JP3583597B2 - 文書処理装置及びそのための記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は日本語ワードプロセッサ等において、文書中に表を作成する作表機能を有する文書処理装置及びそのための記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
文書処理装置において、文書中に表を作成する作表機能を備えたものがある。作表機能では文書中に複数の縦横に並んだ矩形の桝目を作り、その各々の桝目の中で文字列を編集することにより、表内での文字入力を簡単に行うことが可能である。また、桝目と桝目との境は区切り線で仕切られるのが一般的である(特開平5−342199号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
表を作成しようとする場合には、表の縦・横のサイズ、表の縦の段数、横の桁数、各桝の高さ・幅を何らかの方法で指定することにより、操作者が意図する体裁の表を得ることができる。
【0004】
この方法については、従来の技術では大別して2つの方法があり、一方は、図18のステップ101から、ステップ103に例示するように、表示画面上の任意の位置をポインティングデバイスで指定することにより、表の外枠と、区切り線の位置を指示して表を完成させるものである。他方は、図19のステップ201から、ステップ203に例示するように、表の体裁を決定するパラメータを指定するための入力モードに移行して表の体裁を数値で設定し、その結果が画面に反映される方法である。
【0005】
これら2つの方法には、それぞれ利点・欠点があり、すなわち、表示画面上にポインティングデバイスで直に表の体裁を指定する方法では、表を作成しようとする周りの文書の状態、つまり、1行の幅や、行頭、行末から表の端までの距離といった、表とその周りとの、相関関係を画像イメージで直感的に把握しながら表を作成できるという長所の反面、各桝目の幅が揃わなかったりする。あるいは、外枠を先に作成し、区切りを入れて桝目を作っていくと、意図していた桁数が得られず、外枠の大きさあるいは、区切りの位置の修正が必要になる欠点、および、表の桁数、段数が多い場合には、多量の区切り線を作成するために、操作量が大きく、作業効率に劣る欠点がある。
【0006】
また、表の体裁を決定するパラメータを別入力モードで指定する方法では、各桝目の幅や高さや表全体の幅、高さ、桁数、段数などを数値で指定するため、各桝目の幅が揃わない、あるいは、所望の段数、桁数が得られない失敗は起こりにくいが、表を挿入しようとする文書のイメージを見ながら数値項目を設定できないため、また、設定している数値が実際の文書上にどのようにレイアウトされるのかを予測し難いため、できあがった表と周りの文書の相関関係が、意図していたイメージと異なり、修正を繰り返す場合が多いという欠点がある。
【0007】
上述のように、操作者が意図する各桝目の幅、高さの揃った、また、所望の段数、桁数から構成される表を文書中の位置に作成するのは、いずれの方法を用いても、失敗と修正を繰り返しながら行わなければならず、操作量が多くなり、作業効率が悪いという問題点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記課題を解決するためのものであって、文書中の任意の位置に、簡単かつ少ない操作量で、意図する桁数・段数から構成される表を少ない操作量で作成する文書処理装置を提供することを目的とする。
【0009】
また、簡単かつ少ない操作量で、文書中の表の各桝目の幅と高さが揃った状態を維持しながら、表全体の高さと幅を調整するための文書処理装置を提供することを目的とする。
【0010】
更に、表を構成する各々の桝目の大きさの比を変更することなく表全体を拡大・縮小する、あるいは、表中に任意の区切り線の位置を変更して任意の桝目の大きさを変更する操作を、共通性の高い操作手順で処理を行なうことを可能とする文書処理装置を提供することを目的とする。
【0011】
更にまた、表中の任意の区切り線の位置を変更して任意の桝目の大きさを変更する、あるいは、表中の任意の位置に新しく桝目を追加する操作を、共通性の高い操作手順で処理を行なうことを可能とする文書処理装置を提供することを目的とする。
【0012】
更に、表を作成、あるいは表の体裁を変更する際に、変更操作の結果、各桝目の中に入る文字の1行字数、行数、区切り線からの余白がどのように変化するかを、作成、あるいは、変更操作の確定前に操作者に明示することにより、表の外枠線や区切り線の位置を何度も修正する手間を省き、効率的な表の作成、変更を行なえる文書処理装置を提供することを目的とする
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の文書管理装置は、画面表示手段と、画面表示手段の画面上の任意の位置を指定するためのポインティングデバイスと、表データを記憶する記憶手段と、ポインティングデバイスにより指定された開始点を検出するための始点位置指示手段と、検出された開始点と指定手段により指定された位置との距離の横方向成分を表の全幅として決定し、決定された全幅と予め定められた升目の最小横サイズとから表の全幅に応じた表の横方向桁数を決定し、決定した横方向桁数の表データを生成して記憶手段に記憶する表作成手段と、記憶手段に記憶された表データを読出して画面表示手段に表を表示する未確定表形状表示手段とを備えることを特徴とする。
文書処理装置。
【0014】
請求項2記載の文書管理装置は、画面表示手段に表示された表の外枠の幅を変更するための指示を検出するために表の角がポインティングデバイスにより指定されたことを検出する角指定判断手段と、角指定判断手段により角が検出された後、ポインティングデバイスにより指定される位置の移動が検出された場合には、角指定手段により検出された角の位置とポインティングデバイスにより指定されている位置との移動距離を算出し、記憶手段に記憶された表データの全幅と移動距離の横方向成分とから定まる変更前と変更後の拡大あるいは縮小割合に比例して記憶手段に記憶された表データの桝目の各々の幅を拡大または縮小した値に変更する升目サイズ再設定手段とをさらに備えたことを特徴とする。
【0015】
請求項3記載の文書管理装置は、表作成手段は、開始点と前記ポインティングデバイスによりにより指定された位置との距離の縦方向成分を表の全高さとして決定し、決定された全高さと予め定められた升目の最小縦サイズとから表の全高さに応じた表の縦方向桁数を決定し、決定した縦方向桁数の表データを生成し、画面表示手段に表示された表の外枠の高さを変更する指示を検出するために表の角がポインティングデバイスにより指定されたことを検出する角指定判断手段と、角指定判断手段により角が検出された後、ポインティングデバイスにより指定される位置の移動が検出された場合には、角指定手段により検出された角の位置とポインティングデバイスにより指定されている位置との移動距離を算出し、記憶手段に記憶された表データの全高さと移動距離の縦方向成分とから定まる変更前と変更後の拡大あるいは縮小割合に比例して記憶手段に記憶された表の桝目の各々の高さを拡大または縮小した値に変更する升目サイズ再設定手段とをさらに備えたことを特徴とする。
