JP4262742B2 - 鋳型 - Google Patents

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Description

本発明は、セラミック製鋳型に比べてエネルギーコスト及び材料コストを低減でき、石膏製鋳型に比べて耐久性、通気性、及び、鋳型製造時の乾燥性に優れている鋳型に関するものである。
鋳型は、いわゆる成型型の一種であって、従来より、セラミックス製の鋳型や石膏製の鋳型など種々のものが提案されている。ここで、セラミックス製鋳型は、その素材であるセラミックス粉末が、石膏製鋳型の素材である石膏粉末に比べて高価であるとともに、鋳型を焼結するための加熱温度を略1500℃と極めて高く設定する必要があった。これに対し、石膏製鋳型は、セラミックス製鋳型に比べると、製造時の材料コストが低廉であって、かつ、製造時の加熱温度も略200℃前後と極めて低く、製造時の消費エネルギーコストを大幅に低減できるものであった。
特開2006−247691号公報
しかしながら、石膏製鋳型は、セラミックス製鋳型に比べて材料コスト及び消費エネルギーコストの点でメリットはあるものの、鋳型としての耐久強度が比較的低いという問題点があった。また、肉厚状に形成されている石膏製鋳型は、その通気性が低いので、溶湯(溶融金属)を注湯する場合に発生したガスが鋳造キャビティ外へ発散され難く、鋳物製品に気泡巣が発生し易いという問題点があった。
さらに、石膏製鋳型は、その素材が石膏系材料であるため、特に、肉厚部の乾燥性が悪く、乾燥過程で長期間を要するという問題点もあった。しかも、鋳型製造時の乾燥が不十分な石膏製鋳型に注湯すると、注湯時に水蒸気爆発の危険性もあるため、石膏製鋳型の製造に際しては十分な乾燥処理が必要不可欠であった。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、例えば、石膏系材料を素材として用いた場合でも、石膏製鋳型のコスト面でのメリットを維持しつつ、更に、耐久強度、通気性、及び、鋳型製造時の乾燥性を高めることができる鋳型を提供することを目的としている。
この目的を達成するために、請求項1の鋳型は、鋳物製品を鋳造するための空洞部である鋳造キャビティが内部に画設されているものであり、前記鋳造キャビティの形状を象るようにその鋳造キャビティの周囲に所定厚みで形成されるキャビティ隔壁と、そのキャビティ隔壁と連設され鋳型の外殻をなす所定厚みの鋳型外壁と、その鋳型外壁と前記キャビティ隔壁との間に設けられる空間である鋳型中空部と、その鋳型中空部内のうち、前記キャビティ隔壁に隣接する任意の一部空間を、その鋳型中空部内の他部空間から局所的に隔絶する局所隔壁とを有する鋳型本体と、その鋳型本体における前記鋳型中空部内に充填される充填材が固められることで、前記鋳型本体より高強度となってその鋳型本体と一体化されるとともに、前記局所隔壁により隔絶される前記一部空間と前記他部空間とで充填材が異なるものである鋳型補強体とを備えている。
この請求項1記載の鋳型によれば、鋳型本体の内部には、所定厚みのキャビティ隔壁によって鋳造キャビティが画設されており、この鋳造キャビティの周囲には、キャビティ隔壁を隔てて鋳型補強体が鋳型本体と一体となって形成されている。ここで、かかる鋳型補強体は、キャビティ隔壁と鋳型外壁との間に設けられる空間である鋳型中空部に充填材が充填されて固められることで形成される。
また、本発明の鋳型の製造方法としては、例えば、鋳型本体を製造してから、この鋳型本体の鋳型中空部に充填材を充填して固めることで、鋳型本体と鋳型補強体とが一体化される。そして、このような構造を採用することで、鋳造キャビティを包囲しているキャビティ隔壁の厚みを薄肉状に形成することができ、高い通気性が確保される。その結果、注湯時に鋳造キャビティ内で発生するガスを、キャビティ隔壁を通じて鋳造キャビティ外へ素早く発散させることもできる。
