JP3582983B2 - アルキルシラン類の精製方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は高純度アルキルシラン類の精製方法に関する。
特に、塩素を含まない高純度アルキルシランガスは半導体材料のプロセスガスとして注目されている。
【0002】
【従来技術】
従来、有機ケイ素化合物の主な用途としては、シリコーン、シランカップリング剤、シリル化剤等の機能製品の原料としての需要が主流であった。
有機ケイ素化合物の一つであるアルキルシラン類は、種々の方法で合成されている。中でもアルキルクロロシラン類を出発原料とし、金属水素化物を用いて水素化しアルキルシラン類を得る方法が良く知られている。
【0003】
アルキルクロロシラン類の水素化によって合成され、回収したアルキルシラン類には、未反応のアルキルクロロシラン類や、原料中の不純物として或いは副生物として、塩化水素やSiCl等などの塩素分が微量に混入するものの、従来の用途であるシリコーン、シランカップリング剤、シリル化剤等の原料としては、これらの塩素分はさほど影響しないものであった。
【0004】
近年、アルキルシランを半導体材料のプロセスガスとして用いる研究開発が進められている。中でも層間絶縁膜のドライフォトレジスト材料として、このアルキルシランを用いると、従来の樹脂系フォトレジスト剤に比べ、成膜速度を速める等の効果が期待されている。しかし、この用途には塩素分の混入は絶縁性能に悪影響を与えるため大きな問題となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、アルキルシラン類の高純度化を図り、高純度アルキルシラン類を安定的かつ経済的に提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、アルキルクロロシラン類を出発原料とするアルキルシラン類の合成に於いて、アルキルシラン類中の塩素分を除去する方法について鋭意検討を重ねた結果、アルキルシラン類を水と接触させることにより塩素分が除去できることを知見し、本発明を完成させるに至った。
【0007】
即ち、本発明は一般式 RSiCl(ただしRはアルキル基、アルケニル基、またはアリール基)で表されるアルキルクロロシラン類を出発原料に用い、合成される一般式RSiH(式中のRは上記定義したとおり)で表されるアルキルシラン類を水と接触させて洗浄し、少なくともRSiH中の塩素分を除去することを特徴とするアルキルシラン類の精製方法に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明において出発原料として用いるアルキルトリクロロシラン類とは、一般式RSiClで表されるアルキルクロロシラン類であり、また該合成物のアルキルシラン類とは、一般式RSiHで表されるアルキルシラン類である(式中のRはアルキル基、アルケニル基、またはアリール基を示す)。
【0009】
具体的に例示すると、アルキル基としては、−CH、−C、−(CHCH、−CH(CH、−C(CH、などが挙げられ、アルケニル基としては、−CH=CH、−CH−CH=CH、−(CH−CH=CHなどが挙げられ、また、アリール基としては、−C、−C(CH)などが挙げられる。
【0010】
アルキルトリクロロシラン類の水素化する方法を例示すると、下式に示す方法が挙げられる。
4RSiCl+3LiAlH→4RSiH+3LiCl+3AlCl・・・(1)
RSiCl+3(CAlH→RSiH+3(CAlCl・・・(2)
4RSiCl+3SiH→4RSiH+3SiCl ・・・(3)
【0011】
(1)式にて用いられる金属水素化剤には、LiAlH以外に、LiBH、NaAlH、LiAlH等の複合金属水素化物あるいは、LiH、NaH等の1個の金属からなる水素化物を用いる方法もある。
(3)式ではSiClが副生することは明らかであるが、(1)及び(2)式に於いてもアルキルシラン類中に塩素分が混入する。
この原因は、未反応のアルキルクロロシラン類や、原料中に不純物として塩化水素やSiCl等などの含有物が、回収したアルキルシラン類に混入するためである。
【0012】
本発明は、このアルキルシラン類中の塩素分の除去であって、水と接触させ塩素分を分解、吸収させることにある。
アルキルシラン類の水に対する分解性については、殆ど知られていない。
本発明者らは、アルキルシラン類の水に対する分解性について実験を行った結果、各物質により異なるものの、いずれも僅かに加水分解を生じることが明らかになった。
【0013】
そこで、効率よくアルキルシラン類中の塩素分を除去するため、水との接触時間を0.1〜1000秒間、好ましくは1〜300秒間、更に好ましくは5〜60秒間で実施されることが望まれる。1000秒を越える長い時間で水に接触させると、塩素分を除去する上で効果があるものの、アルキルシラン類の分解により収率を低下させてしまう結果となる。逆に0.1秒未満の短い時間で水に接触させた場合、塩素分を十分に除去することが出来ないので好ましくない。
【0014】
また、アルキルシラン類はアルカリ性の水溶液に対し、比較的容易に加水分解し易いことも知見した。確かにアルカリ性の水溶液を用いると塩素分を除去には効果があるものの、分解により収率を低下させてしまうことから、接触させる水のpHは9以下であることが好ましい。
【0015】
アルキルシラン類を水と接触させる方法は、特定するものではないが、いくつかの方法を下記に例示する。
アルキルシラン類の内、室温で気体であるものを水と接触させる場合、バブラーまたは洗浄塔を用いて実施することが出来る。
また、室温で液体であるものを水と接触させる場合、攪拌槽を用いて実施することが出来る。
【0016】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例1
