強度セメント質硬化体を製造できる製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、特定の材料と長さの異なる有機質繊維を組み合わせることにより、流動性や打設時の施工作業性、硬化後の爆裂性を改良(爆裂防止)することができることを見いだし、本発明を完成させたものである。
【0009】
即ち、本発明は、1.ブレーン比表面積2500〜5000cm/gのセメント粒子100質量部と、2.BET比表面積5〜25m/gの微粒子10〜40質量部と、3.ブレーン比表面積5000〜30000cm/gの無機粒子A10〜50質量部と、4.ブレーン比表面積2500〜5000cm/gの無機粒子B5〜35質量部と、5.減水剤と、6.水と、7.長さが異なる有機質繊維とを含有する配合物を混練し成形し硬化させることを特徴とする耐爆裂性高強度セメント質硬化体の製造方法である。また、本発明においては、前記配合物に、細骨材を含有することができる。さらに、本発明では、前記有機質繊維は、長さ5mm未満のもの、および、5〜30mmのもので構成され、かつ、それらの割合(体積比)が0.1〜20:1であることが好ましく、直径が0.005〜0.4mmであることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で使用するセメント粒子としては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメントが挙げられる。
本発明において、セメント質硬化体の早期強度発現性を向上しようとする場合は、早強ポルトランドセメントを使用することが好ましく、配合物の流動性や打設時の施工作業を向上させようとする場合は、中庸熱ポルトランドセメントや低熱ポルトランドセメントを使用することが好ましい。
セメント粒子のブレーン比表面積は、2500〜5000cm2/g、好ましくは3000〜4700cm2/gである。該値が2500cm2/g未満では、水和反応が不活発になって強度が低下する等の欠点があり、5000cm2/gを越えると、セメントの粉砕に時間がかかり、また、配合物の流動性や打設時の施工作業性が低下する等の欠点がある。
【0011】
本発明で使用する微粒子としては、シリカフューム、シリカダスト、フライアッシュ、スラグ、火山灰、シリカゾル、沈降シリカ等が挙げられる。一般に、シリカフュームやシリカダストは、そのBET比表面積が5〜25m2/gであり、粉砕等をする必要がないので、本発明の微粒子として好適である。
微粒子のBET比表面積は5〜25m2/g、好ましくは8〜22m2/gである。該値が5m2/g未満では、強度が低下する等の欠点があり、25m2/gを越えると、配合物の流動性や打設時の施工作業性が低下する等の欠点がある。
【0012】
微粒子の配合量は、セメント100質量部に対して10〜40質量部、好ましくは20〜40質量部である。配合量が10質量部未満では、強度が低下するとともに、配合物の流動性や打設時の施工作業性が低下する。一方、配合量が40質量部を越えると、配合物の流動性や打設時の施工作業性が低下する。
【0013】
本発明で使用する無機粒子A及び無機粒子Bは、セメント以外の無機粒子であり、具体的には、スラグ、石灰石粉末、長石類、ムライト類、アルミナ粉末、石英粉末、フライアッシュ、火山灰、シリカゾル、炭化物粉末、窒化物粉末等が挙げられる。中でも、スラグ、石灰石粉末、石英粉末は、コストの点や硬化後の品質安定性の点で好ましく用いられる。
なお、無機粒子A及び無機粒子Bは、同じ種類の粉末を使用してもよいし、異なる種類の粉末を使用してもよい。
【0014】
無機粒子Aは、ブレーン比表面積が5000〜30000cm/gのものである。無機粒子Aのブレーン比表面積が5000cm/g未満では、配合物の流動性や打設時の施工作業性が低下する等の欠点があり、30000cm/gを越えると、粉砕に手間がかかるため材料が入手し難くなったり、配合物の流動性や打設時の施工作業性が低下する等の欠点がある。本発明においては、無機粒子Aは、セメント粒子及び無機粒子Bよりもブレーン比表面積が大きいことが好ましく、その差(無機粒子Aと、セメント粒子と無機粒子Bのうちブレーン比表面積が大きい方とのブレーン比表面積の差)は、配合物の流動性や打設時の施工作業性、硬化後の強度発現性等から、1000cm/g以上が好ましく、2000cm/g以上がより好ましい。