また、鋳型本体は、キャビティ隔壁と鋳型外壁との間に鋳型中空部が存在するとともに、キャビティ隔壁及び鋳型外壁とを薄肉状に形成することもできる。このため、鋳造キャビティを除く部分が中実状となっている従来の鋳型に比べて、乾燥性が高められており、短時間で十分に乾燥させることができる。しかも、かかる構造を有することから、上記した従来の鋳型に比べて、鋳型本体に使用される素材の使用量を低減でき、鋳型本体の乾燥させるために消費される加熱エネルギーも低減できる。
さらに、鋳型本体のキャビティ隔壁及び鋳型外壁が薄肉状に形成されても、鋳型中空部内に形成される鋳型補強体によって鋳造キャビティの周囲が補強されるので、注湯時に鋳型が破壊することも防止される
しかも、例えば、鋳型中空部内が局所隔壁によって部分的に区画される。このとき、鋳造キャビティの中でもひけ巣のできやすい箇所に、キャビティ隔壁を隔てて隣接している鋳型中空部内の一部空間を局所隔壁によって他部空間と隔絶する。そして、その一部空間又は他部空間の一方に冷却性の高い造形砂を、その他方に保温性の高い造形砂を分離して充填するのである。
さすれば、鋳造キャビティ内に溶湯を注湯した場合に、その溶湯の凝固時間を、冷却性の高い造形砂の充填部分に隣接する鋳造キャビティ内の部位で短縮化でき、保温性の高い造形砂の充填部分に隣接する造形キャビティ内の部位で長期化できる。この結果、鋳造キャビティ内にある溶湯の凝固時間が局所的に調整されるので、ひけ巣が鋳物製品に局所的に発生することを防止することができる。
請求項2の鋳型は、請求項1の鋳型において、前記鋳型本体は、石膏系材料を主成分とする素材で形成されるものである。
この請求項2の鋳型によれば、請求項1の鋳型と同様に作用する上、鋳型本体は、石膏系材料を主成分とする素材で形成されるので、セラミックス製鋳型の製造に比べて材料コストおよび消費エネルギーコストを低廉化できる。しかも、鋳型本体は、その主成分が石膏系材料であっても鋳型補強体と一体化されて補強されるので、石膏製鋳型に比べて耐久強度を大幅に高めることができる。
また、鋳型本体のキャビティ隔壁を薄肉状に形成することで高い通気性を確保できるので、溶湯を注湯する場合に発生する反応ガスが鋳造キャビティ外へ素早く発散でき、鋳物製品に気泡巣が発生することも抑制できる。さらに、キャビティ隔壁及び鋳型外壁を薄肉状に形成することで高い乾燥性も確保できるので、乾燥時間の短縮化や、乾燥温度の低温化でき、注湯時の水蒸気爆発の危険性も容易に回避できる。
請求項3の鋳型は、請求項1又は2の鋳型において、前記鋳型補強体を形成する充填材は、前記鋳型中空部内に充填されて硬化されることで前記鋳型本体と一体化されて前記鋳型本体よりも高強度となる樹脂被覆砂粒や自硬性鋳物砂などの造形砂である。
この請求項3の鋳型によれば、請求項1又は2の鋳型と同様に作用する上、RCS(Resin-Coated-Sand)などの樹脂被服砂粒の場合は、鋳型中空部に充填された後に加熱されることで、造形砂の粒子同士が結合硬化して鋳型本体と一体化される。一方、自硬性混練砂などの自硬性鋳物砂の場合は、鋳型中空部に充填された後に化学反応が生じて造形砂が硬化して鋳型本体と一体化される。
このように、鋳型補強体を形成する充填材には、安価な樹脂被服砂粒や自硬性鋳物砂などの造形砂が使用されるので、鋳型中空部に相当する空間を石膏系材料を主成分とする材料などで充填した従来の石膏製鋳型を製造する場合や、セラミックス製鋳型を製造する場合に比べて、鋳型を極めて安価に製造することができる。
請求項4の鋳型は、請求項1から3のいずれかの鋳型において、前記鋳型本体は、ラピッドプロトタイピング(rapid-prototyping)方法によって製造されるものである。
この請求項4の鋳型によれば、請求項1から3のいずれかの鋳型と同様に作用する上、鋳型本体がラピッドプロトタイピング方法によって製造されるので、鋳型本体の形状や構造が複雑であっても、ラピッドプロトタイピング造形装置を用いることで容易に造形することができる。
