JP2006116548A - 中空中子製造用金型及び中空中子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】空洞部が形成された鋳物を作製するために用いられ取扱性向上等のために中空部が設けられた中空中子において、その中空中子の形状によらずシェル部の厚さを概ね均一にすることが出来る手段を提供し、それによって、中空中子の裂け、孔あき、変形等の発生を防止し、鋳造工程が安定して継続されるようにすること。
【解決手段】キャビティ形成面58に凸部55,56を有する中空中子製造用金型50である。この中空中子製造用金型50は、凸部55,56が、入れ子で構成され、金型本体(可動型51及び固定型53)より熱伝導率の大きい材料からなることに特徴がある。
【選択図】図5
【解決手段】キャビティ形成面58に凸部55,56を有する中空中子製造用金型50である。この中空中子製造用金型50は、凸部55,56が、入れ子で構成され、金型本体(可動型51及び固定型53)より熱伝導率の大きい材料からなることに特徴がある。
【選択図】図5
Description
本発明は、鋳物に空洞部を形成するために用いられる中空中子の製造用金型及び製造方法に関するものである。
一般に、実体部分である壁部により形成された中空な部分(以下、空洞部ともいう)を有する鋳物は、鋳造用金型を構成する外型と、外型の中に設置される中子とにより形成された鋳物キャビティに、溶湯を注ぎ冷却するという鋳造工程を経て得ることが出来る。中子を取り除いた部分が鋳物の空洞部になるので、鋳物に要求される空洞部の形状によって中子にも種々の形状が求められる。又、中実で製造された中子はガス抜きが容易ではないことあるいは原料の節減若しくは取扱性向上等の観点から、空洞部を有する鋳物の成形に用いられる中子にも、シェル部(外皮部)により形成された中空な部分(以下、中空部ともいう)が設けられることが多い。そのような中子は中空中子と呼ばれる。
中空中子は、例えば、以下のような方法で作製される。先ず、主にケイ砂からなるシェル型砂に結合剤として樹脂を混合した中子原料が用意され、加熱された中子成形用の金型のキャビティ内にその中子原料が充填されて金型内で焼成される。中子原料は焼成によって金型のキャビティ形成面に接する側から内に向かって硬化するので、中空中子として必要なシェル部の厚さ分が硬化したところで焼成は止められる。そして、硬化していない中子原料は金型から排出される。
ところが、空洞部を有する鋳物において、空洞部の形状を複雑にするあるいは空洞部を形成する壁部(鋳物の実体部分)を薄くする等の要求が強まるに連れて、中空中子を分割する必要が生じたりあるいは凹部や貫通孔を有する中空中子が求められてきており、そのような中空中子を作製する場合には、中空中子のシェル部の厚さが均一になり難く部分的に極薄い箇所が生じてしまい、使用中即ち鋳造中に、その極薄い箇所において裂けが生じたり孔が開いたり変形したりして、鋳物製品に瑕疵を生じてしまい鋳造工程が継続出来なくなる等の問題が生じていた。他方、極薄い箇所を無くそうとして焼成を止めるタイミングを遅らせれば、中子が中実に近づいて、結合剤としての樹脂に由来して発生するガス量が増え、使用する原料も増加し、より重たくなって取り扱い不便になる。
従来、このような問題については特許文献1が提案されている。提案されている金型鋳造法は、ガス抜き効果が高められ、鋳造品の健全性が損なわれない鋳造方法である。しかしながら、中子自体を改善する提案ではなく、上記した中子由来の問題は依然として解決されていない。
本発明は、上記従来の問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、空洞部が形成された鋳物を作製するために用いられ取扱性向上等のために中空部が設けられた中空中子において、その中空中子の形状によらずシェル部の厚さを概ね均一にすることが出来る手段を提供し、それによって、中空中子の裂け、孔あき、変形等の発生を防止し、鋳造工程が安定して継続されるようにすることにある。