【0016】
請求項4記載の文書管理装置は、ポインティングデバイスにより縦方向の前記表の外枠の辺または区切り線が指示されたことを検出する区切線検出手段と、区切線検出手段により検出された辺または区切り線から升目のサイズまたは位置を変更する升目を抽出し、ポインティングデバイスの移動量を検出し、検出された移動量の横方向成分に基づいて、記憶手段に記憶された表データの抽出した升目の横方向のサイズまたは位置を変更する区切線移動制御手段とをさらに備えたことを特徴とする。
【0017】
請求項5記載の文書管理装置は、ポインティングデバイスにより横方向の表の外枠の辺または区切り線が指示されたことを検出する区切線検出手段と、区切線検出手段により検出された辺または区切り線から升目のサイズまたは位置を変更する升目を抽出し、ポインティングデバイスの移動量を検出し、検出された移動量の縦方向成分に基づいて、記憶手段に記憶された表データの抽出された升目の縦方向のサイズまたは位置を変更する区切線移動制御手段とをさらに備えたことを特徴とする。
【0018】
請求項6記載の文書管理装置は、キーボード上の特定キーの操作を検出する特定キー検出手段と、特定キー検出手段による特定キーの操作が検出されたことを条件に、区切線検出手段により検出された辺または区切り線から位置を変更する升目を抽出し、ポインティングデバイスの移動量を検出し、検出した移動量の横方向成分を升目の横方向のサイズとする新たな升目を記憶手段に記憶された表データに追加し、記憶手段に記憶された表データの抽出された升目の位置を移動量検出手段により検出された移動量の横方向成分だけ移動した位置に変更する区切線複写制御手段とをさらに備えたことを特徴とする。
【0019】
請求項7記載の文書管理装置は、キーボード上の特定キーの操作を検出する特定キー検出手段と、特定キー検出手段による特定キーの操作が検出されたことを条件に、区切線検出手段により検出された辺または区切り線から位置を変更する升目を抽出し、ポインティングデバイスの移動量を検出し、検出した移動量の縦方向成分を升目の縦方向のサイズとする新たな升目を記憶手段に記憶された表データに追加し、記憶手段に記憶された表データの抽出された升目の位置を移動量検出手段により検出された移動量の縦方向成分だけ移動した位置に変更する区切線複写制御手段とをさらに備えたことを特徴とする。
【0020】
請求項8記載の文書処理装置は、文書中に表を作成中に、あるいは、作成した表の体裁を変更中に、表の各桝目の中に、文字の大きさを表す四角形のようなシンボルの行列、あるいは、縦・横桝目のグリッド線を、各桝目の中に、文字が入力されたと仮定した場合の文字がレイアウトされる位置を示す、すなわち、各桝目に入力可能な桝目内の1行字数と、桝目内に入力可能な文字列の行数、さらに、桝目の外周四辺から、文字までの間隔つまり桝目内での余白を図的に示すように表示する特定の規則に従い表示することを特徴とする。
【0021】
請求項9記載の文書管理装置は、画面表示手段と、画面表示手段の画面上の任意の位置を指定するためのポインティングデバイスと、表データを記憶する記憶手段と、ポインティングデバイスにより指定された開始点を検出し、検出された開始点と指定手段により指定された位置との距離の縦方向成分を表の全高さとして決定し、決定された全高さと予め定められた升目の最小縦サイズとから表の全高さに応じた表の縦方向桁数を決定し、決定された縦方向桁数の表データを生成して記憶手段に記憶し、記憶手段に記憶された表データを読出して画面表示手段に表を表示する表作成手段を備えることを特徴とする。
【0022】
請求項10記載の記録媒体は、マウスやペンやタブレット等のポインティングデバイスを有する文書処理装置で実行されるプログラムを記録した記録媒体であって、文書処理装置は、画面表示手段と、画面表示手段の画面上の任意の位置を指定するためのポインティングデバイスと、表データを記憶する記憶手段とを備え、プログラムは、ポインティングデバイスにより指定された開始点を検出するステップと、検出された開始点と指定手段により指定された位置との距離の横方向成分を表の全幅として決定するステップと、決定された全幅と予め定められた升目の最小横サイズとから表の全幅に応じた表の横方向桁数を決定するステップと、決定された横方向桁数の表データを生成して記憶手段に記憶するステップと、記憶手段に記憶された表データを読出して画面表示手段に表を表示するステップとを実行させる。
【0023】
請求項11記載の記録媒体は、マウスやペンやタブレット等のポインティングデバイスを有する文書処理装置で実行されるプログラムを記録した記録媒体であって、文書処理装置は、画面表示手段と、画面表示手段の画面上の任意の位置を指定するためのポインティングデバイスと、表データを記憶する記憶手段とを備え、プログラムは、ポインティングデバイスにより指定された開始点を検出するステップと、検出された開始点と指定手段により指定された位置との距離の縦方向成分を表の全高さとして決定するステップと、決定された全高さと予め定められた升目の最小縦サイズとから表の全高さに応じた表の縦方向桁数を決定するステップと、決定された縦方向桁数の表データを生成して記憶手段に記憶するステップと、記憶手段に記憶された表データを読出して画面表示手段に表を表示するステップとを実行させる。
【0024】
請求項1又は9記載の文書情報処理装置によれば、操作者が、始点位置指示手段を用いて、表の文書への挿入位置を指定した後に、表サイズ指示手段を用いて表のサイズを指定する操作中に、段数・桁数演算手段と未確定表形状表示手段が、作成中の表のイメージを画面上に表示するように作用し、操作者は、表示された表の段数、桁数を確認しながら表のサイズを調整することができ、少ない操作量で、意図した段数、桁数で構成される表を作成することができる。
【0025】
請求項2又は3記載の文書情報処理装置によれば、操作者が表の外枠のサイズを変更する操作を行うと、桝目サイズ再設定手段の作用により、各桝目の幅、高さが比例配分的に変更されるため、少ない操作量で、各桝目の幅、高さが揃った形状の表を作成することができる。
【0026】
請求項4又は5記載の文書情報処理装置によれば、画面上に表示されている表の異なる部分を指定する操作が、表のサイズを変更する操作の開始と、表の任意の区切り線の位置を変更する操作の開始の区別を行うように作用し、操作開始後は、指定した対象を移動するという共通の操作が、表の外枠のサイズの変更、あるいは、表の任意の区切り線の位置を変更する処理を行うように作用するため、操作者が多くの操作手順を覚える必要が無く、かつ、少ない操作手順で、所望の段数、行数から構成され、所望の体裁の表を作成することができる。
【0027】
請求項6又は7記載の文書情報処理装置によれば、画面上に表示されている表の部分を指定する操作に伴い、任意のキーが押下されているか否かによって、表の任意の区切り線の位置を変更する操作の開始と、表の段数、行数を変更する操作の開始の区別を行うように作用し、操作開始後は、指定した対象を移動するという共通の操作が、表の外枠のサイズの変更、あるいは、区切り線を複写することで表の段数・行数の変更処理を行うように作用するため、操作者が多くの操作手順を覚える必要が無く、かつ、少ない操作手順で、所望の段数、行数から構成され、所望の大きさの表を作成することができる。
