JP3583510B2 - 検査番号設定システム及び検査番号設定方法 - Google Patents

検査番号設定システム及び検査番号設定方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この本発明は、血液、血漿、血清などの検体中の成分を検査するため、検体に検査室単位の検査番号及び検査項目単位の検査番号を設定する検査番号設定システム及び検査番号設定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
各医療機関で採取された血液、血漿、血清などの検体は、検体原容器(一般には直径10mm〜16mmまでの試験管状の容器)に入れられ、検体を識別するための検体番号(ID−0)を表示したラベルが貼られ検体検査所に送られる。一方、検査項目等が記入されている検体検査依頼書も検体検査所に送付され、記入されている検査指示情報がホストコンピュータに入力される。
【0003】
ホストコンピュータは、検体の検査指示情報に応じて検体に検査室単位の検査番号(ID−1)及び検査項目単位の検査番号即ち、検査項目番号(ID−3)を設定し、検体番号、検査番号及び検査項目番号からなる検査番号ラベルを出力する。また、検体をセットする検体容器用ラック上の各検体の位置情報を計算して記憶した後、検体位置情報及び検査番号等からなる各検体の検査指示書を出力する。上述の検査番号ラベルは、作業者によってそのラベルに表示されている検体番号が付されている検体の容器に貼り付けられる。
【0004】
ここで、まず作業者は、検体を検査室単位、即ち検査番号(ID−1)に基づき、各検査室に搬入される検体毎に仕分けする。この仕分けされた検体が各検査室に搬入されると、検査室に於て作業者は、検体を検査項目単位、即ち検査項目単位の検査項目番号(ID−3)に基づき、各検査項目を実施する検体毎に仕分けする。
その後この検査項目単位で仕分けされた検体は、この検体の容器に付されている検査番号順に検体位置情報にあわせて検体容器用ラックに整列させる。
【0005】
この検体を分類整列させた検体容器用ラックは、作業者によって精密分注機にセットされる。精密分注機は、ホストコンピューター等より受け取った検査番号や検体位置情報に基づき検体の分注作業を行ない、また、検体位置情報を記憶している自動分析機等により検査を行なう。
【0006】
この検査結果は、検査項目番号(ID−3)を用いて自動分析機等からこの自動分析機等を管理する検査ホストコンピュータに送信され、検査番号(ID−1)、検体の受付日付及び病院コードを用いて基幹ホストコンピュータに送信され、ホストコンピュータで受信された検体の検査結果は、報告書として出力され検査発注者に送られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の技術では、検体を分注機にかけるまでに作業者は、検体の仕分け、整列に多大の労力を強いられることとなっていた。即ち、作業者は、まず、膨大な量の検体を検査番号(ID−1)に基づき、各検査室に搬入される検体毎に仕分けし、各検査室に於ては、検査室に搬入された検体を検査項目番号(ID−3)に基づき、各検査項目を実施する検体毎に仕分ける必要があるだけでなく、検体を検体容器用ラックに整列させるために、検査項目単位の検査番号(ID−3)順に整列させる必要があり、作業者の負担は多大なものとなっていた。また、作業者は細心の注意を払ってこの作業を行なうものの、検体の仕分け、整列を行なう際に誤りを生じる恐れもあった。
【0008】
この発明の目的は、検査番号(ID−1)及び検査項目番号(ID−3)を分注作業終了後に設定する検査番号設定システム及び検査番号設定方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の検査番号設定システムは、検体保持部を有し、この検体保持部により保持される検体の検体番号及びこの検体に対して実施される検査項目を記憶する記憶媒体を有する検体ラックと、前記検体ラックの前記記憶保持部により保持される検体の検体番号及びこの検体に対して実施される検査項目を前記検体ラックの前記記憶媒体から読み出す読出手段と、この読出手段により読み出された検体番号及びこの検体に対して実施される検査項目を記憶する検査項目記憶手段と、分注が終了した検体に対して検査が行なわれる検査室を前記検査項目記憶手段に記憶されている検査項目に基づき識別する検査室識別手段と、この検査室識別手段により識別された検査室の単位で設定される検査番号を前記検査項目記憶手段の前記検体の検体番号に対応させて記憶させる検査番号設定手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
また、請求項2記載の検査番号設定システムは、請求項1記載の検査番号設定システムの検査番号を検査室を示す非連続な文字と検査室単位の検査実施順序を示す連続な数字により構成することを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の検査番号設定システムは、検体保持部を有し、この検体保持部により保持される検体の検体番号及びこの検体に対して実施される検査項目を記憶する記憶媒体を有する検体ラックと、前記検体ラックの前記記憶保持部により保持される検体の検体番号及びこの検体に対して実施される検査項目を前記検体ラックの前記記憶媒体から読み出す読出手段と、この読出手段により読み出された検体番号及びこの検体に対して実施される検査項目を記憶する検査項目記憶手段と、分注が終了した検体に対して実施される検査項目を前記検査項目記憶手段から読み出す検査項目読出手段と、この検査項目読出手段により読み出された検査項目の単位で設定される検査番号を前記検査項目記憶手段の前記検体の検体番号に対応させて記憶させる検査番号設定手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
また、請求項4記載の検査番号設定システムは、請求項3記載の検査番号設定システムの検査番号を検査項目単位の検査実施順序を示す連続な数字により構成することを特徴とする。
【0013】
また、請求項5記載の検査番号設定システムは、検体の検体番号に対応させて検体に対して実施される検査項目を記憶する検査項目記憶手段と、分注が終了した検体に対して実施される検査項目を検査項目記憶手段から読み出す検査項目読出手段と、この検査項目読出手段により読み出された検査項目に基づき分注が終了した検体に対して検査が行なわれる検査室を識別する検査室識別手段と、この検査室識別手段により識別された検査室の単位で設定される検査番号を検査項目記憶手段の検体の検体番号に対応させて記憶させると共に、検査項目読出手段により読み出された検査項目の単位で設定される検査番号を検査項目記憶手段の検体の検体番号に対応させて記憶させる検査番号設定手段を備えることを特徴とする。
【0014】
また、請求項6記載の検査番号設定システムは、請求項1、請求項3及び請求項5のいずれか1項に記載の検査番号設定システムに、検査項目記憶手段に記憶されている検体番号及びこの検体番号に対応して記憶されている検査番号を表示した検査指示書の出力をし、又は前記検体番号及びこの検体番号に対応して記憶されている前記検査番号を検査端末に出力する出力手段を更に備えることを特徴とする。
【0015】
また、請求項7記載の検査番号設定システムは、請求項5記載の検査番号設定システムに、検体保持部を有しこの検体保持部により保持される検体の検体番号及びこの検体に対して実施される検査項目を記憶する記憶媒体を有する検体ラックと、検体ラックの記憶保持部により保持される検体の検体番号及びこの検体に対して実施される検査項目を検体ラックの記憶媒体から読み出す読出手段を更に備え、この読出手段により読み出された検体番号及びこの検体に対して実施される検査項目を検査項目記憶手段に記憶することを特徴とする。
【0016】
請求項8記載の検査番号設定システムは、検体保持部を有し、この検体保持部により保持される検体の検体番号及びこの検体に対して実施される検査項目を記憶する記憶媒体を有する検体ラックの前記記憶媒体から、前記記検体保持部により保持される検体の検体番号及びこの検体に対して実施される検査項目を読み出す第1のステップと、この第1のステップにより読み出された検体番号及びこの検体に対して実施される検査項目を検査項目記憶手段に記憶する第2ステップと、分注が終了した検体に対して検査が行なわれる検査室を前記検査項目記憶手段に記憶されている検査項目に基づき識別する第3のステップと、この第3のステップにより識別された検査室の単位で設定される検査番号を前記検査項目記憶手段の前記検体の検体番号に対応させて記憶させる第4のステップとを備えることを特徴とする。
【0017】
請求項9記載の検査番号設定システムは、検体保持部を有し、この検体保持部により保持される検体の検体番号及びこの検体に対して実施される検査項目を記憶する記憶媒体を有する検体ラックの前記記憶媒体から、前記記検体保持部により保持される検体の検体番号及びこの検体に対して実施される検査項目を読み出す第1のステップと、この第1のステップにより読み出された検体番号及びこの検体に対して実施される検査項目を検査項目記憶手段に記憶する第2ステップと、分注が終了した検体に対して実施される検査項目を前記検査項目記憶手段から読み出す第3のステップと、この第3のステップにより読み出された検査項目の単位で設定される検査番号を前記検査項目記憶手段の前記検体の検体番号に対応させて記憶させる第4のステップとを備えることを特徴とする。
