JP3583168B2 - 含フッ素ベンズアセタール誘導体 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、各種の金属やガラス等の表面に効果的に撥水撥油性や防汚性等を付与し得る表面改質剤の有効成分として有用な含フッ素ベンズアセタール誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、含フッ素系化合物は撥水撥油性や防汚性等の点で優れているために、表面改質剤等を含む多様な用途が期待されるものであるが、その不活性な表面特性に起因して、他の材質、例えば、各種の金属やガラス等に対する密着性や塗布性が悪いため、その利用が大幅に制限されるという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、このような問題を解決し、各種の金属やガラス等に対して優れた密着性や塗布性を発揮することによって、これらの表面に撥水撥油性や防汚性等を効果的に付与し得る表面改質剤の有効成分として有用な含フッ素系化合物を提供するためになされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
即ち本発明は、一般式(I):
【化5】
[式中、Xは−(CH2)k−(kは0もしくは1〜3の整数を示す)または−(CH2)j−O−CH2−(jは1〜3の整数を示す)を示し、nは5〜10の整数を示す]で表わされる含フッ素ベンズアセタール誘導体および
一般式(II):
【化6】
(式中、Aは−O−または−O−CH2−を示し、nは5〜10の整数を示し、mは1または2の数を示す)
で表される含フッ素ベンズアセタール誘導体に関する。
【0005】
一般式(I)において、Xは−(CH2)k−(kは0もしくは1〜3の整数を示す)または−(CH2)j−O−CH2−(jは1〜3の整数を示す)を示し、また、一般式(II)において、Aは−O−または−O−CH2−を示し、mは1または2の整数を示す。
さらに、一般式(I)および(II)において、CnF2n−1は炭素原子数5〜10のペルフルオロアルケニル基を表わし、例えば、次式(1)〜(4)で表わされるペルフルオロヘキセニル基またはペルフルオロノネニル基が挙げられる。
【0006】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【0007】
一般式(I)および(II)で表わされる含フッ素ベンズアセタール誘導体の製造法は特に限定的ではないが、特に好適な製造法を以下に説明する。
一般式(I)で表される含フッ素ベンズアセタール誘導体は、一般式(III):
【化11】
[式中、Yは−(CH2)k−OHまたは−CH2−O−(CH2)j−OHを示し、kおよびjは前記と同意義である]
で表わされるベンズアセタール誘導体を極性溶媒中、塩基の存在下において、炭素原子数5〜10のペルフルオロアルケン、例えば、次式(1’)または(2’)で表わされるペルフルオロヘキセンまたはペルフルオロノネン等と反応させることによって調製することができる:
【化12】
【化13】
【0008】
また、一般式(II)で表される含フッ素ベンズアセタール誘導体は、前記の一般式(III)で表わされるベンズアセタール誘導体を極性溶媒中、塩基の存在下において、一般式(IV):
【化14】
(式中、mおよびnは前記と同意義)
で表わされるペルフルオロアルケニルオキシベンゾイルクロリドと反応させることによって調製することができる。
【0009】
なお、前記一般式(III)で表わされる化合物のうち、kが1〜3の整数を示す化合物またはjが1〜3の整数を示す化合物、セサモールまたはピペロニルアルコールをアルカリ条件下において、一般式(IV):
【化15】
[式中、ZはBrまたはClを示し、RはCH3−、CH3−O−CH2−、CH3−O−CH2CH2−O−CH2−、CH3−O−(CH2)4−CH−、CnH2n+1−CO−(nは前記と同意義である)またはAr−CO−(Arはフェニル基を示す)を示す]
で表わされる化合物と反応させ、得られるエーテル化合物あるいはエステル化合物のエーテル結合あるいはエステル結合を加水分解等により、切断することによって調製することができる。
【0010】
前記の極性溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジオキサン、アセトニトリル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルイミダゾリジノンおよびテトラヒドロフラン等が例示されるが、特に、N,N−ジメチルホルムアミドおよびアセトニトリルが好ましい。
また、塩基としては、トリエチルアミン、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム、水素化カルシウム等が例示されるが、トリエチルアミンが特に好ましい。
なお、反応温度は通常、0〜50℃、好ましくは5〜15℃である。
【0011】
前記の一般式(I)または(II)で表わされる含フッ素ベンズアセタール誘導体は酸性条件下においては、アセタール環の開裂によって、一般式(VI):
【化16】
(式中、Xおよびnは前記と同意義)
または、一般式(VII):
【化17】
(式中、A、mおよびnは前記と同意義)
で表わされる含フッ素カテコール誘導体に変化する。