【0028】
請求項8記載の情報処理装置によれば、表の作成中および変更中に、確定前の表の各桝目の大きさに応じて、文字が入力されたと仮定した文字レイアウトが画面に表示されるように作用する。これにより、操作者は、該文字レイアウトを確認しながら、表を作成、変更することが可能となり、所望の1行字数、行数、余白を持つ桝目から構成される表を効率よく作成することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態の文書処理装置について図面を参照しながら説明する。
【0030】
図1は本発明の一実施の形態の文書処理装置の構成を示すブロック図である。本発明は、キーボード307と、画面表示装置304と、画面上の任意の位置を指示するためのマウス308と、プログラムのコードを記憶し、実行するためのプログラムメモリ302と、データを記憶するためのデータメモリ303と、プログラムおよびデータを記憶するための外部記憶装置306と、外部記憶装置と前述のメモリとの間におけるデータのやり取りを高速に実行することを目的として備えるキャッシュメモリ305と、前述のメモリおよび装置から構成される装置全体を制御するCPU301を備える文書処理装置に適用される。
【0031】
図2はこの文書処理装置における、作表機能の処理に係わる部分を機能的に示すブロック図である。図2において、CRT400は、通常のCRTあるいはLCDを用いた表示装置である。
【0032】
表示制御部401は、カーソル位置レジスタ407の内容、マウスポインタ位置レジスタ406の内容に基づいて文字入力カーソル、マウスポインタをCRT400に表示し、かつ、文書データメモリ412の内容に基づき、文書をCRT400に表示し、さらに、未確定表データ作成プログラム410の指示に基づき、作成あるいは変形中の未確定の表の体裁を表すイメージをCRT400に表示する。キーボード402は、通常の106キーボードのようなキー入力装置で、キー入力制御部403は、キーボード402からの入力を、処理し、文字コード、あるいは、消去、カーソル移動などの編集処理コードを入力・編集制御プログラム408へ渡す。
【0033】
マウス404は、通常の2ボタンマウスのような画面上の任意の点を指示する入力装置で、マウス入力制御部405は、マウスからの入力を処理して、移動量や、ボタンの押下、ボタンの開放等のコードとして、入力・編集制御プログラム408へ渡す。マウスポインタ位置レジスタ406は、マウスポインタを表示すべき画面上の位置を記憶し、この位置は、マウス入力制御部405から送出されるコードを入力・編集制御プログラム408が処理して、マウスポインタの画面上の位置を決定して更新される。
【0034】
カーソル位置レジスタは、文字編集用カーソルを表示すべき文書上の位置を記憶し、この位置は、マウス入力制御部405や、キー入力制御部405から送出されるコードを入力・編集制御プログラム408が処理して、文字入力用カーソルの文書上の位置を決定して更新される。入力・編集制御プログラム408は、文書情報処理装置全体の動作を制御する。すなわち、表の作成あるいは変形処理の起動・終了や、文字の入力や編集、画面の表示更新の判断等を行なう。
【0035】
表作成・変形制御プログラム409は、入力・編集制御プログラム408の指示により、表の作成・変形の、作表に係わる処理を制御するサブプログラムである。未確定表データ作成プログラム410は、作成・変形中の表の体裁を表すイメージを作成するための表の外枠のサイズ、各桝目の位置、サイズ等のデータを作成し、表示用未確定表データメモリ411に渡す。文書データメモリ412は、文書処理装置で作成する文書のデータ、つまり、文書の用紙書式や、文字列や改行コードといった文字データ、文書中の作表データを記憶する。
【0036】
図2において、入力・編集制御プログラム408、表作成・変形制御プログラム409、及び、未確定表データ作成プログラム410の少なくとも1つはプログラムを記録した媒体として構成してもよい。
【0037】
その場合は、記録媒体とは、フロッピー、CD,MD,DVD等の磁気記録媒体,更にICカード等の電気的記録媒体であれば何でもよく、それらは着脱自在なものである。
【0038】
図3は、図2の文書データメモリ411の内容をより詳細に説明するものである。図3において、表外文字列データ500は、作表の内部を除く文書中の文字列や改行等の文字データを記憶する。表位置管理データ501は、文書中に複数存在可能な作表データの文書の中での位置を記憶する。表データ502は、表の枠や桝目の中の文字列を管理するデータ群で、文書中に存在する作表の個数だけ生成される。表サイズデータ503は、表データ502に属し、表の外枠のサイズを記憶する。桝目データ504は、表データ502に属し、表を構成する各桝目の位置やサイズ、桝目の中に属する文字列データを記憶し、表データの中には、桝目の個数分だけ桝目データ504が存在する。
【0039】
桝目サイズ・位置データ505は各々の桝目のサイズと、その桝目が属する表の中での桝目の位置を記憶する。桝目内文字列データ506]は、各々の桝目の中の文字列データを記憶する。桝目内書式データ507は、各々の桝目の中の文字列をレイアウトするための書式、つまり、文字ピッチ、改行ピッチ、文字サイズ等を記憶する。
【0040】
図4は、図2の表作成・変形制御プログラム409の内容をより詳細に説明するものである。図4において、表作成手順制御プログラム601は、表の作成開始から終了までの一連の処理手順を制御する。表拡大・縮小手順制御プログラム602は、表の拡大・縮小の開始から、終了までの一連の処理手順を制御する。区切り線移動手順制御プログラム603は、任意の区切り線の移動の開始から移動の終了までの、一連の処理手順を制御する。
【0041】
区切り線複写手順制御プログラム604は、任意の区切り線の複写の開始から複写の終了までの一連の処理手順を制御する。外枠始点位置指定プログラム605は、表を新規作成する際に、操作者に、表の外枠の角の1点の文書中での位置を、CRT400上で指示するように要求し、指示された位置を文書上での座標として取得するまでの一連の処理を制御する。表サイズ指定プログラム606は、表の外枠のサイズを指定する際に、操作者に、CRT400上で表のサイズを指示するように要求し、指示された位置を文書上の座標でのサイズとして取得するまでの一連の処理を制御する。
【0042】
表サイズ確定プログラム607は、表の外枠のサイズを指定する際に、マウス404の操作により、表のサイズ指定の完了を指示するように要求し、完了した時点での表のサイズを、文書上の座標でのサイズとして取得するまでの一連の処理を制御する。段数・桁数演算プログラム608は、任意の縦・横のサイズの矩形と、桝目のサイズとして設定可能な最小の縦・横サイズの固定データから、表の段数・桁数を演算する処理を行なう。尚、最小の縦・横サイズの固定データは、操作者が任意の値に変更可能であることが望ましい。
