JP2006272434A - 中空中子の中子原料吹込口の閉鎖方法 - Google Patents

中空中子の中子原料吹込口の閉鎖方法 Download PDF

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Abstract

【課題】取扱性向上等のために中空部が設けられ、その中空部が密閉され外皮部に開口がなく、且つ、優れた強度を有する中子を作製する手段を提供し、その手段を通じて、空洞部を有しながら、その空洞部を形成する壁部に孔が存在せず、外見上その壁部の内面が露わになっていない、より美しくより軽い鋳物を提供すること。
【解決手段】中空中子の中子原料吹込口を所定量の中子原料の中に埋浸させ、その中子原料を加熱し硬化させて、中空中子の中子原料吹込口を塞ぐことを特徴とする中空中子の中子原料吹込口の閉鎖方法の提供による。
【選択図】なし

Description

本発明は、鋳物を成形する鋳造工程に用いられる密閉中空中子を得るための手段である中空中子の中子原料吹込口の閉鎖方法に関する。
一般に、実体部分である壁部により形成された中空な部分(以下、空洞部ともいう)を有する鋳物は、鋳造用金型を構成する外型とその外型の中に設置される中子とにより形成された鋳物キャビティに、溶湯を注ぎ冷却する、という鋳造工程を経て得ることが出来る。中子を取り除いた部分が鋳物の空洞部として顕れるので、鋳物に要求される空洞部の形状によって中子の形状が決定される。そして、中実で製造された中子はガス抜きが容易ではないこと、あるいは中子の原料の節減、若しくは中子の取扱性向上等の観点から、空洞部を有する鋳物の成形に用いられる中子にも、外皮部により形成された中空な部分(以下、中空部ともいう)が設けられることが多い。そのような中子は中空中子と呼ばれる。
中空中子は、以下のような方法で作製することが出来る。先ず、主にケイ砂からなるシェル型砂に結合剤として樹脂を混合した中子原料を用意し、型締めされ加熱された中空中子製造用金型のキャビティ内にその中子原料を充填して、中空中子製造用金型内で焼成する。中子原料は焼成によって中空中子製造用金型のキャビティ形成面に接する側から内側に向かって硬化するので、中空中子として必要な外皮部の厚さ分が硬化したところで焼成を止める。次に、型開きして、未だ硬化していない中子原料が充填されたままの中空中子を取り出す。外皮部の内側から未硬化の中子原料を排出すると、その未硬化の中子原料が排出された空間が中子の中空部として顕れる。
一般に知られている上記方法によれば、中子原料を中空中子製造用金型に吹き込む(投入する)とともに外皮部が形成された後に未硬化の中子原料を排出する必要があることから、得られる中空中子は、自ずからその外皮部に中空部と通じる中子原料吹込口が開かれた中空中子となり、中空部が密閉された中子にはならない。
通常、このような中空中子は、外皮部のうち中子原料吹込口を形成する部分である中子原料吹込口外皮部が、突出した形状に形成される。そして、中空中子は、その開口部分である中子原料吹込口が鋳造用金型の鋳物キャビティを形成する面に現れないように、外型(中子以外の型)と組み合わされる。鋳物キャビティに溶湯を充填したときに、溶湯が中子の中空部に入るのを防ぐためである。
より具体的には、少なくとも開口たる中子原料吹込口が外型の鋳物キャビティ形成面に密着するように、より好ましくは中子原料吹込口外皮部が外型自体に嵌め込まれるように、中空中子と外型とが設置される。このような中空中子と外型とからなる鋳造用金型では、上記中空中子の中子原料吹込口外皮部が成形体空間たる鋳物キャビティの一部を占めることになり、その占有された部分に溶湯が充填されないので、成形される空洞部を有する鋳物において空洞部を形成する壁部に必然的に孔が開く。従来、このように鋳物の空洞部を形成する壁部に孔が開いていても、美的形態の面で問題になることは少なかった。