例えば、鋳物製品のマスターモデルの3次元データから鋳型本体の3次元データをコンピュータで作成し、この鋳型本体の3次元データを鋳型本体の製作に適した間隔等で輪切り状に分割スライスしたスライスデータを作成し、そのスライスデータが入力されたラピッドプロトタイピング造形装置によって、粉体材料が積層状に固められて、鋳型本体が造形されるのである。
しかも、鋳型本体の内部には鋳型中空部という空間が存在するので、ラピッドプロトタイピング方法によって従来のセラミックス製鋳型や石膏製鋳型を製造する場合に比べて、粉末材料の使用量を低減でき、その分、鋳型製造に要するコストを大幅に低減できる。
本発明の鋳型によれば、従来のセラミック製鋳型に比べてエネルギーコスト及び材料コストを低減でき、従来の石膏製鋳型に比べて耐久性、通気性、及び、鋳型製造時の乾燥性を向上できるという効果がある。
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施例である鋳型1に使用される鋳型本体2の平面図であり、図2は、鋳型本体2を側面図であって部分的に断面視したものであり、図3は、図1のIII−III線における縦断面図である。
図1から図3に示すように、鋳型本体2は、その内部に空洞状の鋳造キャビティ3が画設されている。鋳造キャビティ3は、主として、鋳物製品を鋳造する製品空洞部3aと、湯口3bと、湯道3cと、押湯部3dとの4つの空洞を備えており、そのうち湯口3bと押湯部3dとは鋳型本体2の上面部に開口形成されている。さらに、湯口3bは、湯道3cを通じて製品空洞部3aの下部側面と連通形成されており、押湯部3dは、製品空洞部3aの上部と連通形成されている。
このように構成される鋳造キャビティ3は、鋳造キャビティ3の形状を象ったキャビティ隔壁4によって周囲が包囲されることで形成されており、キャビティ隔壁4は、鋳型本体2の上面部及び側面部をなす外殻である鋳型外壁5と一体的に連設成形されている。また、これらのキャビティ隔壁4及び鋳型外壁5は、いずれも所定の厚みを有する薄肉状に成形されており、例えば、これらの厚みが好適には略2mm〜5mmとされている。
なお、キャビティ隔壁4及び鋳型外壁5の厚みは、鋳型本体2の形状や溶湯の種類に応じて適宜変更可能である。例えば、キャビティ隔壁4及び鋳型外壁5の厚みが少なくとも略1mm〜10mmの範囲であれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、本発明の作用効果を十分に奏するものと推測される。
また、鋳型本体2の下面部は全面が開放されており、鋳型本体2内に設けられる鋳型中空部6は、この開放部を通じて鋳型本体2の外部と連通されている。鋳型中空部6は、キャビティ隔壁4と鋳型外壁5との間に設けられる空間であって、後述する充填材が充填されて埋め固められることで鋳型本体2を補強するために用いられる。
さらに、鋳型本体2の素材について言及すると、かかる鋳型本体2は、石膏系材料を主成分とする素材の粉体(以下「石膏系粉体」という。)を用いて、ラピッドプロトタイピング(以下「RP」も略記する。)方法によって製造されている。この石膏系粉体は、セラミックス製鋳型の製造に使用されるセラミックス系粉体に比べて比較的安価であって、鋳型製造における材料コストの低減に大きく寄与するものである。
また、鋳型本体2は、キャビティ隔壁4及び鋳型外壁5を除けば、鋳造キャビティ3及び鋳型中空部6のように空洞化されている殻状の形態であるので、鋳型本体2の製造に使用される素材の使用量を大幅に少量化できる。このため、従来型の石膏製鋳型、即ち、鋳造キャビティ3を除く部分に素材が充填されている肉厚状の石膏製鋳型に比べると、材料コストを大幅に低減することができるのである。
ここで、RP方法について説明する。RP方法は、積層造形法とも呼ばれる造形方法の一種であり、鋳型本体2の形状や寸法に関する3次元データ(例えば3次元CADデータ等)から、鋳型本体2についてスライスデータと呼ばれる3次元の立体を輪切りに分割したデータを数値計算により求めて、このスライスデータに基づいた形状に実際の材料を成形して、これを順次に積み重ねることで実際の鋳型本体2の立体形状を造形する方法である。