【0043】
未確定表形状表示プログラム609は、新規作成あるいは、変形処理中の表の形状を、CRT400に表示する処理を行なう。辺指定判断プログラム610は、操作者が、マウス404を用いて、CRT400に表示されている表の辺を指定する操作を行なったことと、さらに、表のいずれの辺の位置を指定したかを判断する処理を行なう。角指定判断プログラム611は、操作者が、マウス404を用いて、CRT400に表示されている表の外枠の角を指定する操作を行なったことと、さらに、表のいずれの角の位置を指定したかを判断する処理を行なう。変形指示判断プログラム612は、辺指定判断プログラム610か角指定判断プログラム611の処理によって得られた、操作者が指定した表の辺または角の位置により、表全体のサイズの変更を行なうのか、あるいは、表の区切り線の位置の移動の処理を行なうのかを判断する処理を行なう。
【0044】
表拡大・縮小プログラム613は、操作者に、マウス404を用いて、CRT400上を指示することにより、表を拡大・縮小するための操作を要求し、指示されたサイズを取得する処理を行なう。桝目サイズ再設定プログラム614は、表全体の拡大・縮小後の表のサイズが指示された場合に、表を構成する各桝目のサイズをどのように変更するかを演算し、設定し直す処理を行なう。複写指示判断プログラム615は、操作者が、マウス404を用いて、CRT401に表示されている表の外枠の辺、あるいは、区切り線を指定する操作を行なった場合に、その辺を移動するのか、あるいは、複写するのかを判断する処理を行なう。段桁数変更プログラム615は、区切り線の複写に伴い、新規に桝目が生じた際に、表データ504の桝目データを追加することにより、表データ502の更新を行なう処理を行なう。
【0045】
図4において、601から616の各プログラムの少なくとも1つはプログラムを記録した媒体として構成してもよい。その場合は、記録媒体とは、フロッピー、CD,MD,DVD等の磁気記録媒体,更にICカード等の電気的記録媒体であれば何でもよく、それらは着脱自在なものである。
【0046】
次に、以上のように構成したこの実施の形態の動作について説明する。まず、この文書処理装置における作表機能の仕様について説明する。
【0047】
[文書中の作表の挿入位置・文字入力可能範囲の中で、任意の位置に表を挿入可能にする機能]
作表の編集モード:
・文字の編集モード(図5の701)(表の外あるいは表の桝目の中で文字入力や文字編集を行なう)
・外枠の作成モード(図5の702)(作成時に同時に表の段数・桁数を設定する)
・外枠の拡大・縮小モード(図5の703)(表を構成する各々の桝目も同時に拡大・縮小される)
・任意の区切り線の移動モード(図5の704)(移動した区切り線に接する桝目のサイズが変更される)
・任意の区切り線の複写モード(図5の705)(区切り線が増える結果、桝目の個数が増加する)。
【0048】
これらのモードと各モード間の移行の方法を図5に示す。文字の編集モードから、表の新規作成モードへは、操作者が、メニューの「表の作成」を選択することにより移行する(706)。反対に表の新規作成モードから文字の編集モードには、表の位置と段桁数の指定作業の終了を指示するマウスのボタンアップを行なうことで移行する(707)。文字の編集モードから、拡大・縮小モードへは、操作者がマウスポインタを表の左上、右下あるいは左下の角に合わせてマウスのボタンダウンを行なうことにより移行する(708)。反対に表の拡大・縮小モードから文字の編集モードには、操作者が拡大・縮小量の確定を指示するマウスのボタンアップを行なうことで移行する(709)。
【0049】
文字の編集モードから、区切り線の移動モードへは、操作者がマウスポインタを表の外枠の角を除く辺上、あるいは、区切り線の交点を除く線上に合わせてマウスのボタンダウンを行なうことにより移行する(710)。反対に区切り線の移動モードから文字の編集モードには、操作者が移動している辺の移動先の確定を指示するマウスのボタンアップを行なうことで移行する(711)。
【0050】
文字の編集モードから、区切り線の複写モードへは、操作者がマウスポインタを表の外枠の角を除く辺上、あるいは、区切り線の交点を除く線上に合わせて、キーボードのコントロール(Ctrl)キーを押下しながら、マウスのボタンダウンを行なうことにより移行する(712)。反対に区切り線の複写モードから文字の編集モードには、操作者が複写している辺の複写先の確定を指示するマウスのボタンアップを行なうことで移行する(713)。
【0051】
マウスポインタの形状:マウスポインタの位置により、マウスポインタの形状が変化して、可能な編集の種類を操作者に示唆する。マウスポインタの形状の種類は以下の通り。
【0052】
・文字入力カーソルの移動が可能な状態(図6の801)
・表の外枠の作成が可能な状態(図6の802)
・表の区切り線の移動が可能な状態(図6の803、図6の804)
・表の区切り線の複写が可能な状態(図6の805、図6の806)
・表の拡大・縮小が可能な状態(図6の807、図6の808、図6の809)。
【0053】
[第1実施の形態]
文書中に表を作成する際の仕様に、本発明の請求項1又は9を適用した場合の実施の形態を図7、図8を参照して説明する。
【0054】
図7は、当文書情報処理装置のキー入力、マウス入力、画面表示を処理するための入力・編集制御プログラムの動作の流れ図である。この流れ図に示す制御を行なうためのプログラムは図2の入力・編集手順制御プログラム408に格納されている。
【0055】
図7において、ステップ902から903の処理で、操作者が、当文書情報処理装置のメニュー等により、表の作成を指示した場合、まず、ステップ907で、マウスポインタの形状を図8の802に示す表作成用形状に変更し、次に、ステップ908の表の新規作成手順制御プログラムが起動される。
【0056】
図8は、当文書情報処理装置の表を新規に作成する際のキー入力、マウス入力、画面表示を処理するための表作成手順制御プログラムの動作の流れ図であり、図9のステップ908を詳しく説明するものである。この流れ図に示す制御を行なうためのプログラムは図4の表作成手順制御プログラム601に格納されている。
【0057】
新規作成モードに移行すると、図8のステップ1002から1005で、外枠始点位置指定プログラム(図4の605)の作用により、マウス(図1の308)の移動操作でマウスポインタを移動させて、表示の開始点を指示することを操作者に要求する。ステップ1005で、マウス(図2の404)のボタンダウンが確認された場合には、表示の開始位置が確定される。
【0058】
