JPH0970642A - 鋳型の製造方法及びこの鋳型を用いた精密鋳造品の製造方法 - Google Patents

鋳型の製造方法及びこの鋳型を用いた精密鋳造品の製造方法

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JPH0970642A
JPH0970642A JP22831595A JP22831595A JPH0970642A JP H0970642 A JPH0970642 A JP H0970642A JP 22831595 A JP22831595 A JP 22831595A JP 22831595 A JP22831595 A JP 22831595A JP H0970642 A JPH0970642 A JP H0970642A
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JP
Japan
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mold
hollow frame
frame
hollow
casting
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JP22831595A
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English (en)
Inventor
Akira Mihashi
章 三橋
Yoshikazu Kutaragi
義和 久多良木
Saburo Wakita
三郎 脇田
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 入子型を用いた鋳型の製造過程全般にわたっ
て入子型周囲を中空にして、従来のワックス注入や脱ワ
ックス時の入子型破損を防止する。 【解決手段】 鋳型の製法は、まず、枠形成用金型を作
製し(S1)、これにより中空枠を形成する(S2)。
その後、消失除去可能な材質で予め形成した入子型の少
なくとも一部分を中空枠内に配置し(S4)、その外面
に鋳型構成材を固着させる(S5)。中空枠は、樹脂ま
たは紙製部材を一体で又は複数組み合わせることにより
形成でき、樹脂製の場合は後の焼成工程(S6)で焼失
除去する。好ましくは、中空枠にエア抜き用の穴部を形
成し、入子型の支持構造を中空枠の内壁に予め形成す
る。精密鋳造品の製法としては、この鋳型を用いて鋳造
を行った後(S7)、入子型を消失除去する(S9)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋳型の製造方法に
係り、とくに複雑な最終製品の内部形状出しを行うため
に、いわゆる中子と指称される入子型を鋳型の製造過程
で用いる場合、その製造過程全般にわたって中子周囲を
中空にすることができる鋳型の製法に関する。また、本
発明は、この製法により製造された鋳型を用いる精密鋳
造品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】精密鋳造法の一つであるロストワックス
法は、鋳型に分割面がなくて寸法精度が高く、しかも硬
度が高くて切削加工ができない硬質合金製の鋳物や切削
加工では工数のかかる複雑な形状の鋳物も製造できるこ
とから、タービンのブレード,ホイール,ロータなどの
航空部品,あるいは計測部品等の製造に広く用いられて
いる。
【0003】ロストワックス法の工程を概説すれば、ま
ず、ろうなどの可溶性材料で製品と同一形状の模型(ワ
ックスパターン)を形成し、このワックスパターンの周
囲にスラリーと耐火粒子(たとえばセラミック粒子)を
交互に付着させてコーティング層を形成し、乾燥後にワ
ックスパターンを溶融流出させ、ワックスパターン形状
つまり製品形状と同一形状のキャビティが形成された鋳
型を作る。そして、この鋳型を焼成して強度をもたせ、
溶融金属をキャビティ内に鋳込み、冷却後に鋳型を壊し
て製品を取り出す。
【0004】前記ワックスパターンは、ワックスパター
ン形成金型に半溶融状態のろうを圧入して射出形成され
る。したがって、このワックスパターンは、その形状全
体が型抜き可能な単純なものである場合には、上下型ま
たはスライド型を使用することによって容易に形成する
ことができる。
【0005】これに対し、例えばガスタービン翼等の内
部に中空部を有した製品の場合、スライド型を使用して
もワックスパターンの型抜きが困難な場合が多い。この
ため内部に中空部がある鋳造製品については、その鋳型
の作製過程で、中子と指称され消失除去可能な材質の入
子型を前記ワックスパターンと組み合わせて用いること