【0015】
無機粒子Aの配合量は、セメント100質量部に対して10〜50質量部、好ましくは15〜40質量部である。配合量が10質量部未満または50質量部を越えると、配合物の流動性や打設時の施工作業性が低下する。
【0016】
無機粒子Bのブレーン比表面積は、2500〜5000cm2/gである。
無機粒子Bのブレーン比表面積が2500cm2/g未満では、配合物の流動性や打設時の施工作業性が低下する等の欠点があり、5000cm2/gを越えると、ブレーン比表面積の数値が無機粒子Aに近づくため、配合物の流動性や打設時の施工作業性が低下する等の欠点がある。
本発明においては、無機粒子Bは、配合物の流動性や打設時の施工作業性、硬化後の強度発現性等から、セメント粒子とのブレーン比表面積の差が100cm2/g以上が好ましく、200cm2/g以上がより好ましい。
【0017】
無機粒子Bの配合量は、セメント100質量部に対して5〜35質量部、好ましくは10〜30質量部である。配合量が5質量部未満または35質量部を越えると、配合物の流動性や打設時の施工作業性が低下する。
無機粒子Aと無機粒子Bの合計量は、セメント100質量部に対して15〜55質量部、好ましくは25〜50質量部である。合計量が15質量部未満または55質量部を越えると、配合物の流動性や打設時の施工作業性が低下する。
【0018】
減水剤としては、リグニン系、ナフタレンスルホン酸系、メラミン系、ポリカルボン酸系の減水剤、AE減水剤、高性能減水剤又は高性能AE減水剤を使用することができる。本発明においては、これらのうち、減水効果の大きなポリカルボン酸系の高性能減水剤又は高性能AE減水剤を使用することが好ましい。
減水剤の配合量は、セメント100重量部に対して、固形分換算で0.1〜4.0質量部が好ましく、より好ましくは固形分換算で0.2〜1.5質量部である。配合量が0.1質量部未満では、混練が困難になるとともに、配合物の流動性や打設時の施工作業性が低下する。配合量が4.0質量部を超えると、著しい凝結遅延が生じ、また、硬化後の強度発現性が低下することもある。
なお、減水剤は、液状又は粉末状どちらでも使用可能である。
【0019】
水量は、セメント100質量部に対して10〜30質量部が好ましく、より好ましくは12〜25質量部である。セメント100質量部に対して、水量が10質量部未満では、混練が困難になるとともに、配合物の流動性や打設時の施工作業性が低下する。水量が30質量部を超えると、硬化後の強度発現性が低下する。
【0020】
本発明においては、細骨材を使用することができる。
細骨材としては、川砂、陸砂、海砂、砕砂、珪砂又はこれらの混合物を使用することができる。
細骨材の配合量は、配合物の流動性や打設時の施工作業性、硬化後の強度発現性から、セメント100質量部に対して250質量部以下が好ましく、自己収縮や乾燥収縮の低減、水和発熱量の低減等から、40〜180質量部がより好ましい。
【0021】
本発明においては、長さが異なる有機質繊維を使用する。なお、「長さが異なる」とは、該繊維を適当な長さで群分け(グループ分け)することを意味する。長さが異なる有機質繊維の組み合わせは、該繊維の入手のし易さ、流動性や打設時の作業性、混練時におけるファイバーボール形成の防止などの観点から、繊維長さが▲1▼5mm未満のもの、および、▲2▼5〜30mmのものを組み合わせることが好ましい。前者(▲1▼)でより好ましい長さは0.5〜4.0mm、さらに好ましいのは1.0〜3.0mmであり、後者(▲2▼)でより好ましい長さは5.5〜20mm、さらに好ましいのは6.0〜10.0mmである。それらの割合(体積比)は、流動性や打設時の作業性、混練時におけるファイバーボール形成の防止などの観点から、前者(▲1▼):後者(▲2▼)が0.1〜20:1が好ましく、より好ましくは1〜10:1、さらに好ましいのは1.5〜8:1である。
