JP2992507B2 - 鋳造品の製造方法及びこれに用いる中子 - Google Patents
鋳造品の製造方法及びこれに用いる中子Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋳造品の製造方法及び
これに用いる中子に係り、特に、閉鎖部を備えた形状の
鋳造品を製造する場合に好適な技術に関する。
これに用いる中子に係り、特に、閉鎖部を備えた形状の
鋳造品を製造する場合に好適な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、有蓋筒状の蓋部分、椀状の底部分
などに相当する閉鎖部を備えた形状の鋳造品を製造する
場合、図3に示すように、上型10A及び下型10Bを
備えた主型10内に中子20を収容し、中子20の成形
部21に対応して、成形部21の周囲に成形空間(以
下、キャビティと言う。)30を構成する。主型10
は、上型10Aと下型10Bのそれぞれについて砂型と
して形成され、中子20は予め種々の耐熱材で成形され
る。この中子20は、上型10A及び下型10Bに挟ま
れるようにして固定される被支持部(幅木部)22を備
えている。この主型10のキャビティ30には、図示し
ない溶湯の導入経路に接続された導湯口(ゲート)11
が設けられている。溶湯は主型10内に構成された図示
しない湯溜まりに導入され、せきを通過して導湯口11
から主型10と中子20とによって構成されたキャビテ
ィ30内に導入される。
などに相当する閉鎖部を備えた形状の鋳造品を製造する
場合、図3に示すように、上型10A及び下型10Bを
備えた主型10内に中子20を収容し、中子20の成形
部21に対応して、成形部21の周囲に成形空間(以
下、キャビティと言う。)30を構成する。主型10
は、上型10Aと下型10Bのそれぞれについて砂型と
して形成され、中子20は予め種々の耐熱材で成形され
る。この中子20は、上型10A及び下型10Bに挟ま
れるようにして固定される被支持部(幅木部)22を備
えている。この主型10のキャビティ30には、図示し
ない溶湯の導入経路に接続された導湯口(ゲート)11
が設けられている。溶湯は主型10内に構成された図示
しない湯溜まりに導入され、せきを通過して導湯口11
から主型10と中子20とによって構成されたキャビテ
ィ30内に導入される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の鋳造方法に
おいては、導湯口11から溶湯が導入されると、キャビ
ティ30の下部分から徐々に溶湯が満たされていき、や
がてキャビティ30の内部全体に溶湯が充填されるが、
この溶湯の充填されていく過程において、中子20の成
形部21に対して、キャビティ30内にて上方に向かう
浮力が溶湯によってもたらされるので、中子20が傾斜
し、鋳造品の偏肉が発生するという問題点がある。この
偏肉を防止するには、中子20の幅木の部分である被支
持部22を相対的に大きく形成すればよく、例えば図3
に二点鎖線で示すように被支持部22を延長することが
考えられるが、このようにしても偏肉解消の効果は薄
く、しかもこの場合には鋳型容積が大きくなり、生産効
率が低下するという問題点がある。
おいては、導湯口11から溶湯が導入されると、キャビ
ティ30の下部分から徐々に溶湯が満たされていき、や
がてキャビティ30の内部全体に溶湯が充填されるが、
この溶湯の充填されていく過程において、中子20の成
形部21に対して、キャビティ30内にて上方に向かう
浮力が溶湯によってもたらされるので、中子20が傾斜
し、鋳造品の偏肉が発生するという問題点がある。この
偏肉を防止するには、中子20の幅木の部分である被支
持部22を相対的に大きく形成すればよく、例えば図3
に二点鎖線で示すように被支持部22を延長することが
考えられるが、このようにしても偏肉解消の効果は薄
く、しかもこの場合には鋳型容積が大きくなり、生産効
率が低下するという問題点がある。
【0004】また、図3に示す構造では、キャビティ3
0内に溶湯が注入されている過程において発生するガス
が抜けにくいため、鋳造品の表面に巣が発生し易いとい
う問題点もある。この場合、中子20を中空構造を備え