が多い。
【0006】この中子を用いた方法では、まず製品の中
空部と同一形状な部位を有する中子を予めワックスパタ
ーン形成金型内に配置し、次にろうを圧入することで、
中子が埋め込まれたワックスパターンを形成する。その
後、前記したと同様な方法により、ワックスパターンの
外側にコーティング層を形成しワックスパターンを溶融
流出させることで、コーティング層と中子との組み合わ
せによって最終製品と同一形状のキャビティを有した鋳
型を作製する。そして、この鋳型のキャビティ内に溶融
金属を鋳込み,冷却後には、外側のコーティング層部分
の鋳型を外し、また中子部分は溶液に浸すことで消失除
去すれば、所望形状の鋳造製品を得ることができる。
【0007】このように中子は、ワックスパターンの型
離れを可能にする役目を果たしながら、溶液等で消失除
去可能な鋳型の一部として用いられる。したがって、中
子は、鋳造時の高温の溶融金属に対する高温強度のほ
か、ろう等の粘性の高い半溶解融液の圧入や流出時の負
担に耐えられるだけの機械的強度も備えていなければな
らない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、近年の技術の
高度化にともなって精密鋳造品の中空部分の形状が益々
複雑化し、上記した従来の中子を用いたロストワックス
法では、複雑な形状の中子が鋳型の製造過程で破損する
ケースが増えてきた。これは、中子形状の複雑化にとも
なってその機械的強度の確保が困難になり、多量のろう
等が粘性の高い半溶融状態のまま中子の近くを通って圧
入され或いは流出する際、その負担に中子が耐えられな
くなるためであり、これにより中子に亀裂が生じ、ひど
い場合には折れることもあった。
【0009】たとえば、航空機エンジン用のガスタービ
ン翼を例にとると、エンジン特性を向上させるために、
少ない空気で出来るだけ熱交換効率を高めることが求め
られている。したがって、タービン翼内の通気路のリタ
ーンフロー構造の設計においては、限られたスペース内
で通気路をより細くし数多く折り返させることが多くな
ってきた。また、通気路の内側面積を拡大するため、種
々の形状の突起を通気路内に多数設ける傾向が一層強ま
っている。したがって、このタービン翼の鋳造に用いら
れる中子の形状においても、細長部分が何度も繰り返さ
れ、しかも突起形成のため途中で何箇所もくびれたよう
な形状が多くなり、中子の機械的強度の確保が次第に困
難になりつつある。
【0010】この中子破損が一旦起こると、製品歩留り
を大きく低下させてコスト増を招くだけでなく、とくに
高い信頼性が求められるガスタービン翼などの航空機部
品については、製品の信頼性を保証するための検査など
に余計な工数増加を強いられることから、中子に負担が
かからない鋳型の製造方法が強く求められていた。
【0011】本発明は、このような実情に鑑みてなさ
れ、入子型(中子)を用いて複雑な最終製品の内部形状
出しを行う鋳型製造の際、その製造過程全般にわたって
中子周囲を中空にすることができる鋳型の製造方法を提
案し、加えて、この製法による鋳型を用いた精密鋳造品
の製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述した従来技術の問題
点を解決し、上述した目的を達成するために、本発明の
鋳型の製造方法では、従来のワックスパターンに代えて
内部空間を有した中空枠を形成し、この内部空間内に入
子型を配置させることから、鋳型の製造過程全般にわた
って入子型周囲を中空に保持することが可能である。
【0013】すなわち、本発明の鋳型の製造方法は、内
部を中空にした中空枠を形成するための枠形成用金型を
作製する工程と、中空枠を前記枠形成用金型を用いて形
成する工程と、中空枠と組み合わすことにより最終製品
内部の所定形状を出すために、消失除去可能な材質で予
め形成した入子型の少なくとも一部分を中空枠の内部空
間内に配置し、その後、中空枠の外面に沿って鋳型構成
材を固着させる工程とを少なくとも含むことを特徴とす
る。この製法により製造された鋳型には、中空枠と、そ
の内部空間に配置された入子型とにより、最終製品と同
一形状のキャビティが鋳型内に形成される。
【0014】前記中空枠は、樹脂または紙製部材を一体
で又は複数組み合わせることにより形成できる。中空枠
は、後の鋳型の焼成工程で消失除去することが好まし
い。鋳造後に鋳造品の取り出しが容易になるだけでな
く、最終製品の外形を枠形成用金型形状で規定できるこ
とから外形寸法を高精度にできるからである。すなわ
ち、この場合の鋳型の製法は、枠形成用金型の作製工程
で該枠形成用金型を最終製品の外形と略同一にかたど
り、中空枠の形成工程で該中空枠を単数または複数の樹