また、このRP方法には、具体的な造形方式の差異によって種々のものが提案されており、例えば、光造形方式、粉体焼結方式、インクジェット方式、シート積層方式、又は、押し出し方式などを用いたものがあり、本実施例では、インクジェット方式によるRP方法を用いた積層造形造形装置(以下、単に「RP造形装置」ともいう。)によって、鋳型本体2が製造される。
このインクジェット方式のRP造形装置では、ローラによってスライスデータに対応する1層分の粉体材料を造形エリアに敷いて、その造形エリアをプリントヘッドが通過するときに、スライスデータに基づいてインクジェット方式により接着剤を吐出することで、その層の形を粉体材料により成形し、これを順次繰り返して、実際の鋳型本体2の立体形状を造形するものである。
なお、本実施例によれば、インクジェット方式のRP造形装置として米国Zコーポレーション製3Dプリンタ(商品名:SpectrumZ510-3DPrinter)を用いるとともに、粉体材料として石膏系粉体を用いて鋳型本体2を製造し、その鋳型本体2を用いた鋳型1によって良質の鋳物製品が鋳造できることが確認された。
図4から図6は、実際にRP造形装置により造形された鋳型本体2の実物写真(図面代用写真)であり、図4は、鋳型本体2を上面側から撮影した平面図であり、図5は、鋳型本体2を下面側から撮影した底面図であり、図6は、図5とは若干撮影方向が異なるが鋳型本体2を下面側から撮影した底面図である。
図4に示すように、鋳型本体2の上面部には、上記した通り、湯口3bと押湯部3dとが開口形成されており、押湯部3dの開口を通じて鋳造キャビティ3内部の構造が表れている。また、図5及び図6に示すように、鋳型外壁5の内周部には、鋳造キャビティ3の周囲を象るキャビティ隔壁4が配設されており、このキャビティ隔壁4と鋳型外壁5との間には鋳型中空部6が設けられている。更に、この鋳型中空部6内には、キャビティ隔壁4と鋳型外壁5との間に鋳型本体2を補強するための板状や棒状の補強ステー7が一体的に架設されている。
図7は、図3に示す鋳型本体2を用いて製造された鋳型1の縦断面図である。図7に示すように、鋳型本体2を用いた鋳型1は、充填材である造形砂が鋳型本体2の鋳型中空部6内に隙間なく充填されて固められることで、この鋳型中空部6内に鋳型本体2と一体化される鋳型補強体8が形成されて、この鋳型補強体8によって耐久強度が補強されている。この鋳型補強体8を形成する造形砂には、鋳型本体2の素材である石膏系材料に比べて比較的安価なRCSが用いられている。
鋳型補強体8は、造形砂の一種であるRCSが鋳型中空部6内に充填された鋳型本体2を、加熱温度略150℃〜略200℃で略数十分の間加熱することで、鋳型中空部6内でRCSを結合硬化させたものであって、このRCSの結合硬化物は、鋳型本体2の素材の主成分である石膏系材料よりも高い耐久強度を発揮するものである。
また、鋳型本体2の素材である石膏系粉体は、セラミックス系粉体が焼結に略1500℃程度で加熱する必要があることに比べて、RCSを結合硬化させる加熱温度である略150℃〜200℃程度の温度で乾燥させることができるものであって、鋳型製造における消費エネルギーコストの低減に大きく寄与するものである。
次に、本実施例の鋳型1の造形方法の一例について説明する。まず、鋳物製品の設計図面等から鋳物製品の形状や寸法に関する3次元CADデータをコンピュータなどの電子計算機によって製作する。そして、この3次元CADデータを画像化してディスプレイなどの表示器に表示して、鋳物製品の形状を確認する。
なお、3次元CADデータの画像から鋳物製品の形状確認が困難な場合は、鋳物製品の3次元CADデータをRP造形装置へ入力して、このRP造形装置によって鋳物製品のマスターモデルを製作して、このマスターモデルを用いて、最終製品である鋳物製品の形状を確認するようにしても良い。