中空中子の製造過程について検討がなされ、シェル部の厚さが変動する要因とその対策について研究が重ねられた結果、以下に示す手段によって、上記目的が達成されることが見出された。
即ち、本発明によれば、中空の中子を製造するために用いられキャビティを形成する面に凸部を有する金型であって、凸部が、入れ子で構成され、金型本体より熱伝導率の大きい材料からなることを特徴とする中空中子製造用金型が提供される。この中空中子製造用金型においては、金型本体を構成する材料は鉄であり、入れ子を構成する材料が銅、ベリリウム銅、アルミニウム、モリブデンからなる金属群のうちの何れか又は何れかを主とする合金であることが好ましい。
又、本発明によれば、上記中空中子製造用金型を用いて製造された自動二輪車用ホイール鋳造用の中空中子が提供される。
更に、本発明によれば、キャビティを形成する面に凸部を有する金型を用い中空の中子を製造する方法であって、キャビティに中子の原料を充填した後に、凸部以外の部分と概ね同時に又はより早く、凸部へ熱を与えることを特徴とする中空中子の製造方法が提供される。この中空中子の製造方法は、中空の中子が、凹部若しくは貫通孔を有するか、及び/又は、複数である場合に好適に用いられる。
尚更に、本発明によれば、上記中空中子の製造方法により製造された自動二輪車用ホイール鋳造用の中空中子が提供される。
本発明の中空中子製造用金型及び中空中子の製造方法によれば、空洞部が形成された鋳物を作製するために用いられ取扱性向上等のために中空部が設けられた中空中子において、その中空中子の形状によらず、シェル部の厚さを概ね均一にすることが可能である。従って、鋳造中に中空中子が裂け、孔あき、変形等を発生することがなく、鋳造工程が安定して継続される。
以下、本発明の中空中子製造用金型及び中空中子の製造方法について、実施形態を説明するが、本発明は以下の記載に限定して解釈されるべきものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。
先ず、本発明に係る中空中子製造用金型は、中空部を有する中子を製造するために用いられる金型であって、その中子を成形する空間であるキャビティ形成面に凸部を有する金型である。キャビティ形成面に凸部を有するとは、金型内に凸状を呈するキャビティ形成面があることをいう。
キャビティ形成面に凸部を有する金型としては、限定されるものではないが、例えば、分割された中空中子を成形する場合、換言すれば1回の鋳造で複数の中空中子を成形する場合に用いられる金型や、あるいは、凹部や貫通孔を有する中空中子を成形する場合に用いられる金型を挙げることが出来る。前者では成形体たる複数の中空中子に対応した複数のキャビティの間の部分が金型のキャビティ形成面の凸部になり得、後者では成形体たる中空中子の凹部乃至貫通孔に対し金型のキャビティ形成面に凸部が設けられる。この例から明らかなように、金型のキャビティ形成面において、凸部が現れる(凸状を呈する)のは、金型がセットされた状態(中子を焼成する準備が出来た状態)に限定されず、金型が型開き(分離)された状態も含む。上記中空中子の貫通孔に対する金型のキャビティ形成面は、金型がセットされた状態では凸部どうし(あるいは凸部と他の平面)がつながって概ね円柱状を呈することになり、凸部には見えず、金型が型開きされた状態において、金型の少なくとも何れかに凸部が現れる。
このような本発明に係る中空中子製造用金型においては、その凸部が入れ子で構成され、且つ、入れ子で構成されたその凸部が金型本体より熱伝導率の大きい材料からなるところに特徴がある。