た通気性素材からなるもの(例えば、レジンサンドを用
いたシェルモールド)とし、その内部空間の開口部を上
記被支持部22の端面に形成することによって、開口部
からガス抜きをするという方法も考えられる。しかし、
このようにすると被支持部22の支持がさらに困難にな
り、鋳型容積もさらに増大する。
0内に溶湯が注入されている過程において発生するガス
が抜けにくいため、鋳造品の表面に巣が発生し易いとい
う問題点もある。この場合、中子20を中空構造を備え
た通気性素材からなるもの(例えば、レジンサンドを用
いたシェルモールド)とし、その内部空間の開口部を上
記被支持部22の端面に形成することによって、開口部
からガス抜きをするという方法も考えられる。しかし、
このようにすると被支持部22の支持がさらに困難にな
り、鋳型容積もさらに増大する。
【0005】そこで、本発明は上記問題点を解決するも
のであり、その課題は、上記のような閉鎖部を備えた鋳
造品の製造に際しても偏肉や巣の発生を防止することが
でき、さらに生産効率を向上させることのできる鋳造品
の製造方法及びこれに用いることのできる新規の中子を
提供することにある。
のであり、その課題は、上記のような閉鎖部を備えた鋳
造品の製造に際しても偏肉や巣の発生を防止することが
でき、さらに生産効率を向上させることのできる鋳造品
の製造方法及びこれに用いることのできる新規の中子を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明が講じた手段は、主型と、該主型内に収容され
た中子とを用いて鋳造する鋳造品の製造方法において、
前記中子には、前記主型に支持される被支持部と、該被
支持部の両側に形成された第1成形部及び第2成形部と
を設け、前記主型は、前記第1成形部及び前記第2成形
部のそれぞれに対応してその周囲に第1成形空間及び第
2成形空間を画成するように構成されており、前記第1
成形空間及び前記第2成形空間の双方に溶湯を導く鋳型
構造を用いることを特徴とする。この手段によれば、中
子の被支持部の両側に第1成形部及び第2成形部を設
け、第1成形部及び第2成形部のそれぞれに対応してそ
の周囲に第1成形空間及び第2成形空間を画成するよう
に構成されているので、中子の被支持部の両側に配置さ
れた第1成形空間及び第2成形空間の内部に溶湯が導か
れていくと、中子は両側から溶湯による応力を受けるた
め、従来のように片側からの応力による傾斜姿勢になり
にくいから、鋳造品の偏肉を低減することができる。ま
た、両側から応力を受けることにより応力が減殺される
ため、被支持部の容積を低減することができるので鋳型
体積を低減でき、さらに、少なくとも2つの鋳造品を同
時に製造できるので、生産性を向上することができる。
に本発明が講じた手段は、主型と、該主型内に収容され
た中子とを用いて鋳造する鋳造品の製造方法において、
前記中子には、前記主型に支持される被支持部と、該被
支持部の両側に形成された第1成形部及び第2成形部と
を設け、前記主型は、前記第1成形部及び前記第2成形
部のそれぞれに対応してその周囲に第1成形空間及び第
2成形空間を画成するように構成されており、前記第1
成形空間及び前記第2成形空間の双方に溶湯を導く鋳型
構造を用いることを特徴とする。この手段によれば、中
子の被支持部の両側に第1成形部及び第2成形部を設
け、第1成形部及び第2成形部のそれぞれに対応してそ
の周囲に第1成形空間及び第2成形空間を画成するよう
に構成されているので、中子の被支持部の両側に配置さ
れた第1成形空間及び第2成形空間の内部に溶湯が導か
れていくと、中子は両側から溶湯による応力を受けるた
め、従来のように片側からの応力による傾斜姿勢になり
にくいから、鋳造品の偏肉を低減することができる。ま
た、両側から応力を受けることにより応力が減殺される
ため、被支持部の容積を低減することができるので鋳型
体積を低減でき、さらに、少なくとも2つの鋳造品を同
時に製造できるので、生産性を向上することができる。
【0007】ここで、前記中子は中空構造を備えた通気
性素材からなり、前記被支持部において内外を連通させ
るガス抜孔を備えていることが好ましい。この手段によ
れば、中子を中空としてガス抜孔によって通気性を有す
る中子の内部に浸透したガスを外部へ放出することがで