【0018】
また、請求項10記載の検査番号設定方法は、検体ラックに備えられている記憶媒体からこの検体ラックに収容されている検体の検体番号及びこの検体に対して実施される検査項目を含む分注情報を読み出す第1のステップと、この読み出された検体の検体番号及びこの検体に対して実施される検査項目を含む分注情報を検査項目記憶手段に記憶する第2のステップと、検体ラックに収容されている検体に対して分注処理を行なう第3のステップと、この分注処理が終了した検体に対して実施される検査項目を検査項目記憶手段から読み出す第4のステップと、この第4のステップにより読み出された検査項目に基づき分注が終了した検体に対して検査が行なわれる検査室を識別する第5のステップと、この第5のステップにより識別された検査室の単位で設定される検査番号を検査項目記憶手段の検体の検体番号に対応させて記憶させると共に、第4のステップで読み出された検査項目の単位で設定される検査番号を検査項目記憶手段の検体の検体番号に対応させて記憶させる第6のステップとを備えることを特徴とする。
【0019】
また、請求項11記載の検査番号設定方法は、請求項10記載の検査番号設定方法に、検査項目記憶手段に記憶されている検体番号及びこの検体番号に対応して記憶されている検査番号を表示した検査指示書の出力をし、又は前記検体番号及びこの検体番号に対応して記憶されている前記検査番号を検査端末に出力する第7のステップを更に備えることを特徴とする。
【0020】
【作用】
請求項1記載の検査番号設定システムによれば、検査室識別手段により分注が終了した検体に対して検査が行なわれる検査室を検査項目記憶手段に記憶されている検査項目に基づき識別し、検査番号設定手段により識別された検査室の単位で設定される検査番号を検査項目記憶手段に記憶されている検体の検体番号に対応させて記憶させる。従って、分注処理の前に検査番号に基づき検査室等の単位で検体の分類、整列等の作業を行なう必要が無くなる。
【0021】
また、請求項2記載の検査番号設定システムによれば、検査番号を検査室を示す非連続な文字と検査室単位の検査実施順序を示す連続な数字により構成する。従って、この検査番号を用いて検査結果を基幹ホストコンピュータに送信することができる。
【0022】
また、請求項3記載の検査番号設定システムによれば、分注が終了した検体に対して実施される検査項目を検査項目記憶手段から読み出し、検査番号設定手段により読み出された検査項目の単位で設定される検査番号を検査項目記憶手段の検体の検体番号に対応させて記憶させる。従って、分注処理の前に検査番号に基づき検査項目等の単位で検体の分類、整列等の作業を行なう必要が無くなる。
【0023】
また、請求項4記載の検査番号設定システムによれば、検査番号を検査項目単位の検査実施順序を示す連続な数字により構成する。従って、この検査番号を用いて検査結果を検査装置から検査ホストコンピュータに送信することができる。
【0024】
また、請求項5記載の検査番号設定システムによれば、検査項目読出手段により分注が終了した検体に対して実施される検査項目を検査項目記憶手段から読み出し、検査室識別手段により読み出された検査項目に基づき分注が終了した検体に対して検査が行なわれる検査室を識別する。その後、検査番号設定手段により、検査室識別手段により識別された検査室の単位で設定される検査番号を検査項目記憶手段の検体の検体番号に対応させて記憶させると共に、検査項目読出手段により読み出された検査項目の単位で設定される検査番号を検査項目記憶手段の検体の検体番号に対応させて記憶させる。従って、分注処理の前に検査番号に基づき検査室、検査項目等の単位で検体の分類、整列等の作業を行なう必要が無くなる。
【0025】
また、請求項6記載の検査番号設定システムによれば、出力手段により検査項目記憶手段に記憶されている検体番号及びこの検体番号に対応して記憶されている検査番号を表示した検査指示書の出力をし、又は前記検体番号及びこの検体番号に対応して記憶されている前記検査番号を検査端末に出力する。従って、この検査指示書に表示されている検体番号及び検査項目等から分注終了後の検体の保存場所等を知ることができる。
【0026】
また、請求項7記載の検査番号設定システムによれば、検体ラックの記憶保持部により保持される検体の検体番号及びこの検体に対して実施される検査項目を検体ラックの記憶媒体から読み出し、この読み出された検体番号及びこの検体に対して実施される検査項目を検査項目記憶手段に記憶する。従って、検体ラックの記憶保持部により保持される検体の検体番号及びこの検体に対して実施される検査項目を正確に記憶させることができる。
【0027】
また、請求項8記載の検査番号設定方法によれば、分注が終了した検体に対して検査が行なわれる検査室を検査項目記憶手段に記憶されている検査項目に基づき識別し、この識別された検査室の単位で設定される検査番号を検査項目記憶手段の検体の検体番号に対応させて記憶させる。従って、分注処理前に検査番号に基づき、検査室単位で検体の分類、整列の作業を行なう必要がなくなる。
【0028】
また、請求項9記載の検査番号設定方法によれば、分注が終了した検体に対して実施される検査項目を検査項目記憶手段から読み出し、この読み出された検査項目の単位で設定される検査番号を検査項目記憶手段の検体の検体番号に対応させて記憶させる。従って、分注処理前に検査番号に基づき、検査項目単位で検体の分類、整列等の作業を行なう必要がなくなる。
【0029】
また、請求項10記載の検査番号設定方法によれば、検体ラックに備えられている記憶媒体からこの検体ラックに収容されている検体の検体番号及びこの検体に対して実施される検査項目を含む分注情報を読み出し、この読み出された検体の検体番号及びこの検体に対して実施される検査項目を含む分注情報を検査項目記憶手段に記憶する。その後、分注情報に基づき検体ラックに収容されている検体に対して分注処理を行なう。次に、分注処理が終了した検体に対して実施される検査項目を検査項目記憶手段から読み出し、読み出された検査項目に基づき分注が終了した検体に対して検査が行なわれる検査室を識別する。その後、識別された検査室の単位で設定される検査番号を検査項目記憶手段の検体の検体番号に対応させて記憶させると共に、読み出された検査項目の単位で設定される検査番号を検査項目記憶手段の検体の検体番号に対応させて記憶させる。従って、分注処理の前に検査番号に基づき検査室、検査項目等の単位で検体の分類、整列等の作業を行なう必要が無くなる。
【0030】
また、請求項11記載の検査番号設定方法によれば、検査項目記憶手段に記憶されている検体番号及びこの検体番号に対応して記憶されている検査番号を表示した検査指示書の出力をし、又は前記検体番号及びこの検体番号に対応して記憶されている前記検査番号を検査端末に出力する。従って、この検査指示書に表示されている検体番号及び検査項目等から分注終了後の検体の保存場所等を知ることができる。
【0031】
【実施例】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【0032】
図1は、検体分注システムが設置される検体分注システム設置ルーム1のレイアウトを説明するための図である。この検体分注システム設置ルーム1には、親検体25がワゴンに載せられて搬入又は搬出される検体搬入搬出口2が設けられている。
【0033】
また、この検体分注システム設置ルーム1には、搬入された親検体25を分注前工程に投入するまで、検体搬入ワゴン3aに載せたまま待機させる搬入検体待機エリア3が設けられている。更に、親検体25に対して解凍、攪拌等の分注前処理工程が行なわれる分注前処理工程エリア4が設けられている。この分注前処理工程エリア4には、解凍機4a及び攪拌機4bが設置されると共に、分注前処理作業台4cが設置されている。
【0034】
また、この分注前処理工程エリア4に、隣接してラック組工程が行なわれるラック組工程エリア5が設けられている。このラック組工程エリア5には、作業員がラック組工程を行なうラック組装置5aが設けられている。
【0035】
なお、分注前処理工程エリア4とラック組工程エリア5との間には、分注前処理工程が終了した親検体25をラック組工程に搬送するための自動搬送車が走行するための自動搬送車走行経路6が設けられている。また、ラック組装置5aの前方には、ラック組工程が終了した親検体25に対して分注処理を行なう分注エリア7に搬送するためのラック搬送コンベヤ5bが設置されている。
【0036】
図2は、分注エリア7の詳細を説明するための図であり、この分注エリア7には、ラック搬送コンベヤ5bに接してラック投入装置7aが設置されている。この分注エリア7のラック搬送コンベヤ5bの下流には、量判定分注ユニット7b及びセクション分注ユニット7cが設置されるセクション分注部F及びプレ分注ユニット7dが設置されるプレ分注部Gが設けられている。
【0037】
ここで、セクション分注とは、量的な精度を必要としない分注(粗分注)であり、プレ分注とは量的な精度を必要とする分注(精密分注)である。
【0038】
なお、各セクション分注ユニット7c、プレ分注ユニット7dに於て分注される親検体25は、親検体25に対して実施される検査項目に基づき予め定められている。
【0039】
また、セクション分注部Fには、このセクション分注部Fのラック搬送コンベヤ5bバーコド付親検体ラック(以下、BC付親検体ラック)26を引き込むためのラック引き込み装置7eが設置されるとともに、セクション分注部F及びプレ分注部Gのラック搬送コンベヤ5bの端部には、ラック排出装置7fが設けられている。
