JP3777652B2 - 注出容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は液体、粘稠物などを収容し、容器本体をスクイズして内容物を注出するようにした注出容器に関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
従来、この種の注出容器においては、練り歯磨きを収容したチューブ容器などがあり、これらはチューブ状の容器本体の一端を絞り込んでテーパー状とし、その先端にねじ部を有する注出口を設けており、前記ねじ部に螺着するキャップにて注出口を開閉可能に覆うようにしている。また、昨今にあっては前記注出容器を倒置できるようにして取り扱い易さを向上させる工夫がなされるようになってきており、図6に示すように、容器本体aの注出口bを閉鎖するキャップcにおいて、天面(倒立時に下に位置する)dを平坦にするとともに、容器本体aの外形に合わせた外周壁eを有する形状としている。
【0003】
また、上記倒置型の注出容器では、先端を注出口としたテーパー形状部分を一体的に備える形で容器本体を作製しなければならない点、キャップの内部にねじ部を設ける必要からキャップの成形樹脂量が大きくなっている点、そして、キャップの内部空間が大きく倒置時にキャップの外周壁と容器本体との間から浸入した水などがそのキャップ内で溜り易くなる点などが問題とされている。このことから、注出口を備えて開閉できる部材を、筒状の容器本体側に取り付けることが考えられるようになってきた。
例えば、合成樹脂シートなどの柔軟な素材から筒状の容器本体を製作し、その容器本体の一方の開口部における開口縁をヒートシールなどの手法を用いて貼り合わせて閉鎖し、更にもう一方の開口部を注出側開口部とし、その注出側開口部には合成樹脂製の注出口具を取り付け、注出に際しては容器本体を軽く握ったり押したりすることで、注出口具に設けられている注出口から液体や粘稠物などの収容物を注出するようにしたものがある。
図7はその一例を示していて、注出容器1は柔軟な合成樹脂製シートを素材とする筒状の容器本体2と合成樹脂製の注出口具3とからなり、注出口具3のインナーリング部4を容器本体2の注出側開口部5に差し入れ 注出口具3の外周に亘って形成されている受け部6においてこの注出口具3と注口側開口部5の開口周縁とを溶着するようにし、さらに、注出口具3にあっては天面7を平坦にして、この注出口具3を下方にし容器本体2を上方にした倒立状態に倒置できるようにしている。そして、この注出口具3の天面7の中央に段落ちされた凹部8が設けられ、その凹部8に注出口9が開口している。
図7に示されている例にあっては上記注出口具3は平面形状が略長円状としており、容器本体2の注出口具側の断面もこれに応じて略長円状となる。なお、容器本体2の他端は図示されていないが、例えばヒートシールにより閉鎖することができる。
注出口具3の中央における凹部8には、その凹部8側に両端の枢軸部が支持される蓋体10が回動可能に取り付けられており、この蓋体10の開閉操作で注出口が開閉される。蓋体10が閉じられたときには注出口具の天面が平坦になり、倒置するときに支障が生じないようにしている。
【0004】
しかしながら、注出口具を容器本体に直接取り付けた上記注出容器では、注出口具の内部上方隅部11の内面形状が角張っているため、注出が行われて収容量が少なくなってきても前記内部上方隅部11に収容物が残り、この部分の収容物を注出できないという問題がある。
一方、上記蓋体を別成形にて作製してから注出口具の凹部に取り付ける構造に代えて、セルフヒンジからなるヒンジ部を介して蓋体を注出口具と一体成形することが提案されているが、この場合、つぎの問題がある。即ち、セルフヒンジ形式にして蓋体を一体に備える注出口具の成形素材としてはポリプロピレン樹脂が最適であるが、注出口具をこのポリプロピレン樹脂より成形すると、その注出口具との溶着を行わせるために上記容器本体側もポリプロピレン樹脂とすることになり、最内層と最外層をポリプロピレン樹脂層とした積層構成のシート材より容器本体を作製することになる。しかしながら、ポリプロピレン樹脂同士の溶着にあってはその樹脂の物性などにより溶着条件が極めて限定されたものとなっており、ポリエチレン樹脂同士の溶着に比べて技術的にも効率的にも困難であり、コストアップを生じさせる。そして、注出口具を前記ポリプロピレン樹脂にて成形するとともに、容器本体側にもポリプロピレン樹脂層を設けて、その注出口具と容器本体とを熱風溶着する場合、上述した溶着条件の下ではヒンジ部に熱的に悪影響を及ぼしてしまうという問題も懸念されている。