きるので、ガス溜まりによる巣の発生を低減できる。こ
の場合に、前記中子は、中空部分の開口部と、該開口部
を閉鎖する蓋部材とを備えていることが、中子製造上望
ましい。また、これらの場合において中子は、レジンサ
ンドを用いたシェルモールド法により製造されたもので
あることが好ましい。
性素材からなり、前記被支持部において内外を連通させ
るガス抜孔を備えていることが好ましい。この手段によ
れば、中子を中空としてガス抜孔によって通気性を有す
る中子の内部に浸透したガスを外部へ放出することがで
きるので、ガス溜まりによる巣の発生を低減できる。こ
の場合に、前記中子は、中空部分の開口部と、該開口部
を閉鎖する蓋部材とを備えていることが、中子製造上望
ましい。また、これらの場合において中子は、レジンサ
ンドを用いたシェルモールド法により製造されたもので
あることが好ましい。
【0008】上記各手段において、前記第1成形空間と
前記第2成形空間とが前記被支持部の両側に略対称に構
成されることが好ましい。この手段によれば、被支持部
の両側に第1成形空間と第2成形空間とが略対称に構成
されることにより、中子が両側から溶湯により受ける応
力をほぼバランスさせることが可能となり、偏肉の発生
をより厳密に抑制し、成形形状の精度を向上させること
ができる。
前記第2成形空間とが前記被支持部の両側に略対称に構
成されることが好ましい。この手段によれば、被支持部
の両側に第1成形空間と第2成形空間とが略対称に構成
されることにより、中子が両側から溶湯により受ける応
力をほぼバランスさせることが可能となり、偏肉の発生
をより厳密に抑制し、成形形状の精度を向上させること
ができる。
【0009】次に、鋳造に用いられる主型内に収容され
る中子において、前記主型に支持される被支持部と、該
被支持部の両側に形成され、鋳造のための表面形状を備
えた第1成形部及び第2成形部とを設けたことを特徴と
する。
る中子において、前記主型に支持される被支持部と、該
被支持部の両側に形成され、鋳造のための表面形状を備
えた第1成形部及び第2成形部とを設けたことを特徴と
する。
【0010】ここで、前記中子は中空構造を備えた通気
性素材からなり、前記被支持部において内外を連通させ
るガス抜孔を備えていることが好ましく、この場合には
さらに、中空部分の開口部と、該開口部を閉鎖する蓋部
材とを備えていることが望ましい。また、これらの場合
において中子は、レジンサンドを用いたシェルモールド
法により製造されたものであることが好ましい。
性素材からなり、前記被支持部において内外を連通させ
るガス抜孔を備えていることが好ましく、この場合には
さらに、中空部分の開口部と、該開口部を閉鎖する蓋部
材とを備えていることが望ましい。また、これらの場合
において中子は、レジンサンドを用いたシェルモールド
法により製造されたものであることが好ましい。
【0011】上記各手段においては、鋳造品が、有蓋筒
状や椀状など、閉鎖部を備えた形状であって、有蓋筒形
状の蓋部分、椀形状の底部分などの閉鎖部に相当する部
分が被支持部から離れた中子の端部にて成形されるよう
に鋳造されることが好ましい。また、中子の被支持部に
は、主型に対して嵌合する凸部若しくは凹部が形成され
ていることが中子の安定性や位置決め精度を高める上で
好ましく、特に、中子の第1成形部と第2成形部との間
において全周に亘り周回状に形成されている(例えば、
環状凸部(フランジ部)或いは環状溝)ことが望まし
い。
状や椀状など、閉鎖部を備えた形状であって、有蓋筒形
状の蓋部分、椀形状の底部分などの閉鎖部に相当する部
分が被支持部から離れた中子の端部にて成形されるよう
に鋳造されることが好ましい。また、中子の被支持部に
は、主型に対して嵌合する凸部若しくは凹部が形成され
ていることが中子の安定性や位置決め精度を高める上で
好ましく、特に、中子の第1成形部と第2成形部との間
において全周に亘り周回状に形成されている(例えば、
環状凸部(フランジ部)或いは環状溝)ことが望まし
い。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、添付図面を参照して本発明
に係る鋳造品の製造方法及びこれに用いる中子の実施形
態について説明する。この実施形態においては砂型鋳造