従来の問題である中空中子のシェル部の厚さが均一になり難く部分的に極薄い箇所が出来てしまう問題について原因追及がなされた結果、この問題は常に生じる訳ではなくキャビティ形成面に凸部を有する金型を用い製造された中空中子の場合に頻繁に起こり、又、その凸部を含むキャビティ形成面により成形された部分で生じ易いことが確認された。そこで、検討がなされた結果、金型のキャビティ形成面に凸部がある場合に、その凸部は、その体積により保有熱量は限定され常温の中子原料により熱が奪われた後に外部より金型に与えられる熱が伝わり難いために、焼成中に所望の温度に維持されず金型の他の部分より低温に止まり、キャビティ形成面の凸部において中子原料が金型の他の部分に比較して硬化し難くなる結果、上記問題が生じると推察された。
本発明に係る中空中子製造用金型によれば、上記特徴を有するので、外部より金型に与えられる熱が凸部に伝わり易く、常温の中子原料によって熱が奪われても直ぐに熱が伝わって所望の温度に維持され、キャビティ形成面の凸部において中子原料の硬化が阻害されることがなく、中空中子のシェル部の厚さを概ね均一にすることが可能となる。従って、シェル部に部分的に極薄く裂け等が生じ易い箇所が出来てしまう問題を回避することが出来る。勿論、鋳造される製品に瑕疵を生じさせることもなく、鋳造工程は安定して継続され得る。加えて、中空中子をシェル部の厚い中実に近いものにする必要がなく、むしろ裂けや孔開きや変形等の生じない程度に、シェル部全体を均一の厚さ且つより薄くすることが可能になるので、中子原料に含まれる樹脂から発生するガス量がより低減されるとともに使用する原料はより節減され更にはより軽い中空中子になる結果、取り扱い易くなる。
本発明に係る中空中子製造用金型においては、少なくとも凸部が入れ子で構成されていればよく、他のキャビティ形成面が入れ子で構成されていてもよい。例えば、キャビティが複雑な形状を呈する場合に、凸部を入れ子Aで構成し、中空中子製造用金型が加熱される位置からの距離に応じ凸状を呈さないキャビティ形成面(加熱される位置から遠い部分)を入れ子Bで構成し、入れ子Bの材料として金型本体より熱伝導率の大きい材料Xを用い、更に、入れ子Aの材料として入れ子Bより熱伝導率の大きい材料Yを用いるといった構成も好ましい。
又、一般には入れ子とは取り外し可能な金型本体とは別の部品をいうが、別の部品であって金型本体に固着されていても構わない。取り外し可能にすると入れ子の材料を容易に変更することが出来る。他方、入れ子を金型本体に固着させると接合面において僅かな空気層も生じないため熱伝導率が低下し難い。
次に、本発明に係る中空中子の製造方法は、キャビティを形成する面に凸部を有する金型を用い中空の中子を製造する方法である。ここで、凸部乃至凸部を有する金型とは、上記中空中子製造用金型の説明において記載されたものに準じる。
本発明に係る中空中子の製造方法においては、キャビティに中子の原料を充填した後に、キャビティ形成面の凸部以外の部分と概ね同時に又はより早く、キャビティ形成面の凸部へ熱を与えるところに特徴を有する。本発明に係る中空中子の製造方法によれば、中空中子が焼成される際に、キャビティ形成面の凸部において常温の中子原料によって熱が奪われても、キャビティ形成面の凸部の温度が凸部以外の部分と少なくとも概ね同じ温度に維持され得るので、キャビティ形成面の凸部において中子原料の硬化が阻害されることがなく、中空中子のシェル部に部分的に極薄く裂け等が生じ易い箇所が出来てしまう問題が回避され得る。
キャビティ形成面の凸部以外の部分と概ね同時に又はより早く、キャビティ形成面の凸部へ熱を与える手段として、上記本発明に係る中空中子製造用金型を採用することが出来る。外部から加熱されて中空中子製造用金型が所定温度に昇温した後に、中子の原料がキャビティに充填され、中子原料は焼成されてキャビティ形成面に接する側から内に向かって硬化する。その際、本発明に係る中空中子製造用金型は、入れ子で構成された凸部が金型本体より熱伝導率の大きい材料からなるので、外部より金型に与えられる熱が、キャビティ形成面の凸部以外の部分と概ね同時にキャビティ形成面の凸部に与えられる。従って、キャビティ形成面の凸部において凸部以外の部分と概ね同等に中子原料の硬化が行われ、中空中子のシェル部の厚さは概ね均一になり得る。