【0022】
有機質繊維の直径は、流動性や打設時の作業性、爆裂防止効果等から、0.005〜0.4mmが好ましい。
より好ましいのは、有機質繊維の長さに応じて直径を変更することである。例えば、前記した長さが▲1▼5mm未満のもの、および、▲2▼5〜30mmのものを組み合わせた場合、前者の直径は0.1〜0.2mm、後者のそれは0.04〜0.05mmのものを用いるのが好ましい。
【0023】
有機質繊維の添加量は、有機質繊維を除く他の材料からなる配合物に対して0.3〜10体積%添加することが好ましい。0.3体積%未満の場合、有機質繊維の量が過少なために爆裂防止効果が低下するので、逆に、10体積%を越える場合、硬化後の圧縮強度が極端に低下するうえ、流動性や打設時の作業性も低下するので、いずれの場合も好ましくない。
流動性や打設時の作業性、コスト等から、好ましい添加量は0.5〜9.0体積%、より好ましいのは1.0〜8.0体積%である。
【0024】
有機質繊維は、火災熱(具体的には、300℃以下の温度)を受けて分解、溶融などにより硬化体中の水蒸気が容易に移動できる大きさの毛細管孔を形成させることのできる繊維である。
そのような繊維として、天然繊維、合成繊維いずれも使用でき、好ましくは合成繊維である。合成繊維は、具体的に、ビニロン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、アラミド繊維などが挙げられる。
また、有機質繊維は、2種以上の混合繊維であっても良く、爆裂防止効果の点から、ビニロン繊維および/またはポリプロピレン繊維が好ましい。
【0025】
なお、本発明においては、本発明の目的を損なわない範囲で、粗骨材や金属繊維等を配合物に含ませることは差し支えない。粗骨材としては、例えば、砂利、砕石等を用いることができる。金属繊維としては、鋼繊維、ステンレス繊維、アモルファス繊維等を用いることができる。
【0026】
配合物の混練方法は、特に限定するものではなく、例えば、
1)水、減水剤以外の材料を予め混合しておき(プレミックス)、該プレミックス、水、減水剤をミキサに投入し、混練する。
2)水以外の材料を予め混合しておき(プレミックス、ただし減水剤は粉末タイプのものを使用する)、該プレミックス、水をミキサに投入し、混練する。
3)各材料を、それぞれ個別にミキサに投入し、混練する。
などの方法が挙げられる。
混練に用いるミキサは、通常のコンクリートの混練に用いられるどのタイプのものでもよく、例えば、揺動型ミキサ、パンタイプミキサ、二軸練りミキサ等が用いられる。
成形・養生の各方法も特に限定するものではない。
【0027】
【試験例】
以下、試験例により本発明を説明する。
1.使用材料
1)セメント;▲1▼普通ポルトランドセメント(太平洋セメント(株)製、ブレーン比表面積3300cm2/g)
▲2▼低熱ポルトランドセメント(太平洋セメント(株)製、ブレーン比表面積3300cm2/g)
2)超微粉;シリカフューム(BET比表面積11m2/g)
3)無機粒子A;スラグ粉末(ブレーン比表面積が6500cm2/g)
石英粉末(ブレーン比表面積が8000cm2/g)
4)無機粒子B;スラグ粉末(ブレーン比表面積が4500cm2/g)
石英粉末(ブレーン比表面積が4000cm2/g)
5)細骨材;珪砂5号
6)粗骨材;砕石2005
7)減水剤;ポリカルボン酸系高性能AE減水剤
8)水;水道水
9)金属繊維;鋼繊維(直径0.2mm、長さ15mm)
10)有機質繊維;▲1▼長さ1.0〜3.0mmのビニロン繊維(直径0.1mm)
▲2▼長さ6.0mmのビニロン繊維(直径0.04mm)
▲3▼長さ15.0mmのビニロン繊維(直径0.04mm)
【0028】
表1に示す配合の結合材、及び表2に示すその他の材料を使用して、表2に示す配合のモルタルおよびコンクリートを調製した。モルタルおよびコンクリートの調製は、各材料をニ軸練りミキサに投入して混練することにより行った。