法を用いる場合について説明する。この実施形態におい
ては、主型40と、その内部に収容される中子50とか
ら構成された鋳型を用いる。主型40は、それぞれ模型
によって成形された砂型からなる上型40Aと下型40
Bとから構成される。中子50は端面が閉塞された中空
円筒状の通気性を備えたシェルモールドであり、その軸
線はほぼ水平に設置される。中子50の軸線方向中央部
には円形のフランジ部51が突出するように形成されて
いる。このフランジ部51の両側には、ほぼ対称に形成
された一対の成形部である第1成形部52及び第2成形
部53が形成されている。
に係る鋳造品の製造方法及びこれに用いる中子の実施形
態について説明する。この実施形態においては砂型鋳造
法を用いる場合について説明する。この実施形態におい
ては、主型40と、その内部に収容される中子50とか
ら構成された鋳型を用いる。主型40は、それぞれ模型
によって成形された砂型からなる上型40Aと下型40
Bとから構成される。中子50は端面が閉塞された中空
円筒状の通気性を備えたシェルモールドであり、その軸
線はほぼ水平に設置される。中子50の軸線方向中央部
には円形のフランジ部51が突出するように形成されて
いる。このフランジ部51の両側には、ほぼ対称に形成
された一対の成形部である第1成形部52及び第2成形
部53が形成されている。
【0013】環状に突出したフランジ部51の上部に
は、ガス抜孔51aが形成され、中子50の内部空間5
0aを外部に連通させている。第1成形部52の端部に
は開口部50bが設けられ、この開口部50bを蓋部材
54が覆っている。この第1成形部52においては、蓋
部材54が装着された状態で第2成形部53と対称形に
なるように設計されている。
は、ガス抜孔51aが形成され、中子50の内部空間5
0aを外部に連通させている。第1成形部52の端部に
は開口部50bが設けられ、この開口部50bを蓋部材
54が覆っている。この第1成形部52においては、蓋
部材54が装着された状態で第2成形部53と対称形に
なるように設計されている。
【0014】主型40は、第1成形部52の周囲に第1
キャビティ61が構成され、第2成形部53の周囲に第
2キャビティ62が構成されるように成形されている。
また、主型40の中央部には、中子50のフランジ部5
1に対応する位置に嵌合溝41が形成され、この嵌合溝
41には、上記ガス抜孔51aに連通する排気孔40a
が形成されている。嵌合溝41の両側には中子50のフ
ランジ部51の両側外周面に当接する円筒支持面42,
43が形成される。中子50におけるフランジ部51及
びその両側の外周面は、主型40によって支持される幅
木部(被支持部)を構成している。主型40の上側40
Aの突き合わせ面及び下型40Bの突き合わせ面にそれ
ぞれ構成された一対の溝によって一対のせきが形成さ
れ、これらのせきは、第1キャビティ61及び第2キャ
ビティ62にそれぞれ開口する導湯口40b,40cを
備えている。
キャビティ61が構成され、第2成形部53の周囲に第
2キャビティ62が構成されるように成形されている。
また、主型40の中央部には、中子50のフランジ部5
1に対応する位置に嵌合溝41が形成され、この嵌合溝
41には、上記ガス抜孔51aに連通する排気孔40a
が形成されている。嵌合溝41の両側には中子50のフ
ランジ部51の両側外周面に当接する円筒支持面42,
43が形成される。中子50におけるフランジ部51及
びその両側の外周面は、主型40によって支持される幅
木部(被支持部)を構成している。主型40の上側40
Aの突き合わせ面及び下型40Bの突き合わせ面にそれ
ぞれ構成された一対の溝によって一対のせきが形成さ
れ、これらのせきは、第1キャビティ61及び第2キャ
ビティ62にそれぞれ開口する導湯口40b,40cを
備えている。
【0015】上記構造の鋳型によって、図示しない湯溜
まり、せきなどを介して導湯口40b、40cから溶湯
が第1キャビティ61及び第2キャビティ62にそれぞ
れ導入され、鋳造が行われ、第1キャビティ61と第2
キャビティ62のそれぞれにおいて椀状の鋳造品(例え
ば、バルブシリンダなど)が成形される。本実施形態の
鋳造方法は、特に、閉鎖部を備えたもの、例えば、有蓋