脂製部材から構成させるとともに、鋳型構成材の固着工
程後に鋳型の焼成工程を設け、該焼成工程で形成した中
空枠を消失除去することを他の特徴とする。
【0015】中空枠の形成の際あるいは後では、中空枠
にエア抜き用の穴部を形成することが好ましい。このエ
ア抜き用の穴部を設けることにより、その後、たとえば
鋳型の焼成工程で加熱する際、膨張空気による鋳型の型
くずれを防止することができる。
【0016】また、入子型を配置する前に、入子型の位
置決めを容易にし鋳造材の流入圧などによる位置ずれを
防止する意味で、入子型を支持するための支持構造を中
空枠の内壁に予め形成しておくことが好ましい。本発明
の精密鋳造品の製造方法は、この鋳型の製法により製造
された鋳型を用いる精密鋳造品の製造方法であって、製
造した鋳型内に鋳造材を流し込み、冷却後に鋳型から鋳
造品を取り出す鋳造工程と、鋳造品内の入子型を消失除
去する工程とを少なくとも含むことを特徴とする。この
ため、本発明により製造された精密鋳造品は、その製造
に用いられる入子型部分の機械的強度が鋳造材の流入圧
に耐えられる程度あればよく、その形状が複雑な場合で
あっても精密鋳造品の品質に問題を生じることがない。
【0017】
【本発明の実施の形態】以下、本発明に係る鋳型および
精密鋳造品の製造方法について、図面にもとづいて詳細
に説明する。ここで使用する図1は、本発明の精密鋳造
品の各製造工程を示すフロー図である。また、図2〜5
は製造過程を説明するための鋳型および鋳造物の略断面
図である。ここで、図2には中空パターンの組立段階ま
でを、図3には鋳型の製作段階までを、図4には中子の
除去段階までをそれぞれ示す。
【0018】本発明の精密鋳造品の製造過程は、図1に
示すように、鋳型の製造過程(S1〜S5)と、以後の
鋳造や仕上げなどの鋳造品の製造過程(S6〜S11)
に大別される。図1に沿って、まず、鋳型の製造過程を
説明する。
【0019】最初のステップ1(S1)では、図2
(A)に示すように、枠形成用金型2および中子4が各
々製造される。枠形成用金型2は、同図(B)に示す次
の中空枠6の形成工程(S2)で、たとえばブロー成形
型として用いられる。枠形成用金型2の型面2aの大き
さは、鋳型材料、鋳造材等の収縮を考慮し最終製品の外
形と略同一に設計される。
【0020】中子4は、最終製品の中空部に対応する反
転形状の部位を有し、後で消失除去可能な鋳型の一部と
して機能する。したがって、中子4の素材については、
溶液浸漬等の特殊処理により溶解などで消失可能なも
の、たとえばシリカを主成分とするものなどとする。大
きさについては、とくに限定はいが、一般には端部側が
中空枠6から若干突出する程度の大きさに設計される。
【0021】ステップ2(S2)の中空枠の形成工程で
は、たとえば図2(B)に示すように、ブロー成形など
により内部空間を有した中空枠6が形造られる。すなわ
ち、枠形成用金型2の吹込口2bから、圧縮空気によっ
てレジンサンドなどを枠形成用金型2内に吹き込むと、
枠形成用金型2の内側面に所定厚さの中空枠6がほぼ均
一に形成される。
【0022】その後、型ばらしがされた後に、つぎのス
テップ3(S3)で中空枠6は、不要部分切除あるいは
バリ取りがされ、所定箇所での切断などにより分割され
る(本実施形態では6a及び6bに分割される)。これ
は、次の中空模型(中空パターン)組立工程(S4)で
中子4を配置しやするためである。同時に、中空枠6の
所定位置に、所定大きさ及び個数のエア抜き用の穴部6
cが打ち抜きなどで形成される。このエア抜き用の穴部
6cは、その後の加熱工程において膨張した空気による
鋳型の型くずれを防止するために設ける。また、ここで
は特に図示しないが、本分割工程(S3)あるいは先の
中空枠の形成工程(S2)で同時に、中子4の支持構造
を形成することが好ましい。これは、中子4の位置決め
を容易にするとともに、後の工程での中子4の位置ずれ
を防止するためである。支持構造の具体的形態について
は、後に説明する実施例の中で詳述する。
【0023】以上説明した図2のブロー形成法は、中空
枠6の形成法一例であり、この方法は、熱可塑性樹脂に
より中空枠6が形成される場合に好適である。熱可塑性
樹脂としては、ポリスチレン,ポリエチレン,ポリ塩化
ビニル,ポリプロピレン,メタクリル樹脂,ポリカーボ
ネート,ポリアミド,ポリアセタール,フッ素樹脂など
を用いることができる。また、樹脂の他には、例えば紙
により中空枠6を形成してもよいし、他の材料を用いる
ことも可能である。このうち、たとえばポリスチレン,
ポリプロピレン,ポリカーボネート等の消失可能な熱可
塑性樹脂を用い後で消失させると、前記枠形成用金型2
