JP3583715B2 - 中空成形品の鋳造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、中空成形品の鋳造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、吸気マニホールドのような中空部を有する中空成形品をアルミニウム等の金属で製造する方法としては、例えば消失模型鋳造方法がある。この消失模型鋳造方法は、製品形状を模した消失模型を製造し、その消失模型を砂の中に配置して溶湯を注湯することにより、上記消失模型の部分が消失していくとともに、その部分に溶湯が充填され、それによって、所定形状の製品を鋳造するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の構成によると次のような問題があった。まず、砂中子や金属中子を使用した鋳造方法の場合、中子を使用して吸気マニホールドのような複雑な形状の成形品を得ることは、造型が困難であり、中子が壊れたり、中子が重量物であり、成形後の抜き取りが困難であったりして、製造が困難であった。また、中子使用が極めて少ない消失模型鋳造方法の場合は容易に製造可能であるが、鋳造欠陥が発生しやすく、品質の良い製品を鋳造することが困難であるという問題があった。たとえば、吸気マニホールドのような製品の消失模型鋳造方法の場合、鋳造製品の軽量化と材料節約のため、肉厚を3mm以下まで下げたいという要望があったが、従来は困難であった。これは、肉厚の薄い部分を発泡成形体で成形し、その周囲を砂で被って溶湯を注湯すると、溶湯が砂に熱を奪われ、早く凝固してしまうため、鋳造欠陥が発生するからである。かといって、砂中子や金属中子を使用した鋳造方法の場合には、中子を使用して鋳造後、製品から中子を除去する作業が面倒であり、作業性が悪いという問題があった。
【0004】
本発明はこのような点に基づいてなされたものでその目的とするところは、中空成形品を確実に製造可能であり、また、中子の除去が容易で、作業性が良い中空成形品の鋳造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するべく本発明による中空成形品の鋳造方法は、外形を中空成形品の中空部の所定形状に形成され、内部を中空状に形成した合成樹脂材料よりなる膜状成形体を形成する工程と、上記膜状成形体を金属で鋳ぐるむ工程と、上記金属から膜状成形体を除去する工程と、からなることを特徴とするものである。
【0006】
【作用】
まず、合成樹脂材料よりなる膜状成形体を形成する。このものは、外形を中空成形品の中空部の所定形状に形成され、内部を中空状に形成したものである。そして、上記膜状成形体を外型内に収めて鋳造用樹脂中子の周囲にキャビティーを形成する。次に、上記キャビティーの部分に溶湯を注湯しキャビティーに充填することにより、膜状成形体を金属で鋳ぐるむ。このとき、膜状成形体は消失せず、外側が金属で形成され、内側は膜状成形体がそのまま残って二層となった複合成形品が形成される。次に、このものから膜状成形体を除去し、所望の形状と肉厚を有する中空成形品を得る。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図1ないし図7を参照して本発明の一実施例を説明する。本実施例は、図7に示した吸気マニホールド1を消失模型鋳造方法により製造するものである。
【0008】
上記吸気マニホールド1は、略円筒形の断面を有する1本の通路3が延長されていて、その通路3から複数本の通路5が屈曲しながら分岐された形状をなしているものであり、通路3,5の部分は吸気マニホールド全体の軽量化のため肉厚を薄く形成している。尚、分岐した通路5の先端部にはボルトの取り付け座7が形成され、この部分は強度を要するため肉厚を厚く形成されている。
【0009】
以下、この分岐した通路5の部分の断面を図示して本発明を説明する。まず、図1に示すように、合成樹脂材料により所定形状の膜状成形体9を成形する。これはたとえば、ブロー成形法を使用して行うものであり、合成樹脂材料としてはポリプロピレン,ポリエチレン等が使用される。このとき、膜状成形体9は外面形状を吸気マニホールド1の通路5の内面形状と一致させるとともに、その膜厚は溶湯の注湯時に溶融しない程度の厚さとする。
【0010】
次に、上記膜状成形体9の周囲にキャビティーとしての発泡成形体11を一体化させて消失模型13を形成する。これは、たとえばインサート成形法により行うものである。これは上記の膜状成形体9を発泡成形用の上型と下型の内部に配置して上型と下型を突き合わせ、そこに形成された中空部に発泡ビーズを充填し、蒸気を吹き込んで発泡・成形するものである。それによって、図2に示すような膜状成形体9と発泡成形体11とが一体化された消失模型13が形成される。この発泡成形体11の形状は上記吸気マニホールド1の通路5の所定形状と同一とし、肉厚も所定の厚さに設定する。ちなみに、この肉厚は0.2〜3mmの範囲まで薄くすることができる。
【0011】