【0040】
更に、この検体分注システム設置ルーム1には、親検体25を一時保管するための親検体一時保管エリア8、保留工程を行なうための保留工程エリア10及び分注が終了した親検体25を検体分注システム設置ルーム1から搬出するため、検体搬出ワゴン11aに載せて待機させる搬出検体待機エリア11が設けられている。
【0041】
図3は、この分注システムを制御するコンピュータシステムの構成を説明するためのブロック図である。
【0042】
図中、符号15で示すものは、基幹ホストコンピュータであり、この分注システムの他、この分注システムで分注される親検体25の受付を行なう受付システム等の制御を行なう。また、図中、符号16で示すものは、分注ホストコンピュータであり、この分注ホストコンピュータ16により分注システム全体が制御される。
【0043】
なお、分注ホストコンピュータ16は、上位のコンピュータである基幹ホストコンピュータ15に接続ケーブル30を介して接続される。また、分注ホストコンピュータ16には、接続ケーブル30を介して下位コンピュータである分注前処理管理コンピュータ17、ラック組装置管理コンピュータ18、ラック投入装置管理コンピュータ19、ラック引き込み装置管理コンピュータ20、分注ユニット管理コンピュータ21及びラック排出装置管理コンピュータ22が接続されている。
【0044】
ここで、分注前処理管理コンピュータ17は、分注前処理工程の作業に用いられるものであり、各分注前処理作業台4cに設置されている。また、ラック組装置管理コンピュータ18は、ラック組装置5aを制御するものであり各ラック組装置5aに近接して設置されている。また、ラック投入装置管理コンピュータ19は、ラック投入装置7aによるデータキャリア(以下,DCという。)28に対するデータの書込みを制御するものであり、ラック投入装置7aに近接して設置されている。また、ラック引き込み装置管理コンピュータ20は、搬送コンベヤ5bにより搬送されてくるBC付親検体ラック26をセクション分注ユニット7cが設置されている搬送コンベヤ5cに引き込むラック引き込み装置7eを制御するものである。
【0045】
更に、分注ユニット管理コンピュータ21は、量判定分注ユニット7b、セクション分注ユニット7c及びプレ分注ユニット7dを制御するものであり各分注ユニット7b,7c,7dに近接して設置されている。また、ラック排出装置管理コンピュータ22は、ラック排出装置7fによるラックの排出を制御するものであり、ラック排出装置7fに近接して設置されている。
【0046】
なお、分注ホストコンピュータ16には、無線端末23からデータ入力を行なうことも可能である。
【0047】
次に、図4〜図9を参照して分注前処理管理コンピュータ17、ラック組装置管理コンピュータ18、ラック投入装置管理コンピュータ19、ラック引き込み装置管理コンピュータ20、分注ユニット管理コンピュータ21及びラック排出装置管理コンピュータ22のそれぞれの構成を説明する。
【0048】
図4は、分注前処理管理コンピュータ17の構成を示すブロック図である。この分注前処理管理コンピュータ17には、分注前処理管理コンピュータ17全体を制御するためのCPU17aが備えられている。このCPU17aには、キー入力部17b、記憶部17c、バーコードリーダ(以下、BCRという。)17d及びラベル発行部17eが接続されている。キー入力部17bには、検体番号を入力するためのテンキー(図示せず)等が備えられている。また、記憶部17cには、検体番号を発行するためのキャラクターデータ等が記憶されている。更に、BCR17dは、親検体25に付されているバーコードの読み取りを行なうものであり、ラベル発行部17eは、BCR17dで読み込んだ検体番号と同一の検体番号が表示されているラベルを発行するものである。
【0049】
図5は、ラック組装置管理コンピュータ18の構成を示すブロック図である。ラック組装置管理コンピュータ18には、このラック組装置管理コンピュータ18全体を制御するためのCPU18aが備えられている。このCPU18aには、キー入力部18b、記憶部18c、自走式BCR18d、ビームセンサー18e及びブザー18fが接続されている。キー入力部18bには、親検体25に付されているバーコードの読み取り開始キー(図17のキー入力部18bのSTARTキー)等が備えられている。また、記憶部18cには、検体番号及び検体毎の分注情報等が記憶されている。更に、自走式BCR18dは、親検体25に付されているバーコードの読み取りを行なうものであり、ビームセンサー18eは、バーコードの読み取りを行なう親検体25の位置を検出するものである。また、ブザー18fは、ビームセンサー18eにより親検体25の位置の誤りを検出した場合に、警報音を発生するものである。
【0050】
図6は、ラック投入装置管理コンピュータ19の構成を示すブロック図である。ラック投入装置管理コンピュータ19には、このラック投入装置管理コンピュータ19全体を制御するためのCPU19aが備えられている。このCPU19aには、データキャリア・リーダライター(以下、DCRWという。)19b、BCR19c及び記憶部19dが接続されている。DCRW19bは、DC28に検体番号及び検体毎の分注情報を書き込むものである。また、記憶部19dは、DCRW19bによってDC28に書き込まれる検体番号及び検体毎の分注情報等を記憶するものである。
【0051】
図7は、ラック引き込み装置管理コンピュータ20の構成を示すブロック図である。ラック引き込み装置管理コンピュータ20には、このラック引き込み装置管理コンピュータ20全体を制御するためのCPU20aが備えられている。このCPU20aには、データキャリア・リーダー(以下、DCRという。)20bが接続されており、DCR20bにより読み込まれたDC28に記憶されている検体番号及び検体毎の分注情報により、BC付親検体ラック26をセクション分注機7cが設置されている搬送ライン5bに引き込むか否かの判断を行なう。
【0052】
図8は、分注処理ユニット管理コンピュータ21の構成を示すブロック図である。分注処理ユニット管理コンピュータ21には、この分注処理ユニット管理コンピュータ21全体を制御するためのCPU21aが備えられている。このCPU21aには、DCRW21b、記憶部21c及びBCR21dが接続されている。DCRW21bは、DC28に記憶されている分注情報を読み取ると共に分注の結果をDC28に書き込む。また、記憶部21cは、DC28から読み込まれた分注情報が記憶される。
【0053】
図9は、ラック排出装置管理コンピュータ22の構成を示すブロック図である。ラック排出装置管理コンピュータ22には、このラック排出装置管理コンピュータ22全体を制御するためのCPU22aが備えられている。このCPU22aには、BCR22b、DCRW22c及び記憶部22dが接続されている。BCR22bは、検体ラックに付されているラックナンバーを読み取るものであり、DCRW22cは、DC28に記憶されている分注情報を読み取るものである。また、記憶部22dには、DC28から読み込まれた分注情報が記憶される。
【0054】
次に、図面を参照して分注システムの処理工程を説明する。
【0055】
図10は、分注工程の概略を説明するためのフローチャートである。親検体25は、検体搬入ワゴン3aに載せられて検体搬入搬出口2から検体分注システム設置ルーム1に搬入される(S1)。また、各検査室から再検査の依頼があった親検体25も同様に検体分注システム設置ルーム1に搬入される(S2)。この搬入された親検体25は、搬入検体待機エリア3で分注前処理工程に投入されるまで待機させる。搬入検体待機エリア3から取り出された親検体25には、分注前処理工程エリア4において分注前処理が行なわれる(S3)。分注前処理が終了した親検体25は、自動搬送車によってラック組工程エリア5に搬送される。ラック組工程エリア5においては、親検体25を50本づつBC付親検体ラック26に移載するラック組処理が行なわれる(S4)。
【0056】
BC付親検体ラック26に載せられた親検体25は、搬送コンベヤ5bによって分注エリア7に搬送され分注ライン処理が行なわれる(S5)。この分注ライン処理では、BC付親検体ラック26にDC28を装着し分注情報を書き込む処理を行なうと共に、分注用の子検体ラック27を分注ユニット7c,7dに供給する空ラック供給処理(S5a)、搬送コンベヤ5bによって搬送されるBC付親検体ラック26に装着されているDC28の記憶情報に基づき分注ユニット7c,7dにBC付親検体ラック26を引き込み親検体25の分注を行なう分注処理(S5b)が行なわれる。また、分注時エラーのあった親検体25をBC付親検体ラック26から抜き取り、保留処理(S6)に引き渡す異常親検体抜取処理(S5c)、分注の終了したBC付親検体ラック26を保管ワゴン55に収納し保管情報を作成する親検体保管処理(S5d)も行なわれる。
【0057】
上述の異常親検体抜取処理(S5c)により抜き取られた親検体25は、保留工程エリア10に運ばれ保留処理(S6)が行なわれる。この保留処理によりエラーが解除された場合にはラック組処理(S4)を行ない分注ライン(S5)に再投入する。
【0058】
分注が終了した子検体ラック27は、搬出検体待機エリア11の検体搬出ワゴン11aに収容し、搬出処理を行なう(S7)。
【0059】