【0029】
【表1】
Figure 0004045175
【0030】
【表2】
Figure 0004045175
【0031】
得られた各混練物およびその硬化体について、下記の特性を測定した。
1)モルタル(試験例1〜12)
▲1▼フロー値:「JIS R 5201(セメントの物理試験方法)11.フロー試験」に記載される方法において、15回の落下運動を行わないで測定した。
▲2▼圧縮強度:有機質繊維を添加した場合および無添加の場合のそれぞれのモルタル混練物をφ50×100mmの型枠に流し込み、20℃で48時間前置き後90℃で48時間蒸気養生し、得た硬化体の圧縮強度(3本の平均値)を測定した。
▲3▼爆裂:全てのモルタル混練物をφ50×100mmの型枠に流し込み、20℃で48時間前置き後90℃で48時間蒸気養生して得た硬化体を電気炉(30kW)に挿入し1時間で1000℃まで昇温させ冷却させたのち、爆裂の有無を観察した。
【0032】
2)コンクリート(試験例13〜15)
▲1▼スランプ:「JIS A 1101(コンクリートのスランプ試験方法)」に準じて測定した。
▲2▼圧縮強度:有機質繊維を添加した場合および無添加の場合のそれぞれのコンクリート混練物をφ10×20cmの型枠に流し込み、20℃で48時間前置き後90℃で48時間蒸気養生し、得た硬化体の圧縮強度(3本の平均値)を測定した。
▲3▼爆裂:全てのコンクリート混練物をφ10×20cmの型枠に流し込み、20℃で48時間前置き後90℃で48時間蒸気養生して得た硬化体を電気炉(30kW)に挿入し1時間で1000℃まで昇温させ冷却させたのち、爆裂の有無を観察した。
結果を表3に示す。
【0033】
【表3】
Figure 0004045175
【0034】
表3より、
1)試験例1〜10、13〜15から、本発明の製造方法で製造された高強度セメント質硬化体では、爆裂の形跡が認められなかった。また、流動性や打設時の作業性に優れることが判明した。
一方、
2)試験例11から、有機質繊維を0.1体積%添加した場合の高強度セメント質硬化体では、爆裂が認められた。
また、試験例12から、有機質繊維の添加量が過多の場合は、爆裂は起こらなかったものの、配合物の流動性および圧縮強度が急激に低下し、好ましい配合でないことが確認された。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の耐爆裂性高強度セメント質硬化体の製造方法では、該製造方法において調製される配合物は、流動性や打設時の作業性に優れるので打設等の作業を容易かつ迅速に行うことができる。また、本発明の製造方法により製造される高強度セメント質硬化体は、耐爆裂性に優れるので、火災に対する安全性を向上することができる。

Claims (4)

  1. 1.ブレーン比表面積2500〜5000cm/gのセメント粒子100質量部と、
    2.BET比表面積5〜25m/gの微粒子10〜40質量部と、
    3.ブレーン比表面積5000〜30000cm/gの無機粒子A10〜50質量部と
    4.ブレーン比表面積2500〜5000cm/gの無機粒子B5〜35質量部と、
    5.減水剤と、
    6.水と、
    7.長さ5mm未満の有機質繊維、および、長さ5〜30mmの有機質繊維を含有する配合物を混練し成形し硬化させることを特徴とする耐爆裂性高強度セメント質硬化体の製造方法。
  2. 配合物に、細骨材を含有する請求項1記載の耐爆裂性高強度セメント質硬化体の製造方法。
  3. 長さ5mm未満の有機質繊維と長さ5〜30mmの有機質繊維の割合(体積比)が0.1〜20:1である請求項1又は2記載の耐爆裂性高強度セメント質硬化体の製造方法。
  4. 前記有機質繊維が、直径0.005〜0.4mmである請求項1〜3のいずれかに記載の耐爆裂性高強度セメント質硬化体の製造方法。
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