筒状、椀状の鋳造品に適用させる場合に適している。た
だし、鋳造品としては、全体として有蓋筒状、椀状であ
ればよく、例えば、閉鎖部に貫通孔を鋳造後に形成する
必要のあるものであっても同様に有効である。
まり、せきなどを介して導湯口40b、40cから溶湯
が第1キャビティ61及び第2キャビティ62にそれぞ
れ導入され、鋳造が行われ、第1キャビティ61と第2
キャビティ62のそれぞれにおいて椀状の鋳造品(例え
ば、バルブシリンダなど)が成形される。本実施形態の
鋳造方法は、特に、閉鎖部を備えたもの、例えば、有蓋
筒状、椀状の鋳造品に適用させる場合に適している。た
だし、鋳造品としては、全体として有蓋筒状、椀状であ
ればよく、例えば、閉鎖部に貫通孔を鋳造後に形成する
必要のあるものであっても同様に有効である。
【0016】次に、上記中子50の製造方法について説
明する。中子50は通常シェルモールド法と呼ばれる方
法で形成される。図2に示すように、金属製の模型70
(金型)を予め250〜300℃に加熱しておき、模型
70の開口部70aから内部にレジンサンド(例えば石
炭酸系合成樹脂粉末を3〜7%混合した砂)を吹き込ん
でレジンサンドを模型70の内面に付着、固化させ、そ
の状態で一定時間放置した後、模型70の内部内面に付
着、固化されていない砂を開口部70aから排出する。
その後、全体をさらに加熱してキュアリングを施し、離
型して中子本体50’を取り出す。一方、同様のシェル
モールド法により蓋部材54を作成し、中子本体50’
の開口部50bを覆うように端部に蓋部材54を嵌合さ
せると、図1に示す中子50が完成する。ここで、模型
70に挿入されているピン71は、ガス抜孔51aを形
成するためのものである。
明する。中子50は通常シェルモールド法と呼ばれる方
法で形成される。図2に示すように、金属製の模型70
(金型)を予め250〜300℃に加熱しておき、模型
70の開口部70aから内部にレジンサンド(例えば石
炭酸系合成樹脂粉末を3〜7%混合した砂)を吹き込ん
でレジンサンドを模型70の内面に付着、固化させ、そ
の状態で一定時間放置した後、模型70の内部内面に付
着、固化されていない砂を開口部70aから排出する。
その後、全体をさらに加熱してキュアリングを施し、離
型して中子本体50’を取り出す。一方、同様のシェル
モールド法により蓋部材54を作成し、中子本体50’
の開口部50bを覆うように端部に蓋部材54を嵌合さ
せると、図1に示す中子50が完成する。ここで、模型
70に挿入されているピン71は、ガス抜孔51aを形
成するためのものである。
【0017】なお、図1に示すように、中子50のフラ
ンジ部51の頂面51b及び2つの(両側の)側面51
cは主型40の嵌合溝41にほぼぴったりと嵌合するよ
うに構成されているとともに、頂面51bと側面51c
との間の角部51dは、主型の嵌合溝41の隅部41a
よりも曲率半径の大きな曲面となっており、中子50を
主型40(上型40A及び下型40B)に組み込むとき
に主型の砂を削り、この砂が角部と隅部との間にかみこ
まれることによる中子50の組込ずれの発生を防止して
いる。
ンジ部51の頂面51b及び2つの(両側の)側面51
cは主型40の嵌合溝41にほぼぴったりと嵌合するよ
うに構成されているとともに、頂面51bと側面51c
との間の角部51dは、主型の嵌合溝41の隅部41a
よりも曲率半径の大きな曲面となっており、中子50を
主型40(上型40A及び下型40B)に組み込むとき
に主型の砂を削り、この砂が角部と隅部との間にかみこ
まれることによる中子50の組込ずれの発生を防止して
いる。
【0018】上記実施形態においては、中子50におけ
る中央のフランジ部51及びその両側の外周面によって
幅木部(被支持部)が構成されており、その両側に2つ
の成形部(第1成形部52及び第2成形部53)が設け
られており、主型40は、中子50のフランジ部51及
びその両側の外周面を支持するとともに、2つの成形部
の周囲にそれぞれキャビティ(第1キャビティ61及び
第2キャビティ62)を画成するように構成されている
ため、導湯口40b,40cから溶湯が導入されていく
とき、2つの成形部には両側から溶湯により応力(浮
力)を受けるため、従来のように片側からのみ応力を受