次に、ステップ1006から1011で、表サイズ指定プログラム(図4の606)の作用により、マウス(図2の404)のボタンをダウンしたまま移動して、表のサイズを指示することを操作者に要求する。この際、マウスの移動が行われる度に、操作者が作成しようとしている表のイメージをCRT(図2の400)に表示する。すなわち、ステップ1006、1007で、マウスの移動を確認すると、表作成手順制御プログラム(図4の601)は、表の開始点と、現マウスポインタの位置との距離の横方向成分、縦方向成分を計算し、段数・桁数演算プログラム(図4の608)の作用により、現マウスポインタ位置で、操作者が表のサイズを確定した場合の表の段数、桁数を求め、ステップ1010と1011で、未確定表形状表示プログラム(図4の609)の作用により、CRT(図2の400)に未確定の表を表示する。
【0059】
ここで、段数・桁数演算プログラム(図4の608)は、表の横サイズに対して、桝目の最小横サイズの固定値がいくつ入るかを計算し、縦方向に対しても同様の計算を行なうように作用する。例えば、作成中の表の縦×横のサイズが、70mm×90mmで、桝目の最小縦×横サイズが、20mm×20mmの固定値の場合、段・桁数はそれぞれ、3段・4桁となる。また、未確定表形状表示プログラム(図6−609)は、段数・桁数演算プログラム(図4の608)で得た段数・桁数で構成される表よりもはみ出している部分については、区切り線は表示せず、外枠のみを表示するように作用する。
【0060】
図12は、未確定の表を画面表示している例である。ステップ1007とステップ1012で、マウス(図2の404)の移動ではなく、マウスのボタンアップの操作を確認すると、ステップ1013で、表のサイズと、段・桁数が同時に確定される。この際、表サイズ確定プログラム(図4の607)の作用により、作成した表の位置を表位置管理データ(図3の501)に記憶し、更に、表の縦横サイズと各桝目サイズ・位置をそれぞれ、表サイズデータ(図3の503)、桝目サイズ・位置データ(図3の505)に記憶し、桝目内文字列データ(図3の506)には、桝目内文字の終了コードのみを記憶し、桝目内書式データ(図3の507)には、固定値のデフォルト書式を示す書式データを記憶する。
【0061】
ステップ1014で、確定した表をCRT(図2の400)に表示し、表の新規作成処理を終了する。以上で説明した表の新規作成終了時の表の画面表示の例を図13に示す。
【0062】
[第2の実施の形態]
文書中に作成した表を拡大・縮小する際の仕様に、本発明の請求項2又は3を適用した場合の実施例を図7、図9を参照して説明する。
【0063】
図7において、ステップ909で、マウスボタンがダウンされると、ステップ910で、角指定判断プログラム(図4の611)の作用により、マウスポインタが表の外枠の角の上にあるか否かを判断し、角の上にある際には、ステップ916の表の拡大・縮小の処理プログラムが起動される。
【0064】
図9は、当文書情報処理装置の表を拡大・縮小する際のキー入力、マウス入力、画面表示を処理するための表拡大・縮小手順制御プログラムの動作の流れ図であり、図7のステップ916を詳しく説明するものである。この流れ図に示す制御を行なうためのプログラムは図4の表拡大・縮小手順制御プログラム602に格納されている。
【0065】
図9において、ステップ1101の表の拡大・縮小開始のステップでは、既にマウスのボタンはダウンされたままの状態である。この時点での画面表示を図13に示す。この表拡大・縮小手順制御プログラムは、操作者のマウスのボタンアップの操作により終了する。まず、ステップ1102で操作者のマウス入力を受け付け、ステップ1103で、マウスの移動を確認した場合、ステップ1104からステップ1107の表の拡大・縮小処理を行なう。
【0066】
ステップ1104では、表拡大・縮小手順制御プログラム(図4の602)の作用により、マウスダウンされた位置と、現マウスポインタの位置との距離の横方向成分、縦方向成分を計算し、それぞれの値を、元の表の横・縦サイズからの、増分とし、さらに、ステップ1105で、桝目サイズ再設定プログラム(図4の614)の作用により、表の元のサイズと、増分を加えた表のサイズの比で、各桝目のサイズを更新し、表の左上端を原点とする各桝目の相対位置を更新する。さらに、ステップ1106と1107で、操作者が現マウスポインタの位置で、表のサイズを確定した場合の表のイメージを、未確定表形状表示プログラム(図4の609)の作用により、CRT(図2の400)に表示する。
【0067】
図14のステップ1602は、操作者が表を拡大・縮小中に、ステップ1107で表示される画面表示である。ステップ1103とステップ1108で、マウスのボタンアップが確認された場合には、ステップ1109からステップ1112で、表の拡大・縮小の確定の処理を行なう。まず、ステップ1109とステップ1110で、表の縦横サイズと各桝目サイズ・位置をそれぞれ、表サイズデータ(図3の503)、桝目サイズ・位置データ(図3の505)に記憶する。次に、ステップ1111で、確定した表を、CRT(図2の400)に表示して、表拡大・縮小処理を終了する。表の拡大・縮小処理終了時の表の画面表示の例を図14のステップ1603に示す。
【0068】
[第3の実施の形態]
文書中に作成した表の区切り線の位置を変更する際の仕様に、本発明の請求項4又は5を適用した場合の実施例を図7、図10を参照して説明する。
【0069】
図7において、ステップ909で、マウスボタンがダウンされると、ステップ911で、辺指定判断プログラム(図4の610)の作用により、マウスポインタが表の外枠の辺(角は除く)の上、または、区切り線の辺の上にあるか否かを判断し、外枠の辺上か区切り線の辺上にある際には、ステップ914の区切り線の移動処理プログラムが起動される。
【0070】
図10は、当文書情報処理装置の表の区切り線を移動する際のキー入力、マウス入力、画面表示を処理するための区切り線移動手順制御プログラムの動作の流れ図であり、図7のステップ914を詳しく説明するものである。この流れ図に示す制御を行なうためのプログラムは図4の区切り線移動手順制御プログラム603に格納されている。
【0071】
図10において、ステップ1201の表の区切り線の移動開始のステップでは、既にマウスのボタンはダウンされたままの状態である。この時点での画面表示を図14のステップ1601に示す。この区切り線の移動制御プログラムは、操作者のマウスのボタンアップの操作により終了する。まず、ステップ1202で、表の中の桝目のうち、区切り線の移動の結果、桝目のサイズあるいは位置が変更される桝目を抽出する。
【0072】
図14のステップ1601の例では、マウスポインタが接している縦区切り線が、移動の対象となっており、区切り線を移動すると、桝目12、22、32の横幅と、桝目13、23、33の表内での位置が変更の対象となる。次にステップ1203で、操作者のマウス入力を受け付け、ステップ1204で、マウスの移動を確認した場合、ステップ1205からステップ1207の区切り線の移動処理を行なう。まず、ステップ1205で、ステップ1203において抽出した桝目12、22、32の横幅をマウスの移動量の横方向成分を加算することにより修正し、さらに、桝目13、23、33の表内での位置をマウスの移動量の横方向成分の量だけ移動する。さらに、ステップ1206とステップ1207で、ステップ1205にて修正した表の未確定イメージを画面表示に表示する。
【0073】