次に、図3に示すように、上記消失模型13の周囲をバインダー未添加の砂15で被って、膜状成形体9の中空状内部にも砂15を、消失模型13の外周の砂15によって圧力がかかるために強度補助をするため充填し、消失模型13に溶湯(アルミニウム)を注湯する。この方法は従来の消失模型鋳造方法と同様の方法であって、まず、消失模型13に湯口部を取り付けるとともに塗型剤を塗布し、これを鋳枠内に配置し、砂を充填する。次に湯口部を介して溶湯を注湯することにより、消失模型13のうち発泡成形体11の部分が消失し、その部分に溶湯が充填されていく。一方、膜状成形体9の部分は消失せず、この結果、図4に示すように、外側が金属17で構成され、内側は膜状成形体9がそのまま残って二層となった複合成形品19が形成される。すなわち、膜状成形体9を金属17で鋳ぐるむものである。そして、これを外周に被われた所謂鋳型を形成する砂15から取り除く。
【0012】
この場合、肉厚の薄い部分(吸気マニホールド1の通路5)について鋳造が可能になる理由であるが、まず、本発明においては、消失模型13の一面が膜状成形体9で形成されている。一般に砂の熱伝導率は2・0kcal/mhdeg 程度であるのに対し、合成樹脂(ポリプロピレン)は0.00756kcal/mhdeg 程度であり、消失模型13の合成樹脂側は熱が逃げにくい構造となっている。よって、この消失模型13の周囲を砂15で被って溶湯を注湯した場合、中空内面側の断熱性の高い合成樹脂材料で形成された膜状成形体9側には熱がほとんど伝わらず、溶湯の熱のうち砂15に奪われる量は、外周と中空内面側の両面が砂の場合のほぼ半分になる。したがって、溶湯が凝固するのが遅くなり、溶湯が十分に回って肉厚の薄い部分の成形が十分可能となるのである。
【0013】
次に、上記複合成形品19から中空内面側の砂を排出したのちに膜状成形体9を除去する。この工程は、上記吸気マニホールド1のようにアルミニウムで鋳造した場合、次の工程である溶体化処理をすることでできる。すなわち、複合成形品19を炉において500°Cで一定時間加熱すると合成樹脂材料よりなる膜状成形体9は融解又は燃焼して消失させることができる。又、この方法に限らず、マイクロウエーブにより加熱処理する方法や、ヒータ等で加熱軟化して引き抜く方法等でもよい。鋳物から除去する場合、膜状の合成樹脂のため、軟化させることにより、変形しやすいので、除去が極めて容易にできる。要は膜状成形体とすることにより、少しの熱量と時間で除去が容易にできるものである。これにより、図6に示すように金属17のみが残り、後は上記製品から不必要な部分を切り落とすことにより、所定の形状と肉厚の最終製品21を得る。
【0014】
以上本実施例によると次のような効果を奏することができる。まず、膜状成形体に発泡成形体を一体化して消失模型を形成し、これを鋳造して膜状成形体を残し、発泡成形体の部分のみ金属と置換するようにしたので、造型が容易となり、中空成形品について肉厚の薄い部分の鋳造であっても確実に鋳造が可能になった。また、中空状内部が空間の膜状成形体とすることにより、鋳物から除去する場合、膜状の合成樹脂のため、膜状成形体の中空状内部の砂の除去が容易にでき、また、少しの熱量と時間で膜状成形体の除去が容易にでき、作業性が大幅に良くなった。これにより金属製の成形品の肉厚を薄くし、軽量で強度が大きく安価な製品を得ることができる。
【0015】
尚、本発明は前記一実施例に限定されるものではない。たとえば、消失模型鋳造において膜状成形体と発泡成形体とを一体化させる場合、発泡成形体を分割して成形し、これを接着して膜状成形体と一体に形成しても良い。又、金属としては、アルミニウムのほか、鉄等を使用することも可能である。又、膜状成形体には耐熱性樹脂を使用してもよい。さらに、本実施例では、膜状成形体に発泡成形体を一体化させた鋳造方法を説明しているが、膜状成形体を金属で鋳ぐるむ方法は、上記のものに限らないことは勿論である。
【0016】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明による中空成形品の鋳造方法によると、造型が容易で、中空成形品にあって肉厚の薄い部分の鋳造であっても確実に鋳造が可能であり、また、鋳造後は金属から膜状成形体だけを容易に除去することができるので、作業性が大幅に良くなり、中空成形品を容易且つ安価に提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す図で膜状成形体を示す断面図である。
【図2】本発明の一実施例を示す図で消失模型を示す断面図である。
【図3】本発明の一実施例を示す図で消失模型を砂で被った状態を示す断面図である。
【図4】本発明の一実施例を示す図で複合成形品を示す断面図である。
【図5】本発明の一実施例を示す図で複合成形品を示す断面図である。
【図6】本発明の一実施例を示す図で製品を示す断面図である。
【図7】本発明の一実施例を示す図で製品を示す断面図である。
【符号の説明】
1 吸気マニホールド
3 通路
5 通路
9 膜状成形体
11 発泡成形体
13 消失模型
15 砂
17 金属
19 複合成形品
21 製品
Claims (1)
- 外形を中空成形品の中空部の所定形状に形成され、内部を中空状に形成した合成樹脂材料よりなる膜状成形体を形成する工程と、上記膜状成形体を金属で鋳ぐるむ工程と、上記金属から膜状成形体を除去する工程と、からなることを特徴とする中空成形品の鋳造方法。
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JP2000401509A JP3583715B2 (ja) | 2000-12-28 | 2000-12-28 | 中空成形品の鋳造方法 |
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