次に、図11及び図12を参照して、この実施例の分注システムで用いられるBC付親検体ラック26(検体ラック)の構成について説明する。
【0060】
BC付親検体ラック26は、矩形の底板70を有しており、この底板70には搬送方向に延びる側壁71が設けられていると共に底板70の前端には前壁72が、後端には後壁73が設けられている。また、前壁72及び後壁73の間には、
仕切壁74が等間隔で9枚設けられており、この仕切壁74の一端は、側壁71に接している。前壁72及び後壁73の内壁面72a,73a、仕切壁74の両壁面74aには、5個の凹部が形成されており、前壁72の凹部及びこの凹部に対向して設けられている仕切壁74の凹部、仕切壁74の凹部及びこの凹部に対向して設けられている隣の仕切壁74の凹部、仕切壁74の凹部及びこの凹部に対向して設けられている後壁73の凹部により、50個(搬送方向に沿って5列、1列10個)の検体保持部75が形成されている。
【0061】
また、各検体保持部75を形成する前壁72、後壁73及び仕切壁74の上面には、検体保持部75で保持する親検体25の位置決めを行なうための樹脂片76が金属プレート77を介してビス止めされている。この樹脂片76により、検体保持部75で保持する検体の太さが異なる場合であっても親検体25を検体保持部75の中心に保持することができる。
【0062】
また、上述の側壁71の外壁面には記憶媒体保持部80が設けられている。この記憶媒体保持部80は、左右及び下部にL字状の溝80aを有し、この溝80aによりDC28の両端及び下部を保持する。なお、DC28は、このDC28を上方にスライドさせることにより記憶媒体保持部80から取り外すことが可能である。
【0063】
従って、DC28の不良等の場合には容易にDC28を取り替えることができる。また、記憶媒体保持部80が側壁71に設けられているため搬送コンベヤ5bにより搬送されるBC付親検体ラック26のDC28に対して分注情報の読み出し書込みを容易に行なうことができる。
【0064】
更に、側壁71の外壁面にはバーコード81が表示されている。このバーコード81は、BC付親検体ラック26のラック番号を表示するものである。
【0065】
なお、上述のDCは、所定の厚みを有する矩形状のものであり、SRAM及びデータ保持用のバッテリーを内蔵するものである。このDC28に対するデータの書込み及び読み出しは、DCRWにより非接触で行なうことができる。
【0066】
次に、図13〜図38を参照して、上述の分注工程の各処理について詳細に説明する。
【0067】
まず、図13を参照して分注前処理(図10のS3)について説明する。分注処理が行なわれる親検体25は、検体分注システム設置ルーム1に搬入される (S10)。搬入された親検体25については、搬入された検体ラックと搬入伝票とで本数等のチェックが行なわれる(S11)。
【0068】
次に、その親検体25が検査項目の特性上、検体の凍結保存が必要な絶凍検体である場合に、解凍して良い時間か否かを検査項目毎の解凍開始時間が表示されている時間割表でチェックし、解凍できなければ所定の位置に戻す(S12)。親検体25が解凍可能な場合には、搬入された50本ラック毎に解凍機4aのウォータバスに漬けて解凍する(S13)。解凍された親検体25は、攪拌機4bにより攪拌される(S14)。なお、検査項目の特性上、検体の凍結保存を必要としない通常保存検体の場合には、解凍は必要ないため、攪拌(S14)のみ行なう。
【0069】
次に、検体量を目検によりチェックし親検体25の容器の8分目以上かどうかの判断を行なう(S15)。ここで検体量が親検体25の容器の8分目以下と判断した場合には、フィブリンの有無をチェックし(S16)、フィブリンがあればこれを除去する(S17)。次に、親検体25が溶血でないか否か、乳ビでないか否かについてにチェックを行ない(S18)、親検体25が溶血、乳ビの場合には、その情報を分注前処理管理コンピュータ17のキー入力部17bのキーを操作することにより分注前処理管理コンピュータ17に入力する(S19)。その後、親検体25を金網ラック29へ移載する(S31)。
【0070】
一方、上述のS15の処理において、検体量が親検体25の容器の8分目以上と判断した場合には、分注前処理管理コンピュータ17のBCR17dにより、親検体25の検体番号を読み込み、ラベル発行部17eにより同一の検体番号が表示されているラベルを発行する(S20)。この発行されたラベルは別の検体容器に貼り付けられる(S21)。
【0071】
次に、親検体25の検体容器のキャップを切り(S22)、フィブリンの有無をチェックし(S23)、フィブリンがあればこれを除去する(S24)。次に、親検体25が溶血でないか否か、乳ビでないか否かについてにチェックを行ない(S25)、親検体25が溶血、乳ビの場合には、その情報を分注前処理管理コンピュータ17に入力する(S26)。
【0072】
その後、上述の同一の検体番号が表示されたラベルを貼り付けた検体容器に、親検体25の検体が検体容器の8分目ぐらい残るように小分けする(S27)。
【0073】
この処理の後、親検体25は、金網ラック29に移載される(S31)。なお、小分けされた検体容器は、親検体25の分注処理終了後、親検体25と共に保存される(S29,S30)。
【0074】
次に、図14〜図18を参照してラック組処理(図10のS4)について説明する。なお、ラック組処理が開始される時点においては、基幹ホストコンピュター15に記憶される検体毎の検体情報(図14参照)、即ち、基本情報(検体番号に対応して記憶される検査項目、検査材料の情報及び図示しない受付日付、病院コード)及び患者情報(検体番号(検体固有の番号)に対応して記憶される患者名、性別及び年齢等の情報)のうち、基本情報(検体番号に対応して記憶される検査項目、検査材料の情報)が分注情報として分注ホストコンピュータ16に入力され記憶されている(図15参照)。
【0075】
まず、図17を参照してラック組装置5aの構成を説明する。ラック組装置5aには、BC付親検体ラック26を載置するためのラック載置台90が備えられている。また、このラック載置台90には、4組のビームセンサー18eが備えられている。即ち、BC付親検体ラック26を載置した場合に、BC付親検体ラック26のB列、C列、D列及びE列の各検体保持部列の両端の位置に1組づつのビームセンサー18eが備えられている。また、ラック組装置5aには、ラック載置台90の側片に沿って設置されているガイドレール91に沿って往復移動を行なう自走式BCR18dが備えられている。なお、自走式BCR18dは、ステッピングモータ(図示せず)とベルト(図示せず)によりガイドレール91に沿って往復移動を行なう。
【0076】
更に、このラック組装置5aには、STARTキー、ENDキー等を備えるキー入力部18bが備えられている。
【0077】
次に、図16に示すラック組処理について説明する。まず、分注前処理工程から金網ラック29に載せられて搬送されてくる親検体25を引き取る(S400)。次に、ラック組装置5aのラック載置台90上にセットされたBC付親検体ラック26に親検体25を10本単位で整列させる(S401)。即ち、まず、図17に示すBC付親検体ラック26のA列に親検体25を10本整列させる。
【0078】
その後、キー入力部18bのSTARTキーを操作することによりバーコード81の読み取り指示を与えると(S402)、10本の親検体25が正しくBC付親検体ラック26のA列にセットされているか否かが検出される(S403)。即ち、BC付親検体ラック26にセットされた親検体25の位置は、ビームセンサー18eによって監視されているため、ビームセンサー18eにより親検体25が検出されない場合には、BC付親検体ラック26のA列に親検体25が正しくセットされていると判断され、S405の処理に進む。
【0079】
一方、ビームセンサー18eにより親検体25が検出された場合には、BC付親検体ラック26のA列以外の列に親検体25が誤ってセットされていると判断され、ブザー18fによりブザー音を発生することにより作業者に対して警報を発する(S404)。この場合には、作業者は、BC付親検体ラック26のA列に正しく親検体25をセットし直し、再度、キー入力部18bのSTARTキーを操作することによりバーコード81の読み取り指示を与える。
【0080】
上述のS403の処理で親検体25が正しくBC付親検体ラック26のA列にセットされていると判断された場合には、自走式BCRにより18dによりBC付親検体ラック26の側壁に付されているバーコード81を読み取ることによりBC付親検体ラック26のラック番号を読み取る(S405)。ここで、ラック番号が読み取れない場合には、BC付親検体ラック26を取り換える(S406,S407)。
【0081】
次に、自走式BCR18dによりBC付親検体ラック26のA列に整列させた10本分の親検体25の検体番号を読み取る(S408)。これにより、検体がセットされたBC付親検体ラック26上の位置が検出される。即ち、検体番号を読み取った検体がA列〜E列のいずれの検体保持部列に保持されているか、検体保持部列内の何番目の検体かにより検体のBC付親検体ラック26上の位置を検出する。この検出された検体の位置(ラック番号及びホール番号)は、検体番号に対応させて記憶部18cに記憶される(S409)。
【0082】