ところが、空洞部を有する鋳物において美的形態たる意匠面での向上を追求すると、この空洞部を形成する壁部に開いてしまう孔の存在が好ましくない場合がある。例えば自動二輪車用ホイールのように、用途から軽量であることが求められ、両面が看部となる鋳物製品では、軽量化を図るため、軽合金の採用等とともにそれ自体に空洞部の形成が求められ、併せて、何処から見ても美しい外面を持つ外観を呈することが望まれる。特に、自動二輪車用ホイールは、使用時に回転し、決まった一方向からのみ観察されるわけではないので、空洞部を形成する壁部における孔の開く位置を工夫しても、問題の解決にはならない。
従来、空洞部を形成する壁部に孔の存在しない鋳物を作製する場合には、金型に充填した中子原料を全て焼成して得られる開口の存在し得ない中実な中子を採用するか、又は、中子原料吹込口が外皮部に開かれた中空中子を作製し、中子原料吹込口を凹凸のないように平坦加工し、併せて中子原料吹込口の形状に合わせた蓋を別途作製して、接着等により中子原料吹込口にその蓋を取り付けて塞ぎ、一見して外皮部に開口の見られない中空中子を得て使用していた。
しかしながら、中実な中子の採用では、使用する原料が増加しコスト増を招来し、結合剤としての樹脂に由来して発生するガス量が増え鋳造欠陥の発生を誘引し、より重たくなって取り扱い不便になるので好ましくない。又、蓋の取付では、蓋の作製に手間がかかる上に、蓋を取り付けた部分の強度が低下し易く、使用中即ち鋳造中に、蓋が外れたり取付部分において裂けや変形が生じたりして、鋳物製品に瑕疵を生じてしまい鋳造工程が継続出来なくなる等の問題が生じていた。
尚、密閉構造の中空中子の造型方法として、特許文献1が提案されている。しかしながら、特許文献1に開示された方法は、未焼成砂の排出終了直前に未焼成砂の排出口にヒータープレートをあてがい残砂分を焼成させて密閉するため、それらの作業のタイミングを図ることが困難であり、外皮部の厚さが薄く且つ一定の範囲に収まるような、品質のよい薄肉の中子を作製することが困難であった。
特開平7−39996号公報
本発明は、上記従来の問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、取扱性向上等のために中空部が設けられ、中空部が密閉され外皮部に開口がなく、且つ、優れた強度を有する中子を作製する手段を提供することにある。そして、その手段を通じて、空洞部を有しながら、その空洞部を形成する壁部に孔が存在せず、外見上その壁部の内面が露わになっていない、より美しくより軽い鋳物を、歩留まりを低下させることなく鋳造にかかるスループットを低下させることなく作製し、低廉に、鋳物製品の軽量化と意匠面での向上とを、両立させることにある。中空中子の製造過程について検討がなされ、研究が重ねられた結果、以下に示される手段によって、上記目的が達成されることが見出された。
即ち、本発明によれば、次の中空中子の中子原料吹込口の閉鎖方法が提供される。本発明に係る中空中子の中子原料吹込口の閉鎖方法は、中空中子の中子原料吹込口を所定量の中子原料の中に埋浸させ、その中子原料を加熱し硬化させて、中空中子の中子原料吹込口を塞ぐことを特徴とするものである。
更に、本発明によれば、上記中空中子の中子原料吹込口の閉鎖方法を用いた製造過程を経て作製された自動二輪車用ホイール鋳造用の密閉中空中子が提供される。