ける場合に較べて中子の姿勢変化が低減されるので、鋳
造品の偏肉が発生し難い。
る中央のフランジ部51及びその両側の外周面によって
幅木部(被支持部)が構成されており、その両側に2つ
の成形部(第1成形部52及び第2成形部53)が設け
られており、主型40は、中子50のフランジ部51及
びその両側の外周面を支持するとともに、2つの成形部
の周囲にそれぞれキャビティ(第1キャビティ61及び
第2キャビティ62)を画成するように構成されている
ため、導湯口40b,40cから溶湯が導入されていく
とき、2つの成形部には両側から溶湯により応力(浮
力)を受けるため、従来のように片側からのみ応力を受
ける場合に較べて中子の姿勢変化が低減されるので、鋳
造品の偏肉が発生し難い。
【0019】また、中子50は通気性を備えているとと
もに中空に形成されているため、第1キャビティ61及
び第2キャビティ62において発生したガスを中子50
の内部に浸透させ、ガス抜孔51aから排出することが
できるので、ガス溜まりによる巣の発生を低減、防止す
ることができる。このとき、ガス抜孔51aに連通する
排気孔40aに排気装置を接続してガスを積極的に吸引
してもよい。
もに中空に形成されているため、第1キャビティ61及
び第2キャビティ62において発生したガスを中子50
の内部に浸透させ、ガス抜孔51aから排出することが
できるので、ガス溜まりによる巣の発生を低減、防止す
ることができる。このとき、ガス抜孔51aに連通する
排気孔40aに排気装置を接続してガスを積極的に吸引
してもよい。
【0020】中子50は、開口部50bを備えた中子本
体50’と蓋部材(キャップ)54とによって構成され
ているので、その中空構造を容易に製造することができ
る。また、中子本体50’の開口部50bに蓋部材54
を装着して一方の成形部(第1成形部52)を構成して
いるので、構造を簡単にすることができる。
体50’と蓋部材(キャップ)54とによって構成され
ているので、その中空構造を容易に製造することができ
る。また、中子本体50’の開口部50bに蓋部材54
を装着して一方の成形部(第1成形部52)を構成して
いるので、構造を簡単にすることができる。
【0021】上記効果は、例えば、図3に示す方法で行
っていた従来において不良品の発生率が50%近くであ
ったのに対し、本実施形態では、殆ど100%に近い良
品率を得ることができたことにより実証されている。ま
た、本実施形態では、一度に一対の鋳造品を製造するこ
とができるため、生産性が著しく向上している。特に、
本実施形態では、中央の幅木に相当するフランジ部51
及びその近傍(被支持部)によって2つの成形部を一度
に位置決め支持することができるので、鋳型における幅
木に相当する部分の占有容積比を大幅に低減できる。こ
のとき、この被支持部の容積は、両成形部のバランスに
よって中子を固定する効果が高められているため、図3
に示す従来方法に用いる中子の幅木よりも小さくするこ
とさえ可能である。
っていた従来において不良品の発生率が50%近くであ
ったのに対し、本実施形態では、殆ど100%に近い良
品率を得ることができたことにより実証されている。ま
た、本実施形態では、一度に一対の鋳造品を製造するこ
とができるため、生産性が著しく向上している。特に、
本実施形態では、中央の幅木に相当するフランジ部51
及びその近傍(被支持部)によって2つの成形部を一度
に位置決め支持することができるので、鋳型における幅
木に相当する部分の占有容積比を大幅に低減できる。こ
のとき、この被支持部の容積は、両成形部のバランスに
よって中子を固定する効果が高められているため、図3
に示す従来方法に用いる中子の幅木よりも小さくするこ
とさえ可能である。
【0022】上記実施形態では、一対の成形部により2
つの鋳造品を製造する例を示しているが、中央の被支持
部の周囲に3つ以上の成形部をほぼ均等に配置し、一度
に3つ以上の鋳造品を製造することも可能である。ま
た、被支持部に凸部であるフランジ部を設けて中子の安
定性及び位置決め精度を高めているが、逆に環状溝など
の凹部を中子に設けてもよい。
つの鋳造品を製造する例を示しているが、中央の被支持
部の周囲に3つ以上の成形部をほぼ均等に配置し、一度