次に、BC付親検体ラック26のB列、C列、D列、E列の検体保持部列についても親検体25のBCに読み取りが終了したか否かの判断を行ない(S410)、まだ終了していない場合には、BC付親検体ラック26のB列、C列、D列、E列の順で親検体25を10本づつ整列させ、同様の処理を行なう。即ち、BC付親検体ラック26のB列に10本の親検体25を整列させる(S411)。その後、キー入力部18bのSTARTキーを操作することによりバーコード81の読み取り指示を与えると(S412)、10本の親検体25が正しくBC付親検体ラック26のB列にセットされているか否かが検出される(S413)。
【0083】
即ち、BC付親検体ラック26にセットされた親検体25の位置は、ビームセンサー18eによって検出されるため、BC付親検体ラック26のB列に対応する位置のビームセンサー18eにより親検体25が検出されない場合には、BC付親検体ラック26のB列に親検体25が正しくセットされていないと判断され、ブザー18fによりブザー音を発生することにより作業者に対して警報を行なう(S414)。この場合には、作業者は、BC付親検体ラック26のB列に正しく親検体25をセットし直し、再度、キー入力部18bのSTARTキーを操作することによりバーコード81の読み取り指示を与える。
【0084】
なお、BC付親検体ラック26のC列、D列、E列に対しても親検体25を10本づつ整列させ、同様の処理を行なう(S408〜S414)。BC付親検体ラック26にセットされた全ての親検体25の検体番号の読み取りが終了したときに(S410)、記憶部18cに記憶されている検体番号に対応したラック番号及びホール番号が分注ホストコンピュータ16に送信される。これにより分注ホストコンピュータ16に記憶されている分注情報は、検体番号に親ラック番号、親ラックホール番号、検査項目・分注量を対応させたものとなる(図18参照)。
【0085】
次に、図19を参照して分注ライン処理(図10のS5)について説明する。
【0086】
まず、BC付親検体ラック26のDC28に分注情報を書き込む(S50)。即ち、図20及び図21に示すように、ラック組工程より搬送コンベヤ5bによって搬送されてきたBC付親検体ラック26が、ラック投入装置7aに到着するとBCR19cによりBC付親検体ラック26のラック番号が読み取られる(S65,S66)。次に、このラック番号のBC付親検体ラック26に収容されている検体の分注情報(図18参照)が、分注ホストコンピュータ16からラック投入装置管理コンピュータ19に転送され、DCRW19bによりDC28に書き込まれる(S67)。DC28に分注情報の書込みが終了したBC付親検体ラック26は、搬送コンベヤ5bにより分注ユニット群7b,7c,7dに搬送される。
【0087】
次に、図22及び図23を参照して分注エリア7におけるBC付親検体ラック26の搬送経路について説明する。
【0088】
ラック投入装置7aにおいてDC28に分注情報の書込みが終了したBC付親検体ラック26が搬送コンベヤ5bによりラック引き込み装置7eのところまで搬送されてきたときに、DCR20b(図7参照)によりDC28の分注情報を読み取りセクション分注(粗分注)部Fにおいてセクション分注を行なう親検体25がBC付親検体ラック26に存在するか否かの判断を行なう。ここでセクション分注を行なう親検体25がBC付親検体ラック26に存在すると判断された場合には、CPU20aにより分岐指示が出され、BC付親検体ラック26がセクション分注部Fに引き込まれる。
【0089】
セクション分注部Fの各セクション分注ユニット7cにおいてセクション分注が行なわれたBC付親検体ラック26が、ラック排出装置7fのところまで搬送されてきたときに、DCR22cによりDC28に記憶されている分注情報を読み込み、全ての親検体25に対する分注が終了している場合にはCPU22aにより排出指示が出されBC付親検体ラック26が、セクション分注部Fから排出される。
【0090】
一方、まだ分注処理が終了していない親検体25が存在する場合には、搬送コンベヤ5bにより下流の分注ユニット7cの方に搬送する。セクション分注が終了したBC付親検体ラック26は、プレ分注(精密分注)部Gに搬送される。プレ分注部Gの各プレ分注ユニット7dにおいてプレ分注が行なわれたBC付親検体ラック26がラック排出装置7fのところまで搬送されてきたときに、DCR22cによりDC28に記憶されている分注情報を読み込み、全ての親検体25に対する分注が終了している場合にはCPU22aにより排出指示が出されBC付親検体ラック26が、プレ分注部Gから排出される。
【0091】
次に、セクション分注部F及びプレ分注部Gで行なわれる量判定分注、セクション分注及びプレ分注について説明する。BC付親検体ラック26が、搬送コンベヤ5bによって量判定分注ユニット7bの位置まで搬送されてきたときに量判定をするか否かの判断が行なわれる(図19のS51)。即ち、図24及び図26に示すように、DCRW21bによりBC付親検体ラック26のDC28に記憶されている分注情報がCPU21a(図8参照)に読み込まれる(S70)。ここで読み込まれた分注情報に基づき、このBC付親検体ラック26内に量判定を行なう必要がある親検体25が存在するか否かの判断が行なわれる(S71)。また、量判定を行なう必要がある親検体25が存在すると判断された場合には、分注ユニット7bのラックバッファ50に2台のBC付親検体ラック26が存在しているか否かの判断が行なわれ(S72)、2台のBC付親検体ラック26が存在していないと判断された場合には、CPU21aにより分岐指令が出力され(S73)、BC付親検体ラック26が分注ユニット7bに引き込まれる。
【0092】
分注ユニット7bに引き込まれたBC付親検体ラック26に収容されている親検体25の量判定は、分注ユニット管理コンピュータ21の制御に基づき行なわれる。即ち、親検体25の1本毎に量判定を必要としている検体か否かの判断を行なう(S74)。ここで量判定を必要としている検体と判断された場合には、分注機51の分注ノズル51aによって検体を吸い上げ検体量が正常であるか否かの判断を行ない(S75,S76)、再び元の検体容器に検体を吐き出す。この検体量の判定により検体量が正常でないと判断された場合には、その情報を記憶部21cに記憶しておく。この処理を50本の検体全てについて行ない(S78)、処理終了後、検体量が正常でないと判断された検体についての情報をDCRW21bによりDC28に書込み、BC付親検体ラック26を搬送コンベヤ5bに搬出する(S79)。
【0093】
量判定分注処理が終了したBC付親検体ラック26の親検体25は、該当する分注ユニット7c,7dにおいて、セクション分注(S54)又はプレ分注(S55)が行なわれる(図19参照)。
【0094】
ここで、図27〜図30を参照してセクション分注(粗分注)について説明する。BC付親検体ラック26が、搬送コンベヤ5bによってセクション分注ユニット7cの位置まで搬送されてきたときにこのセクション分注ユニット7cでセクション分注をするか否かの判断が行なわれる。即ち、図27及び図29に示すように、DCRW21bによりBC付親検体ラック26のDC28に記憶されている分注情報がCPU21a(図8参照)に読み込まれ(S85)、記憶部21cに記憶される。ここで記憶された分注情報に基づき、このBC付親検体ラック26内にこのセクション分注ユニット7cによりセクション分注を行なう必要がある親検体25が存在するか否かの判断が行なわれる(S86)。
【0095】
また、セクション分注を行なう必要がある親検体25が存在すると判断された場合には、分注ユニット7cのラックバッファ50に2台のBC付親検体ラック26が存在しているか否かの判断が行なわれ(S87)、2台のBC付親検体ラック26が存在していないと判断された場合には、このBC付親検体ラック26の親検体25に対して量判定分注がすでに行なわれているか否かが判断される(S88)。ここで、量判定分注がすでに行なわれていると判断された場合には、CPU21aにより分岐指令が出力され(S89)、BC付親検体ラック26がこのセクション分注ユニット7cに引き込まれる。
【0096】
一方、これらの条件(S86,S87,S88)を満たしていないと判断された場合には、BC付親検体ラック26は搬送コンベヤ5bにより下流の分注機に搬送される。
【0097】
セクション分注ユニット7cに引き込まれたBC付親検体ラック26に収容されている親検体25のセクション分注は、分注ユニット管理コンピュータ21の制御に基づき行なわれる。即ち、親検体25の1本毎にセクション分注を必要としている検体か否かの判断を行なう(S90)。ここでセクション分注を必要としている検体と判断された場合には、量判定により正常と判断されたか否かの判断を行なう(S91)。量判定により検体が空又は検体量が不十分と判断された検体の場合には保留工程(図10のS6)に引渡される。
【0098】
一方、量判定が正常と判断された検体の場合には、分注機51の分注ノズル51aによって検体を吸い上げ(S93)、適当な量の検体を子検体ラック27の子検体容器32に吐き出す(S94)。この時点で、この検体に対して検査番号(ID−1)を採番(設定)する(S95)。ここで、検査番号(ID−1)とは、検査室、検査項目等を表わす、文字及び数字により構成される番号であるが、この具体的な採番方法は、後述のプレ分注における検査番号(ID−1)、検査項目番号(ID−3)の採番方法(図34のS114及び図36参照)と同様である。
【0099】