本発明の中空中子の中子原料吹込口の閉鎖方法を用いることにより、取扱性向上等のために中空部が設けられ、その中空部が密閉され外皮部に開口がなく、且つ、優れた強度を有する密閉中空中子を作製することが可能である。又、本発明の中空中子の中子原料吹込口の閉鎖方法は、別途用意した中子原料を用いるので、作製中の中子において未焼成砂を排出する終了直前に排出口にヒータープレートをあてがうというタイミングをとる必要がなく、外皮部を所望の厚さ(より薄く)にすることが容易であり、且つその厚さのばらつきを抑制出来る。本発明により得られる密閉中空中子は、開口がないことから、鋳物の空洞部を形成する壁部への必然的な孔の形成を防止することが出来、又、中空部を有することから、軽く取扱性に優れ従来用いられていた中実の中子より位置決めし易く、結合剤としての樹脂に由来して発生するガス量もより低減され鋳造欠陥が生じ難く、使用する原料も少なくて済み、更には、蓋を後付けしていないので強度が低下した部分がなく鋳造中のトラブルを回避出来る。本発明により得られる密閉中空中子は、これらの点に、従来の中子に対し優位性を有する。従って、より美しくより軽い鋳物を、歩留まりを低下させることなく鋳造にかかるスループットを低下させることなく作製することが可能である。
以下、本発明の実施の形態について、適宜、図面を参酌しながら説明するが、本発明はこれらに限定されて解釈されるべきものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。例えば、図面は、好適な本発明の実施の形態を表すものであるが、本発明は図面に表される態様や図面に示される情報により制限されない。本発明を実施し又は検証する上では、本明細書中に記述されたものと同様の手段若しくは均等な手段が適用され得るが、好適な手段は以下に記述される手段である。
本明細書において、密閉中空中子とは、外皮部により形成された中空部を有するとともに、その中空部が密閉された中子をいう。外皮部は、シェル部とも呼ばれ、その外面が露わになりその内面が中空部と対面する部分であり、密閉中空中子を用いた鋳造用金型において鋳物キャビティを形成する面を構成する。中空部は鋳物キャビティを形成する面を構成しない。中空部が密閉された中子とは、外見上中空部を露わにしておらず中空部を形成する上記外皮部の内面が外観に現れていない中子をいう。
本発明の中空中子の中子原料吹込口の閉鎖方法を用いた製造過程により作製される密閉中空中子は、従来の中空中子における中子原料吹込口のような開口が存在しないので、空洞部を有する鋳物を成形するため鋳造用金型の一構成要素として用いられる際に、開口が鋳物キャビティを形成する面に現れないように、開口たる中子原料吹込口を外型の鋳物キャビティ形成面に密着させたり、中子原料吹込口外皮部を外型自体に嵌め込むように、中子と外型とを組み合わせる態様をとる必要がない。従って、このような密閉中空中子と外型とからなる鋳造用金型によって成形される空洞部を有する鋳物において、その空洞部を形成する壁部に孔は開かない。このように有用な密閉中空中子を得ることが出来る本発明の中空中子の中子原料吹込口の閉鎖方法について説明する。
本発明に係る中空中子の中子原料吹込口の閉鎖方法においては、中空中子の中子原料吹込口を、所定量の中子原料の中に埋浸させ、その中子原料を加熱し硬化させて、中空中子の中子原料吹込口を塞ぐところに特徴がある。
本発明に係る中空中子の中子原料吹込口の閉鎖方法は、上記特徴を有するので、中子原料吹込口の形状に合わせた蓋を別途作製して接着等により中子原料吹込口に取り付けて塞ぐといった従来の作業が不要であり、蓋を後付けしないので中子の強度が低下せず、中子の部分的な強度低下による鋳造中のトラブルも生じ得ない。
本発明に係る中空中子の中子原料吹込口の閉鎖方法では、その特徴にかかる処理を施す対象である中空中子を用意出来ればよく、外皮部により形成された中空部を有し中空部に通じる中子原料吹込口が外皮部に開かれた中空中子を得るための具体的手段は限定されない。例えば中空中子は既に記した一般に知られた方法により作製することが出来る。
