JP3583235B2 - 内容液注出容器における中栓およびキャップ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内容液注出容器の中栓とキャップ、とくに中栓とキャップとを別体とした内容液注出容器において、内容液の流出方向を一定にするため、中栓とキャツプの位置合わせを行うようにした中栓とキャップに関する。
【0002】
【従来の技術】
本出願人は、先に高温においてもキャップ、中栓の嵌着が容易に離脱しないようにすること、および樹脂の軟化、熱収縮により容器口筒部と中栓との間のシール性が低下しないようにすることを目的として、中栓とキャップとを別体とし、中栓には軟質の合成樹脂を素材樹脂として用い、キャップには軟化温度の高い硬質の合成樹脂を素材樹脂として用い、キャップをキャップ基体と該キャップ基体に蝶番により開閉自在とした開閉蓋とから構成し、中栓を覆ってキャップ基体を口筒部の嵌合部外周に嵌着するようにした蝶番式開閉蓋を有するキャップを備えた内容液注出容器を提案した(特願平8−157596号参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
開閉蓋式の容器では、内容液注出時には、開閉蓋を開き、その開放位置と反対の方向に容器を傾け、内容液を注出させるということが普通に行われるが、上記内容液注出容器では、中栓の覆壁に設けられた除去部により形成される流出口が容器と同心の円形であるから、中栓とキャップとの位置関係について考慮する必要はなかった。
しかしながら、流出方向を制御するため、中栓覆壁の流出口を円形以外の形状にし、流出口の流出方向を一定の方向にした場合には、その流出方向をキャップ開閉蓋の開放位置と反対側の方向に一致させなければ、普通のように、開閉蓋の開放位置と反対の方向に容器を傾け、内容液を注出させると思わぬ方向に内容液が注出されるという問題が生じてきた。
【0004】
本発明は、上記の問題点を解決することを技術的課題とし、内容液の流出方向を一定にするため、中栓とキャツプの位置合わせを簡単にできるようにした内容液注出容器の中栓とキャップを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、容器口筒部上端に嵌合部を設けた容器と、中栓と、キャップとを備えた内容液注出容器において、
前記中栓は、流出方向を一定方向に規制する流出口を形成するための除去部を設けた覆壁と、容器口筒部の内周と上端に係合される嵌合筒と、前記覆壁の周縁と嵌合筒下端とを連結し、嵌合筒との間に挿入溝を形成する内筒とを具備し、 前記キャップは、キャップ基体と該基体に蝶番によって開閉自在に取着された開閉蓋とからなっており、キャップ基体に、その内周に前記口筒部の嵌合部外周に嵌着される嵌合面と前記嵌合部下端に嵌着される嵌合突条とを設けた嵌着筒と、前記中栓の挿入溝に嵌挿される嵌挿筒と、上面に注出筒を立設した上覆壁とを具備させ、前記中栓の流出口の液流出方向の反対側に位置する挿入溝の底部に位置決め用突起を形成し、前記キャップの蝶番側に位置する嵌挿筒の下端に位置決め用凹溝を形成したことを特徴とする中栓およびキャップを採用する。
【0006】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の第1実施形態について、図1〜4を参照して説明する。
図1において、Aは、ガラスまたはPETその他の硬質の合成樹脂により成形された容器であって、容器胴部1と容器口筒部2とからなっている。
前記容器口筒部2の上端には、口筒部外周より拡径された嵌合部3が形成されており、下端には、容器を挟持するための保持突条4が形成されている。
【0007】
Bは、射出成形により成型された中栓であり、覆壁5と容器口筒部2に係合被嵌される嵌合筒6とを具えている。
素材樹脂として、ポリエチレンその他軟質の合成樹脂が用いられるが、密度が0.917〜0.945g/cm3 のポリエチレンが好ましい。
Cは、射出成形によって成型されたキャップで、筒状のキャップ基体7と、該キャップ基体7に蝶番8で連結された開閉蓋9とからなっている。
素材樹脂として、軟化温度の高いポリプロピレンその他の硬質の合成樹脂が用いられる。
【0008】
図2に示すように、中栓Bの覆壁5の下面には、内容液の流出口となる除去部10を形成するため、一定形状の切断溝11が設けられている。
除去部10の形状は、覆壁5の周辺に沿って形成され、円周の所定角度を切り欠いた截円部10aと、該截円部10aの弦部から突出し所定の曲線によって形成された突出部10bとからなっており、全体の形状は、図2(c)における線X−Yに対称となっている。
内容液は、主に截円部10aから流れ出し、その流れの中心は、中栓の中心より偏寄した点Pに位置している。
したがって、内容液をX方向に流出させると、円滑に流れるようになっており、流出口の形状によって流出方向が制御されているのである。
【0009】
前記除去部10の上面には、前記突出部10bから立設した連結片12を介して指かけリング13が設けられている。