で最終製品の外形を規定できるので、高精度の鋳物を得
ることが可能である。
【0024】中空枠6の形成法として、ブロー形成法の
他に、たとえば射出成形法により、中空枠6を一体に或
いは中空枠6a,6bを個々に成形することもできる。
また、割り型の内側にたとえば紙を幾重にも張りつける
ことによっても、中空枠6の形成をすることができる。
この割り型や個別の射出形成では、分割工程(S3)の
省略が可能で、中空枠6の肉厚を比較的に均一にでき、
この点から好ましい。
【0025】そして、次のステップ4(S4)では、中
空パターンの組立てを行う。すなわち、図2(D)に示
すように、中子4の所定部位が中空枠6の内部空間に配
置されるように、分割した各中空枠6a,6bを互いに
突き合わせることにより、中空パターン8が組上がる。
このとき、上記した支持構造が形成してあれば、中子4
の位置決めが容易で中子4が中空枠6内で固定されるの
で便利である。
【0026】ステップ5(S5)では、コーティングが
行われる。すなわち、図3(E)上段に示すように、中
空パターン8の外面に沿って、たとえばスラリーと耐火
粒子(たとえばセラミック粒子)を交互に付着させてコ
ーティング層10を形成する。このとき、好ましくは、
鋳造材の注入口を確保するなどの意味から、前記エア抜
き用の穴部を含む中空パターン8の少なくとも一方側を
マスキングするなどして、コーティング材料の回り込み
を防止する。この注入口の確保は、同図下段に示してい
るように、樹脂やろう等の可溶性材料からなる、所定形
状の模型台部8aを、中空パターン8の例えば上下にコ
ーティング前に予め形成しておき(同図下段左)、コー
ティング後に除去する(同図下段右)ことによっても可
能である。この場合の除去は、必要に応じて圧力窯など
を用いて行うとよい。緩慢と加熱すると、模型台部8a
を構成する可溶性材料の膨張によりコーティング層10
に亀裂を生じることがあり、圧力窯などで速やかに加熱
するためである。これにより、鋳型12の製造過程が終
了する。
【0027】つづいて、鋳造品の製造過程について説明
する。ステップ6は、鋳型12に鋳造時に耐える強度を
もたせるための焼成工程である。これにより、鋳型12
の焼き締めが行われるとともに、図4(F)に示すよう
に、中空枠6がポリスチレンなどで構成されている場
合、中空枠6が焼失除去される。なお、この焼成は、模
型台部8aの除去と同時に行ってもよい。
【0028】ステップ7は、鋳造工程である。すなわ
ち、図4(G)に示すように、真空鋳造装置14内にセ
ットした焼成後の鋳型12に高温の溶融金属からなる鋳
造材を注入する。鋳造雰囲気を真空とするのは不純物混
入を防止し、鋳造品の信頼性を向上させるためで、図示
のように真空である必要は必ずしもない。鋳造後は、真
空鋳造装置14から鋳造後の鋳型12を取り出し、冷却
する。
【0029】ステップ8では、図(H)に示すように、
型ばらしを行うとともに模型台部8aを切除すると、中
子4が組み込まれた鋳造品16が得られる。ステップ1
0では、中子4が組み込まれた鋳造品16から、中子4
を消失除去する。これは、たとえば図4(I)に示すよ
うに、中子4が溶解可能なアルカリ溶液などに鋳造品1
6を浸漬することにより行う。これにより、中空部16
aを有する鋳造品16が得られる。
【0030】その後は、ステップ11で、たとえば図5
(J),(K)に示すように、必要に応じてHIP(熱
間静水圧プレス)処理を含む熱処理,機械加工および表
面処理等の仕上げ工程を経て、最終製品として精密鋳造
品16が完成する。なお、本実施形態の説明において
は、特に言及した以外の事項に限定はなく、本発明の範
囲内で種々に改変できる。
【0031】たとえば、前記エア抜き用の穴部6cの形
成は、打ち抜きではなく、たとえば穴部6c形成箇所の
枠形成用金型2に凹状部を予め設けておき、これにより
出来た中空枠6の凸状部を切除することによっても形成
可能である。
【0032】
【実施例】さらに具体的に、本発明の実施例について説
明する。なお、本実施例においては、本発明を好適に実
施した一例として、ジェットエンジンのガスタービン動
翼を説明するが、ガスタービン静翼についても同様に実
施できる。
【0033】図6中、符号20は、本発明により製造し
たガスタービン動翼の斜視図を示している。このガスタ
ービン動翼20は、ジェットエンジンのガスタービンロ
ータのディスク周囲に多段状に多数設けられ、極めて高
温のガス流の中を高速で回転する。そして、ガスタービ
ン動翼の温度を空気で冷やすために図6に示す吸気口2
6からガス流を取り込み、内部の通気路24内で冷却し
た後、他方側の排気口22から外部に放出する。このた