また、図8に示すように上記蓋体10をセルフヒンジ形式とするとともに、上述した内部上方隅部の空間を無くすために注出口具3の内部形状を注出口9に向けて傾斜内面を有するものにすると、倒置が可能であり収容物の残留を解消することが期待できる。しかし、このようにすると注出口具の上部肉厚が大きくなり、成形樹脂量の増大、成形サイクルの低下、ヒケの発生など、多くの不都合が生じてくる。
【0005】
そこで本発明は上記事情に鑑み、注出口具側での収容物の残留を少なくできるテーパー状の内部形状が採用できるようにするとともに、注出口具と容器本体との溶着に際して蓋体のヒンジ部に悪影響を与えないようにすることを課題とし、取り扱い容易な注出容器を低コストにて得られるようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を考慮してなされたもので、柔軟な素材からなる容器本体の胴部とほぼ同じ径の注出側開口部に、注出口を開閉可能にした注出口具を取り付けた注出容器であって、前記注出口具は、前記容器本体に溶着可能な素材から成形されて容器本体の注出側開口部に溶着固定される注出基体と、この注出基体に着脱可能に設けられている連結体と、この連結体にヒンジ部を介して連結され前記注出口を開閉可能に覆う蓋体とからなり、前記注出基体の容器本体側内面を、注出口を頂部とするテーパー状ないし膨出形状とし、注出口閉時に前記注出基体のテーパー状ないし膨出形状とした部位の上方位置となる前記蓋体の上面が平坦とされ、注出口具側を下にし容器本体を上にした倒立状態で倒置可能であることを特徴とする注出容器を提供して、上記課題を解消するものである。
そして、前記連結体と蓋体とがヒンジ部を介して一体に成形されていることが良好である。また、前記容器本体は注出側開口部に対向する位置に第二開口部を有し、その第二開口部に、容器の正置を可能にする平面部を備えた閉鎖体が取り付けられて、前記第二開口部が閉鎖されているものとすることも可能である。さらに、前記連結体を注出基体より耐熱性を有する樹脂としたものとすることも可能である。
【0007】
【発明の実施の形態】
つぎに本発明を図1から図5に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。なお、図7、図8に示す従来例と構成が重複する部分は同符号を付してその説明を省略する。
図1と図2は第一の例を示している。この第一の例における注出容器1は容器本体2と注出口具3とからなり、前記容器本体2は柔軟な合成樹脂シートより筒状に製作されていて、一方の開口部を注出側開口部5として注出口具3がセットされ、他方の第二開口部にあってはその開口周縁が円弧状にヒートシールされて閉鎖部12としている。この容器本体2を構成する合成樹脂シートは少なくとも内外層をポリエチレン層としており、前記閉鎖部のヒートシール、及び後述する注出口具との溶着に適したものとされている。
【0008】
上記注出口具3は図示されているように注出基体13と連結体14と蓋体15とからなる。前記注出基体13は上記容器本体の注出側開口部と溶着適性に優れている、即ち、容器本体を構成する合成樹脂シートの内外層であるポリエチレン樹脂と同一であるポリエチレン樹脂から成形されていて、平面形状が略長円状となるとともに、注出側開口部の内側に入るインナーリング部4と外周面に亘る断面鈎型状の受け部6とで注出側開口部5の端縁が入り込む溝を形成している。さらに、この注出基体13にあっては所要高さの縦壁部16が前記受け部6から立ち上げられているとともに、略中央の注出口9を頂部として前記縦壁部16の基端側から注出口9に向けた先細りするテーパー状に形成されており、前記注出口9の回りに傾斜壁17が配置されたものとされている。
上記連結体14は蓋体15を注出基体13側にセットするためのものであり、筒状とされた上記注出口9が嵌合突出する透孔18を有する中板部19の下面に、上記縦壁部16の内側に密接状態にして差し入れることのできる垂下壁部20を備えている。21は縦壁部16の上端に当接してこの連結体14の位置決めを行うフランジ部である。
さらに、この連結体14の一辺部分にヒンジ部22を介して上記蓋体15が一体に連結されており、中板部19から突出する注出口9を閉鎖するためのシールリング部23がこの蓋体15の連結体側対向面に突設されている。前記ヒンジ部22は図示されているように一対のヒンジ連結部分の間にバネ片を位置させたヒンジ形式で、前記バネ片の弾性力を利用して開状態と閉状態とが安定して得られるようにした通常形式のものであり、このヒンジ部22を間にして前記連結体14と蓋体15とが、その素材をヒンジ構造に適し注出基体13より耐熱性を有するポリプロピレン樹脂により一体に成形されている。