該指かけリング13に指をかけ上方に引張り上げると切断溝11が切断され、除去部10が切り取られて内容液の流出口が形成されるようになっている。
【0010】
前記覆壁5下方には、その周縁部から下垂する内筒14が形成され、内筒14の下端は外方に延長され、嵌合筒6に連結されて連結部15となっており、嵌合筒6と内筒14と連結部15とによって、挿入溝16が形成されている。
前記嵌合筒6の上端は、フランジ状に外方に突出する覆板17となっており、容器口筒部2の上端を覆うようになっている。
挿入溝16の底部の前記突出部10bに対応する位置に位置決め用突起18が設けられており、位置決め用突起18に対応する連結部15の下面には位置決め用突起18の位置が外からも容易に確認し、位置調整できるように凸片19が設けられている。
【0011】
図3に示すように、キャップ基体7は、中栓Bを被嵌して容器口筒部2に嵌合するため嵌着筒20と嵌挿筒21と上覆壁22とを有している。
嵌着筒20の内周には、嵌合面23が形成され、その上方の数個所に突条24が形成されており、嵌合面23の下方には嵌合突条25が形成されている。
嵌挿筒21の下端には、蝶番に対応する位置に位置決め用凹溝26が設けられている。
前記嵌挿筒21は、その位置決め用凹溝26に中栓の位置決め用突起18が係合するよう位置合わせされて、中栓Bの挿入溝16に嵌挿され、打栓時に中栓Bの嵌合筒6を容器口筒部2内周に押圧し、締着させるようになっている。
【0012】
前記上覆壁22の上面周辺部には、上端周縁に膨出部27を設けた嵌合リング28が立設されている。
上覆壁22の内周縁は、嵌挿筒21の内方まで突出し、突出縁29が形成されており、該突出縁29の上面には注出筒30が立設されている。
該注出筒30の上端周縁は、外方に拡開されて注出口唇部31が形成されている。
【0013】
蝶番8は、キャップ基体7、開閉蓋9とともに一体成形され、蝶番8の両側には、バネ32が形成されており、開閉蓋9を開閉操作したときに、閉鎖位置と開放位置に偏寄させるようにしている。
【0014】
開閉蓋9は、頂壁33と側壁34とからなり、頂壁33の下面中央部には、前記注出筒30内面に嵌合し、その注出口唇部31を密封する密封リング35が設けられている。
密封リング35の蝶番側には、3個の突条36が設けられ、開閉蓋9を閉鎖したときに密封リング35が注出口唇部31に係合するように案内し、位置合わせするようにしている。
側壁34の下端部内周は、前記キャップ基体7の嵌合リング28に嵌着され、下端には数個の膨出部37が形成されている。
蝶番8の反対側の下端外周には、つまみ38が形成されている。
【0015】
容器口筒部2の嵌合部3,中栓Bの嵌合筒6,キャップ基体7の嵌着筒20との間の相互の寸法関係は、図4に示すように、中栓Bの嵌合筒6の外周と容器口筒部2内周との間には、締め代d1 が形成されており、キャップ基体7の嵌着筒20内周に設けられた嵌合面23と容器口筒部2の嵌合部3の外周面との間には、締め代d2 が形成されている。
また、キャップ基体7の嵌合リング28の膨出部27の外径は、開閉蓋9の内径と締め代を残して等しくされ、膨出部37の内径は、膨出部27の外径より小さく嵌合リング28下部外径との間に締め代を残して等しくされている。
【0016】
次に、上記構成による作用効果について述べると、本実施形態の容器は、内容液の充填後に打栓されるが、打栓にあたっては、まず、中栓BとキャップCが結合される。
その際に、キャップ基体7の嵌挿筒21は、その位置決め用凹溝26に中栓Bの位置決め用突起18が係合するよう位置合わせされ、中栓Bの挿入溝16に嵌挿され、嵌着筒20の内周に形成された突条24によって中栓Bの覆板17が係止される。
位置合わせにあたっては、連結部15の下面に設けられた凸片19により合わせ位置が容易に確認調整することができる。
【0017】
次に、中栓Bと結合したキャップCが容器口筒部2に打栓されるが、打栓が完了したときには、中栓の嵌合筒6は、締め代d1 を大きくとってあるので、容器口筒部2内周に強く締着され、内容液は確実に密封される。
また、キャップCは、容器口筒部2の嵌合部3外周面とキャップ基体7の嵌着筒20の嵌合面23との間に締め代d2 をとってあり、さらに嵌合突条25が容器口筒部2の嵌合部3の下面に嵌着されているので、嵌着が強化されている。
そして、中栓Bとキャップ基体7との位置合わせによって、開閉蓋9の開閉方向と中栓Bの除去部10のX−Y線とが一致している。
【0018】製品容器の開封にあたっては、つまみ38を持って開閉蓋9を開き、指かけリング12を引き上げると、切断溝11が切断されて除去部10を容易に取り去ることができ、流出口が形成される。
使用にあたって、つまみ38を持って開閉蓋9を開くと、開閉蓋9は、蝶番8のバネ32の働きによって開放され、開放位置に維持される。
注出時には、通常のように開閉蓋の開放位置の反対側が注出筒からの流出方向となり、中栓の流出口の流出方向が、キャツプ注出筒の流出方向と一致するので、容器を開閉蓋の開放位置の反対側に傾けていくと内容液はスムースに注出することができる。