鋳物製品の3次元CADデータ(以下「マスターモデルデータ」という。)を確認した結果、そのマスターモデルデータが適正なものであれば、そのマスターモデルデータに基づいて鋳型本体2の3次元CADデータ(以下「反転モデルデータ」という。)を電子計算機によって製作する。そして、この反転モデルデータをRP造形装置へ入力することで、この反転モデルデータに基づいてRP造形装置により鋳型本体2の実物が製造される。
鋳型本体2の製造後は、鋳型本体2の下面部の開口部から鋳型中空部6内へRCSを流し込んで、鋳型本体2を揺すって鋳型中空部6に隙間なくRCSを充填させる。それから、RCSが充填された鋳型本体2を加熱装置内で略150℃〜200℃の温度で数十分間(小型の鋳型1であれば略20分間〜略30分間程度)加熱することで、鋳型本体2の乾燥とRCSの結合硬化とがなされて、鋳型補強体8が鋳型中空部6内に一体的に成形された鋳型1が完成する。
この完成した鋳型1を用いて鋳物製品を鋳造したところ、具体的には、アルミニウム合金AC4Cを700℃で溶融した溶湯を、鋳型1の湯口3bから湯道3cを通じて注湯した後、所定時間冷却させてから鋳型1を破壊して鋳物製品を取り出したところ、品質の良好な鋳物製品を製造することができた。
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、鋳造キャビティ3内でひけ巣が発生し易い箇所と隣接する鋳型中空部6内の一部空間を、局所隔壁によって他部空間と隔絶して、その局所隔壁により隔絶される一部空間に冷却性の高い造形砂(例えば、ジルコンサンドをベースとしたRCS)を充填し、他部空間に保温性の高い造形砂(硅砂をベースとしたRCS)を充填して、溶湯の凝固時間を局所的に調整するようにしても良い。なお、かかる場合、局所隔壁はキャビティ隔壁4や鋳型外壁5とともに鋳型本体2の一部として一体成形しても良い。
また、鋳造キャビティ3内でひけ巣が発生し易い箇所に隣接するキャビティ隔壁4にチラー(冷し金)を当て付けた状態で、鋳型中空部6内に造形砂を充填して固めるようにしても良い。さらに、鋳型本体2の素材は、必ずしも石膏系粉体に限定されるものではなく、例えば、セラミックス系材料や金属材料などであっても良く、又は、これらの粉体を用いてRP造形装置によって鋳型本体2を造形するようにしても良い。
また、本実施例では、鋳型補強体8を形成する造形砂としてRCSを用いて説明したが、造形砂の種類は必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば、自硬性混練砂などの自硬性鋳物砂を鋳型中空部6に充填して硬化させて使用したり、或いは、通常の鋳物砂を鋳型中空部6に充填して固めて使用するようにしても良い。
また、本実施例では、主として、鋳型補強体8を形成する充填材として造形砂を用いて説明したが、鋳型補強体8を形成する充填材は、必ずしも造形砂に限定されるものではなく、例えば、流動性があって化学的又は物理的に硬化する性質を有する材料(以下「流動硬化性材料」という。)を使用しても良い。
また、本実施例では、比較的小型の鋳物製品を鋳造するための鋳型1について説明したが、鋳物製品を鋳造する鋳型の一部分に、本実施例の鋳型1を適用するようにしても良い。例えば、比較的大きな鋳物製品を鋳造する大型鋳型のうち、複雑形状部分や注湯方案対策部分について本実施例の鋳型1を適用した部分鋳型を製作して、この部分鋳型を大型鋳型に組み込むようにしても良い。
さすれば、本実施例の鋳型1を適用した部分鋳型はRP方法により安価に製造できるので、複雑形状部分や注湯方案対策部分について模型製造費を削減できるとともに、良質な鋳物製品を製造することができるのである。
以下に、本発明の変形例を示す。上記したとおり、本発明の鋳型は鋳物製品を鋳造するための成型型であるが、本発明の趣旨は必ずしも発明を鋳型のみに限定するものではなく、本発明を、鋳型を除いた他の成型型に広く適用することが可能であることは当然に推察できるものである。つまり、鋳造以外にも、例えば、樹脂系、ガラス系、又は、ゴム系などの流動硬化性材料を使用した製品の成型型にも、本発明を適用可能である。