め、ガスタービン動翼20の素材としては、たとえばN
i基あるいはCo基などの超耐熱合金が用いられる。
【0034】以下、このガスタ−ビン動翼20の製造方
法について、図1のフロー図に沿い、他の図を適宜参照
しながら説明する。まず、枠形成用金型および中子を作
製した(図1のステップ1)。図7には、上記通気路2
4を形成するための中子28を示している。この中子2
8は、通気路24の反転形状を有しており、同図からわ
かるように、冷却空気の熱交換効率を高めるため細長い
通路を2度折り返し、また、通路内の面積拡大のため多
数の凹部や貫通孔を備えている。また、中子28は、シ
リカを主成分とし、鋳造材である極めて高温に熱せられ
た超耐熱合金の溶融液に対する高温強度を備えている。
【0035】つぎに、この枠形成金型を用いブロー成形
法により中空枠を成形し(ステップ2)、これを表裏面
が対称な2枚の板状に分割した後(ステップ3)、中子
28を配置して中空パターンを組み立てた(ステップ
4)。図8には、この中空パターン30を示し、先に説
明した実施形態における図3では(E)下段左の状態に
相当する。この中空パターン30は、図8に示すよう
に、図3では模型台部8aに相当する、ろう製の部位3
3を上下に具備して構成され、その間の中空パターン本
体32には中子28が組み込まれている。図9には、図
8のII−III 方向からみた要部概略断面図を示す。図か
らわかるように、中空パターン30表面側は内部が中空
な中空枠34で覆われている。この中空枠34は、焼失
除去可能なポリスチレン製の2枚の板状枠34a,34
bをブロー成形法で形成され、その端部同志をろう付け
することにより内側に内部空間が形成されている。中空
枠34の内壁には、内部空間に突出した1対の支持突起
36がろう付けさている。そして、この支持突起36に
両側を挟まれたかたちで中子28が内部空間に配置、固
定されており、これにより先に説明した支持構造が形成
されている。
【0036】なお、支持突起36について、その形状,
数,配置箇所などは図示のものに限定されない。たとえ
ば、中子28の肉厚部28a先端側に支持突起36を追
加してもよいし、また、とくに図示しないが、中子28
を上下方向に保持するため中子28の上,下端側それぞ
れに、あるいは両側に設けることもできる。また、中空
枠34をブロー成形法以外で行う場合には、支持突起3
6は後付けでなく一体成形できる。さらに、この場合、
支持構造は突起状でなくとも、たとえば中子28の肉厚
部28aの曲面に沿って係合可能に、中空枠34の一部
を肉厚状に形成することも可能である。
【0037】つぎに、スラリーとセラミック粒子を交互
に付着させてコーティングを行い(ステップ5)鋳型を
完成させた。その後、焼成のため鋳型を加熱し(ステッ
プ6)、同時に、ろう製部位33および中空枠34を除
去した。このとき、前記中子28を支持していた支持突
起36も同時除去されるが、焼成で強固にされたコーテ
ィング層により中子28の根元がしっかりと押さえられ
るので、位置ずれを起こすことはない。
【0038】以後は、この鋳型のキャビティ内にNi基
あるいはCo基などの超高耐熱合金溶湯を真空鋳造装置
内で注入し(ステップ7)、冷却後に型ばらし及び不要
部分の切除を行い(ステップ8)、中子28をアルカリ
溶液に浸漬して除去した後(ステップ9)、所定の仕上
げ工程(ステップ10,11)を経て当該ガスタービン
動翼20を完成させた。
【0039】従来のロストワックス法によるガスタービ
ン動翼には、図7に示すように、中子28の折り返し部
A,凹部Bあるいは貫通孔Cなどで中子28に亀裂が入
ったり、破断するといった損傷モードが多かった。本発
明により製造したガスタービン動翼20について、その
製造に使用した中子28および製品本体を、透過X線で
検査した結果、上記何れの損傷モードも発生していない
ことを確認した。
【0040】なお、本実施例の説明においても、特に言
及した事項以外の制限はなく、本発明の範囲内で種々に
改変できる。
【0041】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明に係る
鋳型の製造方法によれば、入子型(中子)を用いて複雑
な最終製品の内部形状出しを行う鋳型製造の際、その製
造過程全般にわたって中子周囲を中空にすることができ
る。
【0042】したがって、鋳型の製造過程において、従
来のロストワックス法のように、中子周囲を高い粘性の
溶融液が圧入あるいは流出するようなことがなく、中子
に殆ど負担がかからず破損しない。本発明の精密鋳造品
の製造方法によれば、中子は、鋳造過程に耐えられるだ
けの機械的強度を有していれば、鋳造品の製造過程全般