開封後に、開閉蓋を閉じると、密封リング35が注出筒30内周に嵌合され、内容液の流出が阻止されるとともに、側壁34の膨出部37が嵌合リング28の膨出部27を乗り越え、開閉蓋の嵌着が確実に行えるとともに、その際音も発するので、嵌着のフィニッシュ感がもたらされ、使用者に安心感を与えることもできる。
【0019】
次に、中栓B,キャップCの構成の一部を変更した第2実施形態について説明する。
前記実施形態では、注出筒をキャップ基体に立設したが、第2実施形態は、注出筒を中栓に形成したものである。
図5を参照して第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0020】
図において、Baは中栓、Caはキャップである。
中栓Baの覆壁5aの上面には注出筒30aが立設されており、注出筒30aの外周縁から下方に延在する内筒14aが形成されており、該内筒14aの下端は、外方に延長され、嵌合筒6aの下端と連結されて連結部15aとなっている。
嵌合筒6aと内筒14aと連結部15aとによって、挿入溝16aが形成されている。
【0021】
キャップ基体7aは、中栓Baを被嵌して容器口筒部2に嵌着するよう嵌着筒20aと上覆壁22aと前記挿入溝に嵌挿される嵌挿筒21aとを具備している。
中栓、キャップ基体のその他の構成は、第1実施形態と同一であり、上記構成に基づく作用効果は、第1実施形態のそれと同一である。
【0022】
上記各実施形態では、中栓の除去部10の形状は内筒の内周に沿って形成され、円周の所定角度を切り欠いた截円部10aと、該截円部10aの弦部から突出し所定の曲線によって形成された突出部10bとからなっているが、流出方向がX方向に制御されるよう長軸がX−Y線上にある楕円形の流出口、ひょうたん形の流出口、菱形の流出口であってもよい。
【0023】
【発明の効果】
本発明は、上記のように構成されているから、次の効果を奏する。
中栓とキャップ基体とを位置合わせし、中栓の流出口の液流出方向をキャップ開閉蓋の開放位置の反対側になるようにしているので、注出時には、通常のように容器を開閉蓋の開放位置の反対側に傾けると内容液をスムースに注出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示すもので、容器と中栓、キャップの結合状態を示す縦断正面図である。
【図2】中栓を示す図面で、(a)は平面図、(b)は縦断正面図、(c)は底面図である。
【図3】開放状態のキャップを示す図面で、(a)は平面図、(b)は縦断正面図、(c)は底面図である。
【図4】容器、中栓、キャップの結合状態を示す要部の拡大断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態を示すもので、容器と中栓、キャップの結合状態を示す縦断正面図である。
【符号の説明】
A 容器
B,Ba 中栓
C,Ca キャップ
2 容器口筒部
3 嵌合部
5,5a 覆壁
6,6a 嵌合筒
7,7a キャップ基体
8 蝶番
9 開閉蓋
10 除去部
10a 截円部
10b 突出部
14,14a 内筒
16,16a 挿入溝
18 位置決め用突起
20,20a 嵌着筒
21,21a 嵌挿筒
22,22a 上覆壁
26 位置決め用凹溝
30,30a 注出筒
Claims (1)
- 容器口筒部上端に嵌合部を設けた容器と、中栓と、キャップとを備えた内容液注出容器において、
前記中栓は、流出方向を一定方向に規制する流出口を形成するための除去部を設けた覆壁と、容器口筒部の内周と上端に係合される嵌合筒と、前記覆壁の周縁と嵌合筒下端とを連結し、嵌合筒との間に挿入溝を形成する内筒とを具備し、 前記キャップは、キャップ基体と該基体に蝶番によって開閉自在に取着された開閉蓋とからなっており、キャップ基体に、その内周に前記口筒部の嵌合部外周に嵌着される嵌合面と前記嵌合部下端に嵌着される嵌合突条とを設けた嵌着筒と、前記中栓の挿入溝に嵌挿される嵌挿筒と、上面に注出筒を立設した上覆壁とを具備させ、
前記中栓の流出口の液流出方向の反対側に位置する挿入溝の底部に位置決め用突起を形成し、前記キャップの蝶番側に位置する嵌挿筒の下端に位置決め用凹溝を形成したことを特徴とする内容液注出容器における中栓およびキャップ。
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JPH1077056A JPH1077056A (ja) | 1998-03-24 |
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- 1996-08-30 JP JP24863896A patent/JP3583235B2/ja not_active Expired - Fee Related
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