【0009】
図において注出基体13と連結体14とが分離された状態で示されているが、注出口具3の容器本体2への取付に際しては予めこの注出基体13と連結体14が一体に組み付けられており、蓋体15も中板部側に被せ付けられて注出口を覆った状態となっている。この前記注出口具3の受け部6に注出側開口部5の開口端縁が入り込むようにして注出口具3を容器本体2に装着し、前記受け部6に対して外方から熱風を吹き付けによることで溶着を行われ、注出口具3が容器本体2に取付固定される。収容物の充填に関しては前述の注出口具の取付後に、容器本体2の他方の第二開口部から行い、その第二開口部の開口周縁をヒートシールして閉鎖部12を形成し、これによって収容物が充填された注出容器1が得られる。なお、収容物の充填形態はこれに限定されるものではなく、閉鎖部12を有する容器本体の注出側開口部から充填を行い、その後に注出口具を取付固定(溶着)することも行えるものである。
【0010】
上記注出口具と容器本体との溶着固定に関しては熱風吹き付けによる例を示したが、注出基体と容器本体とがポリエチレン樹脂同士であるときにはヒートシールによって行うことが最適である。また、収容物が界面活性剤となる、或いは界面活性剤を含むものである場合を考慮すると、耐クラック性を向上させるために、ポリエチレン樹脂系から選択を行う必要があり、注出基体をLLDPE(線状低密度ポリエチレン)又はLDPE(低密度ポリエチレン)とすることが良好である。収容物の安定性確保の点からはLLDPEが良く、収容物を最後まで出し切るというようにする点からはスクイズし易いLDPEが選択できる。なお、LLDPEを選択した場合、注出基体を潰し難くなるが、上述のようにその注出基体が注出口に向けて先細りしたテーパー状としているため、収容物が残留する割合も極めて小さくなる。
【0011】
図示するように注出口具3の天面7、即ち、注出口閉時に注出基体のテーパー状とした部位の上方位置となる蓋体15の上面15aは平坦な形状であり、この蓋体15を閉じたときに上方に突出するものがないように設けられている。上記ヒンジ部22も突出しないように形成されている。このように注出口具3の天面が平坦であるため、図2に示すように注出口具3を下に容器本体2を上にした倒立状態が安定し、平坦な場所であればいずれの場所でも倒置できるようになる。なお、図において、24は前記ヒンジ部22を逃げるために縦壁部16に設けられた待避部である。
【0012】
図3は第二の例を示している。この第二の例にあっては、注出基体13が注出口9を頂部として上方に膨出する形状とされ、また、連結体15には上記第一の例の垂下壁部がなく、その代わりに、前記注出基体13周囲における縦壁部16の二ヶ所に形成された切り欠き状の嵌合凹所25に係脱可能に係合する爪部26を対にして備えている。さらに、この第二の例では連結体14の中板部19に、前記注出口9に受け重なる第二注出口27が設けられており、この両者が重なって一つの注出口を形成するようにしている。
【0013】
図4は第三の例を示している。この第三の例にあっては、注出基体13の上面を平坦にし注出口9を突出位置させているが、その注出基体13の容器本体側内面13aを、注出口9を頂部とする膨出形状となるようにしている。また、連結体14は環状とされて注出基体13の外周に嵌着するものであり、注出基体13に嵌着する連結体14を介して蓋体15が取り付けられ、注出基体13を直接蓋体15が覆うようにした構造としている。
なお、上記した各実施の例では容器本体の一方が閉鎖部として構成され、倒置できる注出容器としているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図5に示すように、上記容器本体2の注出側開口部5に対向する位置の第二開口部に、容器の正置を可能にする平面部を備えた閉鎖体28を取り付け、前記第二開口部が閉鎖体28によって閉鎖されているものとしてもよい。勿論、この閉鎖体28も上述した注出基体と容器本体との関係のように、容器本体の内外層の樹脂材と同一のものから成形し、溶着が適正に行われるようにする。