例えば、鋳型を含めた成型型の全般に本発明を適用する場合、かかる成型型は、成型製品を成型するための空洞部である成型キャビティが内部に画設されているものであって、前記成型キャビティの形状を象るようにその成型キャビティの周囲に所定厚みで形成されるキャビティ隔壁と、そのキャビティ隔壁と連設され成型型の外殻をなす所定厚みの型外壁と、その型外壁と前記キャビティ隔壁との間に設けられる空間である型中空部とを有する型本体と、その型本体における前記型中空部内に充填される充填材が固められることで、前記型本体より高強度となってその型本体と一体化される型補強体とを備えたものとなる。
そして、前記成型型は、前記型本体が前記型中空部内のうち前記キャビティ隔壁に隣接する任意の一部空間を他部空間から局所的に隔絶する局所隔壁を備えており、前記型補強体が前記局所隔壁により隔絶される前記一部空間と前記他部空間とで異なる充填材で形成されるものとしても良い。また、前記成型型は、前記型本体が石膏系材料を主成分とする素材で形成されても良い。また、前記成型型は、前記型補強体を形成する充填材として、前記鋳型中空部内に充填されて硬化されることで前記鋳型本体と一体化されて前記鋳型本体よりも高強度となる樹脂被覆砂粒や自硬性鋳物砂などの造形砂を使用しても良い。さらに、前記成型型は、前記型本体をRP方法によって製造しても良い。
本発明の一実施例である鋳型に使用される鋳型本体の平面図である。 鋳型本体を側面図であって部分的に断面視したものである。 図1のIII−III線における縦断面図である。 鋳型本体を上面側から撮影した平面図(写真)である。 鋳型本体を下面側から撮影した底面図(写真)である。 鋳型本体を下面側から撮影した底面図(写真)である。 図3に示す鋳型本体を用いて製造された鋳型の縦断面図である。
符号の説明
1 鋳型(鋳型、成型型)
2 鋳型本体(鋳型本体、型本体)
3 鋳造キャビティ(鋳造キャビティ、成型キャビティ)
4 キャビティ隔壁
5 鋳型外壁(鋳型外壁、型外壁)
6 鋳型中空部(鋳型中空部、型中空部)
7 補強ステー
8 鋳型補強体(鋳型補強体、型補強体)

Claims (4)

  1. 鋳物製品を鋳造するための空洞部である鋳造キャビティが内部に画設されている鋳型において、
    前記鋳造キャビティの形状を象るようにその鋳造キャビティの周囲に所定厚みで形成されるキャビティ隔壁と、そのキャビティ隔壁と連設され鋳型の外殻をなす所定厚みの鋳型外壁と、その鋳型外壁と前記キャビティ隔壁との間に設けられる空間である鋳型中空部と、その鋳型中空部内のうち、前記キャビティ隔壁に隣接する任意の一部空間を、その鋳型中空部内の他部空間から局所的に隔絶する局所隔壁とを有する鋳型本体と、
    その鋳型本体における前記鋳型中空部内に充填される充填材が固められることで、前記鋳型本体より高強度となってその鋳型本体と一体化されるとともに、前記局所隔壁により隔絶される前記一部空間と前記他部空間とで充填材が異なるものである鋳型補強体とを備えていることを特徴とする鋳型。
  2. 前記鋳型本体は、石膏系材料を主成分とする素材で形成されるものであることを特徴とする請求項1記載の鋳型。
  3. 前記鋳型補強体を形成する充填材は、前記鋳型中空部内に充填されて硬化されることで前記鋳型本体と一体化されて前記鋳型本体よりも高強度となる樹脂被覆砂粒や自硬性鋳物砂などの造形砂であることを特徴とする請求項1又は2に記載の鋳型。
  4. 前記鋳型本体は、ラピッドプロトタイピング(rapid-prototyping)方法によって製造されるものであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の鋳型。
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