本発明に係る中空中子の製造方法において、キャビティ形成面の凸部以外の部分と概ね同時に又はより早く、キャビティ形成面の凸部へ熱を与える手段は、上記本発明に係る中空中子製造用金型の採用に限定されない。金型内の熱伝導性を変えるのではなく、例えば、直接、熱源をキャビティ形成面の凸部に近づけ得る金型構造にすることも好ましい。金型に、凸部近傍にまで到達する孔を設け、管を通じて熱源をその孔内に吹き込む等の手段により実現可能である。
以下、鋳物の一例として自動二輪車用ホイールを掲げ、その鋳物を鋳造するのに用いられる中空中子を例示して、本発明の中空中子製造用金型及び中空中子の製造方法について、具体的に説明する。自動二輪車用ホイールは、例えばアルミニウム合金を主原料として成形され、タイヤが装着されて回転する自動二輪車の部品である。図1(a)、図1(b)に自動二輪車用ホイールの一例を示す。図1(a)は自動二輪車用ホイール1の上面図(長手方向を横にしたとき)であり、図1(b)は図1(a)に示す自動二輪車用ホイール1のAA’断面矢視図である。
自動二輪車用ホイール1は、回転軸が挿通されるハブ部2とタイヤが装着されるリム部4とハブ部2及びリム部4を接続する例えば5本のスポーク部3とを有し、それらが一体的に鋳造されてなる鋳物である。図1(b)に明示されるように、自動二輪車用ホイール1は、ハブ部2及びスポーク部3に形状が複雑な空洞部5a,5bを有し壁部6(自動二輪車用ホイール1の実体部分)は薄く成形されアルミニウム合金の採用と併せて軽量化が図られていて、自動二輪車の操縦性及び燃費の向上に寄与する部品となっている。
図2に、自動二輪車用ホイール1を成形するために用いられる鋳造用金型の断面図を示す。図示される鋳造用金型20は、外型として鋳造用上型21、鋳造用横型22、鋳造用下型23を構成要素とし、それら外型と、その内部で所定の位置に設置された中空中子7とにより、成形体空間である鋳物キャビティ24を形成している。この鋳造用金型20を用いて、溶湯を湯道25から鋳物キャビティ24に注ぎ冷却し凝固収縮させて、成形体たる自動二輪車用ホイール1を得ることが出来る。
図8は鋳造用金型20を構成する中空中子7の上面図である。自動二輪車用ホイール1を成形するための鋳造用金型20に用いられる中空中子7は、図8に示されるように、自動二輪車用ホイール1の空洞部5bに合わせて中心に貫通孔11が明き、両面が表のヒトデ状を呈している。
図3は中空中子7が望ましいものである場合(中空中子7aとする)において図8におけるBOB’断面を表す図である。図4は中空中子7に問題が生じた場合(中空中子7bとする)において図8におけるBOB’断面を表す図である。図3に示す鋳造用金型20の中空中子として望ましい中空中子7aは、シェル部8が概ね均一の厚さを有し、中空部10を有し、軽量で取り扱い易く、中子原料に含まれる樹脂に由来して発生するガス量が少ない中子である。他方、図4に示す鋳造用金型20の中空中子として問題を有する従来の中空中子7bは、中空部10を有し、軽量で取り扱い易く、中子原料に含まれる樹脂に由来して発生するガス量が少ない中子であるが、シェル部8に薄肉部9が生じており、鋳造中に、薄肉部9が裂けたり孔が開いたり変形したりするおそれがある。
中空中子7bにおいてシェル部8に薄肉部9が生じた原因は、中空中子7bが、図7に断面図が示される従来の中空中子製造用金型70を用いて単に外部から(例えば可動型71の上側及び固定型73の下側から)中空中子製造用金型70を加熱し昇温させ、中子原料をキャビティ74に充填し焼成して得られたものだからである(図7において中子原料投入口は省略している)。