この時点での表の画面表示の例を図14のステップ1602に示す。ステップ1204とステップ1208で、マウスのボタンアップが確認された場合には、ステップ1209からステップ1212で、表の区切り線の移動の確定の処理を行なう。まず、ステップ1209とステップ1210で、表の縦横サイズと各桝目サイズ・位置をそれぞれ、表サイズデータ(図3の503)、桝目サイズ・位置データ(図3の505)に記憶する。次に、ステップ1212で、確定した表を、CRT(図4−400)に表示して、区切り線の移動を終了する。処理終了時の表の画面表示の例を図14のステップ1603に示す。
【0074】
[第4の実施の形態]
文書中に作成した表の区切り線を複写することにより表の桝目の数を増やす際の仕様に、本発明の請求項6又は7を適用した場合の実施例を図7、図11を参照して説明する。
【0075】
図7において、ステップ909で、マウスボタンがダウンされると、ステップ911で、辺指定判断プログラム(図4の610)の作用により、マウスポインタが表の外枠の辺(角は除く)の上、または、区切り線の辺の上にあるか否かを判断し、外枠の辺上か区切り線の辺上にある際には、さらに、ステップ913で、複写指示判断プログラム(図4の615)の作用により、キーボードのCtrlキーを併用しているか否かを判断し、併用していることが確認された場合には、ステップ915の区切り線の複写処理プログラムが起動される。
【0076】
図11は、当文書情報処理装置の表の区切り線を複写する際のキー入力、マウス入力、画面表示を処理するための区切り線複写手順制御プログラムの動作の流れ図であり、図7のステップ915を詳しく説明するものである。この流れ図に示す制御を行なうためのプログラムは図4の区切り線複写手順制御プログラム604に格納されている。
【0077】
図11において、ステップ1301の表の区切り線の移動開始のステップでは、既にマウスのボタンはダウンされたままの状態である。この時点での画面表示を図15のステップ1701に示す。この区切り線の複写制御プログラムは、操作者のマウスのボタンアップの操作により終了する。まず、ステップ1302で、表の中の桝目のうち、区切り線の移動の結果、桝目の位置が変更される桝目を抽出する。
【0078】
図15の例では、マウスポインタが接している縦区切り線が、複写の対象となるので、区切り線を複写すると、桝目13、23、33の表内での位置が変更の対象となり、2列目の桝目12、22、32と、3列目の桝目13、23、33の間に新規の桝目を生成することになる。次にステップ1303で、操作者のマウス入力を受け付け、ステップ1304で、マウスの移動を確認した場合、ステップ1305からステップ1308の区切り線の複写処理を行なう。まず、ステップ1305で、マウスの移動量の横方向成分の幅を持つ桝目41、42、43を追加する。
【0079】
この際、段桁数変更プログラム(図4の616)は、区切り線の複写処理を行なっている表データ(図3の502)に新規に追加される、桝目データ(図3の504)を追加するように作用する。なお、この処理は、マウスの最初の移動時のみ行われる。
【0080】
次に、図11において、ステップ1306で、ステップ1302において抽出した桝目13、23、33の表内での位置をマウスの移動量の横方向成分の量だけ移動する。さらに、ステップ1307とステップ1308で、ステップ1305、1306にて修正した表の未確定イメージを画面表示に表示する。この時点での表の画面表示の例を図15のステップ1702に示す。ステップ1304とステップ1309で、マウスのボタンアップが確認された場合には、ステップ1310からステップ1314で、表の区切り線の複写の確定の処理を行なう。
【0081】
まず、図11において、ステップ1310で、表のサイズを表サイズデータ(図3の503)に記憶する。次にステップ1311で、新しく追加された桝目の位置とサイズを、桝目サイズ・位置データ(図3の505)に記憶する。次に、ステップ1312で、位置が変更された桝目の位置を桝目サイズ・位置データ(図3の505)に記憶する。次に、ステップ1313で、確定した表を、CRT(図2の400)に表示して、区切り線の移動を終了する。表の区切り線複写処理終了時の表の画面表示の例を図15のステップ1703に示す。
【0082】
[第5の実施の形態]
表を新規作成、あるいは、既存の表の拡大・縮小、あるいは、既存の表の区切り線の移動・複写の表の編集を行なう場合のマウスのボタンをダウンしてから、アップするまでのマウスの移動操作中に、画面に表示する未確定表イメージの表示の仕様に、本発明の請求項8を適用した場合の実施例を図16、図17を参照して説明する。
【0083】
図17は、未確定表イメージの中に付加して表示される、文字が入力されたと仮定した文字イメージと、桝目の中に文字イメージを配置する際に必要となるパラメータを説明するものである。
【0084】
図17では、外枠は、編集中の表の外枠のサイズを実線の矩形で表す。横区切り線は、外枠を分割して桝目の行を構成するための横区切り線を実線で表す。縦区切り線は、外枠を分割して桝目の列を構成するための縦区切り線を実線で表す。また、文字イメージは、編集中の表の桝目の中に、文字が入力されたと仮定して、文字が配置される位置を文字の縦横の大きさを縦横の大きさとする破線の矩形で表す。
【0085】
FHとFWは、それぞれ、桝目内に入力される文字の高さと幅を表す。通常、FHとFWは同一の値を取る。Wは桝目の幅、Hは桝目の高さ、LMは、桝目内行頭文字の左端と、桝目の左側に縦区切り線の間隔、つまり、桝目内左余白を表し、RMは桝目内行末文字の右端と、桝目の右側の縦区切り線に間隔、つまり、桝目内右余白を表す。TMは、桝目内1行目の文字の上端から、桝目の上側の区切り線との間隔、つまり、桝目内上余白を表し、BMは、桝目内最終行の文字の下端から、桝目の下側の区切り線との間隔、つまり、桝目内下余白を表す。
【0086】
CPは、桝目内に入力される文字のピッチ、LPは桝目内に入力される文字の改行ピッチを表す。FH、FW、CP、LPは、桝目内の書式データに保持されている値である。また、入力する文字のフォントセットがプロポーショナル・スペースフォントの場合には、文字幅FWと文字ピッチCPは文字により変化し一定ではないが、その場合には、フォントセットの平均文字幅をWの値として、また、平均文字ピッチをCPの値として採用する。
【0087】
次に、前述のパラメータの値をどのように決定するかについて説明する。FH、FW、CP、LPについては、桝目内書式データから取得する値である。また、W、Hはマウスのドラッグ中にマウスの移動量に応じて決定される値である。文字イメージをレイアウトするのに必要な、LM、RM、TM、BMは、以下の計算式により求める。
【0088】
ステップ1 桝目内1行字数NCを求める。
NC=(W+CP−FW)/CP ただし小数点以下切り捨て
ステップ2 LM、RMを求める。
LM=RM=(W−(NC×CP−(CP−FW)))/2
ステップ3 桝目内行数NLを求める。
NL=(H+LP−FH)/LP ただし小数点以下切り捨て
ステップ4 TM、BMを求める。