又、本発明に係る中空中子の中子原料吹込口の閉鎖方法を用いる場合に、その対象となる中空中子を作製する工程(工程Aとよぶ、本発明に係る中空中子の中子原料吹込口の閉鎖方法を構成するものではない)と、作製した中空中子に本発明の特徴にかかる処理を施す工程(工程Bとよぶ)とを、連続して行う必要はない。中空中子の中子原料吹込口を塞ぐための中子原料は、中空中子の外皮部を形成するための中子原料とは別途に用意することが出来る。勿論、工程Aと工程Bとを連続して行ってもよい。又、中子原料吹込口を埋浸させる中子原料として、中子成形用の金型に充填され未硬化で排出された中子原料を用いることも可能である。
換言すれば、本発明に係る中空中子の中子原料吹込口の閉鎖方法では、例えば、予め所定数の中空中子を作製した後に、別工程として(別工場で)、得られた所定数の中空中子にその特徴にかかる上記処理を行ってもよく、又、一の密閉中空中子を作製するための一貫した製造工程の中に工程Aと工程Bとを組み入れてもよい。
次に、空洞部を有する鋳物の一例として自動二輪車用ホイールを掲げ、本発明について、より具体的に説明する。
先ず、自動二輪車用ホイールを鋳造する場合の密閉中空中子の有用性について説明する。自動二輪車用ホイールとは、例えばアルミニウム合金を主原料として成形され、タイヤが装着されて回転する自動二輪車の部品である。図1(a)、図1(b)は、自動二輪車用ホイールの一例を示す図であり、図1(a)は、長手方向を横にしたときの自動二輪車用ホイール1の上面図であり、図1(b)は図1(a)に示される自動二輪車用ホイール1のAA’断面矢視図である。
自動二輪車用ホイール1は、回転軸が挿通されるハブ部2とタイヤが装着されるリム部4とハブ部2及びリム部4を接続する例えば5本のスポーク部3とを有し、それらが一体的に鋳造されてなる鋳物である。図1(b)に明示されるように、自動二輪車用ホイール1は、ハブ部2及びスポーク部3に形状が複雑な空洞部5a,5bを有し壁部6(自動二輪車用ホイール1の実体部分)は薄く形成されアルミニウム合金の採用と併せて軽量化が図られていて、自動二輪車の操縦性及び燃費の向上に寄与する部品となっている。
図2は、自動二輪車用ホイール1を成形するために用いられる鋳造用金型の断面図である。図2に示される鋳造用金型20は、外型として鋳造用上型21、鋳造用横型22、鋳造用下型23を構成要素とし、それら外型と、その内部で所定の位置に設置された中空中子7a,7bとにより、成形体空間である鋳物キャビティ24を形成している。この鋳造用金型20を用いて、溶湯を湯道25から鋳物キャビティ24に充填し冷却し凝固収縮させて、成形体たる自動二輪車用ホイール1を得ることが出来る。
図8は鋳造用金型20を構成する密閉中空中子7a及び密閉中空中子7bの上面図であり、図6は密閉中空中子7aの斜視図である。自動二輪車用ホイール1を成形するための鋳造用金型20に用いられる密閉中空中子7aは、図示されるように、自動二輪車用ホイール1の空洞部5aに合わせて中心に貫通孔11が開いた円筒状を呈している。又、密閉中空中子7bは、自動二輪車用ホイール1の空洞部5bに合わせて手指状を呈している。
密閉中空中子7a,7bは中空部に通じる開口を有していないため、溶湯を鋳物キャビティ24に充填したときに溶湯が己の中空部に入ることがなく、密閉中空中子7a,7bの全ての面を、外型と接することなく外型の中に設置することが可能である。従って、外型と密閉中空中子7a,7bにより鋳造される自動二輪車用ホイール1において空洞部5a,5bを形成する壁部6に孔が存在しない。
従来の自動二輪車用ホイールには、空洞部を形成する壁部に孔が存在していた。これは密閉中空中子ではなく(開口のある)中空中子を用いて鋳造されていたためである。図3は従来の中空中子を示す斜視図であり、図4は図3に示される中空中子の中子原料吹込口を含む面を表す一の断面図(図3中における横方向の断面図)である。図示される中空中子30は、その外皮部8に中空部10と通じる中子原料吹込口9が形成され、中空部10は密閉されておらず、突出した中子原料吹込口外皮部14を有する。