次に、子検体ラック27の全ての子検体容器32に検体が分注されたか否かの判断が行なわれ(S96)、全ての子検体容器32に検体が分注された場合には、子検体ラック27を排出し(S97)、新しい子検体ラック27を供給する(S98)。BC付親検体ラック26の親検体25の中に、このセクション分注機7cによりセクション分注を行なう全ての親検体25に対してこの処理を行ない(S99)、分注の実績をDC28に書き込むと共に(S100)、分注ホストコンピュータ16に分注の実績を送信し(S101)、BC付親検体ラック26を搬送コンベヤ5bに排出する。この排出されたBC付親検体ラック26は、搬送コンベヤ5bにより下流のセクション分注機7cまで搬送される。
【0100】
上述の分注ホストコンピュータ16に対する分注の実績の送信により、分注ホストコンピュータ16には、検体に貼られた検体番号(ID−0)に対応して検査番号(ID−1)、親ラック番号、親ラックホール番号、子ラック番号および子ラックホール番号等が記憶されることになる(図30参照)。
【0101】
なお、子検体ラック27の供給については、図31及び図32に基づいて説明する。即ち、子検体ラック27の全ての子検体容器32に検体が分注されたと判断された場合には(図28のS96)、分注ユニット管理コンピュータ21のCPU21aが、子検体ラック27の供給を指示する(S125)。これに伴い空ラックストッカー52から搬送コンベヤ53により子検体ラック27が搬送されてくる。この搬送されてきた子検体ラック27のラック番号(バーコード)がBCR21dにより読み取られ(S126)、分注ユニット管理コンピュータ21の記憶部21cに記憶される(S127)。
【0102】
次に、図33〜図41を参照してプレ分注(精密分注)について説明する。BC付親検体ラック26が、搬送コンベヤ5bによってプレ分注ユニット7dの位置まで搬送されてきたときにこのプレ分注ユニット7dで分注をするか否かの判断が行なわれる。即ち、図33及び図38に示すように、DCRW21bによりBC付親検体ラック26のDC28に記憶されている分注情報がCPU21a(図8参照)により読み込まれ(S105)、記憶部21cに記憶される。この記憶された分注情報に基づき、このBC付親検体ラック26内にこのプレ分注ユニット7dにより分注を行なう必要がある親検体25が存在するか否かの判断が行なわれる(S106)。例えば、このプレ分注ユニット7dにより検査項目Xを行なう親検体25について分注を行なうことが予め定められている場合に(以下の説明においても、このプレ分注ユニット7dにより検査項目Xを行なう親検体25について分注を行なうことが予め定められているとする。)、DC28から読み込んだ分注情報が図39に示すものであれば、このBC付親検体ラック26内には、検査項目Xを行なう親検体25が存在するため、このプレ分注ユニット7dにより分注を行なう必要がある親検体25が存在すると判断される。
【0103】
ここで、プレ分注を行なう必要がある親検体25が存在すると判断された場合には、分注ユニット7dのラックバッファ50に2台のBC付親検体ラック26が存在しているか否かの判断が行なわれ(S107)、2台のBC付親検体ラック26が存在していないと判断された場合には、CPU21aにより分岐指令が出力され(S108)、BC付親検体ラック26がこのプレ分注ユニット7dに引き込まれる。
【0104】
一方、これらの条件(S106,S107)を満たしていないと判断されたBC付親検体ラック26は、搬送コンベヤ5bにより下流のプレ分注ユニット7dに搬送される。
【0105】
プレ分注ユニット7dに引き込まれたBC付親検体ラック26に収容されている親検体25のプレ分注は、分注ユニット管理コンピュータ21の制御に基づき行なわれる。即ち、DC28から読み込み、記憶部21cに記憶された分注情報(図39)を参照することにより、BC付親検体ラック26のホール番号1から順に、親検体25が検査項目Xを行なうものであるか否かを判断する(S110)。
【0106】
ここで検査項目Xを行なう検体と判断された場合には(この場合、まず、検体番号10000の検体が検査項目Xを行なう検体と判断される。)、量判定により正常と判断されたか否かの判断を行なう(S111)。量判定により検体が空又は検体量が不十分と判断された検体の場合には保留工程(図10のS6)に引渡される(S112)。一方、量判定が正常と判断された検体の場合には精密分注が行なわれる(S113)。
【0107】
ここで、図35を参照して精密分注について説明する。まず、記憶部21cに記憶されている分注情報(図39)を参照することにより、この親検体25に対して行なわれる検査項目及び検査項目Xに対して予め定められている分注量を読み出し識別する(S201)。ここで、検査項目Xに対して予め定められている分注量とは、検査項目Xを行なうのに必要な検体の量、即ちこの場合χである。
【0108】
次に、予め分注ホストコンピュータ16から受信し、記憶部21cに記憶されている、容器・試薬情報テーブル300(図40)を参照することにより、検査項目Xに対応して記憶されている分注容器の種類を識別する(S202)。即ち、この場合、検査項目Xに対応して分注容器の種類Iが記憶されているため、分注容器の種類がIであることを識別する。なお、容器・試薬情報テーブル300には、検査項目毎にその検査項目の検査で用いられる容器の種類、容器情報(容器の種類毎のホール数、容器上のホールの間隔、分注が終了したホール位置及び容器の分注ユニット上の位置等)及びその検査項目の検査で用いられる試薬の情報(試薬の種類、試薬の分注量、分注ユニット上の試薬の位置等)が記憶されている。
【0109】
なお、セクション分注の説明では、子検体ラック27の子検体容器32に親検体25が分注されるとしたが、プレ分注では、複数の分注ホールを有するマイクロプレート等に親検体25が分注されることもあるため、子検体ラック(又は分注容器)27、子検体容器(又は分注ホール)32として説明する。
【0110】
次に、CPU21aに容器・試薬情報テーブル300から容器情報を読み込み(S203)、この容器情報に基づき分注を行なう子検体容器(又は分注ホール)32の位置を算出する(S204)。CPU21aは、この算出された子検体容器(又は分注ホール)32の位置に、分注機51の分注ノズル51aを移動させるための制御信号を出力し、分注ノズル51aを算出された子検体容器(又は分注ホール)32の位置に移動させ、検査項目Xの分注量として記憶されていた量、即ちχの検体を分注する(S205)。その後、分注を行なった子検体容器を保持する子検体ラック27のホール番号(又は、分注容器の分注ホール番号)を検体番号に対応させて記憶する(S206)。また、この分注を行なった子検体容器(又は分注ホール)32の位置を容器情報内に記憶することにより(S207)、分注が終了した子検体容器(又は分注ホール)32の位置の情報を更新する。
【0111】
この精密分注が終了した時点で、この検体に対して検査番号(ID−1)及び検査項目番号(ID−3)を採番(番号の設定)する(S114)。
【0112】
即ち、図36に示すように、分注ユニット管理コンピュータ16の記憶部21cに記憶されている分注情報を読み出し(S500)、この分注情報の検査項目に基づきこの検体に対して検査が行なわれる検査室を識別する(S501)。次に、識別した検査室に基づき検査室単位の検査番号(ID−1)を設定する(S502)。即ち、精密分注を行なった検体が、例えば、H検査室のHWグループで検査が行なわれる1番目のものであれば、検査室、検査グループの識別記号を含む検査番号(ID−1):HHW0001が採番される。なお、この採番は、検査室の検査グループ毎に設けられているカウンター(図示せず)から現在記憶されている検査番号(ID−1)を読み出すことにより行なわれる。その後、カウンターに記憶されている検査番号(ID−1)が更新される(S503)。
【0113】
次に、分注情報として記憶されている検査項目を再び読み出し(S504)、この検査項目に基づき検査項目番号(ID−3)を設定する(S505)。即ち、精密分注を行なった検体が、例えば、検査項目Xが実施されるものであり、測定順序が1番目のものであれば、検査項目の識別記号及び測定順序を含む検査項目番号(ID−3):X0001が採番される。なお、この採番は、検査室の検査項目毎に設けられているカウンター(図示せず)から現在記憶されている検査項目番号(ID−3)を読み出すことにより行なわれる。その後、カウンターに記憶されている検査項目番号(ID−3)が更新される(S506)。
【0114】
次に、子検体ラック(又は分注容器)27の全ての子検体容器(又は分注ホール)32に検体が分注されたか否かの判断が行なわれ(図34のS115)、全ての子検体容器(又は分注ホール)32に検体が分注されていない場合には、分注情報を参照することにより検査項目Xを行なう次の親検体25(この場合には、検体番号10004の検体)をサーチし、上述の精密分注等の処理を繰り返す(S110〜S115)。従って、このプレ分注ユニット7dにおいて、検体番号10000、10004、10005……の検体の精密分注が行なわれる。
【0115】
一方、子検体ラック(又は分注容器)27の全ての子検体容器(又は分注ホール)32に分注を行なった場合にはその子検体ラック(又は分注容器)27に対して試薬分注を行なう(S116)。
【0116】
即ち、図37に示すように、まず、図34のS115の処理で子検体ラック (又は分注容器)27の全ての子検体容器(又は分注ホール)32に対する分注が終了したと判断された子検体ラック(又は分注容器)27の種類を識別する(S210)。なお、この子検体ラック(又は分注容器)27の種類の識別は、子検体ラック(又は分注容器)27の種類毎に、プレ分注ユニット7d上の位置が記憶されているため最後に分注を行なった分注ホールが、どの子検体ラック(又は分注容器)27の位置のものかにより行う。