TM=BM=(H−(NL×LP−(LP−FH)))/2
以上で、文字イメージを配置するためのすべてのパラメータが決定され、表の縦・横サイズの各桝目の位置とサイズおよび、桝目内の文字の書式データが与えられた時に、図16に示すようなレイアウトイメージを表示することが可能になる。
【0089】
請求項8の実施の形態では、表の新規作成処理における図8のステップ1010、および、表の拡大・縮小処理における図9のステップ1106、1107、および、表の区切り線の移動処理における図10のステップ1206、1207、および、表の区切り線の複写処理における図11のステップ1307、1308の未確定の表のイメージの画面表示に適用することができる。
【0090】
図17は、表の拡大・縮小の処理中の画面表示において、請求項8を実施した場合の画面表示を示したものである。ステップ1901は表の拡大処理開始時点での画面イメージで、各桝目の1行字数は2文字、枠内行数は2行、さらに、上下左右余白は0であることを表示している。ステップ1902は、マウスポインタを右下方向に移動した状態で、桝目の横サイズの拡大により、各桝目の1行字数が3文字に増加すること、桝目の縦サイズの拡大により、桝目内で上下余白が0よりも大きい値に設定されることを表示している。さらに、ステップ1903は、マウスポインタをさらに、右下方向に移動した状態で、ステップ1902の状態よりも、桝目の横サイズの拡大により、桝目内で左右余白が0よりも大きい値に設定されることを表示している。ステップ1904は、操作者がマウスボタンをアップした時点での表示で、表のサイズは確定し、文字のイメージ表示は削除される。
【0091】
その他、本発明は上記しかつ図面に示した実施の形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変形して実施できることは勿論である。
【0092】
【発明の効果】
請求項1又は9記載の文書処理装置においては、文書中の任意の位置の、表の開始点にマウスポインタを合わせて、マウスのボタンをダウンし、マウスを移動し、マウスのボタンをアップするという簡単かつ少ない操作量で、操作者が意図する桁数、段数で構成される表を作成することができる。
【0093】
請求項2又は3記載の文書処理装置においては、文書中に存在する表の角にマウスポインタを合わせて、マウスのボタンをダウンし、マウスを移動し、マウスのボタンをアップするという簡単かつ少ない操作量で、各桝目の大きさが揃った状態を維持しながら、操作者が意図する横サイズ、縦サイズの表を作成することができる。実施例1で説明した表の新規作成の手順と合わせて実施すれば、表の新規作成直後には、マウスポインタは、表に右下の角に存在するので、表の新規作成の直後に、表のサイズの拡大処理を行なえば、操作者は、文書中の意図した位置に、意図した桁数・段数で構成され、各桝目の大きさが揃った表を、極めて少ない操作量で、作成することができる。
【0094】
請求項4又は5記載の文書処理装置においては、表の新規作成、表の拡大・縮小処理と同様に、マウスのボタンをダウンし、マウスポインタを移動し、マウスのボタンをアップする操作で、文書中に存在する表の区切り線の位置を変更することが可能なため、操作者は、表の新規作成、表の拡大・縮小に引き続き、任意の区切り線の位置の修正を簡易に行なうことができる。
【0095】
請求項6又は7記載の文書処理装置においては、表の新規作成、表の拡大・縮小処理、区切り線の移動と同様に、マウスのボタンをダウンし、マウスポインタを移動し、マウスのボタンをアップ操作で、文書中に存在する表の区切り線を複写することが可能なため、操作者は、表にあらたに桝目を追加する際に、「桝目の追加」のような特別な操作を行なうことなく、簡易に桝目の追加処理を行なうことができる。
【0096】
請求項8記載の文書処理装置においては、表の新規作成、表の拡大・縮小処理、区切り線の移動、および区切り線の複写の処理を行なう際に、操作者は表の変形処理の確定前に、各桝目に入力可能となる文字の1行字数、行数、区切り線との余白といった文字のレイアウトを確認することが可能で、効率よく意図した形状の表を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する文書処理装置のハードウェア構成である。
【図2】本発明を実現するための機能別ブロック図である。
【図3】文書データメモリの構成図である。
【図4】表の作成・変形プログラムの構成図である。
【図5】本発明を実施する文書情報処理装置の編集モード説明図である。
【図6】本発明を実施する文書情報処理装置のマウスポインタ形状説明図である。
【図7】本発明を実施する入力・編集制御の流れ図である。
【図8】本発明を実施する表の作成手順制御の流れ図である。
【図9】本発明を実施する表の拡大・縮小手順制御の流れ図である。
【図10】本発明を実施する表の区切り線の移動手順制御の流れ図である。
【図11】本発明を実施する表の区切り線の複写手順制御の流れ図である。
【図12】本発明を実施した表の新規作成時の画面である。
【図13】本発明を実施した表の拡大・縮小時の画面である。
【図14】本発明を実施した表の区切り線移動時の画面である。
【図15】本発明を実施した表の区切り線複写時の画面である。
【図16】本発明を実施するための文字レイアウト説明図である。
【図17】本発明を実施した表の拡大・縮小時の画面である。
【図18】従来の表の作成手順の例1である。
【図19】従来の表の作成手順の例2である。
【符号の説明】
301 CPU
302 プログラムメモリ
303 データメモリ
304 画面表示装置
305 キャッシュメモリ
306 外部記憶装置
307 キーボード
308 マウス
Claims (11)
- 画面表示手段と、
前記画面表示手段の画面上の任意の位置を指定するためのポインティングデバイスと、
表データを記憶する記憶手段と、
前記ポインティングデバイスにより指定された開始点を検出するための始点位置指示手段と、
前記検出された開始点と前記ポインティングデバイスにより指定された位置との距離の横方向成分を表の全幅として決定し、前記決定された全幅と予め定められた升目の最小横サイズとから表の全幅に応じた表の横方向桁数を決定し、前記決定した横方向桁数の表データを生成して前記記憶手段に記憶する表作成手段と、
前記記憶手段に記憶された表データを読出して前記画面表示手段に表を表示する未確定表形状表示手段とを備えることを特徴とする文書処理装置。 - 前記画面表示手段に表示された表の外枠の幅を変更するための指示を検出するために前記表の角が前記ポインティングデバイスにより指定されたことを検出する角指定判断手段と、
前記角指定判断手段により角が検出された後、前記ポインティングデバイスにより指定される位置の移動が検出された場合には、前記角指定手段により検出された角の位置と前記ポインティングデバイスにより指定されている位置との移動距離を算出し、前記記憶手段に記憶された前記表データの全幅と前記移動距離の横方向成分とから定まる変更前と変更後の拡大あるいは縮小割合に比例して前記記憶手段に記憶された表データの桝目の各々の幅を拡大または縮小した値に変更する升目サイズ再設定手段とをさらに備えたことを特徴とする請求項1の文書処理装置。 - 前記表作成手段は、前記開始点と前記ポインティングデバイスによりにより指定された位置との距離の縦方向成分を表の全高さとして決定し、前記決定された全高さと予め定められた升目の最小縦サイズとから表の全高さに応じた表の縦方向桁数を決定し、前記決定した縦方向桁数の表データを生成し、