該含フッ素カテコール誘導体は親水性のヒドロキシル基と疎水性の含フッ素基を併有するので、該化合物を適当な有機溶剤、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、クロロホルム、塩化メチレン、酢酸エチル、ヘキサン、エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、ピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルイミダゾリジノン等に溶解させて調製される表面改質剤を各種の金属(例えば、鉄、アルミニウム、銅等)、ガラス、皮革、繊維等の表面に塗布すると、該化合物分子は、含フッ素を外側にした状態で、ヒドロキシル基を介して金属やガラス等の表面に密着するので、金属やガラス等の表面には該含フッ素基に起因する撥水撥油性や防汚性等の特性が効果的に付与される。
【0012】
従って、本発明による含フッ素ベンズアセタール誘導体を適当な有機溶剤に適宜の濃度(例えば、0.1〜30重量%)で溶解させた溶液を酸性条件下(通常は、塩酸、酢酸、ギ酸等を用いてpHを1〜6に調製する)において、金属やガラス等の表面に塗布するか、または該含フッ素ベンズアセタール誘導体を酸性条件下で処理することによって調製される前記の含フッ素カテコール誘導体を適当な有機溶剤に適宜の濃度(例えば、0.1〜30重量%)で塗布することによって、金属やガラス等の表面を効果的に改質することができる。
【0013】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって説明する。
実施例1
攪拌器と温度計を備えた3口フラスコ(100ml)内に、N,N−ジメチルホルムアミド50mlにセサモール10.0g(72.5ミリモル)を溶解させた溶液を入れ、次いで、トリエチルアミン11.0ml(1.05当量)を攪拌下で加え、さらに、ペルフルオロ(2−イソプロピル−1,3−ジメチル−2−ブテン)36.0g(1.05当量)を攪拌下で10分間かけて滴下した。フラスコ内の反応溶液の温度を室温まで上げた後、攪拌をさらに12時間続行した。反応終了後、反応混合物を氷冷した塩酸水溶液(0.5N)300ml中へゆっくりと注ぎ、攪拌を5分間おこなった後、分離した水性層を除去し、残存した油状物を氷水を用いて中性になるまで洗浄し、次いで硫酸マグネシウムを用いる乾燥処理に付すことによって、化合物(Ia)[4−(ぺルフルオロ(2−イソプロピル−1,3−ジメチル−2−ブテニル))オキシ−1,2−メチレンジオキシベンゼン]を38.3g得た(収率:93%)。化合物(Ia)の物性を以下の表1に示す。
【0014】
【化18】
【0015】
実施例2
ペルフルオロ(2−イソプロピル−1,3−ジメチル−2−ブテン)の代りに4−(ペルフルオロ(2’−イソプロピル−1’,3’−ジメチル−2’−ブテニルオキシ)−ベンゾイルクロリドを12.7g(1.0当量)使用する以外は実施例1の場合と同様の手順に準拠することによって、化合物(Ib)[4−(4’−ペルフルオロ(2”−イソプロピル−1”,3”−ジメチル−2”−ブテニル))オキシベンゾイル)オキシ−1,2−メチレンジオキシベンゼン]を11.9g得た(収率:79.4%)。
化合物(Ib)の物性を以下の表1に示す。
【0016】
【化19】
【0017】
実施例3
ペルフルオロ(2−イソプロピル−1,3−ジメチル−2−ブテン)の代りに5−(ペルフルオロ(2”−イソプロピル−1”,3”−ジメチル−2”−ブテニル))オキソイソフタル酸クロリドを14.6g(1.0当量)使用する以外は実施例1の場合と同様の手順に準拠することによって、化合物(Ic)[3,5−ビス(3’,4’−(メチレンジオキシ)−フェノキシカルボニル)−1−(ペルフルオロ(2”−イソプロピル−1”,3”−ジメチル−2”−ブテニル))オキシベンゼン]を7.0g得た(収率:38.0%)。
化合物(Ic)の物性を以下の表1に示す。
【0018】
【化20】
【0019】
実施例4
ペルフルオロ(2−イソプロピル−1,3−ジメチル−2−ブテン)の代りにペルフルオロ(1−エチル−2−メチル−1−プロペン)を6.7g(1.0当量)使用する以外は実施例1の場合と同様の手順に準拠することによって、化合物(Id)[4−(ペルフルオロ(1−エチル−2−メチル−1−プロペニル))オキシ−1,2−メチレンジオキシベンゼン]を6.9g得た(収率:76.1%)。
化合物(Id)の物性を以下の表1に示す。
【0020】
【化21】
【0021】
実施例5
セサモールの代りにピペロニルアルコールを10.0g(1.0当量)使用する以外は実施例1の場合と同様の手順に準拠することによって、化合物(Ie)[4−(ペルフルオロ(2−イソプロピル−1,3−ジメチル−2−ブテニル))オキシメチル−1,2−メチレンジオキシベンゼン]を13.9g得た(収率:36.8%)。
化合物(Ie)の物性を以下の表1に示す。
【0022】
【化22】
【0023】
【表1】
【0024】
【発明の効果】
本発明による含フッ素ベンズアセタール誘導体または含フッ素カテコール誘導体を含有する表面改質剤を使用することによって、金属やガラス等の表面に撥水撥油性や防汚性等を効果的に付与させることができる。
従って、この種の表面改質剤は広範囲の分野、例えば建築材料、機械部品、電気電子機器、什器、皮革、繊維等の分野において有用である。
Claims (7)
- nが6または9である請求項1記載の含フッ素ベンズアセタール誘導体。
- nが6または9である請求項3記載の含フッ素ベンズアセタール誘導体。
- 請求項1から6いずれかに記載の含フッ素化合物を含有する表面改質剤。
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JP18232094A JP3583168B2 (ja) | 1994-08-03 | 1994-08-03 | 含フッ素ベンズアセタール誘導体 |
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