に3つ以上の鋳造品を製造することも可能である。ま
た、被支持部に凸部であるフランジ部を設けて中子の安
定性及び位置決め精度を高めているが、逆に環状溝など
の凹部を中子に設けてもよい。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、中子の被支持部の
両側に第1成形部及び第2成形部を設け、第1成形部及
び第2成形部のそれぞれに対応してその周囲に第1成形
空間及び第2成形空間を画成するように構成されている
ので、中子の被支持部の両側に配置された第1成形空間
及び第2成形空間の内部に溶湯が導かれていくと、中子
は両側から溶湯による応力を受けるため、従来のように
片側からの応力による傾斜姿勢になりにくいから、鋳造
品の偏肉を低減することができる。また、両側から応力
を受けることにより応力が減殺され、被支持部の容積を
低減することができるので鋳型体積を低減でき、さら
に、少なくとも2つの鋳造品を同時に製造できるので、
生産性を向上することができる。
両側に第1成形部及び第2成形部を設け、第1成形部及
び第2成形部のそれぞれに対応してその周囲に第1成形
空間及び第2成形空間を画成するように構成されている
ので、中子の被支持部の両側に配置された第1成形空間
及び第2成形空間の内部に溶湯が導かれていくと、中子
は両側から溶湯による応力を受けるため、従来のように
片側からの応力による傾斜姿勢になりにくいから、鋳造
品の偏肉を低減することができる。また、両側から応力
を受けることにより応力が減殺され、被支持部の容積を
低減することができるので鋳型体積を低減でき、さら
に、少なくとも2つの鋳造品を同時に製造できるので、
生産性を向上することができる。
【図1】本発明に係る鋳造品の製造方法及びこれに用い
る中子の構造の実施形態を示す鋳型の概略断面図であ
る。
る中子の構造の実施形態を示す鋳型の概略断面図であ
る。
【図2】同実施形態の中子の製造法を示す説明図であ
る。
る。
【図3】従来の鋳造品の製造方法を示す鋳型の概略断面
図である。
図である。
40 主型 40A 上型 40B 下型 41 嵌合溝 41a 隅部 50 中子 50a 内部空間 50b 開口部 51 フランジ部 51a ガス抜孔 51b 頂面 51c 側面 51d 角部 52 第1成形部 53 第2成形部 54 蓋部材 61 第1キャビティ(第1成形空間) 62 第2キャビティ(第2成形空間)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22C 9/10,13/08
Claims (6)
- 【請求項1】 主型と、該主型内に収容された中子とを
用いて鋳造する鋳造品の製造方法において、前記中子に
は、前記主型に支持される被支持部と、該被支持部の両
側に形成された第1成形部及び第2成形部とを設け、前
記主型は、前記第1成形部及び前記第2成形部のそれぞ
れに対応してその周囲に第1成形空間及び第2成形空間
を画成するように構成されており、前記第1成形空間及
び前記第2成形空間の双方に溶湯を導く鋳型構造を用い
る方法であって、前記第1成形空間及び前記第2成形空
間によって2つの鋳造品を同時に成形することを特徴と
する鋳造品の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1において、前記中子は中空構造
を備えた通気性素材からなり、前記被支持部において内
外を連通させるガス抜孔を備えていることを特徴とする
鋳造品の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1又は請求項2において、前記第
1成形空間と前記第2成形空間とが前記被支持部の両側
に略対称に構成されることを特徴とする鋳造品の製造方
法。 - 【請求項4】 鋳造に用いられる主型内に収容される中
子において、前記主型に支持される被支持部と、該被支
持部の両側に形成され、鋳造成形のための表面形状を備
えた第1成形部及び第2成形部とを有し、前記被支持部
が前記第1成形部と前記第2成形部との間において全周
に亘り周回状に形成されていることを特徴とする中子。 - 【請求項5】 請求項4において、前記中子は中空構造
を備えた通気性素材からなり、前記被支持部において内