【0014】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の注出容器は、柔軟な素材からなる容器本体の胴部とほぼ同じ径の注出側開口部に、注出口を開閉可能にした注出口具を取り付けたものであって、前記注出口具は、前記容器本体に溶着可能な素材から成形されて容器本体の注出側開口部に溶着固定される注出基体と、この注出基体に着脱可能に設けられている連結体と、この連結体にヒンジ部を介して連結され前記注出口を開閉可能に覆う蓋体とからなり、前記注出基体の容器本体側内面を、注出口を頂部とするテーパー状ないし膨出形状とし、注出口閉時に前記注出基体のテーパー状ないし膨出形状とした部位の上方位置となる前記蓋体の上面が平坦とされ、注出口具側を下にし容器本体を上にした倒立状態で倒置可能であることを特徴とするものであり、ヒンジ部を介して開閉動作させる蓋体を、容器本体に取付固定する注出基体に対して別部材として構成されているため、容器本体の内外層をポリエチレンとするとともに注出基体もポリエチレンとし、両者を連結してその連結部分に熱風を吹き付けるなどとする確実な溶着方法が採用でき、容器本体と注出口具との連結部分の密封性が確実なものとすることができるようになる。そして、蓋体側にあってはヒンジ部構造に適したポリプロピレン樹脂を採用して成形でき、開閉操作の容易な注出容器が得られる。このように、容器本体に対する注出口具の溶着性と蓋体の開閉操作性とを最良にするための成形樹脂の選択幅が大きくなり、よって、注出口具の溶着性と蓋体の開閉操作性とが最良となった注出容器が得られるようになる。
また、注出基体は倒置用の容器における蓋体形状に影響されなくなり、このため、注出口を頂部とする隆起形状とすることが可能になって、注出基体内部に収容物の残留を極力少なくすることができる。
さらに蓋体側を注出基体に比較して耐熱性を有する樹脂を使用したので、基体、連結体と注出基体をセットした後、ホットエアを利用して容器本体と注出基体を加熱して一体に溶着しても、蓋体側のヒンジ部などへの影響がなく良好な状態を維持することができるようになるなど、実用性に優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る注出容器の第一の例を示すもので、(イ)は注出基体と蓋体側とを分離した状態を示す説明図、(ロ)は容器本体に対して注出口具が取り付けられた状態を示す説明図、(ハ)は蓋体を開いた状態を示す説明図である。
【図2】 第一の例で倒置した状態を示す説明図である。
【図3】 第二の例を示すもので、(イ)は注出基体と蓋体側とを分離した状態を示す説明図、(ロ)は容器本体に対して注出口具が取り付けられた状態を示す説明図、(ハ)は蓋体を開いた状態を示す説明図である。
【図4】 第三の例を示すもので、(イ)は注出基体と蓋体側とを分離した状態を示す説明図、(ロ)は容器本体に対して注出口具が取り付けられた状態を示す説明図、(ハ)は蓋体を開いた状態を示す説明図である。
【図5】 第四の例を示す説明図である。
【図6】 従来のねじキャップ式の注出容器を示す説明図である。
【図7】 同じく従来例を示す説明図である。
【図8】 セルフヒンジ形式の従来例を示す説明図である。
【符号の説明】
1…注出容器
2…容器本体
3…注出口具
5…注出側開口部
6…受け部(注出口具)
9…注出口
13…注出基体
14…連結体
15…蓋体
28…閉鎖体
Claims (4)
- 柔軟な素材からなる容器本体の胴部とほぼ同じ径の注出側開口部に、注出口を開閉可能にした注出口具を取り付けた注出容器であって、
前記注出口具は、前記容器本体に溶着可能な素材から成形されて容器本体の注出側開口部に溶着固定される注出基体と、この注出基体に着脱可能に設けられている連結体と、この連結体にヒンジ部を介して連結され前記注出口を開閉可能に覆う蓋体とからなり、前記注出基体の容器本体側内面を、注出口を頂部とするテーパー状ないし膨出形状とし、
注出口閉時に前記注出基体のテーパー状ないし膨出形状とした部位の上方位置となる前記蓋体の上面が平坦とされ、注出口具側を下にし容器本体を上にした倒立状態で倒置可能であることを特徴とする注出容器。 - 前記連結体と蓋体とがヒンジ部を介して一体に成形されている請求項1に記載の注出容器。
- 上記容器本体は上記注出側開口部に対向する位置に第二開口部を有し、その第二開口部に、容器の正置を可能にする平面部を備えた閉鎖体が取り付けられて、前記第二開口部が閉鎖されている請求項1または2に記載の注出容器。
- 上記連結体を注出基体より耐熱性を有する樹脂とした請求項1から3の何れか一項に記載の注出容器。
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