前記画面表示手段に表示された表の外枠の高さを変更する指示を検出するために前記表の角が前記ポインティングデバイスにより指定されたことを検出する角指定判断手段と、
前記角指定判断手段により角が検出された後、前記ポインティングデバイスにより指定される位置の移動が検出された場合には、前記角指定手段により検出された角の位置と前記ポインティングデバイスにより指定されている位置との移動距離を算出し、前記記憶手段に記憶された前記表データの全高さと前記移動距離の縦方向成分とから定まる変更前と変更後の拡大あるいは縮小割合に比例して前記記憶手段に記憶された表の桝目の各々の高さを拡大または縮小した値に変更する升目サイズ再設定手段とをさらに備えたことを特徴とする請求項1の文書処理装置。 - 前記ポインティングデバイスにより縦方向の前記表の外枠の辺または区切り線が指示されたことを検出する区切線検出手段と、
前記区切線検出手段により検出された辺または区切り線から升目のサイズまたは位置を変更する升目を抽出し、前記ポインティングデバイスの移動量を検出し、前記検出された移動量の横方向成分に基づいて、前記記憶手段に記憶された表データの前記抽出した升目の横方向のサイズまたは位置を変更する区切線移動制御手段とをさらに備えた請求項2または3記載の文書処理装置。 - 前記ポインティングデバイスにより横方向の前記表の外枠の辺または区切り線が指示されたことを検出する区切線検出手段と、
前記区切線検出手段により検出された辺または区切り線から升目のサイズまたは位置を変更する升目を抽出し、前記ポインティングデバイスの移動量を検出し、前記検出された移動量の縦方向成分に基づいて、前記記憶手段に記憶された表データの前記抽出された升目の縦方向のサイズまたは位置を変更する区切線移動制御手段とをさらに備えた、請求項2または3記載の文書処理装置。 - キーボード上の特定キーの操作を検出する特定キー検出手段と、
前記特定キー検出手段による特定キーの操作が検出されたことを条件に、前記区切線検出手段により検出された辺または区切り線から位置を変更する升目を抽出し、前記ポインティングデバイスの移動量を検出し、前記検出した移動量の横方向成分を升目の横方向のサイズとする新たな升目を前記記憶手段に記憶された表データに追加し、前記記憶手段に記憶された表データの前記抽出された升目の位置を前記移動量検出手段により検出された移動量の横方向成分だけ移動した位置に変更する区切線複写制御手段とをさらに備えた、請求項4記載の文書処理装置。 - キーボード上の特定キーの操作を検出する特定キー検出手段と、
前記特定キー検出手段による特定キーの操作が検出されたことを条件に、前記区切線検出手段により検出された辺または区切り線から位置を変更する升目を抽出し、前記ポインティングデバイスの移動量を検出し、前記検出した移動量の縦方向成分を升目の縦方向のサイズとする新たな升目を前記記憶手段に記憶された表データに追加し、前記記憶手段に記憶された表データの前記抽出された升目の位置を前記移動量検出手段により検出された移動量の縦方向成分だけ移動した位置に変更する区切線複写制御手段とをさらに備えた、請求項5記載の文書処理装置。 - 文書中に表を作成中に、あるいは、作成した表の体裁を変更中に、表示する表の各桝目の中に、文字の大きさを表す四角形のようなシンボルの行列、あるいは、縦・横桝目のグリッド線を、各桝目の中に、文字が入力されたと仮定した場合の文字がレイアウトされる位置を示す、すなわち、各桝目に入力可能な桝目内の1行字数と、桝目内に入力可能な文字列の行数、さらに、桝目の外周四辺から、文字までの間隔つまり桝目内での余白を図的に示すように特定の規則に従い表示する表示制御手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の文書処理装置。
- 画面表示手段と、
前記画面表示手段の画面上の任意の位置を指定するためのポインティングデバイスと、
表データを記憶する記憶手段と、
前記ポインティングデバイスにより指定された開始点を検出し、前記検出された開始点と前記指定手段により指定された位置との距離の縦方向成分を表の全高さとして決定し、前記決定された全高さと予め定められた升目の最小縦サイズとから表の全高さに応じた表の縦方向桁数を決定し、前記決定された縦方向桁数の表データを生成して前記記憶手段に記憶し、前記記憶手段に記憶された表データを読出して前記画面表示手段に表を表示する表作成手段を備えることを特徴とする文書処理装置。 - マウスやペンやタブレット等のポインティングデバイスを有する文書処理装置で実行されるプログラムを記録した記録媒体であって、
前記文書処理装置は、画面表示手段と、
前記画面表示手段の画面上の任意の位置を指定するためのポインティングデバイスと、
表データを記憶する記憶手段とを備え、
前記プログラムは、
前記ポインティングデバイスにより指定された開始点を検出するステップと、
前記検出された開始点と前記指定手段により指定された位置との距離の横方向成分を表の全幅として決定するステップと、
前記決定された全幅と予め定められた升目の最小横サイズとから表の全幅に応じた表の横方向桁数を決定するステップと、
前記決定された横方向桁数の表データを生成して前記記憶手段に記憶するステップと、
前記記憶手段に記憶された表データを読出して前記画面表示手段に表を表示するステップとを実行させる、プログラムを記録した記録媒体。 - マウスやペンやタブレット等のポインティングデバイスを有する文書処理装置で実行されるプログラムを記録した記録媒体であって、
前記文書処理装置は、画面表示手段と、
前記画面表示手段の画面上の任意の位置を指定するためのポインティングデバイスと、
表データを記憶する記憶手段とを備え、
前記プログラムは、
前記ポインティングデバイスにより指定された開始点を検出するステップと、
前記検出された開始点と前記指定手段により指定された位置との距離の縦方向成分を表の全高さとして決定するステップと、
前記決定された全高さと予め定められた升目の最小縦サイズとから表の全高さに応じた表の縦方向桁数を決定するステップと、
前記決定された縦方向桁数の表データを生成して前記記憶手段に記憶するステップと、
前記記憶手段に記憶された表データを読出して前記画面表示手段に表を表示するステップとを実行させる、プログラムを記録した記録媒体。
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JP28538397A JP3583597B2 (ja) | 1997-10-17 | 1997-10-17 | 文書処理装置及びそのための記録媒体 |
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