外を連通させるガス抜き孔を備えていることを特徴とす
る中子。 - 【請求項6】 請求項5において、中空部分の開口部
と、該開口部を閉鎖する蓋部材とを備えていることを特
徴とする中子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10140876A JP2992507B2 (ja) | 1998-05-22 | 1998-05-22 | 鋳造品の製造方法及びこれに用いる中子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10140876A JP2992507B2 (ja) | 1998-05-22 | 1998-05-22 | 鋳造品の製造方法及びこれに用いる中子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11333545A JPH11333545A (ja) | 1999-12-07 |
JP2992507B2 true JP2992507B2 (ja) | 1999-12-20 |
Family
ID=15278824
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10140876A Expired - Fee Related JP2992507B2 (ja) | 1998-05-22 | 1998-05-22 | 鋳造品の製造方法及びこれに用いる中子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2992507B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108405809A (zh) * | 2018-04-13 | 2018-08-17 | 洛阳鹏起实业有限公司 | 筒形铸件型芯及使用该筒形铸件型芯的铸造模具 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5708175B2 (ja) * | 2011-04-13 | 2015-04-30 | トヨタ自動車株式会社 | 鋳造金型セット |
CN105436415B (zh) * | 2015-12-02 | 2017-11-14 | 河北欧耐机械模具有限公司 | 散热器铸造砂芯、制芯工艺及散热器的铸造方法 |
CN108326240A (zh) * | 2018-04-10 | 2018-07-27 | 溧阳市联华机械制造有限公司 | 一种空心配重块铸件的平衡砂芯排气结构 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62248537A (ja) * | 1986-04-18 | 1987-10-29 | Honda Motor Co Ltd | ウオ−タジヤケツト用接合シエル中子 |
JPH02118638U (ja) * | 1989-03-09 | 1990-09-25 | ||
JPH02118637U (ja) * | 1989-03-09 | 1990-09-25 | ||
JPH05161957A (ja) * | 1991-12-11 | 1993-06-29 | Aisin Takaoka Ltd | 鋳造方法および鋳型 |
-
1998
- 1998-05-22 JP JP10140876A patent/JP2992507B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN108405809A (zh) * | 2018-04-13 | 2018-08-17 | 洛阳鹏起实业有限公司 | 筒形铸件型芯及使用该筒形铸件型芯的铸造模具 |
CN108405809B (zh) * | 2018-04-13 | 2020-07-24 | 洛阳鹏起实业有限公司 | 筒形铸件型芯及使用该筒形铸件型芯的铸造模具 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11333545A (ja) | 1999-12-07 |
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