中空中子30を構成要素として図2に示される鋳造用金型20に準じた鋳造用金型を用いる場合には、中子原料吹込口9を鋳物キャビティを形成する面に存在させることが出来ない。図11(a)は、中空中子30を構成要素とした鋳造用金型の一例の部分拡大図である(図11(a)において中子原料吹込口外皮部14は切除されている)。中空中子30と外型の一つである下型123と組み合わせた場合には、中子原料吹込口9を鋳物キャビティ124を形成する面に存在させると、図より明らかなように、鋳物キャビティ124に充填した溶湯は中空中子30の中空部10に入ってしまい、自動二輪車用ホイールを、所望の形状に成形することが出来なくなる。
従って、中子原料吹込口外皮部14は、突出した形状のままとされ、例えば、中子原料吹込口外皮部14が外型自体に嵌め込まれるように、中空中子30と外型とが組み合わされる。図11(b)は、中空中子30を構成要素とした鋳造用金型の他例の部分拡大である。中空中子30と外型の一つである下型223と組み合わせた場合に、中子原料吹込口外皮部14を下型223自体に嵌め込み、中子原料吹込口9が外皮部8の鋳物キャビティ224を形成する面に存在しないようにすれば、図より明らかなように、鋳物キャビティ224に溶湯を充填しても中空中子30の中空部10に入ることがない。
しかし、そうすると、中空中子30の中子原料吹込口外皮部14は鋳物キャビティ224を横断し下型223のキャビティ形成面につながり、この中子原料吹込口外皮部14の存在する部分には溶湯が充填されない。従って、このような中空中子30と外型(下型223)とから形成される鋳物キャビティ224によって成形される鋳物には、その空洞部を形成する壁部に、必然的に孔が開いてしまう。
上記した密閉中空中子7aを構成要素とした鋳造用金型20を用いる場合には、中子原料吹込口9が形成されないため、鋳物の壁部に孔が開くことがない。図11(c)は密閉中空中子7aを構成要素とした鋳造用金型20の一部を拡大した図であり、密閉中空中子7aと外型の一つである下型23とにより形成される鋳物キャビティ24が拡大して示されている。図示される如く、中空中子30の中子原料吹込口外皮部14のように外皮部8の一部が下型23と接続されることなく、且つ、密閉中空中子7aはその外皮部8によってその中空部10を鋳物キャビティ24と遮断し、鋳物キャビティ24に充填された溶湯が中空部10に入らない。
図9(a)、図9(b)は、空洞部を形成する壁部に孔の開いた自動二輪車用ホイールを示す図である。図9(a)は、長手方向を横にしたときの自動二輪車用ホイール90の上面図であり、図9(b)は図9(a)に示される自動二輪車用ホイール90のBB’断面矢視図である。自動二輪車用ホイール90は、図示されるように自動二輪車用ホイール1と概ね同形状の鋳物であるが、図2に示される鋳造用金型20における密閉中空中子7a(図6参照)の代わりに、図3に示される中空中子30を用いた鋳造用金型で成形されたものであるため、ハブ部2の壁部6に孔15が開いている。この孔15は、鋳物キャビティにおいて中空中子30の中子原料吹込口外皮部14が横断した部分に相当し、溶湯が充填されないために壁部が成形されず、孔になったのである。
次に、図6に示される密閉中空中子7aを作製する場合を例に、本発明に係る中空中子の中子原料吹込口の閉鎖方法について説明する。密閉中空中子7aは図1(a)に示される自動二輪車用ホイール1の鋳造に用いられる中子である。尚、本発明に係る中空中子の中子原料吹込口の閉鎖方法は、中空中子の中子原料吹込口(開口)を塞ぐ工程を有する方法であるので、先ず、図3に示される中子原料吹込口9を有する中空中子30を作製する工程(上記工程A相当、本発明に係る中空中子の中子原料吹込口の閉鎖方法を構成するものではない)について説明する。