中空中子製造用金型70は、可動型71の凸部75と固定型73の凸部76とが型締めによってつながり、中空中子7bの貫通孔11を形成するための円柱部を構成する。そして、中空中子製造用金型70は、中子原料をキャビティ74に充填する前には、十分な加熱により全体に熱が行き渡り、上記中空中子製造用金型70の円柱部のキャビティ形成面78とその他のキャビティ形成面77とにおいて温度は概ね一定である。
しかし、中子原料がキャビティ74に充填され、中子原料が焼成され硬化し始め、中空中子製造用金型70から熱が奪われると、円柱部体積により保有熱量は限定され、外部より中空中子製造用金型70に与えられる熱が円柱部(特に円柱中間部分)には伝わり難いために、キャビティ形成面78の温度は所望温度に維持されず他のキャビティ形成面77より低温に止まる。その結果、キャビティ74に充填された中子原料は、キャビティ形成面78において他のキャビティ形成面77に比較して硬化し難くなり、得られる中空中子7bに薄肉部9を生じてしまう。
一方、中空中子7aは、図5に断面図が示される本発明に係る中空中子製造用金型50を用いて作製されたものであり、薄肉部を生じず、シェル部8が概ね均一の厚さを有する。本発明に係る中空中子製造用金型50を用いて中空中子7aを得る場合においても、単に外部から(例えば可動型51の上側及び固定型53の下側から)加熱されて中空中子製造用金型50が十分に昇温した後に、中子原料がキャビティ54に充填され焼成される(図5において中子原料投入口は省略している)。
中空中子製造用金型50は、可動型51の凸部55と固定型53の凸部56とが型締めによってつながり、中空中子7aの貫通孔11を形成するための円柱部を構成する点で、従来の中空中子製造用金型70に概ね等しい形態をなす。そして、中空中子製造用金型50は、中子原料がキャビティ54に充填される前に、十分に加熱されることにより全体に熱が行き渡って、上記中空中子製造用金型50の円柱部のキャビティ形成面58とその他のキャビティ形成面57とにおいて温度が概ね一定になることも、従来の中空中子製造用金型70と同様である。
中空中子製造用金型50は、図5に示されるように、凸部55と凸部56とが入れ子により構成される点で中空中子製造用金型70とは異なる。そして、可動型51乃至固定型53に固着された入れ子である凸部55と凸部56とを構成する材料は銅合金であり、入れ子を除く(金型本体に相当する)鉄を構成材料とする可動型51及び固定型53より、熱伝導率の大きな材料で構成されている。従って、中子原料がキャビティ54に充填され、中子原料が焼成され硬化し始め、中空中子製造用金型50から熱が奪われても、外部より中空中子製造用金型50に与えられる熱が円柱部に速やかに伝わる。即ち、キャビティ形成面57と概ね同時にキャビティ形成面58へ熱が与えられ、キャビティ形成面58の温度が他のキャビティ形成面57より低温に止まるという問題は生じない。その結果、キャビティ54に充填された中子原料は、全てのキャビティ形成面においてキャビティ形成面に接する側から内に向かって概ね一定に硬化し、シェル部の厚さは概ね均一になる。
尚、入れ子(凸部55及び凸部56)を構成する材料はベリリウム銅合金の他、ベリリウム銅、銅及び銅合金、アルミニウム及びアルミニウム合金、モリブデン及びモリブデン合金、銀及び銀合金等を採用することが出来る。又、入れ子を除く可動型51及び固定型53を構成する材料は鉄の他に、セラミック系材料等を採用することが出来る。
又、薄肉部がなくシェル部8が概ね均一の厚さを有する中空中子7aは、図6に断面図が示される中空中子製造用金型60を用いて作製することが出来る。以下に示すように、中空中子製造用金型60を用いると、キャビティ64に中子原料を充填した後に、キャビティ形成面67(凸部65,66によるキャビティ形成面以外の部分)と概ね同時に又はより早く、キャビティ形成面68(凸部65,66によるキャビティ形成面)へ外部から熱を与えることが可能となるからである(図6において中子原料投入口は省略している)。