純度98重量%のメチルトリクロロシラン(CHSiCl)をリチウムアルミニウムハイドライド(LiAlH)粉末に滴下し、反応ガスを液体Nにて冷却した捕集ボンベに回収した。
この捕集ガスを室温にもどし、気化した後ガスクロで分析したところ、未反応のメチルトリクロロシランがメチルシランに対し、4容量%含まれていることが判った。
尚、ガスクロは日立製GC−300型(検出器 PID)を用い、分析カラムにはジーエルサイエンス社の充填剤(液相:SiliconSE−30 10%,担体:UniportB)を用い分析した。
【0017】
図1に示す40φ×300mm(高さ)のテフロン製のバブラー容器本体1を用い、これに純水(pH=6.3)250ccを入れ、これに上記反応の捕集ガスを、浸液導入管2より0.17cc/secでバブリングし洗浄した。この時の浸液導入管2から発生した気泡は、0.6秒で液面に達した。
バブリングを開始して10分後、出口管3よりガスをサンプリングしガスクロマトグラフで分析したところ、メチルトリクロロシランがメチルシランに対し、1容量ppm以下に減少していることが判った。
また、島津製作所FT−IR(DR−8060)を用い、1mの長光路セルに上記反応の捕集ガスを導入しSiCl及びHClを測定した結果、共に1容量ppm以下であった。
尚、洗浄前後でメチルシランの収率を測定したところ、99.3重量%であった。
【0018】
実施例2
純度98重量%のビニルトリクロロシラン(CH=CHSiCl)をn−ブチルエーテルに分散させたナトリウムアルミニウムハイドライド(NaAlH)スラリーに滴下し、反応ガスを液体Nにて冷却した捕集ボンベに回収した。
この捕集ガスを室温にもどし、気化した後、実施例1と同様にガスクロマトグラフで分析したところ、未反応のビニルトリクロロシランがビニルシランに対し0.3容量%含まれていることが判った。
【0019】
図2に示す50φ×1000mm(容積1963ml)のステンレス製の洗浄塔本体4を用い、これに純水(pH=6.3)を洗浄水供給管7より200cc/minを供給し、これに上記反応の捕集ガスを、導入管5より2cc/secで通気した。この時のガスと水との接触時間は980秒であった。
ガス供給を開始して60分後、出口管6よりガスをサンプリングしガスクロマトグラフで分析したところ、ビニルトリクロロシランがビニルシランに対し、1容量ppm以下に減少していることが判った。
また、実施例1と同機種のFT−IR及びガスセルを用い、上記反応の捕集ガスを導入し測定した結果、SiCl及びHClは1容量ppm以下であった。尚、洗浄前後でビニルシランの収率を測定したところ、96.4容量%であった。
【0020】
実施例3
純度98重量%のフェニルトリクロロシラン(CSiCl)試薬をn−ブチルエーテルに分散させたリチウムアルミニウムハイドライド(LiAlH)スラリーに滴下し、反応後、蒸留分離してフェニルシランを回収した。
このフェニルシランを、実施例1と同様にガスクロマトグラフで分析したところ、未反応のフェニルトリクロロシランがフェニルシランに対し0.1容量%含まれていることが判った。
【0021】
図3に示す80φ×90mm(容積450ml)のテフロンコーティングを施したステンレス製の攪拌槽本体9を用い、これに純水(pH=6.3)を洗浄水供給管13より50cc/minを入れ、攪拌器10を70rpmで攪拌しながら、これに上記の蒸留回収したフェニルシランを、注入管11より0.05cc/secで供給した。この時の出口管12からの初留液は、蒸留回収したフェニルシランを供給してから180秒であった。
出口管12よりサンプリングし、ガスクロマトグラフで分析したところ、フェニルトリクロロシランがフェニルシランに対し、1容量ppm以下に減少していることが判った。
また、実施例1と同機種のFT−IR用い、液体セルに導入し測定した結果、SiCl及びHClは1容量ppm以下であることが判った。
尚、洗浄前後でビニルシランの収率を測定したところ、98.7重量%であった。
【0022】
【発明の効果】
本発明はアルキルクロロシラン類を出発原料とするアルキルシラン類の合成に於いて、アルキルシラン類中の塩素分を除去する方法であって、アルキルシラン類を水と接触させるという、経済的かつ効果的な方法を完成させた。
この発明により、層間絶縁膜のドライフォトレジスト材料として、この塩素分を含まないアルキルシランを用いることにより、高性能な半導体を製造することが出来る。
【0023】
【図面の簡単な説明】
【図1】バブラーを用いた洗浄の一例を示す装置図
【図2】洗浄塔を用いた洗浄の一例を示す装置図
【図3】攪拌槽を用いた洗浄の一例を示す装置図
【符号の説明】
1 バブラー容器本体
2 浸液導入管
3 出口管
4 洗浄塔本体
5 導入管
6 出口管
7 洗浄水供給管
8 洗浄水排出管
9 攪拌槽本体
10 攪拌器
11 注入管
12 出口管
13 洗浄水供給管
14 洗浄水排出管

Claims (6)

  1. 一般式 RSiCl(ただしRはアルキル基、アルケニル基、またはアリール基)で表されるアルキルクロロシラン類を出発原料に用い、合成される一般式RSiH(式中のRは上記定義したとおり)で表されるアルキルシラン類を水と接触させて洗浄し、少なくともRSiH中の塩素分を除去することを特徴とするアルキルシラン類の精製方法。
  2. アルキルシラン類を水と接触させて洗浄する際の滞留時間が0.1〜1000秒間である請求項1記載の精製方法。
  3. アルキルシラン類に接触させる水のpHが9以下である請求項1記載の精製方法。
  4. 室温に於いて気体のアルキルシラン類を、バブラーを用い水との接触させる請求項1記載の精製方法。
  5. 室温に於いて気体のアルキルシラン類を、洗浄塔を用い水との接触させる請求項1記載の精製方法。
  6. 室温に於いて液体のアルキルシラン類を、攪拌槽を用い水との接触させる請求項1記載の精製方法。
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