図10(a)は中空中子製造用金型を示す一の断面図であり、図10(b)は図10(a)に示される中空中子製造用金型において中子原料道を含む面を表す他の断面図(図10(a)中における横方向の断面図)である。図10(a)、図10(b)に示される中空中子製造用金型100は、型開き可能な上型101と下型103とによって形成されたキャビティ104を有するとともに、キャビティ104に中子原料12を充填するための中子原料道105を下型103に備えている。
このような中空中子製造用金型100を用い、先ず、中子原料12をキャビティ104に充填する前に、中空中子製造用金型100を十分に加熱し、キャビティ形成面107の温度を高く保つ。次いで、中子原料12を中子原料道105からキャビティ104に充填し焼成する。中子原料12は焼成によって中空中子製造用金型100のキャビティ形成面107に接する側から内側に向かって硬化するので、中空中子として必要な外皮部8(図4参照)の厚さ分が硬化したところで焼成を止める。次に、図示しないが、中空中子製造用金型100を開き、未だ硬化していない中子原料12が充填されたままの中空中子を取り出す。取り出された中空中子の外皮部8の内側から未硬化の中子原料を排出すると、その未硬化の中子原料12が排出された空間が中子の中空部10(図4参照)として顕れる。
中子原料12を中空中子製造用金型100に投入するとともに外皮部8が形成された後に未硬化の中子原料12を排出する必要があることから、得られる中空中子は、自ずからその外皮部8に中空部10と通じる中子原料吹込口9が形成された中空中子30となり、中空部10は密閉されない。又、この中空中子30は、中空中子製造用金型100の中子原料道105により成形された中子原料吹込口外皮部14を有する。
従来は、空洞部を有する鋳物である自動二輪車用ホイールは、この中空中子30の如く外皮部に中空部に通じる開口が形成された中子を構成要素とする鋳造用金型を用いて鋳造していた。そのため、自動二輪車用ホイールには、自動二輪車用ホイール90の如く、その空洞部を形成する壁部に孔が開いていた。
又、従来は、空洞部を形成する壁部から孔をなくすために使用する開口が形成されていない中子として、上記した工程において中子原料12の焼成を止めずに、中空中子製造用金型100のキャビティ104に充填した中子原料12を全て硬化させて得られる中実の中子を採用していた。しかしながら、中実な中子は、鋳造用金型として用いられ高温の溶湯と接して発生するガス量が増える等の理由により好ましくない。
更に、従来は、上記した工程により得られる中空中子30の突出した中子原料吹込口外皮部14を切断し中子原料吹込口9を凹凸のないように加工した後に、別途作製した蓋を接着等により中子原料吹込口9に取り付けて塞ぎ、一見して外皮部8に開口の見られない中空中子を得て使用していた。しかしながら、蓋を取り付けた部分の強度が低下し易い等の理由により好ましくない。
次に、本発明に係る中空中子の中子原料吹込口の閉鎖方法の特徴にかかり作製した中空中子30の中子原料吹込口9を塞ぐ工程(上記工程B相当)について説明する。本発明に係る中空中子の中子原料吹込口の閉鎖方法においては、中空中子30を作製する手段は限定されず、上記した工程による手段はその一例にすぎない。
先ず、必要に応じて中空中子30の中子原料吹込口外皮部14を適当な長さに切断する。そして、例えば鉄製の容器の中に中子原料52を用意し、中空中子30の中子原料吹込口9をその中子原料52の中に埋浸させる(図5(a)参照)。図5(b)は中子原料吹込口9近傍を拡大した断面図である。図示されるように、中子原料52が中子原料吹込口9の中に十分に押し込まれるようにすることが肝要である。次いで、中子原料52を加熱し硬化させると、中子原料52は外皮部8と一体化して中子原料吹込口9を塞ぐ。そして、外皮部8の面に沿って研削、研磨すると、図7に断面が示されるような密閉中空中子7aが得られる。図7において、外皮部78は中子原料吹込口9を塞いだ部分である。