中空中子製造用金型60を用いて中空中子7aを得る場合も、単に外部から加熱され中空中子製造用金型60が十分に昇温した後に、中子原料がキャビティ64に充填され焼成される。又、中空中子製造用金型60は、可動型61の凸部65と固定型63の凸部66とが型締めによってつながり、中空中子7aの貫通孔11を形成するための円柱部を構成する点、及び、中子原料がキャビティ64に充填される前に加熱により全体に熱が行き渡って、上記中空中子製造用金型60の円柱部のキャビティ形成面68とその他のキャビティ形成面67とにおいて温度が概ね一定になる点は、上記した中空中子製造用金型50や従来の中空中子製造用金型70と同様である。
中空中子製造用金型60は、中空中子製造用金型50のように金型内の熱伝導性を変えるのではなく、直接、熱源をキャビティ形成面68に近づけ得る金型構造を有している。即ち、中空中子製造用金型60には、可動型61と固定型63の各々に、凸部65,66近傍にまで到達する孔69が設けられている。
例えば管を孔69に差し込み、その管を通じて、バナー等の熱源をその孔69内に吹き込むこと、又は、ヒータ等の熱源をその孔69内に差し込むことによって、キャビティ形成面68へ、キャビティ形成面67と概ね同時に又はより早く熱を与えることが可能であり、キャビティ形成面68の温度が他のキャビティ形成面67より低温に止まるという問題は回避され得る。従って、中子原料がキャビティ64に充填され、中子原料が焼成され硬化し始め、中空中子製造用金型60から熱が奪われても、少なくともキャビティ64に充填された中子原料がキャビティ形成面68において硬化し難くなる問題は生じない。
孔69内に吹き込む熱源の量によっては、中空中子7aにおいてその中心に開いた貫通孔11に対する面をより強靭にすべく、キャビティ形成面68の温度を上げて、キャビティ形成面68に接した中子原料が硬化して得られるシェル部をより厚くすることも出来る。勿論、全てのキャビティ形成面において、キャビティ形成面に接する側から内に向かって概ね一定に硬化させ、シェル部の厚さを概ね均一にすることが可能である。
本発明の中空中子製造用金型及び中空中子の製造方法は、中空の中子を用いるあらゆる産業に利用することが出来る。特に、自動二輪車用ホイールの鋳造手段として好適である。
1…自動二輪車用ホイール、2…ハブ部、3…スポーク部、4…リム部、5a,5b…空洞部、6…壁部、7,7a,7b…中空中子、8…シェル部、9…薄肉部、10…中空部、11…貫通孔、20…鋳造用金型、21…鋳造用上型、22…鋳造用横型、23…鋳造用下型、24…鋳物キャビティ、25…湯道、50,60,70…中空中子製造用金型、51,61,71…可動型、53,63,73…固定型、54,64,74…キャビティ、55,56,65,66,75,76…凸部、57,58,67,68,77,78…キャビティ形成面、69…孔。
Claims (6)
- 中空の中子を製造するために用いられキャビティを形成する面に凸部を有する金型であって、
前記凸部が、入れ子で構成され、金型本体より熱伝導率の大きい材料からなる中空中子製造用金型。 - 前記金型本体を構成する材料は鉄であり、前記入れ子を構成する材料が銅、ベリリウム銅、アルミニウム、モリブデンからなる金属群のうちの何れか又は何れかを主とする合金である請求項1に記載の中空中子製造用金型。
- 請求項1又は2に記載の中空中子製造用金型を用いて製造された自動二輪車用ホイール鋳造用の中空中子。
- キャビティを形成する面に凸部を有する金型を用い中空の中子を製造する方法であって、
前記キャビティに中子の原料を充填した後に、前記凸部以外の部分と略同時に又はより早く、前記凸部へ熱を与える中空中子の製造方法。 - 前記中空の中子が、凹部若しくは貫通孔を有するか、及び/又は、複数である請求項4に記載の中空中子の製造方法。
- 請求項4又は5に記載の中空中子の製造方法により製造された自動二輪車用ホイール鋳造用の中空中子。
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