を通じても破損しない。
【0043】よって、中子のデザイン上の自由度が増
し、たとえばガスタービン翼などの複雑な中空部を有し
た精密鋳造品を信頼性よく製造することが可能となっ
た。また、鋳型の製造歩留りの向上、あるいは検査工数
の削減などにより、精密鋳造品の製造コストの削減が期
待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の鋳型および精密鋳造品の各製造
工程を示すフロー図である。
【図2】図2は鋳型の製造過程を説明するための略断面
図であり、中空パターンの組立段階までを示す。
【図3】図3は鋳型の製造過程を説明するための略断面
図であり、鋳型の完成までを示す。
【図4】図4は精密鋳造品の製造過程を説明するための
略断面図であり、中子の除去段階までを示す。
【図5】図5は精密鋳造品の製造過程を説明するための
略断面図であり、精密鋳造品の完成までを示す。
【図6】図6は本発明により製造したガスタービン動翼
の斜視図である。
【図7】図7はガスタービン動翼の鋳型製造に用いられ
る中子の正面図である。
【図8】図8はガスタービン動翼の鋳型製造に用いられ
る中空パターンの斜視図である。
【図9】図9は図8のII−III 方向からみた中空パター
ンの要部概略断面図である。
【符号の説明】
2 …枠形成用金型 2a …金型面 4,28…中子(入子型) 6,6a,6b…中空枠 6c …エア抜き用穴部 8,30…中空パターン 8a …模型台部 10 …コーティング層 12 …鋳型 14 …真空鋳造装置 16 …鋳造物 20 …ガスタービン動翼 22 …排気口 24 …通気路 26 …吸気口 28a …中子の肉厚部 32 …中空パターン本体 33 …ろう製部位 34,34a,34b…中空枠 36 …支持突起
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B22D 29/00 B22D 29/00 F // F01D 5/14 F01D 5/14

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部を中空にした中空枠を形成するため
    の枠形成用金型を作製する工程と、 前記中空枠を前記枠形成用金型を用いて形成する工程
    と、 前記中空枠と組み合わせることにより最終製品内部の所
    定形状を出すために、消失除去可能な材質で予め形成し
    た入子型の少なくとも一部分を中空枠の内部空間内に配
    置し、その後、中空枠の外面に沿って鋳型構成材を固着
    させる工程とを少なくとも含む鋳型の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記枠形成用金型の作製工程では、該枠
    形成用金型を最終製品の外形と略同一にかたどり、 前記中空枠の形成工程では、該中空枠を単数または複数
    の樹脂製部材から構成させるとともに、 前記鋳型構成材の固着工程後に鋳型の焼成工程を設け、
    該焼成工程で、形成した前期中空枠を消失除去する請求
    項1に記載の鋳型の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記枠形成用金型の作製工程では、該枠
    形成用金型を最終製品の外形と略同一にかたどり、 前記中空枠の形成工程では、単数または複数の紙製部材
    により中空枠を形成する請求項1に記載の鋳型の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記中空枠の形成の際あるいは後に、該
    中空枠にエア抜き用の穴部を形成する請求項1〜3のい
    ずれか1項に記載の鋳型の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記入子型を配置する前に、該入子型を
    支持するための支持構造を前期中空枠の内壁に予め形成
    する請求項1〜3のいずれか1項に記載の鋳型の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の鋳型の製造方法により
    製造された鋳型を用いる精密鋳造品の製造方法であっ
    て、 製造した前記鋳型内に鋳造材を流し込み、冷却後に鋳型
    から鋳造品を取り出す鋳造工程と、 前記鋳造品内の入子型を消失除去する工程とを少なくと
    も含む精密鋳造品の製造方法。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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