密閉中空中子7aは中空部10を有するので、使用する中子原料は少なく、中子原料に含まれる樹脂に由来するガスの発生量が抑えられ、より軽くなって取り扱い易い。又、外皮部78は外皮部8と一体化しているので強度が低下せず、鋳造中のトラブルも生じ得ない。
本発明の中空中子の中子原料吹込口の閉鎖方法は、鋳物を成形する鋳造工程で使用される密閉中空中子を得る手段として利用される。特に、軽さ、美しさが求められる自動二輪車用ホイールの鋳造工程で用いられる密閉中空中子を作製する手段として好適である。
空洞部を有する鋳物の一例であり、空洞部を形成する壁部に孔の存在しない自動二輪車用ホイールを表す図であり、図1(a)は長手方向を横にしたときの上面図であり、図1(b)は図1(a)におけるAA’断面矢視図である。 図1に示される自動二輪車用ホイールを成形するために用いられる鋳造用金型の一例を示す断面図である。 従来の中空中子の一例を示す斜視図である。 図3に示される中空中子の中子原料吹込口を含む面を表す一の断面図である。 本発明に係る中空中子の中子原料吹込口の閉鎖方法の一実施形態を示す図であり、図5(a)は中空中子の中子原料吹込口を中子原料の中に埋浸させる様子を示す説明図であり、図5(b)は図5(a)の中子原料吹込口を拡大した断面図である。 密閉中空中子の一例を示す斜視図である。 密閉中空中子の一例を示す断面図である。 図2に示される鋳造用金型を構成する密閉中空中子の上面図である。 空洞部を有する鋳物の一例であり、空洞部を形成する壁部に孔の開いた自動二輪車用ホイールを表す図であり、図9(a)は長手方向を横にしたときの上面図であり、図9(b)は図9(a)におけるBB’断面矢視図である。 図10(a)は中空中子製造用金型の一例を示す一の断面図であり、図10(b)は図10(a)に示される中空中子製造用金型の他の断面図である。 種々の鋳造用金型を部分拡大した図であり、図11(a)は中空中子を構成要素とした鋳造用金型の一例であり鋳造不可能な場合の断面図であり、図11(b)は中空中子を構成要素とした鋳造用金型の他例であり鋳造可能な場合の断面図であり、図11(c)は密閉中空中子を構成要素とした鋳造用金型の一例の断面図である。
符号の説明
1,90…自動二輪車用ホイール、2…ハブ部、3…スポーク部、4…リム部、5a,5b…空洞部、6…壁部、7a,7b…中空中子、8,78…外皮部、9…中子原料吹込口、10…中空部、11…貫通孔、12,52…中子原料、14…中子原料吹込口外皮部、15…孔、20…鋳造用金型、21…鋳造用上型、22…鋳造用横型、23,123,223…鋳造用下型、24,124,224…鋳物キャビティ、25…湯道、30…中空中子、100…中空中子製造用金型、101…上型、103…下型、104…キャビティ、105…中子原料道、107…キャビティ形成面。

Claims (2)

  1. 中空中子の中子原料吹込口を所定量の中子原料の中に埋浸させ、前記中子原料を加熱し硬化させて、前記中空中子の中子原料吹込口を塞ぐ中空中子の中子原料吹込口の閉鎖方法。
  2. 請求項1に記載の中空中子の中子原料吹込口の閉鎖方法を用いた製造過程を経て作製された自動二輪車用ホイール鋳造用の密閉中空中子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009106957A (ja) * 2007-10-29 2009-05-21 Chuo Motor Wheel Co Ltd キャストホイール製造用鋳型構造体並びにこれを用いた鋳造方法
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