【0117】
次に、分注情報及び容器・試薬テーブル300に記憶されている情報を参照することにより、この子検体ラック(又は分注容器)27の検体に対して実施される検査項目を識別する(S211)。
【0118】
次に、この検査項目に対応して容器・試薬テーブル300に記憶されている試薬情報を読込む(S212)。即ち、分注する試薬の種類、試薬の量及びこの試薬が設置されている分注ユニット上の位置情報を読み込む。
【0119】
更に、容器・試薬テーブル300からS210の処理に於て識別した子検体ラック(又は分注容器)27の種類に対応して記憶されている容器情報、即ち、容器上のホール位置及び容器の分注ユニット上の位置等を読み込む(S213)。また、この容器情報に基づき試薬分注を行なう子検体容器(又は分注ホール)32の位置を算出する(S214)。CPU21aは、試薬が設置されている位置に分注機51の分注ノズル51aを移動させるための制御信号を出力し、分注ノズル51aを試薬の位置に移動させ、分注量として記憶されている量の試薬を吸い上げる。また、上述の算出された子検体容器(又は分注ホール)32の位置に、分注機51の分注ノズル51aを移動させるための制御信号を出力し、分注ノズル51aを移動させ、試薬を分注する(S215)。その後、この分注を行なったホール位置を試薬情報内に記憶することにより(S216)、分注が終了した子検体容器(又は分注ホール)32の位置の情報を更新する。この処理を子検体ラック(又は分注容器)27の全ての子検体容器(又は分注ホール)32について行なう(S217)。
【0120】
試薬分注が終了した後、子検体ラック(又は分注容器)27を排出し(S117)、上述の処理(図31及び図32)により新しい子検体ラック(又は分注容器)27を供給する(S118)。
【0121】
BC付親検体ラック26の親検体25の中に、このプレ分注機7dによりプレ分注を行なう全ての親検体25に対してこの処理を行ない(S119)、分注の実績をDC28に書き込むと共に(S120)、分注ホストコンピュータ16に分注の実績を送信し(S121)、BC付親検体ラック26を搬送ライン5bに排出する。この排出されたBC付親検体ラック26は、搬送コンベヤ5bにより下流のプレ分注ユニット7dへ搬送される。
【0122】
上述の分注ホストコンピュータ16に対する分注の実績の送信により、分注ホストコンピュータ16には、検体番号(ID−0)に対応して検査番号(ID−1)、及び検査項目番号(ID−3)、親ラック番号、親ラックホール番号、子ラック番号および子ラックホール番号等が記憶されることになる(図41参照)。
【0123】
その後、分注ホストコンピュータ16は、図示しないプリンタにより、検体番号及びこの検体番号に対応して設定された検査番号(ID−1)、検査項目番号(ID−3)を表示した検査指示書、検査結果記入書、検体貼付用検査ラベルの出力を行なう(図19のS57)。従って、この検査指示書により分注処理が終了した親検体25の保管位置等を知ることができ、検体について再検査を行なう場合等に容易に検体の保管場所を探索することができる。
【0124】
なお、各検体に対して採番された検査番号(ID−1)、検査項目番号(ID−3)は、基幹ホストコンピュータ15により制御される検査情報表示用端末 (図示せず)の表示図面に表示することも可能である。
【0125】
セクション分注及びプレ分注の終了したBC付親検体ラック26には、親検体保管処理(図10のS5d、図19のS58)が行なわれる。即ち、図42及び図43に示すように、ラック排出装置7fから排出されたBC付親検体ラック26は、保管ワゴン55に移載される(S130)。保管ワゴン55の全ての棚にBC付親検体ラック26が移載された場合に(S131)、無線端末23によりワゴン番号を読み分注ホストコンピュータ16に送信する(S132)。また、全ての棚番号及びラック番号も無線端末23から分注ホストコンピュータ16に送信する(S133,S134)。この処理終了後、保管ワゴン55は、冷蔵庫に於て保存される。
【0126】
一方、セクション分注部F及びプレ分注部Gから排出された子検体ラック27(図29及び図38参照)は、検体分注システム設置ルーム1から搬出され各検査室に搬入される。
【0127】
この実施例によれば、検査番号(ID−1)及び検査項目番号を(ID−3)精密分注後に採番するため、作業者は、膨大な量の検体を検査番号(ID−1)に基づき、各検査室に搬入される検体毎に仕分けし、また、検査室に搬入された検体を検査項目番号(ID−3)に基づき、各検査項目を実施する検体毎に仕分ける作業から開放される。また、検査項目番号(ID−3)を用いて検査装置から検査ホストコンピュータに検査結果を送信することができ、また、検査番号(ID−1)を用いて検査結果を基幹ホストコンピュータに送信することも従来と同様に行なうことができる。
【0128】
【発明の効果】
この発明の検査番号設定システムによれば、分注が終了した検体に対して検査室の単位で設定される検査番号、検査項目の単位で設定される検査番号を設定するため、分注処理の前に検査番号に基づき検査室、検査項目等の単位で検体の分類、整列等の作業を行なう必要が無く、分注作業の効率が向上する。
【0129】
また、検査番号が検査室を示す非連続な文字と検査室単位の検査実施順序を示す連続な数字により構成されているため、この検査番号を用いて検査結果を基幹ホストコンピュータに送信することができる。更に、検査番号が検査項目単位の検査実施順序を示す連続な数字により構成されているため、この検査番号を用いて検査結果を検査装置から検査ホストコンピュータに送信することができる。
【0130】
また、出力手段により検査項目記憶手段に記憶されている検体番号及びこの検体番号に対応して記憶されている検査番号を表示した検査指示書の出力及び検査端末の表示を行なう場合には、この検査指示書や検査端末に表示されている検体番号及び検査項目等から分注終了後の検体の保存場所等を知ることができ、再検査等の場合の検体の探索を容易に行なうことができる。
【0131】
また、検体ラックの記憶保持部により保持される検体の検体番号及びこの検体に対して実施される検査項目を検体ラックの記憶媒体から読み出し、この読み出された検体番号及びこの検体に対して実施される検査項目を検査項目記憶手段に記憶する場合には、検体ラックの記憶保持部により保持される検体の検体番号及びこの検体に対して実施される検査項目を正確に記憶させることができる。
【0132】
また、この発明の検査番号設定方法によれば、分注処理の前に検査番号に基づき検査室、検査項目等の単位で検体の分類、整列等の作業を行なう必要が無くなり、作業効率が著しく向上する。。
【0133】
また、出力された検査指示書に表示されている検体番号及び検査項目等から分注終了後の検体の保存場所等を知ることができ、再検査等の場合の検体の探索を容易に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】検体分注システムが設置される分注システムが設置ルームのレイアウトを説明するための図である。
【図2】分注エリアの詳細を説明するための図である。
【図3】検体分注システムを制御するコンピュータシステムの構成を説明するためのブロック図である。
【図4】分注前処理管理コンピュータの構成を示すブロック図である。
【図5】ラック組装置管理コンピュータの構成を示すブロック図である。
【図6】ラック投入装置管理コンピュータの構成を示すブロック図である。
【図7】ラック引き込み装置管理コンピュータの構成を示すブロック図である。
【図8】分注処理ユニット管理コンピュータの構成を示すブロック図である。
【図9】ラック排出装置管理コンピュータの構成を示すブロック図である。
【図10】分注工程の概略を説明するためのフローチャートである。
【図11】BC付親検体ラックの斜視図である。
【図12】BC付親検体ラックの斜視図である。
【図13】分注前処理を説明するためのフローチャートである。
【図14】基幹ホストコンピュターに記憶される検体毎の検体情報を説明するための図である。
【図15】ラック組処理開始時に分注ホストコンピュータに記憶されている分注情報を説明するための図である。
【図16】ラック組処理を説明するためのフローチャートである。
【図17】ラック組処理を説明するための概略図である。
【図18】ラック組処理終了時に分注ホストコンピュータに記憶されている分注情報を説明するための図である。
【図19】分注ライン処理を説明するためのフローチャートである。
【図20】DC書込みを説明するためのフローチャートである。
【図21】DC書込みを説明するための概略図である。
【図22】分注エリアにおけるBC付親検体ラックの搬送経路を説明するための図である。
【図23】分注エリアにおけるBC付親検体ラックの搬送経路を説明するための図である。
【図24】量判定分注ユニットへのBC付親検体ラックの引き込みを説明するためのフローチャートである。
【図25】量判定分注ユニットにおける量判定分注を説明するためのフローチャートである。
【図26】量判定分注ユニットにおける量判定分注を説明するための図である。
【図27】セクション分注ユニットへのBC付親検体ラックの引き込みを説明するためのフローチャートである。
【図28】セクション分注ユニットにおけるセクション分注を説明するためのフローチャートである。
【図29】セクション分注ユニットにおけるセクション分注を説明するための図である。
【図30】セクション分注後に分注ホストコンピュータに検体番号に対応して記憶されている情報を説明するための図である。
【図31】子検体ラックの供給を説明するためのフローチャートである。
【図32】子検体ラックの供給を説明するための図である。
【図33】プレ分注ユニットへのBC付親検体ラックの引き込みを説明するためのフローチャートである。
【図34】プレ分注ユニットにおけるプレ分注を説明するためのフローチャートである。
【図35】精密分注を説明するためのフローチャートである。
【図36】検査番号(ID−1,ID−3)の設定を説明するためのフローチャートである。
【図37】精密分注を説明するためのフローチャートである。
【図38】プレ分注ユニットにおけるプレ分注を説明するための図である。
【図39】分注情報の具体例を説明するための図である。
【図40】容器・試薬テーブルを説明するための図である。
【図41】プレ分注後に分注ホストコンピュータに検体番号に対応して記憶されている情報を説明するための図である。
【図42】親検体の保管処理を説明するためのフローチャートである。
【図43】親検体の保管処理を説明するための図である。
【符号の説明】
1…検体分注システム設置ルーム、3…搬入検体待機エリア、4…分注前処理工程エリア、4c…分注前処理作業台、5…ラック組工程エリア、5a…ラック組装置、5b…搬送コンベヤ、7…分注エリア、7a…ラック投入装置、7b…量判定分注ユニット、7c…セクション分注ユニット、7d…プレ分注ユニット、7e…ラック引き込み装置、7f…ラック排出装置、15…基幹ホストコンピュータ、16…分注ホストコンピュータ、17…分注前処理管理コンピュータ、18…ラック組装置管理コンピュータ、19…ラック投入装置管理コンピュータ、20…ラック引き込み装置管理コンピュータ、21…分注ユニット管理コンピュータ、22…ラック排出装置管理コンピュータ、25…親検体、26…BC付親検体ラック、27…子検体ラック(又は分注容器)、28…データキャリア(DC)、31…子検体、32…子検体容器(又は分注ホール)、50…ラックバッファ、51…分注機、71…側壁、75…検体保持部、80…記憶媒体保持部。

Claims (11)

  1. 検体保持部を有し、この検体保持部により保持される検体の検体番号及びこの検体に対して実施される検査項目を記憶する記憶媒体を有する検体ラックと、
    前記検体ラックの前記記憶保持部により保持される検体の検体番号及びこの検体に対して実施される検査項目を前記検体ラックの前記記憶媒体から読み出す読出手段と、
    この読出手段により読み出された検体番号及びこの検体に対して実施される検査項目を記憶する検査項目記憶手段と、
    分注が終了した検体に対して検査が行なわれる検査室を前記検査項目記憶手段に記憶されている検査項目に基づき識別する検査室識別手段と、
    この検査室識別手段により識別された検査室の単位で設定される検査番号を前記検査項目記憶手段の前記検体の検体番号に対応させて記憶させる検査番号設定手段とを備えることを特徴とする検査番号設定システム。
  2. 前記検査番号は、検査室を示す非連続な文字と検査室単位の検査実施順序を示す連続な数字により構成されていることを特徴とする請求項1記載の検査番号設定システム。
  3. 検体保持部を有し、この検体保持部により保持される検体の検体番号及びこの検体に対して実施される検査項目を記憶する記憶媒体を有する検体ラックと、
    前記検体ラックの前記記憶保持部により保持される検体の検体番号及びこの検体に対して実施される検査項目を前記検体ラックの前記記憶媒体から読み出す読出手段と、
    この読出手段により読み出された検体番号及びこの検体に対して実施される検査項目を記憶する検査項目記憶手段と、
    分注が終了した検体に対して実施される検査項目を前記検査項目記憶手段から読み出す検査項目読出手段と、
    この検査項目読出手段により読み出された検査項目の単位で設定される検査番号を前記検査項目記憶手段の前記検体の検体番号に対応させて記憶させる検査番号設定手段とを備えることを特徴とする検査番号設定システム。
  4. 前記検査番号は、検査項目単位の検査実施順序を示す連続な数字により構成されていることを特徴とする請求項3記載の検査番号設定システム。
  5. 検体の検体番号に対応させて検体に対して実施される検査項目を記憶する検査項目記憶手段と、
    分注が終了した検体に対して実施される検査項目を前記検査項目記憶手段から読み出す検査項目読出手段と、
    この検査項目読出手段により読み出された検査項目に基づき前記分注が終了した検体に対して検査が行なわれる検査室を識別する検査室識別手段と、
    この検査室識別手段により識別された検査室の単位で設定される検査番号を前記検査項目記憶手段の前記検体の検体番号に対応させて記憶させると共に、前記検査項目読出手段により読み出された検査項目の単位で設定される検査番号を前記検査項目記憶手段の前記検体の検体番号に対応させて記憶させる検査番号設定手段とを備えることを特徴とする検査番号設定システム。
  6. 前記検査項目記憶手段に記憶されている検体番号及びこの検体番号に対応して記憶されている検査番号を表示した検査指示書の出力、又は前記検体番号及びこの検体番号に対応して記憶されている前記検査番号を検査端末に出力する出力手段を更に備えることを特徴とする請求項1、請求項3及び請求項5のいずれか1項に記載の検査番号設定システム。
  7. 検体保持部を有し、この検体保持部により保持される検体の検体番号及びこの検体に対して実施される検査項目を記憶する記憶媒体を有する検体ラックと、前記検体ラックの前記記憶保持部により保持される検体の検体番号及びこの検体に対して実施される検査項目を前記検体ラックの前記記憶媒体から読み出す読出手段を更に備え、この読出手段により読み出された検体番号及びこの検体に対して実施される検査項目を前記検査項目記憶手段に記憶することを特徴とする請求項5記載の検査番号設定システム。
  8. 検体保持部を有し、この検体保持部により保持される検体の検体番号及びこの検体に対して実施される検査項目を記憶する記憶媒体を有する検体ラックの前記記憶媒体から、前記記検体保持部により保持される検体の検体番号及びこの検体に対して実施される検査項目を読み出す第1のステップと、
    この第1のステップにより読み出された検体番号及びこの検体に対して実施される検査項目を検査項目記憶手段に記憶する第2ステップと、
    分注が終了した検体に対して検査が行なわれる検査室を前記検査項目記憶手段に記憶されている検査項目に基づき識別する第3のステップと、
    この第3のステップにより識別された検査室の単位で設定される検査番号を前記検査項目記憶手段の前記検体の検体番号に対応させて記憶させる第4のステップとを備えることを特徴とする検査番号設定方法。
  9. 検体保持部を有し、この検体保持部により保持される検体の検体番号及びこの検体に対して実施される検査項目を記憶する記憶媒体を有する検体ラックの前記記憶媒体から、前記記検体保持部により保持される検体の検体番号及びこの検体に対して実施される検査項目を読み出す第1のステップと、
    この第1のステップにより読み出された検体番号及びこの検体に対して実施される検査項目を検査項目記憶手段に記憶する第2ステップと、
    分注が終了した検体に対して実施される検査項目を前記検査項目記憶手段から読み出す第3のステップと、
    この第3のステップにより読み出された検査項目の単位で設定される検査番号を前記検査項目記憶手段の前記検体の検体番号に対応させて記憶させる第4のステップとを備えることを特徴とする検査番号設定方法。
  10. 検体ラックに備えられている記憶媒体からこの検体ラックに収容されている検体の検体番号及びこの検体に対して実施される検査項目を含む分注情報を読み出す第1のステップと、
    この読み出された前記検体の検体番号及びこの検体に対して実施される検査項目を含む分注情報を検査項目記憶手段に記憶する第2のステップと、
    前記検体ラックに収容されている検体に対して分注処理を行なう第3のステップと、
    この分注処理が終了した検体に対して実施される検査項目を前記検査項目記憶手段から読み出す第4のステップと、
    この第4のステップにより読み出された検査項目に基づき前記分注が終了した検体に対して検査が行なわれる検査室を識別する第5のステップと、
    この第5のステップにより識別された検査室の単位で設定される検査番号を前記検査項目記憶手段の前記検体の検体番号に対応させて記憶させると共に、前記第4のステップで読み出された検査項目の単位で設定される検査番号を前記検査項目記憶手段の前記検体の検体番号に対応させて記憶させる第6のステップとを備えることを特徴とする検査番号設定方法。
  11. 前記検査項目記憶手段に記憶されている検体番号及びこの検体番号に対応して記憶されている検査番号を表示した検査指示書の出力、又は前記検体番号及びこの検体番号に対応して記憶されている前記検査番号を検査端末に出力する第7のステップを更に備えることを特徴とする請求項10記載の検査番号設定方法。
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